JP2021059528A - イリジウム錯体及び該化合物からなる発光材料 - Google Patents

イリジウム錯体及び該化合物からなる発光材料 Download PDF

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Hideo Konno
英雄 今野
橋本 雅司
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Abstract

【課題】可視光領域に半値幅の狭い発光スペクトルを示すイリジウム錯体の提供。【解決手段】式(IR−27)で表される化合物等のイリジウム錯体。【選択図】図1

Description

本発明は有機電界発光素子等の発光材料として好適に用いられるイリジウム錯体に関する。
有機電界発光素子はテレビや携帯電話のディスプレイとして注目されており、今後の実用化に向けて発光効率の向上が強く求められている。有機電界発光素子に用いられる発光材料は、励起一重項状態からの発光を利用する蛍光材料と、励起三重項状態からの発光を利用する燐光材料に大きく分類できる。有機電界発光素子では、発光材料として燐光材料を用いることで、従来の蛍光材料より原理的に発光効率が4倍となることから、燐光材料の開発が活発に行われてきた。
例えば、緑色領域に効率よく発光を示す燐光材料として、フェニルピリジン系配位子を有するイリジウム錯体が開示されている(特許文献1、2ならびに非特許文献1参照)。
特表2003−526876 特開2011−121876
NHK技研R&D,2017年,No.164,68−74頁.
特許文献1と2に記載されているフェニルピリジン配位子を有するイリジウム錯体は緑色発光を示すが、発光スペクトルの形状がブロード(幅広)で色純度が悪い問題がある。ディスプレイ用途の発光材料としては、半値幅(Full Width at Half Maximum=FWHM)の狭い発光スペクトルを示すことが望まれており、特に緑色発光材料の高色純度化が大きな技術課題となっている(非特許文献1参照)。
本発明の目的は、可視光領域(特に緑色〜赤色領域)に半値幅の狭い発光スペクトルを示すイリジウム錯体ならびに該化合物を用いた発光材料を提供することにある。
本発明者らは上記実状に鑑み、イリジウム錯体の構造と発光特性の関係について鋭意研究を積み重ねてきた。その結果、一般式(6)で表される有機配位子の特定位置に一般式(7)で表される特定置換基を導入すると、イリジウム錯体の発光が、意外にも大きく長波長シフトすると同時に半値幅が非常に狭くなることを見出した。この分子設計アプローチにより、従来は実現困難であった可視光領域(特に緑色〜赤色領域)に半値幅の狭い発光を示すイリジウム錯体の開発に成功し、本発明を完成するにいたった。以上の実験事実は、従来全く知られていないものであり、本発明者らの数多くの緻密な実験によって得られた新たな知見である。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
(一般式(6)と(7)中、Ir、N、環A、X、R〜Rは、後述する一般式(1)中のIr、N、環A、X、R〜Rと同一である。*は一般式(6)との結合部位である。)
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
<1>下記一般式(1)で表されることを特徴とする、イリジウム錯体。
Figure 2021059528
(一般式(1)中、Irはイリジウム原子を表し、Nは窒素原子を表す。環Aは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピラゾール環、イミダゾール環、または、トリアゾール環を表す。R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、アルキル基を表す。Xは、NまたはC(R)を表す。RおよびRは、各々独立に、アルキル基を表す。Rは、水素原子またはアルキル基を表す。Lはアニオン性2座配位子を表す。Lが複数存在するときは、各々、同一でも異なっても良い。m=1〜3を表し、n=0〜2を表す。但し、m+n=3である。)
<2>環Aが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする、前記1に記載のイリジウム錯体。
Figure 2021059528
(一般式(2)中、Nは窒素原子を表す。XはNまたはC(R12)を表す。XはNまたはC(R13)を表す。但し、XがNのときXはC(R13)であり、XがC(R12)のときXはNである。R〜R11は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。R12とR13は、各々独立に、アルキル基、または、アリール基を表す。)
<3>環Aが、下記一般式(3)で表されることを特徴とする、前記1に記載のイリジウム錯体。
Figure 2021059528
(一般式(3)中、Nは窒素原子を表す。R14は、アルキル基、または、アリール基を表す。R15とR16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
<4>環Aが、下記一般式(4)で表されることを特徴とする、前記1に記載のイリジウム錯体。
Figure 2021059528
(一般式(4)中、Nは窒素原子を表す。R17〜R22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
<5>環Aが、下記一般式(5)で表されることを特徴とする、前記1に記載のイリジウム錯体。
Figure 2021059528
(一般式(5)中、Nは窒素原子を表す。R23〜R26は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
<6>R、RおよびRが、水素原子であることを特徴とする、前記1〜5の何れかに記載のイリジウム錯体。
<7>XがC(R)であることを特徴とする、前記1〜6の何れかに記載のイリジウム錯体。
<8>Lが芳香族複素環2座配位子またはβ−ジケトン配位子であることを特徴とする、前記1〜7の何れかに記載のイリジウム錯体。
<9>m=3、n=0であることを特徴とする、前記1〜7の何れかに記載のイリジウム錯体。
