JP2021055596A - 車両の制御装置 - Google Patents

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健人 木谷
光浩 福原
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Abstract

【課題】車載の内燃機関の排気通路に装着された触媒のダイアグノーシスの精度の向上を図る。【解決手段】車両に搭載された内燃機関の排気通路に装着されている排気ガス浄化用の触媒の酸素吸蔵能力を推定し、その酸素吸蔵能力が閾値以上であるか否かを判定することで触媒が劣化しているかどうかを診断するものであって、車両が所在する場所の降雨または降雪の有無に応じて、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力を補正し、前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値を補正し、または前記酸素吸蔵能力の推定を開始するまでの遅延時間を変更する車両の制御装置を構成した。【選択図】図3

Description

本発明は、動力源として内燃機関が搭載されている車両を制御する制御装置に関する。
一般に、車載の内燃機関の排気通路には、内燃機関の気筒から排出される排気ガス中に含まれる有害物質HC、CO、NOxを酸化/還元して無害化する三元触媒が装着されている。
触媒の酸素吸蔵能力(OSC:O2 Storage Capacity)は、経年劣化により減退する。触媒による排気ガスの浄化能率は、触媒内に吸着できる酸素量に依存する。触媒の劣化が進行すると、排出される有害物質の量も増大する。一方で、触媒の劣化は、車両自体の運転性能にはほとんど影響を与えない。それ故、異常な排出ガス車が長期間、無意識に使用され続けるおそれがある。
そのような事象に対処するべく、触媒の経年劣化の度合いを自己診断するダイアグノーシス機能を車両に実装することが通例となっている(例えば、下記特許文献を参照)。具体的には、触媒から酸素を完全に放出した状態で、触媒に流入するガスの空燃比を強制的にリーンに操作し、触媒の上流に設置した空燃比センサの出力信号がリーンに切り替わってから触媒の下流に設置した空燃比センサの出力信号がリーンに切り替わるまでの期間に、触媒に吸蔵した酸素量を推計する。触媒の下流の空燃比センサの出力がリーンに反転した時点での酸素吸蔵量が、当該触媒の最大酸素吸蔵能力となる。
あるいは、触媒に酸素吸蔵能力一杯まで酸素を吸蔵した状態で、触媒に流入するガスの空燃比を強制的にリッチに操作し、触媒の上流の空燃比センサの出力信号がリッチに切り替わってから触媒の下流の空燃比センサの出力信号がリッチに切り替わるまでの期間に、触媒が放出した酸素の量を推計することもできる。触媒の下流の空燃比センサの出力がリッチに反転した時点の酸素放出量が、当該触媒の最大酸素放出能力、換言すれば最大酸素吸蔵能力ということになる。
触媒のダイアグノーシスにおいては、最大酸素吸蔵能力の推定値を閾値と比較し、前者が後者を下回ったならば触媒が劣化したと判断する。そして、触媒が劣化した旨を運転者に報知して、触媒の交換を促す。
特開2018−173005号公報
排気浄化用の触媒の酸素吸蔵能力は、そのときの触媒の温度の影響を受ける。現在の触媒の温度が低いほど、酸素吸蔵能力は低下する。触媒のダイアグノーシスを適正に実施するためには、触媒が十分に昇温していることが必要である。
しかしながら、車両が所在している場所の天候が降雨や降雪の状態であるときに、ダイアグノーシスを実施してしまうことがあり得る。そのような天候下では、車輪が跳ね上げる水や低温の外気により、触媒が冷却されてしまう。結果、触媒の酸素吸蔵能力が実態よりも低く見積もられ、触媒が未だ劣化していないにもかかわらずこれを劣化したものと誤判定する可能性が生じる。
本発明は、以上の問題に初めて着目してなされたものであって、触媒のダイアグノーシスの精度の向上を図ることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、車両に搭載された内燃機関の排気通路に装着されている排気ガス浄化用の触媒の酸素吸蔵能力を推定し、その酸素吸蔵能力が閾値以上であるか否かを判定することで触媒が劣化しているかどうかを診断するものであって、車両が所在する場所の降雨または降雪の有無に応じて、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力を補正し、前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値を補正し、または前記酸素吸蔵能力の推定を開始するまでの遅延時間を変更する車両の制御装置を構成した。
より詳しくは、車両が所在する場所で降雨または降雪がある場合、降雨または降雪がない場合と比較して、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力をより高く引き上げ、または前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値をより低く引き下げる。
した。
