JP2000317632A - 溶接線倣い装置 - Google Patents
溶接線倣い装置Info
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- JP2000317632A JP2000317632A JP11125571A JP12557199A JP2000317632A JP 2000317632 A JP2000317632 A JP 2000317632A JP 11125571 A JP11125571 A JP 11125571A JP 12557199 A JP12557199 A JP 12557199A JP 2000317632 A JP2000317632 A JP 2000317632A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】横向姿勢狭開先溶接などの溶接線に対して溶接
トーチをシフトさせて溶接を行わなければならない場合
にも溶接線のずれを検知し、溶接線倣いを行う溶接線倣
い装置及び非消耗電極溶接装置の提供。 【解決手段】狭開先内で非消耗電極を揺動させながら溶
接するとき、溶接中の該非消耗電極の移動軌跡が溶接線
からずれて、非消耗電極(揺動中心)が左右どちらかの
開先壁面に近づくと、揺動振幅両端の電圧が、開先壁面
と非消耗電極との距離に比例して変化する。このアーク
電圧の変化を検出し、制御因子として、揺動角度を増減
し、かつ、左右の揺動角度を比較して溶接トーチを溶接
線に直交して移動させることによって、溶接トーチ(揺
動中心)が開先内で所望の位置になるように制御する。
トーチをシフトさせて溶接を行わなければならない場合
にも溶接線のずれを検知し、溶接線倣いを行う溶接線倣
い装置及び非消耗電極溶接装置の提供。 【解決手段】狭開先内で非消耗電極を揺動させながら溶
接するとき、溶接中の該非消耗電極の移動軌跡が溶接線
からずれて、非消耗電極(揺動中心)が左右どちらかの
開先壁面に近づくと、揺動振幅両端の電圧が、開先壁面
と非消耗電極との距離に比例して変化する。このアーク
電圧の変化を検出し、制御因子として、揺動角度を増減
し、かつ、左右の揺動角度を比較して溶接トーチを溶接
線に直交して移動させることによって、溶接トーチ(揺
動中心)が開先内で所望の位置になるように制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非消耗電極を保持
する溶接トーチ(単に溶接トーチと呼ぶ)を左右に回転
させ、非消耗電極を狭開先内で揺動させる非消耗電極溶
接の溶接線倣い装置に係わり、溶接中の実際の非消耗電
極の移動軌跡と非消耗電極が通るべき理想的な軌跡(溶
接線と呼ぶ)のずれを検知し、開先内の所望の位置に非
消耗電極の中心を移動する溶接線倣い装置、さらに該溶
接線倣い装置を搭載した非消耗電極溶接装置に関する。
する溶接トーチ(単に溶接トーチと呼ぶ)を左右に回転
させ、非消耗電極を狭開先内で揺動させる非消耗電極溶
接の溶接線倣い装置に係わり、溶接中の実際の非消耗電
極の移動軌跡と非消耗電極が通るべき理想的な軌跡(溶
接線と呼ぶ)のずれを検知し、開先内の所望の位置に非
消耗電極の中心を移動する溶接線倣い装置、さらに該溶
接線倣い装置を搭載した非消耗電極溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動溶接を行う場合、溶接線と溶接トー
チを支持し、溶接進行方向へ移動する走行台車などの移
動軌跡を一致させることは、事実上困難であり、そのず
れを補正するため、何らかの手段を講じなければならな
い。この溶接線の倣い方法としては、溶接トーチ前方に
接触もしくは非接触式のセンサを設置して溶接線を検出
する方式やあるいは、特開平5−138354 号公報の溶接線
自動倣い装置に開示されているように、カメラによって
溶接部あるいは溶接進行方向の所定の場所を撮影し、開
先形状や開先形状を含む溶接トーチの位置を画像処理し
て溶接線のずれを補正する方式などが用いられている。
チを支持し、溶接進行方向へ移動する走行台車などの移
動軌跡を一致させることは、事実上困難であり、そのず