<10>m=2、n=1であることを特徴とする、前記1〜8の何れかに記載のイリジウム錯体。
<11>前記1〜10の何れかに記載のイリジウム錯体を含むことを特徴とする、発光材料。
<12>前記11に記載の発光材料を含むことを特徴とする、発光素子。
本発明の新規イリジウム錯体は、室温下で可視光領域(特に緑色〜赤色領域)に強い発光を示すことから、各種用途の発光材料として好適に用いることができる。また該化合物を用いた発光素子は、半値幅の狭いシャープな発光を示すことから、ディスプレイ用途に好適である。
本発明化合物(Ir−4)の室温下、トルエン中における発光スペクトルである。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本発明の一般式の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、また更に置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
まず、一般式(1)〜(5)中に記載した記号(Ir、N、C、X、X、X、R〜R26、環A、L、m、n)について以下に説明する。
Irはイリジウム原子を表し、Nは窒素原子を表し、Cは炭素原子を表す。
は、NまたはC(R)であり、C(R)であることが好ましい。
はNまたはC(R12)を表す。XはNまたはC(R13)を表す。但し、XがNのときXはC(R13)であり、XがC(R12)のときXはNである。その中でも、XがC(R12)であり、XはNであることが好ましい。
、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、アルキル基を表し、水素原子、または、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。RとRが水素原子であることによって、本発明の一般式(1)で表されるイリジウム錯体の発光の半値幅が狭くなることから特に好ましい。
およびRは、各々独立に、アルキル基を表す。その中でも、分岐アルキル基であることが好ましい。具体的には、iso−プロピル基、または、t−ブチル基であることがより好ましく、t−ブチル基であることが特に好ましい。また、RおよびRは同一でも異なっても良く、同一であることが好ましい。
およびRがアルキル基(好ましくは、分岐アルキル基)であると、その立体障害により、副反応を抑制することができる。例えば、環Aがトリアゾール環で、RとRがt−ブチル基の場合、以下(化8)に示すように、イリジウムはトリアゾール環に配位できるが、分岐アルキル基の立体障害により、トリアジン環に配位することは困難である。したがって、RとRがアルキル基、好ましくは、分岐アルキル基であると、本発明の一般式(1)で表されるイリジウム錯体の合成収率が大きく向上することからより好ましい。
Figure 2021059528
一方、RとRがアリール基(例えば、フェニル基)である場合、以下(化9〜化11)に示すように、イリジウムはトリアジン環で配位することもでき、所望とする一般式(1)で表されるイリジウム錯体の合成収率が著しく低下することから、好ましくない。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
は、水素原子、または、アルキル基を表す。その中でも、水素原子、または、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
とR11は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、イソプロピル基またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
とR10は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子、または、メチル基がより好ましく、水素原子がより特に好ましい。
12とR13は、各々独立に、アルキル基、または、アリール基を表し、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。R12またはR13がアルキル基であると、トリアゾール環上のフェニル基と結合していない2つの窒素原子うち、イリジウムと配位しない窒素原子(配位フリー窒素)が保護される。この構造的特徴により、酸素等による配位フリー窒素の酸化や、配位フリー窒素とイリジウムとの配位結合の形成を抑えることができ、所望とする一般式(1)で表されるイリジウム錯体を収率よく得ることができる。さらに、イリジウム錯体の熱安定性が向上する。
14は、アルキル基、または、アリール基を表し、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
15とR16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
17〜R26は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子、または、メチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
環Aは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピラゾール環、イミダゾール環、または、トリアゾール環を表す。環Aがピラゾール環またはトリアゾール環であると、本発明化合物は半値幅の狭い色純度に優れた緑色発光を示すことから好ましく、その中でもトリアゾール環であることがより好ましい。また、環Aがキノリン環またはイソキノリン環であると、本発明化合物は半値幅の狭い色純度に優れた赤色発光を示すことから好ましく、その中でもキノリン環であることがより好ましい。
環Aとして望ましい形態は、具体的に一般式(2)〜(5)で表される。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
環Aがトリアゾール環である場合、一般式(1)で表されるイリジウム錯体は、一般式(8)で表されることが好ましく、一般式(9)または一般式(10)で表されることがより好ましく、一般式(9)で表されることが特に好ましい。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
