JP2021056376A - 現像装置、画像形成装置、および強制排出方法 - Google Patents

現像装置、画像形成装置、および強制排出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個々のユーザーの意向や要求に対応した出力画像の画質を実現することが可能な現像装置、画像形成装置、および強制排出方法を提供する。【解決手段】現像装置は、キャリアーおよびトナーを含む現像剤を用いて像担持体にトナーを供給する現像部と、現像部内のトナーが第1の劣化状態となるように、現像部内のトナーを強制的に排出させ、現像部内に補給用のトナーを補給する第1の強制排出動作を実行する第1の強制排出部と、現像部内のトナーが第1の劣化状態となった後、第2の劣化状態となるように、現像部内のトナーを強制的に排出させ、現像部内に補給用のトナーを補給する第2の強制排出動作を実行する第2の強制排出部と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、現像装置、画像形成装置、および強制排出方法に関する。
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置において、トナーとキャリアーとを含む2成分現像剤(以下、「現像剤」と略記する)を収容した現像装置に、トナーの一部を現像器外に排出するとともに新しいトナーを補給する方式のものが知られている。このようなトナーの部分的な入れ換え動作(排出および供給の方式)は、「トナーリフレッシュ(方式)」、「トナーリフレッシュモード」などと呼ばれている。
かかるトナーリフレッシュは、現像装置(以下、「現像器」ともいう。)内に収容されたトナーの一部を現像器外に排出するとともに、現像器内に新鮮なトナーを補給することで、現像器内に収容されるトナーの量を一定に保ちつつ、現像器内の劣化トナーを減らすものである。このようなトナーリフレッシュ方式を用いた画像形成装置では、出力画像の転写性ひいては画質を安定させることができる。
ところで、エンボス紙のように表面に凹凸のある用紙に画像を出力する場合、以下のような問題がある。一般に、エンボス紙は、製品(銘柄)ごとに表面の特徴的な風合い(凹凸のパターン)を持っていることから、かかる用紙上に印刷する際にユーザーの求める品質(転写性)にバラツキが発生しやすい。
具体的には、あるユーザーは、エンボス紙の凹部にまできっちりと画像を載せることを望み、他のユーザーは、エンボス紙の表面の風合いを強調するために、凹部と凸部とで多少濃淡をつける(例えば凹部に画像を載せない)ことを望む、などである。
画像形成装置において、上記のような特殊な用紙に出力する画像を所望の品質(転写性)とするためには、例えば転写出力の調整、定着器のヒーターの温度の変更、印刷速度の変更、現像剤の交換など、種々の事項を調整する必要がある。このため、従来は、出力(試し印刷)されたサンプルを見て微調整を繰り返すことになり、時間や手間等を要していた。
上記の問題に関し、特許文献1では、エンボス紙に対する転写性を向上させるため、エンボス紙が利用される際に、現像機内のトナーの帯電量を下げることが提案されている。また、現像機内のトナーの帯電量を下げる構成として、帯電量の高いトナーを現像機から吐き出して帯電量の低い新たなトナーを現像機内に供給すること等が記載されている。
特開2016−114718号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザーの求める品質に対して過剰にリフレッシュ(トナーの入れ換え)が行われるおそれがあり、トナー消費量が増加する等の問題がある。
また、特許文献1に記載のように、劣化したトナーを現像機から排出して新しいトナーを供給するようにトナーの入れ替えを行なうと画質が回復する。その一方、画質に対するユーザーの意向ないし要求は、上述のように、用紙(記録媒体)の種類やユーザーの嗜好などにより種々の要求が生じ得る。
加えて、エンボス紙に対する画像品質は、画像形成装置側の調整だけでは正確に実現できない面がある。具体的には、用紙の調温湿や紙のロット等によっては、同じ銘柄のエンボス紙であっても表面の凹凸の状態が微妙に異なる場合がある。
このため、装置側で「品質を満たしている」旨の判断がなされた場合でも、ユーザーとしては「自分の求めている品質と違う」旨の判断がなされる場合があり、両者の判断に齟齬が生じやすい問題もある。かかる実情に鑑みると、特許文献1に記載のように、専ら装置側で自動調整を行う構成では、ユーザーの求める品質が実現できないものと考えられる。
本発明の目的は、ユーザーの求める出力画像の品質を実現することが可能な現像装置、画像形成装置、および強制排出方法を提供することである。
本発明に係る現像装置は、
トナーを含む現像剤を用いて像担持体に前記トナーを供給する現像部と、
前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となるように、前記現像部内の前記トナーを強制的に排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第1の強制排出動作を実行する第1の強制排出部と、
前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となった後、前記現像部内の前記トナーを強制的に所定量排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第2の強制排出動作を実行する第2の強制排出部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、上記の現像装置を備える。
本発明に係る強制排出方法は、
トナーを含む現像剤を用いて像担持体に前記トナーを供給する現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となるように、前記現像部内の前記トナーを強制的に排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第1の強制排出動作を実行し、
前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となった後、前記現像部内の前記トナーを強制的に所定量排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第2の強制排出動作を実行する。
本発明によれば、ユーザーの求める出力画像の品質を実現することができる。
