JP2023060806A - タイヤ - Google Patents

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大地 藤井
Daichi Fujii
健二 ▲濱▼村
Kenji Hamamura
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Abstract

【課題】クリンチ部の耐クラック性能が改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】クリンチ部を備えたタイヤであって、前記クリンチ部が、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含み、前記ゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)、前記クリンチ部の最大厚みをT(mm)としたとき、Sが1.0~15.0質量%であり、S/Tが0.10以上であるタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに関する。
タイヤのライフ性能向上が求められる中、トレッド部だけでなく、クリンチ部、チェーファー部等のトレッド部以外の部材についても長寿命化させる必要がある。特にクリンチ部は繰り返し変形を受けやすく、劣化した際にクラックが生じやすいタイヤ部材である。
特許文献1には、所定のクリンチエイペックス用ゴム組成物で構成されるクリンチエイペックスを備え、低発熱性および高速耐久性能が向上されたタイヤが記載されている。
国際公開第2020/058150号
本発明は、クリンチ部の耐クラック性能が改善されたタイヤを提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、クリンチ部を構成するゴム成分中の総スチレン量とクリンチ部の最大厚みを所定の関係とすることにより、前記課題を解決できることが見出された。
すなわち、本発明は、クリンチ部を備えたタイヤであって、前記クリンチ部が、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含み、前記ゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)、前記クリンチ部の最大厚みをT(mm)としたとき、Sが1.0~15.0質量%であり、S/Tが0.10以上であるタイヤに関する。
本発明によれば、クリンチ部の耐クラック性能が改善されたタイヤが提供される。
本発明の一実施態様に係るタイヤの概略部分断面図である。
本発明の一実施形態であるタイヤは、クリンチ部を備えたタイヤであって、前記クリンチ部が、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)を含み、前記ゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)、前記クリンチ部の最大厚みをT(mm)としたとき、Sが1.0~15.0質量%であり、S/Tが0.10以上であるタイヤである。
クリンチ部を構成するゴム成分中の総スチレン量およびクリンチ部の最大厚みが上記の要件を満たすことで、得られたタイヤはクリンチ部の耐クラック性能が顕著に改善される。その理由については、理論に拘束されることは意図しないが、以下のように考えられる。
クリンチ部は繰り返し変形を受けやすく、劣化した際にクラックが生じやすい。本発明のタイヤは、(1)クリンチ部を構成するゴム成分としてイソプレン系ゴムおよびSBRを配合することで、これらが非相溶状態になる。その際、ゴム成分中の総スチレン量を所定の範囲とすることで、SBR中のスチレンが集合したドメインが形成され、そのドメインによりクリンチ変形時の応力を緩和させることができる、(2)SBRは、スチレンを有することから耐オゾン性に優れる、(3)クリンチ部の厚みに対してゴム成分中の総スチレン量を増加させることで、クリンチ部が厚く、タイヤの転動時の衝撃が伝わりやすい状態でも、スチレンドメイン部で応力を緩和させやすくなるため、内部で衝撃を吸収しやすくすることができるという特徴を有する。そして、これらが協働することで、耐オゾン性に優れ、かつ変形に対してもスチレンドメインが応力を緩和しやすい状態になるため、クリンチ部の耐クラック性能が顕著に改善するという、特筆すべき効果が達成されると考えられる。
タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)は、0.0150以下であることが好ましい。
G/WLを前記の範囲とし、タイヤの最大負荷能力に対してタイヤ重量を軽くすることにより、積載や乗車による負荷が加わった状態でもタイヤ重量による影響が小さくなり、クリンチ部の変形を小さくすることができるため、クラックの発生を抑制させやすくすることができると考えられる。
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が18nm以上のシリカを5~35質量部以上含有することが好ましい。また、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が40nm以上のカーボンブラックを35質量部以上含有することが好ましい。
所定の平均一次粒子径を有するフィラーを含有することにより、これらのフィラーにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、入力に対してポリマー分子鎖でも応力を緩和させ、クラックの発生を抑制させることができると考えられる。
前記ゴム成分は、イソプレン系ゴムを10~50質量%含むことが好ましい。また、前記ゴム成分は、SBRを5~40質量%含むことが好ましい。
ゴム成分中に、例えば前記の割合でイソプレン系ゴムおよびSBRを配合することにより、イソプレン系ゴムとSBRとの相溶性を向上させ、相分離構造を形成させ、各相間で応力を緩和させやすくすることができると考えられる。
前記ゴム組成物の70℃における複素弾性率(MPa)(70℃E*)に対する70℃におけるtanδ(0℃tanδ)の比(70℃tanδ/70℃E*)は、0.015以下であることが好ましい。