本発明によれば、車載の内燃機関の排気通路に装着された触媒のダイアグノーシスの精度をより一層向上させることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の制御装置が実施する触媒のダイアグノーシスのためのアクティブ制御の内容を説明するタイミング図。 同実施形態の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設けている。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよいし、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよい。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の車両の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関の吸気通路3(特に、サージタンク33または吸気マニホルド34)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、排気浄化用の触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、車両が所在する場所における降雨または降雪を検知するレインセンサから出力される降雨信号h、運転者が操作するワイパスイッチの状態を示すワイパスイッチ信号m等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、内燃機関の点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32の弁体を駆動するモータに対して開度操作信号k、EGRバルブ23の弁体を駆動するモータに対して開度操作信号l、車両のワイパを駆動するモータに対して制御信号w等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関及び車両の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、mを入力インタフェースを介して取得し、気筒1に吸入される新気(空気)量に見合った(理論空燃比またはその近傍に設定する標空燃比を具現するために必要な)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する点火の回数を含む)、要求EGR量(または、EGR率)、車両の窓を払拭するワイパの動作の必要の有無及びその動作速度等といった運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、wを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、気筒1に充填される混合気の空燃比、ひいては気筒1から排出され触媒41へと導かれる排気ガスの空燃比をフィードバック制御する。ECU0は、まず、吸気圧及び吸気温、エンジン回転数、要求EGR率等から、気筒1に充填される新気の量を算出し、これに見合った基本噴射量TPを決定する。
次いで、この基本噴射量TPを、触媒41の上流側及び/または下流側の空燃比に応じて定まるフィードバック補正係数FAFで補正する。一般に、フィードバック補正係数FAFは、空燃比センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比(平常時は理論空燃比の近傍)との偏差に応じて調整され、実測空燃比が目標空燃比に対してリーンであるときには増加し、実測空燃比が目標空燃比に対してリッチであるときには減少する。
そして、内燃機関の状況に応じて定まる各種補正係数Kや、インジェクタ11の無効噴射時間TAUVをも加味して、最終的な燃料噴射時間(インジェクタ11に対する通電時間)Tを算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。しかして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
触媒41の上流側及び/または下流側の空燃比信号f、gを参照したフィードバック制御は、例えば、内燃機関の冷却水温が所定温度以上であり、燃料カット中でなく、パワー増量中でなく、内燃機関の始動から所定時間が経過し、空燃比センサ43、43が昇温して活性中、吸気圧が正常である、等の諸条件が全て成立している場合に行う。
本実施形態のECU0は、触媒41の最大酸素吸蔵能力を推定するとともに、推定した最大酸素吸蔵能力値を劣化判定閾値と比較して、当該触媒41が正常であるか異常であるかを判定するダイアグノーシスを行う。
触媒41の酸素吸蔵能力は既知の任意の手法を採用して推算することができるが、ここではその一典型例を示す。内燃機関の気筒1に空燃比リーンの混合気を供給して触媒41の酸素吸蔵能力一杯まで酸素を吸蔵している状態から、気筒1に供給する混合気を意図的に空燃比リッチに操作するアクティブ制御を実行する。すると、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号(出力電流または出力電圧)fは即座に空燃比リッチを示す。これに対し、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力信号gは、上流の空燃比センサ43の出力信号fに遅れて空燃比リッチを示す。触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが空燃比リッチを示してから(または、混合気を空燃比リッチに操作してから)下流の空燃比センサ44の出力信号gが空燃比リッチを示すまでの間、触媒41に吸蔵していた酸素が放出されて酸素の不足が補われるためである。
