JP2021053882A - 液体吐出ヘッドユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出安定性が低下を抑制することができる液体吐出ヘッドユニットを提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、前記第1接着剤よりも前記液体との反応性が低い第2接着剤により接着される。【選択図】図9
Description
本発明は、液体吐出ヘッドユニットに関する。
印刷用紙等の媒体に対してインク等の液体を吐出する液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置が知られている。特許文献1に記載の液体吐出ヘッドユニットは、ノズルを含むノズル基板を有するヘッドと、複数の流路を有する流路ホルダーと、補強板を介して流路ホルダーにヘッドを固定する固定板と、を有する。当該固定板は、ヘッドに対応して設けられる開口を有する。ヘッドが有するノズルは、当該開口から露出している。また、流路ホルダーと補強板との接続、補強板と固定板との接続、およびヘッドと固定板との接続等の各部材同士の接続には、接着剤が用いられる。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドユニットでは、各部材同士の接続に接着剤が用いられるが、特定のインクを用いる場合、当該インクの影響によって接着剤が膨潤、軟化し、接着されていた部材同士が剥離するおそれがあった。特に、例えばソルベントインクや紫外線硬化型インクを用いる場合、当該剥離が生じ易かった。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、前記第1接着剤よりも前記液体との反応性が低い第2接着剤により接着される。
また、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、前記第1接着剤と異なる第2接着剤により接着され、前記第1接着剤の溶解性パラメーターをSPa、前記第2接着剤の溶解性パラメーターをSPb、前記液体の溶解性パラメーターをSPzとしたとき、|SPb−SPz|>|SPa−SPz|を満たす。
また、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、前記流路構造体と前記補強板とは、接着剤により接着され、前記固定板と前記補強板とは、前記流路構造体と前記補強板とを接着する接着剤よりも前記液体との反応性が低い接着剤により接着される。
また、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、前記流路構造体と前記補強板とは、接着剤により接着され、前記固定板と前記補強板とは、前記流路構造体と前記補強板とを接着する接着剤とは異なる接着剤により接着され、前記流路構造体と前記補強板とを接着する接着剤の溶解性パラメーターをSPa、前記固定板と前記補強板とを接着する接着剤の溶解性パラメーターをSPc、前記液体の溶解性パラメーターをSPzとしたとき、|SPc−SPz|>|SPa−SPz|を満たす。
また、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドユニットは、液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、前記ノズル基板と前記固定板とに接触するモールドと、を有し、前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、接着剤により接着され、前記接着剤の溶解性パラメーターは、前記モールドの溶解性パラメーター以上である。
以下の説明では、相互に直交するX軸とY軸とZ軸とを想定する。図2に例示される通り、任意の地点からみてX軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向の反対の方向をX2方向と表記する。同様に、任意の地点からY軸に沿って相互に反対の方向をY1方向およびY2方向と表記し、任意の地点からZ軸に沿って相互に反対の方向をZ1方向およびZ2方向と表記する。X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は鉛直方向に沿う軸線であり、Z2方向は鉛直方向の下方に相当する。なお、X軸、Y軸、Z軸は相互に略90度の角度で交差していれば良い。また、添付図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。
1.液体吐出装置100
図1は、実施形態における液体吐出装置100の構成図である。液体吐出装置100は、液体の一例であるインクを液滴として媒体11に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。媒体11は、典型的には印刷用紙である。ただし、例えば樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体11として利用される。例えば、インクとしては、ソルベントインクおよび紫外線硬化型インク(UVインク)等が挙げられる。ソルベントインクは、有機溶媒を含むインクであり、媒体11に付与された後に当該有機溶剤が媒体11に侵食して受容層を形成し、当該受容層上に色材を定着させるインクである。紫外線硬化型インクは、紫外線硬化成分(モノマーやオリゴマー等)を含むインクであり、媒体11に付与された後に紫外線を照射することで紫外線硬化成分を硬化させ、それにより形成された被膜内に色材を定着させるインクである。
図1は、実施形態における液体吐出装置100の構成図である。液体吐出装置100は、液体の一例であるインクを液滴として媒体11に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。媒体11は、典型的には印刷用紙である。ただし、例えば樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体11として利用される。例えば、インクとしては、ソルベントインクおよび紫外線硬化型インク(UVインク)等が挙げられる。ソルベントインクは、有機溶媒を含むインクであり、媒体11に付与された後に当該有機溶剤が媒体11に侵食して受容層を形成し、当該受容層上に色材を定着させるインクである。紫外線硬化型インクは、紫外線硬化成分(モノマーやオリゴマー等)を含むインクであり、媒体11に付与された後に紫外線を照射することで紫外線硬化成分を硬化させ、それにより形成された被膜内に色材を定着させるインクである。
図1に例示される通り、液体吐出装置100には、インクを貯留する液体容器12が設置される。例えば液体吐出装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクが、液体容器12として利用される。図1に例示される通り、液体容器12は、第1液体容器12aと第2液体容器12bとを含む。第1液体容器12aには第1インクが貯留され、第2液体容器12bには第2インクが貯留される。第1インクと第2インクとは相異なる種類のインクである。第1インクと第2インクの一例としては、第1インクがシアンインク、第2インクがマゼンタインクの場合がある。
液体吐出装置100には、インクを一時的に貯留するサブタンク13が設けられる。サブタンク13には、液体容器12から供給されたインクが貯留される。サブタンク13には、第1インクが貯留される第1サブタンク13aと、第2インクが貯留される第2サブタンク13bと、を含む。第1サブタンク13aは第1液体容器12aと接続され、第2サブタンク13bは第2液体容器12bと接続される。また、サブタンク13はヘッドモジュール25と接続され、ヘッドモジュール25にインクを供給し、かつ、ヘッドモジュール25からインクを回収する。サブタンク13とヘッドモジュール25の間のインクの流れについては後に詳細に説明する。
図1に例示される通り、液体吐出装置100は、制御ユニット21と搬送機構23と移動機構24とヘッドモジュール25とを具備する。制御ユニット21は、液体吐出装置100の各要素を制御する制御部である。制御ユニット21は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の1または複数の処理回路と半導体メモリー等の1または複数の記憶回路とを具備する。