れを補正するため、何らかの手段を講じなければならな
い。この溶接線の倣い方法としては、溶接トーチ前方に
接触もしくは非接触式のセンサを設置して溶接線を検出
する方式やあるいは、特開平5−138354 号公報の溶接線
自動倣い装置に開示されているように、カメラによって
溶接部あるいは溶接進行方向の所定の場所を撮影し、開
先形状や開先形状を含む溶接トーチの位置を画像処理し
て溶接線のずれを補正する方式などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】狭開先内で非消耗電極
を揺動させながら溶接を行う自動溶接では、溶接条件や
溶接姿勢によって、揺動振幅,左右の振幅端部及び中央
での溶接電流などを個別に制御することや揺動振幅の中
心、即ち、溶接線を開先幅の中心に対して意図的にシフ
トさせる必要が生じる。このような状況で溶接線倣いを
行う場合、センサを設ける方法や画像処理による溶接線
倣い方法は、開先形状が深く狭いため、センサの寸法に
制約があったり、開先底部の鮮明な画像が得られない場
合がある。また、仮に溶接線倣いが可能であっても、特
殊なセンサや画像処理装置が必要となり、装置構成とし
て高価となる。
を揺動させながら溶接を行う自動溶接では、溶接条件や
溶接姿勢によって、揺動振幅,左右の振幅端部及び中央
での溶接電流などを個別に制御することや揺動振幅の中
心、即ち、溶接線を開先幅の中心に対して意図的にシフ
トさせる必要が生じる。このような状況で溶接線倣いを
行う場合、センサを設ける方法や画像処理による溶接線
倣い方法は、開先形状が深く狭いため、センサの寸法に
制約があったり、開先底部の鮮明な画像が得られない場
合がある。また、仮に溶接線倣いが可能であっても、特
殊なセンサや画像処理装置が必要となり、装置構成とし
て高価となる。
【0004】一方、狭開先を横向姿勢で溶接する場合、
重力の影響により、溶接ビードが垂れ下がった形状とな
り、下側の開先壁面での融合不良などの欠陥が発生する
ことが懸念される。そこで、横向姿勢で狭開先を非消耗
電極を揺動させながら溶接する場合は、溶接線を開先幅
の中央よりも上方に位置させる必要や振幅両端で電極先
端から開先壁面までの距離の適正値が異なる場合があ
る。
重力の影響により、溶接ビードが垂れ下がった形状とな
り、下側の開先壁面での融合不良などの欠陥が発生する
ことが懸念される。そこで、横向姿勢で狭開先を非消耗
電極を揺動させながら溶接する場合は、溶接線を開先幅
の中央よりも上方に位置させる必要や振幅両端で電極先
端から開先壁面までの距離の適正値が異なる場合があ
る。
【0005】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決するために、狭開先溶接において、溶接線倣いを行う
溶接線倣い装置及び非消耗電極溶接装置を提供すること
にある。
決するために、狭開先溶接において、溶接線倣いを行う
溶接線倣い装置及び非消耗電極溶接装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は狭開先を自動
溶接する非消耗電極溶接装置において、非消耗電極を狭
開先内で揺動させながら溶接する際に、溶接中の溶接ト
ーチの移動軌跡が溶接線からずれて、非消耗電極(揺動
中心)が左右どちらかの開先壁面に近づくと、揺動振幅
両端のアーク電圧が、電極先端から開先壁面までの距離
に比例して変化する。このアーク電圧の変化を検出し、
制御因子として、揺動角度を増減し、かつ、左右の揺動
角度を比較して溶接トーチを溶接線に対して直交する方
向に移動させることによって、溶接トーチ(揺動中心)
が開先内で所望の位置になるように制御することで達成
される。
溶接する非消耗電極溶接装置において、非消耗電極を狭
開先内で揺動させながら溶接する際に、溶接中の溶接ト
ーチの移動軌跡が溶接線からずれて、非消耗電極(揺動
中心)が左右どちらかの開先壁面に近づくと、揺動振幅
両端のアーク電圧が、電極先端から開先壁面までの距離
に比例して変化する。このアーク電圧の変化を検出し、
制御因子として、揺動角度を増減し、かつ、左右の揺動
