JP2021055790A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転の環境で用いられる場合であっても、保持器の摩耗を抑制することが可能となる転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受10は、肩部21を有する内輪11と、外輪12と、複数の玉13と、複数の玉13を周方向に間隔をあけて保持する保持器14とを備える。保持器14は、玉13よりも軸方向一方に設けられている環状部31と、環状部31から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱部32とを有する。環状部31は、肩部21に滑り接触する接触面33を有する。柱部32は、環状部31の外周側を含む部分45から軸方向他方に延びて設けられている第一突出部41と、環状部31の内周側を含む部分46から軸方向他方に第一突出部41よりも短くなって延びて設けられていて内輪軌道20のうちの肩部21側の一部20aを覆う第二突出部42とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
転がり軸受は、様々な機器に用いられる。中でも高速回転用として、転動体が玉である玉軸受が用いられる。玉軸受は、内輪、外輪、複数の玉、及び、複数の玉を保持する環状の保持器を備える。玉軸受(特に深溝玉軸受)の場合、組み付け性の観点から、いわゆる冠型と呼ばれる樹脂製の保持器が用いられる。冠型の保持器は、環状部と、環状部から軸方向に延びて設けられている複数の柱部とを有する。周方向で隣り合う一対の柱部の間に形成される空間が、玉を収容するポケットとなる。
冠型の保持器は、複数の玉を周方向に等間隔として保持すると同時に、ポケットにおいてこれら玉に接触することにより位置決めがされる。つまり、冠型の保持器の回転は玉によって案内される。このような案内の方式は、転動体案内と呼ばれる。特許文献1に、冠型の保持器が開示されている。
特開2015−57558号公報
冠型の保持器では、柱部が片持梁状となる。このため、転がり軸受が回転すると、遠心力によって柱部は外輪側に向かって弾性変形する。回転速度が高くなり、柱部の変形が大きくなると、保持器の一部が玉又は外輪に強く接触することがある。この場合、保持器の摩耗が促進され、保持器が破損する可能性がある。
遠心力によって柱部が変形し、保持器の一部が玉に接触するのを防ぐために、玉に比べてポケットを大きくすることが考えられる。しかしこの場合、玉とポケットとの間の隙間が広くなり、保持器がふれ回りすると、保持器と玉との接触による異音の発生が問題となる。
転動体案内ではなく、保持器の回転が外輪によって案内される外輪案内方式の転がり軸受も提案されている。この場合、保持器が、外輪の内周面に接近した状態で設けられる。その転がり軸受が高速回転の環境で用いられると、遠心力によって柱部の変形量が想定している値よりも大きくなることがある。この場合、保持器の一部が外輪に偏当たりする可能性があり、保持器の一部が偏摩耗する。
このように、保持器は、転がり軸受の構成部材(玉又は外輪)に滑り接触することで案内される。転がり軸受が特に高速回転の環境で用いられると、遠心力によって保持器が変形し、保持器の摩耗抑制が課題となる。
そこで、本開示は、高速回転の環境で用いられる場合であっても、保持器の摩耗を抑制することが可能となる転がり軸受を提供することを目的とする。
本開示の転がり軸受は、内輪軌道及び軸方向一方に肩部を有する内輪と、外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に設けられている複数の転動体と、複数の前記転動体を周方向に間隔をあけて保持する保持器と、を備え、前記保持器は、前記転動体よりも軸方向一方に設けられている環状部と、前記環状部から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱部と、を有し、前記環状部は、前記肩部に滑り接触する接触面を有し、前記柱部は、前記環状部の外周側を含む部分から軸方向他方に延びて設けられている第一突出部と、前記環状部の内周側を含む部分から軸方向他方に前記第一突出部よりも短くなって延びて設けられていて前記内輪軌道のうちの前記肩部側の一部を覆う第二突出部と、を有する。
