JP2021054906A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性と耐ブロー性能がバランスよく改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド面を構成する第一層と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層とを備えたトレッドを有するタイヤであって、前記第一層は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分および樹脂成分を含有するゴム組成物により構成され、前記第二層は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分、並びに樹脂成分を含有するゴム組成物により構成されるタイヤ。【選択図】図2

Description

本発明は、グリップ性能と耐ブロー性能がバランスよく改善されたタイヤに関する。
トレッドゴム内部の微小空気が、高速走行の繰り返しによるゴム自体の発熱で膨張し、ゴムが劣化してスポンジ状となってしまうことがある。これをタイヤのブローないしブローアウトという。ブローが発生すると、タイヤのグリップ性能は著しく低下し、また、摩耗が急激に進行する。かかるブローを防止するための方策として、発熱を抑えたゴムが使用されることがある。
また、高性能タイヤのグリップ性能を向上させるために、軟化剤の一部または全部を液状ポリマーに置換する試みが行われている。しかしながら、架橋が不充分となったり、発熱が大きいためブローが発生したり、耐摩耗性能が低下するという問題がある。
特許文献1では、水素添加した液状ポリマーを使用することにより、グリップ性能と耐摩耗性能との両立が図られているが、グリップ性能と耐ブロー性能とを両立する点については改善の余地がある。また、液状ポリマーの部分水素添加は、技術的に高度であるためコストが非常に高くなるという問題がある。
特開2005−225946号公報
本発明は、耐久性と耐ブロー性能がバランスよく改善されたタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、トレッド面を構成する第一層(典型的にはキャップトレッド)と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層(典型的にはベーストレッドまたはアンダートレッド)とを備えたトレッドにおいて、第一層および第二層を構成するゴム組成物を特定の配合とすることにより、前記第一層および第二層が良好な接着性を有しタイヤの耐久性が向上すること、さらに耐ブロー性能をも改善することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
〔1〕トレッド面を構成する第一層と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層とを備えたトレッドを有するタイヤであって、前記第一層は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分および樹脂成分を含有するゴム組成物により構成され、前記第二層は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分、並びに樹脂成分を含有するゴム組成物により構成されるタイヤ、
〔2〕前記第一層の厚みt1に対する前記第二層の厚みt2の割合(t2/t1)が5/95〜60/40である、〔1〕記載のタイヤ、
〔3〕前記第一層を構成するゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量よりも多い、〔1〕または〔2〕記載のタイヤ、
〔4〕前記第一層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量よりも多い、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のタイヤ、
〔5〕前記第一層および前記第二層を構成するゴム組成物がフィラーを含有し、かつ前記第一層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量よりも多い、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタイヤ、
〔6〕前記第二層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のタイヤ、
〔7〕前記第二層を構成するゴム組成物が液状ポリマーを含有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のタイヤ、
〔8〕前記第二層を構成するゴム組成物が石油樹脂を含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のタイヤ、
〔9〕前記第一層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のタイヤ、に関する。
本発明によれば、トレッド面を構成する第一層(典型的にはキャップトレッド)と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層(典型的にはベーストレッドまたはアンダートレッド)とを備えたトレッドにおいて、第一層および第二層を構成するゴム組成物を特定の配合とすることにより、耐久性および耐ブロー性能に優れたタイヤが提供される。また、好ましい態様においては、グリップ性能も向上する。
図1は、本開示の一実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのトレッドの一部が示された拡大断面図である。
本開示の一実施形態であるタイヤは、トレッド面を構成する第一層と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層とを備えたトレッドを有し、前記第一層は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分および樹脂成分を含有するゴム組成物、前記第二層は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分、並びに樹脂成分を含有するゴム組成物によりそれぞれ構成される。また、前記第一層の厚みt1に対する前記第二層の厚みt2の割合(t2/t1;以下「ゲージ比率」と称することがある)が50/95〜50/50であることが好ましい。
本開示のタイヤは、以下のメカニズムにより、耐久性および耐ブロー性能が向上するものと考えられる。第一層と第二層との接着性を向上させるために、その両方にスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分を配合することにより耐久性を向上させる。さらに、スチレンブタジエンゴムと樹脂成分によって発熱性が上昇する分、第二層のスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分の配合量を相対的に少なくし、かつ、第二層に低発熱性の天然ゴムおよびブタジエンゴムを配合することにより、第二層の発熱性を下げ、それによってトレッド全体の発熱性を下げ、その結果、耐ブロー性能を向上させることができる。
本開示の一実施形態であるゴム組成物の作製を含むタイヤの作製手順について、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「〜」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
