JP2021053971A - クリップ - Google Patents
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Abstract
Description
しかし乍ら、特許文献1では、リング状の挟持筒部のみで軸筒の外周面を挟持する構造であるため、軸筒の外形状が弾丸形やテーパー状に傾斜する場合には、挟持状態で軸筒の外周面に対して位置ズレやガタ付きが生じ、軸筒から挟持筒部が外れ易い。このため、軸筒からクリップが脱落することや、クリップから軸筒が脱落して破損や紛失の原因となり、安心して継続利用できないという問題があった。
本発明の実施形態に係るクリップAは、図1〜図4に示すように、衣服のポケットなどの被挟持物(図示しない)に対して軸筒Bを着脱自在に掛け止めするための留め具である。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係るクリップAは、軸筒Bの軸方向へ設けられるクリップ本体1と、軸筒Bの周方向へ湾曲して設けられる挟持筒部2と、を主要な構成要素として備えている。
軸筒Bは、筆記具やキャップ又は化粧具などからなり、少なくとも一端部にクリップAの挟持筒部2が取り付けられる断面円形の外周面Boを有している。
クリップ本体1は、被挟持物に対する掛け止め部位であり、軸筒Bの外周面Boに沿って軸方向へ杆状に形成される。
クリップ本体1の基部には、軸筒Bと連結するための挟持筒部2が連設される。
挟持筒部2(帯状体2a)の内径は、軸筒Bの外径よりも小さく設定され、挟持筒部2の内部空間に対して軸筒Bを軸方向又は径方向へ差し込むことにより、軸筒Bの外周面Boと帯状体2aの内面が径方向へ圧接して嵌合させるように構成される。つまり軸筒Bは、図1及び図2や図3に示されるように、挟持筒部2の内部空間に向け軸方向へ嵌挿されるか、又は図4に示されるように、径方向へ嵌入されることで嵌り合う(嵌合する)。この嵌合で挟持筒部2(帯状体2a)は、軸筒Bの外周面Boを径方向へ締め付けて弾性的に挟持する。
係止部22の圧接部位22aは、軸筒Bの外周面Boに向け径方向へ突出するように形成され、挟持筒部2の周方向へ軸筒Bの外周面Boに沿って配置する。圧接部位22aは、軸筒Bと挟持筒部2の嵌合状態で、軸筒Bの外周面Boに対して径方向へ食い込むように構成される。圧接部位22aの形状は、挟持筒部2の周方向へ所定間隔毎(等間隔毎)に複数(三つ以上)それぞれ分離させて配置するか、又は挟持筒部2の周方向へ円弧状に連続させて配置することが好ましい。
すなわち挟持筒部2は、軸筒Bとの嵌合により軸筒Bの外周面Boと圧接する挟持面(帯状体2aの内面)21と、軸筒Bの外周面Boに圧接して径方向へ食い込む係止部22と、を有している。
さらに係止部22は、その先端に向かって軸筒Bの外周面Boと徐々に接近するように傾斜して形成され、先端部位の内側に軸筒Bの外周面Boと圧接して径方向へ食い込む圧接部位22aを形成することが好ましい。
詳しく説明すると、図1〜図4に示されるように、係止部22において帯状体2aの端縁と接する基端部位22bから、挟持筒部2の中心線2cに向けて係止部22を全体的に傾斜させる。これにより、傾斜先端の圧接部位22aが軸筒Bの外周面Boに最も接近して径方向へ食い込む。
図示例におけるクリップAの製造方法は、先ずクリップ本体1及び挟持筒部2の原材料となる一枚の金属板から略T字形に打ち抜き成形し、その後の曲げ加工でクリップ本体1と挟持筒部2をそれぞれ形成している。
クリップ本体1の曲げ加工としては、挟持筒部2との境界部分に折り曲げ部11と、軸筒Bの外周面Boと対向し接する玉部12を一体成形している。
挟持筒部2の曲げ加工としては、帯状体2aの軸方向端縁に切り込み23を凹設することにより、帯状体2aの曲げ加工を容易にするとともに、帯状体2aによる弾性力を強化して軸筒Bの外周面Boに対する締め付け力の増大を図っている。
さらに係止部22の曲げ加工としては、その基端部位22bから先端部位に亘る全体を直線的なテーパー状に傾斜させている。
また、その他の例として図示しないが、クリップ本体1や挟持筒部2の形状を図示例以外の形状に変更することや、係止部22の曲げ加工として基端部位22bから先端部位に亘る全体を曲線的なテーパー状に傾斜させることや、基端部位22bから先端部位に亘る一部分のみを直線的又は曲線的なテーパー状の傾斜に変更させることも可能である。
