JP2021059524A - 外用組成物、及び外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法 - Google Patents

外用組成物、及び外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法 Download PDF

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未知瑠 黒木
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【課題】本発明は、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物において、ヘパリン類似物質の安定性を改善することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するための本発明は、(A)ヘパリン類似物質、並びに(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有する外用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、外用組成物、及び外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法に関する。
ヘパリン類似物質はムコ多糖類のひとつであり、優れた保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用及びその他の薬理作用(アトピー性皮膚炎、肥厚性瘢痕やケロイドの治療と予防、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後のケア等)を有することから、外用剤の有効成分として広く用いられている。このようなヘパリン類似物質の多様な有効性を効果的に発揮させるべく、ヘパリン類似物質を配合した種々の製剤が開発されている(特許文献1及び2参照)。
特開2015−232032号公報 特開2017−178798号公報
このような状況下、本発明者らは、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物の開発の際に、有効成分であるヘパリン類似物質の安定性が不十分であるという問題に直面した。この課題は、本発明者らが初めて見つけた新たな課題である。そこで、本発明は、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物において、ヘパリン類似物質の安定性を改善することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物において、トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有させることにより、外用組成物中のヘパリン類似物質の安定性を向上させることができることを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1](A)ヘパリン類似物質、並びに(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有する、外用組成物。
[2](B)アミノ酸成分において、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩が、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)及びこれらの塩である、[1]に記載の外用組成物。
[3](B)アミノ酸成分が、トラネキサム酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、L−アルギニン及びL−リジンからなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分である、[1]又は[2]に記載の外用組成物。
[4]pHが6以上である、[1]から[3]のいずれかに記載の外用組成物。
[5]さらに、(C)防腐剤、(D)増粘剤、(E)水、及び(F)有効成分からなる群より選択される1種以上の成分をさらに含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の外用組成物。
[6](A)ヘパリン類似物質、並びに(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を配合することを特徴とする、外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法。
本発明によると、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物において、トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有させることにより、外用組成物中のヘパリン類似物質の安定性を向上させることができる。また、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物においてこれらの成分を組み合わせることで、肌を滑らかにするという予想もしなかった効果も得られた。さらに、本発明の外用組成物は、ぬるつき、曳糸性、低浸透の原因となるムコ多糖類の1種であるヘパリン類似物質を含有しているにも関わらず、ぬるつきやべたつきが無くさらっとした使用感(さらさら感)が得られ、肌なじみが良いという予想外の効果も得られた。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
<外用組成物>
本発明の外用組成物は、(A)ヘパリン類似物質、並びに(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分(以下、単に「(B)アミノ酸成分」ともいう)を含有することを特徴とする。ヘパリン類似物質を含む外用組成物において、上記(B)アミノ酸成分を含有させることにより、外用組成物中でのヘパリン類似物質の安定性を向上させることができる。本発明の外用組成物は、上記(A)ヘパリン類似物質、(B)アミノ酸成分の必須成分に加えて、(C)防腐剤、(D)増粘剤、(E)水、(F)有効成分等の追加成分を含んでもよい。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、基剤・担体となる成分や、その他の任意成分を含んでいてもよい。以下に、上記(A)及び(B)の必須成分、(C)〜(F)の追加成分、基剤・担体成分、その他の任意成分について詳細に説明する。なお、各成分として具体的に例示されている化合物が重複している場合には、いずれかの成分として含まれていればよい。
[(A)ヘパリン類似物質]
ヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている公知の薬剤である。
