JP2021058925A - 溶接台車およびこの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接の品質を向上できる溶接台車およびその制御方法を提供する。【解決手段】立設された板状部材2に吸着するための吸着機構5と、前輪8aおよび後輪8bからなり板状部材2と接触して転動する車輪8と、溶接作業に使用する器具を保持する保持具3とを備えた横向姿勢用の溶接台車1において、溶接台車1の進行方向において前方側に設置される前輪8aと後方側に設置される後輪8bとをそれぞれ独立する状態で操舵角を制御して、溶接台車1が走行する走行面の法線方向yを中心軸とする溶接台車1の回転を補正するとともに、溶接台車1が走行すべき目標経路に対する位置ずれを補正しつつ溶接台車1を走行させる。【選択図】図1
Description
本発明は、横向姿勢で溶接を行うための溶接台車およびこの制御方法に関するものであり、詳しくは溶接の品質を向上できる溶接台車およびその制御方法に関するものである。
横向姿勢用の溶接台車が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の溶接台車は、鋼板に吸着するための磁石と、開先に接触させることで溶接台車の走行を案内する倣いローラとを備えている。この構成により特許文献1に記載の溶接台車は、レールを設置することなく溶接を行うことが可能であった。
特許文献1に記載の溶接台車は、溶接台車の後方側が自重で下がる問題があった。このとき溶接台車の進行方向が上向きに傾き、前方側の倣いローラに上向きの力が発生して開先から逸脱する不具合があった。また前方側の倣いローラが開先から逸脱しない場合は、下がった後方側の倣いローラが元の高さまで戻ってこれない不具合があった。
つまり目標経路に対して溶接台車の位置が上下方向にずれたり、溶接台車が傾いたりする不具合があった。溶接台車の位置がずれたり傾いたりすると、開先に沿って溶接トーチを精度良く移動させることができないので、溶接品質が不十分となる問題があった。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は溶接の品質を向上できる溶接台車およびその制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するための溶接台車は、立設された板状部材に吸着するための吸着機構と、前輪および後輪からなり前記板状部材と接触して転動する車輪と、溶接作業に使用する器具を保持する保持具とを備えた横向姿勢用の溶接台車において、前記前輪および前記後輪をそれぞれ独立する状態で操舵する操舵機構を備えることを特徴とする
上記の目的を達成するための溶接台車の制御方法は、立設された板状部材に吸着させるとともにこの板状部材に沿って溶接台車を走行させつつ横向姿勢の溶接作業を行わせる際の前記溶接台車の制御方法において、前記溶接台車の進行方向において前方側に設置される前輪と後方側に設置される後輪とがそれぞれ独立する状態で操舵を制御されて、前記溶接台車が走行する走行面の法線方向を中心軸とする前記溶接台車の回転を補正するとともに、前記溶接台車が走行すべき目標経路に対する位置ずれを補正しつつ前記溶接台車を走行させることを特徴とする。
本発明によれば、目標経路に対して溶接台車の位置が上下方向にずれたり溶接台車が傾いたりする不具合を抑制できるので、目標経路に沿って溶接台車を精度良く走行させることができる。溶接品質を向上するには有利である。
以下、溶接台車およびその制御方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。図中では板状部材に平行となる水平方向を矢印x、この水平方向xを直角に横断する方向であり板状部材の法線方向を矢印y、上下方向を矢印zで示している。
図1に例示するように溶接台車1は、鋼板など立設された板状部材2に張り付いて水平方向xに移動しながら、保持具3に固定される溶接トーチ4で溶接を行う横向姿勢用の溶接台車1である。板状部材2は、例えば船舶の側壁など垂直な壁面で構成される。
