JP2021057577A - 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 - Google Patents

軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 Download PDF

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真仁 小枝
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Abstract

【課題】耐電圧性および強度が良好な圧粉磁心、これを備える磁性部品および当該圧粉磁心に好適な軟磁性金属粉末を提供する。【解決手段】軟磁性金属粉末は、軟磁性金属粒子2の表面に被覆部10が形成された被覆粒子1を複数含む。軟磁性金属粒子2の表面に形成された被覆部10の表面における最大高さは10nm以上700nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品に関する。
各種電子機器の電源回路に用いられる磁性部品として、トランス、チョークコイル、インダクタ等が知られている。
このような磁性部品は、所定の磁気特性を発揮する磁心(コア)の周囲あるいは内部に、電気伝導体であるコイル(巻線)が配置されている構成を有している。
インダクタ等の磁性部品が備える磁心に用いられる磁性材料としては、鉄(Fe)を含む軟磁性金属材料が例示される。磁心は、たとえば、Feを含む軟磁性金属から構成される粒子を含む軟磁性金属粉末を圧縮成形することにより、圧粉磁心として得ることができる。
このような圧粉磁心においては、磁気特性を向上させるために、磁性成分の割合(充填率)が高められている。磁性成分の割合(充填率)を高めるためには、絶縁性の樹脂の含有量を減らす手法がある。しかしながら、その手法では、軟磁性金属粒子同士が接触する割合が増加し、磁性部品への交流電圧印加時に、接触している粒子間を流れる電流(粒子間渦電流)に起因する損失が大きくなる。その結果、圧粉磁心のコアロスが大きくなってしまうという問題があった。
そこで、このような渦電流を抑制するために、軟磁性金属粒子の表面には絶縁被膜が形成されている。たとえば、特許文献1は、リン(P)の酸化物を含む粉末ガラスを機械的摩擦により軟化させて、Fe系非晶質合金粉末の表面に絶縁コーティング層を形成することを開示している。
特開2015−132010号公報
特許文献1において、絶縁コーティング層が形成されたFe系非晶質合金粉末は樹脂と混合され圧縮成形により圧粉磁心とされる。圧粉磁心は磁心の機械的強度が低いとクラックが発生し易くなり、透磁率低下、インダクタンス低下の問題が起こる。そのため圧粉磁心には、良好な磁気特性、高い絶縁性(耐電圧性)に加えて高い機械的強度が求められる。しかしながら、特許文献1の方法により、単に絶縁コーティング層を形成するだけでは、耐電圧性と強度とを両立することはできない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、耐電圧性および強度が良好な圧粉磁心、これを備える磁性部品および当該圧粉磁心に好適な軟磁性金属粉末を提供することである。
本発明者らは、特定の組成を有する軟磁性金属からなる軟磁性金属粒子に、所定の表面性状を有する被覆部を設けることにより、圧粉磁心の耐電圧性および強度の両方が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の態様は、
[1]鉄を含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
被覆部の表面における最大高さSzが10nm以上700nm以下である軟磁性金属粉末である。
[2]被覆部の表面における算術平均高さSaが3nm以上50nm以下である[1]に記載の軟磁性金属粉末である。
[3]被覆部の厚みをT[nm]とすると、Sz/Tが1.5以上30以下である[1]または[2]に記載の軟磁性金属粉末である。
[4]鉄を含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
被覆部の表面における最大高さRzが10nm以上700nm以下である軟磁性金属粉末である。
[5]被覆部の表面における算術平均粗さRaが3nm以上100nm以下である[4]に記載の軟磁性金属粉末である。
[6]被覆部の厚みをT[nm]とすると、Rz/Tが1.5以上30以下である[4]または[5]に記載の軟磁性金属粉末である。
[7]被覆部の厚みをT[nm]とすると、Tが3nm以上200nm以下である[1]から[6]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
[8]被覆部は、リン、アルミニウム、カルシウム、バリウム、ビスマス、シリコン、クロム、ナトリウム、亜鉛および酸素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む[1]から[7]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
[9]軟磁性金属粒子がアモルファス合金から構成される[1]から[8]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
[10]軟磁性金属粒子がナノ結晶合金から構成される[1]から[8]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
[11][1]から[10]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を含む圧粉磁心である。
[12][11]に記載の圧粉磁心を備える磁性部品である。
本発明によれば、耐電圧性および強度が良好な圧粉磁心、これを備える磁性部品および当該圧粉磁心に好適な軟磁性金属粉末を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る軟磁性金属粉末を構成する被覆粒子の断面模式図である。 図2は、被覆部を形成するために用いる粉末被覆装置の構成を示す断面模式図である。 図3は、実施例において、被覆粒子の組成像の像である。
従来技術では圧粉磁心の強度と耐電圧の両立が困難であったため、本発明者らは従来に無い新たな視点である被覆部が形成された軟磁性粒子表面のナノレベルの微細構造と圧粉磁心の強度及び耐電圧との関連について詳細に検討を行った。
本発明者らは、圧粉磁心の複雑に影響し合う多くの強度因子の中から、被覆部が形成された軟磁性粒子表面のナノレベルの表面粗さと圧粉磁心の強度との関連を詳細に調査した。
その結果、被覆部が形成された軟磁性粒子の表面粗さが、請求項に記載の範囲の下限値以上であれば、圧粉磁心の強度の向上に効果的であることが判明した。
また、圧粉磁心の耐電圧についても、本発明者らが複雑に影響し合う多くの耐電圧因子の中から、被覆部が形成された軟磁性粒子表面のナノレベルの表面粗さとの関連を詳細に調査した。
その結果、被覆部が形成された軟磁性粒子の表面粗さが、請求項に記載の範囲の上限値以下であれば、圧粉磁心の耐電圧の向上に効果的であることが判明し、被覆部が形成された軟磁性粒子の表面粗さが、請求項に記載の範囲内であれば、従来技術では両立が困難であった圧粉磁心の強度と耐電圧を高いレベルで両立可能なことを見出した。
以下、本発明を、図面に示す具体的な実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.軟磁性金属粉末
1.1.軟磁性金属
1.1.1.Fe系アモルファス合金
1.1.2.Fe系ナノ結晶合金
1.2.被覆部
1.2.1.組成
1.2.2.表面性状
2.圧粉磁心
3.磁性部品
4.圧粉磁心の製造方法
4.1.軟磁性金属粉末の製造方法
4.2.圧粉磁心の製造方法
(1.軟磁性金属粉末)
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、図1に示すように、軟磁性金属粒子2の表面に被覆部10が形成された被覆粒子1を複数含む。軟磁性金属粉末に含まれる粒子の個数割合を100%とした場合、被覆粒子の個数割合が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが好ましい。
本実施形態では、軟磁性金属粒子2の形状は球形であることが好ましい。具体的には、軟磁性金属粉末に含まれる軟磁性金属粒子2の断面の平均円形度が0.85以上であることが好ましい。円形度としては、たとえば、Wadellの円形度を用いることができる。
また、本実施形態に係る軟磁性金属粉末の平均粒子径(D50)は、用途および材質に応じて選択すればよい。本実施形態では、平均粒子径(D50)は、0.3〜100μmの範囲内であることが好ましい。軟磁性金属粉末の平均粒子径を上記の範囲内とすることにより、十分な成形性あるいは所定の磁気特性を維持することが容易となる。平均粒子径の測定方法としては、特に制限されないが、レーザー回折散乱法を用いることが好ましい。