触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが空燃比リッチを示してから、下流の空燃比センサ44の出力信号gが空燃比リッチを示すまでの間に経過した時間をTRとおき、このTRの間に供給した燃料の総重量をGF、理論空燃比とリッチ時の空燃比との差分をΔA/FRとおくと、TRの間に触媒41中で不足した酸素量は、
(α・ΔA/FR・GF
となる。αは、空気中に占める酸素の重量割合(≒0.23)である。
上式は、TRの時点までに触媒41が放出した酸素の量を表している。供給した燃料の総重量GFは、ECU0において演算することができる。即ち、一回の燃料噴射機会における燃料噴射量は、空燃比を理論空燃比よりもリッチな(14.6よりも小さい)所定値とするために必要な量であり、その噴射量に単位時間当たりの膨張行程回数(エンジン回転数に比例)を乗じれば、単位時間当たりの燃料供給量となる。そして、単位時間当たりの燃料供給量に経過時間TRを乗じれば、供給した燃料の総重量GFとなる。要するに、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力信号gが空燃比リッチを示した時点での経過時間TRに基づいて、触媒41の最大酸素放出能力を算出することが可能である。この最大酸素放出能力は、最大酸素吸蔵能力と同義である。
厳密には、TRの期間において、運転者のアクセル操作等に起因して単位時間当たりの燃料供給量(または、一回の燃料噴射量)は増減し得る。故に、TRの期間中の供給燃料の総重量GFは、単位時間当たりの供給量gF(t)をTRの範囲で時間積分して求めることが好ましい。また、本実施形態では、触媒41の上流にリニアA/Fセンサを配しており、触媒41に流入するガスの空燃比を実時間で計測することが可能である。よって、ΔA/FR(t)を理論空燃比とA/Fセンサ43を介して計測した実測空燃比との差分として、触媒41の最大酸素吸蔵能力を、TRの期間の時間積分として求めることができる。即ち、
α∫{ΔA/FR(t)・gF(t)}dt
あるいは、内燃機関の気筒1に空燃比リッチの混合気を供給して触媒41に酸素を全く吸蔵していない状態から、気筒1に供給する混合気を意図的に空燃比リーンに操作するアクティブ制御を実行する。すると、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fは即座に空燃比リーンを示す。これに対し、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力信号gは、上流の空燃比センサ43の出力信号fに遅れて空燃比リーンを示す。触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが空燃比リーンを示してから(または、混合気を空燃比リーンに操作してから)下流の空燃比センサ44の出力信号gが空燃比リーンを示すまでの間、過剰な酸素が触媒41に吸着するためである。
触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが空燃比リーンを示してから、下流の空燃比センサ44の出力信号gが空燃比リーンを示すまでの間に経過した時間をTLとおき、このTLの間に供給した燃料の総重量をGF、リーン時の空燃比と理論空燃比との差分をΔA/FLとおくと、TLの間に触媒41中で過剰となった酸素量は、
(α・ΔA/FL・GF
となる。
上式は、TLの時点で触媒41が吸蔵している酸素の量を表している。供給した燃料の総重量GFはやはり、ECU0において演算することができる。即ち、一回の燃料噴射機会における燃料噴射量は、空燃比を理論空燃比よりもリーンな(14.6よりも大きい)所定値とするために必要な量であり、その噴射量に単位時間当たりの膨張行程回数を乗じれば単位時間当たりの燃料供給量となる。そして、単位時間当たりの燃料供給量に経過時間TLを乗じれば、供給した燃料の総重量GFとなる。要するに、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力信号が空燃比リーンを示した時点での経過時間TLに基づいて、触媒41の最大酸素吸蔵能力を算出することが可能である。
厳密には、TLの期間において、運転者のアクセル操作等に起因して単位時間当たりの燃料供給量(または、一回の燃料噴射量)は増減し得る。故に、TLの期間中の供給燃料の総重量GFは、単位時間当たりの供給量gF(t)をTLの範囲で時間積分して求めることが好ましい。ΔA/FL(t)を理論空燃比とA/Fセンサ43を介して計測した実測空燃比との差分とすれば、触媒41の最大酸素吸蔵能力を、TLの期間の時間積分として求めることができる。即ち、
α∫{ΔA/FL(t)・gF(t)}dt