搬送機構23は、制御ユニット21による制御のもとで媒体11をY軸に沿って搬送する。移動機構24は、制御ユニット21による制御のもとでヘッドモジュール25をX軸に沿って往復させる。本実施形態の移動機構24は、ヘッドモジュール25を収容する略箱型の搬送体241と、搬送体241が固定された無端ベルト242とを具備する。なお、液体容器12とサブタンク13をヘッドモジュール25とともに搬送体241に搭載した構成も採用され得る。
ヘッドモジュール25は、サブタンク13から供給されるインクを制御ユニット21による制御のもとで複数のノズルの各々から媒体11に吐出する。搬送機構23による媒体11の搬送と搬送体241の反復的な往復とに並行してヘッドモジュール25が媒体11にインクを吐出することで、媒体11の表面に画像が形成される。なお、複数のノズルから吐出されなかったインクはサブタンク13へと排出される。
なお、本実施形態では、サブタンク13は、ヘッドモジュール25の外部に設置される図示しない外部流路部の一部を構成する。当該外部流路部は、ヘッドモジュール25とサブタンク13とを接続する流路、およびヘッドモジュール25からサブタンク13にインクを送るための循環用ポンプ等を具備する。
2.ヘッドモジュール25
図2は、ヘッドモジュール25の斜視図である。図2に例示される通り、ヘッドモジュール25は、支持体251と複数のヘッドユニット252とを具備する。ヘッドユニット252は、「液体吐出ヘッドユニット」の例示である。支持体251は、複数のヘッドユニット252を支持する板状部材である。支持体251には、複数の取付孔253が形成される。各ヘッドユニット252は、取付孔253に挿入された状態で支持体251に支持される。複数のヘッドユニット252は、X軸およびY軸に沿って行列状に配列する。ただし、ヘッドユニット252の個数、および複数のヘッドユニット252の配列の態様は、以上の例示に限定されない。
図2は、ヘッドモジュール25の斜視図である。図2に例示される通り、ヘッドモジュール25は、支持体251と複数のヘッドユニット252とを具備する。ヘッドユニット252は、「液体吐出ヘッドユニット」の例示である。支持体251は、複数のヘッドユニット252を支持する板状部材である。支持体251には、複数の取付孔253が形成される。各ヘッドユニット252は、取付孔253に挿入された状態で支持体251に支持される。複数のヘッドユニット252は、X軸およびY軸に沿って行列状に配列する。ただし、ヘッドユニット252の個数、および複数のヘッドユニット252の配列の態様は、以上の例示に限定されない。
3.ヘッドユニット252
図3は、ヘッドユニット252の分解斜視図である。図3に例示される通り、ヘッドユニット252は、流路構造体300と配線基板32と複数の循環ヘッドHnと固定板36と補強板37とカバー38とを具備する。流路構造体300は、流路部材31とホルダー33とを具備する。循環ヘッドHnは、「液滴吐出ヘッド」の例示である。
図3は、ヘッドユニット252の分解斜視図である。図3に例示される通り、ヘッドユニット252は、流路構造体300と配線基板32と複数の循環ヘッドHnと固定板36と補強板37とカバー38とを具備する。流路構造体300は、流路部材31とホルダー33とを具備する。循環ヘッドHnは、「液滴吐出ヘッド」の例示である。
図3に例示される流路部材31は、インクが流通する液体流路が形成された部材である。流路部材31は、基体311と第1供給用突出部312aと第2供給用突出部312bと第1排出用突出部313aと第2排出用突出部313bとを具備する。
基体311は、基板Su1と基板Su2と基板Su3と基板Su4と基板Su5との積層により構成される。基板Su1は鉛直方向の最上層に位置し、基板Su5は鉛直方向の最下層に位置する。複数の基板Su1、Su2、Su3、Su4およびSu5は、例えば樹脂材料の射出成形で形成され、接着剤により相互に接合される。なお、以下では、基板Su1、Su2、Su3、Su4およびSu5を区別しない場合、基板Suと表記する。ここで、複数の基板Su1、Su2、Su3、Su4およびSu5は、後述の第1接着剤61にて接着される。通常はカバー38内に位置する基体311までインクは侵入しないため、コストが低く、クラック性に優れた第1接着剤61を使用した方が好ましいためである。但し、後述するように、インク成分を含有する気体がカバー38内に侵入することがあり、その場合、第1接着剤61で接着された複数の基板Su1、Su2、Su3、Su4およびSu5がインクにより乖離してしまう虞がある。これを抑制するため、複数の基板Su1、Su2、Su3、Su4およびSu5は、後述の第2接着剤62や第3接着剤63によって接着しても良い。
基体311の内部には、液体流路として、第1供給流路Sa、第2供給流路Sb、第1排出流路Da、および第2排出流路Dbとが設けられる。第1供給流路Saは、図1に示す第1サブタンク13aに貯留された第1インクを複数の循環ヘッドHnに供給する流路である。第2供給流路Sbは、図1に示す第2サブタンク13bに貯留された第2インクを複数の循環ヘッドHnに供給する流路である。第1排出流路Daは、複数の循環ヘッドHnから吐出されなかった第1インクを第1サブタンク13aに排出する流路である。第2排出流路Dbは、複数の循環ヘッドHnから吐出されなかった第2インクを第2サブタンク13bに排出する流路である。第1供給流路Sa、第2供給流路Sb、第1排出流路Da、および第2排出流路Dbは、それぞれ、基体311内に形成された空間である。当該空間は、相互に隣り合う2個の基板Suの各々に設けられたX-Y平面に沿う溝の一方または双方により形成される。
図3に例示される通り、第1供給用突出部312a、第2供給用突出部312b、第1排出用突出部313aおよび第2排出用突出部313bは、それぞれ基体311からZ1方向に突出する。第1供給用突出部312aは、第1サブタンク13aから第1供給流路Saに第1インクを供給する第1供給口Sa_inが設けられる供給管である。第2供給用突出部312bは、第2サブタンク13bから第2供給流路Sbに第2インクを供給する第2供給口Sb_inが設けられる供給管である。第1排出用突出部313aは、第1排出流路Daから第1サブタンク13aに第1インクを排出する第1排出口Da_outが設けられる排出管である。第2排出用突出部313bは、第2サブタンク13bから第2排出流路Dbに第2インクを排出する第2排出口Db_outが設けられる排出管である。
図3に例示される通り、ホルダー33は、複数の循環ヘッドH1、H2、H3およびH4を収容および支持する部材である。なお、以下では、循環ヘッドH1、H2、H3およびH4を区別しない場合、循環ヘッドHnと表記する。ホルダー33は、例えば、例えばステンレス鋼(SUS)等の金属材料等で構成される。また、ホルダー33は、炭素鋼、アルミニウム、熱硬化性樹脂等の材料で構成されていても良い。さらに、表面にニッケル等によりメッキ処理が施されていても良い。ホルダー33には、複数の凹部331と複数のインク孔332と複数の配線孔333とが設けられる。各凹部331には、循環ヘッドHnが配置される。各インク孔332は、流路部材31と循環ヘッドHnとの間でインクを流通させる流路である。各配線孔333は、循環ヘッドHnと配線基板32とを接続する図示しない配線が通される孔である。また、ホルダー33は、図1に例示される支持体251に対してホルダー33を固定するためのフランジ334を有する。フランジ334は、支持体251に対してねじ留めするための複数のねじ孔335が設けられる固定部である。
各循環ヘッドHnは、流路部材31から供給されるインクを吐出する。図3では図示を省略するが、各循環ヘッドHnは、第1インクを吐出する複数のノズルと、第2インクを吐出する複数のノズルと、を有する。