角度を比較して溶接トーチを溶接線に対して直交する方
向に移動させることによって、溶接トーチ(揺動中心)
が開先内で所望の位置になるように制御することで達成
される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に従
って説明する。
って説明する。
【0008】図1は、横向姿勢で狭開先を本発明の請求
項1記載の溶接線倣い装置を搭載した非消耗電極溶接装
置で溶接した場合の溶接線倣い制御の模式図である。本
図に於いては図示する開先の上側を左側,下側を右側と
して説明する。
項1記載の溶接線倣い装置を搭載した非消耗電極溶接装
置で溶接した場合の溶接線倣い制御の模式図である。本
図に於いては図示する開先の上側を左側,下側を右側と
して説明する。
【0009】非消耗電極1の揺動中心2が、開先中心3
に対して、左側にDだけシフトして配置された位置を溶
接線6とし、非消耗電極1が揺動中心2から左側に振幅
L、右側に振幅Rで揺動し、揺動振幅端のアーク電圧
が、左側でEL1、右側で ER1となる(1)の状態を適
正状態とするとき、何らかの理由により(2)に図示す
るように揺動中心2が溶接線6に対して右(下)側にず
れた場合、まず、(3)に示すように揺動振幅の両端で
の非消耗電極1の先端と溶融池4との距離が変化したた
め、左側の揺動振幅端のアーク電圧がEL2に増加し、
右側の揺動振幅端のアーク電圧がER2に減少したこと
を検知して、左側の揺動角度を一定量だけ増加させ、揺
動振幅をL+dLにし、右側の揺動角度を一定量だけ減
少させ、揺動振幅をR+dRにする。
に対して、左側にDだけシフトして配置された位置を溶
接線6とし、非消耗電極1が揺動中心2から左側に振幅
L、右側に振幅Rで揺動し、揺動振幅端のアーク電圧
が、左側でEL1、右側で ER1となる(1)の状態を適
正状態とするとき、何らかの理由により(2)に図示す
るように揺動中心2が溶接線6に対して右(下)側にず
れた場合、まず、(3)に示すように揺動振幅の両端で
の非消耗電極1の先端と溶融池4との距離が変化したた
め、左側の揺動振幅端のアーク電圧がEL2に増加し、
右側の揺動振幅端のアーク電圧がER2に減少したこと
を検知して、左側の揺動角度を一定量だけ増加させ、揺
動振幅をL+dLにし、右側の揺動角度を一定量だけ減
少させ、揺動振幅をR+dRにする。
【0010】(4)では、左右の揺動角度の増減から揺
動中心の移動方向を判断(ここでは左側)し、揺動中心
を一定の移動量(ここではD)だけ移動させる。(5)
では揺動振幅の両端での非消耗電極1の先端と溶融池4
との距離が左側では減少し右側では増加したため、左側
の揺動振幅端のアーク電圧がEL3に減少し、右側の揺
動振幅端のアーク電圧がER3に増加したことを検知し
て、左側の揺動角度を一定量だけ減少させ、揺動振幅を
Lにし、右側の揺動角度を一定量だけ増加させ、揺動振
幅をRにし、(6)に示す適正状態に復帰させる。
動中心の移動方向を判断(ここでは左側)し、揺動中心
を一定の移動量(ここではD)だけ移動させる。(5)
では揺動振幅の両端での非消耗電極1の先端と溶融池4
との距離が左側では減少し右側では増加したため、左側
の揺動振幅端のアーク電圧がEL3に減少し、右側の揺
動振幅端のアーク電圧がER3に増加したことを検知し
て、左側の揺動角度を一定量だけ減少させ、揺動振幅を
Lにし、右側の揺動角度を一定量だけ増加させ、揺動振
幅をRにし、(6)に示す適正状態に復帰させる。
【0011】図2は、一般的な非消耗電極溶接のアーク
長とアーク電圧の関係を示したものである。
長とアーク電圧の関係を示したものである。
【0012】一般に知られているように定電流特性を持
つ溶接電源では、図示するようにアーク長(X)とアー
ク電圧(Y)はY=αX+βの1次式の形で表わすこと
ができ、アーク長(X)が長くなるにつれ、アーク電圧
(Y)が高くなる関係にある。本発明は、この特性を利
用し、揺動振幅両端でのアーク電圧の変化を開先内での
揺動中心位置の変化と捉え、溶接線倣いを行うものであ
る。
つ溶接電源では、図示するようにアーク長(X)とアー