図2に示しているように、アクティブ制御では、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力信号gが所定のリッチ判定値に到達した、即ち出力gがリーンからリッチへと切り替わったタイミングで、制御目標空燃比をリーン側の所定空燃比に設定し、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが当該制御目標に対応した値をとるように燃料噴射量を補正する。これにより、触媒41に流入するガスの空燃比を強制的にリーン化する。そして、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが前記制御目標に対応した値に到達してから、下流の空燃比センサ44の出力信号gがリーン判定値に到達するまでの間の経過時間TL、即ち出力gが再度リーンへと切り替わるまでの経過時間TLを計測する。
並びに、触媒41の下流の空燃比センサ44の出力gがリッチからリーンへと切り替わったタイミングで、制御目標空燃比をリッチ側の所定空燃比に設定し、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが当該制御目標に対応した値をとるように燃料噴射量を補正する。これにより、触媒41に流入するガスの空燃比を強制的にリッチ化する。そして、触媒41の上流の空燃比センサ43の出力信号fが前記制御目標に対応した値に到達してから、下流の空燃比センサ44の出力信号gが所定のリーン判定値に到達するまでの間の経過時間TR、即ち出力gが再度リッチへと切り替わるまでの経過時間TRを計測する。
ECU0は、酸素吸蔵能力一杯まで酸素を吸蔵していた触媒41がその酸素の全てを放出するのに要した時間TR、及び、酸素を吸蔵していない触媒41が酸素吸蔵能力一杯まで酸素を吸蔵するのに要した時間TLをそれぞれ一回以上計測し、計測したTR、TLを基に最大酸素吸蔵能力(α・ΔA/FR・GF)、(α・ΔA/FL・GF)を算出して、それらの平均値を求める。
触媒41が劣化したか否かの判断は、当該触媒41の最大酸素吸蔵能力(の複数回の推算値の平均)を閾値と比較することにより行う。即ち、最大酸素吸蔵能力が閾値未満であれば、当該触媒41は既に劣化しており十分な性能を発揮できないものと診断される。触媒41が劣化しているとの判断を下したECU0は、触媒41の異常の旨を示す情報(ダイアグノーシスコード)をメモリに記憶保持するとともに、触媒41の異常の旨を運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様で出力して報知する。例えば、コックピット内のエンジンチェックランプを点灯させたり、ディスプレイに表示させたり、警告音を発したりして、触媒41の点検及び交換を促す。
触媒41のダイアグノーシスは、例えば、現在の内燃機関の冷却水温が所定以上に高く、現在のアクセル開度、気筒1に充填される吸気量、エンジン回転数、空燃比フィードバック制御による補正係数FAF、及び触媒41の温度がそれぞれ所定範囲内にある、等といった諸条件がおしなべて成立している(ステップS1)ことを前提として実施する。現在の触媒41の温度は、これを検出する温度センサを設置しているならば直接に計測できるが、さもなくば直近に内燃機関を始動してからの吸気量の累積値、燃料噴射量の累積値、現在の内燃機関の冷却水温等を基に推定する。
触媒41のダイアグノーシスは、一トリップ(イグニッションスイッチがONに操作されて内燃機関を始動してから、イグニッションスイッチがOFFに操作されて内燃機関を停止するまでの期間)毎に少なくとも一回実施することが好ましい。
但し、触媒41の酸素吸蔵能力は、現在車両が所在している場所の天候による影響を受ける。車両が所在している場所の天候が降雨または降雪状態であると、触媒41が冷却されてその温度が降下する。そして、触媒41の酸素吸蔵能力は、触媒41の温度が低くなるほど低減する。
温度センサを介して触媒41の温度を実測するならばさておき、内燃機関の始動後の吸気量または燃料噴射量の累積値、冷却水温等から現在の触媒41の温度を推定している場合には、その推定温度と現実の触媒41の温度とが乖離することがあり得る。触媒41の推定温度が十分に高い、即ち既に触媒41が活性していると見なして触媒41のダイアグノーシスを開始したときに、実際には触媒41が未だ低温であるとすると、当該触媒41の酸素吸蔵能力を実態よりも低く見積もることとなってしまい、劣化していない触媒41を劣化した触媒41と誤判定する可能性がある。
そこで、図3に示すように、本実施形態では、触媒41のダイアグノーシスを実施するべき所定の条件が成立したとき(ステップS1)、レインセンサの出力信号hを参照して降雨または降雪を検出している、またはワイパスイッチの出力信号mを参照して車両の窓を払拭するワイパを作動させている事実を感知(間接的に、降雨または降雪を検出)しているならば(ステップS2)、即時に平常のダイアグノーシスを開始する(ステップS4)のではなく、所要の処理を付加的に実行する(ステップS3)。ステップS3にいう付加処理とは、以下に列挙するものの一部または全部である:
(i)ステップS1の条件が成立してから触媒41のダイアグノーシスを開始するまでの間に遅延時間を設ける、またはその遅延時間を平常のダイアグノーシスよりも長く設定することにより、触媒41の昇温を待つ