本発明の外用組成物中のヘパリン類似物質の含有量は、組成物の全量に対して、0.005質量%〜5質量%であり、0.01質量%〜3質量%であることが好ましく、0.05質量%〜1質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.1質量%〜0.3質量%であることが特に好ましい。本発明の外用組成物中のヘパリン類似物質の含有量を上記範囲とすることで、ヘパリン類似物質の有する保湿作用や血行促進作用等の生理作用を発揮でき、炎症誘発性が十分に抑制された組成物とすることができる。
[(B)アミノ酸成分]
本発明の外用組成物は、(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有する。
ここで、上記「塩」は、薬学上許容される塩である。本発明の効果を奏する限り特に限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩;アルギニン、又はリシンなどの塩基性アンモニウム塩など)、又は無機塩基との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩:アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;又は亜鉛塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。中でも好ましい塩は、トリエタノールアミン塩、塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、又は亜鉛塩であり、より好ましい塩は、塩酸塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩である。
また、上記「誘導体」は、本発明の効果を損なわない範囲において、アシルアミノ酸の有する官能基の一部を化学修飾したもの、官能基の一部に保護基を付加したもの等をいい、異性体を含むものをいう。
(トラネキサム酸及びその塩)
トラネキサム酸及びその塩としては、トラネキサム酸、トラネキサム酸塩酸塩、トラネキサム酸カルシウム、トラネキサム酸の二量体;トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩などのトラネキサム酸のアミド体;トラネキサム酸ハイドロキノンエステル;トラネキサム酸ゲンチシン酸エステル;トラネキサム酸セチル塩酸塩が好ましく、トラネキサム酸、トラネキサム酸塩酸塩、トラネキサム酸セチル塩酸塩がより好ましく、トラネキサム酸がさらに好ましい。
(アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩)
アシルアミノ酸におけるアミノ酸としては、中性、酸性、塩基性、何れのものでもよく、L体、D体又はDL体の何れでもよい。例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン、リジン、アルギニン、メチルアラニン、タウリン、メチルタウリン等が挙げられ、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、アラニン、リジン、アルギニンが好ましく、グルタミン酸、グリシン、プロリン、アラニン、リジン、アルギニンがより好ましく、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、アラニン、リジンがさらに好ましく、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、リジンがさらにより好ましく、グルタミン酸、グリシンが特に好ましい。
アシルアミノ酸において、アシル基を構成する脂肪酸の、炭素数は2〜32が好ましく、8〜22がより好ましく、8〜18がさらに好ましい。炭化水素は飽和でも不飽和を有していても良く、分岐や環状であっても良く、混合脂肪酸であってもよい。具体的にはカプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等が挙げられる。中でも、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸が好ましく、カプリル酸、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましく、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸がさらに好ましい。
アシルアミノ酸の誘導体としては、ステロールエステルが好ましく、アシルアミノ酸ステロールエステルとして、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジヘキシルデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)が挙げられる。これらのうち、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)がより好ましく、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)がさらに好ましい。
アシルアミノ酸の誘導体としては、市販品を使用してもよく、例えばエルデュウCL−301、エルデュウCL−202(以上、味の素社製)、エステモールCHS(日清オイリオ社製)、エルデュウPS−203、エルデュウPS−304、エルデュウPS−306、エルデュウAPS−307(以上、味の素社製)、PLANDOOL−LG1、PLANDOOL−LG2、PLANDOOL−LG3(以上、日本精化社製)、AMITER LG−2000、AMITER LG−1600(以上、日本エマルジョン社製)等が挙げられる。
アシルアミノ酸、又はそれらの塩としては、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン又はこれらの塩が好ましく、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン又はこれらの塩がより好ましく、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイル−ε−リジンがさらに好ましく、N−カプリロイルグリシン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムが特に好ましい。
アシルアミノ酸、又はそれらの塩としては、市販品を使用してもよく、例えば、アミソフト HS−11P、アミホープ(登録商標)LL(味の素社製)、アミノサーファクトALMS−P1、アミノフォーマーFLMS−P1(旭化成ファインケム社製)、LIPACIDE C8G(SEPPIC S.A製)等が挙げられる。
(アルギニン、その誘導体及びそれらの塩)
アルギニン、その誘導体及びそれらの塩としては、L−アルギニン若しくはD−アルギニン、或いはそれらの誘導体、又はL−アルギニン若しくはD−アルギニンの塩、L−アルギニンまたはD−アルギニンの誘導体の塩をいい、これらのうちのいずれでもよい。