ク電圧(Y)はY=αX+βの1次式の形で表わすこと
ができ、アーク長(X)が長くなるにつれ、アーク電圧
(Y)が高くなる関係にある。本発明は、この特性を利
用し、揺動振幅両端でのアーク電圧の変化を開先内での
揺動中心位置の変化と捉え、溶接線倣いを行うものであ
る。
【0013】図3は、本発明の請求項1記載の溶接線及
び開先幅倣い装置の制御フローチャートである。
び開先幅倣い装置の制御フローチャートである。
【0014】まず、左右の揺動振幅端の電極先端と開先
壁面との距離が適正となるアーク電圧の基準値Eα,E
βと、基準となる左右の揺動角度比Hを設定,記憶させ
る。
壁面との距離が適正となるアーク電圧の基準値Eα,E
βと、基準となる左右の揺動角度比Hを設定,記憶させ
る。
【0015】次に左右の揺動角度の増加量dα,dβを
設定,記憶させ、溶接トーチ移動軸の移動量Dcを設
定,記憶させる。
設定,記憶させ、溶接トーチ移動軸の移動量Dcを設
定,記憶させる。
【0016】左右の揺動振幅端アーク電圧EL,ERを
検出し、左側の検出アーク電圧ELと左側の基準アーク
電圧Eαと比較し、EL=Eαならば、変化なしと判断
し、揺動角度は増減せず、EL>Eαならば、非消耗電
極先端と溶融池との距離が広がったと判断し、左側の揺
動角度をdαだけ増加させる。EL<Eαならば、非消
耗電極先端と溶融池との距離が近づいたと判断し、左側
の揺動角度をdαだけ減少させる制御を行い、続いて、
右側の検出アーク電圧ERと右側の基準アーク電圧Eβ
と比較し、ER=Eβならば、変化なしと判断し、揺動
角度は増減せず、ER>Eβならば、非消耗電極先端と
溶融池との距離が広がったと判断し、右側の揺動角度を
dβだけ増加させる。ER<Eβならば、非消耗電極先
端と溶融池との距離が近づいたと判断し、右側の揺動角
度をdβだけ減少させる制御を行う。制御後の左側の揺
動角度WL、右側の揺動角度WRを記憶する。
検出し、左側の検出アーク電圧ELと左側の基準アーク
電圧Eαと比較し、EL=Eαならば、変化なしと判断
し、揺動角度は増減せず、EL>Eαならば、非消耗電
極先端と溶融池との距離が広がったと判断し、左側の揺
動角度をdαだけ増加させる。EL<Eαならば、非消
耗電極先端と溶融池との距離が近づいたと判断し、左側
の揺動角度をdαだけ減少させる制御を行い、続いて、
右側の検出アーク電圧ERと右側の基準アーク電圧Eβ
と比較し、ER=Eβならば、変化なしと判断し、揺動
角度は増減せず、ER>Eβならば、非消耗電極先端と
溶融池との距離が広がったと判断し、右側の揺動角度を
dβだけ増加させる。ER<Eβならば、非消耗電極先
端と溶融池との距離が近づいたと判断し、右側の揺動角
度をdβだけ減少させる制御を行う。制御後の左側の揺
動角度WL、右側の揺動角度WRを記憶する。
【0017】記憶したWLとWRから現在の左右の揺動
角度の比WR/WLを算出し、このWR/WLと基準揺
動角度比Hを比較し、WR/WL=Hならば、変化なし
と判断し、溶接トーチ移動軸を駆動せず、WR/WL>
Hならば、溶接線に対し、左側にずれていると判断し、
溶接トーチ移動軸をDcだけ右側に駆動させ、WR/W
L<Hならば、溶接線に対し、右側にずれていると判断
し、溶接トーチ移動軸をDcだけ左側に駆動させる。溶
接終了か否かの判定をして、溶接継続中ならば再度検
出,制御を繰り返すことで、溶接線倣い制御を実行す
る。
角度の比WR/WLを算出し、このWR/WLと基準揺
動角度比Hを比較し、WR/WL=Hならば、変化なし
と判断し、溶接トーチ移動軸を駆動せず、WR/WL>
Hならば、溶接線に対し、左側にずれていると判断し、
溶接トーチ移動軸をDcだけ右側に駆動させ、WR/W
L<Hならば、溶接線に対し、右側にずれていると判断
し、溶接トーチ移動軸をDcだけ左側に駆動させる。溶
接終了か否かの判定をして、溶接継続中ならば再度検
出,制御を繰り返すことで、溶接線倣い制御を実行す
る。
【0018】上記の手順で制御することで溶接中の熱収
縮や機械加工精度による開先幅の変化にも追従すること
ができる。
縮や機械加工精度による開先幅の変化にも追従すること
ができる。