環Aがピラゾール環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(11)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
環Aがキノリン環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(12)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
環Aがピリジン環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(13)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
環Aがピリミジン環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(14)または一般式(15)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
環Aがピラジン環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(16)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
環Aがイソキノリン環である場合、一般式(1)で表される本発明のイリジウム錯体は、一般式(17)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
環Aがイミダゾール環である場合、一般式(1)で表されるイリジウム錯体は、一般式(18)で表されることが好ましい。
Figure 2021059528
一般式(6)〜(18)中に記載した記号(Ir、N、C、X、X、X、R〜R26、環A、L、m、n)については、一般式(1)〜(5)中に記載した記号と同義であり、望ましい範囲も同じである。
27〜R43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子、または、メチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
また隣り合ったR〜R43は結合して環構造を形成してもよい。環構造としては、飽和炭素環、または、不飽和炭素環が好ましく、不飽和炭素環がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。当該環構造はアルキル基またはアリール基で置換されても良い。
Lはアニオン性2座配位子を表す。アニオン性2座配位子の中でも、芳香族複素環2座配位子またはβ−ジケトン配位子であることが好ましく、芳香族複素環2座配位子であることがより好ましい。芳香族複素環2座配位子としては、2−フェニルピリジン、2−フェニルイミダゾール、5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−フェニルピラゾール、2−フェニルピリミジン、2−フェニルキノリン、1−フェニルイソキノリン、または、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジンが好ましく、2−フェニルピリジン、5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−フェニルピラゾール、または、2−フェニルキノリンがより好ましい。β−ジケトン配位子としては、2,4−ペンタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンが好ましく、2,4−ペンタンジオンがより好ましい。またLが複数存在するときは、各々、同一でも異なっても良い。
なお、上記のアニオン性2座配位子には置換基がついても良い。置換基としては、アルキル基、アリール基、アルキルシリル基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子があり、アルキル基、アリール基、アルキルシリル基、複素環基、シアノ基、または、ハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリール基、または、ハロゲン原子がより好ましく、アルキル基、または、アリール基が特に好ましい。
また、Lが下記一般式(A)〜(D)の何れかから選ばれることも好ましい。
Figure 2021059528
一般式(A)〜(D)中の記号、N、X、X、R〜R、R〜R11、および、R14〜R26は、一般式(1)〜(18)中の記号と同じである。*はイリジウムとの結合部位を表す。Rは、一般式(1)〜(18)中のR17〜R26と同様に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表し、水素原子、または、アルキル基が好ましく、水素原子、または、メチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
m=1〜3を表し、m=2または3が好ましく、m=3がより好ましい。n=0〜2を表し、n=0または1が好ましく、n=0がより好ましい。但し、m+n=3である。m=2より、m=3の方が、本発明の一般式(1)で表されるイリジウム錯体の発光スペクトルの半値幅は狭くなる傾向にあることから特に好ましい。
本明細書中のアルキル基は、アリール基、アルキルシリル基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、または、ハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つで置換されても良く、これらの置換基でさらに置換されても良い。
本明細書中のアリール基は、アルキル基、アリール基、アルキルシリル基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、または、ハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つで置換されても良く、これらの置換基でさらに置換されても良い。
本明細書中のアルキル基は、置換基の炭素数は含めないで、炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましく、炭素数1〜6がより特に好ましい。