図1に、本開示の一実施形態であるタイヤを例示するが、これに限定されるものではない。図1には、このタイヤの、周方向に対して垂直な断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤの半径方向であり、左右方向がタイヤの軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤの周方向である。図1において、一点鎖線CLは、タイヤの赤道面を表わす。このタイヤの形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
トレッドは、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッドは、路面と接地するトレッド面を形成する。トレッドには、溝が刻まれている。この溝により、トレッドパターンが形成されている。図1には示されないが、このトレッドは、複数の層を有している。
図2は、図1のタイヤのトレッドの一部が示された拡大断面図である。図2には、図1のトレッドのうち、そのトレッド面に溝が形成されていない部分が、拡大して示されている。図2において、上下方向がタイヤの半径方向であり、左右方向がタイヤの軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤの周方向である。
図示される通り、このタイヤのトレッドは、第一層および第二層を備え、第一層の外面がトレッド面を構成し、第二層が第一層の半径方向内側に隣接している。第一層は、典型的にはキャップトレッドに相当する。第二層は、典型的にはベーストレッドまたはアンダートレッドに相当する。また、本発明の目的が達成される限り、第二層とベルトの外側層との間に、さらに1または2以上のゴム層を有していてもよい。
図2において、両矢印t1は第一層の厚みであり、両矢印t2は第二層の厚みである。図2には、溝が形成されていないトレッド面上の任意の点が、記号Pとして示されている。記号Nで示される直線は、点Pを通り、この点Pにおける接平面に垂直な直線(法線)である。本明細書では、厚みt1およびt2は、図2の断面において、溝が存在しない位置におけるトレッド面上の点Pから引いた法線Nに沿って測定される。
ゲージ比率t2/t1は、耐ブロー性能の観点から5/95以上が好ましく、8/92以上がより好ましく、10/90以上がさらに好ましく、12/88以上が特に好ましい。また、グリップ性能の観点からは、60/40以下が好ましく、55/45以下がより好ましく、50/50以下がさらに好ましく、40/60以下が特に好ましい。
本開示において、第一層の厚みt1は特に限定されず、前記のゲージ比率を満たす範囲で好適に設定されるが、グリップ性能の観点から、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。耐ブロー性能の観点からは、6.0mm以下が好ましく、5.5mm以下がより好ましい。
本開示において、第二層の厚みt2は特に限定されず、前記のゲージ比率を満たす範囲で好適に設定されるが、耐ブロー性能の観点から、0.4mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.6mm以上がさらに好ましく、0.7mm以上が特に好ましい。グリップ性能の観点から、2.7mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、2.0mm以下がさらに好ましく、1.5mm以下が特に好ましい。
本開示では、特に言及された場合を除き、タイヤの各部材の寸法および角度は、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。なお、本明細書において「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”とする。本明細書において「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”とする。
[トレッド第一層]
上述のように、トレッド第一層は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分および樹脂成分を含有するゴム組成物により構成される。
<ゴム成分>
第一層を構成するゴム組成物は、ゴム成分としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を含有する。また、ブタジエンゴム(BR)およびイソプレン系ゴムを含有することが好ましい。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S−SBR)、乳化重合SBR(E−SBR)、これらの変性SBR(変性S−SBR、変性E−SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS−SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。これらSBRは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示で使用できるS−SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、ZSエラストマー(株)等によって製造販売されるS−SBRが挙げられる。
SBRのスチレン含量は、グリップ性能および耐摩耗性能の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、グリップ性能の温度依存性および耐ブロー性能の観点からは、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRのスチレン含有量は、1H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル結合量は、シリカとの反応性の担保、ゴム強度や耐摩耗性能の観点から10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル結合量は、温度依存性の増大防止、ウェットグリップ性能、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRのビニル結合量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、グリップ性能および耐ブロー性能の観点から、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は200万以下が好ましく、180万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
第一層を構成するゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、グリップ性能および耐ブロー性能の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましい。また、SBRのゴム成分中の含有量の上限値は特に制限されず、100質量%としてもよい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス1,4結合含有率が50%未満のBR(ローシスBR)、シス1,4結合含有率が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR150L、JSR(株)製のBR730等が挙げられる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)製のBUNA−CB25等が挙げられる。
SPB含有BRは、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のVCR−303、VCR−412、VCR−617等が挙げられる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの活性末端に縮合アルコキシシラン化合物を有するブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。このような変性BRとしては、例えば、ZSエラストマー(株)製のBR1250H(スズ変性)、S変性ポリマー(シリカ用変性)等が挙げられる。
