JP2021058911A - 圧延機の通板ガイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通板ガイドが損傷したり、変形したりすることを抑制する。【解決手段】通板ガイド装置10は、通板ガイド2、3、4、5と、第1衝撃緩和装置43、及び/又は、第2衝撃緩和装置52とを備えている。第1衝撃緩和装置43は、通板ガイド2に加わる水平方向の衝撃を吸収可能な装置である。第2衝撃緩和装置52は、通板ガイド2を搖動自在に保持する支持部60を中心に通板ガイド2が搖動する搖動方向の衝撃を吸収可能な装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧延機の通板ガイド装置に関する。
圧延機において、被圧延材を圧延するワークロールの入側及び出側にそれぞれ一対の通板ガイドが配置されている。一対の通板ガイドは、被圧延材が通過するパスラインを挟んで、上下方向に対向して配置されている。
通板ガイドは、被圧延材をワークロールの入側及び出側に円滑に案内する。また、通板ガイドの先端部から圧延油を噴出し、高温のワークロールを冷却及び潤滑する。また、被圧延材が破断したとき、通板ガイドは、被圧延材が圧延機のロール群に巻き込まれることを抑制する。これらから、通板ガイドの先端部は、ワークロールに可及的に接近して配置される。
通板ガイドが配置されるスペースは狭いため、通板ガイドの厚さは比較的薄い。特に、通板ガイドの先端部が配置されるワークロールの近辺は非常に狭いため、通板ガイドの先端部の厚さは他の部分の厚さより薄い。そのため、通板ガイドの先端部の強度は、比較的低い。
被圧延材を圧延した際、被圧延材が破断することがある。破断した被圧延材は、通板ガイドの先端部に衝突しやすい。通板ガイドの先端部の強度は比較的低いため、被圧延材が板ガイドの先端部に衝突すると、通板ガイドの先端部が損傷したり、変形したりしやすい。
特許文献1には、通板ガイドの先端部が損傷したり、変形したりした場合、通板ガイドの先端部を新しい先端部へ簡易に且つ短時間で取り替えることができる装置が開示されている。この装置により、通板ガイドの先端部を交換する時間を短縮できる。これにより、先端部の交換時に圧延機の操業を停止する時間を短縮できるため、生産性を向上させることができる。
実開平5−76613号公報
本願発明者は、特許文献1とは別の方法により、生産性を向上させることを検討した。
例えば、破断した被圧延材が通板ガイドに衝突した際、通板ガイドに加わった衝撃を緩和することができれば、通板ガイドの先端部が損傷したり、変形したりすることを抑制できる。これにより、通板ガイドの先端部の交換を減らすことができるため、生産性を向上させることができると考えられる。
本発明は、通板ガイドが損傷したり、変形したりすることを抑制可能な通板ガイド装置を提供することを目的とする。
本発明の圧延機の通板ガイド装置は、被圧延材を圧延するワークロールの入側及び/又は出側に配置され、被圧延材が通過するパスラインを挟んで対向配置される通板ガイドと、前記通板ガイドを搖動自在に保持する支持部と、前記通板ガイドに加わる水平方向の衝撃、及び/又は、前記支持部を中心に前記通板ガイドが搖動する搖動方向の衝撃を吸収可能な衝撃緩和装置とを備えている。
本発明によると、通板ガイドが損傷したり、変形したりすることを抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る通板ガイド装置を備えた圧延機の模式図である。 図1のIIの拡大図である。 通板ガイドに水平方向の衝撃が加わったときの模式図である。 通板ガイドに搖動方向の衝撃が加わったときの模式図である。 変形例1に係る通板ガイド装置の模式図である。 変形例2に係る通板ガイド装置の模式図である。
〔第1実施形態〕
図1に、圧延機1の一部を示している。圧延機1は、通板ガイド装置10と、ロールとを備えている。図1には、一対のワークロール11、12と、複数の中間ロール21、22、23、24と、複数のバックアップロール31、32、33、34、35、36とを示している。
一対のワークロール11、12は、被圧延材Xが通過するパスラインPを挟んで、上下方向に対向して配置されている。ワークロール11、12は、被圧延材Xを圧延する。
中間ロール21、22、23、24は、ワークロール11、12の外側に配置されている。中間ロール21、22、23、24は、ワークロール11、12を支持している。
バックアップロール31、32、33、34、35、36は、中間ロール21、22、23、24の外側に配置されている。バックアップロール31、32、33、34、35、36は、圧延機1のロールのうち、最も外側に配置されたロールである。バックアップロール31、32、33、34、35、36は、中間ロール21、22、23、24を支持している。
