JP2023071583A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】乗り心地性能が改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】サイドウォールを備えたタイヤであって、前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Sが0.50質量%以上5.0質量%以下であり、S/Tが0.045以上3.33以下であるタイヤ。【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤに関する。
サイドウォールは、乗り心地性能に大きな影響を与えることが知られている。特許文献1には、所定量の1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム、末端変性ブタジエンゴム、イソプレン系ゴムおよびレジンを含有するゴム組成物で構成されたサイドウォールを備え、操縦安定性および乗り心地性が改善されたタイヤが記載されている。
本発明は、乗り心地性能が改善されたタイヤを提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、サイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量とタイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みを所定の関係とすることにより、前記課題を解決できることが見出された。
すなわち、本発明は、サイドウォールを備えたタイヤであって、前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Sが0.50質量%以上5.0質量%以下であり、S/Tが0.045以上3.33以下であるタイヤに関する。
本発明によれば、乗り心地性能が改善されたタイヤが提供される。
本発明の一実施形態であるタイヤは、サイドウォールを備えたタイヤであって、前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Sが0.50質量%以上5.0質量%以下であり、S/Tが0.045以上3.33以下であるタイヤである。
サイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量およびタイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みが上記の要件を満たすことで、得られたタイヤは乗り心地性能が顕著に改善される。その理由については、理論に拘束されることは意図しないが、以下のように考えられる。
タイヤは、転動している際に路面から入力があり、トレッド面からサイドウォール面を経由して車輛へと振動が伝わる。ここで、車輛の振動は、サイドウォールゴムの、振動から熱へのエネルギー変換のしやすさに依存すると考えられる。本発明のタイヤは、(1)サイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量を所定の範囲とすることで、芳香族ビニル単位同士がゴム組成物内で凝集したドメインを形成し、そのドメイン部で衝撃を熱エネルギーへと変換し、衝撃を緩和させやすくすることができる、(2)サイドウォール部での衝撃の吸収は、そのたわみ量によっても影響を受けると考えられ、厚みが厚い場合には変形を生じにくい。そのため、サイドウォールを構成する表面ゴム層の厚みが厚くなるに従って、芳香族ビニル単位含量を大きくすることで、サイドウォールゴムが、路面からの入力周波数領域において振動を熱に変換しやすくなり、衝撃を緩和させやすくすることができるという特徴を有する。そして、これらが協働することで、サイドウォール部での変形に応じて、芳香族ビニル単位のドメイン部で衝撃を吸収しやすくなり、振動から熱へのエネルギー変換のしやすさが向上し、乗り心地性能が顕著に改善するという、特筆すべき効果が達成されると考えられる。
前記ゴム成分は、芳香族ビニル単位、非共役オレフィン単位、および共役ジエン単位を有する多元ポリマーを含むことが好ましい。
多元ポリマーは高い耐熱性および耐オゾン性能を有するため、タイヤ劣化時にも上記効果を長時間維持することができると考えられる。
前記ゴム成分は、イソプレン系ゴムおよび/またはブタジエンゴムを含むことが好ましい。前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は15質量%以上50質量%以下が好ましく、ブタジエンゴムの含有量は20質量%以上60質量%以下が好ましい。
ガラス転移温度(Tg)の低いこれらのゴム成分を配合することで、さらに幅広い温度領域でサイドウォールゴムの柔軟性が向上し、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むフィラーを35質量部以上70質量部以下含有することが好ましい。また、前記フィラー100質量%中の前記シリカの含有率は、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
前記フィラーを所定量含有することにより、ゴム内部でフィラーと芳香族ビニルドメインとの摩擦によるエネルギーロスを発生させ、衝撃を吸収させやすくすることができると考えられる。また、フィラー中に所定量のシリカを配合することにより、微小変形領域でのサイドウォールゴムの柔軟性が向上し、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)は、0.0210以下であることが好ましい。
G/WLを前記の範囲とし、タイヤの最大負荷能力に対してタイヤ重量を軽くすることにより、積載や乗車による負荷が加わった状態でもタイヤ重量による影響が小さくなり、タイヤ全体にかかる衝撃を小さくすることができ、サイドウォールの変形を小さくすることができるため、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
タイヤ断面幅をWt(mm)およびタイヤ外径をDt(mm)は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
タイヤ断面幅およびタイヤ外径を前記の範囲とすることにより、タイヤの幅に対して外径を一定以上大きくすることとなり、サイド部で変形させやすくすることができると考えられる。
<定義>
「ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量」とは、ゴム成分100質量%中に含まれるスチレン部等の芳香族ビニル単位の合計含有量(質量%)であって、各ゴム成分について、それぞれ、芳香族ビニル単位含量(質量%)にゴム成分中の質量分率を乗じて得られる値を算出し、それら値を総和した値である。具体的にはΣ(各芳香族ビニル単位含有ゴムの芳香族ビニル単位含量(質量%)×各芳香族ビニル単位含有ゴムのゴム成分中の含有量(質量%)/100)により算出される。
「ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量」とは、ゴム成分100質量%中に含まれるスチレン部等の芳香族ビニル単位の合計含有量(質量%)であって、各ゴム成分について、それぞれ、芳香族ビニル単位含量(質量%)にゴム成分中の質量分率を乗じて得られる値を算出し、それら値を総和した値である。具体的にはΣ(各芳香族ビニル単位含有ゴムの芳香族ビニル単位含量(質量%)×各芳香族ビニル単位含有ゴムのゴム成分中の含有量(質量%)/100)により算出される。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、正規内圧を250kPaとする。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤが前記の最小リムにリム組みされかつ250kPaが充填され、しかも、無負荷の状態をいうものとする。
「タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT」は、サイドウォール3のタイヤ最大幅位置PWの法線Lに沿って計測される、サイドウォール表面からカーカスコード表面までの距離(mm)である。「タイヤ最大幅位置PW」とは、正規状態で測定されたタイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいう。「表面ゴム層」には、サイドウォールゴムを含むものとする。
「タイヤ重量」はG(kg)で表す。ただし、Gはリムの重量を含まないタイヤ単体の重量である。また、タイヤ内宮部に制音材、シーラント、センサーなどを取り付けた場合には、Gはこれらの重量を含む値である。
「最大負荷能力(WL)(kg)」は、正規状態で測定されたタイヤ断面幅をWt(mm)、タイヤ断面高さをHt(mm)、タイヤ外径をDt(mm)としたとき、下記式(2)および(3)により算出される値である。Vはタイヤが占める空間の仮想体積である。前記のタイヤ断面幅Wtは、前記の状態において、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。前記のタイヤ断面高さHtは、ビード部底面からトレッド最表面までの距離であり、タイヤの外径とリム径の呼びとの差の1/2である。
V={(Dt/2)2-(Dt/2-Ht)2}×π×Wt ・・・(2)
WL=0.000011×V+100 ・・・(3)
V={(Dt/2)2-(Dt/2-Ht)2}×π×Wt ・・・(2)
WL=0.000011×V+100 ・・・(3)