図3に例示される配線基板32は、ヘッドユニット252を図1に例示される制御ユニット21に電気的に接続するための実装部品である。配線基板32は、流路部材31上に配置される。配線基板32には、コネクター35が設置される。コネクター35は、ヘッドユニット252と制御ユニット21とを電気的に接続するための接続部品である。また、図示しないが、配線基板32には、複数の循環ヘッドHnに接続される配線が接続される。なお、当該配線は、配線基板32と一体で構成されてもよい。
固定板36は、複数の循環ヘッドHnを流路構造体300のホルダー33に対して固定するための板部材である。固定板36は、ホルダー33との間に複数の循環ヘッドHnを挟む状態で配置される。固定板36は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料等で構成される板材と、当該板材の表面に設けられた撥水膜とを有する。なお、撥水膜は適宜省略してもよい。また、固定板36には、複数の開口部361が設けられる。各開口部361から、複数の循環ヘッドHnのノズルが露出する。図3の例示では、当該複数の開口部361は、循環ヘッドHnごとに個別に設けられる。なお、循環ヘッドHnのノズルを露出するために固定板36に設けられる開口部は、2以上の循環ヘッドHnで共用されてもよい。
補強板37は、流路構造体300の固定板36とホルダー33との間に配置され、固定板36を補強する。補強板37には、複数の開口部371が設けられる。各開口部371内には、循環ヘッドHnが配置される。補強板37は、例えばステンレス鋼等の金属材料等で構成される。また、補強板37は、炭素鋼やインバー材等によって構成されていても良い。前述の補強の観点から、補強板37の厚さは、固定板36の厚さよりも厚いことが好ましい。
カバー38は、流路部材31の基体311および配線基板32を収容する箱状の部材である。カバー38は、例えば樹脂材料等で構成される。カバー38には、4個の突出部用孔381と開口部382とが設けられる。各突出部用孔381には、第1供給用突出部312a、第2供給用突出部312b、第1排出用突出部313aまたは第2排出用突出部313bが挿通される。開口部382には、コネクター35が挿通される。なお、カバー38には側面に貫通孔が設けられていても良い。インク吐出時、インク成分を含有する気体がカバー38内に侵入する虞がある。貫通孔を設けることにより、インク成分を含む気体がカバー38内に侵入した場合であっても、貫通孔を介してインク成分を含む気体を外部へと放出することができる。また、当該貫通孔に管状部材とポンプを連結させても良い。そうすれば、ポンプを駆動することにより、管状部材を介してカバー38内のインク成分を含む気体を強制的に外部へと放出することが可能となる。
図4は、ヘッドユニット252をZ1方向からみた平面図である。図4に例示される通り、各ヘッドユニット252は、Z1方向からみて、第1ヘッド部分U1と第2ヘッド部分U2と第3ヘッド部分U3とを含む外形に構成される。第1ヘッド部分U1は、第2ヘッド部分U2と第3ヘッド部分U3との間に位置する。具体的には、第2ヘッド部分U2は第1ヘッド部分U1に対してY2方向に位置し、第3ヘッド部分U3は第1ヘッド部分U1に対してY1方向に位置する。
図4には、Y軸に沿って第1ヘッド部分U1の中心を通る線分である中心線Lcが図示されている。第2ヘッド部分U2は中心線Lcに対してX1方向に位置し、第3ヘッド部分U3は中心線Lcに対してX2方向に位置する。すなわち、第2ヘッド部分U2と第3ヘッド部分U3とは、中心線Lcを挟んで互いに反対の方向に位置する。また、各ヘッドユニット252の第3ヘッド部分U3と他のヘッドユニット252の第2ヘッド部分U2とがX軸に沿って隣り合うように、複数のヘッドユニット252はY軸に沿って並ぶ。X軸に沿う第2ヘッド部分U2の幅W2は、X軸に沿う第1ヘッド部分U1の幅W1よりも短い。同様に、X軸に沿う第3ヘッド部分U3の幅W3は、X軸に沿う第1ヘッド部分U1の幅W1よりも短い。図4に例示される幅W2および幅W3は、互いに等しい。なお、幅W2および幅W3は、互いに異なってもよい。ただし、幅W2および幅W3が互いに等しい場合、ヘッドユニット252の形状の対称性を高めることができ、その結果、複数のヘッドユニット252を密に配列しやすいという利点がある。
図5は、ヘッドユニット252をZ2方向からみた平面図である。なお、図5では、固定板36および補強板37の図示が省略される。図5に例示される通り、循環ヘッドH1は、第1ヘッド部分U1と第3ヘッド部分U3とに跨って配置される。循環ヘッドH2および循環ヘッドH3は、それぞれ第1ヘッド部分U1に配置される。循環ヘッドH4は、第1ヘッド部分U1と第2ヘッド部分U2とに跨って配置される。また、循環ヘッドH1および循環ヘッドH3は中心線Lcに対してX2方向に位置し、循環ヘッドH2および循環ヘッドH4は中心線Lcに対してX1方向に位置する。循環ヘッドH1の一部と循環ヘッドH2の一部とは、Y軸において重なる。循環ヘッドH2の一部と循環ヘッドH3の一部とは、Y軸において重なる。循環ヘッドH3の一部と循環ヘッドH4の一部とは、Y軸において重なる。
循環ヘッドHnが有する複数のノズルNは、第1ノズル列Laと第2ノズル列Lbとに区分される。第1ノズル列Laおよび第2ノズル列Lbの各々は、Y軸に沿って配列する複数のノズルNの集合である。第1ノズル列Laと第2ノズル列Lbとは、X軸の方向に相互に間隔をあけて併設される。
4.循環ヘッドHn
図6は、循環ヘッドHnの構成を例示する平面図である。図6には、Z1方向からみた循環ヘッドHnの内部の構造が模式的に図示されている。図6に例示される通り、循環ヘッドHnは、第1液体吐出部Qaと第2液体吐出部Qbとを具備する。第1液体吐出部Qaは、第1サブタンク13aから供給される第1インクを第1ノズル列Laの各ノズルNから吐出する。第2液体吐出部Qbは、第2サブタンク13bから供給される第2インクを第2ノズル列Lbの各ノズルNから吐出する。第1液体吐出部Qaは、第1ノズル列Laが有する複数のノズルNにわたり連続する共通液室である第1液体貯留室Raを有する。第2液体吐出部Qbは、第2ノズル列Lbが有する複数のノズルNにわたり連続する共通液室である第2液体貯留室Rbを有する。また、第1液体吐出部Qaおよび第2液体吐出部Qbは、それぞれ、複数の圧力室Cと複数の駆動素子Eとを具備する。圧力室Cと駆動素子Eとは、ノズルN毎に形成される。また、循環ヘッドHnには、供給用孔Ra_inと排出用孔Ra_outと供給用孔Rb_inと排出用孔Rb_outとが設けられる。供給用孔Ra_inおよび排出用孔Ra_outは、第1液体貯留室Raに連通する。また、供給用孔Rb_inおよび排出用孔Rb_outは、第2液体貯留室Rbに連通する。
図6は、循環ヘッドHnの構成を例示する平面図である。図6には、Z1方向からみた循環ヘッドHnの内部の構造が模式的に図示されている。図6に例示される通り、循環ヘッドHnは、第1液体吐出部Qaと第2液体吐出部Qbとを具備する。第1液体吐出部Qaは、第1サブタンク13aから供給される第1インクを第1ノズル列Laの各ノズルNから吐出する。第2液体吐出部Qbは、第2サブタンク13bから供給される第2インクを第2ノズル列Lbの各ノズルNから吐出する。第1液体吐出部Qaは、第1ノズル列Laが有する複数のノズルNにわたり連続する共通液室である第1液体貯留室Raを有する。第2液体吐出部Qbは、第2ノズル列Lbが有する複数のノズルNにわたり連続する共通液室である第2液体貯留室Rbを有する。また、第1液体吐出部Qaおよび第2液体吐出部Qbは、それぞれ、複数の圧力室Cと複数の駆動素子Eとを具備する。圧力室Cと駆動素子Eとは、ノズルN毎に形成される。また、循環ヘッドHnには、供給用孔Ra_inと排出用孔Ra_outと供給用孔Rb_inと排出用孔Rb_outとが設けられる。供給用孔Ra_inおよび排出用孔Ra_outは、第1液体貯留室Raに連通する。また、供給用孔Rb_inおよび排出用孔Rb_outは、第2液体貯留室Rbに連通する。
第1ノズル列Laの各ノズルNから吐出されない第1インクは、循環ヘッドHnの排出用孔Ra_out→流路部材31の第1排出流路Da→第1サブタンク13a→流路部材31の第1供給流路Sa→循環ヘッドHnの供給用孔Ra_in→第1液体貯留室Ra、という経路で循環する。同様に、第2ノズル列Lbの各ノズルNから吐出されない第2インクは、循環ヘッドHnの排出用孔Rb_out→流路部材31の第2排出流路Db→第2サブタンク13b→流路部材31の第2供給流路Sb→循環ヘッドHnの供給用孔Rb_in→第2液体貯留室Rb、という経路で循環する。
