JP2021052540A - ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 - Google Patents

ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発電機を備えた発電機システムをネガワット取引に利用する場合に、発電機を確実に起動させる。【解決手段】ネガワット取引支援装置(3)は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷(2)に対して、外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機(11)と、受電点における受電電力の値(PjA)が入力され、受電電力の値が第1の閾値(Pgth)を超えた場合に発電機を起動するとともに、受電電力の値が第1の閾値よりも小さい第2の閾値(Pgref)を超えないように発電機の発電電力を制御する制御装置(10)とを備えた発電機システム(1)に接続可能な装置である。ネガワット取引支援装置は、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて、第1の閾値よりも大きい仮想受電電力の値(PjB)を算出し、受電電力の値(PjA)に代えて制御装置に入力することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明はネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関し、詳細には、バーチャルパワープラントを実現するためのネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関する。
従来の電力網は、火力発電所や水力発電所などの大型の発電所で発電した電力を、電気の需要家である企業や家庭に供給する形態をとるのが一般的であった。近年、従来の電力網に代わる電力網として、バーチャルパワープラント(VPP:Virtual Power Plant)を用いた電力網が注目されている。バーチャルパワープラントは、太陽光発電、蓄電池、電気自動車、ネガワット(節電した電力)といった広く普及したエネルギーリソース(分散型のエネルギーリソース)を活用すべく、IoTを駆使した高度なエネルギーマネジメント技術によって分散型のエネルギーリソースを遠隔・統合制御し、あたかも1つの発電所のような機能を実現するものである。
近年、バーチャルパワープラントの分散型のエネルギーリソースのひとつであるネガワット取引のための技術は、バーチャルパワープラントの要素技術として普及が期待されている。
ここで、バーチャルパワープラントとは、電力系統に直接接続されている発電設備や蓄電設備等の分散型エネルギーリソースの保有者または第三者が、当該分散型エネルギーリソースを制御することで発電所と同等の機能を提供することをいう。バーチャルパワープラントは、例えば、リソースアグリゲーターやアグリゲーションコーディネーター等によって構成される。
リソースアグリゲーターとは、需要家とバーチャルパワープラントサービス契約を直接締結して電力リソースの制御を行う事業者のことをいう。アグリゲーションコーディネーターとは、リソースアグリゲーターが制御した電力量を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者をいう。また、ネガワット取引とは、例えば送配電事業者やリソースアグリゲーター等の要請に応じた電力の需要削減量の取引を言う。
一方、需要家には、受電電力が契約電力閾値以下の電力になるように受電電力を調整する機能を有する受電電力調整設備を有する需要家(以下、「受電電力調整需要家」ともいう。)が存在する。受電電力調整設備とは、蓄電池システム、自家発電設備などの常用発電設備やデマンドコントローラを用い、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに常用発電設備から受電電力調整需要家の負荷に電力を供給して受電電力を契約電力閾値以下の電力に調整する設備である。
デマンドコントローラを用いた設備では、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに、デマンドコントローラにより受電電力調整需要家内の負荷を選択遮断して受電電力を契約電力閾値以下の電力になるようにしている。
例えば、受電電力調整設備として蓄電池システムを有する受電電力調整需要家では、受電電力のピークカットを目的とし、受電電力に応じて蓄電池システムの充放電電力を自動的に調整している。
このような受電電力調整設備は、通常、自律制御であり、外部からの制御指令を受け付ける構成とはなっていない。そのため、既設の受電電力調整設備をネガワット取引に利用するためには、外部から通信手段を経由して受電電力の目標値を変更できるように制御装置の改造または取替が必要になる。
しかしながら、PCS等の制御装置の改造にあたっては、メーカーや機器毎に改造仕様が異なるため多額の費用が掛かることが想定されるとともに、標準仕様で製作された装置の場合には非標準品扱いの機器となってしまうことが懸念される。
そこで、近年、こうした受電電力調整需要家の既設の受電電力調整設備を改造したり取替えたりすることなくネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置の研究が行われている。
例えば、特許文献1には、受電点の受電電力(以下、「受電点電力」とも称する。)を監視し、受電点電力が所定の閾値(負荷追従閾値)を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する負荷追従機能を備えた蓄電池システムにおいて、受電電力の見かけ上の値を調整して蓄電池システムに入力することで、ネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置が開示されている。