本実施の形態における画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 本実施の形態における現像装置の構成を示す縦断面図である。 印刷枚数と転写性の良否との関係を示す特性グラフである。 エンボス紙に対してハーフトーン画像またはベタ画像を印刷した場合のトナー劣化具合に応じた印刷結果の具体例を示す図である。 本実施の形態における転写性を調整する制御の概要を説明する図である。 出力された画像にユーザーが不満足である場合の一例を説明する図である。 出力された画像にユーザーが不満足である場合の他の一例を説明する図である。 本実施の形態における転写性を調整する制御の流れを説明するフローチャートである。 転写性を調整する制御を自動で実施する場合を説明する図である。 出力画像の転写性(風合い)を事前にユーザーが選択する場合の一例を説明する図である。 印刷枚数とトナー劣化年齢との関係を示す特性グラフである。 印刷枚数とトナー平均年齢との関係を示す特性グラフである。
以下、本実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
また、本実施の形態では、制御部100は、後述する現像装置412におけるトナーリフレッシュ動作に関する種々の制御を行う。本発明との対応関係において、制御部100は、「第1の強制排出部」、「第2の強制排出部」、「劣化検知部」、および「提示部」としての機能を担う。これら各部についての詳細は後述する。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
本実施の形態では、操作表示部20は、制御部100とともに本発明の「提示部」としての機能を担う。また、操作表示部20は、用紙S上に印刷(出力)された画像(トナー像)の品質に満足できないユーザーが、現像剤(トナー排出等)に関する追加調整、および種々の設定を行うためのインターフェースとしての役割を担っており、かかる構成については後述する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。現像装置412および制御部100は、本発明の「現像装置」に対応する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送スクリュー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
次に、図3を参照して、現像装置412の構成について説明する。本実施の形態では、現像装置412として2成分現像方式を採用している。
現像装置412は、トナーと磁性キャリアーとを含む現像剤を用いて、感光体ドラム413上に形成された静電潜像を現像することにより、像担持体としての感光体ドラム413上にトナー像を形成する。現像装置412は、現像ローラー210、供給ローラー220、搬送ガイド部230、攪拌スクリュー240および供給スクリュー250を備える。
攪拌スクリュー240および供給スクリュー250は、螺旋形状のスクリュー部材であり、後述する現像槽内の現像剤を撹拌しながら搬送する搬送部材としての役割を有する。
攪拌スクリュー240および供給スクリュー250は、各々の現像剤供給室260および270に収納されている。ここで、供給スクリュー250が収納される現像剤供給室270は、現像剤を現像ローラー210に供給する役割を担う。また、主として現像剤供給室260および上記の現像剤供給室270は、本発明の「現像部」に対応する。以下は、説明の便宜のため、現像剤供給室260,270を総称して「現像槽」と呼ぶ。
攪拌スクリュー240および供給スクリュー250は、かかる現像槽内の現像剤を攪拌しながら供給ローラー220へ搬送する。現像剤供給室270および現像剤供給室260の間には、現像剤をこれら現像槽間で循環的に搬送するための連通経路が形成されている。
供給ローラー220は、回転可能な供給スリーブと、供給スリーブの内部に配置された供給マグネットロールとを備え、供給スクリュー250に対向して配置されている。供給マグネットロール内には、磁界を発生させる複数(例えば5つ)の磁極が配置されている。この磁極が発生する磁界によって、現像剤は、供給スリーブの外周面に担持され、供給スリーブが図中反時計回りに回転することにより、搬送ガイド部230まで搬送される。より具体的には、供給マグネットロール内の磁極は、現像剤を捕まえる役割を担うキャッチ極(例えばN極)と、現像剤を供給ローラー220上から剥離させて現像ローラー210に引き渡すリリース極(例えばS極)から構成され、通常は供給スクリュー250および現像剤供給室270に近い位置にキャッチ極が配置される。
搬送ガイド部230は、現像ローラー210と供給ローラー220との間に架設され、供給ローラー220から搬送された現像剤を現像ローラー210に供給する。搬送ガイド部230の鉛直上方の面は、平坦面であって、かつ、供給ローラー220から現像ローラー210へ向けて降り斜面をなしている。搬送ガイド部230における供給ローラー220側の端部と供給ローラー220との間には所定の間隙(例えば、0.75mm)が形成されている。
現像ローラー210は、回転可能な現像スリーブ211と、現像スリーブ211の内部に配置された現像マグネットロール212とを備える。現像ローラー210は、感光体ドラム413に近接して配置され、感光体ドラム413に近接する現像領域280へ現像剤を搬送する。現像スリーブ211は、図3中の反時計方向に回転する。現像マグネットロール212内には、磁界を発生させる複数の磁極が配置されている。搬送ガイド部230における現像ローラー210側の端部と現像スリーブ211との間には所定の間隙(例えば、0.50mm)が形成されている。
現像スリーブ211の近傍には、規制ブレード290が配置されている。規制ブレード290の端部は、現像スリーブ211の回転方向において、搬送ガイド部230との近接部よりも下流であって、かつ、現像領域280よりも上流に位置している。規制ブレード290は、規制ホルダ300により支持されている。
現像ローラー210の一部、供給ローラー220、搬送ガイド部230、攪拌スクリュー240、供給スクリュー250および規制ブレード290は、現像ケーシング(310,320)の中に収納されている。現像ケーシングは、上部ケーシング310と、下部ケーシング320とからなる。下部ケーシング320は、現像剤供給室270および現像剤供給室260を形成する。現像剤供給室270と現像剤供給室260とは、隔壁330により仕切られている。上部ケーシング310の内部天井部には、規制ブレード290を支持する規制ホルダ300が固定されている。一具体例では、トナー濃度制御のために現像剤の透磁率を検知するTCR(Toner Carrier Ratio)センサー(図示せず)が、現像剤供給室270または現像剤供給室260内に設けられる。