図7は、循環ヘッドHnの構成を例示する断面図である。図7に例示される通り、循環ヘッドHnは、ノズル基板41と連通板42と圧力室基板43と振動板44と複数の駆動素子Eと保護部46と筐体部47とコンプライアンス基板45とを具備する。ノズル基板41、連通板42、圧力室基板43、振動板44、筐体部47およびコンプライアンス基板45は、それぞれY軸に沿った長尺な板状部材である。連通板42におけるZ1方向に圧力室基板43および筐体部47が設置される。他方、連通板42におけるZ2方向にノズル基板41およびコンプライアンス基板45が設置される。なお、第1液体吐出部Qaに含まれる要素と第2液体吐出部Qbに含まれる要素とは略面対称に配置された構造である。そこで、以下の説明では、第1液体吐出部Qaに対応する要素を重点的に説明し、第1液体吐出部Qaに対応する要素の説明は適宜に割愛する。
ノズル基板41は、複数のノズルNが形成された板状部材である。各ノズルNは、インクを吐出する貫通孔である。ノズル基板41は、例えばフォトリソグラフィおよびエッチング等の半導体製造技術を利用してシリコン(Si)の単結晶基板を加工することで製造される。ただし、ノズル基板41の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。ノズルNには、第1液体貯留室Ra等を介して、流路部材31の液体流路からインクが供給される。
連通板42には、連通流路R1および供給流路R2が設けられる。連通流路R1は、ノズルNごとに設けられ、ノズルNに連通する。供給流路R2は、ノズルNおよび第1液体貯留室Raと連通しており、第1液体貯留室RaからノズルNにインクを供給する。また、圧力室基板43には、複数の圧力室Cが設けられる。圧力室Cは、連通流路R1を介してノズルNに連通する空間である。また、圧力室Cは、供給流路R2を介して第1液体貯留室Raに連通する。連通板42および圧力室基板43は、例えば半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。ただし、連通板42および圧力室基板43の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
圧力室Cの上部には、弾性的に変形可能な振動板44が配置される。振動板44は、圧力室基板43に積層され、圧力室基板43における連通板42は反対の表面に接触する。なお、振動板44の一部または全部は、圧力室基板43と別部材であってもよいし、一体であってもよい。振動板44のうち圧力室Cとは反対側の表面には圧力室Cごとに駆動素子Eが形成される。駆動素子Eは、圧力室C内のインクの圧力を変動させる。駆動素子Eは、例えば、圧力室Cの壁面を変形させることで当該圧力室Cの容積を変化させる圧電素子である。なお、駆動素子Eは、圧力室C内のインクの加熱により圧力室C内に気泡を発生させる発熱素子であってもよい。駆動素子Eが圧力室C内のインクの圧力を変動させることで、当該圧力室C内のインクはノズルNから吐出される。
振動板44上には保護部46が配置される。保護部46は、複数の駆動素子Eを保護するとともに圧力室基板43および振動板44の機械的な強度を補強する。保護部46は、例えば半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。また、振動板44の表面には図示しない配線基板が接合される。当該配線基板は、制御ユニット21と液体吐出ヘッド26とを電気的に接続するための複数の配線が形成される。
筐体部47は、複数の圧力室Cに供給されるインクを貯留するためのケースであり、例えば樹脂材料の射出成形で形成される。筐体部47には第1液体貯留室Raが形成される。また、筐体部47には、図6に示す供給用孔Ra_inと排出用孔Ra_outと供給用孔Rb_inと排出用孔Rb_outとが形成される。これらは、ホルダー33のインク孔332を介して流路部材31の液体流路に連通する。
コンプライアンス基板45は、連通流路R1および供給流路R2の壁面の一部を構成する。コンプライアンス基板45は、封止膜451と支持板452とを有する。封止膜451は、可撓性を有するフィルムであり、連通板42に接触する。封止膜451は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、または芳香族ポリアミド等の樹脂材料により形成される。支持板452は、封止膜451における連通板42とは反対の面に設けられる。支持板452は、例えばステンレス鋼等の金属等で形成される。支持板452は、その厚さ方向に貫通した開口部を有する。そのため、コンプライアンス基板45のうちの支持板452が設けられていない部分は、封止膜451のみで構成される。当該部分は、第1液体貯留室Ra内のインクの圧力変動を吸収する緩衝機能を有する。つまり、当該部分は、緩衝部として機能する。
5.各部材同士の接続
図8は、補強板37、固定板36および循環ヘッドHnの部分的な拡大断面図である。図8に示すように、補強板37は、固定板36とホルダー33との間に配置される。ホルダー33は、補強板37を接着する接着面339を有する。ホルダー33の接着面339と補強板37とは、第1接着剤61により接着される。また、ホルダー33は、接着面339からZ2方向に向かって突出する壁部330を有する。壁部330によって、補強板37の側壁および固定板36の側壁が囲まれる。
図8は、補強板37、固定板36および循環ヘッドHnの部分的な拡大断面図である。図8に示すように、補強板37は、固定板36とホルダー33との間に配置される。ホルダー33は、補強板37を接着する接着面339を有する。ホルダー33の接着面339と補強板37とは、第1接着剤61により接着される。また、ホルダー33は、接着面339からZ2方向に向かって突出する壁部330を有する。壁部330によって、補強板37の側壁および固定板36の側壁が囲まれる。
補強板37と固定板36とは、第3接着剤63により接着される。第3接着剤63は、補強板37における第1接着剤61が設けられる面とは反対の面に設けられる。また、固定板36と循環ヘッドHnとは、第2接着剤62により接着される。具体的には、コンプライアンス基板45の支持板452と、固定板36とが、第2接着剤62により接着される。
固定板36は、ホルダー33の壁部330に対して隙間を空けて設けられる。また、補強板37は、壁部330に対して隙間を空けて設けられる。固定板36と壁部330との隙間、および補強板37と壁部330との隙間には、モールド(第2モールド)51が配置される。モールド51は、これら隙間を埋めるように配置される。よって、モールド51は、固定板36、補強板37および壁部330に接触する。また、言い換えると、固定板36と流路構造体300のX軸における間にはモールド(第2モールド)51が設けられることになる。
コンプライアンス基板45は、ノズル基板41に対して隙間を空けて設けられる。また、固定板36は、ノズル基板41に対して隙間を空けて設けられる。固定板36とノズル基板41との隙間、およびコンプライアンス基板45とノズル基板41との隙間には、モールド(第1モールド)52が配置される。モールド52は、これら隙間を埋めるように配置される。よって、モールド52は、固定板36、コンプライアンス基板45およびノズル基板41に接触する。また、言い換えると、固定板36とノズル基板41のX軸における間にはモールド(第1モールド)52が設けられることになる。
ここで、ノズル基板41の外表面419および固定板36の外表面369は、インクが吐出されるノズルNの開口近傍に位置する。そのため、外表面419および外表面369には、インクが付着し易い。外表面419は、ノズル基板41における連通板42とは反対の面である。外表面369は、固定板36における補強板37とは反対の面である。外表面419および外表面369に付着するインクとは、具体的には例えば、インクの吐出時に浮遊するミスト状のインク、およびノズルNのクリーニング時に残留するインク等である。かかるインクが固定板36の外表面369に付着した状態が継続すると、当該インクの影響によって固定板36がモールド52等から剥離するおそれがある。特に、ソルベントインクおよび紫外線硬化型インクは、水系インクに比べて、インクが付着した状態が長期間維持され易い。そのため、固定板36がモールド52等から剥離するおそれが特に顕著である。
