JP2021055387A - 外装用化粧部材の補修材および補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装用化粧部材の表面に貼り合せられた化粧シートが、経時的にあるいは環境条件によって品質が劣化したとき、劣化し部分を取り除き、絵柄を転写して外装用化粧部材の補修が行える補修材、および補修方法を提供する。【解決手段】基材剥離層11、絵柄インキ層12、粘着層13、剥離紙14がこの順で積層されて構成され、基材剥離層が、ポリプロピレンフィルム、または紙とポリプロピレンフィルムをラミネートしたラミネート紙であり、粘着層が、アクリル系樹脂を主鎖とし、イソシアネートにてウレタン架橋させた粘着層であり、所定の測定条件での粘着力が10N/25mm以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、外装用の化粧部材の補修材および補修方法に関するものである。特に、経時によって表面が劣化した住宅外装材に用いられる、金属を基板とする化粧部材表面を補修する部材および補修方法に関する。
印刷技術を、建築部材、特に内装部材や外装部材に応用することが、広く行なわれる様になっている。住宅あるいは店舗などの建築部材においては、床、天井、壁、家具などの内装部材に留まらず、外壁などの外装部材にも、天然の材料を表面に用いたものに代わって、印刷技術を応用して意匠性を施した化粧シートが広く使われる様になってきた。
外装部材としての用途においては、意匠性に加え、外部の環境において風雪雨、太陽光、排気ガス、飛来物などに晒されるため、耐候性、耐傷性、および耐汚染性などの特性が求められ、さらに耐久性も必要である。そのため、鋼板やアルミ板などの金属板を基材として、基材上に化粧シートを積層して絵柄層、表面保護層などを設けた構成としたものが一般的に使用されているが、積層された化粧シートの経時的な劣化が外装部材の大きな課題となっていた。
外装部材に積層される化粧シートの経時的な劣化の対策として、化粧シート自体の耐候性を向上させるために、化粧シートの表面保護層の材料としてアクリル系樹脂を用いることが多く、さらに耐候性を向上させるために、表面保護層には耐候性向上を目的として、紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤を用いることもある。
たとえば、特許文献1には、そういった耐候性向上のための添加成分の提案が記載されている。そして耐候性をより向上させるためには、それらの添加量を増やす必要がある。しかしながら、それらの添加材の種類によっては、化粧シート表面にブリードアウトするおそれもあり、化粧シートのコストアップにもつながるため、限界がある。また表面保護層自体あるいは添加剤自体が、経時的な劣化により分解して初期の性能が失われてしまうことも多い。
また経時劣化には、表面光沢の変化や退色などの外観の変化や、表面保護層にクラックが発生する、耐候性向上のための添加剤成分が減少して、耐候性能が低下するなどの現象も挙げられる。そのため、劣化した部分を取り去って、新たな部材を取り付ける補修が行われることがある。例えば特許文献2には、木質の床材の表面を切削して凹部を形成し、そこに補修用ピースを嵌めこむ補修方法が開示されている。しかし、金属板を基材とする外装材では、このような部分的な切削と嵌め込みを行うのは困難であった。
また特許文献3には、インクジェット塗装装置により、絵柄の不良箇所を補修する方法が開示されているが、同方法では高精度のインクジェット塗装装置が必要となるほか、化粧シートの経時的に劣化した部分を取り去ることができず、また表面保護層用の材料でインクジェット方式への適用が物性上難しいものもあり、また外装材は補修のために部分的に取り外すことが困難な場合があり、そのような場合には対応が難しい、など、活用が限定されてしまった。
また、劣化してしまった絵柄を、手描きで修復することも行われていたが、手間がかかり、品質のばらつきも大きいなどの問題があった。