現像剤供給室260は、現像剤の搬送方向の上流側での図示しない補給口と接続されている。現像剤供給室260には、図示しない現像剤供給部から、トナーとキャリアーとを含有する現像剤が、補給口を通じて供給される。攪拌スクリュー240は、回転することにより現像剤供給室260へ供給されたトナーとキャリアーとを混合攪拌し摩擦帯電する。攪拌スクリュー240は、摩擦帯電した現像剤を現像剤供給室270へ搬送する。供給スクリュー250は、回転することにより、攪拌スクリュー240から搬送された現像剤を供給ローラー220へ搬送する。
この例では、供給ローラー220の供給マグネットロールが発生する磁界によって、供給スリーブの外周面上にキャリアーの磁気ブラシが発生して、磁気ブラシに担持されたトナーを含む現像剤の層が供給スリーブの外周面上に形成される。供給スリーブは、図3に示すように、反時計方向に回転することによって、現像剤を磁界によって当該供給スリーブの外周面に担持しながら、搬送ガイド部230まで搬送する。
搬送ガイド部230上の現像剤は、現像ローラー210まで導かれる。現像マグネットロール212が発生する磁界によって、現像スリーブ211の外周面上に磁気ブラシが発生して、現像剤の層が現像スリーブ211の外周面上に形成される。そして、現像スリーブ211は、図中反時計方向に回転することにより、現像剤を磁界によって現像スリーブ211の外周面に担持しながら、感光体ドラム413に最も接近する現像領域280まで搬送する。その途中で、規制ブレード290が現像剤の層の厚さを規制することにより、一定量の現像剤が現像領域280へ搬送される。現像領域280において、現像剤の層は感光体ドラム413の表面に接触する。現像領域280において、トナーは、現像スリーブ211から感光体ドラム413の表面に形成された静電潜像へ静電的に移行する。このようにして、現像装置412は、感光体ドラム413上の静電潜像をトナーによって顕像化する。
ところで、上述のような現像装置412を用いた画像形成装置1では、現像剤が現像剤供給室270および現像剤供給室260内で長時間攪拌されると、トナーが劣化して転写性が低下し、ひいては画質が劣化する問題がある。
特に、エンボス紙など、表面(印刷面)の凹凸が大きい用紙(以下、便宜のため「凹凸紙」と称する)ではその影響が大きく、トナーの劣化状態と画質との間に強い相関関係が認められる。
かかる問題に対して、上述した特許文献1に記載のように、劣化したトナーを現像機から排出して新しいトナーを供給するトナーリフレッシュ(トナーの入れ替え)の動作を行なった場合に、一般には、転写性が向上し、出力画像の画質が回復する。
一方、エンボス紙のように表面に凹凸のある用紙に画像を出力する場合、以下のような問題がある。一般に、エンボス紙は、製品(銘柄)ごとに表面の特徴的な風合い(凹凸のパターン)を持っていることから、かかる用紙上に印刷する際にユーザーの求める品質(転写性)にバラツキが発生しやすい。
具体的には、あるユーザーは、エンボス紙の凹部にまできっちりと画像を載せることを望み、他のユーザーは、エンボス紙の表面の風合いを強調するために、凹部と凸部とで多少濃淡をつける(例えば凹部に画像を載せない)ことを望む、などである。
かくして、上述した画像形成装置1において、上記のような特殊な用紙に出力する画像を所望の品質(転写性)とするためには、例えば転写出力の調整、定着部60内のヒーターの温度の変更、印刷速度の変更、現像剤の交換など、種々の事項を調整する必要がある。このため、従来は、出力(試し印刷)されたサンプルを見て微調整を繰り返すことになり、時間や手間等を要していた。
加えて、エンボス紙に対する画像品質は、画像形成装置側の調整だけでは正確に実現できない面がある。具体的には、用紙の調温湿や紙のロット等によっては、同じ銘柄のエンボス紙であっても表面の凹凸の状態が微妙に異なる場合がある。
このため、装置側で「品質を満たしている」旨の判断がなされた場合でも、ユーザーとしては「自分の求めている品質と違う」旨の判断がなされる場合があり、両者の判断に齟齬が生じやすい問題もある。かかる実情に鑑みると、特許文献1に記載のように、専ら装置側で自動調整を行う構成では、ユーザーの求める品質が実現できないものと考えられる。
かかる実情に鑑みて、本実施の形態の現像装置412では、以下のようなトナーリフレッシュ動作を行う構成とした。
すなわち、この現像装置412では、通常は、現像槽(現像部としての現像剤供給室260,270)内のトナーが予め定められた劣化度(第1の劣化状態)となるように、現像槽内のトナーを強制的に排出させ、現像槽内に補給用のトナーを補給する一般的なトナーリフレッシュ動作(第1の強制排出動作)を実行する。加えて、本実施の形態の現像装置412では、現像槽内のトナーが第1の劣化状態となった後、かかる第1の劣化状態とは異なる劣化度(第2の劣化状態)となるように、現像槽内のトナーを強制的に所定量排出させ、現像槽内に補給用のトナーを補給する個別的なトナーリフレッシュ動作(第2の強制排出動作)を実行する。
言い換えると、本実施の形態において、制御部100は、一般的なトナーリフレッシュ動作(第1の強制排出動作)の制御を実行する第1の強制排出部として機能するとともに、個別的なトナーリフレッシュ動作(第2の強制排出動作)の制御を実行する第2の強制排出部として機能する。
望ましくは、予め定められた劣化度(第1の劣化状態)は、トナー像(画像)が形成される用紙S(記録媒体)の種類に基づく劣化状態であり、一具体例では、用紙Sの種類がエンボス紙か否かに応じて異なる劣化状態とする。
望ましくは、制御部100(第2の強制排出部)は、ユーザーに指定されたタイミングで、例えば操作表示部20の所定のスイッチまたはボタンが押された場合に、第2の強制排出動作を実行する。
或いは、制御部100(第1の強制排出部)は、ユーザーに指定されたタイミングで、例えば操作表示部20の所定のスイッチまたはボタンが押された場合に、第1の強制排出動作を実行してもよい。
望ましくは、制御部100は、現像槽内のトナーの劣化状態を検知する劣化検知部として機能し、制御部100(第1の強制排出部)は、検知されたトナーの劣化状態が、第1の劣化状態よりも劣化度合いが高い場合に、第1の強制排出動作を実行する。
また、制御部100(第2の強制排出部)は、ユーザーによって指定された排出量(重量または容量)で現像槽内のトナーを強制的に排出させるように、第2の強制排出動作を実行する。
一具体例では、制御部100(第1の強制排出部および第2の強制排出部)は、第1の強制排出動作および第2の強制排出動作の実行に伴って、現像槽内のトナーを感光体ドラム413(像担持体)上に排出させる。
また、本実施の形態では、制御部100および操作表示部20は、第2の強制排出動作が複数回実行された場合、画像形成条件の変更動作のうち第2の強制排出動作とは異なる動作を提示する提示部として機能する。