図9は、インクによる固定板36の剥離を説明するための図である。固定板36の外表面369にインクが付着した状態が維持されると、付着したインクが矢印A1に示すように固定板36とモールド52との間に侵入し、その結果、固定板36がモールド52から剥離するおそれがある。さらに、矢印A2に示すように、固定板36と循環ヘッドHnとの間にインクが侵入し、その結果、固定板36が循環ヘッドHnから剥離するおそれがある。当該剥離が生じると、循環ヘッドHnにおけるリークが発生するおそれがある。また、矢印A3に示すように、モールド52と循環ヘッドHnとの間でノズル基板41に向かってインクが侵入するおそれがある。
同様に、固定板36の外表面369にインクが付着した状態が維持されると、付着したインクは、矢印B1に示すように固定板36とモールド51との間に侵入し、その結果、固定板36がモールド51から剥離するおそれがある。さらに、矢印B2に示すように、固定板36と補強板37との間にインクが侵入し、その結果、固定板36が補強板37から剥離するおそれがある。当該剥離が生じると、循環ヘッドHnにおけるリークが発生するおそれがある。また、矢印B3に示すように、モールド51と補強板37との間でホルダー33に向かってインクが侵入するおそれがある。
ここで、固定板36の表面から、ホルダー33と補強板37とが第1接着剤61によって接着された部分までの距離は、図9に例示するように、距離d1である。また、固定板36の表面から、固定板36と循環ヘッドHnとが第2接着剤62によって接着された部分までの距離は、図9に示すように、距離d2である。また、固定板36の表面から、固定板36と補強板37とが第3接着剤63によって接着された部分までの距離は、図9に示すように、距離d3である。ここで、距離d1は、距離d2および距離d3よりも大きい。すなわち、固定板36に多量のインクが付着したとしても、距離d1が大きいため、ホルダー33と補強板37が第1接着剤61にて接着された部分まではインクは侵入しにくい。一方で、距離d2は小さいため、固定板36と循環ヘッドHnが第2接着剤62によって接着された部分までインクが浸入し易い。同じく、距離d3も小さいため、固定板36と補強板37が第3接着剤63によって接着された部分までインクが侵入し易い。
このように、固定板36と循環ヘッドHnの接着部はインクが侵入し易い。したがって、本実施形態におけるヘッドユニット252では、固定板36と循環ヘッドHnとの間にインクが侵入することによるリークの発生を抑制するよう、固定板36と循環ヘッドHnとの間に、インクに対する耐性に優れる第2接着剤62が設ける。具体的には、図8に例示される第2接着剤62は、第1接着剤61よりもインクとの反応性が低い。別の言い方をすると、第2接着剤62は、第1接着剤61よりも、インクの影響による接着強度の低下が生じ難い。そのため、図9中に矢印A1に示すように固定板36とモールド52との間にインクが侵入してしまっても、固定板36が循環ヘッドHnから剥離するおそれを抑制することができる。それゆえ、循環ヘッドHnにおけるリークの発生を抑制できるので、吐出安定性の低下を抑制することができる。
例えばインクがソルベントインクである場合、固定板36と循環ヘッドHnとの間には、当該ソルベントインクに対する耐性に優れる第2接着剤62が設けられる。これにより、当該ソルベントインクによっても、固定板36が循環ヘッドHnから剥離するおそれを抑制することができるので、リークの発生を抑制することができる。同様に、インクが紫外線硬化型インクである場合、当該紫外線硬化型インクに対する耐性に優れる第2接着剤62が設けられることで、リークの発生を抑制することができる。
一方、ホルダー33と補強板37の接着部はインクが侵入し難い。それゆえ、ホルダー33と補強板37の間には第2接着剤62のようなインクに対する耐性が優れたものを用いなくとも良い。寧ろ、インクに対する耐性が優れた接着剤は、固化したときの硬度が高くなり易いため、衝撃が加わったときにクラック等が発生する可能性が高くなる。したがって、ホルダー33と補強板37の間のようにインクが侵入しにくい部分であれば、インクに対する耐性がそれ程高くない接着剤を用いた方が好ましい。したがって、本実施形態では、ホルダー33と補強板37の間には第2接着剤62よりもインクとの反応性が高い第1接着剤61を用いる。
また、第1接着剤61としては、インクに対する耐性以外を重視して選択することができる。特に、固定板36と補強板37が第3接着剤63にて接着され、且つ、循環ヘッドHnが固定板36に第2接着剤62によって接着固定された後、最後にホルダー33と補強板37が第1接着剤61で接着されることになる。そのため、第1接着剤61は第2接着剤62よりも可使時間(ポットライフ)や硬化収縮性等の要求が大きくなる。ゆえに、本実施形態においては、第1接着剤61には第2接着剤62に比べて耐インク性よりも可使時間や硬化収縮性に優れた接着剤を用いることが好ましい。
ここで、上述のインクと接着剤の反応性は、インクと接着剤それぞれの溶解性パラメーターによって数値比較することができる。具体的には、インクと第2接着剤62との反応性がインクと第1接着剤61との反応性よりも低いとは、第1接着剤61の溶解性パラメーターをSPa、第2接着剤62の溶解性パラメーターをSPb、インクの溶解性パラメーターをSPzとしたとき、SPaとSPbとは、|SPb−SPz|>|SPa−SPz|の関係を満たすことに対応する。ある2種の成分が混合するために要するエネルギーは、一般にそれら成分の差分の溶解性パラメーターの2乗に比例する。したがって、2種の成分の溶解性パラメーターの差分が大きいほど、それら成分は混合するために要するエネルギー量が大きくなり、ゆえに反応しにくくなる。つまり、|SPb−SPz|>|SPa−SPz|の関係を満たすことは、インクと第2接着剤62との反応性がインクと第1接着剤61との反応性よりも小さいということに対応する。よって、SPaとSPbとが当該関係を満たすことで、インクにより、固定板36が循環ヘッドHnから剥離するおそれを抑制することができる。
特に、SPaとSPbとは、1≦|SPb−SPz|−|SPa−SPz|≦5の関係を満足することが好ましい。かかる範囲を満たすことで、第2接着剤62の選択性を大幅に低下させずに、固定板36が循環ヘッドHnから剥離するおそれを特に効果的に抑制することができる。具体的には例えば、0≦|SPa−SPz|≦2である場合、3≦|SPb−SPz|≦5であることが好ましい。また、第2接着剤62の溶解性パラメーターであるSPbが11(MJ/m3)1/2以上であると、各種インクに対して充分に優れた耐性が発揮される。
図8に例示される通り、固定板36は、循環ヘッドHnのコンプライアンス基板45に第2接着剤62によって接着される。コンプライアンス基板45は、供給流路R2の壁面の一部を構成する。第2接着剤62によって固定板36がコンプライアンス基板45から剥離するおそれが抑制されることで、リークの発生を特に効果的に抑制することができる。
また、図9中の矢印B2に示すように固定板36と補強板37との間にインクが侵入することによるリークの発生を抑制するよう、固定板36と補強板37との間には、インクに対する耐性に優れる第3接着剤63が設けられる。具体的には、第3接着剤63は、第1接着剤61よりもインクとの反応性が低い。別の言い方をすると、第3接着剤63は、第1接着剤61よりも、インクの影響による接着強度の低下が生じ難い。そのため、図9中の矢印B1に示すように固定板36とモールド51との間にインクが侵入してしまっても、固定板36が補強板37から剥離するおそれを抑制することができる。それゆえ、固定板36が補強板37から剥離することに起因するリークの発生を抑制できるので、吐出安定性の低下を抑制することができる。