BRの重量平均分子量(Mw)は、グリップ性能および耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
第一層を構成するゴム成分がBRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、グリップ性能の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、BRを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上とすることができる。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
第一層を構成するゴム成分がイソプレン系ゴム(好ましくは天然ゴム、より好ましくは、非改質天然ゴム(NR))を含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、グリップ性能の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、イソプレン系ゴムを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上とすることができる。
(その他のゴム成分)
本開示に係るゴム成分として、前記のSBR、BRおよびイソプレン系ゴム以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、ゴム工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これらその他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<フィラー>
第一層を構成するゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラックおよび/またはシリカを含有することが好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、ゴム工業において一般的なものを適宜利用することができる、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、破断時伸びの観点から、50m2/g以上が好ましく、70m2/g以上がより好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、200m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2「ゴム用カーボンブラック基本特性−第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」に準じて測定された値である。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、補強性の観点から、30mL/100g以上が好ましく、50mL/100g以上がより好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、400mL/100g以下が好ましく、350mL/100g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K 6221に準じて測定される値である。
第一層を構成するゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、グリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上が特に好ましい。また、カーボンブラックの含有量の上限は特に限定されないが、低燃費性能や耐摩耗性能の観点から、150質量部以下が好ましく、140質量部以下がより好ましく、130質量部以下がさらに好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、低燃費性能および耐摩耗性能の観点から、140m2/g以上が好ましく、170m2/g以上がより好ましく、200m2/g以上がさらに好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
第一層を構成するゴム組成物がシリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、150質量部以下が好ましく、130質量部以下がより好ましく、110質量部以下がさらに好ましく、90質量部以下が特に好ましい。
シリカとカーボンブラックのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、耐摩耗性能の観点から、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、60質量部以上がさらに好ましい。また、低燃費性能および破断時伸びの観点からは、180質量部以下が好ましく、160質量部以下がより好ましく、140質量部以下がさらに好ましい。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤の具体例としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するシランカップリング剤;;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、モメンティブ社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60、NXT−Z100、エボニックデグサ社製のSi363等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル基を有するシランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系のシランカップリング剤;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系のシランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系のシランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、スルフィド基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、およびチオエステル基を有するシランカップリング剤が好ましく、メルカプト基を有するシランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第一層を構成するゴム組成物がシランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、12質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、9.0質量部以下が特に好ましい。
フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ以外に、さらにその他のフィラーを用いてもよい。そのようなフィラーとしては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー等この分野で一般的に使用されるフィラーをいずれも用いることができる。これらのフィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<樹脂成分>