以下、主として図4以下を参照して、上述した特徴的な構成に関して詳細に説明する。
図4は、印刷枚数と転写性の良否との関係を示す特性グラフであり、横軸に印刷枚数を、縦軸にトナー劣化の程度および転写性の良し悪しを、各々示している。また、図4では、画像形成装置1において一定の印字率(カバレッジ)で画像出力を継続的に行った場合に、印刷枚数が増加するにつれて現像槽内のトナーの劣化が進んでゆく推移状態を曲線で表している。
図中の曲線に示されるように、一般には、印刷枚数が進む(増加する)と、現像槽内で長い時間攪拌された古い現像剤が残存することにより、トナー表面にキャリアー(外添剤)の脱離や埋没量が増加し、帯電量の低下などが起きる、トナーの劣化が発生する。したがって、制御部100(劣化検知部)は、用紙Sへの印刷枚数に基づいて、トナーの劣化度合い(すなわち図4中の曲線)を推定することができる。
かくして、印刷枚数が増加することにより現像槽内で劣化したトナーの残存量が増えると、それに応じて転写性が悪化していく。かかる印刷枚数増加に伴う転写性の悪化傾向は、特に、エンボス紙のように表面の粗さ(凹凸)が大きな用紙Sの場合に顕著に表れる。
近年では、通常の用紙Sへの画像出力の動作を通じて劣化した現像剤(トナー)に対して、当該劣化を回復するためのリフレッシュ方法が提案されている。例えば、一般的なトナーリフレッシュ動作では、上述のように、劣化したトナーを排出して新鮮なトナーを補給することで、トナー劣化を回復する。
あるいは、上記とは逆に、感光体ドラム413(像担持体)に作像させず、現像剤を現像槽内で単に循環させる(いわゆる空回転させる)ことで、積極的にトナー劣化を促進する方法もある。
従来の方法では、例えば図4中に実線の直線で示すように、用紙Sの紙種に関わりなく即ち如何なる紙種の用紙Sに対しても転写性が良くなるような目標値を設定し、曲線で示すトナー劣化特性における劣化情報の値が目標値よりも上方に超えた任意の地点でリフレッシュ動作を実施してきた。ここで、図4中に実線の直線で示す目標値は、本発明の「第1の劣化状態」に相当する。なお、かかる目標値は、実際の設定では「数値範囲」すなわちある程度の上下幅を確保して設定されることが多い。
このような従来のトナーリフレッシュ動作によれば、エンボス紙などの表面に凹凸があるような用紙Sに対しても、当該凹凸のある表面の全ての領域にトナーを均一に乗せる効果が得られる。
その一方、エンボス紙などの表面の粗さの粗い(すなわち凹凸の差が大きい)用紙Sを使用する場合、ユーザーによっては、当該紙の風合いを残すために、かかる凹凸のある表面すべてに均一にトナーを転写する必要がない場合もある。
具体的には、紙の風合いを残すために、表面の凹部には敢えてトナーを転写させないことを好む、言い換えると凹部への転写性を悪くすることを積極的に望むユーザーも実際に存在するものであり、この場合の転写性の目標値の一例を図中に点線で示す。
かくして、図中の実線と点線を比較して分かるように、従来技術によるリフレッシュ制御の転写性の目標値と、特定の場合にユーザーが求める転写性の目標値とでは、大きな乖離が発生し、かかる目標値の乖離はユーザーの大きな不満になる。
また、従来技術では、かかる目標値の乖離を無くすために、多大なコスト(調整に要する手間や時間、試し印刷で発生する損紙など)が発生する問題があった。
そこで、本実施の形態の現像装置412では、以下のような処理を行うことによって、少ないコストで目標値の乖離を無くすことを実現する。
本実施の形態では、制御部100が主体となって以下の処理を行う。
(1)ユーザーの所望するプロセス状態の情報を記憶する処理
(2)現在のプロセス状態と所望のプロセス状態とを比較する処理
(3)該比較結果に応じて、当該所望のプロセスに近づくように、通常のトナーリフレッシュを調整(補正)する処理
上記のような処理を行うことにより、常にユーザーの求める転写性を実現することができる。以下、より具体的に説明する。
用紙Sの紙種が異なる場合、一具体例では、OKトップコートのような表面粗さがほぼ平滑な光沢紙と、レザック66のような凹凸が100μm程度のエンボス紙に印刷を行う場合、トナー劣化具合が同一であっても、用紙Sへの転写性に大きな違いが発生する。すなわち、光沢紙に対しては何の問題も発生しないようなトナー劣化具合でも、エンボス紙に対しては転写性が大幅に下がることが多い。
図5は、エンボス紙に対してハーフトーン画像またはベタ画像を印刷した場合のトナー劣化具合に応じた印刷結果の具体例(状態1〜3)を示している。図中、下側にベタ画像の印刷結果を、上側にハーフトーン画像の印刷結果を示しており、左側の状態1が最も転写性が悪く、状態2,状態3の順で転写性が良くなることが分かる。
なお、状態1に示されるように劣化したトナーを使用して光沢紙に同じ画像を印刷すると、状態3に示すように転写性が良好な画像が得られる。
このように、光沢紙に対しては転写性が下がらない程度に劣化したトナーであっても、エンボス紙に対しては、図5の状態1〜3に示すように、転写性に大きな幅が発生する。そして、一般的には、光沢紙のような平滑な用紙Sでは、状態3に示すような均一に転写された状態が要求される。一方、エンボス紙などの特殊な紙では、図5の状態1や状態2に示すような相対的に下げられた(敢えて悪くした)転写性が、紙の風合いを残すべく、ユーザーの求める品質として求められる場合がある。
上記のような現状に鑑みて、本実施の形態では、制御部100は、ユーザーにより設定された印刷情報(主として紙種情報)に応じて、所望する品質のプロセス状態を「所望のプロセス状態」として記憶する(図4中の点線参照)。
このような処理を行うことにより、通常のリフレッシュ動作における目標値の乖離(すなわち、装置に設定された目標値と、ユーザーが要求する目標値との齟齬)を解消ないし抑制することができる。
次に、本実施の形態におけるトナーリフレッシュに関する制御のより具体的な内容を、図6を参照して説明する。
図6に、ユーザーにより設定された印刷情報(この例では紙種情報)に対応した所望する品質のプロセス状態の範囲(この例では現像槽内のトナー劣化の程度または転写性の程度の幅)を、複数の斜線によるハッチングで示す。このハッチングで示す範囲は、本発明における「第1の劣化状態」に対応する。なお、簡明のため、このハッチングで示す範囲については、後述する図7、および図8も同一の範囲と仮定する。
本実施の形態では、制御部100は、現像槽内のトナー劣化の程度が、ハッチングで示す領域の範囲(上限または下限の値)から外れた場合、当該程度がハッチングで示す領域の範囲に戻るように、トナーリフレッシュ動作を実行する(図6中の点線で示す折れ線を参照)。