保持具3は溶接作業に使用する器具を保持する構成を有している。溶接作業に使用する器具とは例えば溶接トーチ4やガウジングトーチを含むものである。保持具3は溶接台車1の下方側に配置されている。溶接作業の際に発生する溶けた金属等が溶接台車1に付着する不具合を抑制するには有利である。
図2に例示するように溶接台車1は、板状部材2に吸着するための吸着機構5を備えている。この実施形態では吸着機構5は永久磁石6を有している。板状部材2に対する永久磁石6の位置を調整する支持部7を吸着機構5が備える構成にしてもよい。永久磁石6を板状部材2に接近または離間させることで溶接台車1が板状部材2に吸着する際の力を調整することができる。
吸着機構5の構成は上記に限らない。溶接台車1を板状部材2に吸着できる構成を有していればよく、例えば電磁石で構成することができる。また溶接台車1と板状部材2との間を密閉するとともに空気を吸引して負圧を発生させる吸引装置で構成することができる。また吸着機構5は、例えば永久磁石と吸引装置など複数を組み合わせて構成してもよい。
溶接台車1は板状部材2と接触して転動する車輪8を備えている。図1に例示するように車輪8は水平方向xに間隔をあけて配置される前輪8aおよび後輪8bから構成されている。この実施形態では車輪8は軸方向となる上下方向zに比較的長い幅広のローラで構成されている。水平方向xに間隔をあけて対置される一つの前輪8aと一つの後輪8bで車輪8が構成されている。図では説明のため車輪8など一部の構成を破線で示している。
車輪8の構成は上記に限らない。軸方向に比較的短い幅狭の車輪を上下方向zに多数配置して前輪8aを構成してもよい。また上下方向zに間隔をあけて一対の幅狭の車輪を配置して前輪8aを構成してもよい。前輪8aと同様に後輪8bを構成してもよい。前輪8aおよび後輪8bの一方を一対の幅狭の車輪で構成して、他方を幅広のローラで構成してもよい。
幅広のローラで車輪8を構成する方が、溶接台車1の自重による上下方向zの車輪8の変形を抑制できる。また一対の幅狭の車輪で構成されるときよりも多数の車輪で構成されるときの方が、上下方向zの車輪8の変形を抑制しやすくなる。溶接台車1を精度良く走行させるには有利である。
図2に例示するように前輪8aおよび後輪8bには走行モータ9がそれぞれ連結されている。前輪8aおよび後輪8bはそれぞれの走行モータ9から得られる動力で回転する構成を有している。前輪8aおよび後輪8bが一つの走行モータ9から得られる動力で回転する構成にしてもよい。
図1および図2に例示するように溶接台車1は、前輪8aおよび後輪8bをそれぞれ独立する状態で操舵する操舵機構10を備えている。この実施形態では溶接台車1は、前輪8aを操舵する操舵機構10と後輪8bを操舵する操舵機構10とをそれぞれ備えている。操舵機構10は、車輪8を操舵可能な状態に支持する操舵軸11を有している。操舵軸11は板状部材2の法線方向yを軸方向とする。この法線方向yは溶接台車1の高さ方向ともいえる。車輪8は操舵軸11を中心に操舵角が変化する。
操舵機構10は車輪8の操舵角を制御する操舵モータ12を有している。この実施形態では操舵モータ12は、リンク部材13を介して車輪8の車軸に連結されている。操舵モータ12が車輪8の車軸の一端を水平方向xに移動させることで、車輪8の操舵角は制御される。操舵モータ12が操舵軸11に連結されて操舵軸11を回転させる構成にしてもよい。
図1に例示するように溶接台車1により溶接作業を行う際には、まず鋼板等の板状部材2に溶接台車1を吸着させる。このとき保持具3に保持される溶接トーチ4の先端を板状部材2の開先14に合わせる。溶接台車1を水平方向xに走行させつつ、溶接トーチ4で溶接を行う。
図3に例示するように溶接台車1の後端側が自重で下がることがある。溶接台車1の進行方向が上方に傾いているので、この状態を放置すると溶接台車1は上方に向かって開先14から離れる方向に走行してしまう。本発明では例えば前輪8aを右方に操舵角を増加させるとともに、後輪8bを左方に操舵角を増加させる。具体的には例えば前輪8aの操舵角を+10度、後輪8bの操舵角を−10度とする。ここで車輪8が右方に操舵される場合の操舵角をプラスとして左方に操舵される場合の操舵角をマイナスで示している。