第3接着剤の溶解パラメーターをSPcとしたとき、SPaとSPcとは、|SPc−SPz|>|SPa−SPz|の関係を満たす。したがって、第3接着剤63は、第1接着剤61よりもインクによって溶解し難い。SPaとSPcとが当該関係を満たすことで、インクにより、固定板36が補強板37から剥離するおそれを抑制することができる。
特に、SPaとSPcとは、1≦|SPc−SPz|−|SPa−SPz|≦5の関係を満足することが好ましい。かかる範囲を満たすことで、第3接着剤63の選択性を大幅に低下させずに、固定板36が補強板37から剥離するおそれを特に効果的に抑制することができる。具体的には例えば、0≦|SPa−SPz|≦2である場合、3≦|SPc−SPz|≦5であることが好ましい。また、第3接着剤63の溶解性パラメーターであるSPcが11(MJ/m3)1/2以上であると、各種インクに対して充分に優れた耐性が発揮される。
第1接着剤61、第2接着剤62および第3接着剤63は、有機系接着剤で構成される。具体的には、第1接着剤61は、シリコーン系接着剤であることが好ましい。シリコーン系接着剤は、取り扱いが容易であり、かつ耐熱性に優れるという利点がある。また、当該シリコーン系接着剤は、湿気硬化型であることが好ましい。湿気硬化型であることで、第1接着剤61の取り扱いが特に容易であり、よって、ヘッドユニット252の製造時の効率化を図ることができる。ただし、第1接着剤61としてエポキシ系接着剤を用いても良い。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有した接着剤を用いても良い。また、変性シリコーン樹脂や炭酸カルシウム、ポリオキシアルキレングリンシジルエーテルを主成分とした接着剤を用いても良い。
第2接着剤62は、エポキシ系接着剤であることが好ましい。特に、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。エポキシ系接着剤を用いることで、第1接着剤61よりもインクとの反応性が低い第2接着剤62が構成され易い。また、当該エポキシ系接着剤は、熱硬化型または光硬化型のいずれであってもよいが、循環ヘッドHn等に与える熱が少なくて済むことから、光硬化型であることが好ましく、紫外線硬化型であることがより好ましい。また、第2接着剤62は、架橋されて硬化する接着剤であることで、ソルベントインク等に対する耐性を高めることができる。
第3接着剤63は、エポキシ系接着剤であることが好ましい。エポキシ系接着剤を用いることで、第1接着剤61よりもインクとの反応性が低い第3接着剤63が構成され易い。また、当該エポキシ系接着剤は、熱硬化型または光硬化型のいずれであってもよいが、循環ヘッドHn等に与える熱が少なくて済むことから、光硬化型であることが好ましく、紫外線硬化型であることがより好ましい。また、第3接着剤63は、架橋されて硬化する接着剤であることで、ソルベントインク等に対する耐性を高めることができる。
本実施形態では、第3接着剤63は、第2接着剤62と同一の接着剤である。よって、補強板37と循環ヘッドHnとは同一の接着剤で固定板36に接着される。同一の接着剤が用いられることで、固定板36、補強板37および複数の循環ヘッドHnの組み立てを容易に行うことができる。
なお、第3接着剤63と第2接着剤62とは、互いに異なる接着剤であってもよい。また、第1接着剤61は、シリコーン系接着剤以外であってもよく、例えばエポキシ系樹脂またはウレタン系樹脂等であってもよい。同様に、第2接着剤62および第3接着剤63は、それぞれエポキシ系接着剤以外であってもよく、例えばシリコーン系樹脂またはウレタン系樹脂等であってもよい。
また、固定板36における補強板37とは反対の面、すなわち固定板36の外表面369は、撥水性を有する。別の言い方をすると、外表面369は、インクに対する撥液性を有する。そのため、外表面369が撥水性を有さない場合に比べ、固定板36の外表面369にインクが付着することを抑制することができる。よって、固定板36とモールド51との間、および固定板36とモールド52との間にインクが侵入することを抑制することができる。よって、リークの発生をより効果的に抑制することができる。なお、外表面369の臨界表面張力が20mN/m以下である場合、あるいは純水に対する静的接触角が90度以上である場合、当該外表面369は撥水性を好適に有する。
図10は、固定板36の製造方法について説明するための断面図である。図10のステップS11に例示される通り、まず、ステンレス鋼等の金属材料で構成された板材360xの表面に、例えばディッピング等により、撥水性を有する撥水膜365xが形成される。撥水膜365xは、例えばフッ素を有する官能基等を含む。次に、ステップS12に示すように、パンチング加工またはレーザー加工等により開口部361が形成される。その後、ステップS13に示すように、例えば、マスクM1を用いて固定板36の一部にプラズマ処理を施すことにより、撥水膜365xの一部が除去される。具体的には、外表面369の反対の面における撥水膜365xが除去される。これにより、固定板36が得られる。
かかる方法によれば、撥水膜365xが形成された後に開口部361が形成されるので、開口部361を形成する壁面に撥水膜365xが残ることが抑制される。そのため、開口部361において撥水膜365xが残っている場合に比べ、図8に例示されるように開口部361に配置されたモールド52から固定板36が剥離することを抑制することができる。また、図10に例示されるステップS13において、外表面369の反対の面における撥水膜365xが除去されるので、図8に例示される第2接着剤62により当該面を循環ヘッドHnに対して好適に接着することができる。
図11は、固定板36の製造方法の他の例を説明するための断面図である。図11に例示される固定板36は、貫通孔が設けられた板材360xの表面に撥水膜365xを形成し、その後、マスクM1を用いたプラズマ処理が施されることにより得られる。かかる方法では、例えばプラズマ処理を施したとしても、開口部361を形成する壁面における撥水膜365xが除去され難い。開口部361において撥水膜365xが設けられていると、撥水膜365xが設けられていない場合に比べ、図8に示すモールド52が固定板36に接着し難い。そのため、開口部361において撥水膜365xは設けられていないことが好ましい。ただし、図8に例示される通り、固定板36と循環ヘッドHnとの間に第2接着剤62が設けられているため、開口部361において撥水膜365xが設けられていても、固定板36が循環ヘッドHnから剥離することが抑制される。よって、リークを効果的に抑制することができる。
また、第2接着剤62の溶解性パラメーターであるSPbは、モールド52の溶解性パラメーターであるSPx以上である。そのため、図9中の矢印A1に示すようにモールド52と固定板36との間にインクが侵入しても、第2接着剤62により当該インクの侵入によるリークを抑制することができる。第2接着剤62は、固定板36における外表面369の反対の面とコンプライアンス基板45とを接着する。そのため、外表面369の反対の面とコンプライアンス基板45とが撥水性を有さないことで、固定板36が循環ヘッドHnから剥離することをより効果的に抑制することができる。
また、SPbとSPxとは、0≦|SPb−SPx|≦2の関係を満足することが好ましい。かかる範囲を満たすことで、モールド52は、インクに対する耐性が優れる。よって、かかる関係を満たさない場合に比べ、固定板36がモールド52から剥離することを抑制することができる。
また、図8に例示される通り、モールド52は、固定板36とノズル基板41との間に設けられる。さらに、モールド52は、ノズル基板41とコンプライアンス基板45との間に設けられる。これら隙間にモールド52が設けられることで、当該隙間がモールド52によって埋められる。これら隙間がモールド52で埋められることで、図9中の矢印A3に示すように、モールド52とコンプライアンス基板45との間をノズル基板41に向かってインクが侵入することを抑制することができる。また、図8に示すモールド51は、ホルダー33と固定板36との間、およびホルダー33と補強板37との間に設けられる。これら隙間にモールド51が設けられることで、当該隙間がモールド51によって埋められる。これら隙間がモールド51で埋められることで、図9中の矢印B3に示すように、モールド51と補強板37との間をホルダー33に向かってインクが侵入することを抑制することができる。