【0019】図4は、本発明の実施例である溶接線倣い
制御装置を非消耗電極溶接装置に搭載した場合のブロッ
ク図である。
制御装置を非消耗電極溶接装置に搭載した場合のブロッ
ク図である。
【0020】図示の非消耗電極溶接装置は、非消耗電極
1と母材5との間にアーク7を発生する手段である溶接
電源8と、溶接ワイヤ9を順次送給する手段であるワイ
ヤ送給装置10と、溶接トーチ11を揺動させる溶接ト
ーチ揺動軸12と、溶接トーチ13を溶接線に直交する
方向に移動する溶接トーチ移動軸13と、溶接ワイヤ9
を溶融池4に導入するワイヤガイド14を搭載し、レー
ル15上を溶接線方向に自走する手段である台車16
と、上記各装置を統括制御する手段である制御装置17
で構成されている。溶接線方向に自走する手段として
は、台車16に限らず、ロボット,マニピュレータなど
でもよい。
1と母材5との間にアーク7を発生する手段である溶接
電源8と、溶接ワイヤ9を順次送給する手段であるワイ
ヤ送給装置10と、溶接トーチ11を揺動させる溶接ト
ーチ揺動軸12と、溶接トーチ13を溶接線に直交する
方向に移動する溶接トーチ移動軸13と、溶接ワイヤ9
を溶融池4に導入するワイヤガイド14を搭載し、レー
ル15上を溶接線方向に自走する手段である台車16
と、上記各装置を統括制御する手段である制御装置17
で構成されている。溶接線方向に自走する手段として
は、台車16に限らず、ロボット,マニピュレータなど
でもよい。
【0021】上記構成の装置の動作を次に説明する。
【0022】まず、溶接する母材5の開先内に溶接トー
チ11が配されるようにレール15上に台車16を設置
する。次に制御装置17が起動される。次に制御装置1
7は溶接電源8を起動し、溶接トーチ11先端の非消耗
電極1と母材5間にアーク7を発生させる。アーク7は
母材5を溶融し、溶融池4を形成する。制御装置17は
アーク7の発生より所定の時間が経過したことを検知
し、溶接トーチ揺動軸12の駆動を開始し、同様にワイ
ヤ送給装置10を起動し、溶接ワイヤ9を送給させる。
また、制御装置17は溶接ワイヤ9の送給の開始より所
定の時間が経過したことを検知し、台車16の走行を開
始させる。
チ11が配されるようにレール15上に台車16を設置
する。次に制御装置17が起動される。次に制御装置1
7は溶接電源8を起動し、溶接トーチ11先端の非消耗
電極1と母材5間にアーク7を発生させる。アーク7は
母材5を溶融し、溶融池4を形成する。制御装置17は
アーク7の発生より所定の時間が経過したことを検知
し、溶接トーチ揺動軸12の駆動を開始し、同様にワイ
ヤ送給装置10を起動し、溶接ワイヤ9を送給させる。
また、制御装置17は溶接ワイヤ9の送給の開始より所
定の時間が経過したことを検知し、台車16の走行を開
始させる。
【0023】非消耗電極1を開先内で揺動する溶接法で
図示するように横向姿勢で溶接を行う場合、非消耗電極
1の軌跡は開先中心3に対して、所望の位置で平行でな
ければならない。しかし、実際には台車16の軌道であ
るレール15と開先中心3を平行にすることは困難なた
め、溶接トーチ移動軸13を逐次動作させて開先中心3
に対する非消耗電極1の位置を一定にする必要がある。
図示するように横向姿勢で溶接を行う場合、非消耗電極
1の軌跡は開先中心3に対して、所望の位置で平行でな
ければならない。しかし、実際には台車16の軌道であ
るレール15と開先中心3を平行にすることは困難なた
め、溶接トーチ移動軸13を逐次動作させて開先中心3
に対する非消耗電極1の位置を一定にする必要がある。
【0024】非消耗電極1を揺動するとき、その揺動振
幅両端のアーク電圧は、開先中心3と非消耗電極1の位
置関係が変化しなければ、常にほぼ一定であり、例え
ば、開先中心3が図示する下側にずれ、開先中心3と非
消耗電極1の位置関係が変化した場合、揺動振幅両端で
の非消耗電極1と溶融池4の位置関係が変化するため、
揺動振幅上端のアーク電圧は増加し、下端では減少す
る。制御装置17はこの揺動振幅両端のアーク電圧を制
御因子として、図3記載のフローに従って溶接線倣い制
御を行う。制御装置17は前述の処理を溶接終了まで、