前記転がり軸受によれば、内輪の肩部に、保持器が有する環状部の接触面が滑り接触することで、保持器の回転は内輪によって案内される。保持器の柱部が有する第二突出部は、内輪軌道のうちの肩部側の一部を覆う。このため、内輪軌道の前記一部に存在する潤滑剤が例えば遠心力によって径方向外方に移動すると、第二突出部の径方向内側面に当たり、その径方向内側面に沿って接触面側に流れることができる。このため、潤滑剤が、環状部と肩部との間に供給されやすくなる。よって、環状部と肩部との間の潤滑性が向上し、高速回転の環境で用いられる場合であっても、保持器が内輪に滑り接触することによる摩耗を抑制することが可能となる。
また、第二突出部は、第一突出部よりも軸方向に短い。これにより、柱部の先部側における重量が削減され、遠心力による柱部の変形、つまり、保持器の変形を低減することが可能となる。
また、好ましくは、前記接触面に、凹部が設けられている。環状部と肩部との間に供給された潤滑剤が、凹部に溜められる。よって、環状部と肩部との間の潤滑性がより一層向上する。
遠心力によって柱部が弾性変形すると、環状部はその影響を受けて弾性変形する。すると、環状部の内周のうち軸方向一方側が肩部に接近する可能性がある。そこで、好ましくは、前記環状部は、前記肩部との間に形成される隙間が軸方向に沿って均一であり当該肩部に接触可能である前記接触面と、当該接触面から軸方向一方に連続して設けられ軸方向一方に向かうにしたがって前記肩部から離れる逃げ面と、を有する。
この構成によれば、保持器の変形によって、環状部の内周の軸方向一方側が肩部に接近しようとして、その軸方向一方側は前記逃げ面となっている。このため、環状部が肩部に偏当たり(エッジ当たり)するのを防ぐことが可能となる。
また、好ましくは、前記第二突出部の径方向内側面と、前記接触面とは、連続していて、軸受中心線を中心とする仮想円筒面に沿って設けられている。
この構成によれば、内輪軌道の前記一部の潤滑剤は、第二突出部の径方向内側面から環状部の接触面へと流れやすい。
また、第二突出部は、第一突出部よりも軸方向に短いことから、前記第一突出部の径方向内側面は、前記仮想円筒面よりも大径であって軸受中心線を中心とする第二の仮想円筒面に沿って設けられている。この構成により、柱部の先部側における重量が削減される。
本開示の転がり軸受によれば、高速回転の環境で用いられる場合であっても、保持器の摩耗を抑制することが可能となる。
転がり軸受の一例を示す断面図である。 保持器の一部を径方向内側から見た図である。 軸方向一方の密封装置の内周側の一部、及び、保持器の内周側の一部を示す拡大断面図である。 図4Aは凹溝の説明図であり、図4Bは他の形態の凹溝の説明図であり、図4Cは更に他の形態の凹溝の説明図である。 保持器の断面図である。 保持器(他の形態)の一部、及びその周囲を示す拡大断面図である。 保持器の変形例を示す図であり、保持器の一部を径方向内側から見た図である。
〔転がり軸受の全体構成〕
図1は、転がり軸受の一例を示す断面図である。図1に示す転がり軸受10は、内輪11と、内輪11の径方向外方に設けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に設けられている複数の転動体と、これら転動体を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器14とを備える。前記転動体は玉13であり、転がり軸受10は玉軸受である。特に、図1に示す転がり軸受10は深溝玉軸受である。
本開示において、転がり軸受10の中心線C(以下、「軸受中心線C」と称する)に沿った方向が、転がり軸受10の軸方向であり、単に「軸方向」と称する。この軸方向には、軸受中心線Cに平行な方向も含まれる。図1における右側を軸方向一方と定義し、図1における左側を軸方向他方と定義する。軸受中心線Cに直行する方向が、転がり軸受10の径方向であり、単に「径方向」と称する。軸受中心線Cを中心として転がり軸受10(本開示では内輪11)が回転する方向が、転がり軸受10の周方向であり、単に「周方向」と称する。
転がり軸受10は、更に、その軸方向両側に密封装置15を備える。内輪11と外輪12との間に形成される環状空間が、玉13及び保持器14が設けられている軸受内部の空間である。密封装置15は、軸受内部(環状空間)の潤滑剤が軸受外部へ漏れるのを防ぐ。また、密封装置15は、軸受外部の異物が軸受内部へ侵入するのを防止する機能も備える。
本開示の転がり軸受10で用いられる前記潤滑剤は、グリースである。特に、チャネリング形式のグリースが用いられる。チャネリング形式のグリースは、玉13が内輪11及び外輪12の軌道(20,25)を通過するとかき分けられ、軌道(20,25)に戻りにくい特性を有する。グリースは、軸受内部の空きスペース及び保持器14の表面等に付着し、グリースに含まれる基油が流出し、潤滑に寄与する。なお、チャネリング形式とは異なり、比較的流動性の高いチャーニングタイプのグリースが、潤滑剤として用いられてもよく、また、オイルが用いられてもよい。