「タイヤ断面幅Wt(mm)」は、正規状態において、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。「タイヤ外径Dt(mm)」は、正規状態で測定されたタイヤ外径である。
「リサイクルカーボンブラック」とは、カーボンブラックを含む使用済みのタイヤ等の製品の熱分解プロセスから得られるカーボンブラックであって、JIS K 6226-2:2003に準拠した熱重量測定法で、空気中の加熱で酸化燃焼させたとき、燃焼しない成分である灰分の質量(灰分量)の割合が13質量%以上であるカーボンブラックをいう。すなわち、前記酸化燃焼による減量分の質量(カーボン量)が87質量%未満である。リサイクルカーボンブラックは、リサイクルカーボンともいい、rCBで表すこともある。
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
<測定方法>
「芳香族ビニル単位含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR、多元ポリマー等の芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、SBR、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「芳香族ビニル単位含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR、多元ポリマー等の芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、SBR、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR、樹脂成分、液状ゴム等に適用される。
多元ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することにより、測定される。
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたカーボンブラックの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
本発明の一実施形態であるタイヤの作製手順について、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
<タイヤ>
図1に、本発明の一実施形態であるタイヤを例示するが、これに限定されるものではない。図1には、このタイヤの周方向に対して垂直な断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向である。
図1に、本発明の一実施形態であるタイヤを例示するが、これに限定されるものではない。図1には、このタイヤの周方向に対して垂直な断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向である。
本実施形態に係るタイヤは、周方向に延在して環状をなすトレッド1と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール31と、ビードコア21を有する一対のビード部と、ビードコア21に係留された少なくとも1層のカーカス33と、カーカス33のタイヤ半径方向外側に配された少なくとも1層のベルト2とを備えている。
本実施形態に係るタイヤのビード部は、サイドウォール31のタイヤ軸方向内側に位置している。該ビード部は、ビードコア21と、このコアからタイヤ半径方向外側に延びるビードエイペックス22とを備えている。ビードエイペックス22は、タイヤ半径方向外向きに先細りである。
図1において、カーカス33は、ビードコア21の周りを、タイヤ軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカス33には、主部と折り返し部とが形成されている。ストリップエイペックス25は、概してタイヤ半径方向に延在している。ストリップエイペックス25は、そのタイヤ半径方向内側端の近傍において、ビードエイペックス22と積層されている。ストリップエイペックス25は、その半径方向内側端の近傍において、カーカス33の主部および折り返し部に挟まれている。
本実施形態に係るタイヤは、タイヤ断面幅をWt(mm)、タイヤ外径をDt(mm)としたとき、WtおよびDtが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
ここで、Dtが大きくなると式(1)の値は大きくなり、逆に小さくなれば同値は小さくなる一方、Wtが大きくなると式(1)の値は小さくなり、逆に小さくなれば同値は大きくなる関係にあるから、この点に着目して、DtとWtを調節することで、DtとWtが式(1)を満たすように調節することができる。
式(1)の値は、1620以上が好ましく、1640以上がより好ましく、1660以上がさらに好ましい。また、式(1)の値は、2800以下が好ましく、2600以下がより好ましく、2400以下がさらに好ましく、2200以下が特に好ましい。
式(1)を満たすタイヤサイズとしては、具体的には、145/60R18、145/60R19、155/55R18、155/55R19、155/70R17、155/70R19、165/55R20、165/55R21、165/60R19、165/65R19、165/70R18、175/55R19、175/55R20、175/55R22、175/60R18、185/55R19、185/60R20、195/50R20、195/55R20、195/65R16、205/55R17、215/45R18等が挙げられる。
本実施形態に係るタイヤは、最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)は、本発明の効果の観点から、0.0210以下が好ましく、0.0205以下がより好ましく、0.0200以下がさらに好ましく、0.0195以下がさらに好ましく、0.0180以下がさらに好ましく、0.0165以下がさらに好ましく、0.0150以下が特に好ましい。一方、G/WLの下限値は特に限定されないが、例えば、0.0090以上、0.0100以上、0.0110以上、0.0120以上とすることができる。なお、タイヤ重量Gは常法により変動させることができ、すなわち、タイヤの比重を大きくする、あるいは、タイヤの各部材の厚さを大きくすることにより大きくすることができ、その逆により小さくすることもできる。
最大負荷能力WL(kg)は、本発明の効果をより良好に発揮する観点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、450以上がさらに好ましく、500以上が特に好ましい。また、最大負荷能力WL(kg)は、本発明の効果をより良好に発揮する観点から、例えば、1300以下、1200以下、1100以下、1000以下、900以下、800以下、700以下、650以下とすることができる。なお、最大負荷能力WLは、前記のタイヤが占める空間の仮想体積Vを大きくすることにより大きくすることができ、その逆により小さくすることもできる。
タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT(mm)は、本発明の効果の観点から、0.5mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、1.0mm以上がさらに好ましい。また、T(mm)は、本発明の効果の観点から、12.0mm以下が好ましく、10.0mm以下がより好ましく、8.0mm以下がさらに好ましく、6.0mm以下がさらに好ましく、4.0mm以下が特に好ましい。
タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT(mm)に対するゴム成分中のゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)の比(S/T)は、0.045以上であり、0.065以上が好ましく、0.10以上がより好ましく、0.15以上がさらに好ましく、0.20以上がさらに好ましく、0.25以上が特に好ましい。また、S/Tは、3.33以下であり、3.00以下が好ましく、2.80以下がより好ましく、2.60以下がさらに好ましく、2.40以下が特に好ましい。S/Tを前記の範囲とすることにより、ビード部4の厚みによる剛性が高い状態でも、スチレンドメイン部で応力を緩和させやすくなる傾向がある。
[ゴム組成物]
本実施形態に係るタイヤは、前述したサイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量とタイヤ最大幅位置におけるサイドウォールの厚みとが協働することにより、乗り心地性能をより効果的に改善することができる。
本実施形態に係るタイヤは、前述したサイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量とタイヤ最大幅位置におけるサイドウォールの厚みとが協働することにより、乗り心地性能をより効果的に改善することができる。
<ゴム成分>
本実施形態に係るサイドウォールを構成するゴム組成物(以下、特に断りのない限り、本実施形態に係るゴム組成物という)は、ゴム成分としてジエン系ゴムおよび多元ポリマーを含有することが好ましく、ジエン系ゴムおよび多元ポリマーのみからなるゴム成分としてもよい。多元ポリマーは高い耐熱性および耐オゾン性能を有するため、多元ポリマーを配合することにより、タイヤ劣化時にも本発明の効果を長時間維持することができる。