上記アルギニンの誘導体としては、特に限定はされないが、アルギニン中の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;水酸基の水素原子が、アシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;アミノ基の水素原子が、アシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体等が挙げられる。
本発明においてアルギニン、その誘導体及びそれらの塩としては、L−アルギニン、又はその誘導体、又はその塩が好ましい。
(リジン、その誘導体及びそれらの塩)
リジン、その誘導体及びそれらの塩としては、L−リジン若しくはD−リジン、或いはそれらの誘導体、又はL−リジン若しくはD−リジンの塩、L−リジンまたはD−リジンの誘導体の塩をいい、これらのうちのいずれでもよい。
上記リジンの誘導体としては、特に限定はされないが、リジン中の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;水酸基の水素原子が、アシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;アミノ基の水素原子が、アシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体等が挙げられる。
本発明においてリジン、その誘導体及びそれらの塩としては、ラウロイル−ε−リジン、パルミトイル−ε−リジン、カプロイル−ε−リジン等のアシルリジン、塩酸リジン等が好ましい。
本発明の外用組成物における(B)アミノ酸成分としては、トラネキサム酸、トラネキサム酸塩酸塩、トラネキサム酸セチル塩酸塩、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、アルギニン、リジン又はこれらの塩からなる群より選択される1種以上が好ましく、トラネキサム酸、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、L−アルギニン、塩酸リジンからなる群より選択される1種以上がより好ましく、トラネキサム酸、N−カプリロイルグリシン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、L−アルギニン、塩酸リジンからなる群より選択される1種以上がさらに好ましく、トラネキサム酸、N−カプリロイルグリシン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上が特に好ましい。
本発明の外用組成物における(B)アミノ酸成分の含有量は、(B)アミノ酸成分がトラネキサム酸の場合、組成物の全量に対して、通常、0.01質量%〜10質量%であり、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.5質量%〜3質量%であることがより好ましく、1質量%〜2質量%であることがさらに好ましい。また、本発明の外用組成物における(B)アミノ酸成分の含有量は、(B)アミノ酸成分がアシルアミノ酸、その誘導体、又はそれらの塩、アルギニン、その誘導体、又はそれらの塩、リジンその誘導体、又はそれらの塩である場合、組成物の全量に対して、通常、0.01質量%〜10質量%であり、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜2質量%であることがさらに好ましい。本発明の外用組成物中の(B)アミノ酸成分の含有量を上記範囲とすることで、ヘパリン類似物質の安定性を効果的に向上させることができる。
[(C)防腐剤]
本発明の外用組成物に防腐力を付加する目的で、(C)防腐剤として、アルカンジオール、カプリルヒドロキサム酸、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ソルビン酸及びその塩、クロロブタノール、安息香酸及びその塩、並びにパラベンからなる群より選択される1種以上を含んでもよい。
(C)防腐剤におけるアルカンジオールとしては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭素数が3、又は5〜10であることが好ましく、3、又は5〜8であることがより好ましく、3、又は5〜6であることがさらに好ましい。例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールが好ましく、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールがより好ましく、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールがさらに好ましく、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオールがさらにより好ましく、1,2−ペンタンジオールが特に好ましい。
(C)防腐剤としては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭素数5〜10(好ましくは5〜8、より好ましくは5〜6)のアルカンジオール、プロパンジオール、カプリルヒドロキサム酸、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ソルビン酸及びその塩、クロロブタノール、安息香酸及びその塩、並びにパラベンからなる群より選択される1種以上であることが好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,3−プロパンジオール、カプリルヒドロキサム酸、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン及びメチルパラベンからなる群より選択される1種以上がより好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−プロパンジオール、カプリルヒドロキサム酸、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン及びメチルパラベンからなる群より選択される1種以上がさらに好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−プロパンジオール、カプリルヒドロキサム酸、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール及び安息香酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上がさらにより好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール及びカプリルヒドロキサム酸からなる群より選択される1種以上が特に好ましい。