溶接台車1が全体として時計回りに旋回する(以下、旋回制御ということがある)。溶接台車1の進行方向が開先14と平行となる時点で旋回制御を終了する。旋回制御の終了後に前輪8aおよび後輪8bの操舵角はいずれも±0度となる。溶接台車1の傾きは水平となるので開先14に沿って走行可能な状態となる。
本明細書において溶接台車1の進行方向とは、前輪8aおよび後輪8bの操舵角がいずれも±0度としたときに溶接台車1が進む方向をいう。本明細書において溶接台車1の傾きとは、溶接台車1が走行する走行面の法線方向yを中心軸として溶接台車1が回転する回転角度をいう。溶接台車1が傾く状態とは、溶接台車1の後方側に対する前方側が上がったり下がったりしている状態をいう。図3では説明のため溶接台車1の進行方向を白抜き矢印で示して、溶接台車1の旋回方向を矢印で示している。
図4に例示するように溶接台車1が開先14から離れた位置を走行することがある。このような場合は前輪8aおよび後輪8bのいずれも右方に操舵角を同量増加させる。具体的には例えば前輪8aおよび後輪8bの操舵角をいずれも+10度とする。前輪8aと後輪8bとが同一方向に操舵されて同一の操舵角となる。
溶接台車1が傾きを変化させることなく下方の開先14に向かって走行する(以下、斜行制御ということがある)。溶接トーチ4の先端が開先14の位置と合った時点で斜行制御を終了する。斜行制御の終了後に前輪8aおよび後輪8bの操舵角はいずれも±0度となる。図4では説明のため溶接台車1の進行方向を白抜き矢印で示して、溶接台車1の斜行方向を矢印で示している。
前輪8aおよび後輪8bの操舵角の制御は、例えば作業者が操作するコントローラからの信号に基づき行うことができる。このときコントローラからの信号によりそれぞれの操舵機構10が前輪8aおよび後輪8bの操舵角を制御する。
操舵角の制御が、溶接台車1の外部に設置される制御装置により実行される構成にしてもよい。制御装置は例えば板状部材2に対向配置されて溶接台車1の傾きや位置を取得するカメラと、カメラで取得される溶接台車1の傾き等に基づき操舵機構10に制御信号を送るコントローラを備える。
旋回制御により溶接台車1の傾きを制御することができる。溶接台車1の傾きは、溶接台車1の進行方向と開先14の延在方向とが平行となる状態に維持されることが望ましい。開先14が水平に延在しているときは、溶接台車1の後方側に対して前方側が上下方向zにおいて同じ高さとなる状態に傾きを制御する。溶接台車1の傾きを制御することで、溶接台車1に対する溶接トーチ4の位置が一定となる。開先14に沿って溶接トーチ4を正確に移動させるには有利である。
斜行制御により溶接台車1を目標経路に沿って走行させることができる。目標経路とは、溶接台車1が走行すべき理想の経路であり、通常開先14と平行に形成される。図3および図4では説明のため、溶接台車1の中心Pが通るべき目標経路を一点鎖線で示している。
斜行制御では溶接台車1を傾けずに目標経路に向けて移動させることができるので、溶接トーチ4の位置が不意に変化することを抑制できる。目標経路に戻ったときには溶接台車1の傾きが発生していないので、溶接トーチ4は正しい位置となる。
前輪8aおよび後輪8bのいずれも操舵可能であるため、溶接台車1は前進および後進のいずれも同様に行うことができる。開先14に対して複数回溶接を行う必要がある場合であっても、溶接台車1を往復移動させて複数パスの溶接を行うことができる。溶接台車1の向きを変えたり板状部材2に設置し直したりする作業等が不要となるため、溶接作業を効率よく行うことができる。
溶接台車1を精度良く開先14に沿って走行させることができる。また溶接台車1の傾きを制御できるので溶接トーチ4の位置を安定させることができる。溶接台車1による溶接の品質を向上するには有利である。