本実施形態に係るサイドウォールを構成するゴム組成物(以下、特に断りのない限り、本実施形態に係るゴム組成物という)は、ゴム成分としてジエン系ゴムおよび多元ポリマーを含有することが好ましく、ジエン系ゴムおよび多元ポリマーのみからなるゴム成分としてもよい。多元ポリマーは高い耐熱性および耐オゾン性能を有するため、多元ポリマーを配合することにより、タイヤ劣化時にも本発明の効果を長時間維持することができる。
(多元ポリマー)
多元ポリマーとは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを有する共重合体であり、他のモノマー単位を有するものであってもよく、好ましくは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とからなる共重合体である。この共重合体は、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを含むモノマー成分を共重合させ、所望により水素添加して得ることができる他、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを含むモノマー成分、好ましくは芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とからなるモノマー成分、を共重合して共重合体を得た後、かかる共重合体の共役ジエン単位を水素添加して非共役オレフィン単位を創出することによっても得ることができる。多元ポリマーは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを有する共重合体である限り、各単位の配列に特に限定はなく、ランダム共重合により得られるランダム共重合体でも、ブロック共重合により得られるブロック共重合体でもよいが、ランダム共重合体が好ましい。多元ポリマーは、1種または2種以上を用いることができる。
多元ポリマーとは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを有する共重合体であり、他のモノマー単位を有するものであってもよく、好ましくは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とからなる共重合体である。この共重合体は、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを含むモノマー成分を共重合させ、所望により水素添加して得ることができる他、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを含むモノマー成分、好ましくは芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とからなるモノマー成分、を共重合して共重合体を得た後、かかる共重合体の共役ジエン単位を水素添加して非共役オレフィン単位を創出することによっても得ることができる。多元ポリマーは、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを有する共重合体である限り、各単位の配列に特に限定はなく、ランダム共重合により得られるランダム共重合体でも、ブロック共重合により得られるブロック共重合体でもよいが、ランダム共重合体が好ましい。多元ポリマーは、1種または2種以上を用いることができる。
≪芳香族ビニル単位≫
芳香族ビニル単位とは、共重合体における、芳香族ビニル化合物に由来する単位をいう。ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、かつ、後記の共役ジエン化合物は含まないものをいう。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スチレンが特に好ましい。
芳香族ビニル単位とは、共重合体における、芳香族ビニル化合物に由来する単位をいう。ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、かつ、後記の共役ジエン化合物は含まないものをいう。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スチレンが特に好ましい。
≪非共役オレフィン単位≫
非共役オレフィン単位とは、共重合体における、非共役オレフィン化合物に由来する単位をいう。ここで、非共役オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素-炭素二重結合を1個以上有する非共役系の化合物をいう。非共役オレフィン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、若しくは1-オクテン等のα-オレフィン;ピバリン酸ビニル、1-フェニルチオエテン、若しくはN-ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。これらの中でも、エチレン、1-ブテン等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、エチレンおよび/または1-ブテンがより好ましい。
非共役オレフィン単位とは、共重合体における、非共役オレフィン化合物に由来する単位をいう。ここで、非共役オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素-炭素二重結合を1個以上有する非共役系の化合物をいう。非共役オレフィン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、若しくは1-オクテン等のα-オレフィン;ピバリン酸ビニル、1-フェニルチオエテン、若しくはN-ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。これらの中でも、エチレン、1-ブテン等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、エチレンおよび/または1-ブテンがより好ましい。
≪共役ジエン単位≫
共役ジエン単位とは、共重合体における、共役ジエン化合物に由来する単位をいう。ここで、共役ジエン化合物とは、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
共役ジエン単位とは、共重合体における、共役ジエン化合物に由来する単位をいう。ここで、共役ジエン化合物とは、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点および本発明の効果がより好適に得られるという理由から、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
≪多元ポリマー≫
多元ポリマーの好ましい具体例としては、例えば、スチレンと1,3-ブタジエンとの共重合体(スチレンブタジエン共重合体(SBR))を水素添加したものや、スチレン、1,3-ブタジエン、およびエチレンを共重合させたものが挙げられる。従って、多元ポリマーとしては水添スチレンブタジエン共重合体(水添SBR)が好ましい。
多元ポリマーの好ましい具体例としては、例えば、スチレンと1,3-ブタジエンとの共重合体(スチレンブタジエン共重合体(SBR))を水素添加したものや、スチレン、1,3-ブタジエン、およびエチレンを共重合させたものが挙げられる。従って、多元ポリマーとしては水添スチレンブタジエン共重合体(水添SBR)が好ましい。
≪水素添加率≫
多元ポリマーを水素添加により得る場合において、その水素添加率は、本発明の効果の観点から、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。多元ポリマーの水素添加率の上限は特に限定されず、100モル%未満であればよい。水素添加率は、後述の製造例2に記載の如き水素添加反応において、水素ガス供給圧力、反応温度等の反応条件を調節することにより、調節することができる。なお、多元ポリマーの水素添加率とは、多元ポリマーが芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とからなるポリマーを水素添加したものである場合において、その共役ジエン単位上の二重結合が水素添加された割合を指し、1H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
多元ポリマーを水素添加により得る場合において、その水素添加率は、本発明の効果の観点から、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。多元ポリマーの水素添加率の上限は特に限定されず、100モル%未満であればよい。水素添加率は、後述の製造例2に記載の如き水素添加反応において、水素ガス供給圧力、反応温度等の反応条件を調節することにより、調節することができる。なお、多元ポリマーの水素添加率とは、多元ポリマーが芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とからなるポリマーを水素添加したものである場合において、その共役ジエン単位上の二重結合が水素添加された割合を指し、1H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
≪変性≫
多元ポリマーは、所望により、変性剤で処理して、シリカと相互作用を有する官能基を導入した変性体とすることもできる。そのような官能基としては、この分野で通常使用するものをいずれも好適に使用することができ、例えば、アルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基)等が挙げられる。例えば、上記共重合体を合成後水素添加処理する前に、変性剤としてクロロトリエトキシシランを用いて処理すれば、共重合体の活性末端にトリエトキシシリル基が導入された変性体を得ることができる。