本発明の第一実施形態や第二実施形態に係る軸筒Bは、図1(a)〜(c)及び図2や図3に示されるように、軸筒Bの少なくとも軸方向一端が軸方向へ円弧状又は直線状に傾斜した傾斜外周面Bo′を有する傾斜軸筒B1である。傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′において小径側外表面Bsと対向する挟持筒部2(帯状体2a)の軸方向一端縁のみに、係止部22を傾斜状に配置している。挟持筒部2の中心線2cに対する係止部22の傾斜角度は、傾斜軸筒B1の中心線(図示しない)に対する傾斜外周面Bo′(小径側外表面Bs)の傾斜角度よりも大きくて、傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bsと係止部22が交差するように設定している。
傾斜軸筒B1に対する挟持筒部2の取り付けは、挟持筒部2の内部空間に向けて傾斜軸筒B1を、傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bs側から軸方向へ嵌挿させることが好ましい。またこれと逆に傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bs側に向けて挟持筒部2を軸方向へ嵌挿させることも可能である。
図示例の場合には、傾斜軸筒B1の軸方向一端が先の尖った形状の弾丸形(砲弾形)に形成されており、軸方向へ円弧状に傾斜した傾斜外周面Bo′を有している。
また、その他の変形例として図示しないが、傾斜軸筒B1が軸方向へテーパー状(直線状)に傾斜した傾斜外周面Bo′を有するものであってもよい。
第一実施形態に係るクリップA1では、図1(a)〜(c)及び図2に示されるように、複数(図示例では三つ)の係止部22を周方向へ等間隔毎に分離配置している。図示例では、各係止部22の形状が略台形に形成され、その短尺な上底を圧接部位22aとしている。
また、その他の例として図示しないが、係止部22の個数を四つ以上に変更することや、係止部22の形状を略台形に代えて半円形又は矩形などに変更ことが可能である。
これに対し第二実施形態に係るクリップA2では、図3に示されるように、係止部22を周方向へ連続状に形成している。これに加えて図3の二点鎖線に示されるように、周方向へ連続する係止部22の一部に複数(図示例では三つ)の凹溝22cを形成して周方向へ分離してもよい。凹溝22cの幅サイズは、係止部22の厚みや軸筒Bの外径サイズなどに対応して調整可能である。
また、その他の例として図示しないが、凹溝22cの数を二つ以下又は四つ以上に変更や、凹溝22cの形状を図示例以外の形状に変更することも可能である。
これにより、第二実施形態に係るクリップA2は、第一実施形態に係るクリップA1に比べ、軸筒Bの外周面Boに対する圧接部位22aの接触面積が増大するため、挟持筒部2の位置ズレ効果やガタ付き防止効果を向上できるという利点がある。
第三実施形態に係るクリップA3では、ストレート軸筒B2の非傾斜外周面Bo″と対向する挟持筒部2(帯状体2a)の軸方向両端縁に、係止部22をそれぞれ傾斜状に配置することが好ましい。
図示例の場合には、第三実施形態に係るクリップA3が第一実施形態に係るクリップA1と同様に、複数(図示例では三つ)の係止部22を周方向へ等間隔毎に分離配置している。第三実施形態に係るクリップA3の他の例として図示しないが、第一実施形態に係るクリップA1の係止部22に代えて、第二実施形態に係るクリップA2の係止部22を用いて周方向へ連続状に形成させることや、複数又は単数の凹溝22cで周方向へ分離してもよい。
ストレート軸筒B2に対するクリップA3の取り付けは、挟持筒部2のスリット2bに向けてストレート軸筒B2を径方向へ嵌入させることが好ましい。またこれと逆にストレート軸筒B2に向けて挟持筒部2のスリット2bを径方向へ嵌入させることも可能である。
図示例の場合には、軸筒Bの全長が略円柱状に形成されるストレート軸筒B2である。
また、その他の変形例として図示しないが、軸筒Bの全長において挟持筒部2の取り付け部位のみがストレート軸筒B2であってもよい。
さらに軸筒Bの外周面Boに対する圧接部位22aを挟持筒部2の周方向へ配置することにより、軸筒Bの外周面Boに対して挟持筒部2が圧接部位22aで径方向,周方向及び軸方向へ移動不能に係止される。
したがって、軸筒Bの外形状と関係なく挟持筒部2で軸筒Bを緊締して、軸筒Bの外周面Boに対する挟持筒部2の位置ズレやガタ付きを防止することができる。