本実施形態において、圧延された部材を「被圧延材」と称することもあり、圧延される前の部材を「被圧延材」と称することもある。「圧延される前の部材」は、圧延される前に一度も圧延されていない部材でもよく、圧延される前に圧延されたことがある部材でもよい。本実施形態において、「パスライン」とは、被圧延材の通路である。本実施形態では、パスラインPが、図1中の左右方向に延在している。
通板ガイド装置10は、一対の通板ガイド2、3と、一対の通板ガイド4、5と、スライド部材41と、第1駆動装置42と、第1衝撃緩和装置43と、第2駆動装置51と、第2衝撃緩和装置53と、支持部60とを備える。一対の通板ガイド2、3は、ワークロール11、12の入側又は出側に配置されている。一対の通板ガイド4、5は、ワークロール11、12の入側又は出側であって、一対の通板ガイド2、3の反対側に配置されている。
「ワークロールの入側」とは、パスラインPの延在方向について、被圧延材Xが一対のワークロールの間に入るまでの領域である。「ワークロールの出側」とは、パスラインPの延在方向について、被圧延材が一対のワークロールの間を出てからの領域である。「一対のワークロールの間」とは、一対のワークロール11、12の距離が最も短くなる部分における一対のワークロール間のことをいう。
図1には、「一対のワークロール11、12の間」を通る線Cを示している。図1には、例として、被圧延材Xが図1中の右方向に進む場合を示している。被圧延材Xが図1中の右方向に進む場合、線Cの左側が「ワークロールの入側」であり、線Cの右側が「ワークロールの出側」である。この場合、一対の通板ガイド2、3がワークロール11、12の入側に配置され、一対の通板ガイド4、5がワークロール11、12の出側に配置されている。
一対の通板ガイド2、3は、パスラインPを挟んで上下方向に対向して配置されている。以下では、一対の通板ガイド2、3のうち、パスラインPの上に配置された通板ガイドを「第1通板ガイド2」と称し、パスラインPの下に配置された通板ガイドを「第2通板ガイド3」と称する。
図2に、図1のIIの拡大図を示している。図2に示すように、第2通板ガイド3は、支持部60によって、搖動自在に保持されている。本実施形態では、第2通板ガイド3の一端部と他端部との間において、ワークロール11、12から遠い一端部3aに近い部分が、支持部60に保持されている。第2通板ガイド3は、支持部60を中心に、図2中を右回り又は左回りに搖動する。以下において、図中の右回り及び左回りを「搖動方向」と称する。
支持部60は、スライド部材41に取り付けられている。スライド部材41の一部は、ミルハウジング70の上に配置されている。ミルハウジング70は、圧延機1の一部を構成する部材である。
スライド部材41の一部は、ミルハウジング70の上を、水平方向に移動可能である。図2では、水平方向と左右方向とが同じ方向である。スライド部材41の一部がミルハウジング70の上を水平方向に移動することにより、スライド部材41全体が水平方向に移動する。
スライド部材41は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されていない。例えば、スライド部材41は、ミルハウジング70に直接固定されていない。スライド部材41は移動可能である。
第2通板ガイド3を保持する支持部60がスライド部材41に取り付けられていることにより、スライド部材41と第2通板ガイド3が一体になって動く。例えば、スライド部材41の一部がミルハウジング70の上を水平方向に移動すると、スライド部材41とともに第2通板ガイド3が水平方向に移動する。また、第2通板ガイド3が水平方向に移動すると、第2通板ガイド3とともにスライド部材41が水平方向に移動する。
スライド部材41に、第1駆動装置42が接続されている。第1駆動装置42に、第1衝撃緩和装置43が接続されている。スライド部材41は支持部60を介して第2通板ガイド3に接続されているため、第2通板ガイド3と第1衝撃緩和装置43は、支持部60、スライド部材41および第1駆動装置42を介して接続されている。
第1駆動装置42は、第1駆動部42Aを有する。第1駆動部42Aは、スライド部材41および第1衝撃緩和装置43に接続されている。第1駆動部42Aは、スライド部材41を水平方向に移動させる。第1駆動部42Aによりスライド部材41を水平方向へ移動させると、スライド部材41とともに第2通板ガイド3が水平方向へ移動する。そのため、第1駆動部42Aにより、スライド部材41だけでなく第2通板ガイド3も水平方向に移動させることができる。第1駆動部42Aは、例えば、流体シリンダ、エアシリンダ、モータ駆動式のねじ送り機構、又は、これらのいずれかを含む部材であるが、これらに限定されない。第1駆動部42Aは、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作が可能である。