内輪11は環状の部材であり、その外周に、玉13が転動する内輪軌道20が形成されている。内輪軌道20は、軸受中心線Cを含む断面において、半径が玉13よりも僅かに大きな凹円弧の断面形状を有する。内輪11は、内輪軌道20の軸方向一方に肩部21(第一の肩部21)を有し、内輪軌道20の軸方向他方に肩部22(第二の肩部22)を有する。
第一の肩部21の外周面21a及び第二の肩部22の外周面22aは、それぞれ軸受中心線Cを中心とする円筒面形状を有する。これら外周面21a,22aは、それぞれ研磨面である。内輪11の軸方向両側部それぞれの外周に内側周溝23が形成されている。
外輪12は環状の部材であり、その内周に、玉13が転動する外輪軌道25が形成されている。外輪軌道25は、軸受中心線Cを含む断面において、半径が玉13よりも僅かに大きな凹円弧の断面形状を有する。外輪12は、外輪軌道25の軸方向一方に肩部26を有し、外輪軌道25の軸方向他方に肩部27を有する。外輪12の軸方向両側部それぞれの内周に外側周溝28が形成されている。
保持器14は、樹脂製(合成樹脂製)である。保持器14は、玉13よりも軸方向一方に設けられている環状部31と、環状部31から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱部32とを有する。図2は、保持器14の一部を径方向内側から見た図である。図1及び図2において、環状部31の軸方向他方であって、周方向で隣り合う一対の柱部32,32の間が、玉13を収容するポケット19である。ポケット19の軸方向他方側は玉13の直径よりも小さい寸法で開口している(開口37)。本開示の保持器14は、いわゆる冠型と呼ばれる保持器である。
図1において、密封装置15は、軸方向一方と軸方向他方とで、取り付け向きが反対であるが、同じ構成を有する。密封装置15は、円環状である円環部16と、円環部16の内周側端部に設けられている突部18と、突部18と連続状となって設けられ玉13側に突出しているリップ部17とを有する。円環部16の外周側端部が外側周溝28に取り付けられている。
図3は、軸方向一方の密封装置15の内周側の一部、及び、保持器14の内周側の一部を示す拡大断面図である。突部18が内側周溝23に隙間24aを有して対向して設けられている。リップ部17は、肩部21に対して径方向の隙間24bを有して対向して設けられている。隙間24a及び隙間24bは微小隙間であり、これらの隙間24a,24bによってラビリンス隙間が構成される。特に隙間24bを微小隙間とするため、肩部21の外周面21aは、研磨加工されていて、研磨面となっている。
〔保持器14の構成〕
保持器14の構成について更に説明する。図1及び図2において、環状部31は、円環状となる部分であり、その内周側に第一の肩部21に滑り接触する接触面33を有する。接触面33は、軸受中心線Cを中心とする円筒面形状を有する。図3に示すように、接触面33は、肩部21の外周面21aと径方向について接近していて、これらの間には、微小な隙間Gが形成されている。保持器14は僅かに径方向に移動可能であるが、接触面33が肩部21の外周面21aに滑り接触することで、保持器14の回転は、内輪11によって案内される(ガイドされる)。つまり、本開示の転がり軸受10は、内輪案内の保持器14を有する。
接触面33に、凹部34が設けられている。本開示の凹部34は、図4Aに示すように、周方向に連続する凹溝34−1により構成されている。接触面33のうちの、凹部34よりも軸方向一方の面33a、及び、凹部34よりも軸方向他方の面33bが、肩部21(図3参照)の外周面21aと接触可能となる。
凹部34の形態は他であってもよく、図4Bに示すように、軸方向に延びて設けられている凹溝34−2であってもよい。凹溝34−2は、接触面33に、周方向に間隔をあけて複数設けられている。凹溝34−2は、軸方向一方及び軸方向他方の双方で開口する軸方向に貫通した溝であってもよいが、軸方向他方のみで開口する軸方向に非貫通の溝であってもよい。また、図4Cに示すように、凹部34は、軸方向他方のみに開口する周方向に広い窪み34−3であってもよい。窪み34−3は、接触面33に、周方向に間隔をあけて複数設けられる。
図3において、環状部31は、その内周側に、接触面33の他に、逃げ面35を有する。接触面33は、肩部21の外周面21aとの間に形成される隙間Gが軸方向に沿って均一であり、肩部21の外周面21aに接触可能となる面である。逃げ面35は、接触面33から軸方向一方に連続して設けられていて、軸方向一方に向かうにしたがって肩部21の外周面21aから離れる面である。本開示では、逃げ面35は、断面形状が凸のアール形状(曲面)となる構成である。逃げ面35は、断面が直線的に傾斜する構成であってもよい。