70℃tanδ/70℃E*を前記の範囲とすることにより、タイヤが転動する際の発熱を抑制することができ、その結果、タイヤの劣化を効果的に抑制することができると考えられる。
<定義>
「クリンチ部の最大厚み」は、外表面からクリンチ部4のタイヤ軸方向内面の法線Lに沿って計測される、最大の厚みT(mm)である。なお、「クリンチ部の最大厚み」は、タイヤを、タイヤ回転軸を含む面で切断し、ビード部の幅を正規リムの幅に合わせた状態で測定される。
「ゴム成分中の総スチレン量(S)」とは、ゴム成分100質量%中に含まれるスチレン部の合計含有量(質量%)であって、Σ(各スチレン含有ゴムのスチレン含量(質量%)×各スチレン含有ゴムのゴム成分中の含有量(質量%)/100)により計算される。例えば、ゴム成分が、第一のSBR(スチレン含量25質量%)30質量%、第二のSBR(スチレン含量27.5質量%)60質量%、およびNR10質量%からなる場合、ゴム成分100質量%中の総スチレン量(S)は、24.0質量%(=25×30/100+27.5×60/100)である。
「タイヤ重量」はG(kg)で表す。ただし、Gはリムの重量を含まないタイヤ単体の重量である。また、タイヤ内宮部に制音材、シーラント、センサーなどを取り付けた場合には、Gはこれらの重量を含む値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、正規内圧を250kPaとする。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤが前記の最小リムにリム組みされかつ250kPaが充填され、しかも、無負荷の状態をいうものとする。
「タイヤ重量G(kg)は、リムの重量を含まないタイヤ単体の重量である。また、タイヤ内腔部に制音材、シーラント、センサーなどを取り付けた場合には、Gはこれらの重量を含む値である。
「最大負荷能力(WL)(kg)」は、正規状態で測定されたタイヤ断面幅をWt(mm)、タイヤ断面高さをHt(mm)、タイヤ外径をDt(mm)としたとき、下記式(1)および(2)により算出される値である。Vはタイヤが占める空間の仮想体積である。前記のタイヤ断面幅Wtは、前記の状態において、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。前記のタイヤ断面高さHtは、ビード部底面からトレッド最表面までの距離であり、タイヤの外径とリム径の呼びとの差の1/2である。
V={(Dt/2)2-(Dt/2-Ht)2}×π×Wt ・・・(1)
L=0.000011×V+100 ・・・(2)
「リサイクルカーボンブラック」とは、カーボンブラックを含む使用済みのタイヤ等の製品の熱分解プロセスから得られるカーボンブラックであって、JIS K 6226-2:2003に準拠した熱重量測定法で、空気中の加熱で酸化燃焼させたとき、燃焼しない成分である灰分の質量(灰分量)の割合が13質量%以上であるカーボンブラックをいう。すなわち、前記酸化燃焼による減量分の質量(カーボン量)が87質量%未満である。リサイクルカーボンブラックは、リサイクルカーボンともいい、rCBで表すこともある。
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
<測定方法>
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR等のスチレンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたカーボンブラックの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積」は、ASTM D3765-92に準じて測定される。「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
「70℃tanδ」は、温度70℃、周波数10Hz、動的歪振幅1%の条件下で測定する損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのクリンチ部4から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向(クリンチ部表面の法線方向)が厚さ方向となるように切り出す。
「70℃E*」は、温度70℃、周波数10Hz、動的歪振幅1%の条件下で測定する複素弾性率(MPa)である。複素弾性率測定用サンプルは、70℃tanδの場合と同様にして作製される。
本発明の一実施形態であるタイヤの作製手順について、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
<タイヤ>
本実施形態に係るタイヤは、最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)は、本発明の効果の観点から、0.0180以下が好ましく、0.0170以下がより好ましく、0.0160以下がさらに好ましく、0.0150以下がさらに好ましく、0.0140以下がさらに好ましく、0.0135以下が特に好ましい。一方、G/WLの下限値は特に限定されないが、例えば、0.0080以上、0.0090以上、0.0100以上、0.0110以上とすることができる。なお、タイヤ重量Gは常法により変動させることができ、すなわち、タイヤの比重を大きくする、あるいは、タイヤの各部材の厚さを大きくすることにより大きくすることができ、その逆により小さくすることもできる。
最大負荷能力WL(kg)は、本発明の効果をより良好に発揮する観点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、450以上がさらに好ましく、500以上が特に好ましい。また、最大負荷能力WL(kg)は、本発明の効果をより良好に発揮する観点から、例えば、1300以下、1200以下、1100以下、1000以下、900以下、800以下、700以下、650以下とすることができる。なお、最大負荷能力WLは、前記のタイヤが占める空間の仮想体積Vを大きくすることにより大きくすることができ、その逆により小さくすることもできる。