第1衝撃緩和装置43は、第2通板ガイド3に加わった水平方向の衝撃を吸収する。第1衝撃緩和装置43は、例えば、エアダンパ、オイルダンパ、バネ式のダンパ又はその他の弾性を有する部材を備えた装置である。弾性を有する部材とは、例えばゴムでもよい。第1衝撃緩和装置43は、上記に限定されない。
第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に固定されている(図示省略)。例えば、第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43はミルハウジング70に固定されている。但し、第1駆動装置42の第1駆動部42Aは、上述したように、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作が可能である。
スライド部材41と第1駆動装置42との接続、スライド部材41と第1駆動部42Aとの接続、第1駆動装置42と第1衝撃緩和装置43との接続、及び、第1駆動部42Aと第1衝撃緩和装置43との接続には、どのような部材が用いられていてもよい。これらの接続に、例えばリンク機構が用いられてもよい。
第2通板ガイド3においてワークロール11、12から遠い端部3aに、第2駆動装置51が接続されている。第2駆動装置51に、第2衝撃緩和装置52が接続されている。第2通板ガイド3と第2衝撃緩和装置52は、第2駆動装置51を介して接続されている。
第2駆動装置51は、第2通板ガイド3を、支持部60を中心に搖動させる。第2駆動装置51は、例えば、流体シリンダ、エアシリンダ又はモータ駆動式のねじ送り機構を有する装置であるが、これらに限定されない。
第2駆動装置51は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されていない。第2駆動装置51は、例えば、ミルハウジング70及びスライド部材41に直接固定されていない。第2駆動装置51は、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作をすることが可能である。
第2衝撃緩和装置52は、第2通板ガイド3に加わった搖動方向の衝撃を吸収する。第2衝撃緩和装置52は、例えば、エアダンパ、オイルダンパ、バネ式のダンパ又は弾性を有する部材を備えた装置である。弾性を有する部材とは、例えばゴムでもよい。第2衝撃緩和装置52は、上記に限定されない。
第2衝撃緩和装置52は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に固定されている(図示省略)。第2衝撃緩和装置52は、例えばスライド部材41に固定されている。
第2通板ガイド3と第2駆動装置51との接続、及び、第2駆動装置51と第2衝撃緩和装置52との接続には、どのような部材が用いられていてもよい。例えば、これらの接続に、リンク機構が用いられてもよい。
第1駆動装置42及び/又は第2駆動装置51によって、第2通板ガイド3を水平方向及び/又は搖動方向に動かすことができる。これにより、第2通板ガイド3の先端部をワークロール11、12に近づけたり、遠ざけたりすることができる(図1参照)。
上記では、第2通板ガイド3とその周辺の構成について説明したが、図1に示す第1通板ガイド2とその周辺の構成も、第2通板ガイド3とその周辺の構成と同様な構成である。
また、上記では、図1に示す一対の通板ガイド2、3及びその周辺の構造について説明したが、図1に示す一対の通板ガイド4、5及びその周辺の構造も、一対の通板ガイド2、3及びその周辺の構造と同様である。
次に、第2通板ガイド3に衝撃が加わった場合について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
例えば、被圧延材Xを圧延した際、被圧延材Xが破断し、破断した被圧延材Xが第2通板ガイド3に衝突することがある。これにより第2通板ガイド3に衝撃が加わる。図3には、例として、第2通板ガイド3に図中の左方向の衝撃が加わった場合を示している。この場合、第2通板ガイド3に加わった左方向の衝撃により、第2通板ガイド3が左方向に移動する。また、第2通板ガイド3とともにスライド部材41が左方向に移動する。スライド部材41が左方向に移動することにより、スライド部材41に接続された第1駆動部42Aが伸縮、搖動、回転又は移動等の動作をする。例えば、第1駆動部42Aが図中の左方向へ移動する。
上記第2通板ガイド3及びスライド部材41の移動と第1駆動部42Aの動作により、第2通板ガイド3に加わった左方向の衝撃は、スライド部材41、第1駆動部42A及び第1衝撃緩和装置43に順に伝わる。第1衝撃緩和装置43に伝わった衝撃は、第1衝撃緩和装置43で吸収される。