本実施形態では、軟磁性金属粉末は、材質が同じ軟磁性金属粒子のみを含んでいてもよいし、材質が異なる軟磁性金属粒子が混在していてもよい。なお、異なる材質とは、軟磁性金属を構成する元素が異なる場合、構成する元素が同じであってもその組成が異なる場合等が例示される。
(1.1.軟磁性金属)
軟磁性金属粒子は、鉄(Fe)を含む軟磁性金属から構成される。鉄を含む軟磁性金属としては、たとえば、純鉄、Fe系合金、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Si−Al系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni−Si−Co系合金等のFe系結晶質材料;Fe系アモルファス合金;Fe系ナノ結晶合金が例示される。
Fe系アモルファス合金は、アモルファス相のみで構成されていてもよいし、初期微結晶がアモルファス相中に分散している構造、すなわち、ナノヘテロ構造を有していてもよい。
Fe系ナノ結晶合金は、ナノメートルオーダーのFe基ナノ結晶がアモルファス相中に分散している構造を有している。
本実施形態では、鉄を含む軟磁性金属としては、Fe系アモルファス合金、または、Fe系ナノ結晶合金であることが好ましい。以下では、Fe系アモルファス合金およびFe系ナノ結晶合金について説明する。
(1.1.1.Fe系アモルファス合金)
本実施形態では、Fe系アモルファス合金は、初期微結晶がアモルファス相中に存在するナノへテロ構造を有していることが好ましい。このような構造は、軟磁性金属の原料の溶湯を急冷することにより得られる構造であり、アモルファス合金中に、多数の微結晶が析出し分散している構造である。したがって、初期微結晶の平均結晶粒子径は非常に小さい。本実施形態では、初期微結晶の平均結晶粒子径は0.3nm以上10nm以下であることが好ましい。
ナノへテロ構造を有する軟磁性金属を所定の条件で熱処理することにより、初期微結晶を成長させて、後述するFe系ナノ結晶合金を得ることが容易となる。
続いて、Fe系アモルファス合金の組成について詳細に説明する。
本実施形態では、Fe系アモルファス合金の組成は、組成式(Fe(1−(α+β))X1αX2β(1−(a+b+c+d+e+f))Siで表されることが好ましい。
上記の組成式において、Mは、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)およびバナジウム(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
また、「a」はMのモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「a」は0≦a≦0.300を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、Mを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「a」は0≦a≦0.150を満足することが好ましい。Mのモル比(a)は、0.040以上であることがより好ましく、0.050以上であることがさらに好ましい。また、Mのモル比(a)は、0.100以下であることがより好ましく、0.080以下であることがさらに好ましい。「a」が大きすぎる場合には、粉末の飽和磁化が低下しやすくなる傾向にある。
上記の組成式において、「b」はホウ素(B)のモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「b」は0≦b≦0.400を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、Bを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「b」は0≦b≦0.200を満足することが好ましい。Bのモル比(b)は、0.025以上であることがより好ましく、0.060以上であることがさらに好ましく、0.080以上であることが特に好ましい。また、Bのモル比(b)は、0.150以下であることがより好ましく、0.120以下であることがさらに好ましい。「b」が大きすぎる場合には、粉末の飽和磁化が低下しやすくなる傾向にある。
上記の組成式において、「c」はリン(P)のモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「c」は0≦c≦0.400を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属はPを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「c」は0≦c≦0.200を満足することが好ましい。Pのモル比(c)は、0.005以上であることがより好ましく、0.010以上であることがさらに好ましい。また、Pのモル比(c)は、0.100以下であることがより好ましい。「c」が上記の範囲内である場合には、軟磁性金属の比抵抗が向上し、保磁力が低下する傾向にある。「c」が大きすぎる場合には、粉末の飽和磁化が低下しやすくなる傾向にある。
上記の組成式において、「d」はシリコン(Si)のモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「d」は0≦d≦0.400を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、Siを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「d」は0≦d≦0.200を満足することが好ましい。Siのモル比(d)は、0.001以上であることがより好ましく、0.005以上であることがさらに好ましい。また、Siのモル比(d)は、0.040以下であることがより好ましい。「d」が上記の範囲内である場合には、軟磁性金属の保磁力が低下しやすくなる傾向にある。一方、「d」が大きすぎる場合には、軟磁性金属の保磁力が逆に上昇してしまう傾向にある。
上記の組成式において、「e」は炭素(C)のモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「e」は0≦e≦0.400を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、Cを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「e」は0≦e≦0.200を満足することが好ましい。Cのモル比(e)は、0.001以上であることがより好ましい。また、Cのモル比(e)は、0.035以下であることがより好ましく、0.030以下であることがさらに好ましい。「e」が上記の範囲内である場合には、軟磁性金属の保磁力が特に低下しやすくなる傾向にある。「e」が大きすぎる場合には、軟磁性金属の保磁力が逆に上昇してしまう傾向にある。
上記の組成式において、「f」は硫黄(S)のモル比を示しており、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、「f」は0≦f≦0.040を満足することが好ましい。すなわち、軟磁性金属はSを含有しなくてもよい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、「f」は0≦f≦0.020を満足することが好ましい。Sのモル比(f)は、0.002以上であることがより好ましい。また、Sのモル比(f)は、0.010以下であることがより好ましい。「f」が上記の範囲内である場合には、軟磁性金属の保磁力が低下しやすくなる。「f」が大きすぎる場合には、軟磁性金属の保磁力が上昇してしまう傾向にある。
また、「f」がf≧0.001である場合、軟磁性金属粒子の円形度が向上しやすくなる。軟磁性金属粒子の円形度が向上すると、当該軟磁性金属粒子を含む粉末を圧縮成形して得られる圧粉磁心の密度を向上させることができる。
上記の組成式において、「1−(a+b+c+d+e+f)」は、鉄(Fe)のモル比を示している。Feのモル比については、特に制限されないが、本実施形態では、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、Feのモル比(1−(a+b+c+d+e+f))は、0.410以上0.910以下であることが好ましい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、Feのモル比(1−(a+b+c+d+e+f))は、0.700以上0.850以下であることが好ましい。Feのモル比を上記の範囲内とすることで、結晶粒子径が100nmよりも大きい結晶から構成される結晶相がさらに生じにくくなる。
また、上記の組成式に示すように、鉄の一部をX1および/またはX2で組成的に置換してもよい。
X1は、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。上記の組成式において、「α」はX1のモル比を示しており、本実施形態では、「α」は0以上であることが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、X1を含有しなくてもよい。