モールド51および52は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂で形成される。モールド51および52は、例えばエポキシ樹脂で形成されることが好ましい。エポキシ系接着剤を用いることで、充填性に優れるモールド51および52が形成され易い。また、モールド51および52の各粘度は、第2接着剤62の粘度よりも低いことが好ましい。モールド51および52の粘度が低いと流動性に優れるため、目的とする箇所に充填し易いという利点ある。
図12は、固定板36およびホルダー33の平面図である。なお、図12では、便宜上、モールド51にドットが付されている。図12に示すように、固定板36には、モールド剤を充填するための凹部368が設けられる。凹部368は、固定板36の厚さ方向に貫通し、かつ、ホルダー33の壁部330に向かって開口する。当該凹部368に、例えばニードル等を用いてモールド剤を流し込むことで、毛細管現象により、壁部330と固定板36との間にモールド剤を広げることができる。特に、モールド51の粘度が第2接着剤62の粘度よりも低いことで、モールド剤を好適に広げることができる。そして、モールド剤が固化することにより、壁部330と固定板36との間にモールド51が形成される。
また、ホルダー33の壁部330の角部には、凹部338が設けられる。当該凹部338が設けられることで、モールド剤が押し流されて、壁部330と固定板36との間からモールド剤がはみ出ることを抑制することができる。なお、凹部338と同様の機能を有する凹部は、固定板36に設けられてもよい。また、凹部368と同様の機能を有する凹部は、ホルダー33に設けられてもよい。また、固定板36における開口部361を形成する壁面にも凹部368と同様の機能を有する凹部、または凹部338と同様の機能を有する凹部が設けられてもよい。
6.変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
前述の実施形態では、ヘッドユニット252が有する循環ヘッドHnの数は、4個に限定されず、1個でも、3個以外の複数であってもよい。
前述の実施形態では、ヘッドユニット252のZ1方向からみた形状は、図3に例示される形状に限定されず任意である。例えば、ヘッドユニット252のZ1方向からみた形状は、四角形であってもよい。よって、ヘッドユニット252は、第1ヘッド部分U1と第2ヘッド部分U2と第3ヘッド部分U3とを有する形状に限定されない。
前述の実施形態では、第1供給流路Saと第2供給流路Sbとに別種のインクが供給されたが、第1供給流路Saと第2供給流路Sbとに同種のインクが供給されてもよい。
前述の実施形態では、ヘッドユニット252を搭載した搬送体241を往復させるシリアル方式の液体吐出装置を例示したが、複数のノズルNが媒体11の全幅にわたり分布するライン方式の液体吐出装置にも本発明を適用することが可能である。
前述の実施形態では、ヘッドユニット252の外部にサブタンク13が設けられており、ヘッドユニット252とサブタンク13の間でインクを循環させたが、サブタンクでなくとも、ヘッドユニット252の外部の間でインクを循環させる系であれば良い。例えばヘッドユニット252と液体容器12の間でインクを循環させても良い。
前述の実施形態では、ヘッドユニット252は、第1排出流路Da、第2排出流路Db、第1排出用突出部313aおよび第2排出用突出部313bを有するが、これを有さなくてもよい。つまり、「液体吐出ヘッドユニット」は、液体を循環させる機構を有さなくてもよい。
前述の実施形態では、固定板36と循環ヘッドHnとの間は第2接着剤62で、固定板36と補強板37との間は第3接着剤63で、それぞれ接着した。第2接着剤62および第3接着剤63はそれぞれ第1接着剤61よりもインクとの反応性が低い接着剤である。しかしながら、必ずしも固定板36と循環ヘッドHnとの間と、固定板36と補強板37との間との両方を第1接着剤よりもインクとの反応性が低い接着剤で接着しなくとも良い。例えば、固定板36と循環ヘッドHnとの間は第2接着剤62で接着し、固定板36と補強板37との間はインクとの反応性が第1接着剤61と同程度の接着剤で接着しても良い。また、固定板36と循環ヘッドHnとの間はインクとの反応性が第1接着剤61と同程度の接着剤で接着し、固定板36と補強板37との間は第3接着剤63で接着しても良い。固定板36と循環ヘッドHnとの間と、固定板36と補強板37との間との少なくとも一方をインクとの反応性が第1接着剤61よりも低い接着剤で接着すれば、少なくともインクとの反応性が第1接着剤61よりも低い接着剤で接着した部分については乖離を抑制することができる。
前述の実施形態で例示した液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に適用され得る。もっとも、液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を吐出する液体吐出ヘッドユニットを備える液体吐出装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
11…媒体、12…液体容器、12a…第1液体容器、12b…第2液体容器、13…サブタンク、13a…第1サブタンク、13b…第2サブタンク、21…制御ユニット、23…搬送機構、24…移動機構、25…ヘッドモジュール、26…液体吐出ヘッド、31…流路部材、32…配線基板、33…ホルダー、35…コネクター、36…固定板、37…補強板、38…カバー、41…ノズル基板、42…連通板、43…圧力室基板、44…振動板、45…コンプライアンス基板、46…保護部、47…筐体部、51…モールド、52…モールド、61…第1接着剤、62…第2接着剤、63…第3接着剤、100…液体吐出装置、241…搬送体、242…無端ベルト、251…支持体、252…ヘッドユニット、253…取付孔、300…流路構造体、311…基体、312a…第1供給用突出部、312b…第2供給用突出部、313a…第1排出用突出部、313b…第2排出用突出部、330…壁部、331…凹部、332…インク孔、333…配線孔、334…フランジ、335…ねじ孔、338…凹部、339…接着面、360x…板材、361…開口部、365x…撥水膜、368…凹部、369…外表面、371…開口部、381…突出部用孔、382…開口部、419…外表面、451…封止膜、452…支持板、C…圧力室、Da…第1排出流路、Da_out…第1排出口、Db…第2排出流路、Db_out…第2排出口、E…駆動素子、Hn…循環ヘッド、La…第1ノズル列、Lb…第2ノズル列、Lc…中心線、M1…マスク、N…ノズル、Qa…第1液体吐出部、Qb…第2液体吐出部、R1…連通流路、R2…供給流路、Ra…第1液体貯留室、Ra_in…供給用孔、Ra_out…排出用孔、Rb…第2液体貯留室、Rb_in…供給用孔、Rb_out…排出用孔、Sa…第1供給流路、Sa_in…第1供給口、Sb…第2供給流路、Sb_in…第2供給口、Su…基板、U1…第1ヘッド部分、U2…第2ヘッド部分、U3…第3ヘッド部分。
Claims (13)
- 液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、
液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、
前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、
前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、
前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、
前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、