上記では、第2通板ガイド3に左方向の衝撃が加わった場合について説明したが、第2通板ガイド3に右方向の衝撃が加わった場合も、上記と同様に、第2通板ガイド3及びスライド部材41が右方向へ移動し、第1駆動部42Aが伸縮、搖動、回転又は移動等の動作をする。これにより、第2通板ガイド3に加わった右方向の衝撃が、スライド部材41、第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43へ順に伝わり、第1衝撃緩和装置43で吸収される。
このように第2通板ガイド3に水平方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3、スライド部材41及び第1駆動部42Aが動くことにより、第2通板ガイド3に加わった衝撃がスライド部材41、第1駆動部42A及び第1衝撃緩和装置43へ順に伝わる。第1衝撃緩和装置43へ伝わった衝撃は、第1衝撃緩和装置43で吸収される。これにより、第2通板ガイド3、スライド部材41及び第1駆動装置42が衝撃を受けないようになる。そのため、第2通板ガイド3、スライド部材41及び第1駆動装置42が損傷等することを抑制することができる。
次に、通板ガイドに搖動方向の衝撃が加わった場合について説明する。
図4には、例として、第2通板ガイド3に支持部60を中心とした右回りの衝撃が加わった場合を示している。この場合、第2通板ガイド3に加わった右回りの衝撃により、第2通板ガイド3が支持部60を中心として右回転する。第2通板ガイド3が右回転することにより、第2駆動装置51が上方へ移動する。
これにより、第2通板ガイド3に加わった右回りの衝撃は、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52へ順に伝わる。第2衝撃緩和装置52に伝わった衝撃は、第2衝撃緩和装置52で吸収される。
なお、上記では、第2通板ガイド3に支持部60を中心とした右回りの衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3に接続された第2駆動装置51が上方へ移動する例を説明したが、第2駆動装置51は伸縮、搖動、回転又は他の移動等の動作をしてもよい。
上記では、第2通板ガイド3に支持部60を中心とした右回りの衝撃が加わった場合について説明したが、第2通板ガイド3に支持部60を中心とした左回りの衝撃が加わった場合も、上記と同様に、例えば、第2通板ガイド3が支持部60を中心に左回転し、例えば、第2駆動装置51が図4中の下方へ移動する。これにより、第2通板ガイド3に加わった左回りの衝撃が、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52へ順に伝わり、第2衝撃緩和装置52で吸収される。なお、第2通板ガイド3に支持部60を中心とした左回りの衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3に接続された第2駆動装置51は伸縮、搖動、回転又は他の移動等の動作をしてもよい。
このように第2通板ガイド3に搖動方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3が回転し、且つ、第2駆動装置51が動くことにより、衝撃が第2通板ガイド3、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52へ順に伝わる。第2衝撃緩和装置52へ伝わった衝撃は、第2衝撃緩和装置52で衝撃が吸収される。そのため、第2通板ガイド3及び第2駆動装置51が衝撃を受けないようになる。これにより、第2通板ガイド3及び第2駆動装置51が損傷等することを抑制することができる。
第2通板ガイド3に水平方向及び搖動方向の衝撃が加わった場合、水平方向の衝撃が第1衝撃緩和装置に吸収され、搖動方向の衝撃が第2衝撃緩和装置に吸収される。これにより、第2通板ガイド3、スライド部材41、第1駆動装置42及び第2駆動装置51が衝撃を受けないようになる。そのため、第2通板ガイド3、スライド部材41、第1駆動装置42及び第2駆動装置51が損傷等することを抑制することができる。
上記は第2通板ガイド3に衝撃が加わった場合について説明したが、図1に示す他の通板ガイド2、4、5に衝撃が加わった場合も上記と同様に、水平方向の衝撃が第1衝撃緩和装置43に吸収され、搖動方向の衝撃が第2衝撃緩和装置52に吸収される。
以上のように、本実施形態によると以下の効果を奏する。