このネガワット取引支援装置は、ネガワット取引のトリガとなるデマンドレスポンスを指示する指令(デマンドレスポンス指令)に含まれる受電電力の削減量に応じた値を実際の受電電力に加算した仮想受電電力を蓄電池システムに入力する。蓄電地システムは、仮想受電電力が負荷追従閾値を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する。これにより、デマンドレスポンス指令に応じて受電電力を削減することが可能となる。
また、上述した蓄電池システム以外の負荷追従機能を有する受電電力調整設備としては、化石燃料を動力源とする発電機を備えた発電機システムが知られている(特許文献2参照)。
特開2018−160949号公報 特開2014−60839号公報
本願発明者らは、本願に先立って、負荷追従機能を有する発電機システムをネガワット取引に利用することを検討した。検討の結果、以下に示す課題があることが明らかとなった。
負荷追従機能を有する発電機システムをネガワット取引に利用する場合、上述した蓄電池システムの場合と同様に、特許文献1に開示されたネガワット取引支援装置を発電機システムの前段に接続する。発電機システム内の発電機が常用発電機として常時運転している場合には、上述した蓄電池システム用のネガワット取引支援装置のように、デマンドレスポンス指令に応じて発電機システムの負荷追従機能を用いて制御することにより、ネガワット取引を実現することが可能となる。
一方、発電機システム内の発電機が非常用発電機の場合、発電機は、通常、常時停止したコールド状態にある。そのため、発電機システムをネガワット取引に利用する場合、デマンドレスポンス指令の発動前に、予め発電機を起動させておく必要がある。
発電機の起動方式としては、特許文献2に開示されているような、接点インターフェースを介して入力された起動指令に応じて発電機を起動する接点起動方式と、受電点の受電電力が所定の閾値を超えた場合に発電機を自動的に起動する自動起動方式とがある。
自動起動方式の発電機システムは、例えば、受電点の受電電力が第1の閾値(起動閾値)を超えた場合に発電機を自動的に起動し、その後、受電点の受電電力が第1の閾値よりも小さい第2の閾値(負荷追従閾値)を超えないように発電機の発電電力をフィードバック制御することにより、負荷追従機能を実現する。
接点起動方式の発電機システムに上述のネガワット取引支援装置を適用した場合には、例えば、適切なタイミングで発電機システムの接点インターフェースに起動指令を入力することにより、発電機を起動させ、デマンドレスポンス指令に応じて受電電力を削減することが可能となる。
これに対し、自動起動方式の発電機システムに、上述のネガワット取引支援装置を適用した場合には、デマンドレスポンス指令が入力されたとしても、受電電力が所定の閾値を超えていなければ発電機が起動しないため、デマンドレスポンス指令に応じた受電電力の適切な調整を行うことができないという課題があることが明らかとなった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、発電機を備えた発電機システムをネガワット取引に利用する場合に、発電機を確実に起動させることにある。
本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機と、前記受電点における受電電力の値が入力され、前記受電電力の値が第1の閾値を超えた場合に前記発電機を起動するとともに、前記受電電力の値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を超えないように前記発電機の発電電力を制御する制御装置とを備えた発電機システムに接続可能なネガワット取引支援装置であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて、前記第1の閾値よりも大きい仮想受電電力の値を算出し、前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力することを特徴とする。
本発明によれば、発電機を備えた発電機システムをネガワット取引に利用する場合に、発電機を確実に起動させることが可能となる。
第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の発電機システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。 発電機システムの動作を説明するための図である。 発電機システムの動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引装置におけるDR発動前後の電力の変化を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の発電機システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る起動指令値Pstを説明するための図である。 第2の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第2の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第2の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第2の実施形態に係るネガワット取引装置の動作を説明するための図である。 