本明細書中のアルキル基として、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、または、3,5−テトラメチルシクロヘキシル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、または、1−メチルペンチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
本明細書中のアリール基は、置換基の炭素数は含めないで、炭素数6〜30であることが好ましく、炭素数6〜20がより好ましく、炭素数6〜15が特に好ましく、炭素数6〜12がより特に好ましい。
本明細書中のアリール基として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、m−クウォーターフェニル基、1−ナフチル基、または、2−ナフチル基であり、より好ましくは、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、または、メシチル基であり、特に好ましくはフェニル基である。
以下、本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体は8面体6配位錯体であり、幾何異性体としてフェイシャル体とメリジオナル体が存在するケースがある。
幾何異性体としてフェイシャル体とメリジオナル体が存在する場合、本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体はフェイシャル体であることが好ましい。本発明に係るイリジウム錯体にはフェイシャル体が50%以上含まれていることが好ましく、80%以上含まれていることがより好ましく、90%以上含まれていることが特に好ましく、99%以上含まれていることがより特に好ましい。なおフェイシャル体またはメリジオナル体については、例えば、カラムクロマトグラフィーや再結晶などの手法を用いて分離精製することが可能であり、NMR、質量分析またはX線結晶構造解析などで同定することができる。またその含有率についてはNMRまたはHPLCで定量することができる。
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体のメリジオナル体、もしくはメリジオナル体を含む溶液に光照射し、フェイシャル体へ異性化させることも好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体については、国際公開第2004/101707号パンフレット、国際公開第2016/006523号パンフレット、特開2012−46479号、国際公開第2016/203350号パンフレットなどの公知文献を参考に合成できる。
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体は、通常の合成反応の後処理に従って処理した後、必要があれば精製してあるいは精製せずに供することができる。後処理の方法としては、例えば、抽出、冷却、水、もしくは、有機溶媒を添加することによる晶析、または反応混合物からの溶媒を留去する操作などを単独あるいは組み合わせて行うことができる。精製の方法としては再結晶、蒸留、昇華またはカラムクロマトグラフィーなどを単独あるいは組み合わせて行うことができる。
本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体を真空蒸着法やスピンコート法等によって、発光素子の発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層に含有させることで、可視光領域に半値幅の狭いシャープな発光を示す発光素子が得られる。
以下に、本発明に係る、一般式(1)で示されるイリジウム錯体の代表例を表1〜表7に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
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Figure 2021059528
Figure 2021059528
Figure 2021059528
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1−1(本発明化合物(Ir−4)の合成)
Figure 2021059528
IrCl・nHO 150.1mg、配位子(L−4)425.4mg、2−エトキシエタノール15ml、水4.6mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、24時間加熱還流させた。反応溶液を室温まで冷却後、ジクロロメタンと水を加えてから抽出し有機層を回収した。有機層を減圧濃縮し析出した黄色固体をジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶し、中間体(D−4)を379.7mg得た。
引き続いて、中間体(D−4)122.0mg、配位子(L−4)150.0mg、トリフルオロメタンスルホン酸銀37.4mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)1mlをシュレンク管に入れ、アルゴン雰囲気下、166℃で66時間加熱反応させた。反応混合物を室温まで冷却後、ジクロロメタンを加えて、セライト層を通してろ過した。ろ液を減圧乾固し析出した固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒)で分離精製し、本発明化合物(Ir−4)を95.9mg得た。得られた本発明化合物(Ir−4)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−4)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)7.92(d,3H),7.82(dd,3H),7.46(t,3H),7.42(d,3H),7.22(d,3H),7.07(s,3H),6.52(d,3H),2.27(s,9H),2.25(s,9H),1.70(s,9H),1.12(s,54H).