クリンチ部4の最大厚みT(mm)は、本発明の効果の観点から、2.0mm以上が好ましく、2.5mm以上がより好ましく、3.0mm以上がさらに好ましく、3.5mm以上がさらに好ましく、4.0mm以上が特に好ましい。また、クリンチ部4の最大厚みT(mm)は、本発明の効果の観点から、10.0mm以下が好ましく、8.0mm以下がより好ましく、7.0mm以下がさらに好ましく、6.0mm以下が特に好ましい。
クリンチ部4の最大厚みをT(mm)に対するゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)の比(S/T)は、0.10以上であり、0.20以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.40以上がさらに好ましく、0.50以上が特に好ましい。S/Tを前記の範囲とすることにより、クリンチ部厚みによる剛性が高い状態でも、スチレンドメイン部で応力を緩和させやすくなる傾向がある。一方、S/Tの上限値は特に制限されないが、3.50以下が好ましく、3.00以下がより好ましく、2.50以下がさらに好ましく、2.00以下がさらに好ましく、1.75以下がさらに好ましく、1.50以下が特に好ましい。
[ゴム組成物]
本実施形態に係るタイヤは、前述したクリンチ部を構成するゴム成分中の総スチレン量とクリンチ部の最大厚みとが協働することにより、クリンチ部の耐クラック性能をより効果的に改善することができる。
<ゴム成分>
本実施形態に係るクリンチ部を構成するゴム組成物(以下、特に断りのない限り、本実施形態に係るゴム組成物という)は、ゴム成分としてイソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)を含有し、さらにブタジエンゴム(BR)を含有することが好ましく、さらにこれら以外の他のゴム成分を含有していてもよい。また、ゴム成分は、イソプレン系ゴム、SBR、およびBRのみからなるゴム成分としてもよい。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。イソプレン系ゴムの含有量を前記の範囲とすることにより、SBRとの相溶性を向上させ、相分離構造を形成させ、各相間で応力を緩和させやすくすることができると考えられる。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS-SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加されたSBR)等も使用することができる。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水素添加されたSBRの水素添加率は、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましく、70モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が特に好ましい。一方、水素添加率の上限は特に限定されず、100モル%未満であればよいが、99モル%以下が好ましく、98モル%以下がより好ましく、97モル%以下がさらに好ましい。水素添加率は、後述の製造例1に記載の如き水素添加反応において、水素ガス供給圧力、反応温度等の反応条件を調節することにより、調節することができる。なお、SBRの水素添加率とは、共役ジエン単位上の二重結合が水素添加された割合を指し、1H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
水素添加されたSBRは、SBRを水素添加する方法のみならず、公知の方法で合成された、スチレンと、エチレンおよび/またはブタジエンとの共重合体から得ることもできる。水素添加されたSBRを、SBRを水素添加しないで方法得る場合、ブタジエン部のビニル結合を水素付加した構造が存在していなくてもよい。
SBRのスチレン含量は、ゴム成分中の総スチレン量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、36質量%以下がより好ましく、32質量%以下がさらに好ましく、28質量%以下が特に好ましい。また、SBRのスチレン含量は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、13質量%以上がさらに好ましく、16質量%以上が特に好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記測定方法により測定される。
ゴム成分中のSBRの含有量は、ゴム成分中の総スチレン量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中のSBRの含有量は、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。ハイシスBRのシス含量は、95モル%以上が好ましく、96モル%以上がより好ましく、97モル%以上がさらに好ましい。なお、BRのシス含量は、前記測定方法により測定される。
BRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、本発明の効果の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。一方、BRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下が特に好ましい。
(その他のゴム成分)
本実施形態に係るゴム成分として、前記のイソプレン系ゴム、SBR、およびBR以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のイソプレン系ゴム、SBR、およびBR以外のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等のジエン系ゴム以外のゴム成分が挙げられる。これらその他のゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本実施形態に係るゴム成分は、ジエン系ゴムを80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上が特に好ましく、ジエン系ゴムのみからなるゴム成分としてもよい。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