(C)防腐剤としては、市販品を使用してもよく、特に限定されないが、例えばZemea Select Propanediol、HYDROLITE−5、HYDROLITE−5 Green(以上、シムライズ社製)、KMO−6(大阪有機化学工業製)、マイクロケア Emollient PTGJ、マイクロケアEmollient HXD(以上、THOR社製)、ジオールPD、ジオールPD−V(以上、高級アルコール工業社製)、Zeastat、Spectrastat E、G(以上、INOLEX社製)、GLYCASIL、GLYCASIL2000、GLYCASIL L、GLYCASIL S(以上、Lonza社製)、クロレトン(積水メディカル社製)等が挙げられる。
本発明の外用組成物における(C)防腐剤の含有量は、(C)防腐剤がアルカンジオールの場合、組成物の全量に対して、通常、0.001質量%〜20質量%であり、0.01質量%〜15質量%であることが好ましく、0.05質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがさらに好ましく、0.5質量%〜3質量%であることが特に好ましい。また、本発明の外用組成物における(C)防腐剤の含有量は、(C)防腐剤がアルカンジオール以外である場合、組成物の全量に対して、0.001質量%〜10質量%であり、0.005質量%〜5質量%であることが好ましく、0.01質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜3質量%であることがさらに好ましく、0.05質量%〜1質量%であることが特に好ましい。本発明の外用組成物中の(C)防腐剤の含有量を上記範囲とすることで、ヘパリン類似物質の安定性を効果的に向上させるという発明の効果を損なうことなく、組成物に防腐効果を付与することができる。
[(D)増粘剤]
本発明の外用組成物に適度な粘度を付加する目的及び製剤の安定化を図る目的で、(D)増粘剤を配合してもよい。(D)増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、又はカルボキシビニルポリマー重合体等のビニル系増粘剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はカルボキシエチルセルロース又はこれらの塩等のセルロース系増粘剤;グァーガム、スクレロチウムガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、フコゲル、寒天、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、マクロゴール、疎水変性ポリウレタン、ポリアクリル酸アミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体等が挙げられる。中でも、キサンタンガム、フコゲル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニル重合体ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、疎水変性ポリウレタン、ポリアクリル酸アミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体が好ましく、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニル重合体ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー、ポリアクリル酸アミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体がより好ましく、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー、ポリアクリル酸アミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、又は(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)共重合体がさらにより好ましい。
本発明の外用組成物における(D)増粘剤の含有量は、組成物の全量に対して、通常、0.001質量%〜10質量%であり、0.005質量%〜5質量%であることが好ましく、0.01質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜2質量%であることがさらに好ましい。
[(E)水]
本発明の外用組成物には、(E)水を配合してもよい。本発明の外用組成物における(E)水の含有量は、組成物の全量に対して、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましい。また、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、93質量%以下がさらに好ましく、90質量%以下が特に好ましい。本発明の外用組成物は、(E)水の含有量を上記範囲とすることで、本発明の効果をより優れたものとすることができる。
[(F)有効成分]
本発明の外用組成物は、薬効を付与するために、さらに(F)有効成分を含んでもよい。(F)有効成分としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、これらの塩;アスコルビン酸、その誘導体、それらの塩;アラントイン、l−メントール、ニコチン酸アミド、プラセンタエキスからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
上記「塩」は、薬学的に許容される塩であって、限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、第3級アミン塩、アンモニウム塩など)、又は無機塩基との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、ジカリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩などのアルカリ金属塩など)などが挙げられる。中でも、モノアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ジカリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩が好ましく、モノアンモニウム塩、ナトリウム塩、ジカリウム塩、マグネシウム塩がより好ましく、ジカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩がさらに好ましい。
(F)有効成分としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、アラントイン、l−メントール、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、ヘキシル3−グリセリルアスコルビン酸、3−グリセリルアスコルビン酸、ミリスチル3−グリセリルアスコルビン酸、3−ラウリルグリセリルアスコルビン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、ニコチン酸アミド、プラセンタエキスが好ましく、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アラントイン、l−メントール、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド、ニコチン酸アミドがより好ましく、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、l−メントール、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド、ニコチン酸アミドがさらに好ましく、グリチルリチン酸ジカリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド、ニコチン酸アミドが特に好ましい。