特開2008−238444号公報 特開2001−159247号公報 特開2008−201072号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、金属板を基材とする外装用化粧部材の表面に貼り合せられた化粧シートが、経時的に品質が劣化し、あるいは環境条件によって劣化したとき、劣化し部分を取り除き、絵柄を転写することで容易に外装用化粧部材の補修が行える補修材、および補修方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一側面は、
外装用化粧部材の補修材であって、
基材剥離層、絵柄インキ層、粘着層、剥離紙がこの順で積層されて構成され、
前記基材剥離層が、ポリプロピレンフィルム、または紙とポリプロピレンフィルムをラミネートしたラミネート紙であり、
前記粘着層が、アクリル系樹脂を主鎖とし、イソシアネートにてウレタン架橋させた粘着層であり、かつ、下記の測定条件での粘着力が10N/25mm以上であることを特徴とする外装用化粧部材の補修材である。
測定条件:幅25mm、長さ100mmの試料片を、基材(SUS304板)に2Kgのローラを1往復させて圧着し、引張試験機にて180°方向に300mm/minの速度で測定。
また本発明の第2の側面は、
金属板を基材とし、該基材上に絵柄が形成された化粧シートが積層された外装用化粧部材の補修方法であって、
外装用化粧部材から化粧シートの劣化部分を研磨して除去し、
請求項1に記載の補修材の剥離紙を剥離し、化粧シートの劣化部分を研磨して除去した部位に粘着層を貼着し、基材剥離層を剥離して粘着層と絵柄インキ層を前記基材上に転写し、
転写された絵柄インキ層上に、耐候塗料を塗布する、または透明耐候タックフィルムを積層することを特徴とする、外装用化粧部材の補修方法である。
上記外装用化粧部材の補修方法において、
粘着層と絵柄インキ層を前記基材上に転写した後、前記絵柄インキ層上に下塗り塗工層を設け、該下塗り塗工層上に、耐候塗料を塗布し、または透明耐候タックフィルムを積層しても良い。
上記外装用化粧部材の補修方法において、
化粧シートの劣化部分を研磨して除去した部位に、下塗り塗工層を設けた後、該下塗り塗工層上に、前記補修材から粘着層と絵柄インキ層を転写しても良い。
本発明によれば、鋼板やアルミ板などの金属板を基材とし、絵柄インキ層を有する化粧シートを積層した外装用化粧部材の、化粧シートが経時劣化などにより品質が劣化した際に、化粧シートから劣化した部分を研磨により除去し、補修材から粘着層と絵柄インキ層を転写し、表面保護層として耐候塗料を塗布し、または透明耐候タックフィルムを積層す
ることで容易に劣化部分の補修が行える補修材、および補修方法を提供できる。
本発明の補修材の一実施形態の断面模式図。 本発明の補修方法での劣化部分の除去工程の模式図。 本発明の補修方法の一実施形態の転写工程の模式図。 本発明の補修材の一実施形態で補修された外装用化粧部材の例の断面模式図。 本発明の補修方法の第二の実施形態の転写工程の模式図。 本発明の補修方法の第三の実施形態の転写工程の模式図。 本発明の補修方法の第四の実施形態の転写工程の模式図。 本発明の補修方法の第五の実施形態の転写工程の模式図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下において、同等の部材等には同一の符号を付して説明を省略することがある。
図1は、本発明の補修材の一実施形態の断面模式図である。補修材1は、紙にポリプロピレン(PP)フィルムをラミネートしたラミネート紙製の基材剥離層11に、絵柄インキ層12、粘着層13、剥離紙14が順次積層されて構成されている。剥離紙14は、補修材1を補修しようとする外装用化粧部材に貼り付ける際に剥離して、粘着層13を露出させる。基材剥離層11は、補修材1を外装用化粧部材に貼着した後に剥離し、絵柄インキ層12を露出させる。絵柄インキ層12から剥離しやすい様に絵柄インキ層12側がPPフィルムとなっている。すなわち補修材1は、表裏に剥離シートが設けられた転写シールの形態となっている。なお基材剥離層11は紙とラミネートされないフィルムのみで構成されても良い。