第一層を構成するゴム組成物は、樹脂成分として粘着性樹脂を含有する。粘着性樹脂としては、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン系樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。かかる樹脂成分を配合することにより、第一層を構成するゴム組成物と第二層を構成するゴム組成物が、良好な接着性を発揮する。なかでも石油樹脂が好適に用いられる。
石油樹脂としては、特に限定されないが、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂が挙げられ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脂肪族系石油樹脂としては、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂(C5系石油樹脂とも称される。)を用いることができる。芳香族系石油樹脂としては、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂(C9系石油樹脂とも称される。)を用いることができる。脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂としては、上記C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂(C5C9系石油樹脂とも称される。)が用いられる。また、前記の石油樹脂を水素添加したものを使用してもよい。なかでもC5C9系石油樹脂が好適に用いられる。
C5C9系石油樹脂としては、例えば、LUHUA社製のPRG−80、PRG−140、Qilong社製のG−100、東ソー(株)製のペトロタック(登録商標)60、ペトロタック70、ペトロタック90、ペトロタック100、ペトロタック100V、ペトロタック90HM等の市販品が好適に用いられる。
テルペン系樹脂は、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂等の他の粘着性樹脂よりもSP値が低く、その値がSBR(SP値:8.9)とBR(SP値:8.2)の間にあり、ゴム成分との相溶性の観点から好ましい。なかでもテルペンスチレン樹脂は、SBRとBRの両方に対して特に相溶性がよく、ゴム成分中に硫黄が分散しやすくなることから、好適に用いられる。
ポリテルペン樹脂は、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種を原料とする樹脂である。テルペンフェノール樹脂は、前記テルペン化合物およびフェノール系化合物を原料とする樹脂である。テルペンスチレン樹脂は、前記テルペン化合物およびスチレンを原料とする樹脂である。ポリテルペン樹脂およびテルペンスチレン樹脂は、水素添加処理を行った樹脂(水添ポリテルペン樹脂、水添テルペンスチレン樹脂)であってもよい。テルペン系樹脂への水素添加処理は、公知の方法で行うことができ、また市販の水添樹脂を使用することもできる。
テルペン系樹脂は、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本開示では、テルペン系樹脂は市販品が用いられてもよい。このような市販品は、ヤスハラケミカル(株)等によって製造販売されるものが例示される。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
クマロン系樹脂は、クマロンを主成分する樹脂であり、例えば、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、クマロンとインデンとスチレンを主成分とする共重合樹脂等が挙げられる。
樹脂成分のゴム成分100質量部に対する含有量は、接着性能およびグリップ性能の観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましく、2.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能およびグリップ性能の観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。
樹脂成分の軟化点は、グリップ性能の観点から、160℃以下が好ましく、145℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、軟化点は、グリップ性能の観点から、20℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。なお、本開示において、軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。また、レース用タイヤにおいて好ましく使用されるコレシン(軟化点:145℃、BASF社製)は、グリップ性能に優れる一方、設備との強粘着の問題が生じやすく、本分岐アルカンは、良好な金属離型性を示す。
樹脂成分の重量平均分子量(Mw)は、揮発しにくく、グリップ性能が良好である点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。また、該Mwは、15000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、8000以下がさらに好ましい。
樹脂成分のSP値は、ゴム成分(特にSBR)との相溶性が優れる点から、8〜11の範囲が好ましく、8〜10の範囲がより好ましく、8.3〜9.5の範囲がさらに好ましい。上記範囲内のSP値を持つ樹脂を使用することでSBRおよびBRとの相溶性が向上し、耐摩耗性能および破断伸びを改善できる。
<その他の配合剤>
本開示に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、オイル、液状ポリマー、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
オイルとしては、例えば、アロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油等が挙げられる。なかでも、環境への負荷低減という理由からプロセスオイルを使用することが好ましい。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
前記液状ポリマーは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)等の液状ジエン系重合体が挙げられる。なかでも、グリップ性能の観点から、液状SBRが好ましい。液状ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105であることが好ましい。
液状ポリマーを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、グリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下が特に好ましい。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、脂肪酸金属塩、アミドエステル、脂肪酸金属塩とアミドエステル若しくは脂肪酸アミドとの混合物が好ましく、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物が特に好ましい。具体的には、例えば、Schill&Seilacher社製のEF44、WB16等の脂肪酸石鹸系加工助剤が挙げられる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の改善効果を発揮させる観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性および破壊強度の観点からは、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保し、良好なグリップ性能および耐摩耗性能を得るという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、劣化の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましい。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS(1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)等の硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。