本発明の外用組成物における(F)有効成分の含有量は、組成物の全量に対して、0.001質量%〜10質量%であり、0.01質量%〜8質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。本発明の外用組成物は、(F)有効成分の含有量を上記範囲とすることで、本発明の外用組成物中のヘパリン類似物質の安定性向上という顕著な効果に加えて、さらに好ましい薬効を付与することができる。
(基剤又は担体)
本発明の外用組成物は、その必須成分及び上記で説明した成分等を、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の用途に応じた製剤形態の組成物とすることができる。
本発明の外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品、医薬部外品等に添加される公知の成分、例えば、血行促進剤、収斂剤、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、安定化剤、抗酸化成分、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、抗炎症性成分、殺菌消毒性成分(抗菌性成分)、角質軟化性成分、温感成分、発毛促進性成分、保湿成分、抗シワ剤、抗糖化成分、細胞賦活化成分、美白成分等の任意成分を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。なお、これらの任意成分からは、(F)有効成分に含まれる成分は除くものとする。
本発明の外用組成物の調製方法は、特に制限されず、外用組成物を調製するのに必要な上述の各種成分を適宜選択、配合して混合し、常法により調製することができる。また、本発明の外用組成物の適用量や用法は特に制限されず、通常、1日あたり1回〜数回、適量を、患部を含む領域に塗布して用いることができる。
本発明の外用組成物は、通常pH3〜9の範囲であり、ヘパリン類似物質及び製剤自体の安定性を向上させる観点から、pH5以上であることが好ましく、pH6以上であることがより好ましく、pH6〜9であることがさらに好ましい。なお、このpHはpH調整剤の使用により調整することができる。
(製剤形態)
本発明の外用組成物の形態は、それぞれの医薬品、医薬部外品、化粧品等として適した製剤形態であれば特に限定されないが、例えば、液体状、流動状、又は半固形状とすることができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤、ミスト剤、エアゾール剤、スティック、泡状のフォーム剤等が挙げられる。これらの製剤は、常法、例えば第17改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
本発明の外用組成物は、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用及びその他の薬理作用を有するヘパリン類似物質の安定性が従来品より向上しているため、これらの作用効果を長期間に渡り安定的に奏することが期待できる。さらに、肌のなめらかさを向上させると共にさらさら感にも優れるという、使用感においても予想外の効果も奏することから、化粧品、医薬部外品、医薬品として広く好適に用いられる。例えば、炎症やかぶれなどの症状のある患部だけでなく、一時的または慢性的に水分量が低下した肌(乾燥肌等)・バリア機能が低下した状態の肌・アトピー肌・敏感肌・過敏肌・ゆらぎ肌に、またベビーあるいは乳幼児、子供用としても好適に用いられる。
さらに、本発明の外用組成物は、ぬるつき、べたつきなくさらさらとした使用感をもちながら、高い保水・保湿性により肌を滑らかにする効果を持つため、化粧水やローション剤であっても乳液のような保湿効果をもつことができ、また広範囲に塗り伸ばす際に皮膚に負担なく塗り伸ばせることから、季節や部位を問わず使用できるオールインワン製剤とすることでも高い効果をもつ。
本発明の外用組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、材質の容器に収容し、使用することができる。具体的な容器としては、例えば、スプレータイプ(非正倒立あるいは正倒立仕様)、ボトルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサータイプ、スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどが例示される。
これらの容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミ等)などが例示される。また、これらの材料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コーティング処理を行ったり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器材料として用いることができる。コーティングの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、ポリアミドイミドなどを例示できる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、エチレンビニルアルコール樹脂、金属(アルミ等)を用いることが好ましい。内面を被覆する樹脂としては、ポリアミドイミドまたはポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。
また、べたつきやぬるつきのある製剤の場合には、塗布後に衣服への付着感などが懸念されることがあるが、本発明の外用組成物は、良好な使用感(さらさら感、肌の滑らかさ)をもつため、スプレーまたはミストタイプの容器を用いて、頭皮や背中や腰などの手の届きにくい患部または肌、あるいはベビーや乳幼児や子供、高齢の方などが使用する場合にも塗布しやすく、また塗布後に衣服への付着の懸念点も改善されることが見込まれる。
(塗布部位)
本発明の皮膚外用組成物は、特に制限されないが、スキンケア用途での顔やボディへの使用に加えて、汗や皮脂をかきやすい部位、衣服との擦れ、床ずれなどがアトピー等の症状部位、乾燥あるいはバリア機能が低下したような部位などへの使用が考えられる。頭皮、顔、首元、胸元(バストトップを含む)、背中、腕、肘(内側・外側)、手、爪周り、腋窩部、腹部、外陰部、臀部、デリケートゾーンや肛門部、脚、指、足先及び足裏などそれぞれの症状に合わせて使用することができる。