実施例1−2(本発明化合物(Ir−3)の合成)
Figure 2021059528
IrCl・nHO 75.5mg、配位子(L−3)204.6mg、2−エトキシエタノール7ml、水2.3mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、15時間加熱還流させた。反応溶液を室温まで冷却後、ジクロロメタンと水を加えてから抽出し有機層を回収した。有機層を減圧濃縮し析出した黄色固体をジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶し、中間体(D−3)を214.9mg得た。
引き続いて、中間体(D−3)123.0mg、配位子(L−3)150mg、トリフルオロメタンスルホン酸銀37.4mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)0.5mlをシュレンク管に入れ、アルゴン雰囲気下、166℃で66時間加熱反応させた。反応混合物を室温まで冷却後、ジクロロメタンを加えて、セライト層を通してろ過した。ろ液を減圧乾固し析出した固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒)で分離精製し、本発明化合物(Ir−3)を100.3mg得た。得られた本発明化合物(Ir−3)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−3)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)7.82−7.84(m,6H),7.50(t,3H),7.44(d,3H),7.27(d,3H),6.55(d,3H),2.27(s,9H),2.26(s,9H),1.70(s,9H),1.17(s,54H).
実施例1−3(本発明化合物(Ir−27)の合成)
Figure 2021059528
酢酸イリジウム 10.0mg、配位子(L−27)35.1mg、ジエチレングリコール1mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、150℃で15時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、析出した固体をメタノールで洗浄した。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒)で分離精製し、本発明化合物(Ir−27)を3mg得た。得られた本発明化合物(Ir−27)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−27)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)8.31(d,3H),8.14(dd,3H),8.04(d,3H),7.79(d,3H),7.71(dd,3H),7.69(d,3H),7.03(dd,3H),1.12(s,54H).
実施例1−4(本発明化合物(Ir−28)の合成)
Figure 2021059528
酢酸イリジウム10.0mg、配位子(L−28)35.1mg、ジエチレングリコール1mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、150℃で15時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、析出した固体をメタノールで洗浄した。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒)で分離精製し、本発明化合物(Ir−28)を4mg得た。得られた本発明化合物(Ir−28)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−28)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)8.29(brs,3H),8.12(d,3H),8.00(d,3H),7.76(d,3H),7.66−7.70(m,6H),6.98(dd,3H),6.94(s,3H),1.08(s,54H).
実施例1−5(本発明化合物(Ir−35)の合成)
Figure 2021059528
塩化イリジウム三水和物51.7mg、配位子(L−35)1.41g、ジエチレングリコール3mlをナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、500Wのマイクロウェーブ(2450Hz)を35分間照射した。反応溶液を室温まで冷却後、水を加え析出した固体をメタノールで洗浄した。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒)で分離精製し、本発明化合物(Ir−35)を3mg得た。得られた本発明化合物(Ir−35)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−35)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)8.19(d,3H),8.16(d,3H),8.09(d,3H),8.08(dd,3H),7.89(d,3H),7.78(d,3H),7.68(dd,3H),7.21(m,3H),6.75(m,3H),1.23(s,54H).
実施例1−6(本発明化合物(Ir−38)の合成)
Figure 2021059528
IrCl・nHO 180.3mg、配位子(L−35)503.3mg、2−エトキシエタノール10mlナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、24時間加熱還流させた。反応溶液を室温まで冷却後、水を加え中間体(D−35)を含む沈殿を回収した。
引き続いて、中間体(D−35)を含む沈殿614.5mg、アセチルアセトン77.4mg、炭酸ナトリウム81.1mg、2−エトキシエタノール10mlをナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、90℃で4時間加熱反応させた。反応混合物を室温まで冷却後、水を加え析出した固体を回収した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:トルエン)で分離精製し、本発明化合物(Ir−38)を147mg得た。
本発明化合物(Ir−38)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)8.72(d,2H),8.56(d,2H),8.48(d,2H),8.13(d,2H),8.07(m,4H),7.78(d,2H),7.76(td,2H),7.55(m,2H),4.88(s,1H),1.55(s,6H),1.12(s,36H).