多元ポリマーは、所望により、変性剤で処理して、シリカと相互作用を有する官能基を導入した変性体とすることもできる。そのような官能基としては、この分野で通常使用するものをいずれも好適に使用することができ、例えば、アルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基)等が挙げられる。例えば、上記共重合体を合成後水素添加処理する前に、変性剤としてクロロトリエトキシシランを用いて処理すれば、共重合体の活性末端にトリエトキシシリル基が導入された変性体を得ることができる。
≪Mw≫
多元ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果の観点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上がさらに好ましい。また、多元ポリマーのMwは、加工性の観点から、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、70万以下がさらに好ましい。
多元ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果の観点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上がさらに好ましい。また、多元ポリマーのMwは、加工性の観点から、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、70万以下がさらに好ましい。
≪Tg≫
多元ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性能の観点から、-90℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましく、-70℃以上がさらに好ましく、-60℃以上が特に好ましい。また、多元ポリマーのTgは、-10℃未満が好ましく、-15℃未満がより好ましく、-20℃未満がさらに好ましく、-25℃未満が特に好ましい。
多元ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性能の観点から、-90℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましく、-70℃以上がさらに好ましく、-60℃以上が特に好ましい。また、多元ポリマーのTgは、-10℃未満が好ましく、-15℃未満がより好ましく、-20℃未満がさらに好ましく、-25℃未満が特に好ましい。
≪多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量≫
多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましく、7.0質量%以上が特に好ましい。また、多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、40質量%以下が好ましく、38質量%以下がより好ましく、36質量%以下がさらに好ましい。芳香族ビニル単位含量は、スチレン含量であることが好ましい。なお、多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、前記測定方法により測定される。
多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましく、7.0質量%以上が特に好ましい。また、多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、40質量%以下が好ましく、38質量%以下がより好ましく、36質量%以下がさらに好ましい。芳香族ビニル単位含量は、スチレン含量であることが好ましい。なお、多元ポリマーの芳香族ビニル単位含量は、前記測定方法により測定される。
≪多元ポリマーの含有量≫
ゴム成分中の多元ポリマーの含有量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、9質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中の多元ポリマーの含有量は、45質量%以下が好ましく、42質量%以下がより好ましく、38質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下が特に好ましい。
ゴム成分中の多元ポリマーの含有量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、9質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中の多元ポリマーの含有量は、45質量%以下が好ましく、42質量%以下がより好ましく、38質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下が特に好ましい。
≪多元ポリマーの確認≫
なお、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元ポリマーであることの確認は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1H-NMR、13C-NMR等の手法を用いることによって行うことができる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー-屈折率曲線(GPC-RI曲線)およびゲルパーミエーションクロマトグラフィー-紫外線吸収曲線(GPC-UV曲線)に基づき、共重合体中のベンゼン環等の芳香族環によるUV吸収を確認して、芳香族ビニル化合物由来の骨格の存在を確認することができる。また、1H-NMRスペクトルや13C-NMRスペクトルに基づき、各単量体成分由来の単位の存在を確認することができる。
なお、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを含有する多元ポリマーであることの確認は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1H-NMR、13C-NMR等の手法を用いることによって行うことができる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー-屈折率曲線(GPC-RI曲線)およびゲルパーミエーションクロマトグラフィー-紫外線吸収曲線(GPC-UV曲線)に基づき、共重合体中のベンゼン環等の芳香族環によるUV吸収を確認して、芳香族ビニル化合物由来の骨格の存在を確認することができる。また、1H-NMRスペクトルや13C-NMRスペクトルに基づき、各単量体成分由来の単位の存在を確認することができる。
≪多元ポリマーの製造方法≫
上記多元ポリマーは、例えば、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを含むモノマー成分を重合して得られた共重合体に所望により水素添加処理を施すことで合成することができる他、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを含むモノマー成分を共重合して共重合体を得た後、かかる共重合体の共役ジエン単位を水素添加して非共役オレフィン単位を創出することによっても合成することができる。かかる合成は、常法により実施することができ、例えば、特開2018-83884号公報や国際公開第2018/092733号等に記載がある。多元ポリマーの変性体についても同様である。
上記多元ポリマーは、例えば、芳香族ビニル単位と、非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位とを含むモノマー成分を重合して得られた共重合体に所望により水素添加処理を施すことで合成することができる他、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを含むモノマー成分を共重合して共重合体を得た後、かかる共重合体の共役ジエン単位を水素添加して非共役オレフィン単位を創出することによっても合成することができる。かかる合成は、常法により実施することができ、例えば、特開2018-83884号公報や国際公開第2018/092733号等に記載がある。多元ポリマーの変性体についても同様である。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、上記多元ポリマー以外のゴム成分であって、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも好適に使用することができる。具体的には、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRからなる群から選ばれる少なくとも1種含むことが好ましく、イソプレン系ゴムを含むことがより好ましく、イソプレン系ゴムおよびBRを含むことがさらに好ましい。また、イソプレン系ゴムおよびBRのみからなるジエン系ゴムとしてもよい。
ジエン系ゴムとしては、上記多元ポリマー以外のゴム成分であって、タイヤ工業において通常使用されるものをいずれも好適に使用することができる。具体的には、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRからなる群から選ばれる少なくとも1種含むことが好ましく、イソプレン系ゴムを含むことがより好ましく、イソプレン系ゴムおよびBRを含むことがさらに好ましい。また、イソプレン系ゴムおよびBRのみからなるジエン系ゴムとしてもよい。