図5に例示するように溶接台車1が操舵機構10を制御する制御機構15を備える構成にしてもよい。溶接台車1は旋回制御と斜行制御とを制御機構15からの信号に基づき行うことができる。例えば作業者が操作するコントローラから旋回制御および斜行制御を行う旨の信号が制御機構15に送られた場合、制御機構15が操舵機構10を介して前輪8aおよび後輪8bの操舵角を制御する。例えば操舵モータ12が制御機構15に信号線で接続されていて、制御機構15からの信号に基づき車輪8の操舵角を制御する構成とすることができる。
図5に例示するように溶接台車1が、溶接台車1の傾きを検出する傾き検出機構16を備える構成にしてもよい。傾き検出機構16は制御機構15と信号線で接続される。信号線は有線でも無線でもよい。
傾き検出機構16は、例えば板状部材2の法線方向yを中心軸とする溶接台車1の回転角度θを検出する角度センサで構成できる。角度センサは水平方向xと溶接台車1の進行方向とがなす角θを取得する構成を有している。溶接台車1の進行方向が水平方向xよりも上向きに傾いているときに回転角度θがプラスとなり、下向きに傾いているときに回転角度θがマイナスとなる。
傾き検出機構16の構成は上記に限らない。溶接台車1の進行方向を検出できる構成であればよい。傾き検出機構16は例えば溶接台車1の後方側と前方側との上下方向zにおける相対位置を取得するセンサで構成してもよい。
傾き検出機構16から得られる値に基づき、制御機構15が旋回制御を行う構成とすることができる。溶接台車1の進行方向が上向きに傾いているときは、前輪8aの操舵角が例えば+5度、後輪8bの操舵角が例えば−5度となる状態に制御機構15が操舵機構10を制御する。前輪8aは右方に操舵され後輪8bは左方に操舵される。前輪8aを+5度として後輪8bを+3度としても旋回制御は行われる。前輪8aと後輪8bとの操舵角が異なる角度であれば旋回制御を行うことができる。
溶接台車1の進行方向が下向きに傾いているときは、前輪8aの操舵角が例えば−10度として、後輪8bの操舵角が例えば+10度となる状態に制御機構15が操舵機構10を制御する。溶接台車1の傾きの大きさに応じて、制御機構15が操舵角の大きさを変更する構成にしてもよい。例えば溶接台車1の傾きが大きいほど旋回制御の際の操舵角を大きくすることができる。
傾き検出機構16で得られる値に基づいて制御機構15により自動的に溶接台車1の傾きが制御される。溶接台車1の傾きが自動的に補正されるので、溶接台車1の傾きを望ましい状態に維持するには有利である。例えば溶接台車1の進行方向が水平方向xと平行となる状態を維持できる。
溶接台車1の傾きを望ましい状態に維持できるので、溶接トーチ4の位置が、開先14からずれる等の不具合が発生しない。溶接台車1による溶接の品質を向上するには有利である。
傾き検出機構16から逐次値を取得して制御機構15が旋回制御を逐次行う構成とすることが望ましい。溶接台車1に傾きが発生すると直ちにこの傾きが補正されるので、溶接台車1の傾きを望ましい状態に維持しやすくなる。
図6および図7に例示するように溶接台車1が、目標経路を検出する位置検出機構17を備える構成にしてもよい。位置検出機構17は制御機構15と信号線で接続される。信号線は有線でも無線でもよい。
位置検出機構17は、例えば開先14と平行となる状態で板状部材2に付された墨出し線18を検出する画像センサで構成できる。画像センサは検出範囲における墨出し線18の位置を取得する構成を有している。
位置検出機構17の構成は上記に限らない。目標経路に対する溶接台車1の上方または下方への位置ずれを検出できる構成であればよい。位置検出機構17は例えば開先14を検出する画像センサや、開先14にレーザ光を照射して開先14を検出するレーザセンサで構成してもよい。
位置検出機構17から得られる値に基づき、制御機構15が斜行制御を行う構成にすることができる。具体的には画像センサの検出範囲の例えば中心に墨出し線18が位置する状態を維持する制御を行う。墨出し線18の位置が上方または下方にずれたとき、即ち溶接台車1が目標経路から上方または下方にずれたとき、制御機構15は斜行制御により溶接台車1を目標経路に戻すことができる。