また、組成全体の原子数を100at%とした場合に、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、X1の原子数は70.00at%以下であることが好ましい。0≦α{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.7000を満足することが好ましい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、X1の原子数は40.00at%以下であることが好ましい。すなわち、0≦α{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.4000を満足することが好ましい。
X2は、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ビスマス(Bi)、窒素(N)、酸素(O)および希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。上記の組成式において、「β」はX2のモル比を示しており、本実施形態では、「β」は0以上であることが好ましい。すなわち、軟磁性金属は、X2を含有しなくてもよい。
また、組成全体の原子数を100at%とした場合に、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、X2の原子数は6.00at%以下であることが好ましい。すなわち、0≦β{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.0600を満たすことが好ましい。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、X2の原子数は3.00at%以下であることが好ましい。すなわち、0≦β{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.0300を満たすことが好ましい。
さらに、X1および/またはX2が鉄を置換する範囲(置換比)としては、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点から、原子数換算でFeの総原子数の0.94以下とする。すなわち、0≦α+β≦0.94とする。
また、圧粉磁心の耐電圧性および強度の観点に加えて、軟磁気特性の観点から、X1および/またはX2が鉄を置換する範囲は、原子数換算でFeの総原子数の半分以下とする。すなわち、0≦α+β≦0.50とする。α+β>0.50の場合には、熱処理によりFe基ナノ結晶が析出した軟磁性金属を得ることが困難となる傾向にある。
なお、上記のFe系アモルファス合金は、上記以外の元素を不可避的不純物として含んでいてもよい。たとえば、Fe系アモルファス合金100質量%に対して、上記以外の元素を合計で0.1質量%以下含んでいてもよい。
(1.1.2.Fe系ナノ結晶合金)
Fe系ナノ結晶合金は、Fe基ナノ結晶を有している。Fe基ナノ結晶とは、結晶粒子径がナノメートルオーダーであり、結晶構造がbcc(体心立方格子構造)であるFeの結晶のことである。当該軟磁性金属においては、多数のFe基ナノ結晶がアモルファス相中に析出し分散している。本実施形態では、Fe基ナノ結晶は、ナノヘテロ構造を有するFe系アモルファス合金を熱処理して、初期微結晶を成長させることにより好適に得られる。
したがって、Fe基ナノ結晶の平均結晶粒子径は、初期微結晶の平均結晶粒子径よりも若干大きい傾向にある。本実施形態では、Fe基ナノ結晶の平均結晶粒子径は5nm以上30nm以下であることが好ましい。Fe基ナノ結晶がアモルファス相中に分散している軟磁性金属は、高い飽和磁化が得られやすく、かつ低い保磁力が得られやすい。
本実施形態では、Fe系ナノ結晶合金の組成は、上述したFe系アモルファス合金の組成と同一であることが好ましい。したがって、Fe系アモルファス合金の組成に関する上記の説明が、Fe系ナノ結晶合金の組成に関する説明に適用される。
(1.2.被覆部)
被覆部10は、図1に示すように、軟磁性金属粒子2の表面を覆うように形成されている。また、本実施形態では、表面が物質により被覆されているとは、当該物質が表面に接触して接触した部分を覆うように固定されている形態をいう。また、軟磁性金属粒子を被覆する被覆部は、粒子の表面の少なくとも一部を覆っていればよいが90%程度被覆されていることが好ましく表面の全部を覆っていることが好ましい。さらに、被覆部は粒子の表面を連続的に覆っていてもよいし、断続的に覆っていてもよい。
被覆率は被覆部が形成された軟磁性金属粒子に対し以下のようにして測定することができる。公知の走査電子顕微鏡で被覆粒子を観察し、組成像を得る。組成像の取得は100μm×100μm程度の領域で10か所以上行うことが好ましい。得られた組成像を市販の画像解析ソフトウェアを用いて被覆部が黒色、被覆されていない軟磁性金属が露出している領域が白色となるよう2値化した後、被覆粒子の全面積に対する被覆部の面積の割合を被覆率とした。
具体的には、図3が被覆粒子の組成像の画像である。組成像では、組成が異なる部分(軟磁性金属および被覆部)は、コントラストが異なる部分として観察されるので、2値化することにより、組成像上の被覆粒子を被覆部に相当する領域と軟磁性金属に相当する領域とに分けることができる。図3に示すように、組成像の画像では、多数の軟磁性金属粒子が、比較的黒い部分(被覆部)と比較的白い部分(軟磁性金属)とを有していることが分かる。したがって、図3の画像を2値化することより、比較的黒い部分(被覆部)と比較的白い部分(軟磁性金属)との合計面積(被覆粒子の全面積)に対する、比較的黒い部分の面積の割合、すなわち、被覆率を算出することができる。
(1.2.1.組成)
被覆部10は、軟磁性金属粉末を構成する軟磁性金属粒子同士を絶縁できる材質で構成されていれば、特に制限されない。すなわち、被覆部10は絶縁性である。本実施形態では、被覆部10は、リン(P)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、ナトリウム(Na)、亜鉛(Zn)および酸素(O)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいることが好ましい。より好ましくは、被覆部10は、リン、亜鉛、ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む化合物を含んでいる。当該化合物は酸化物であることがより好ましく、酸化物ガラスであることが特に好ましい。
当該化合物が酸化物である場合、リン、アルミニウム、カルシウム、バリウム、ビスマス、シリコン、クロム、ナトリウムおよび亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物は、被覆部10において、主成分として含まれていることが好ましい。「P、Al、Ca、Ba、Bi、Si、Cr、NaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を主成分として含む」とは、被覆部10に含まれる元素のうち、酸素を除いた元素の合計量を100質量%とした場合に、P、Al、Ca、Ba、Bi、Si、Cr、NaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の合計量が最も多いことを意味する。また、本実施形態では、これらの元素の合計量は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
酸化物ガラスとしては特に限定されず、たとえば、リン酸塩(P)系ガラス、ビスマス酸塩(Bi)系ガラス、ホウケイ酸塩(B−SiO)系ガラスが例示される。
系ガラスとしては、Pが50質量%以上含まれるガラスが好ましく、P−ZnO−RO−Al系ガラス等が例示される。なお、「R」はアルカリ金属を示す。
Bi系ガラスとしては、Biが50質量%以上含まれるガラスが好ましく、Bi−ZnO−B−SiO系ガラス等が例示される。
−SiO系ガラスとしては、Bが10質量%以上含まれ、SiOが10質量%以上含まれるガラスが好ましく、BaO−ZnO−B−SiO−Al系ガラス等が例示される。
このような絶縁性の被覆部を有していることにより、粒子の絶縁性がより高くなるので、被覆粒子を含む軟磁性金属粉末から構成される圧粉磁心の耐電圧が向上する。
被覆部に含まれる成分は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)等の透過電子顕微鏡(TEM)を用いたエネルギー分散型X線分光法(EDS)による元素分析、電子エネルギー損失分光法(EELS)による元素分析、TEM画像の高速フーリエ変換(FFT)解析等により得られる格子定数等の情報から同定することができる。
(1.2.2.表面性状)
本実施形態では、被覆部の表面性状が所定の形状に制御されている。具体的には、被覆部表面において最大高さSzが10nm以上700nm以下である。Szは、ISO25178において規定される面粗さパラメータの1つであり、測定面(被覆部表面)における山高さの最大値と谷深さの最大値との和である。