一具体例では、制御部100は、画像形成装置1の使用や経時変化によりプロセス状態が変動したときに、所望のプロセス状態に画像品質が収まるようにリフレッシュモードの制御量(トナーの交換量)を調整する。かかる構成によれば、出力される画像品質の水準を一定範囲内に保つことができる。
したがって、本実施の形態では、従来の「良くする調整」すなわち現像槽内のトナーを排出し、当該排出された分だけ補給する調整に対して、ユーザーの希望によっては「悪くする調整」を行う場合が発生し得る。
ここで、「悪くする調整」は、出力画像の転写性を悪くする(通常よりも下げる)調整であり、一具体例では、トナーの排出量および補給量をゼロとして、トナーを現像ローラー210等に供給しないように現像槽内でトナーを攪拌する動作を行うことで実現される。このような動作により、現像槽内でのトナーの劣化が促進される。
また、制御部100は、トナーの劣化状態が図中のハッチング領域よりも上方の値を示す場合にはトナー劣化性の回復制御(すなわちトナーの交換量を増やす動作)を行い、上記ハッチング領域よりも下方の値を示す場合にはトナーを劣化させる制御(上記の「悪くする調整」)を行う。このような制御を行うことで、画像品質の変動幅を小さくして、ユーザーが所望する画像品質を維持することができる。
さらに、制御部100は、上記の「プロセス状態」として、例えば、トナー帯電量、現像槽内のトナーの劣化具合(例えば、消費されずに摺動されているトナー滞留時間)、転写バイアス、各プロセス部材の耐久状態、など各々の情報を個別に設定する、または、これらの情報のうちの複数を適宜組み合わせて設定する。
(制御部100の判断結果とユーザーの判断結果との齟齬)
上述した説明では、装置(制御部100、以下同じ)で記憶した所望のプロセス状態への調整方法を説明した。
これに対して、画像形成装置1を使用するユーザーの求める品質と、予め機械で設定した品質(例えば画像形成装置1のデフォルト設定での画像品質)との間で、判断基準が異なる場合がある。
具体的には、画像形成装置1から出力される画像品質について、
事例1:装置もユーザーも「OK」であると判断した場合、
事例2:装置は「OK」であると判断し、ユーザーは「NG」と判断した場合、
事例3:装置もユーザーも「NG」であると判断した場合、
の3種類の事例に分類できる。
上記のうち、事例1では、ユーザーが出力された画像の品質を「OK」と判断した場合、言い換えれば印刷画像に満足している場合であるため、制御部100は、通常のトナーリフレッシュ制御に何ら調整を加える必要がない。
これに対して、事例2および事例3では、ユーザーが印刷画像の画質に満足できないケースであるため、制御部100は、通常のトナーリフレッシュ制御に調整を加える必要がある。
ここで、事例3(双方「NG」)の場合の制御のイメージを図7に、事例2(ユーザーだけ「NG」)の場合の制御のイメージを図8に、各々示す。各図中に示す実線の直線は、画像形成装置1で現在実行されているプロセス状態に対応する出力画像の転写性の程度を模式的に表したものである。
事例3の場合、図7中に実線およびハッチングで示すように、ユーザーが所望するデフォルトの画像品質(ハッチングの範囲での転写性)よりも悪い転写性で画像が印刷されるプロセス状態となっている。
この場合、制御部100は、通常のリフレッシュ動作を実行して、転写性がハッチングの範囲内に収まるようにプロセス状態を調整する制御を実行する(図中の白抜き矢印を参照)。
これに対し、事例2の場合、図8中に実線およびハッチングで示すように、ユーザーが所望するデフォルトの画像品質を満たした転写性で画像が印刷されるプロセス状態となっておりながら、実際にはユーザーが印刷画像の画質に満足していない。
この場合、制御部100は、ユーザーの指示(操作入力)に基づいて、固定量のトナーリフレッシュ動作の制御を行う。かかる制御により、画像形成装置1によって用紙S上に出力される画像の品質が微修正される。
なお、固定量のトナーリフレッシュの動作の結果、出力された画像がデフォルトで設定された転写性の範囲(図8中のハッチングの領域を参照)から外れる場合(機械側の判断ではNGとなる場合)となることもあり得る。このように予め設定された転写性の目標値ないし目標範囲を超える場合でも、ユーザーの求める画像品質(ユーザーがOKと判断する品質)を目指すことを優先すべきである。
言い換えると、本実施の形態では、固定量のトナーリフレッシュ動作を行う際に、機械に設定された目標値を超えた範囲での転写性に関する調整を行えるようにすることで、よりユーザーのニーズに合った出力画像の品質を提供できるようにする。
図8中に示す例では、使用される用紙S(紙種)が通常の用紙の場合であり、制御部100は、例えば通常のリフレッシュ動作と比較して、単位時間当たりのトナー交換量を増加させるように、固定量のトナーリフレッシュ動作の制御を行うことで、より短時間で転写性を向上させる場合を示している(白抜き矢印参照)。
これとは逆に、使用される用紙S(紙種)がエンボス紙などの表面に凹凸があり粗い紙の場合、制御部100は、通常のリフレッシュ動作と比較して、単位時間当たりのトナー交換量を減少させるように、固定量のトナーリフレッシュ動作の制御を行うことで、転写性を低下させるようにする。
一具体例では、画像形成装置1の操作表示部20における所定のスイッチ(ボタン)に、「通常のトナーリフレッシュ動作の制御では、印刷画像の品質に満足できない」旨を制御部100に通知する機能を持たせる。以下、説明の便宜のため、このスイッチを「追加ボタン」と称する。典型的には、「追加ボタン」は、印刷ジョブの終了後またはユーザーの操作によって印刷ジョブが中断された後に押される。
そして、制御部100は、通常のトナーリフレッシュ動作の実行中または実行後に、ユーザーによって追加ボタンが押される(ONになる)と、制御部100は、上述のような固定量のトナーリフレッシュ動作の制御を実行することにより、用紙Sに出力される画像(トナー像)の転写性を調整する。
以下、図9のフローチャートを参照して、制御部100によって、通常のリフレッシュ動作に基づく転写性を調整する場合の制御の流れの一例を説明する。
制御部100は、通常のトナーリフレッシュ動作の実行中または実行後に上述した追加ボタンがONになったことを検知すると、ステップS10に移行する。なお、かかる検知のタイミングが印刷ジョブの実行中である場合、制御部100は、当該印刷ジョブの実行を中止(一時停止)する。
ステップS10において、制御部100は、予め設定されたプロセス状態と、現在実行しているプロセス状態とを比較して、これらプロセス状態間にギャップ(乖離)があるか否かを判定する。
ここで、制御部100は、プロセス状態間にギャップ(乖離)がある(ステップS10、YES)と判定した場合、通常のトナーリフレッシュの動作が不十分である(あるいは再度行う必要がある)と判断して、ステップS20に移行する(適宜、図7を参照)。