ゴム成分中の総スチレン量は、本発明の効果の観点から、15.0質量%以下であり、13.0質量%以下が好ましく、11.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以下がさらに好ましく、9.0質量%以下が特に好ましい。また、ゴム成分中の総スチレン量は、本発明の効果の観点から、1.0質量%以上であり、2.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上がさらに好ましい。
<フィラー>
本実施形態に係るゴム組成物は、フィラーとしてシリカを含有することが好ましく、カーボンブラックおよびシリカを含有することがより好ましい。また、フィラーは、カーボンブラックおよびシリカのみからなるフィラーとしてもよい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、バイオマス材料を原料としたシリカ(例えば、籾殻より精製される非晶質シリカ)を用いてもよい。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バイオマス材料を原料としたシリカは、例えば、籾殻を燃焼して得られる籾殻灰から水酸化ナトリウム溶液を用いてケイ酸塩を抽出し、そのケイ酸塩を用いて従来の湿式シリカと同様に、硫酸と反応させて生じた二酸化ケイ素の沈殿をろ過、水洗い、乾燥、粉砕して得ることができる。
シリカが結晶化すると水に溶けず、その成分であるケイ酸を利用できない。燃焼温度と燃焼時間を管理することで、籾殻灰中のシリカの結晶化を抑制することができる(特開2009-2594号公報、秋田県立大学ウェブジャーナルB/2019,vol.6,p.216-222等参照)。
籾殻より抽出される非晶質シリカは、Wilmar社等より市販されているものを使用することができる。
シリカの平均一次粒子径は、17nm以上が好ましく、18nm以上がより好ましく、19nm以上がさらに好ましく、20nm以上が特に好ましい。シリカの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、シリカにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、入力に対してポリマー分子鎖でも応力を緩和させ、クラックの発生を抑制させることができると考えられる。一方、該平均一次粒子径は、補強性を得る観点から、30nm以下が好ましく、25nm以下がより好ましい。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積は、本発明の効果の観点から、180m2/g以下が好ましく、170m2/g以下がより好ましく、160m2/g以下がさらに好ましく、150m2/g以下がさらに好ましく、140m2/g以下が特に好ましい。また、該CTAB比表面積は、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましく、115m2/g以上がさらに好ましく、120m2/g以上が特に好ましい。なお、シリカのCTAB比表面積は、前記測定方法により測定される。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、180m2/g以下が好ましく、170m2/g以下がより好ましく、160m2/g以下がさらに好ましく、150m2/g以下がさらに好ましく、140m2/g以下が特に好ましい。また、該N2SAは、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましく、115m2/g以上がさらに好ましく、120m2/g以上が特に好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、補強性を得る観点から、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、8質量部以上がさらに好ましく、10質量部以上が特に好ましい。また、柔軟性を得て応力を緩和させる観点から、35質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点、および、カーボンブラック表面とゴム分子鎖との摩擦を減らし、発熱性を抑制する観点から、使用済みタイヤの熱分解から得られるリサイクルカーボンブラック(rCB)を用いてもよい。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リサイクルカーボンブラックは、使用済み空気入りタイヤの熱分解プロセスから得ることができる。例えば、欧州特許出願公開第3427975号明細書では、「ゴム化学と技術」、Vol.85、No.3、408~449頁(2012)、特に、438、440、442頁に言及し、酸素を排除した550~800℃での有機材料の熱分解、または、比較的低い温度での真空熱分解により得られることが記載されている([0027])。このような熱分解プロセスから得られるカーボンブラックは、特許第6856781号の[0004]で言及されているように、通常、その表面に官能基を欠くものである(熱分解カーボンブラックと市販のカーボンブラックとの表面形態および化学の比較、Powder Technology 160(2005)190~193)。
リサイクルカーボンブラックは、その表面に官能基を欠くものであってもよく、あるいは、その表面に官能基を含むように処理されたものであってもよい。リサイクルカーボンブラックの表面に官能基を含むように行う処理は、常法により実施することができる。例えば、欧州特許出願公開第3173251号明細書では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、酸性条件下で、過マンガン酸カリウムで処理することにより、その表面にヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基を含むカーボンブラクを得ている。また、特許第6856781号では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、少なくとも1つのチオール基またはジスルフィド基を含むアミノ酸化合物で処理して、その表面を活性化したカーボンブラックを得ている。本実施形態に係るリサイクルカーボンブラックは、これらの表面に官能基を含むように処理されたカーボンブラックをも含むものである。