実施例1−7(本発明化合物(Ir−79)の合成)
Figure 2021059528
塩化イリジウム三水和物33.5mg、配位子(L−79)150mg、エチレングリコール3mlをナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で2時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、水を加え析出した固体をメタノールで洗浄した。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン)で分離精製し、本発明化合物(Ir−79)を6mg得た。得られた本発明化合物(Ir−79)はフェイシャル体であった。
本発明化合物(Ir−79)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)8.13(dd,3H),8.06(d,3H),7.46(d,3H),7.24(d,3H),6.55(d,3H),3.27(s,3H),1.12(s,54H).
実施例1−8(本発明化合物(Ir−88)の合成)
Figure 2021059528
化合物(D−88)202.7mg、トリフルオロメタンスルホン酸銀80.5mg、ジクロロメタン10ml、メタノール0.6mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、室温で65時間撹拌した。反応溶液をセライト層に通してろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して、中間体(I−88)を得た。
引き続いて、上記で得られた中間体(I−88)を全量、配位子(L−88)301mg、エタノール6mlをシュレンク管に入れ、アルゴン雰囲気下、90℃で187時間加熱反応させた。室温まで冷却し析出した固体をろ過し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶することで本発明化合物(Ir−88)を得た。反応溶液については減圧留去し、これにエタノール3mlを加え、アルゴン雰囲気下、25日間加熱還流した。室温まで冷却し、析出した固体を吸引ろ過で回収した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒)で単離精製し、さらにジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶した。本発明化合物(Ir−88)を合わせて236.6mg得た。
本発明化合物(Ir−88)のH−NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)7.91(dd,1H),7.81(dd,1H),7.32−7.52(m,8H),7.20(s,1H),7.15(d,1H),6.52−6.66(m,6H),6.48(d,1H),6.42(s,1H),6.40(s,1H),2.23(s,3H),2.21(s,6H),2.16(s,6H),2.15(s,3H),1.84(s,3H),1.83(s,3H),1.54(s,3H),1.20(s,18H).
次に本発明のイリジウム錯体の発光特性について説明する。
実施例2−1 (本発明化合物(Ir−27)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−27)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、橙色発光(発光極大波長:562nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は37nmであった。
実施例2−2 (本発明化合物(Ir−28)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−28)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、黄色発光(発光極大波長:549nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は33nmであった。
比較例2−1 (比較化合物(A)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(A)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、緑色発光(発光極大波長:510nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は66nmであった。
比較例2−2 (比較化合物(B)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(B)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、黄緑色発光(発光極大波長:531nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は63nmであった。
比較例2−3 (比較化合物(C)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
特開2011−121876に開示されている比較化合物(C)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:492nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は54nmであった。
ここで実施例と比較例に記載されている化合物の発光特性を比較すると、本発明化合物の発光半値幅は33〜37nmであり、一方、比較化合物の発光半値幅は54〜66nmであることから、本発明化合物の方が半値幅の狭い優れた発光特性を示すことが明らかになった。また本発明化合物と比較化合物(A)を比較すると、一般式(7)で表される置換基効果によって、発光波長が39〜52nmも長波長シフトすることがわかった。さらに比較化合物(C)のケースのように、置換基の導入位置が変わると、発光波長は短波長シフトしてしまい、本発明とは逆の作用を示すことが明らかになった。さらに本発明化合物である(Ir−27)と(Ir−28)を比較すると、(Ir−28)の方が発光半値幅の狭い優れた発光を示すことから、一般式(1)中、XがC(R)であることが好ましいことがわかった。
実施例2−3 (本発明化合物(Ir−4)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−4)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、緑色発光(発光極大波長:518nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は24nmであった。
実施例2−4 (本発明化合物(Ir−3)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−3)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、緑色発光(発光極大波長:538nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は30nmであった。
比較例2−4 (比較化合物(D)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(D)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:456nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は51nmであった。