Szが上記の範囲内である場合には、圧粉磁心の耐電圧性と強度とを両立することができる。Szが小さすぎると、被覆部の表面が平滑になりすぎるので圧粉磁心の強度が低下する傾向にある。一方、Szが大きすぎると、被覆部の表面に非常に大きな凹凸部分が存在するので、圧粉磁心において、一方の粒子の被覆部の凹凸が、別の粒子の被覆部にダメージを与えやすいことや、被覆が非常に薄い部分、被覆されていない部分が多く存在するので、圧粉磁心の耐電圧性が悪化する傾向にある。
Szは20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。また、Szは、600nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、400nm以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態では、被覆部表面において算術平均高さSaが3nm以上50nm以下であることが好ましい。Saは、ISO25178において規定される面粗さパラメータの1つであり、測定面(被覆部表面)における山高さおよび谷深さの絶対値の平均値である。Saは、Szのような局所的な凹凸の影響を抑えられ、測定面全体における平均的な面粗さとして表される。
Szに加えて、Saが上記の範囲内である場合には、圧粉磁心の耐電圧性と強度とがどちらも良好になり、圧粉磁心の耐電圧性と強度とを高いレベルで両立できる。Saが上記の範囲外である場合には、圧粉磁心の耐電圧性および強度の一方のみが良好になる傾向にある。
さらに、本実施形態では、Szと被覆部の厚みとが所定の関係を満足することが好ましい。具体的には、被覆部の厚みをT[nm]とすると、Sz/Tが1.5以上30以下であることが好ましい。被覆部の厚みに応じて、Szを制御することにより、圧粉磁心の耐電圧性と強度とをさらに高いレベルで両立できる。
Sz/Tは1.8以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。一方、Sz/Tは26以下であることがより好ましく、22以下であることがさらに好ましい。
本実施形態では、面粗さと別の観点においても、被覆部の表面性状が所定の形状に制御されている。具体的には、被覆部表面の輪郭曲線における最大高さRzが10nm以上700nm以下である。Rzは、JIS B601において規定される線粗さパラメータの1つであり、測定面(被覆部表面)上の所定の長さの輪郭曲線における山高さの最大値と谷深さの最大値との和である。
Rzが上記の範囲内である場合には、Szと同様に、圧粉磁心の耐電圧性と強度とを両立することができる。Rzが小さすぎると、被覆部の表面が平滑になりすぎるので圧粉磁心の強度が低下する傾向にある。一方、Rzが大きすぎると、被覆部の表面に非常に大きな凹凸部分が存在するので、圧粉磁心において、一方の粒子の被覆部の凹凸が、別の粒子の被覆部にダメージを与えやすいことや、被覆が非常に薄い部分、被覆されていない部分が多く存在するので、圧粉磁心の耐電圧性が悪化する傾向にある。
Rzは20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。また、Rzは、600nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、400nm以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態では、被覆部表面の輪郭曲線における算術平均高さRaが3nm以上100nm以下であることが好ましい。Raは、JIS B601において規定される線粗さパラメータの1つであり、測定面(被覆部表面)の所定の長さの輪郭曲線における山高さおよび谷深さの絶対値の平均値である。Raは、Rzのような局所的な凹凸の影響を抑えて、輪郭曲線全体における平均的な線粗さとして表される。
Rzに加えて、Raが上記の範囲内である場合には、圧粉磁心の耐電圧性と強度とがどちらも良好になり、圧粉磁心の耐電圧性と強度とを高いレベルで両立できる。Raが上記の範囲外である場合には、圧粉磁心の耐電圧性および強度の一方が良好になる傾向にある。
さらに、本実施形態では、Rzと被覆部の厚みとが所定の関係を満足することが好ましい。具体的には、被覆部の厚みをT[nm]とすると、Rz/Tが1.5以上30以下であることが好ましい。被覆部の厚みに応じて、Rzを制御することにより、圧粉磁心の耐電圧性と強度とをさらに高いレベルで両立できる。
Rz/Tは1.8以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。一方、Rz/Tは26以下であることがより好ましく、22以下であることがさらに好ましい。
被覆部10の厚みTは、上述した関係を満足していれば特に制限されない。本実施形態では、Tは3nm以上200nm以下であることが好ましい。また、Tは5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。一方、Tは70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。
上述した被覆部の表面性状は、以下のようにして測定することができる。被覆部の表面を、互いに直交するX軸およびY軸を用いてXY平面として表した場合、被覆部の表面性状はXY平面に垂直なZ軸方向の変位として表すことができる。すなわち、被覆部の面粗さは、3次元(X,Y,Z)形状として表される。
したがって、面粗さパラメータである最大高さSzおよび算術平均高さSaは、測定領域におけるZ軸方向の変位の測定結果から算出される。本実施形態では、軟磁性金属粉末中の軟磁性金属粒子に形成された被覆部の面粗さを測定する場合、走査プローブ顕微鏡の一種である原子間力顕微鏡(AFM)を用いることが好ましい。
AFMは、試料表面とカンチレバー先端に設けられたプローブとの間に作用する原子間力を、カンチレバーの変位として検出し、試料表面の凹凸を測定する。AFMは測定分解能が高いため、ナノメートルオーダーであるSzおよびSaの測定に好適である。
3次元形状データとして得られる被覆部の表面性状の測定結果には、被覆部表面の形状に起因する因子と、被覆部表面の表面粗さに起因する因子と、被覆部表面のうねりに起因する因子と、が主に含まれている。したがって、被覆部の表面性状の測定結果は、これらの因子が合成されて得られる輪郭曲面である。これらの因子は、周期(波長)の長さにより区別され、表面粗さに起因する因子は周期が短く(波長が短く)、形状に起因する因子は周期が長く(波長が長く)、うねりに起因する因子はそれらの中間の周期を有している。
特に、被覆部が形成されている軟磁性金属粒子は通常球形であるため、軟磁性金属粒子の粒子径によっては、得られる測定結果は、平面を測定して得られる測定結果よりも湾曲している。
そこで、得られる測定結果から、形状に起因する因子とうねりに起因する因子とを除去して、表面粗さに起因する因子から構成される表面粗さ曲面を得る操作を行う。得られる表面粗さ曲面に基づき、ISO25178に規定する方法に準じて、SzおよびSaが算出される。すなわち、ISO25178に規定する方法と同様の方法により測定することができるが、ISO25178に記載の条件とは異なる条件で測定してもよい。
測定結果から表面粗さ曲面を得る操作は、公知のフィルタ処理、平坦化処理等により行うことができる。たとえば、AFMに付属の解析ソフトウェアあるいは市販の解析ソフトウェアを用いることができる。
形状に起因する因子およびうねりに起因する因子を適切に除去して、精度の高い表面粗さ曲面を得るには、不定形またはいびつな形状の粒子に形成された被覆部の表面を測定するよりも、形状が整った粒子に形成された被覆部の表面を測定することが好ましい。したがって、本実施形態では、精度の高いSzおよびSaを得るために、円形度の高い被覆粒子に対して表面性状の測定を行うことが好ましい。
被覆部の表面性状を測定する領域のサイズについては、本実施形態では、一辺が0.1μm〜50μm×0.1μm〜50μmの四角形であることが好ましい。被覆部の表面性状の測定は、1個の被覆粒子に対して、1〜10箇所程度行うことが好ましい。また、被覆部の表面性状の測定は、10〜1000個の被覆粒子に行うことが好ましい。各測定結果から算出されるSzおよびSaの平均値を、被覆部表面における最大高さSzおよび算術平均高さSaとする。
最大高さRzおよび算術平均高さRaは線粗さである。線粗さは、所定の基準長さ区間上における表面の2次元形状データ(輪郭曲線)として表される。したがって、RzおよびRaは、被覆部表面の輪郭曲線から算出できる。
被覆部の表面性状の3次元形状データにおいて、Z軸に平行な断面プロファイルは被覆部表面の輪郭曲線を表している。したがって、本実施形態では、軟磁性金属粉末中の軟磁性金属粒子に形成された被覆部の線粗さパラメータは、被覆部の表面性状の3次元形状データから取り出された被覆部表面の輪郭曲線を用いて算出してもよい。また、公知の測定装置を用いて、被覆部表面の輪郭曲線を求めてもよい。