前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、前記第1接着剤よりも前記液体との反応性が低い第2接着剤により接着されることを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。 - 液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、
液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、
前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、
前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、
前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、
前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、
前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、前記第1接着剤と異なる第2接着剤により接着され、
前記第1接着剤の溶解性パラメーターをSPa、前記第2接着剤の溶解性パラメーターをSPb、前記液体の溶解性パラメーターをSPzとしたとき、|SPb−SPz|>|SPa−SPz|を満たすことを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。 - 前記第1接着剤は、シリコーン系接着剤であり、
前記第2接着剤は、エポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドユニット。 - 前記液体吐出ヘッドは、
前記ノズルに連通する連通流路が設けられ、前記ノズル基板に接続される連通板と、
前記ノズル基板と隙間を空けて設けられ、緩衝機能を有し、前記連通板に接続されるコンプライアンス基板と、を有し、
前記固定板は、前記液体吐出ヘッドのうちの前記コンプライアンス基板に前記第2接着剤によって接着されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。 - 前記ノズル基板と前記固定板との間に設けられた第1モールドを更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。
- 前記ノズル基板と前記流路構造体との間に設けられた第2モールドを更に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。
- 前記固定板と前記補強板とは、前記第1接着剤と異なる第3接着剤により接着され、
前記第3接着剤の溶解パラメーターをSPcとしたとき、|SPc−SPz|>|SPa−SPz|を満たすことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。 - 前記第3接着剤は、前記第2接着剤と同一の接着剤であることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッドユニット。
- 前記固定板における前記補強板とは反対の面は、撥水性を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。
- 前記固定板の表面から、前記流路構造体と前記固定板とが前記第1接着剤によって接着された部分までの距離は、前記固定板の表面から、前記液体吐出ヘッドと前記固定板とが前記第2接着剤によって接着された部分までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドユニット。
- 液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、
液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、
前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、
前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、
前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、
前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、
前記固定板と前記補強板とは、前記第1接着剤よりも前記液体との反応性が低い第3接着剤により接着されることを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。 - 液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、
液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、
前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、
前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、
前記流路構造体と前記固定板の間に設けられる補強板と、を有し、
前記流路構造体と前記補強板とは、第1接着剤により接着され、
前記固定板と前記補強板とは、前記第1接着剤とは異なる第3接着剤により接着され、
前記第1接着剤の溶解性パラメーターをSPa、前記第3接着剤の溶解性パラメーターをSPc、前記液体の溶解性パラメーターをSPzとしたとき、|SPc−SPz|>|SPa−SPz|を満たすことを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。 - 液体を吐出するための液体吐出ヘッドユニットであって、
液体流路が設けられる流路部材を含む流路構造体と、
前記液体流路から供給される前記液体を吐出するノズルが設けられるノズル基板を含む液体吐出ヘッドと、
前記流路構造体に前記液体吐出ヘッドを固定するための固定板と、
前記ノズル基板と前記固定板とに接触するモールドと、を有し、
前記液体吐出ヘッドと前記固定板とは、接着剤により接着され、
前記接着剤の溶解性パラメーターは、前記モールドの溶解性パラメーター以上であることを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。
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---|---|---|---|
JP2019178219A JP2021053882A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 液体吐出ヘッドユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019178219A JP2021053882A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 液体吐出ヘッドユニット |
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JP2021053882A true JP2021053882A (ja) | 2021-04-08 |
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Family Applications (1)
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JP2019178219A Pending JP2021053882A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 液体吐出ヘッドユニット |
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-
2019
- 2019-09-30 JP JP2019178219A patent/JP2021053882A/ja active Pending
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