加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸塩系、アルデヒド−アミン系もしくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤が挙げられ、なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。チアゾール系加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等が挙げられる。グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等が挙げられる。ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
[トレッド第二層]
上述のように、トレッド第二層は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分、並びに樹脂成分を含有するゴム組成物により構成される。
第二層はタイヤトータルゲージの中心部分にあり、蓄熱によりタイヤ部材の中で温度が最も高くなる部材である。本開示においては、第一層よりもフィラーおよび樹脂成分の含有量が少なく発熱が抑制された第二層を配置することで、トレッド全体としての発熱が抑制され、耐ブロー性能が改善される。
<ゴム成分>
第二層を構成するゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)を含有する。このような構成とすることにより、第一層と第二層は良好な接着性を発揮する。
イソプレン系ゴム、BR、SBR、およびその他のゴム成分としては、トレッド第一層を構成するゴム組成物と同様のものを同様の態様で好適に使用できる。
第二層を構成するゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム(好ましくは天然ゴム、より好ましくは、非改質天然ゴム(NR))の含有量は、第一層との接着性の確保の観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。また、イソプレン系ゴムを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上とすることができる。
第二層を構成するゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、第一層との接着性の確保の観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。また、SBRのゴム成分中の含有量の上限値は特に制限されないが、例えば、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下とすることができる。なお、グリップ性能の観点から、第一層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量は、前記第二層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量よりも多いことが好ましい。
第二層を構成するゴム成分100質量%中のBRの含有量は、グリップ性能の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、BRを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上とすることができる。
<フィラー>
第二層を構成するゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラックおよび/またはシリカを含有することが好ましい。またはシリカを含有する場合は、併せてシランカップリング剤を含有することが好ましい。カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、およびその他のフィラーとしては、トレッド第一層を構成するゴム組成物と同様のものを同様の態様で好適に使用できる。なお、グリップ性能の観点から、第一層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量は、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量よりも多いことが好ましい。
<樹脂成分>
第二層を構成するゴム組成物は、樹脂成分として粘着性樹脂を含有する。粘着性樹脂としては、トレッド第一層を構成するゴム組成物と同様のものを同様の態様で好適に使用できるが、石油樹脂およびテルペン系樹脂が好ましく、C5C9系石油樹脂がより好ましい。なお、グリップ性能の観点から、第一層を構成するゴム成分100質量%中の樹脂成分の含有量は、前記第二層を構成するゴム成分100質量%中の樹脂成分の含有量よりも多いことが好ましい。
第一層を構成するゴム成分100質量部に対するスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分の合計含有量は、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対するスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分の合計含有量よりも多いことが好ましい。すなわち、第一層を構成するゴム成分100質量部に対するスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分の含有量(質量部)をそれぞれA1、B1、第二層を構成するゴム成分100質量部に対するスチレンブタジエンゴムおよび樹脂成分の含有量(質量部)をそれぞれA2、B2としたとき、下記式(1)を満たす。
A1+B1>A2+B2・・・(1)
<その他の配合剤>
第二層を構成するゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、オイル、液状ポリマー、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。前記の配合剤は、トレッド第一層を構成するゴム組成物と同様のものを同様の態様で好適に使用できる。なお、液状ポリマーとしては、液状IRが好適に使用される。
本開示に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロール等の一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、加硫剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、加硫剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
[タイヤ]
本開示に係るタイヤは、前記第一層および第二層を含むトレッドを備えるものであり、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わない。また、空気入りタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等が挙げられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