ゴム成分中のジエン系ゴムの含有量は、本発明の効果の観点から、65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、82質量%以上が特に好ましい。また、ゴム成分中のジエン系ゴムの含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%、97質量%以下、95質量%以下、93質量%以下、91質量%以下とすることができる。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、例えば、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等が挙げられる。変性NRとしては、例えば、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。変性IRとしては、例えば、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、例えば、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等が挙げられる。変性NRとしては、例えば、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。変性IRとしては、例えば、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましい。イソプレン系ゴムの含有量を前記の範囲とすることにより、幅広い温度領域でサイドウォールゴムの柔軟性が向上し、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでも、低燃費性能および耐摩耗性能を良好に改善できるという点から、S-SBRおよび変性SBRが好ましい。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでも、低燃費性能および耐摩耗性能を良好に改善できるという点から、S-SBRおよび変性SBRが好ましい。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、10~50質量部であることが好ましい。
SBRのスチレン含量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましく、7.0質量%以上が特に好ましい。また、SBRのスチレン含量は、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記の芳香族ビニル単位含量の測定方法により測定される。
SBRのビニル含量は、シリカとの反応性の担保、ゴム強度、および耐摩耗性能の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は、温度依存性の増大防止、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。なお、SBRのビニル含量は、前記測定方法により測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果の観点から、10万以上が好ましく、14万以上がより好ましく、18万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は200万以下が好ましく、180万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。なお、SBRのMwは、前記測定方法により測定される。
SBRのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性能の観点から、-90℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましく、-70℃以上がさらに好ましい。また、SBRのTgは、-10℃未満が好ましく、-20℃未満がより好ましく、-30℃未満がさらに好ましく、-40℃未満が特に好ましい。
ゴム成分中のSBRの含有量は、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上とすることができる。一方、ゴム成分中のSBRの含有量は、45質量%以下が好ましく、42質量%以下がより好ましく、38質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
希土類系BRは、タイヤ工業において一般的に用いられているもの使用することができる。希土類系BRの合成(重合)に使用する希土類元素系触媒は、公知のものを使用でき、例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じてルイス塩基を含む触媒が挙げられる。なかでも、高シス含量、低ビニル含量のBRが得られる観点から、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジム(Nd)含有化合物を用いたNd系触媒が好ましい。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの活性末端に縮合アルコキシシラン化合物を有するブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性等の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRのMwは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分中のBRの含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中のBRの含有量は、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらに好ましく、51質量%以下が特に好ましい。BRの含有量を前記の範囲とすることにより、幅広い温度領域でサイドウォールゴムの柔軟性が向上し、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
(その他のゴム成分)
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外のゴム成分を含むこともでき、そのようなゴム成分としては、例えば、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外のゴム成分を含むこともでき、そのようなゴム成分としては、例えば、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量は、本発明の効果の観点から、0.50質量%以上であり、0.60質量%以上が好ましく、0.90質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上がさらに好ましく、1.5質量%以上が特に好ましい。また、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量は、本発明の効果の観点から、5.0質量%以下であり、4.9質量%以下が好ましく、4.5質量%以下がより好ましく、4.0質量%以下がさらに好ましく、3.5質量%以下が特に好ましい。
ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量の値は、当該ゴム成分に含まれる各ゴム成分の芳香族ビニル単位含量の加重平均値に相当するため、例えば、芳香族ビニル単位含量の値の大きいゴム成分を多く用いることにより大きくすることができ、逆に、芳香族ビニル単位含量の値の小さいゴム成分を多く用いることにより小さくすることができる。
<フィラー>
本実施形態に係るゴム組成物は、カーボンブラックおよび/またはシリカを含有することが好ましく、カーボンブラックを含有することがより好ましく、カーボンブラックおよびシリカを含有することがさらに好ましい。また、フィラーは、カーボンブラックおよびシリカのみからなるフィラーとしてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、カーボンブラックおよび/またはシリカを含有することが好ましく、カーボンブラックを含有することがより好ましく、カーボンブラックおよびシリカを含有することがさらに好ましい。また、フィラーは、カーボンブラックおよびシリカのみからなるフィラーとしてもよい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、バイオマス材料を原料としたシリカ(例えば、籾殻より精製される非晶質シリカ)を用いてもよい。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、バイオマス材料を原料としたシリカ(例えば、籾殻より精製される非晶質シリカ)を用いてもよい。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バイオマス材料を原料としたシリカは、例えば、籾殻を燃焼して得られる籾殻灰から水酸化ナトリウム溶液を用いてケイ酸塩を抽出し、そのケイ酸塩を用いて従来の湿式シリカと同様に、硫酸と反応させて生じた二酸化ケイ素の沈殿をろ過、水洗い、乾燥、粉砕して得ることができる。
シリカが結晶化すると水に溶けず、その成分であるケイ酸を利用できない。燃焼温度と燃焼時間を管理することで、籾殻灰中のシリカの結晶化を抑制することができる(特開2009-2594号公報、秋田県立大学ウェブジャーナルB/2019,vol.6,p.216-222等参照)。
籾殻より抽出される非晶質シリカは、Wilmar社等より市販されているものを使用することができる。