繰り返し行い、溶接中の溶接線倣いを実行し、自動溶接
を実現する。
幅両端のアーク電圧は、開先中心3と非消耗電極1の位
置関係が変化しなければ、常にほぼ一定であり、例え
ば、開先中心3が図示する下側にずれ、開先中心3と非
消耗電極1の位置関係が変化した場合、揺動振幅両端で
の非消耗電極1と溶融池4の位置関係が変化するため、
揺動振幅上端のアーク電圧は増加し、下端では減少す
る。制御装置17はこの揺動振幅両端のアーク電圧を制
御因子として、図3記載のフローに従って溶接線倣い制
御を行う。制御装置17は前述の処理を溶接終了まで、
繰り返し行い、溶接中の溶接線倣いを実行し、自動溶接
を実現する。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、センサを設ける方式,
画像処理による溶接線倣い方式などを用いずに溶接線に
非消耗電極の移動軌跡を追従させることができ、重力の
影響を受ける横向姿勢の狭開先溶接でも溶接線倣い制御
ができ、かつ、簡単な構成で安価な溶接線倣い装置を提
供できる。
画像処理による溶接線倣い方式などを用いずに溶接線に
非消耗電極の移動軌跡を追従させることができ、重力の
影響を受ける横向姿勢の狭開先溶接でも溶接線倣い制御
ができ、かつ、簡単な構成で安価な溶接線倣い装置を提
供できる。
【図1】本発明の溶接線倣いを行う制御方式を横向姿勢
で行う狭開先溶接に採用した場合の模式図である。
で行う狭開先溶接に採用した場合の模式図である。
【図2】定電流特性の溶接電源を使用した場合の非消耗
電極溶接のアーク長とアーク電圧の一般的な関係を示し
た図である。
電極溶接のアーク長とアーク電圧の一般的な関係を示し
た図である。
【図3】本発明の溶接線倣い装置の制御フローチャート
である。
である。
【図4】本発明の実施例である溶接線倣い制御装置を非
消耗電極溶接装置に搭載した場合のブロック図である。
消耗電極溶接装置に搭載した場合のブロック図である。
1…非消耗電極、2…揺動中心、3…開先中心、4…溶
融池、5…母材、6…溶接線、7…アーク、8…溶接電
源、9…溶接ワイヤ、10…ワイヤ送給装置、11…溶
接トーチ、12…溶接トーチ揺動軸、13…溶接トーチ
移動軸、14…ワイヤガイド、15…レール、16…台
車、17…制御装置、EL1,EL2,EL3,EL…
左側揺動振幅端アーク電圧、ER1,ER2,ER3,
ER…右側揺動振幅端アーク電圧、D…溶接線と揺動中
心のシフト量、L…左側揺動振幅、R…右側揺動振幅、
dL…左側揺動振幅増減量、dR…右側揺動振幅増減
量、Eα…基準左側揺動振幅端アーク電圧、Eβ…基準
右側揺動振幅端アーク電圧、H…基準左右揺動角度比、
dα…設定左側揺動角度増減量、dβ…設定右側揺動角
度増減量、Dc…設定溶接トーチ移動軸移動量、WL…
検出左側揺動角度、WR…検出右側揺動角度。
融池、5…母材、6…溶接線、7…アーク、8…溶接電
源、9…溶接ワイヤ、10…ワイヤ送給装置、11…溶
接トーチ、12…溶接トーチ揺動軸、13…溶接トーチ
移動軸、14…ワイヤガイド、15…レール、16…台
車、17…制御装置、EL1,EL2,EL3,EL…
左側揺動振幅端アーク電圧、ER1,ER2,ER3,
ER…右側揺動振幅端アーク電圧、D…溶接線と揺動中
心のシフト量、L…左側揺動振幅、R…右側揺動振幅、
dL…左側揺動振幅増減量、dR…右側揺動振幅増減
量、Eα…基準左側揺動振幅端アーク電圧、Eβ…基準
右側揺動振幅端アーク電圧、H…基準左右揺動角度比、
dα…設定左側揺動角度増減量、dβ…設定右側揺動角
度増減量、Dc…設定溶接トーチ移動軸移動量、WL…
検出左側揺動角度、WR…検出右側揺動角度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今永 昭慈 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 荒谷 雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内
Claims (2)
- 【請求項1】非消耗電極を狭開先内で捻転させて電極先