また、圧粉磁心中の軟磁性金属粒子は、樹脂を介して結合し固定されている。一方、面粗さパラメータは測定面(被覆部表面)が露出した状態で測定する必要がある。したがって、被覆部表面を露出させることが難しい場合、たとえば、圧粉磁心中の軟磁性金属粒子に形成された被覆部については、被覆部表面の面粗さを測定することは非常に難しい。
したがって、たとえば、圧粉磁心の断面に現れる被覆粒子の断面において、被覆部表面の輪郭曲線を求めて線粗さパラメータを算出すればよい。具体的には、公知の電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡:SEM、透過型電子顕微鏡:TEM等)で被覆粒子の断面を観察し、たとえば、観察像におけるコントラスト差、組成分析結果に基づき、被覆部を特定する。特定した被覆部の最表面部分を、被覆部表面の輪郭曲線とすればよい。
輪郭曲面と同様に、得られる輪郭曲線から形状に起因する因子とうねりに起因する因子とを除去して、表面粗さに起因する因子から構成される表面粗さ曲線を得る操作を行う。得られる表面粗さ曲線に基づき、JIS B601に規定する方法に準じて、RzおよびRaが算出される。すなわち、JIS B601に規定する方法と同様の方法により測定することができるが、JIS B601に記載の条件とは異なる条件で測定してもよい。
輪郭曲線から表面粗さ曲線を得る操作は、表面粗さ曲面を得る操作と同様に、公知のフィルタ処理、平坦化処理等により行うことができる。たとえば、AFMに付属の解析ソフトウェアあるいは市販の解析ソフトウェアを用いることができる。
さらに、SzおよびSaと同様に、本実施形態では、被覆粒子が軟磁性金属粉末に含まれていても、圧粉磁心中に固定されていても、どちらの場合であっても、精度の高いRzおよびRaを得るために、円形度の高い被覆粒子に対して表面性状の測定を行うことが好ましい。
輪郭曲線の基準長さについては、本実施形態では、0.1μm〜50μmであることが好ましい。被覆部の輪郭曲線の測定は、1個の被覆粒子に対して、10〜100箇所程度行うことが好ましい。また、被覆部の輪郭曲線の測定は、10〜100個の被覆粒子に行うことが好ましい。各測定結果から算出されるRzおよびRaの平均値を、被覆部表面における最大高さRzおよび算術平均高さRaとする。
被覆部の厚みTは以下のようにして測定することができる。公知の電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡:SEM、透過型電子顕微鏡:TEM等)で被覆粒子の断面を観察し、たとえば、観察像におけるコントラスト差、組成分析結果に基づき、被覆部を特定することにより測定できる。本実施形態では、被覆部の厚みTの測定は、1個の被覆粒子に対して、1〜10箇所程度行うことが好ましい。また、被覆部の厚みTの測定は、10〜100個の被覆粒子に行うことが好ましい。各測定結果から算出される厚みの平均値を、被覆部の厚みTとする。
(2.圧粉磁心)
本実施形態に係る圧粉磁心は、上述した軟磁性金属粉末を含み、所定の形状を有するように形成されていれば特に制限されない。本実施形態では、圧粉磁心は、軟磁性金属粉末と結合剤としての樹脂とを含み、当該軟磁性金属粉末を構成する軟磁性金属粒子同士が樹脂を介して結合することにより所定の形状に固定されている。また、当該圧粉磁心は、上述した軟磁性金属粉末と他の磁性粉末との混合粉末から構成され、所定の形状に形成されていてもよい。
(3.磁性部品)
本実施形態に係る磁性部品は、上記の圧粉磁心を備えるものであれば特に制限されない。たとえば、所定形状の圧粉磁心内部に、ワイヤが巻回された空芯コイルが埋設された磁性部品であってもよいし、所定形状の圧粉磁心の表面にワイヤが所定の巻き数だけ巻回されてなる磁性部品であってもよい。本実施形態に係る磁性部品は、耐電圧性が良好であるため、電源回路に用いられるパワーインダクタに好適である。
(4.圧粉磁心の製造方法)
続いて、上記の磁性部品が備える圧粉磁心を製造する方法について説明する。まず、圧粉磁心を構成する軟磁性金属粉末を製造する方法について説明する。
(4.1.軟磁性金属粉末の製造方法)
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、公知の軟磁性金属粉末の製造方法と同様の方法を用いて得ることができる。具体的には、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等を用いて製造することができる。また、単ロール法等により得られる薄帯を機械的に粉砕して製造してもよい。これらの中では、所望の磁気特性を有する軟磁性金属粉末が得られやすいという観点から、ガスアトマイズ法を用いることが好ましい。
ガスアトマイズ法では、まず、軟磁性金属粉末を構成する軟磁性金属の原料が溶解した溶湯を得る。軟磁性金属に含まれる各金属元素の原料(純金属等)を準備し、最終的に得られる軟磁性金属の組成となるように秤量し、当該原料を溶解する。なお、金属元素の原料を溶解する方法は特に制限されないが、たとえば、アトマイズ装置のチャンバー内で真空引きした後に高周波加熱にて溶解させる方法が例示される。溶解時の温度は、各金属元素の融点を考慮して決定すればよいが、たとえば1200〜1500℃とすることができる。
得られた溶湯をルツボ底部に設けられたノズルを通じて線状の連続的な流体としてチャンバー内に供給し、供給された溶湯に高圧のガスを吹き付けて、溶湯を液滴化するとともに、急冷して微細な粉末を得る。ガス噴射温度、チャンバー内の圧力等は、軟磁性金属の組成、構造(結晶質、アモルファス合金、ナノ結晶合金)等に応じて決定すればよい。なお、粒子径については篩分級や気流分級等により粒度調整が可能である。
得られる粉末は、結晶質である軟磁性金属からなる軟磁性金属粒子を含んでいる、または、アモルファス合金である軟磁性金属からなる軟磁性金属粒子を含んでいる。軟磁性金属がナノ結晶合金から構成される場合には、Fe基ナノ結晶を析出させるために、アモルファス合金から構成される軟磁性金属粒子を含む粉末を熱処理することが好ましい。この場合、当該粉末は、ナノヘテロ構造を有する軟磁性金属から構成されていてもよいし、各金属元素がアモルファス中に均一に分散しているアモルファス合金から構成されていてもよい。
なお、本実施形態では、熱処理前の軟磁性金属中に結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶が存在している場合には、軟磁性金属が結晶質であると判断し、結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶が存在していない場合には、軟磁性金属がアモルファス合金であると判断する。なお、軟磁性金属中に結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶が存在しているか否かは、公知の方法により評価すればよい。たとえば、X線回折測定、TEMによる観察等が例示される。TEMを用いる場合、制限視野回折像、ナノビーム回折像を得ることで確認できる。制限視野回折像またはナノビーム回折像を用いる場合、回折パターンにおいてアモルファスの場合にはリング状の回折が形成されるのに対し、アモルファスではない場合には結晶構造に起因した回折斑点が形成される。
また、初期微結晶の有無および平均結晶粒子径の評価については、特に制限されず、公知の方法により評価すればよい。たとえば、イオンミリングにより薄片化した試料に対して、TEMを用いて、明視野像または高分解能像を得ることで確認できる。具体的には、倍率1.00×10〜3.00×10倍で得られる明視野像または高分解能像を目視にて観察することで初期微結晶の有無および平均結晶粒子径を評価できる。
次に、得られる粉末を必要に応じて熱処理する。熱処理を行うことにより、各粒子同士が焼結し粉体が粗大化することを防ぎつつ、軟磁性金属を構成する元素の拡散を促し、熱力学的平衡状態に短時間で到達させ、軟磁性金属中に存在する歪や応力を除去することができる。その結果、Fe基ナノ結晶が析出した軟磁性金属から構成される粉末を得ることが容易となる。
本実施形態では、熱処理条件は、Fe基ナノ結晶が析出しやすい条件であれば特に制限されない。たとえば、熱処理温度を400〜700℃、保持時間を0.5〜10時間とすることができる。
熱処理後には、Fe基ナノ結晶が析出した軟磁性金属からなる軟磁性金属粒子を含む粉末が得られる。
続いて、熱処理前の粉末または熱処理後の粉末に含まれる軟磁性金属粒子に対して被覆部を形成する。被覆部を形成する方法としては、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。軟磁性金属粒子に対して湿式処理を行って被覆部を形成してもよいし、乾式処理を行って被覆部を形成してもよい。また、熱処理を行う前の軟磁性金属粉末に対して、被覆部を形成してもよい。
本実施形態では、メカノケミカルを利用したコーティング方法、リン酸塩処理法、ゾルゲル法等により被覆部を形成することができる。メカノケミカルを利用したコーティング方法では、たとえば、図2に示す粉末被覆装置100を用いる。軟磁性金属粉末と、被覆部を構成する材質(P、Al、Ca、Ba、Bi、Si、Cr、Na、Znの化合物等)の粉末状コーティング材との混合物を、粉末被覆装置の容器101内に投入する。投入後、グラインダー102を回転させることにより、軟磁性金属粉末と粉末状コーティング材との混合物50が、グラインダー102と容器101の内壁との間で圧縮され摩擦が生じて熱が発生する。この発生した摩擦熱により、粉末状コーティング材が軟化し、圧縮作用により軟磁性金属粒子の表面に固着して、被覆部を形成することができる。