絵柄インキ層12の絵柄は、補修する外装用化粧部材の絵柄に合わせて適宜設ければよく、グラビア印刷、インクジェット印刷その他の公知の印刷方法、塗工方法から適宜選択した方法で設けることができる。絵柄インキ層12は、特に限定するものではないが、ウレタン系、塩酢ビ系の樹脂をバインダー樹脂としたものとすると好ましい。
粘着層13は、外装用化粧部材に使用したときに十分な耐候性、耐熱性をもたせるため、アクリル系樹脂を主鎖とし、イソシアネートにてウレタン架橋させた粘着層とする。その粘着力は、下記の測定条件での粘着力が10N/25mm以上であるものとする。
測定条件:幅25mm、長さ100mmの試料片を、基材(SUS304板)に2Kgのローラを1往復させて圧着し、引張試験機にて180°方向に300mm/minの速度で測定。
これにより、外装用化粧部材に使用したとき、剥がれ難く、十分な耐候性、耐熱性を有するものとすることができる。
続いて本発明の補修材を用いた補修方法について説明する。図2は、本発明の補修方法での劣化部分の除去工程の模式図である。本発明の補修方法の工程としては第1の工程であり、以下に説明する各実施形態において共通に実施する工程となる。すなわち、外装用化粧部材10の金属製の基材15の表面に形成された化粧シート16の劣化した部分を研磨具17で研磨して除去する工程である。
補修の対象となる外装用化粧部材10は、少なくとも、鋼板やアルミ板などの金属製の基材15上に化粧シート16が積層されている構成である。また特に図示しないが、これ
以外にも、基板15と化粧シート16の間に基板15の金属光沢を隠蔽するために有色シート等が積層されたり、化粧シート16の表面に保護シートが積層されたりしたものであっても良い。
研磨具17は、化粧シート16表面を往復移動させるなどして研磨するもので、特に限定されないが、ヤスリ、研磨紙、電動サンダーなどが例示できるが、これらを組み合わせて用いても良い。化粧シート16を研磨する場合、研磨して除去する量は、化粧シート16の劣化具合に応じて適宜設定すれば良く、化粧シート16の一部が残る様に除去しても、完全に除去して基板15が露出する様にしても良く、また基板15と化粧シート16の間に上述の有色シート等が積層されている場合は、有色シートを残す様に研磨しても良い。
劣化した化粧シート16を除去した後の工程について、続いて説明する。図3は、本発明の補修方法の一実施形態の転写工程の模式図である。化粧シート16が除去された基材15に、図1に例示した本発明の補修材から剥離紙14を剥離したものを、粘着層13が基材15側となる様に貼り付け、基材剥離層11を剥がして絵柄インキ層12を基材15上に転写する(第2工程)。このとき粘着層13の粘着力を、前述の様に10N/25mm以上とすることで、補修した部分を剥がれ難く、十分な耐候性、耐熱性を有するものとすることができる。
次いで、絵柄インキ層12上に、表面保護層として透明耐候タックフィルム18を積層する(第3工程)。透明耐候タックフィルム18は粘着性を有するフィルムであり、これを貼り付けることで補修された外装用化粧部材自体を十分な耐久性、耐候性を有するものとすることができる。透明耐候タックフィルム18としては、例えば耐候処方を施したアクリルフィルム、オレフィン系フィルムなどが例示できる。
図4は以上の様にして補修された外装用化粧部材の例の断面模式図である。金属製の基材15、有色層としてオレフィン系樹脂の着色フィルム層21を残して研磨された部分に、粘着層13、絵柄インキ層12が積層され、さらに表面保護層として透明耐候タックフィルム18が積層された態様となる。なお図において各層が階段状に図示されているのは見やすさのためであって、実際に階段状に設けられているわけではなく、必要な部分を全て覆う様に設けられている。