前記第一層および第二層を含むトレッドを備えたタイヤは、前記のゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、トレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(未変性S−SBR、Mw:350000、スチレン含有量:40質量%、ビニル含有量:46質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
BR:宇部興産(株)のウベポールBR150B(ハイシスBR、シス含量97質量%、トランス含量2質量%、ビニル含量1質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製ショウブラックN330(N2SA:75m2/g、DBP給油量:102mL/100g)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:モメンティブ社製のNXT−Z45(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
粘着樹脂1:東ソー(株)製のペトロタック100V(C5C9系石油樹脂、軟化点:96℃、Mw:3800、SP値:8.3)
粘着樹脂2:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジン TO125(テルペンスチレン樹脂、軟化点:125℃、Mw:800、SP値:8.7)
液状SBR:(株)クラレ製のL−SBR820
液状IR:(株)クラレ製のLIR−50
オイル:H&R社製のVivaTec500(TDAEオイル)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:三新化学工業(株)製のサンセラーNS−G((N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーZTC(ジベンジルジチアオカルバミン酸亜鉛)
加硫促進剤3:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例および比較例)
表1および表2に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を用いて、キャップトレッド(第一層)およびベーストレッド(第二層)の形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して試験用タイヤ(205/65R15)を得た。
<接着性能試験>
未加硫のキャップトレッド用ゴム組成物に未加硫のベーストレッド用ゴム組成物を重ねて、170℃の条件下で15分間プレス加硫し加硫接着させたゴム組成物を得た。このとき、試験機の掴みしろとするため、端から60mm程度にセロファンを挟んで加硫を行なった。得られたキャップゴムとベースゴムを加硫接着させたゴム組成物についてJIS K 6256(布と加硫ゴムの剥離試験)に準じて接着性能試験を行なった。キャップゴムとベースゴムを加硫接着させたゴム組成物のゴムシートを幅25mmに切断し試験片を作製した。この試験片を50mm/分の速度で剥離し、基準比較例(表3では比較例1、表4では比較例4、表5では比較例7)の剥離強度を100として指数表示した。接着性能指数の大きいほど、耐久性に優れていることを示す。試験結果を表3〜5に示す。
<耐ブロー性能試験>
各試験用タイヤを用いて、ドライアスファルト路面のテストコース(1周約5km)にて10周の実車走行を行なった。走行後のタイヤを解体し、トレッド断面のブローの発生度合いを観察し、基準比較例(表3では比較例1、表4では比較例4、表5では比較例7)を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐ブロー性能に優れることを示す。試験結果を表3〜5に示す。
<グリップ性能試験>
上記試験用タイヤを排気量750ccの自動二輪車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて、速度100km/hで走行中にブレーキをかけてから停止するまでのタイムを測定した。結果は指数で表し、指数が大きいほどグリップ性能が良好であることを示す。なお、指数は次の式で求めた。試験結果を表3〜5に示す。グリップ性能指数は80以上が好ましく、85以上がより好ましい。
(グリップ性能指数)=
(基準比較例の停止までのタイム)/(各配合例の停止までのタイム)×100
接着性能および耐ブロー性能の総合性能(接着性能および耐ブロー性能の平均値)は、102以上を性能目標値とし、103以上が好ましく、104以上がより好ましい。
Figure 2021054906
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表1〜表5の結果より、トレッド第一層および第二層を構成するゴム組成物の配合を所定のものとした本開示のタイヤは、耐久性および耐ブロー性能の総合性能が改善されていることがわかる。また、好ましい態様においては、グリップ性能も改善されていることがわかる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・クッション層
22・・・トレッド面
24・・・溝
30・・・コア
32・・・エイペックス
34・・・カーカスプライ
36・・・(ベルトの)内側層
38・・・(ベルトの)外側層
40・・・リムフランジ
42・・・第一層
44・・・第二層
46・・・ゴム層

Claims (9)

  1. トレッド面を構成する第一層と、第一層の半径方向内側に隣接する第二層とを備えたトレッドを有するタイヤであって、
    前記第一層は、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分および樹脂成分を含有するゴム組成物により構成され、
    前記第二層は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分、並びに樹脂成分を含有するゴム組成物により構成されるタイヤ。
  2. 前記第一層の厚みt1に対する前記第二層の厚みt2の割合(t2/t1)が5/95〜60/40である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記第一層を構成するゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量よりも多い、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記第一層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量よりも多い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記第一層および前記第二層を構成するゴム組成物がフィラーを含有し、かつ前記第一層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量が、前記第二層を構成するゴム成分100質量部に対するフィラーの含有量よりも多い、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記第二層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記第二層を構成するゴム組成物が液状ポリマーを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記第二層を構成するゴム組成物が石油樹脂を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記第一層を構成するゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ。
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