環状部31の内周側であって軸方向一方側に、切り欠き部39が設けられている。切り欠き部39により、保持器14と密封装置15のリップ部17との干渉が防止される。
図5は、保持器14の断面図である。柱部32について説明する。柱部32は、第一突出部41と第二突出部42とを有する。第一突出部41は、柱部32のうちの径方向外側の部分である。第一突出部41は、環状部31の外周側を含む部分45から軸方向他方に延びて設けられている。第二突出部42は、柱部32のうちの径方向内側の部分である。第二突出部42は、環状部31の内周側を含む部分46から軸方向他方に延びて設けられている。第二突出部42は、第一突出部41よりも軸方向に短く、内輪軌道20のうちの第一の肩部21側の一部20aを、限定的に径方向外方から覆っている。
第一突出部41の軸方向他方の端面47は、玉13の中心Q(ポケット19の中心)よりも軸方向他方に位置する。第一突出部41が玉13を主に保持し、また、第一突出部41の先端の爪部50(図2参照)が、玉13に係合することで、玉13から保持器14が軸方向に脱落するのを防止する。
第二突出部42の軸方向他方の端面48は、玉13の中心Q(ポケット19の中心)よりも軸方向一方に位置する。第二突出部42は、玉13を保持する機能を補助する部分である。第二突出部42は、第一突出部41の軸方向一方側の部分(基部)と連続していて、当該部分(基部)から内輪11側に向かって延びて設けられている。
図5に示すように、第二突出部42の径方向内側面42aと、環状部31の接触面33とは、連続している。径方向内側面42aと接触面33とは、軸受中心線C(図1参照)を中心とする第一の仮想円筒面K1に沿って設けられている。第一突出部41の径方向内側面41aは、第一の仮想円筒面K1よりも大径であって軸受中心線C(図1参照)を中心とする第二の仮想円筒面K2に沿って設けられている。柱部32の径方向内側面は、軸方向一方である基部側(環状部31側)が内輪11に近く、軸方向他方である先端側が内輪11から離れている、段付き形状を有している。
柱部32は、第二突出部42により、内輪軌道20の軸方向一方の一部20aのみを径方向外方から覆っていて、その一部20aと第二突出部42との間の空間M1は比較的、狭い。これに対して、前記一部20aを除く内輪軌道20の残りの大部分と、第一突出部41との間には、広い空間M2が形成されている。この広い空間M2によって、転がり軸受10の回転時における、内輪軌道20のグリースの飛散が抑制される。
転がり軸受10は回転すると、保持器14に遠心力が作用する。保持器14の材質は樹脂製であり、冠型である。冠型の保持器14では、柱部32が片持梁状となる。このため、転がり軸受10が回転すると、遠心力によって柱部32は外輪12側に向かって弾性変形する。回転速度が高くなると、柱部32の変形が大きくなる。そこで、本開示の保持器14は、回転による遠心力の発生を小さくし、保持器14の変形を抑制するために、柱部32の重量を低減するための構成を備える。以下、その重量低減の構成について説明する。
柱部32は、前記のとおり、径方向外側の第一突出部41と、径方向内側の第二突出部42とを有し、第二突出部42が第一突出部41よりも軸方向に短い。この構成は、柱部32の重量低減に貢献する。つまり、柱部32の軸方向他方側であって内周側において、厚さが薄くなっているため、柱部32の重量を低減している。
柱部32の重量低減のために、柱部32(第一突出部41)の径方向外側面49は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かうにしたがって、内輪11に向かう傾斜面となっている。また、この構成によれば、柱部32は、遠心力によって外輪12側に弾性変形しても、外輪12に接触し難くなる。
図2に示すように、第一突出部41は軸方向他方に延びて設けられている一対の爪部50,50を有する。一つの第一突出部41が有する一対の爪部50,50の間にV字形の欠損部51が設けられている。欠損部51が軸方向に深くなっていて、これにより、柱部32の重量が低減されている。
以上のように、柱部32の重量が低減され、これにより、発生する遠心力が小さくなる。更に、本開示では、保持器14の剛性を高めて遠心力によって変形し難くするため、環状部31については軸方向寸法を拡大している。