以上説明したように、本発明による外装用化粧部材の補修材および補修方法によれば、金属性の基材15の表面に化粧シート16が積層された外装用化粧部材10において、施工してから年月が経ち、あるいは環境条件によって劣化した化粧シート16の劣化した部分を研磨により除去し、代わりに補修材1から粘着層13、絵柄インキ層12を転写して貼り合わせることで、容易に外装用化粧部材を補修し、再生する方法を提供することが可能である。
図5は、本発明の補修方法の第二の実施形態の転写工程の模式図である。前述の第1の工程で化粧シートの劣化部分を除去後、前述の実施形態と同様に補修材から剥離紙14を剥離したものを、粘着層13が基材15側となる様に貼り付け、基材剥離層11を剥がして絵柄インキ層12を基材15上に転写する(第2工程)。次いで、絵柄インキ層12上に、下塗り塗工層20を設ける(第3工程)。下塗り塗工層20は、絵柄インキ層12とその上層に積層される表面保護層との密着性を向上させるための浸透シーラーの塗工層である。下塗り塗工層20は、特に限定するものではないが、刷毛塗り塗工、ローラ塗工、スプレー塗工などの塗工方法により好適に設けることができる。
浸透シーラーとしては、例えば水性シーラーでは、SKクリヤーシーラー、SK水性弾
性シーラー、ミラクシーラーエコ(エスケー化研株式会社)、スーパープライマーE、K’s水系シールエース、浸透性プライマーE(菊水化学工業株式会社)、水性透明・ホワイトシーラー、ウルトラシーラーIII、水性カチオンシーラー(日本ペイント株式会社)、エマルション建築シーラー、カチオンシーラーマルチII(ロックペイント株式会社)など、油性シーラーとしては、一液マイルドシーラーES、マイルドシーラーEPO、ミラクシーラーES、ミラクシーラーEPO(エスケー化研株式会社)、キクスイプライマーEPW(菊水化学工業株式会社)、1液浸透シーラー、1液ベストシーラー、ファイン浸透シーラー(日本ペイント株式会社)、エポシーラーマルチ、ユメロックシーラー、変成エポキシシーラー(ロックペイント株式会社)などが例示できるが、これらに限定されず、塗工される層および積層される層の素材に応じて適宜選択できる。
次いで、下塗り塗工層20上に表面保護層として耐候塗料からなる上塗り塗工層19を設ける(第4工程)。上塗り塗工層19には、フッ素系、アクリル系、シリコン系、ウレタン系のいずれかの樹脂を主成分とする塗工層を、5〜100μmの厚さで形成するものである。
上塗り塗工層19には、たとえば、塗料の商品の例として、ピュアライドUVプロテクトクリヤー、ピュアライドUVプロテクト4Fクリヤー、パーフェクトトップ、ファインSi、ファインウレタンU100(日本ペイント株式会社)、アレスアクアグロス、アレスアクアレタン、アレスアクアシリコンAC2、シリコンテックス、ビニデラックス、アクアヤネフッソ、アクアヤネシリコン、セラMレタン、セラMシリコン、セラMシリコン2、ムキフッソ、コスモマイルドシリコン2、ヤネMシリコン、スーパーシリコンルーフペイント(関西ペイント株式会社)、ボンフロン水性UVカットクリヤー、ボンフロン弱溶剤エナメルGT、ボンフロン・マットGT−SR防藻、ボンフロンDEつち主剤(ベース)、ボンフロンパレ主剤(AGCコーテック株式会社)などが使用可能である。上塗り塗工層19は、特に限定するものではないが、刷毛塗り塗工、ローラ塗工、スプレー塗工などにより塗工後、乾燥させることで好適に設けることができる。
図6は、本発明の補修方法の第三の実施形態の転写工程の模式図である。本実施形態においては、第3工程までは前述の第2の実施形態と同様であり、第4工程において第1の実施形態と同様の透明耐候タックフィルム18を積層するものである。透明耐候タックフィルム18は貼り付けた後に乾燥させる必要がないため工程をより効率的にできる。