第2通板ガイド3に水平方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3に加わった水平方向の衝撃は、スライド部材41、第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43に順に伝わり、第1衝撃緩和装置43によって吸収される(図3参照)。第2通板ガイド3に搖動方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3に加わった搖動方向の衝撃は、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52に順に伝わり、第2衝撃緩和装置52によって衝撃が吸収される(図4参照)。これにより、第2通板ガイド3、スライド部材41、第1駆動装置42及び第2駆動装置51が衝撃を受けないようになる。そのため、第2通板ガイド3に加わった衝撃により第2通板ガイド3が損傷したり、変形したりすることを抑制することができる。これにより、第2通板ガイド3の交換作業及び補修作業を減らすことができるため、圧延機の操業停止時間を短縮できる。これにより、生産性を向上させることができる。
また、通板ガイド装置10において、第1衝撃緩和装置43及び第2衝撃緩和装置52として、例えば、オイルダンパ、エアダンパ、バネ式ダンパ又はその他の弾性を有する部材を備えた装置を用いることにより、第2通板ガイド3が損傷したり、変形したりすることを抑制することができる。
また、図1及び図2に示すように、第2通板ガイド3のワークロール11、12から遠い端部3aに、第2衝撃緩和装置52が、第2駆動装置51を介して接続されている。第2通板ガイド3における第2衝撃緩和装置52の接続位置が搖動中心から遠いほど、第2衝撃緩和装置52に伝わる衝撃が小さい。第2衝撃緩和装置52の接続位置である第2通板ガイド3の端部3aは、搖動中心の支持部60から比較的遠い。そのため、第2通板ガイド3から第2駆動装置51を介して第2衝撃緩和装置52へ伝わる衝撃は、比較的小さい。これにより、第2衝撃緩和装置52の負担を軽減することができる。
また、ワークロール11、12から遠い位置に第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52が配置されるため、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52がワークロール11、12の熱及び圧延油の影響を受けにくい。また、第2通板ガイド3のワークロール11、12から遠い端部3aの周辺には、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52を配置可能なスペースが存在する。そのため、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52を配置しやすい。
また、図1に示すように、第1駆動装置42、第1衝撃緩和装置43、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52は、圧延機1の複数のロールのうち最も外側に配置されたバックアップロール31、32、33、34、35、36の外側に配置されている。バックアップロール31、32、33、34、35、36の外側は、ワークロール11、12から離れている。ワークロール11、12から離れた場所に、第1駆動装置42、第1衝撃緩和装置43、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52を配置することにより、第1駆動装置42、第1衝撃緩和装置43、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52が、ワークロール11、12の熱及び圧延油による影響を受けにくい。また、バックアップロール31、32、33、34、35、36の外側には、比較的広いスペースが存在する。そのため、第1駆動装置42、第1衝撃緩和装置43、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52を配置しやすい。
また、図3に示すように、第2通板ガイド3にスライド部材41が接続され、スライド部材41に第1駆動部42Aが接続され、第1駆動部42Aに第1衝撃緩和装置43が接続されている。第2通板ガイド3と第1衝撃緩和装置43との間にあるスライド部材41および第1駆動部42Aは、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されていない。スライド部材41は、水平方向に移動可能である。第1駆動部42Aは、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作をすることが可能である。そのため、第2通板ガイド3に水平方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3及びスライド部材41が移動し、第1駆動部42Aが動く。これにより、第2通板ガイド3に加わった水平方向の衝撃が、スライド部材41、第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43に順に伝わる。第1衝撃緩和装置43に伝わった衝撃は、第1衝撃緩和装置43で吸収される。そのため、第2通板ガイド3、スライド部材41、第1駆動装置42及び第1駆動部42Aが衝撃を受けないようになる。これにより、第2通板ガイド3、スライド部材41、第1駆動装置42及び第1駆動部42Aの損傷等を抑制することができる。