(ii)閾値と比較するべき触媒41の酸素吸蔵能力(の複数回の推算値の平均)を、平常のダイアグノーシスよりも高く引き上げる
(iii)触媒41の酸素吸蔵能力(の複数回の推算値の平均)と比較するべき閾値を、平常のダイアグノーシスよりも低く引き下げる
(ix)ステップS1の条件が成立しているにもかかわらず、触媒41のダイアグノーシスを実施しない
ステップS3にて、上記(ii)を実行する場合には、車両が所在している場所の降雨または降雪の度合いが大きいほど、閾値と比較するべき触媒41の酸素吸蔵能力を高く補正することが考えられる。降雨または降雪の度合いは、既知の光学式レインセンサにより検出することが可能であり、または運転者がワイパスイッチを操作してワイパを低速作動させているか高速作動させているかに応じて推知することが可能である。
また、ステップS3にて、上記(iii)を実行する場合には、車両が所在している場所の降雨または降雪の度合いが大きいほど、触媒41の酸素吸蔵能力と比較するべき閾値を低く補正することが考えられる。
本実施形態では、内燃機関の排気通路4に装着される排気ガス浄化用の触媒41の上流側の空燃比を強制的に変動させてから下流側の空燃比が変動するまでの期間に触媒41の酸素吸蔵能力の推定を行い、その酸素吸蔵能力が閾値以上であるか否かを判定することで触媒41が劣化しているかどうかを診断するものであって、車両が所在する場所の降雨または降雪の有無に応じて、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力を補正し、前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値を補正し、または前記酸素吸蔵能力の推定を開始するまでの遅延時間を変更する車両の制御装置0を構成した。特に、車両が所在する場所で降雨または降雪がある場合、降雨または降雪がない場合と比較して、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力をより高く引き上げ、または前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値をより低く引き下げる。
本実施形態によれば、車両が所在している天候の影響を排除して、触媒41が劣化しているか否かを正しく診断することが可能となる。即ち、未だ劣化していない触媒41を劣化したものと誤判定するおそれが減少する。また、天候による誤判定の可能性が低下することにより、触媒41のダイアグノーシスを実施する機会を増やすことができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態には限られない。例えば、車両が所在している場所の降雨または降雪の有無を知得する手段として、触媒41が被水した事実を感知するセンサを用いてもよい。あるいは、車両の前方に存在する物体または路面の位置及び形状を検出するカメラ(単眼カメラやステレオカメラ)やレーダ(光波を用いるレーザレーダ、ミリ波レーダや音波を用いる超音波レーダ(ソナー))、車外の環境の明るさまたは照度を検出するセンサ(照度センサまたは日射センサ)等を用いてもよい。車両にGPS(Global Positioning System)やQZSS(Quasi−Zenith Satellite System)といった航法衛星システム(衛星測位システム)の航法信号受信装置を搭載しており、かつ電気通信回線と接続することが可能であるならば、車両が現在所在している場所の天候に関する情報を電気通信回線を介して外部から取得することもできる。
その他、各部の具体的構成や具体的な処理の手順は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
4…排気通路
41…触媒
43…触媒の上流の空燃比センサ
44…触媒の下流の空燃比センサ
f…触媒の上流の空燃比信号
g…触媒の下流の空燃比信号
h…降雨信号
m…ワイパスイッチの状態を示す信号
w…ワイパに対する制御信号

Claims (2)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に装着されている排気ガス浄化用の触媒の酸素吸蔵能力を推定し、その酸素吸蔵能力が閾値以上であるか否かを判定することで触媒が劣化しているかどうかを診断するものであって、
    車両が所在する場所の降雨または降雪の有無に応じて、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力を補正し、前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値を補正し、または前記酸素吸蔵能力の推定を開始するまでの遅延時間を変更する車両の制御装置。
  2. 車両が所在する場所で降雨または降雪がある場合、降雨または降雪がない場合と比較して、前記閾値と比較するべき前記酸素吸蔵能力をより高く引き上げ、または前記酸素吸蔵能力と比較するべき前記閾値をより低く引き下げる請求項1記載の車両の制御装置。
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