図7は、本発明の補修方法の第四の実施形態の転写工程の模式図である。本実施形態においては、前述の第1の工程で化粧シートの劣化部分を除去後、下塗り塗工層20をまず設ける(第2工程)。次いで補修材から剥離紙14を剥離したものを、粘着層13が基材15側となる様に貼り付け、基材剥離層11を剥がして粘着層13、絵柄インキ層12を下塗り塗工層20上に転写する(第3工程)。この場合、下塗り塗工層20は基材15と粘着層の密着性を向上させる。次いで転写された絵柄インキ層12上に表面保護層となる耐候塗料からなる上塗り塗工層19を設ける(第4工程)。
図8は、本発明の補修方法の第五の実施形態の転写工程の模式図である。本実施形態においては、第3工程までは前述の第四の実施形態と同様であり、第4工程において第1の実施形態と同様の透明耐候タックフィルム18を積層するものである。
このように、本発明による補修材および補修方法によれば、金属製の基材に化粧シートを貼り合せた外装用化粧部材において、施工してから年月が経ち、あるいは環境条件によって劣化した化粧シート部分を研磨により除去し、転写シール状の補修材を貼り付けることで劣化した表面を補修し、外装用化粧部材を容易に再生または延命をすることが可能な補修材および補修方法を提供することが可能である。
以下に実施例で本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
(補修材の作製)
転写シールの形態の補修材として、基材剥離層であるコロナ処理等の易接着加工をしていないポリプロピレンフィルムに、ウレタン系インキ(ラミスター、東洋インキ株式会社製)を使用して、グラビア印刷法により、木目柄の印刷を行い、絵柄インキ層とした。
剥離紙として、片面に剥離処理(ダイレクトシリコンコート)を施したグラシン紙セパレータ(坪量70g/m)を用い、その剥離処理面側に、アクリル系粘着剤(オリバイン5762K、東洋インキ株式会社製)100部に対してポリイソシアネート系硬化剤(BXX5627、東洋インキ株式会社製)を1.4部添加したものをグラビア印刷法にて25g/mの塗布量で塗工して粘着層とし、上記の絵柄インキ層と貼合わせ、補修材とした。
(補修方法)
経年劣化により化粧シートの絵柄が焼失した外装用化粧部材の化粧シート部分を、#80の研磨紙を装着した電動サンダーで研磨し、さらに#1000の研磨紙を用いて仕上げ研磨し、研磨した表面を水で洗浄した。研磨・洗浄した部分に、上記の補修材を用いて絵柄インキ層を貼り付けて転写し、さらに表面保護層として透明クリア塗料(ピュアライドUVプロテクトクリア 下塗り/上塗り、日本ペイント株式会社製)を、スプレー塗工により塗装し仕上げた。
(評価)
1) 絵柄転写性能
上記補修方法により、補修材から正常に転写された絵柄インキ層の面積比率を求めた。
判定 合格:70%以上 不合格:70%未満
2) 耐候性
メタルウェザー(ダイプラウィンテス(株)製)にて下記の条件で試験を行った。
ライトモード:照度65mW/cm、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、20時間
湿潤モード:ブラックパネル温度30℃、湿度98%、4時間
湿潤モードの前後に、シャワー30秒
上記を1サイクルとし、13サイクル実施。
判定 外観に異常あり(クラック、黄変、チョーキング、剥離):不合格
外観に僅かな白化確認:△
外観に異常なし:合格
<実施例2>
実施例1と同様の補修材を用い、補修方法として、表面保護層を超耐候透明タックシートとした以外は、実施例1と同様の方法で補修を行い、同様に評価を行った。
ここで、超耐候透明タックシートは以下の様に作製した。
・透明フィルム基材として、立体規則性の低いホモポリプロピレン「TPO」(株式会社プライムポリマー製、MFR4.5g/10min)を用い、これにトリアジン系紫外線吸収剤「TINUVIN1600」(BASFジャパン株式会社製)0.5重量%と、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤「TINUVINXT850」(BASFジャパン株式会社製)0.5重量%を添加したものを用意した。