その結果、リング状の挟持筒部のみで軸筒の外周面を挟持する構造の従来のものに比べ、軸筒Bから挟持筒部2が長期に亘って外れず、軸筒BやクリップAの脱落による破損や紛失を防止できる。
このため、安心して継続利用できて利便性に優れる。
この場合には、軸筒Bの外周面Boに向け係止部22を傾斜させることにより、先端の圧接部位22aが軸筒Bの外周面Boに最も接近して径方向へ食い込む。
このため、軸筒Bの外周面Boに対して挟持筒部2が係止部22の圧接部位22aで径方向,周方向及び軸方向へ移動不能に密着する。
したがって、簡単な構造でありながら軸筒Bの外周面Boに対する挟持筒部2の位置ズレやガタ付きを確実に防止することができる。
その結果、低コストで軸筒BやクリップAの脱落による破損や紛失を防止できる。
この場合には、挟持筒部2に対して傾斜軸筒B1を軸方向へ嵌挿させることにより、傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′に挟持筒部2の挟持面21が嵌合して(弾性的に)挟持する。
これと同時に係止部22が傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bsに圧接して食い込む。このため、傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bsに対して挟持筒部2が係止部22で径方向,周方向及び軸方向へ移動不能に係止される。
したがって、傾斜軸筒B1を挟持筒部2で緊締して、傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′の小径側外表面Bsに対する挟持筒部2の位置ズレやガタ付きを防止することができる。
したがって、傾斜軸筒B1を挟持筒部2で緊締して、傾斜軸筒B1の傾斜外周面Bo′に対する挟持筒部2の位置ズレやガタ付きを防止することができる。
その結果、傾斜軸筒B1から挟持筒部2が長期に亘って外れず、傾斜軸筒B1やクリップAの脱落による破損や紛失を防止できる。
この場合には、ストレート軸筒B2を径方向へ嵌挿させることにより、ストレート軸筒B2の非傾斜外周面Bo″に挟持筒部2の挟持面21が嵌合して(弾性的に)挟持する。 これと同時に複数の係止部22がストレート軸筒B2の非傾斜外周面Bo″に圧接して食い込む。このため、ストレート軸筒B2の非傾斜外周面Bo″に対して挟持筒部2が複数の係止部22で径方向,周方向及び軸方向へ移動不能に係止される。
したがって、ストレート軸筒B2を挟持筒部2で緊締して、ストレート軸筒B2の非傾斜外周面Bo″に対する挟持筒部2の位置ズレやガタ付きを防止することができる。
その結果、ストレート軸筒B2から挟持筒部2が長期に亘って外れず、ストレート軸筒B2やクリップAの脱落による破損や紛失を防止できる。
2 挟持筒部 21 挟持面
22 係止部 22a 圧接部位
B 軸筒 Bo 外周面
B1 傾斜軸筒 Bo′ 傾斜外周面
Bs 小径側外表面 B2 ストレート軸筒
Bo″ 非傾斜外周面
Claims (4)
- 軸筒の軸方向へ設けられるクリップ本体と、
前記軸筒の周方向へ湾曲して前記軸筒の外周面と嵌合するように設けられる挟持筒部と、を備え、
前記挟持筒部は、前記軸筒との嵌合により前記軸筒の前記外周面と圧接する挟持面と、前記軸筒の前記外周面に圧接して食い込む係止部と、を有し、前記軸筒の前記外周面に対する前記係止部の圧接部位が前記挟持筒部の周方向へ配置されることを特徴とするクリップ。 - 前記係止部は、前記軸筒の前記外周面に向け傾斜して形成され、前記係止部の先端に前記圧接部位が形成されることを特徴とする請求項1記載のクリップ。
- 前記軸筒が傾斜外周面を有する傾斜軸筒であり、前記傾斜軸筒の前記傾斜外周面において小径側外表面と対向する前記挟持筒部の一端縁に、前記係止部が傾斜して配置され、前記係止部の傾斜角度が前記傾斜外周面の前記小径側外表面と交差するように設定されることを特徴とする請求項1又は2記載のクリップ。
- 前記軸筒が非傾斜外周面を有するストレート軸筒であり、前記ストレート軸筒の前記非傾斜外周面と対向する前記挟持筒部の両端縁に前記係止部がそれぞれ傾斜して配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のクリップ。
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