ここで、図2において、一つのポケット19を挟んで対向する二つの爪部50,50の先端50a,50aの間が、ポケット19の開口37となる。開口37における最大の寸法Lは、玉13の直径よりも小さい。これら爪部50,50の先端50a,50aにより保持器14が玉13から脱落するのを防止する。また、転がり軸受10の組み立てにおいて、内輪11と外輪12との間に介在させた複数の玉13に対して、保持器14を軸方向一方から接近させ、更に、保持器14を軸方向他方に押圧する。この際、爪部50,50が玉13に押されて弾性変形し、開口37が拡大し、保持器14の玉13への組み付けが行われる。
〔本開示の転がり軸受10について〕
本開示の転がり軸受10では(図5参照)、保持器14が有する環状部31は、その内周側に、内輪11の第一の肩部21に滑り接触する接触面33を有する。この構成により、保持器14の回転は内輪11によって案内される(ガイドされる)。
保持器14が有する柱部32は、第一突出部41と第二突出部42とを有する。第一突出部41は、環状部31の外周側を含む部分45から軸方向他方に延びて設けられている。第二突出部42は、環状部31の内周側を含む部分46から軸方向他方に、第一突出部41よりも短くなって、延びて設けられている。第二突出部42は、内輪軌道20のうちの第一の肩部21側の一部20aを径方向外方から覆う。
第二突出部42は、第一突出部41よりも軸方向に短い。これにより、柱部32の先部側における重量が削減され、遠心力による柱部32の変形、つまり、保持器14の変形を低減することが可能となる。
第二突出部42は、内輪軌道20のうちの第一の肩部21側の一部20aを覆う。このため、図5の矢印Fで示すように、前記一部20aに存在するグリースが遠心力によって径方向外方に移動すると、第二突出部42の径方向内側面42aに当たり、その径方向内側面42aに沿って接触面33側に流れることができる。このため、グリースが、環状部31と第一の肩部21との間に供給されやすくなる。よって、環状部31と第一の肩部21との間の潤滑性が向上する。この結果、転がり軸受10が高速回転の環境で用いられる場合であっても、保持器14が内輪11に滑り接触することによる摩耗を抑制することが可能となる。
第二突出部42の径方向内側面42aと、接触面33とは、連続していて、軸受中心線Cを中心とする第一の仮想円筒面K1に沿って設けられている。このため、内輪軌道20の一部20aのグリースは、第二突出部42の径方向内側面42aから環状部31の接触面33へと流れやすい。
そして、接触面33に凹部34が設けられている。このため、環状部31と第一の肩部21との間に供給されたグリースが、凹部34に溜められる。よって、環状部31と第一の肩部21との間の潤滑性がより一層向上する。特に本開示の転がり軸受10では、チャネリング形式のグリースが用いられる。凹部34により、グリースが多く貯留され、そのグリースの基油が、接触面33に供給される。
図6は、保持器14(他の形態)の一部、及びその周囲を示す拡大断面図である。図6に示す環状部31は、その内周側に、図3に示す形態と同様に接触面33を有するが、逃げ面35を有していない。
遠心力によって柱部32が弾性変形すると、環状部31はその影響を受けて弾性変形する。図6に示す保持器14の場合、遠心力によって柱部32が弾性変形すると、環状部31の内周のうち軸方向一方(角部31b)が、第一の肩部21に更に接近する。弾性変形が大きくなると、環状部31の角部31bが、第一の肩部21に接触する可能性があり、この場合、局部的に摩耗が生じる。
そこで、図3に示す形態のように、環状部31は、その内周側に逃げ面35を有するのが好ましい。逃げ面35は、接触面33から軸方向一方に連続して設けられていて、更に、軸方向一方に向かうにしたがって第一の肩部21から離れる形状を有する。この構成により、環状部31の内周の軸方向一方が第一の肩部21に接近しようとしても、その軸方向一方は前記のような形状を有する逃げ面35となっている。このため、環状部31が第一の肩部21に偏当たり(エッジ当たり)するのを防ぐことが可能となる。
図7は、保持器14の変形例を示す図であり、その保持器14の一部を径方向内側から見た図である。保持器14は、第一突出部41の径方向内方であって第二突出部42の軸方向他方に、ガイド部55を有する。内輪11と外輪12との間に配置された玉13に対して、保持器14を組み付ける際、ガイド部55は、内輪11の外周部の一部である第一の肩部21に接触することで、保持器14を内輪11に対して調芯させるための部分である。ガイド部55は、全ての柱部32に設けられていてもよいが、周方向に間隔をあけて(等間隔で)少なくとも3箇所の柱部32に設けられていればよい。