・さらに、前記透明フィルム基材の表面にコロナ処理を施した後、表面保護層として、メチルメタクリレートモノマー80重量部とシクロヘキシルメタクリレート20重量部の混合物からなるアクリル系樹脂組成物を主成分とし、トリアジン系紫外線吸収剤「アデカス
タブLA−46」(株式会社ADEKA製)6重量部、「TINUVIN479」(BASFジャパン株式会社製)6重量部、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(BASFジャパン株式会社製)5重量部、および固形分調整用に酢酸エチル溶剤を添加した固形分量33重量%の主剤溶液と、
固形分調整用に酢酸エチル溶剤を添加した固形分量75重量%のヘキサメチレンジイソシアネート型硬化剤溶液を、
前記主剤溶液と前記硬化剤溶液の比率が10:1となる様に混合し、
さらに溶剤成分として酢酸エチルを添加して固形分量を20重量%に調整した塗工液を、溶剤揮発後の厚さで9μmとなる様に塗工した。
<実施例3>
補修材の絵柄インキ層を、塩酢ビインキ(VKNTインキ、東洋インキ株式会社製)とした以外は実施例1と同様の構成とし、同様の評価を行った。
<比較例1>
補修材の粘着層を、アクリル系粘着剤(サイアバインSH−101、東洋インキ株式会社製)とした以外は実施例1と同様とし、同様に評価を行った。
<比較例2>
実施例1と同様の補修材を用いて絵柄インキ層を貼り付けて転写した後、表面保護層を設けない構成として外装用化粧部材を作製し、同様に評価を行った。
結果を表1にまとめる。表1から明らかな様に、各実施例の外装用化粧部材は、絵柄の転写性が良く、かつ耐候性に優れるものが得られた。一方比較例においては、十分な耐候性が得られないか、絵柄の転写自体がうまくできなかった。
Figure 2021055387
1・・・補修材
10・・・外装用化粧部材
11・・・基材剥離層
12・・・絵柄インキ層
13・・・粘着層
14・・・剥離紙
15・・・基材
16・・・化粧シート
17・・・研磨具
18・・・透明耐候タックフィルム
19・・・上塗り塗工層
20・・・下塗り塗工層
21・・・着色フィルム層

Claims (4)

  1. 外装用化粧部材の補修材であって、
    基材剥離層、絵柄インキ層、粘着層、剥離紙がこの順で積層されて構成され、
    前記基材剥離層が、ポリプロピレンフィルム、または紙とポリプロピレンフィルムをラミネートしたラミネート紙であり、
    前記粘着層が、アクリル系樹脂を主鎖とし、イソシアネートにてウレタン架橋させた粘着層であり、かつ、下記の測定条件での粘着力が10N/25mm以上であることを特徴とする外装用化粧部材の補修材。
    測定条件:幅25mm、長さ100mmの試料片を、基材(SUS304板)に2Kgの
    ローラを1往復させて圧着し、引張試験機にて180°方向に300mm/
    minの速度で測定。
  2. 金属板を基材とし、該基材上に絵柄が形成された化粧シートが積層された外装用化粧部材の補修方法であって、
    外装用化粧部材から化粧シートの劣化部分を研磨して除去し、
    請求項1に記載の補修材の剥離紙を剥離し、化粧シートの劣化部分を研磨して除去した部位に粘着層を貼着し、基材剥離層を剥離して粘着層と絵柄インキ層を前記基材上に転写し、
    転写された絵柄インキ層上に、耐候塗料を塗布する、または透明耐候タックフィルムを積層することを特徴とする、外装用化粧部材の補修方法。
  3. 粘着層と絵柄インキ層を前記基材上に転写した後、前記絵柄インキ層上に下塗り塗工層を設け、該下塗り塗工層上に、耐候塗料を塗布し、または透明耐候タックフィルムを積層することを特徴とする請求項2に記載の外装用化粧部材の補修方法。
  4. 化粧シートの劣化部分を研磨して除去した部位に、下塗り塗工層を設けた後、該下塗り塗工層上に、前記補修材から粘着層と絵柄インキ層を転写することを特徴とする請求項2に記載の外装用化粧部材の補修方法。
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