位置検出機構17で得られる値に基づいて制御機構15により自動的に溶接台車1の位置が制御される。目標経路に対する溶接台車1の位置ずれが自動的に補正されるので、溶接台車1を目標経路に沿って精度よく走行させることができる。溶接台車1による溶接の品質を向上するには有利である。
位置検出機構17から逐次値を取得して制御機構15が斜行制御を逐次行う構成とすることが望ましい。溶接台車1が目標経路から大きく離れる前にその位置を補正できるので、溶接トーチ4が開先14から外れる不具合の発生を抑制できる。
制御機構15および傾き検出機構16および位置検出機構17は本発明の必須要件ではない。傾き検出機構16または位置検出機構17を溶接台車1が備える場合は制御機構15と組み合わせて利用される。傾き検出機構16および位置検出機構17の両方を溶接台車1が備える構成にしてもよい。このとき溶接台車1は自動的に旋回制御および斜行制御を行うので、溶接トーチ4が開先14から外れる不具合の発生を防止できる。
溶接台車1の傾きおよび位置ずれのいずれも発生した場合、まず傾きが解消されるまで旋回制御を優先して行い、その間の斜行制御を禁止する構成とすることができる。溶接台車1の傾きが補正された後に、斜行制御が行われるので斜行の角度を比較的大きくできる。目標経路に戻る時間を短縮するには有利である。
旋回制御と斜行制御とを同時に行う構成としてもよい。例えば旋回制御のために前輪8aを+10度、後輪8bを−10度の操舵角として、斜行制御のために前輪8aおよび後輪8bを+10度の操舵角としたい場合、これを合成して前輪8aを+20度、後輪8bを±0度とする制御を行ってもよい。
目標経路が水平方向xと平行である場合を前提として説明したが、これに限定されない。目標経路が上方または下方に傾いていてもよい。予め目標経路の各位置における傾きの上方が与えられた場合は、目標経路が曲線であってもよい。板状部材2が曲面を有していてこの曲面に沿って目標経路が形成されていてもよい。このとき溶接台車1の傾きは、目標経路と平行となる状態が望ましい状態である。溶接台車1の進行方向が目標経路と平行となる状態に傾きが補正される。目標経路が曲線のときは目標経路の各位置における傾きと溶接台車1の進行方向とが平行となる状態に、溶接台車1の傾きが補正される。
図7に例示するように保持具3または位置検出機構17の少なくとも一方の位置を上下方向zに調整する調整部19を溶接台車1が備える構成にしてもよい。この構成により溶接台車1を板状部材2に吸着させる際の位置合わせの精度を向上できる。
溶接台車1で溶接を行う際には、まず開先14と平行となる状態で墨出し線18を板状部材2に付す。開先14と墨出し線18との間となる位置に溶接台車1を配置して板状部材2に吸着させる。調整部19aを利用して保持具3に設置される溶接トーチ4の先端を開先14の近傍となる位置に移動させる。調整部19bを利用して位置検出機構17を墨出し線18の近傍となる位置に移動させる。その後、溶接台車1による溶接を開始する。
調整部19a、19bのいずれか一方のみを溶接台車1が備える場合は、保持具3または位置検出機構17のうち、調整部19を備えていない側の位置合わせをしつつ溶接台車1を板状部材2に吸着させる。その後、調整部19を備えている側の位置合わせを調整部19により行う。
図7に例示するように開先14に対して複数回の溶接が必要であり、2回目以降の溶接を従来の溶接台車で行うとき、開先14に倣いローラ等が入らないことがある。3パス目は倣いローラ等が開先14に入り難い状態となる。このような場合であっても、溶接台車1が墨出し線18を検出する位置検出機構17を備えていれば、目標経路に沿って精度良く溶接台車1を走行させることができる。つまり3パス目の溶接も溶接台車1で行うことができる。