また、図4に示すように、第2通板ガイド3に第2駆動装置51が接続され、第2駆動装置51に第2衝撃緩和装置52が接続されている。第2駆動装置51は、通板ガイド装置10を除く圧延機を構成する部材に直接固定されていない。第2駆動装置51は、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作をすることが可能である。そのため、第2通板ガイド3に搖動方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3及び第2駆動装置51が動く。これにより、第2通板ガイド3に加わった搖動方向の衝撃が第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52に順に伝わる。第2衝撃緩和装置52に伝わった衝撃は、第2衝撃緩和装置52で吸収される。そのため、第2通板ガイド3及び第2駆動装置51が衝撃を受けないようになる。これにより、第2通板ガイド3の損傷等を抑制することができる。
上記では、第2通板ガイド3とその周辺の構造の効果について説明したが、第2通板ガイド3以外の通板ガイド2、4、5とその周辺の構造によっても、上記と同様な効果が得られる(図1参照)。
上述した第1実施形態に係る通板ガイド装置10は、第2通板ガイド3に加わる水平方向の衝撃を吸収する第1衝撃緩和装置43と、第2通板ガイド3に加わる搖動方向の衝撃を吸収する第2衝撃緩和装置52との両方を備えている。しかし、後述するように、通板ガイド装置は、衝撃緩和装置として、通板ガイドに加わる水平方向の衝撃を吸収する第1衝撃緩和装置だけ、又は、通板ガイドに加わる搖動方向の衝撃を吸収する第2衝撃緩和装置だけを備えていてもよい。
〔変形例1〕
図5に示す変形例1に係る通板ガイド装置110は、以下の点において、第1実施形態に係る通板ガイド装置10と異なる。
図5に示すように、変形例1に係る通板ガイド装置110は、第1駆動装置42と、第1衝撃緩和装置43とを備えている。第1駆動装置42は、第2通板ガイド3を水平方向に移動させる第1駆動部42Aを有する。第1衝撃緩和装置43は、第2通板ガイド3に加わる水平方向の衝撃を吸収する。なお、通板ガイド装置110は、第2通板ガイド3に加わる搖動方向の衝撃を吸収する第2衝撃緩和装置52(図1参照)を備えていない。図5に、第2通板ガイド3を搖動させる第2駆動装置51を示していないが、通板ガイド装置110は、第2駆動装置51を備えていてもよく、第2駆動装置51を備えていなくてもよい。なお、変形例1に係る通板ガイド装置のその他の構成は、第1実施形態の通板ガイド装置の構成と同様であるため、説明を省略する。
〔変形例2〕
図6に示す変形例2に係る通板ガイド装置210は、以下の点において、第1実施形態に係る通板ガイド装置10と異なる。
図5に示すように、変形例2に係る通板ガイド装置210は、第2通板ガイド3を搖動させる第2駆動装置51と、第2通板ガイド3に加わる搖動方向の衝撃を吸収する第2衝撃緩和装置52とを備えている。なお、通板ガイド装置210は、第2通板ガイド3に加わる水平方向の衝撃を吸収する第1衝撃緩和装置43(図1参照)を備えていない。図6に、第2通板ガイド3を水平方向に駆動させる第1駆動部42Aを有する第1駆動装置42を示していないが、通板ガイド装置210は、第1駆動部42Aを有する第1駆動装置42を備えていてもよく、第1駆動部42Aを有する第1駆動装置42を備えていなくてもよい。なお、変形例2に係る通板ガイド装置のその他の構成は、第1実施形態の通板ガイド装置の構成と同様であるため、説明を省略する。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記第1実施形態、変形例1及び変形例2では、第2通板ガイド3の搖動の中心となる支持部60が、第2通板ガイド3のワークロール11、12から遠い端部3aに近い位置を保持している。しかし、第2通板ガイド3の搖動の中心となる支持部60は、第2通板ガイド3の中央付近を保持していてもよく、第2通板ガイド3のワークロール11、12に近い端部に近い位置を保持していてもよい。
また、上記第1実施形態及び変形例2では、第2通板ガイド3のワークロール11、12から遠い端部3aに、第2通板ガイド3を搖動させる第2駆動装置51が接続されている。また、第2通板ガイドのワークロール11、12から遠い端部3aに、第2駆動装置51を介して、第2衝撃緩和装置52が接続されている。しかし、第2駆動装置51及び第2衝撃緩和装置52は、第2通板ガイド3のワークロール11、12から遠い端部3a以外の部分に接続されていてもよい。