シリカの平均一次粒子径は、10nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましく、14nm以上がさらに好ましい。シリカの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、シリカにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、入力に対してポリマー分子鎖でも応力を緩和させることができると考えられる。一方、該平均一次粒子径は、芳香族ビニル単位のドメインとの相互作用により、衝撃を緩和させやすくする観点から、22nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、18nm以下がさらに好ましい。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、110m2/g以上が好ましく、140m2/g以上がより好ましく、170m2/g以上がさらに好ましく、180m2/g以下が特に好ましい。また、該N2SAは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、補強性を得る観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、7質量部以上が特に好ましい。また、ゴムの柔軟性を得て路面からの入力を緩和させる観点から、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、使用済みタイヤの熱分解から得られるリサイクルカーボンブラック(rCB)を用いてもよい。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、使用済みタイヤの熱分解から得られるリサイクルカーボンブラック(rCB)を用いてもよい。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リサイクルカーボンブラックは廃タイヤを原料としており、さまざまな粒子径のカーボンを含有しているため、路面からの幅広い入力周波数に対して振動エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、乗り心地性能が向上すると考えられる。
リサイクルカーボンブラックは、使用済み空気入りタイヤの熱分解プロセスから得ることができる。例えば、欧州特許出願公開第3427975号明細書では、「ゴム化学と技術」、Vol.85、No.3、408~449頁(2012)、特に、438、440、442頁に言及し、酸素を排除した550~800℃での有機材料の熱分解、または、比較的低い温度での真空熱分解により得られることが記載されている([0027])。このような熱分解プロセスから得られるカーボンブラックは、特許第6856781号の[0004]で言及されているように、通常、その表面に官能基を欠くものである(熱分解カーボンブラックと市販のカーボンブラックとの表面形態および化学の比較、Powder Technology 160(2005)190~193)。
リサイクルカーボンブラックは、その表面に官能基を欠くものであってもよく、あるいは、その表面に官能基を含むように処理されたものであってもよい。リサイクルカーボンブラックの表面に官能基を含むように行う処理は、常法により実施することができる。例えば、欧州特許出願公開第3173251号明細書では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、酸性条件下で、過マンガン酸カリウムで処理することにより、その表面にヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基を含むカーボンブラクを得ている。また、特許第6856781号では、熱分解プロセスから得られたカーボンブラックを、少なくとも1つのチオール基またはジスルフィド基を含むアミノ酸化合物で処理して、その表面を活性化したカーボンブラックを得ている。本実施形態に係るリサイクルカーボンブラックは、これらの表面に官能基を含むように処理されたカーボンブラックをも含むものである。
リサイクルカーボンブラックは、Strable Green Carbon社、LDCarbon社等より市販されているものを使用することができる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、40nm以上が好ましく、45nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましく、55nm以上が特に好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、カーボンブラックにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、入力に対してポリマー分子鎖でも応力を緩和させることができると考えられる。一方、該平均一次粒子径は、芳香族ビニル単位のドメインとの相互作用により、衝撃を緩和させやすくする観点から、120nm以下が好ましく、110nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましく、90nm以下が特に好ましい。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、50m2/g以下が好ましく、45m2/g以下がより好ましく、42m2/g以下がさらに好ましい。また、該N2SAは、20m2/g以上が好ましく、25m2/g以上がより好ましく、30m2/g以上がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性を得る観点および紫外線による劣化を防ぐ観点から、25質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、35質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上が特に好ましい。また、ゴムの柔軟性を得て路面からの入力を緩和させる観点からは、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、65質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下が特に好ましい。
カーボンブラックの総含有量に占めるリサイクルカーボンブラックの含有率は、特に制限されないが、例えば、1質量%超、5質量%超、10質量%超、20質量%超、25質量%超、30質量%超とすることができる。一方、補強性の観点から、95質量%未満が好ましく、90質量%未満がより好ましく、85質量%未満がさらに好ましい。
(その他のフィラー)
シリカおよびカーボンブラック以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
シリカおよびカーボンブラック以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
フィラーのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、本発明の効果の観点から、30質量部以上が好ましく、35質量部以上がより好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、45質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上が特に好ましい。また、フィラーのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、本発明の効果の観点から、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、70質量部以下が特に好ましい。
フィラー100質量%中のシリカの含有率は、0質量%超が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、フィラー100質量%中のシリカの含有率は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。フィラー%中のシリカの含有率を前記の範囲とすることで、微小変形領域でのサイドウォールゴムの柔軟性が向上し、路面からの入力を緩和することができると考えられる。
なお、フィラーがカーボンブラックおよびシリカのみからなる場合、フィラーの合計含有量と、カーボンブラックおよびシリカのいずれか一方の含有量が上記に従い定まれば、残る他方の含有量は自ずと定まる。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用してもよい。シランカップリング剤としては特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤が好ましく、スルフィド系シランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカは、シランカップリング剤と併用してもよい。シランカップリング剤としては特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤が好ましく、スルフィド系シランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、8質量部以上が特に好ましい。また、コストおよび加工性の観点からは、20質量部以下が好ましく、18質量部以下がより好ましく、16質量部以下がさらに好ましい。