位置検出機構17が画像センサで構成される場合、この画像センサに遮光カーテン20を設置する構成にしてもよい。遮光カーテン20は画像センサと溶接トーチ4との間となる位置に設置される。遮光カーテン20の設置により溶接等の光の影響を画像センサが受け難くなる。溶接台車1を更に精度良く目標経路に沿って走行させるには有利である。
溶接トーチ4と車輪8との間に設置されるカバー21を溶接台車1が備える構成にしてもよい。溶接作業により発生した溶けた金属等が車輪8に付着する不具合を抑制するには有利である。
図8に例示するように開先14に沿って複数回の溶接を行なった後にその裏側からの更に溶接を行う場合、下処理としてガウジング施工を行うことがある。本明細書においてガウジング施工とは、開先14の裏側の金属を削り落とすとともに溝22を形成する作業であり、溶接作業の一種をいう。位置検出機構17が画像センサで構成されていて、墨出し線18を利用して走行する溶接台車1の場合、このガウジング施工を溶接台車1により自動で行うことができる。このとき保持具3にはガウジングトーチが設置される。
溶接台車1は、墨出し線18に沿って走行しながらガウジング施工を行い、その後溶接をしながら元の位置に戻ることができる。溶接台車1が複数の保持具3を有していて、ガウジングと溶接とを同時に行う構成にしてもよい。
1 溶接台車
2 板状部材
3 保持具
4 溶接トーチ
5 吸着機構
6 永久磁石
7 支持部
8 車輪
8a 前輪
8b 後輪
9 走行モータ
10 操舵機構
11 操舵軸
12 操舵モータ
13 リンク部材
14 開先
15 制御機構
16 傾き検出機構
17 位置検出機構
18 墨出し線
19、19a、19b 調整部
20 遮光カーテン
21 カバー
22 溝
x 水平方向
y (板状部材の)法線方向
z 上下方向
P (溶接台車の)中心
θ 回転角度
2 板状部材
3 保持具
4 溶接トーチ
5 吸着機構
6 永久磁石
7 支持部
8 車輪
8a 前輪
8b 後輪
9 走行モータ
10 操舵機構
11 操舵軸
12 操舵モータ
13 リンク部材
14 開先
15 制御機構
16 傾き検出機構
17 位置検出機構
18 墨出し線
19、19a、19b 調整部
20 遮光カーテン
21 カバー
22 溝
x 水平方向
y (板状部材の)法線方向
z 上下方向
P (溶接台車の)中心
θ 回転角度
Claims (5)
- 立設された板状部材に吸着するための吸着機構と、前輪および後輪からなり前記板状部材と接触して転動する車輪と、溶接作業に使用する器具を保持する保持具とを備えた横向姿勢用の溶接台車において、
前記前輪および前記後輪をそれぞれ独立する状態で操舵する操舵機構を備えることを特徴とする溶接台車。 - 前記操舵機構を制御する制御機構を備えていて、
前記前輪および前記後輪を同一方向でありかつ同一の操舵角となる状態に操舵する斜行制御と、前記前輪および前記後輪を異なる操舵角となる状態に操舵する旋回制御とを実行する構成を前記制御機構が有する請求項1に記載の溶接台車。 - 前記溶接台車が走行する走行面の法線方向を中心軸として前記溶接台車が回転する回転角度を傾きとして検出する傾き検出機構を備えていて、この傾き検出機構から得られる値に基づき旋回制御を行う構成を前記制御機構が備える請求項2に記載の溶接台車。
- 前記溶接台車が走行すべき目標経路に対する前記溶接台車の位置を検出する位置検出機構を備えていて、この位置検出機構から得られる値に基づき斜行制御を行う構成を前記制御機構が備える請求項2または3に記載の溶接台車。
- 立設された板状部材に吸着させるとともにこの板状部材に沿って溶接台車を走行させつつ横向姿勢の溶接作業を行わせる際の前記溶接台車の制御方法において、
前記溶接台車の進行方向において前方側に設置される前輪と後方側に設置される後輪とがそれぞれ独立する状態で操舵角を制御されて、前記溶接台車が走行する走行面の法線方向を中心軸とする前記溶接台車の回転を補正するとともに、前記溶接台車が走行すべき目標経路に対する位置ずれを補正しつつ前記溶接台車を走行させることを特徴とする制御方法。
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