一方、制御部100は、プロセス状態間にギャップ(乖離)がない(ステップS10、NO)と判定した場合、通常のトナーリフレッシュの動作は十分であるが、ユーザーの求める転写性が実現されていないと判断して、ステップS40に移行する。
ステップS20において、制御部100は、当該ギャップ(乖離)を解消するためのトナーリフレッシュ量を算出して、ステップS30に移行する。
ステップS30において、制御部100は、前ステップで算出されたトナーリフレッシュ量のトナーを交換(排出および補給)する制御を行った後に、画像形成動作を実行または再開するように各部を制御して、処理を終了する。
具体的には、上述のように印刷ジョブの実行を中止(一時停止)した場合、当該印刷ジョブの実行を再開するように各部を制御する。一方、制御部100は、新たな印刷ジョブの命令を受信した場合、当該印刷ジョブを実行する制御を行う。
この後、制御部100は、再び追加ボタンがONになったか否か、言い換えると通常のリフレッシュ動作(ステップS10〜ステップS30)を経て用紙Sに出力された画質に不満足である旨がユーザーから通知されたか否かを判定する。ここで、制御部100は、再び追加ボタンがONになったと判定した場合、上述したステップS10の判定結果(NO)を経てステップS40に移行する。
一方、制御部100は、再び追加ボタンがONになっていない判定した場合、印刷ジョブにおける残りの用紙Sに対する画像出力の処理を実行する。この場合、制御部100は、残りの用紙Sの画像出力の処理中に、上述した通常のリフレッシュ動作を続行することができる。
ステップS40において、制御部100(第2の強制排出部)は、第2の強制排出動作として、予め定められた固定量で現像槽内のトナー交換(排出および供給)を実行して、印刷ジョブにおける残りの用紙Sに対する画像出力の処理を実行する。
なお、制御部100は、残りの用紙Sに対する画像出力の処理を実行中に、ユーザーにより追加ボタンが押された場合、ステップS40における固定量でのトナー交換の処理を追加的に行ってもよい。
かくして、上述のような固定量のリフレッシュ動作を追加的に行うことで出力画像の転写性を調整する処理を実行する本実施の形態によれば、個々のユーザーの意向や要求に対応した転写性ひいては印刷画像の画像品質を実現することができる。
次に、上述した実施の形態の変形例または更なる詳細内容について説明する。
「劣化検知部」の他の構成例として、制御部100は、予め設定しておいた品質基準に対して、自動検品あるいは転写残検知などで転写状態を判定し、基準を満たしてないと判定した場合に、トナーの劣化度合いが高いとみなして自動でリフレッシュ(第1の強制排出動作)の制御を実施してもよい。
上記のうち、自動検品は、印刷ライン中(例えば中間転写ベルト421の近傍や定着部60の下流)にCCDスキャナー装置などの図示しない画像読取部を設け、かかる画像読取部による画像の読み取り結果に基づいて、制御部100により、転写状態を判定する。転写状態を判定する判定の手法は、例えば、印刷されたベタ画像における白抜けの量で判定することができる。
一方、転写残検知は、二次転写部(中間転写ベルト421の近傍)に反射式の光学センサーなどを設け、かかる光学センサーの検知結果に基づいて、制御部100により、中間転写ベルト421上に残存した転写残トナーの量から判定する。
図10中の左側に、予め設定しておいた品質基準の画像を示し、図10中の右側には、自動検品処理の判定対象となる出力画像(転写状態が基準を満たしていない場合)の一例を示す。図10に示す例では、予め設定された品質基準が転写性を重視する設定であり、画像形成装置1によって実際に用紙S上に出力された画像が転写不良気味であった場合を仮定している。このような場合、制御部100は、通常のリフレッシュ動作を自動で実施する。
一方、制御部100は、通常のリフレッシュ動作の後、転写性に調整を加える場合、交換するトナーの量を固定量とすることができる(図9中のステップS40を参照)。以下、かかる動作を「固定リフレッシュ動作」と呼ぶ。
ここで、固定リフレッシュ動作における「固定量」は、例えば操作表示部20のユーザー設定画面を通じての設定操作により、予め任意の量に設定できるようにしてもよい。
図11に、操作表示部20に表示されるユーザー設定画面の一例を示す。図11に示す例では、ユーザー設定画面中に、出力される画像(画質)のイメージとともに、現像剤のリフレッシュ量に応じた転写性を選択するためのアイコン(図示の例では「1」〜「4」の範囲で段階付けられた値を示すアイコン)が、選択ボタンSBとして表示される。
図11に示す例では、選択ボタンSBに表示された数が小さいほど用紙Sの「風合い」が重視され、選択ボタンSBに表示された数が大きいほど出力画像の「転写性」が重視されることになる。ここで、ユーザーが例えば「1」の選択ボタンSBを選択した場合、制御部100は、対応する画質の画像(この例では左側の画像)が用紙Sに出力されるように、すなわち通常よりも転写性が下がるように、上述した固定リフレッシュ動作を通じて、トナーのリフレッシュ量を調整する。
総じて、図11に示す選択ボタンSBは、図9のステップS40等で説明した「追加ボタン」に対応するものであるが、通常のリフレッシュ動作(第1の強制排出動作)さらには印刷ジョブの実行に先立って選択可能である点が異なる。
言い換えると、図11に示す構成を採用した場合、ユーザーは、通常のリフレッシュ動作および固定リフレッシュ動作を経て出力される画像の品質がある程度予想できるようになる。この結果、上述したような追加ボタン、すなわち通常のトナーリフレッシュ動作の後にユーザーの不満を事後的に通知するボタンが必要なくなる、或いはかかる事後的な通知の操作を最小化することができる。
上記のような構成とすることにより、目標とする画像(画質)の方向性(この例では「風合い」または「転写性」)をユーザーが任意に設定し、結果としてリフレッシュ(第1および第2の強制排出動作)の方向と量を設定することができる。
さらに、制御部100は、ユーザーによって上述したようなスイッチ(選択ボタンSBまたは追加ボタン(調整ボタン))が複数回連続で選択された場合、ユーザーに他の操作を促す表示(アドバイスまたは警告)を行う。
これは、用紙Sに出力された画像の品質に対し、ユーザーの不満が一向に解消されないため、上述した選択ボタンSBが複数回連続的に(1頁分の印刷毎に)押された場合を想定したものである。
言い換えると、制御部100は、いわゆる手動スイッチによる固定リフレッシュの動作を幾ら繰り返して実施しても、それ以上は出力画像の品質が変わらない(結果としてユーザーの要求を満たさない)ことを事前に推定(判断)することができる。このような場合、何らかの別方策(例えば濃度調整、入力画像の検査など)をユーザーに提示する必要がある。