リサイクルカーボンブラックは、Strable Green Carbon社、LDCarbon社等より市販されているものを使用することができる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、20nm以上が好ましく、25nm以上がより好ましく、30nm以上がさらに好ましく、35nm以上が特に好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、カーボンブラックにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、入力に対してポリマー分子鎖でも応力を緩和させ、クラックの発生を抑制させることができると考えられる。一方、該平均一次粒子径は、補強性を得る観点から、90nm以下が好ましく、75nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、90m2/g以下が好ましく、80m2/g以下がより好ましく、70m2/g以下がさらに好ましく、60m2/g以下が特に好ましい。また、該N2SAは、10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましく、30m2/g以上がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性を得る観点および紫外線による劣化を防ぐ観点から、30質量部以上が好ましく、35質量部以上がより好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、45質量部以上が特に好ましい。また、柔軟性を得て応力を緩和させる観点からは、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、65質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下が特に好ましい。
カーボンブラックの総含有量に占めるリサイクルカーボンブラックの含有率は、特に制限されないが、例えば、1質量%超、5質量%超、10質量%超、20質量%超、25質量%超、30質量%超とすることができる。一方、補強性の観点から、95質量%未満が好ましく、90質量%未満がより好ましく、85質量%未満がさらに好ましい。
(その他のフィラー)
シリカおよびカーボンブラック以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
シリカの含有量に対するカーボンブラックの含有量の比は、10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、8.0以下がさらに好ましく、7.0以下がさらに好ましく、6.0以下が特に好ましい。シリカの含有量に対するカーボンブラックの含有量の比を前記の範囲とすることにより、耐クラック性能をより向上させることができる。一方、シリカの含有量に対するカーボンブラックの含有量の比の下限値は特に制限されず、例えば0.05以上、0.2以上、0.5以上、0.8以上、1.1以上、1.5以上、2.0以上とすることができる。
ゴム成分100質量部に対するフィラーの合計含有量は、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、55質量部以上がさらに好ましく、60質量部以上が特に好ましい。本発明の効果の観点から、120質量部以下が好ましく、110質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましく、95質量部以下が特に好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤が好ましく、スルフィド系シランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
シランカップリング剤のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、8質量部以上が特に好ましい。また、コストおよび加工性の観点からは、20質量部以下が好ましく、18質量部以下がより好ましく、16質量部以下がさらに好ましい。
<その他の配合剤>
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、軟化剤、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
軟化剤としては、例えば、樹脂成分、オイル、液状ゴム等が挙げられる。
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、スチレンドメインと相互作用させ、応力を緩和させやすくする観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、発熱性抑制の観点からは、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、90質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、液状ゴムの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下がさらに好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部以下が好ましく、7.0質量部以下がより好ましく、6.0質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下が特に好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
本実施形態に係るゴム組成物の70℃における複素弾性率(MPa)(70℃E*)に対する70℃におけるtanδ(0℃tanδ)の比(70℃tanδ/70℃E*)は、0.005以上が好ましく、0.006以上がより好ましく、0.007以上がさらに好ましく、0.008以上が特に好ましい。また、70℃tanδ/70℃E*は、0.020以下が好ましく、0.018以下がより好ましく、0.016以下がさらに好ましく、0.014以下が特に好ましい。70℃tanδ/70℃E*を前記の範囲とすることにより、タイヤが転動する際の発熱を抑制することができ、その結果、タイヤの劣化を効果的に抑制することができると考えられる。