端を左右動(揺動と呼ぶ)させながら溶接を行う非消耗
電極溶接装置において、該非消耗電極を保持する溶接ト
ーチを溶接線に対して左右に移動させる溶接トーチ移動
手段と、非消耗電極を中心から左右個別の角度で揺動さ
せる電極揺動手段と、揺動振幅の両端で前記非消耗電極
と母材間に発生するアークの電圧を検出するアーク電圧
測定手段と、検出した揺動振幅左端のアーク電圧とあら
かじめ設定した左端のアーク電圧を比較することによ
り、あらかじめ設定した角度だけ非消耗電極の左側の揺
動角度を増減する左側揺動角度調整手段と、該アーク電
圧測定手段により測定した揺動振幅右端のアーク電圧と
あらかじめ設定した右端のアーク電圧を比較することに
よりあらかじめ設定した角度だけ非消耗電極の右側の揺
動角度を増減する右側揺動角度調整手段と、左右の揺動
角度を検出する揺動角度検出手段と、検出した左右の揺
動角度の比を算出する揺動角度比算出手段と、該揺動角
度比算出手段により算出した角度比とあらかじめ設定し
た基準揺動角度比を比較し、前記溶接トーチ移動手段の
移動方向を決定する移動方向決定手段とを備え、前記溶
接トーチ移動手段は前記移動方向決定手段により決定し
た方向にあらかじめ設定した移動量だけ前記溶接トーチ
を駆動し、溶接線倣いを行うように構成した溶接線倣い
装置。 - 【請求項2】請求項1記載の溶接線倣い装置を搭載した
ことを特徴とした非消耗電極溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11125571A JP2000317632A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 溶接線倣い装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11125571A JP2000317632A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 溶接線倣い装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000317632A true JP2000317632A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=14913493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11125571A Pending JP2000317632A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 溶接線倣い装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000317632A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8143549B2 (en) * | 2008-04-04 | 2012-03-27 | Aquilex WSI LLC | Apparatus for butt-welding tube joints |
CN105834554A (zh) * | 2016-04-08 | 2016-08-10 | 湘潭大学 | 一种窄间隙焊接熔宽的自适应检测控制系统及方法 |
-
1999
- 1999-05-06 JP JP11125571A patent/JP2000317632A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8143549B2 (en) * | 2008-04-04 | 2012-03-27 | Aquilex WSI LLC | Apparatus for butt-welding tube joints |
CN105834554A (zh) * | 2016-04-08 | 2016-08-10 | 湘潭大学 | 一种窄间隙焊接熔宽的自适应检测控制系统及方法 |
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