一具体例として、制御部100は、固定リフレッシュの動作を実施した後の数枚の印刷後に再び選択ボタンSBが選択された場合、今回およびその後の固定リフレッシュ動作では画質が要求通りにならないと判断し、別の対応策を提示するように、操作表示部20にポップアップ画面などで表示する。提示(表示)する対策例としては、転写出力の調整、定着の温度条件の変更、印刷速度の変更、現像剤の交換などが挙げられる。
本実施の形態では、制御部100は、印刷に使用される用紙Sの紙種(用紙情報)に応じて、所望のプロセス状態(ひいては第1の劣化状態)を変更する制御を行う。
例えば、使用される用紙Sの紙種が光沢紙などの場合、エンボス紙などの表面の粗い用紙Sに比べて転写性の変動が小さいため、制御部100は、所望のプロセス状態の幅を広げることができる。
用紙情報の取得に関し、制御部100は、ユーザーによるトレイ情報の設定時に選択された紙種情報を取得することができる。或いは、制御部100は、用紙プロファイルに登録した際にプロセス状態を記録し、そのプロファイル使用時には常にユーザーに最適なリフレッシュ条件になるようにしてもよい。
なお、紙種だけでは用紙Sの表面の粗さなど判らない場合もあり得ることから、制御部100は、上述のように紙種が設定され印刷時に使用される用紙Sの表面粗さを自動で判別し、必要に応じて、所望のプロセス状態を変更してもよい。
ここで、用紙Sの表面の粗さを自動判別するための構成としては、例えばトレイ中に収容された用紙Sの表面状態を検出する反射型の測定装置を設けることができ、或いは、通紙経路に接触式の表面粗さ計測装置を設けてもよい。
この場合、制御部100は、これら装置から検出ないし計測された用紙Sの表面粗さの値に応じて、所望のプロセス状態を変更する。
本実施の形態では、特に、使用される用紙Sが凹凸の表面を有するエンボス紙を使用する場合に有利である。すなわち、通常、エンボス紙は表面の凹凸が大きい(粗い)ために、トナーの劣化などによるプロセス状態(ひいては第1の劣化状態)の変化は、転写性に大きな影響を及ぼす。また、レザック66のようなレザーの風合いを再現した凹凸や、江戸古染はなのような小さな花の凹凸など、風合いを生かした用途が多いため、本実施の形態の制御方法は、特に大きな効果を期待できる。
上記のように、リフレッシュ動作(第1の強制排出動作、または第2の強制排出動作)におけるトナーないし現像剤の排出は、非画像形成領域に対して行うことができる。ここで「非画像形成領域」には、用紙S間の隙間領域に対応する中間転写ベルト421上、あるいは後処理で切断される用紙Sの切断領域内(余剰部分)が含まれる。
一具体例としては、例えば、ユーザーが所望するリフレッシュ条件(画像品質)に対して、かかる所望の画像品質を維持するために必要な現像剤の入れ替え量を算出し、印刷中の画像のカバレッジ(印字率)から不足分を算出し、各用紙S間で現像剤を排出および補給するような形態(閾値の幅がゼロ)とすることができる。
ここで、図12は、印字率(カバレッジ)毎の印刷枚数とトナー劣化年齢との関係を示す特性グラフであり、横軸に印刷枚数(単位;キロ頁)を、縦軸にトナーの劣化年齢(秒)を、各々示す。また、図示中の4つの曲線(特性線)は、カバレッジ(印字率)を各々1%、3%、5%、および10%として用紙Sへの印刷を継続的に行った場合のトナーの劣化年齢の推移を示している。さらに、図12中における直線(破線)は、画像の目標品質に対応するトナーの劣化年齢(この例では約4000秒)の設定値を示す。
図12に示す例では、設定値であるトナーの劣化年齢(4000秒)を維持する(言い換えると画像の目標品質を維持する)ためには、約3%のカバレッジで印刷すればよいことが分かる。したがって、例えば印刷ジョブにおける印字率の平均値が1%の場合、制御部100は、不足分であるカバレッジ2%分の量の現像剤で排出用の画像を形成して、かかる排出用の画像を非画像領域に排出するように制御する。
あるいは、他の具体例として、制御部100は、以下のような制御を行ってもよい。すなわち、制御部100は、上記と同様に印刷中の画像のカバレッジ分の現像剤の量から用紙1枚分の現像剤の不足分を算出し、かかる不足分を用紙毎に積載し、かかる積算値が閾値を超えたタイミングで印刷を一時停止して、纏めて現像剤を排出および補給する制御を行う。
(実施例)
以下、効果検証のために本発明者らが行った実施例について説明する。
図13は、印刷枚数とトナー平均年齢との関係を示す特性グラフである。
図13中、R(ランク)3.5で示す曲線は、A4サイズのコート紙(OKトップコート、坪量128g/m)に1%のカバレッジで画像を印刷し続けた場合のトナー平均年齢(秒)の推移を示す。
ここで、「トナー年齢」は、以下の数式1を用いて算出することができる。
トナー年齢(秒)=(A+A)×(M×係数−C)÷(M×係数)・・・〔数式1〕
数式1において、第一項のAはプロセス前におけるトナー年齢(プロセス前まで存在したトナーに対する現像装置の稼働時間(秒))であり、Aはプロセス時間(プロセス時からの現像装置の稼働時間(秒))である。また、第二項(および第三項)のMは現像装置(現像槽内)のトナー量(g)であり、Cはトナーの消費量(g)である。また、係数は、用紙Sの紙種によって変わる値である。
図示のように、上記のコート紙に1%のカバレッジで画像を印刷し続けた場合、約20kp(2万枚)の印刷によって、トナー平均年齢が7000(秒)に飽和することが分かる。なお、図中に明記していないが、上記のコート紙への画像印刷では、トナー平均年齢に関わらず、転写性ランクは図中のR5(最高画質)の水準を維持し続けた。
次に、印刷枚数が11kp(1万1千枚)の時点で用紙Sを上記コート紙からエンボス紙(レザック66、坪量151g/m)に変えて他は同一条件で印刷を続行した場合、転写性は図中のR5からR4に徐々に低下していった。
この例では、ユーザーの所望する画像品質として、R4.5〜R5の範囲(図中の2つの直線(破線)の間の領域)に納めるために、現在のプロセス状態(図の例ではトナー年齢5500(秒))から所望の状態(R4.5〜R5に対応するトナー年齢3000〜1000(秒))になるように、リフレッシュ動作を実施する。
ここで、リフレッシュ動作は、下記の数式2で規定するリフレッシュ量をもとに、現像装置より排出する量を規定し、リフレッシュ量分の現像剤(トナー)を排出および補給する制御を行う。
リフレッシュ量(g)=(トナー年齢(秒)−閾値(秒))×M×係数÷トナー年齢(秒) ・・・〔数式2〕
図13中、R5で示す直線の閾値(トナー年齢の下限かつ画像品質の上限)は1000(秒)であり、R4.5で示す直線の閾値(トナー年齢の上限かつ画像品質の下限)は3000(秒)である。ユーザーが所望する画像品質のプロセス状態は、これら2つの閾値の間の領域が対応する。