メカノケミカルを利用したコーティング方法では、容器の回転速度、グラインダーと容器の内壁との間の距離等を調整することにより、発生する摩擦熱を制御して、軟磁性金属粉末と粉末状コーティング材との混合物の温度を制御することができる。本実施形態では、当該温度は、50℃以上150℃以下であることが好ましい。このような温度範囲とすることにより、被覆部が軟磁性金属粒子の表面を覆うように形成しやすくなる。また、コーティング時間を調整することにより、被覆部の表面粗さ、特に、SzおよびRzの制御が容易となる傾向にある。さらに、軟磁性金属粉末と被覆部を構成する材質の粉末との混合比率を調整することにより、被覆厚みTの制御が容易となる傾向にある。
また、必要に応じて、被覆部形成後の粉末を熱処理してもよい。熱処理により、被覆部を構成する材質が軟化し、被覆部の表面粗さ、特に、SaおよびRaの制御が容易となる傾向にある。たとえば、熱処理温度が高くなる、または、熱処理時間が長くなると、SaおよびRaが小さくなる傾向にある。
(4.2.圧粉磁心の製造方法)
圧粉磁心は、上記の軟磁性金属粉末を用いて製造する。具体的な製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。まず、被覆部を形成した軟磁性金属粒子を含む軟磁性金属粉末と、結合剤としての公知の樹脂とを混合し、混合物を得る。また、必要に応じて、得られた混合物を造粒粉としてもよい。そして、混合物または造粒粉を金型内に充填して圧縮成形し、作製すべき圧粉磁心の形状を有する成形体を得る。上記の軟磁性金属粒子の球形度が高いので、当該軟磁性金属粒子を含む粉末を圧縮成形することにより、当該軟磁性金属粒子が金型内で密に充填され、密度の高い圧粉磁心を得ることができる。
得られた成形体に対して、たとえば50〜200℃で熱処理を行うことにより、樹脂が硬化し軟磁性金属粒子が樹脂を介して固定された所定形状の圧粉磁心が得られる。得られた圧粉磁心に、ワイヤを所定回数だけ巻回することにより、インダクタ等の磁性部品が得られる。
また、上記の混合物または造粒粉と、ワイヤを所定回数だけ巻回して形成された空心コイルとを、金型内に充填して圧縮成形しコイルが内部に埋設された成形体を得てもよい。得られた成形体に対して、熱処理を行うことにより、コイルが埋設された所定形状の圧粉磁心が得られる。このような圧粉磁心は、その内部にコイルが埋設されているので、インダクタ等の磁性部品として機能する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変してもよい。
以下、実施例を用いて、発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実験1)
まず、軟磁性金属の原料金属を準備した。準備した原料金属を、所定の組成となるように秤量し、アトマイズ装置内に配置されたルツボに収容した。続いて、チャンバー内を真空引きした後、ルツボ外部に設けたワークコイルを用いて、ルツボを高周波誘導により加熱し、ルツボ中の原料金属を溶融、混合して1250℃の溶湯(溶融金属)を得た。実施例1〜35および比較例1、2では、軟磁性金属の組成はFe−7.6Si−2.3B−7.3Nb−1.1Cuであった。実施例36では、軟磁性金属の組成はFe−6.5Si−2.6B−2.5Crであった。実施例37では、軟磁性金属の組成はFe−4.5Siであった。なお、Fe−4.5Siは、Feが95.5質量%、Siが4.5質量%含む組成を示している。他の組成も同様である。
得られた溶湯をルツボ底部に設けられたノズルを通じて線状の連続的な流体としてチャンバー内に供給し、供給された溶湯にガスを吹き付けて粉末を得た。ガスの噴射温度は1250℃とし、チャンバー内の圧力は1hPaとした。なお、得られた粉末の平均粒子径(D50)は、20μmであった。また、得られた粉末に含まれる粒子の断面の平均円形度は0.80〜0.90であった。
得られた粉末に対してX線回折測定を行い、結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶の有無を確認した。そして、結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶が存在しない場合には、粉末を構成する軟磁性金属がアモルファス合金からなると判断し、結晶粒子径が30nmよりも大きい結晶が存在する場合には、軟磁性金属が結晶質からなると判断した。結果を表1に示す。実施例36では、初期微結晶の平均結晶粒子径は2nmであった。
続いて、実施例1から35および比較例1、2の粉末を熱処理した。熱処理条件は、熱処理温度を600℃、保持時間を1時間とした。熱処理後の粉末に対してX線回折測定およびTEMによる観察を行い、Fe基ナノ結晶の存在の有無を評価した。結果を表1に示す。なお、Fe基ナノ結晶が存在する実施例において、Fe基ナノ結晶の結晶構造がbcc構造であり、平均結晶粒子径が5〜30nmであることが確認された。
続いて、実施例1から37および比較例1、2の粉末を、表1に示す材質を有する粉末状コーティング材とともに、粉末被覆装置の容器内に投入し、粉末状コーティング材を粒子の表面にコーティングして、被覆部を形成することにより、軟磁性金属粉末が得られた。粉末状コーティング材の添加量は、熱処理後の粉末100質量%に対して0.01〜3質量%に設定した。また、コーティング時間は0.1〜8時間であり、熱処理後の粉末と粉末状コーティング材との混合物の温度は50〜150℃であった。被覆部形成後の粉末における被覆粒子の個数割合は85〜95%であった。
実施例1から25、36、37および比較例1、2では、粉末状コーティング材として、組成がP−ZnO−RO−Alであるリン酸塩系ガラスを用いた。具体的な組成は、Pが50質量%、ZnOが12質量%、ROが20質量%、Alが6質量%であり、残部が副成分であった。
なお、本発明者らは、Pが60質量%、ZnOが20質量%、ROが10質量%、Alが5質量%であり、残部が副成分である組成を有するガラス等についても同様の実験を行い、後述する結果と同様の結果が得られることを確認している。
被覆部が形成された軟磁性金属粒子に対し、以下のようにして表面性状の測定を行った。測定装置としては、走査プローブ顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製AFM5100N)を用いた。カンチレバーは同社製のSI−DF40(ばね定数:42N/m、共振周波数:250〜390kHz)を用い、プローブの先端部の曲率半径は10nmであった。
原子間力顕微鏡の測定モードをダイナミックフォースモードとし、円形度が0.98以上である軟磁性金属粒子の被覆部表面において、5μm×5μmの正方形の領域を1箇所選択し、当該領域に対して測定を行った。測定は30個の粒子に対して行った。ISO25178に基づき、得られた表面性状のデータを原子間力顕微鏡に付属のソフトウェアを用いて、3次の傾き補正を行った後、各領域でのSzおよびSaを算出した。結果を表1に示す。
被覆部が形成された軟磁性金属粒子に対し、以下のようにして被覆部の厚みTを測定した。粒子の断面をTEMにより観察し、観察像におけるコントラスト差により被覆部を特定した。特定した被覆部において、厚みを10箇所測定した。厚みの測定を10個の粒子に対して行い、測定した厚みの平均値を、被覆部の厚みTとした。結果を表1に示す。
続いて、圧粉磁心を作製した。熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂および硬化剤であるイミド樹脂の総量が、得られた軟磁性金属粉末100質量%に対して、3質量%となるように秤量し、アセトンに加えて溶液化し、その溶液と軟磁性金属粉末とを混合した。混合後、アセトンを揮発させて得られた顆粒を、355μmのメッシュで整粒した。これを外径11mm、内径6.5mmのトロイダル形状の金型に充填し、成形圧3.0t/cmで加圧し圧粉磁心の成形体を得た。得られた圧粉磁心の成形体を180℃で1時間樹脂を硬化させ圧粉磁心を得た。
得られた圧粉磁心の強度を以下のようにして測定した。測定装置としては、強度試験機(アイコーエンジニアリング製MODEL−1311D)を用いた。強度試験機を用いて、圧粉磁心に径方向から荷重を印加して、圧粉磁心が破壊した時の荷重P[kgf]から、下記の式を用いて圧粉磁心の圧環強度を算出した。圧粉磁心の外径をD、外径と内径との差から算出される厚みをA、圧粉磁心の長さをLとすると、圧環強度K[MPa]は、K=P(D−A)/LAから算出される。本実施例では、圧環強度が15MPa以上である試料を良好であると判断した。結果を表1に示す。