また、上記第1実施形態、変形例1及び変形例2では、一対の通板ガイド2、3及びその周辺の構成と、一対の通板ガイド4、5及びその周辺の構成とが、同様な構成である。しかし、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド及びその周辺の構成と、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド及びその周辺の構成とは、異なる構成でもよい。
また、上記第1実施形態、変形例1及び変形例2では、パスラインPの上に配置された第1通板ガイド2及びその周辺の構成と、パスラインPの下に配置された第2通板ガイド3及びその周辺の構成とが、同様な構成である。また、パスラインPの上に配置された通板ガイド4及びその周辺の構成と、パスラインPの下に配置された通板ガイド5及びその周辺の構成とが、同様な構成である。しかし、パスラインPの上に配置された通板ガイド及びその周辺の構成と、パスラインPの下に配置された通板ガイド及びその周辺の構成とは、異なる構成でもよい。
また、上記第1実施形態の通板ガイド装置10は、ワークロールの入側又は出側に配置された一対の通板ガイド2、3、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置と、ワークロールの入側又は出側であって、一対の通板ガイド2、3と反対側に配置された一対の通板ガイド4、5、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置とを有する。しかし、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの出側に配置される一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有し、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイドを有するが、ワークロールの出側に配置される第1衝撃緩和装置及び/又は第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの入側に配置される一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド、第1衝撃緩和装置及び第2衝撃緩和装置を有し、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイドを有するが、ワークロールの入側に配置される第1衝撃緩和装置及び/又は第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。
また、変形例1の通板ガイド装置101は、ワークロール11、12の入側に配置された一対の通板ガイド2、3及び第1衝撃緩和装置43と、ワークロール11、12の出側に配置された一対の通板ガイド4、5及び第1衝撃緩和装置とを有する。しかし、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの出側に配置される一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置と、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイドとを有するが、ワークロールの出側に配置される第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの入側に配置される一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置と、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイドとを有するが、ワークロールの入側に配置される第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。
また、変形例2の通板ガイド装置210は、ワークロール11、12の入側に配置された一対の通板ガイド2、3及び第2衝撃緩和装置52と、ワークロール11、12の出側に配置された一対の通板ガイド4、5及び第2衝撃緩和装置とを有する。しかし、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの出側に配置される一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置と、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイドとを有するが、ワークロールの出側に配置される第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有するが、ワークロールの入側に配置される一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置を有さなくてもよい。また、通板ガイド装置は、ワークロールの出側に配置された一対の通板ガイド及び第1衝撃緩和装置と、ワークロールの入側に配置された一対の通板ガイドとを有するが、ワークロールの入側に配置される第2衝撃緩和装置を有さなくてもよい。