本実施形態に係るゴム組成物は、70℃における複素弾性率(0℃E*)が15MPa以下であることが好ましく、14MPa以下がより好ましく、13MPa以下がさらに好ましく、12MPa以下が特に好ましい。また、本実施形態に係るゴム組成物は、70℃E*が5MPa以上であることが好ましく、6MPa以上がより好ましく、7MPa以上がさらに好ましい。なお、ゴム組成物の70℃E*は、前記測定方法により測定される。
本実施形態に係るゴム組成物は、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)が0.16以下であることが好ましく、0.15以下がより好ましく、0.14以下がさらに好ましく、0.13以下がさらに好ましく、0.12以下が特に好ましい。また、本実施形態に係るゴム組成物は、70℃tanδが0.02以上であることが好ましく、0.03以上がより好ましく、0.04以上がさらに好ましく、0.05以上が特に好ましい。なお、ゴム組成物の70℃tanδは、前記測定方法により測定される。
なお、本実施形態に係るゴム組成物の70℃tanδおよび70℃E*は、後記のゴム成分、フィラー、軟化剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
<製造>
本実施形態に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
前記ゴム組成物から構成されるクリンチ部を備えた本実施形態に係るタイヤは、通常の方法により製造することができる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、クリンチ部の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
<用途>
本実施形態に係るタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤに好適に用いることができ、中でも乗用車用タイヤに用いることが好ましい。なお、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、その最大負荷能力が1000kg以下のものを指す。また、本実施形態に係るタイヤは、全シーズン用タイヤ、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに使用可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
IR:日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標) IR2200
SBR1:JSR(株)製のSBR1502(E-SBR、スチレン含量:23.5質量%)
SBR2:JSR(株)製のHPR840(S-SBR、スチレン含量:10質量%)
SBR3:下記製造例1により製造された水添SBR(水素添加率:80モル%、スチレン含量:35質量%)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(シス含量:97モル%)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(N2SA:75m2/g、平均一次粒子径:30nm)
カーボンブラック2:東海カーボン(株)製のシーストSO(FEF、N550、N2SA:42m2/g、平均一次粒子径:43nm)
カーボンブラック3:Streble Green Carbon社製のSS550(タイヤの熱分解プロセスから得られたカーボンブラック)
シリカ1:エボニックデグサ社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/gCTAB吸着比表面積:165m2/g、平均一次粒子径:18nm)
シリカ2:ローディアジャパン(株)製のZEOSIL 115GR(N2SA:115m2/g、CTAB吸着比表面積:115m2/g、平均一次粒子径:20nm)
シリカ3:Wilmar社製のK185(籾殻より精製された非晶質シリカ)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:H&R(株)製のVivaTec400(TDAEオイル)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミOT(10%オイル含有不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS))
(製造例1:水添SBRの製造)
十分に窒素置換した耐熱反応容器にn-ヘキサン2000ml、スチレン60g、1,3-ブタジエン140g、TMEDA0.93g、n-ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBRを得た。
(実施例および比較例)
表1-1および表1-2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でクリンチ部の形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用タイヤを製造した。
得られた試験用タイヤについて下記の評価を行った。評価結果を表1-1および表1-2に示す。
<70℃tanδおよび70℃E*の測定>
加硫後の各ゴム試験片を、各試験用タイヤのクリンチ部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向(クリンチ部表面の法線方向)が厚さ方向となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した。各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度70℃、周波数10Hz、動的歪振幅1%の条件下でtanδおよび複素弾性率(E*)を測定した。結果を表1-1および表1-2に示す。