また、得られた圧粉磁心の試料の両端部にIn−Ga電極を形成し、昇圧破壊試験機(多摩電測製THK−2011ADMPT)を用いて両端部に電圧を印加し、1mAの電流が流れた電圧値と圧粉磁心の長さLとから耐電圧を算出した。本実施例では、耐電圧が80V/mm以上である試料を良好であると判断した。結果を表1に示す。
Figure 2021057577
表1より、Szが上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方が良好であることが確認できた。
これに対し、Szが上述した範囲外である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の一方が劣ることが確認できた。
(実験2)
JIS B601に基づき、得られた表面性状のデータから原子間力顕微鏡に付属のソフトウェアを用いて、3次の傾き補正を行った後、各領域でのRzおよびRaを算出した以外は、実験1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例38〜54、209〜226および比較例3、4では、軟磁性金属の組成Fe−7.6Si−2.3B−7.3Nb−1.1Cuであった。実施例227では、軟磁性金属の組成はFe−6.5Si−2.6B−2.5Crであった。実施例228では、軟磁性金属の組成はFe−4.5Siであった。
実施例38〜54、209〜216、227、228および比較例3、4では、粉末状コーティング材として、組成がP−ZnO−RO−Alであるリン酸塩系ガラスを用いた。具体的な組成は、Pが50質量%、ZnOが12質量%、ROが20質量%、Alが6質量%であり、残部が副成分であった。
なお、本発明者らは、Pが60質量%、ZnOが20質量%、ROが10質量%、Alが5質量%であり、残部が副成分である組成を有するガラス等についても同様の実験を行い、RzおよびRaに関して、後述する結果と同様の結果が得られることを確認している。
Figure 2021057577
表2より、Rzが上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方が良好であることが確認できた。
これに対し、Rzが上述した範囲外である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の一方が劣ることが確認できた。
(実験3)
被覆粒子の個数割合を表3に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表3に示す。
また、軟磁性金属粒子の平均円形度を表4に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表4に示す。
また、軟磁性金属粉末の平均粒子径を表5に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表5に示す。なお、実施例55〜65では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例1と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
Figure 2021057577
表3から5より、面粗さが上述した範囲内であることに加えて、被覆粒子の個数割合、軟磁性金属粒子の平均円形度および軟磁性金属粉末の平均粒子径が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方がさらに良好であることが確認できた。
(実験4)
初期微結晶の平均結晶粒子径を表6に示す値とした以外は、実験1の実施例36と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表6に示す。なお、実施例66〜70では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例36と同じであった。
また、ナノ結晶の平均結晶粒子径を表7に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表7に示す。なお、実施例71〜75では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例1と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
表6および7より、面粗さが上述した範囲内であることに加えて、初期微結晶の平均結晶粒子径およびナノ結晶の平均結晶粒子径が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験5)
−ZnO−RO−Alガラス中のP量を表8に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表8に示す。なお、実施例76〜78では、軟磁性金属の組成は実施例1と同じであった。
また、P−ZnO−RO−Alガラスを、Bi−ZnO−B−SiOガラス、または、BaO−ZnO−B−SiO−Alガラスに変更した以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表9および10に示す。なお、実施例79〜84では、軟磁性金属の組成は実施例1と同じであった。また、Bi−ZnO−B−SiOガラスの組成は、Biが40〜60質量%、ZnOが10〜15質量%、Bが15〜25質量%、SiOが15〜20質量%であり、残部が副成分であった。また、BaO−ZnO−B−SiO−Alガラスの組成は、BaOが35〜40質量%、ZnOが30〜40質量%、Bが5〜15質量%、SiOが5〜15質量%、Alが5〜10質量%であり、残部が副成分であった。
Figure 2021057577
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Figure 2021057577
表8から10より、面粗さが上述した範囲内であることに加えて、酸化物ガラスが上述したガラスである場合、および、酸化物ガラスの組成が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験6)
軟磁性金属の組成を表11および12に示す組成とした以外は、実験1の実施例36と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表11および12に示す。なお、実施例85〜142では、軟磁性金属はアモルファス合金であり、初期微結晶の平均結晶粒子径が0.3〜10nmであった。また、粉末状コーティング材の材質は実施例1と同じであった。
Figure 2021057577
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(実験7)
軟磁性金属の組成を表13〜15に示す組成とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表13〜15に示す。なお、実施例143〜208では、軟磁性金属はナノ結晶合金であり、ナノ結晶の平均結晶粒子径が5〜30nmであった。また、粉末状コーティング材の材質は実施例1と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
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表11から15より、面粗さが上述した範囲内であることに加えて、軟磁性金属の組成が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験8)
被覆粒子の個数割合を表16に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。すなわち、RzおよびRaを算出した。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表16に示す。
また、軟磁性金属粒子の平均円形度を表17に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表17に示す。
また、軟磁性金属粉末の平均粒子径を表18に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表18に示す。なお、実施例229〜239では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例38と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
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表16から18より、線粗さが上述した範囲内であることに加えて、被覆粒子の個数割合、軟磁性金属粒子の平均円形度および軟磁性金属粉末の平均粒子径が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方がさらに良好であることが確認できた。
(実験9)