図13中に示すように、この例では、リフレッシュの制御により、トナー年齢が1000(秒)まで回復した(「1.エンボス紙印刷スタート」および白抜き矢印の下方の点線を参照)。かかる回復後に、エンボス紙(レザック66、坪量151g/m)に1%のカバレッジで画像を印刷し続けた場合、印刷枚数が約15kp(1万5千枚)の時点でトナー年齢の閾値上限3000(画像品質の閾値下限R4.5)に達した。このため、かかるトナー年齢の閾値上限に達した(超えた)時点でリフレッシュ動作を実施することにより、トナーの平均年齢(秒)が3000から1000になった。
上記の動作を繰り返すことにより、常にユーザーが所望する範囲内(この例ではR4.5〜R5の範囲)に画像品質を維持することができた(図13中の「2.自動リフレッシュ」の範囲における「画質の振れ幅」を参照)。
さらに、かかる自動リフレッシュの実行中において、印刷枚数が約20kp(2万枚)の時点で画像品質がR5からR4.5に落ちたため、上述した追加ボタンを押して、固定量のリフレッシュ動作を実行した(図9のステップS40およびステップS50参照)。この結果、トナー平均年齢(秒)が2000から1000になり、出力されるトナー像の画像品質がR5に回復した(図13中の「3.追加ボタンON」および白抜き矢印の下方の点線を参照)。
なお、上述した例ではトナー年齢の上限かつ画像品質の下限をR4.5に設定したが、他の例として、例えば低カバレッジで印刷を行った場合には、R4.5より品質が悪くなる場合も発生し得る。この場合は、上述した各数式を用いて現像装置の駆動時間を算出することで、トナー年齢を加算する方向でリフレッシュ量を調整することもできる。
また、他の例として、上記のリフレッシュ量(g)を算出する数式中の閾値は、上限または下限のいずれかの値を用いてもよく、あるいは上限と下限との平均値を用いてもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部(提示部)
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
100 制御部(第1の強制排出部、第2の強制排出部、劣化検知部、提示部)
210 現像ローラー
211 現像スリーブ
212 現像マグネットロール
220 供給ローラー
230 搬送ガイド部
240 攪拌スクリュー
250 供給スクリュー
260 現像剤供給室(現像部)
270 現像剤供給室(現像部)
280 現像領域
290 規制ブレード
300 規制ホルダ
310 上部ケーシング
320 下部ケーシング
330 隔壁
412 現像装置
413 感光体ドラム(像担持体)

Claims (12)

  1. トナーを含む現像剤を用いて像担持体に前記トナーを供給する現像部と、
    前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となるように、前記現像部内の前記トナーを強制的に排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第1の強制排出動作を実行する第1の強制排出部と、
    前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となった後、前記現像部内の前記トナーを強制的に所定量排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第2の強制排出動作を実行する第2の強制排出部と、
    を備える現像装置。
  2. 前記第2の強制排出部は、ユーザーに指定されたタイミングで前記第2の強制排出動作を実行する、
    請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第1の強制排出部は、ユーザーに指定されたタイミングで前記第1の強制排出動作を実行する、
    請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記現像部内の前記トナーの劣化状態を検知する劣化検知部を備え、
    前記第1の強制排出部は、前記劣化検知部によって検知された前記トナーの劣化状態が、前記第1の劣化状態よりも劣化度合いが高い場合、前記第1の強制排出動作を実行する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の現像装置。
  5. 前記所定量は、ユーザーに指定される、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の現像装置。
  6. 前記第2の強制排出動作が複数回実行された場合、画像形成条件の変更動作のうち前記第2の強制排出動作とは異なる動作を提示する提示部を備える、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の現像装置。
  7. 前記第1の劣化状態は、画像が形成される記録媒体の種類に基づく状態である、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の現像装置。
  8. 前記第1の劣化状態は、前記記録媒体の種類がエンボス紙か否かに応じて異なる、
    請求項7に記載の現像装置。
  9. 前記第1の強制排出部は、前記現像部内の前記トナーを前記像担持体上に排出させる、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の現像装置。
  10. 前記第2の強制排出部は、前記現像部内の前記トナーを前記像担持体上に排出させる、
    請求項1〜9の何れか一項に記載の現像装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の現像装置を備える画像形成装置。
  12. トナーを含む現像剤を用いて像担持体に前記トナーを供給する現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となるように、前記現像部内の前記トナーを強制的に排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第1の強制排出動作を実行し、
    前記現像部内の前記トナーが第1の劣化状態となった後、前記現像部内の前記トナーを強制的に所定量排出させ、前記現像部内に補給用のトナーを補給する第2の強制排出動作を実行する、
    強制排出方法。
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