ここで、実施例2−3、実施例2−4、比較例2−4に記載されている化合物の発光特性を比較すると、本発明化合物の発光スペクトルの半値幅は24〜30nmであり、一方、比較化合物の発光スペクトルの半値幅は51nmであることから、本発明化合物の方が半値幅の狭い優れた発光を示すことが明らかになった。さらに、実施例2−1〜実施例2−4を比較すると、一般式(1)中、環Aがピリジン環よりトリアゾール環の方が、半値幅が狭くなることがわかった。つまり、本発明の効果が特に顕著に出ていることが明らかになった。
実施例2−5 (本発明化合物(Ir−79)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−79)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、緑色発光(発光極大波長:518nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は66nmであった。
比較例2−5 (比較化合物(E)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(E)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、全く発光を示さなかった。
実施例2−6 (本発明化合物(Ir−35)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−35)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、赤色発光(発光極大波長:609nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は71nmであった。発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.65,0.35)であった。
実施例2−7 (本発明化合物(Ir−38)のトルエン中での発光)
本発明化合物(Ir−38)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、赤色発光(発光極大波長:628nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は55nmであった。発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.68,0.31)であった。
比較例2−6 (比較化合物(F)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(F)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、橙色発光(発光極大波長:583nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は94nmであった。発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.57,0.43)であった。
比較例2−7 (比較化合物(G)のトルエン中での発光)
Figure 2021059528
比較化合物(G)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温下での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、赤色発光(発光極大波長:601nm)を示した。発光スペクトルの半値幅(FWHM)は77nmであった。発光のCIE色度座標は(x,y)=(0.63,0.37)であった。
実施例(2−5)と比較例(2−5)に記載されている化合物の発光特性を比較すると、比較化合物(E)が室温下で非発光性であることから、本発明化合物(Ir−79)の方が発光材料として優れていることは明らかである。また、実施例(2−6)〜(2−7)と比較例(2−6)〜(2−7)に記載されている化合物の発光特性を比較すると、本発明化合物の方が、比較化合物より発光の半値幅は狭く、発光のCIE色度座標は良好な値を示している。すなわち本発明化合物(Ir−35)と(Ir−38)は色純度に優れた赤色発光を示すことが明らかになった。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする、イリジウム錯体。
    Figure 2021059528
    (一般式(1)中、Irはイリジウム原子を表し、Nは窒素原子を表す。環Aは、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピラゾール環、イミダゾール環、または、トリアゾール環を表す。R、RおよびRは、各々独立に、水素原子、または、アルキル基を表す。Xは、NまたはC(R)を表す。RおよびRは、各々独立に、アルキル基を表す。Rは、水素原子またはアルキル基を表す。Lはアニオン性2座配位子を表す。Lが複数存在するときは、各々、同一でも異なっても良い。m=1〜3を表し、n=0〜2を表す。但し、m+n=3である。)
  2. 環Aが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム錯体。
    Figure 2021059528
    (一般式(2)中、Nは窒素原子を表す。XはNまたはC(R12)を表す。XはNまたはC(R13)を表す。但し、XがNのときXはC(R13)であり、XがC(R12)のときXはNである。R〜R11は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。R12とR13は、各々独立に、アルキル基、または、アリール基を表す。)
  3. 環Aが、下記一般式(3)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム錯体。
    Figure 2021059528
    (一般式(3)中、Nは窒素原子を表す。R14は、アルキル基、または、アリール基を表す。R15とR16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
  4. 環Aが、下記一般式(4)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム錯体。
    Figure 2021059528
    (一般式(4)中、Nは窒素原子を表す。R17〜R22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
  5. 環Aが、下記一般式(5)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のイリジウム錯体。
    Figure 2021059528
    (一般式(5)中、Nは窒素原子を表す。R23〜R26は、各々独立に、水素原子、アルキル基、または、アリール基を表す。)
  6. 、RおよびRが、水素原子であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のイリジウム錯体。
  7. がC(R)であることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載のイリジウム錯体。
  8. Lが芳香族複素環2座配位子またはβ−ジケトン配位子であることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載のイリジウム錯体。
  9. m=3、n=0であることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載のイリジウム錯体。
  10. m=2、n=1であることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載のイリジウム錯体。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のイリジウム錯体を含むことを特徴とする、発光材料。
  12. 請求項11に記載の発光材料を含むことを特徴とする、発光素子。
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