前記のとおり、ポケット19の軸方向他方は玉13の直径よりも小さい寸法で開口している。このため、保持器14の組み付けの際、その保持器14を複数の玉13に軸方向一方から接近させ更に押圧することで、前記開口37を通じてポケット19に玉13が収容される。なお、この際、玉13によって前記開口37を拡大させるように柱部32の一部が弾性変形する。
この組み付けの際、第二突出部42が第一の肩部21に引っかかり、組み付けが不能となり、保持器14を無理に押圧すると、第二突出部42を損傷させる可能性がある。しかし、保持器14が有するガイド部55により、保持器14が内輪11に調芯される(センタリングされる)。よって、第二突出部42が第一の肩部21に引っかかって組み付けが不能となるのを防ぐことが可能となる。
ガイド部55は、平坦面56を有する。平坦面56は、環状部31の内周面(接触面33)と連続する面である。平坦面56は、ポケット19の軸方向他方(開口37)が玉13の軸方向一方の半球面の一部に接触した未組み付け状態で、内輪の軸方向一方の肩部(第一の肩部21)に対して径方向に対向する。この平坦面56によれば、前記未組み付け状態から、保持器14を軸方向他方に向かって直線的に押圧すれば、保持器14の組み付けが完了する。
更に、ガイド部55は、平坦面56から軸方向他方に向かうにしたがって内輪11から離れる傾斜面57を有する。保持器14の組み付けのために、内輪11と外輪12との間に設けられた複数の玉13に対して、保持器14を軸方向一方から接近させると、前記未組み付け状態となる前に、傾斜面57が内輪11の外周部の一部(第一の肩部21)に接触する。この傾斜面57により、複数の玉13に対して保持器14を軸方向から接近させるにしたがって、保持器14が内輪11に調芯される。
〔その他〕
本開示では、転がり軸受10は深溝玉軸受である場合について説明したが、他の形態であってもよく、例えばアンギュラ玉軸受であってもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:転がり軸受 11:内輪 12:外輪
13:玉(転動体) 14:保持器 20:内輪軌道
20a:一部 21:肩部 31:環状部
32:柱部 33:接触面 34:凹部
35:逃げ面 37:開口 41:第一突出部
41a:径方向内側面 42:第二突出部 42a:径方向内側面
45:環状部の外周側を含む部分 46:環状部の内周側を含む部分
C:軸受中心線 G:隙間
K1:仮想円筒面(第一の仮想円筒面) K2:第二の仮想円筒面

Claims (5)

  1. 内輪軌道及び軸方向一方に肩部を有する内輪と、外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に設けられている複数の転動体と、複数の前記転動体を周方向に間隔をあけて保持する保持器と、を備え、
    前記保持器は、前記転動体よりも軸方向一方に設けられている環状部と、前記環状部から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱部と、を有し、
    前記環状部は、前記肩部に滑り接触する接触面を有し、
    前記柱部は、前記環状部の外周側を含む部分から軸方向他方に延びて設けられている第一突出部と、前記環状部の内周側を含む部分から軸方向他方に前記第一突出部よりも短くなって延びて設けられていて前記内輪軌道のうちの前記肩部側の一部を覆う第二突出部と、を有する、転がり軸受。
  2. 前記接触面に、凹部が設けられている、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記環状部は、前記肩部との間に形成される隙間が軸方向に沿って均一であり当該肩部に接触可能である前記接触面と、当該接触面から軸方向一方に連続して設けられ軸方向一方に向かうにしたがって前記肩部から離れる逃げ面と、を有する、請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記第二突出部の径方向内側面と、前記接触面とは、連続していて、軸受中心線を中心とする仮想円筒面に沿って設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  5. 前記第一突出部の径方向内側面は、前記仮想円筒面よりも大径であって軸受中心線を中心とする第二の仮想円筒面に沿って設けられている、請求項4に記載の転がり軸受。
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