<その他の配合剤>
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、軟化剤、ワックス、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
本実施形態に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、軟化剤、ワックス、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
軟化剤としては、例えば、樹脂成分、オイル、液状ゴム等が挙げられる。
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、本発明の効果の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、発熱性抑制の観点からは、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、液状ゴムの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
ゴム成分100質量部に対する軟化剤の合計含有量は、本発明の効果の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、軟化剤の合計含有量は、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部以下が好ましく、7.0質量部以下がより好ましく、6.0質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下が特に好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
<製造>
本実施形態に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
本実施形態に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
前記ゴム組成物から構成されるサイドウォールを備えた本実施形態に係るタイヤは、通常の方法により製造することができる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、サイドウォールの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
<用途>
本実施形態に係るタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤに好適に用いることができ、中でも乗用車用タイヤに用いることが好ましい。なお、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、その最大負荷能力が1000kg以下のものを指す。また、本実施形態に係るタイヤは、全シーズン用タイヤ、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに使用可能である。
本実施形態に係るタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤに好適に用いることができ、中でも乗用車用タイヤに用いることが好ましい。なお、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、その最大負荷能力が1000kg以下のものを指す。また、本実施形態に係るタイヤは、全シーズン用タイヤ、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに使用可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のHPR840(S-SBR、スチレン含量:10質量%、ビニル含量:42モル%、Mw:19万、Tg:-60℃)
多元ポリマー:後述の製造例1で製造した水添SBR(水素添加率:80%、スチレン含量:35質量%、Mw:48万、Tg:-30℃)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(シス含量:97モル%、Mw:44万)
カーボンブラック1:三菱ケミカル(株)製のダイアブラック(登録商標)E(FEF、N550、N2SA:41m2/g、平均一次粒子径:81nm)
カーボンブラック2:Streble Green Carbon社製のSS550(タイヤの熱分解プロセスから得られたカーボンブラック)
シリカ1:エボニックデグサ社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:18nm)
シリカ2:Wilmar社製のK185(籾殻より精製された非晶質シリカ)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:H&R(株)製のVivaTec500(TDAEオイル)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS))
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のHPR840(S-SBR、スチレン含量:10質量%、ビニル含量:42モル%、Mw:19万、Tg:-60℃)
多元ポリマー:後述の製造例1で製造した水添SBR(水素添加率:80%、スチレン含量:35質量%、Mw:48万、Tg:-30℃)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(シス含量:97モル%、Mw:44万)
カーボンブラック1:三菱ケミカル(株)製のダイアブラック(登録商標)E(FEF、N550、N2SA:41m2/g、平均一次粒子径:81nm)
カーボンブラック2:Streble Green Carbon社製のSS550(タイヤの熱分解プロセスから得られたカーボンブラック)
シリカ1:エボニックデグサ社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:18nm)
シリカ2:Wilmar社製のK185(籾殻より精製された非晶質シリカ)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:H&R(株)製のVivaTec500(TDAEオイル)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS))
製造例1:水添SBRの製造
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn-ヘキサン2000mL、スチレン60g、ブタジエン140g、THF0.93g、n-ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間撹拌し、重合反応を行った。次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBRを得た。
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn-ヘキサン2000mL、スチレン60g、ブタジエン140g、THF0.93g、n-ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間撹拌し、重合反応を行った。次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBRを得た。
(実施例および比較例)
表1-1、表1-2、表1-3および表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でサイドウォールの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用タイヤを製造した。
表1-1、表1-2、表1-3および表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でサイドウォールの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用タイヤを製造した。
得られた試験用タイヤについて下記の評価を行った。評価結果を表1-1、表1-2、表1-3および表2に示す。
<乗り心地性能>
新品時の各試験用タイヤおよび摩耗後の各試験用タイヤに250kPaの空気を充填し、排気量2000ccのFF乗用車の四輪にそれぞれ装着し、ドライアスファルト面のテストコースにて実車走行を行った。テストドライバーによる120km/h走行時の、直進、車線変更、加減速時の各々のフィーリングに基づいて乗り心地性能を評価した。評価は1点~10点の整数値で行い、評点が高いほど乗り心地性能に優れる評価基準のもと、テストドライバー10名の合計点を算出した。対照タイヤ(比較例2)の合計点を基準値(100)に換算し、各試験用タイヤの評価結果を合計点に比例するように指数化して表示した。数値が高いほど、乗り心地性が良好であることを示す。
新品時の各試験用タイヤおよび摩耗後の各試験用タイヤに250kPaの空気を充填し、排気量2000ccのFF乗用車の四輪にそれぞれ装着し、ドライアスファルト面のテストコースにて実車走行を行った。テストドライバーによる120km/h走行時の、直進、車線変更、加減速時の各々のフィーリングに基づいて乗り心地性能を評価した。評価は1点~10点の整数値で行い、評点が高いほど乗り心地性能に優れる評価基準のもと、テストドライバー10名の合計点を算出した。対照タイヤ(比較例2)の合計点を基準値(100)に換算し、各試験用タイヤの評価結果を合計点に比例するように指数化して表示した。数値が高いほど、乗り心地性が良好であることを示す。