(用途)
本発明の皮膚外用組成物は、例えば、ベビー用、乳幼児用、子供用、高齢者用、介護用、肌の弱い方用、敏感肌用、過敏肌用、乾燥肌用、ゆらぎ肌用、トラブル肌用、一時的な敏感肌の方用、アトピー肌用、あせもやかぶれ肌用として使用することができる。
<ヘパリン類似物質の安定化方法>
本発明は、(A)ヘパリン類似物質、並びに(B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を配合することを特徴とする、外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法の発明も含む。ヘパリン類似物質を含有する外用組成物においては、ヘパリン類似物質の安定性が悪く、長期保存後にはヘパリン類似物質自体の残存率が低下するという問題があったところ、トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を配合することにより、外用組成物中のヘパリン類似物質の安定性を向上させることができる。なお、(A)ヘパリン類似物質、(B)アミノ酸成分、これらを含有する外用組成物についての具体的な説明は、上述の外用組成物の項における説明を適用できる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[試験1]安定性試験
下記の表1に記載の処方に従い、常法にて、実施例1〜4及び比較例1の組成物を調製した。各表中の数値の単位は、特に断りがない限り質量(%)である。各組成物を30mLガラス瓶に充填し、60℃の恒温槽に保管した。3週間経過後に試験製剤を恒温槽から取り出し、室温に十分恒温化した後、各組成物中のヘパリン類似物質の安定性を評価した。ヘパリン類似物質の含有量の測定はHPLCを使用して行い、残存率(%)、抑制率(%)は以下の式に従って算出した。残存率(%)が95%以上である場合を「〇」、95%未満である場合を「×」とし、表1に示した。

残存率(%)=60℃、3W保管後の含有量(質量%)/調製時の配合量(質量%)
抑制率(%)=(実施例の残存率(%)−比較例1の残存率(%))/比較例1の残存率(%)
[試験2]使用感モニター試験
上記実施例1〜4及び比較例1の組成物の使用感(肌が滑らかになる、さらさら感)を、6名の専門パネラーにより、以下の基準に従って5段階でスコアをつけ、数値を平均した。また、スコア平均が4以上を◎、スコア平均3.0以上4.0未満を〇、スコア平均3.0未満を×とし、これらの結果を表1に示した。表中、「n.d.」は評価を行っていないことを示す。
評価項目:肌がなめらかになる/さらさら感
評価基準:
感じる :スコア 5
やや感じる :スコア 4
どちらでもない:スコア 3
あまり感じない:スコア 2
感じない :スコア 1
Figure 2021059524
表1に示すとおり、ヘパリン類似物質を含む外用組成物において、(B)アミノ酸成分を含んでいない比較例1の外用組成物と比較して、(B)アミノ酸成分を含んでいる実施例1〜4の外用組成物は、ヘパリン類似物質の安定性が高く、いずれも60℃で3週間保管した後でも、95%以上のヘパリン類似物質が残存していた。それに加えて、実施例1〜4の外用組成物は、モニター試験の結果から、肌が滑らかになる効果、及び実施例1、2、4の外用組成物については、さらに、さらさら感という予想もできなかった効果を奏した。
上記実施例の外用組成物によって得られた、肌が滑らかになるという効果は、その製剤の持つ優れた保水性・保湿性によるものと考えられる。この製剤の保水性・保湿性により肌の状態が正常化され、肌が滑らかになったと言える。また、実施例の外用組成物は、ぬるつき、曳糸性、低浸透などの使用感の悪さがかねてからの課題となっているムコ多糖であるヘパリン類似物質を含有しているにも関わらず、ぬるつきやべたつきなく、肌なじみが良い、さらっとした使用感(さらさら感)を奏したことは、全く予想外の効果であった。この製剤の、肌なじみがよくさらっとした使用感により、皮膚に負担をかけることなく、肌の広い範囲に塗り広げることも可能となる。このように、実施例の外用組成物は使用感に優れることから、炎症やかぶれなどの症状のある患部だけでなく、一時的または慢性的に水分量が低下した肌(乾燥肌等)・バリア機能が低下した状態の肌・アトピー肌・敏感肌・過敏肌・ゆらぎ肌に加えて、ベビーあるいは乳幼児、子供用として有効である。
以下に、本発明の外用組成物の製剤処方例を示す。
Figure 2021059524
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本発明によると、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物において、トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分を含有させることにより、外用組成物中のヘパリン類似物質の安定性を向上させることができる。また、ヘパリン類似物質を含有する外用組成物においてこれらの成分を組み合わせることで、肌を滑らかにする、肌にさらさら感を与えるという、使用感においても予想もしなかった効果を奏する。

Claims (5)

  1. (A)ヘパリン類似物質、並びに
    (B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分
    を含有する、外用組成物。
  2. (B)アミノ酸成分において、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩が、N−カプリロイルグリシン、N−デカノイル−L−プロリン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイル−ε−リジン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)及びこれらの塩である、請求項1に記載の外用組成物。
  3. (B)アミノ酸成分が、トラネキサム酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、L−アルギニン及びL−リジンからなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. pHが6以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の外用組成物。
  5. (A)ヘパリン類似物質、並びに
    (B)トラネキサム酸及びその塩、アシルアミノ酸、その誘導体及びそれらの塩、アルギニン、その誘導体及びそれらの塩、リジン、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上のアミノ酸成分
    を配合することを特徴とする、外用組成物におけるヘパリン類似物質の安定化方法。
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