初期微結晶の平均結晶粒子径を表19に示す値とした以外は、実験2の実施例227と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表19に示す。なお、実施例240〜244では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例227と同じであった。
また、ナノ結晶の平均結晶粒子径を表20に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表20に示す。なお、実施例245〜249では、軟磁性金属の組成および粉末状コーティング材の材質は実施例38と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
表19および20より、線粗さが上述した範囲内であることに加えて、初期微結晶の平均結晶粒子径およびナノ結晶の平均結晶粒子径が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験10)
−ZnO−RO−Alガラス中のP量を表21に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表21に示す。なお、実施例250〜252では、軟磁性金属の組成は実施例38と同じであった。
また、P−ZnO−RO−Alガラスを、Bi−ZnO−B−SiOガラス、または、BaO−ZnO−B−SiO−Alガラスに変更した以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表22および23に示す。
なお、実施例253〜258では、軟磁性金属の組成は実施例38と同じであった。また、実施例253〜255では、Bi−ZnO−B−SiOガラスの組成は、Biが40〜60質量%、ZnOが10〜15質量%、Bが15〜25質量%、SiOが15〜20質量%であり、残部が副成分であった。また、実施例256〜258では、BaO−ZnO−B−SiO−Alガラスの組成は、BaOが35〜40質量%、ZnOが30〜40質量%、Bが5〜15質量%、SiOが5〜15質量%、Alが5〜10質量%であり、残部が副成分であった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
Figure 2021057577
表21から23より、線粗さが上述した範囲内であることに加えて、酸化物ガラスが上述したガラスである場合、および、酸化物ガラスの組成が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験11)
軟磁性金属の組成を表24および25に示す組成とした以外は、実験2の実施例227と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表24および25に示す。なお、実施例259〜316では、軟磁性金属はアモルファス合金であり、初期微結晶の平均結晶粒子径が0.3〜10nmであった。また、粉末状コーティング材の材質は実施例227と同じであった。
Figure 2021057577
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(実験12)
軟磁性金属の組成を表26〜28に示す組成とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表26〜29に示す。なお、実施例317〜382では、軟磁性金属はナノ結晶合金であり、ナノ結晶の平均結晶粒子径が5〜30nmであった。また、粉末状コーティング材の材質は実施例38と同じであった。
Figure 2021057577
Figure 2021057577
Figure 2021057577
表24から28より、線粗さが上述した範囲内であることに加えて、軟磁性金属の組成が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
(実験13)
実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、被覆部が形成された軟磁性金属粒子に対し、実験1および実験2と同じ測定装置を用いて、同じ測定条件により面粗さ(SzおよびSa)および線粗さ(RzおよびRa)を算出した。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表29に示す。
Figure 2021057577
表29より、面粗さと線粗さとが対応しており、面粗さが上述した範囲内である場合、および、線粗さが上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性を両立できることが確認できた。
(実験14)
被覆粒子の被覆率を表30に示す値とした以外は、実験1の実施例1と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験1と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表30に示す。
また、被覆粒子の被覆率を表31に示す値とした以外は、実験2の実施例38と同じ方法により軟磁性金属粉末を作製し、実験2と同じ評価を行った。また、得られた粉末を用いて、実験1と同じ方法により圧粉磁心を作製し、実験1と同じ評価を行った。結果を表31に示す。
なお、被覆率は以下のようにして測定した。被覆部が形成された軟磁性金属粒子に対し、以下のようにして被覆率を測定した。測定装置としては、走査電子顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製SU5000)を用いた。走査電子顕微鏡の観察モードを組成像とし、100μm×100μmの正方形の領域を選択し、当該領域の組成像を得た。組成像の取得は10か所に対して行った。得られた組成像を市販の画像解析ソフトウェアを用いて被覆部が黒色、被覆されていない金属が露出している領域が白色となるよう2値化した後、粒子の全面積に対する被覆部の面積の割合を被覆率とした。
Figure 2021057577
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表30より、面粗さが上述した範囲内であることに加えて、被覆粒子の被覆率が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
また、表31より、線粗さが上述した範囲内であることに加えて、被覆粒子の被覆率が上述した範囲内である場合には、圧粉磁心の強度および耐電圧性の両方を高いレベルで両立できることが確認できた。
1…被覆粒子
10…被覆部
2…軟磁性金属粒子

Claims (12)

  1. 鉄を含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
    前記軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
    前記被覆部の表面における最大高さSzが10nm以上700nm以下である軟磁性金属粉末。
  2. 前記被覆部の表面における算術平均高さSaが3nm以上50nm以下である請求項1に記載の軟磁性金属粉末。
  3. 前記被覆部の厚みをT[nm]とすると、Sz/Tが1.5以上30以下である請求項1または2に記載の軟磁性金属粉末。
  4. 鉄を含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
    前記軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
    前記被覆部の表面における最大高さRzが10nm以上700nm以下である軟磁性金属粉末。
  5. 前記被覆部の表面における算術平均粗さRaが3nm以上100nm以下である請求項4に記載の軟磁性金属粉末。
  6. 前記被覆部の厚みをT[nm]とすると、Rz/Tが1.5以上30以下である請求項4または5に記載の軟磁性金属粉末。
  7. 前記被覆部の厚みをT[nm]とすると、前記Tが3nm以上200nm以下である請求項1から6のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
  8. 前記被覆部は、リン、アルミニウム、カルシウム、バリウム、ビスマス、シリコン、クロム、ナトリウム、亜鉛および酸素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から7のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
  9. 前記軟磁性金属粒子がアモルファス合金から構成される請求項1から8のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
  10. 前記軟磁性金属粒子がナノ結晶合金から構成される請求項1から8のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を含む圧粉磁心。
  12. 請求項11に記載の圧粉磁心を備える磁性部品。
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