なお、摩耗後の各試験用タイヤは、新品タイヤの最も深い主溝の深さが新品時の50%となるように、トレッドラジアスに沿ってトレッド部を摩耗させた後、このタイヤを80℃で7日間熱劣化させることにより作製した。
表1-1、表1-2、表1-3および表2の結果より、サイドウォールを構成するゴム成分中の芳香族ビニル単位含量とタイヤ最大幅位置におけるサイドウォールの厚みを所定の関係とした本発明のタイヤは、新品時の乗り心地性能および摩耗後の乗り心地性能の総合性能(新品時の乗り心地性能指数と摩耗後の乗り心地性能指数との平均値)が向上していることがわかる。
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕サイドウォールを備えたタイヤであって、前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Sが0.50質量%以上5.0質量%以下(好ましくは0.60質量%以上5.0質量%以下、より好ましくは0.90質量%以上4.9質量%以下、さらに好ましくは1.2質量%以上4.9質量%以下)であり、S/Tが0.045以上3.33以下(好ましくは0.065以上3.00以下、より好ましくは0.10以上2.80以下、さらに好ましくは0.15以上2.60以下、特に好ましくは0.20以上2.40以下)であるタイヤ。
〔2〕前記ゴム成分が、芳香族ビニル単位、非共役オレフィン単位、および共役ジエン単位を有する多元ポリマーを含む、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムを15質量%以上65質量%以下(好ましくは25質量%以上60質量%以下)含む、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕前記ゴム成分が、ブタジエンゴムを20質量%以上60質量%以下(好ましくは25質量%以上55質量%以下)含む、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むフィラーを35質量部以上70質量部以下(好ましくは40質量部以上65質量部以下)含有する、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記フィラー100質量%中の前記シリカの含有率が5質量%以上30質量%以下(好ましくは7質量%以上25質量%以下)である、上記〔5〕記載のタイヤ。
〔7〕タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)が0.0210以下(好ましくは0.0180以下、より好ましくは0.0165以下、さらに好ましくは0.0150以下)である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕タイヤ断面幅をWt(mm)およびタイヤ外径をDt(mm)が下記式(1)を満たす、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
〔9〕前記フィラーが、リサイクルカーボンブラックを含む、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記フィラーが、バイオマス材料を原料としたシリカ(好ましくは籾殻より精製される非晶質シリカ)を含む、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔2〕前記ゴム成分が、芳香族ビニル単位、非共役オレフィン単位、および共役ジエン単位を有する多元ポリマーを含む、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムを15質量%以上65質量%以下(好ましくは25質量%以上60質量%以下)含む、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕前記ゴム成分が、ブタジエンゴムを20質量%以上60質量%以下(好ましくは25質量%以上55質量%以下)含む、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むフィラーを35質量部以上70質量部以下(好ましくは40質量部以上65質量部以下)含有する、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記フィラー100質量%中の前記シリカの含有率が5質量%以上30質量%以下(好ましくは7質量%以上25質量%以下)である、上記〔5〕記載のタイヤ。
〔7〕タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)が0.0210以下(好ましくは0.0180以下、より好ましくは0.0165以下、さらに好ましくは0.0150以下)である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕タイヤ断面幅をWt(mm)およびタイヤ外径をDt(mm)が下記式(1)を満たす、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1)
〔9〕前記フィラーが、リサイクルカーボンブラックを含む、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記フィラーが、バイオマス材料を原料としたシリカ(好ましくは籾殻より精製される非晶質シリカ)を含む、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
1 トレッド
2 ベルト
3 バンド
21 ビードコア
22 ビードエイペックス
23 リムクッション
24 クリンチエイペックス
25 ストリップエイペックス
31 サイドウォール
32 インナーライナ
33 カーカス
CL タイヤ赤道
2 ベルト
3 バンド
21 ビードコア
22 ビードエイペックス
23 リムクッション
24 クリンチエイペックス
25 ストリップエイペックス
31 サイドウォール
32 インナーライナ
33 カーカス
CL タイヤ赤道
Claims (10)
- サイドウォールを備えたタイヤであって、
前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、
前記ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量をS(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Sが0.50質量%以上5.0質量%以下であり、S/Tが0.045以上3.33以下であるタイヤ。 - 前記ゴム成分が、芳香族ビニル単位、非共役オレフィン単位、および共役ジエン単位を有する多元ポリマーを含む、請求項1記載のタイヤ。
- 前記ゴム成分が、イソプレン系ゴムを15質量%以上65質量%以下含む、請求項1または2記載のタイヤ。
- 前記ゴム成分が、ブタジエンゴムを20質量%以上60質量%以下含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むフィラーを35質量部以上70質量部以下含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記フィラー100質量%中の前記シリカの含有率が5質量%以上30質量%以下である、請求項5記載のタイヤ。
- タイヤの最大負荷能力WL(kg)に対するタイヤ重量G(kg)の比(G/WL)が0.0210以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
- タイヤ断面幅をWt(mm)およびタイヤ外径をDt(mm)が下記式(1)を満たす、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1600 ・・・(1) - 前記フィラーが、リサイクルカーボンブラックを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記フィラーが、バイオマス材料を原料としたシリカを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
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CN202211260937.3A CN116102796A (zh) | 2021-11-11 | 2022-10-14 | 轮胎 |
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JP2021184150 | 2021-11-11 |
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---|---|
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---|---|---|---|
JP2022098993A Pending JP2023071583A (ja) | 2021-11-11 | 2022-06-20 | タイヤ |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023071583A (ja) |
-
2022
- 2022-06-20 JP JP2022098993A patent/JP2023071583A/ja active Pending
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