また、上記第1実施形態及び変形例1では、図2および図4に示すように、第1駆動装置42が、第2通板ガイド3を水平方向に移動させる第1駆動部42Aを有する。第1駆動装置42は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に固定されている(図3参照)。第1駆動部42Aは、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作が可能である。しかし、第1駆動装置42が第2通板ガイド3を水平方向に移動させ、且つ、第1駆動装置42が通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に固定されておらず、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作が可能でもよい。この場合、第2通板ガイド3に水平方向の衝撃が加わったとき、第2通板ガイド3及びスライド部材41が水平方向へ移動し、第1駆動装置42が動く。これにより、第2通板ガイド3に加わった衝撃がスライド部材41、第1駆動装置42及び第1衝撃緩和装置43へ順に伝わる。第1衝撃緩和装置43に伝わった衝撃は、第1衝撃緩和装置43で吸収される。
また、上記第1実施形態では、第2駆動装置51が第2通板ガイド3を搖動させる。第2通板ガイド3は、通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されていない。しかし、第2駆動装置51が第2通板ガイド3を搖動させる第2駆動部を有し、第2駆動装置51は通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されているが、第2駆動部が通板ガイド装置10を除く圧延機1を構成する部材に直接固定されておらず、伸縮、搖動、回転又は移動等の動作が可能でもよい。この場合、第2通板ガイド3に搖動方向の衝撃が加わった場合、第2通板ガイド3が搖動し、第2通板ガイド3に接続された第2駆動部が動く。これにより、第2通板ガイド3に加わった搖動方向の衝撃が、第2通板ガイド3、第2駆動部及び第2衝撃緩和装置52に順に伝わる。第2衝撃緩和装置52に伝わった衝撃は、第2衝撃緩和装置52で吸収される。
また、上記第1実施形態、変形例1及び変形例2では、図1、図5及び図6に示すように、圧延機が、直径が異なる3種類のワークロール11、12、中間ロール21、22、23、24及びバックアップロール31、32、33、34、35、36を備えている。しかし、本発明の通板ガイド装置が用いられる圧延機のロールの構成は、上述した構成に限られない。
1 圧延機
2 第1通板ガイド
3 第2通板ガイド
4、5 通板ガイド
10、110、210 通板ガイド装置
11、12 ワークロール
21、22、23、24 中間ロール
31、32、33、34、35、36 バックアップロール
41 スライド部材
42 第1駆動装置
42A 第1駆動部
43 第1衝撃緩和装置
51 第2駆動装置
52 第2衝撃緩和装置
60 支持部
70 ミルハウジング
P パスライン
X 被圧延材

Claims (3)

  1. 被圧延材を圧延するワークロールの入側及び/又は出側に配置され、被圧延材が通過するパスラインを挟んで対向配置される通板ガイドと、
    前記通板ガイドを搖動自在に保持する支持部と、
    前記通板ガイドに加わる水平方向の衝撃、及び/又は、前記支持部を中心に前記通板ガイドが搖動する搖動方向の衝撃を吸収可能な衝撃緩和装置と
    を備えたことを特徴とする圧延機の通板ガイド装置。
  2. 前記衝撃緩和装置は、前記支持部を中心に前記通板ガイドが搖動する搖動方向の衝撃を吸収可能な衝撃緩和装置であり、
    前記衝撃緩和装置は、前記通板ガイドのワークロールから遠い端部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の圧延機の通板ガイド装置。
  3. 前記衝撃緩和装置は、エアダンパ、オイルダンパ又はばね式ダンパであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延機の通板ガイド装置。
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