<耐クラック性能>
各試験用タイヤに250kPaの空気を充填し、80℃のオーブンで1週間熱劣化させた。その後、排気量が2000ccである自動車の全輪に装着し、1ヶ月間実車使用(走行距離:10000km)した。走行後の各タイヤにつき、クリンチ部の50mm×20mmの範囲の表面でクラックの長さを測定し、その合計を求めた。そして、下記式により、耐クラック性能を指数表示した。指数が大きいほど、耐クラック性能が良好であったことを示す。
(耐クラック性能指数)=(比較例5のクラック長の合計)/(各試験用タイヤのクラック長の合計)×100
Figure 2023060806000001
Figure 2023060806000002
表1-1および表1-2の結果より、クリンチ部を構成するゴム成分中の総スチレン量とクリンチ部の最大厚みを所定の関係とした本発明のタイヤは、クリンチ部の耐クラック性能が改善されていることがわかる。
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕クリンチ部を備えたタイヤであって、前記クリンチ部が、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含み、前記ゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)、前記クリンチ部の最大厚みをT(mm)としたとき、Sが1.0~15.0質量%(好ましくは2.0~13.0質量%、より好ましくは3.0~11.0質量%、さらに好ましくは4.0~10.0質量%)であり、S/Tが0.10以上(好ましくは0.20以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.40以上、特に好ましくは0.50以上)であるタイヤ。
〔2〕タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)が0.0150以下(好ましくは0.0140以下、より好ましくは0.0135以下)である、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が18nm以上のシリカを5~35質量部(好ましくは8~30質量部、より好ましくは10~25質量部)含有する、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が40nm以上のカーボンブラックを35質量部以上(好ましくは35質量部以上、より好ましくは40質量部以上、さらに好ましくは45質量部以上)含有する、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムを10~50質量%(好ましくは15~45質量%)含む、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムを5~40質量%(好ましくは10~35質量%)含む、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔7〕前記ゴム組成物の70℃における複素弾性率(MPa)(70℃E*)に対する70℃におけるtanδ(0℃tanδ)の比(70℃tanδ/70℃E*)が0.005~0.020(好ましくは0.006~0.018、より好ましくは0.007~0.016、さらに好ましくは0.008~0.014)である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記フィラーが、リサイクルカーボンブラックを含む、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記フィラーが、バイオマス材料を原料としたシリカ(好ましくは籾殻より精製される非晶質シリカ)を含む、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 クリンチ部
5 ビードコア
6 ビードエイペックス
7 ブレーカー
8 リム

Claims (9)

  1. クリンチ部を備えたタイヤであって、
    前記クリンチ部が、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成され、
    前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含み、
    前記ゴム成分中の総スチレン量をS(質量%)、前記クリンチ部の最大厚みをT(mm)としたとき、Sが1.0~15.0質量%であり、S/Tが0.10以上であるタイヤ。
  2. タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)が0.0150以下である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が18nm以上のシリカを5~35質量部含有する、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、平均一次粒子径が40nm以上のカーボンブラックを35質量部以上含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムを10~50質量%含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムを5~40質量%含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物の70℃における複素弾性率(MPa)(70℃E*)に対する70℃におけるtanδ(0℃tanδ)の比(70℃tanδ/70℃E*)が0.005~0.020である、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記フィラーが、リサイクルカーボンブラックを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記フィラーが、バイオマス材料を原料としたシリカを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
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