第2の実施形態に係るネガワット取引装置におけるDR発動前後の電力の変化を示すタイミングチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置(3)は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷(2)に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機(11)と、前記受電点における受電電力の値(PjA)が入力され、前記受電電力の値が第1の閾値(起動閾値Pgth)を超えた場合に前記発電機を起動するとともに、前記受電電力の値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値(負荷追従閾値Pgref)を超えないように前記発電機の発電電力を制御する制御装置(10)とを備えた発電機システム(1)に接続可能なネガワット取引支援装置(3,3A)であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて、前記第1の閾値よりも大きい仮想受電電力の値(PjB)を算出し、前記受電電力の値(PjA)に代えて前記制御装置に入力することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕のネガワット取引支援装置は、前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を算出する受電電力目標値算出部(33)と、前記第1の閾値以上の大きさを有する起動指令値を出力する起動指令出力部(32)と、前記起動指令値から前記受電電力の目標値を減算して前記受電電力のバイアス値(Pbias)を算出するバイアス値算出部(34)と、前記バイアス値を前記受電電力の値に加算して前記仮想受電電力の値を算出し、算出した前記仮想受電電力の値を前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力する仮想受電電力算出部(36)と、を備えていてもよい。
〔3〕上記〔2〕のネガワット取引支援装置(3)において、前記起動指令出力部(32)は、前記第1の閾値に対応する値(Pgth)を前記起動指令値として出力してもよい。
〔4〕上記〔2〕のネガワット取引支援装置(3A)において、前記起動指令出力部(32A)は、前記起動指令値として、前記第2の閾値に対応する値(Pgref)を出力し、所定の期間だけ前記第1の閾値以上の値(Pgth)を出力してもよい。
〔5〕上記〔4〕のネガワット取引支援装置(3A)において、前記起動指令出力部(32A)は、前記第1の閾値と前記第2の閾値との差分以上の大きさ(ΔPp)を有する起動パルス(P_pls)を生成する起動パルス生成部(320)と、前記第2の閾値と前記起動パルスとを加算して出力する出力部(321)とを有していてもよい。
〔6〕本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援方法は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機と、前記受電点における受電電力の値が入力され、前記受電電力の値が第1の閾値を超えた場合に前記発電機を起動するとともに、前記受電電力の値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を超えないように前記発電機の発電電力を制御する制御装置とを備えた発電機システムを用いたネガワット取引を支援する方法である。本方法は、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令を受信する第1ステップと、前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を算出する第2ステップと、前記第1の閾値以上の大きさを有する起動指令値を算出する第3ステップと、前記起動指令値から前記受電電力の目標値を減算して前記受電電力のバイアス値を算出する第4ステップと、前記バイアス値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力の値を算出し、算出した前記仮想受電電力の値を前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力する第5ステップと、を含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の発電機システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。
ネガワット取引装置100は、例えば、受電電力調整需要家の敷地内に設置され、バーチャルパワープラントを構成するリソースアグリゲーター等から送信されるデマンドレスポンス指令(以下、「DR指令」とも称する。)に応じて、受電点における受電電力を削減してネガワット取引を可能にするシステムである。
図1に示すように、ネガワット取引装置100は、発電機システム1と、発電機システム1(制御装置10)の前段に設けられるネガワット取引支援装置3と、を備えている。
発電機システム1は、受電電力調整需要家の受電点における受電電力が供給される負荷2に対して、上記受電電力とは別に電力を供給可能な発電機を備えた受電電力調整設備である。
図1に示すように、発電機システム1は、制御装置10と発電機11を備えている。発電機システム1は、受電電力に応じて、発電機11の発電電力Pgが変化するように構成されている。すなわち、発電機システム1において、制御装置10が、入力された受電電力の値と発電機11の発電電力Pgの値とに基づいて、発電機11の発電電力を調整するための発電電力調整値Pgaを決定して発電機11へ出力し、発電機11が発電電力調整値Pgaに応じて調整した発電電力を出力する。
ここで、発電機11は、例えば、重油等の化石燃料に基づいて力学的エネルギー(例えば回転エネルギー)を発生させる原動機(不図示)と、原動機で発生した力学的エネルギーに基づいて発電し、負荷2に電力を供給する発電部(不図示)とを有している。
制御装置10は、発電機11を制御して発電機11の発電電力を調整するための装置である。制御装置10は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。
図1に示すように、制御装置10は、発電機11の発電電力を調整する機能を実現するための機能ブロックとして、負荷電力算出部13と、負荷追従閾値設定部14と、発電電力調整値算出部15と、発電機起動制御部16とを有している。これらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路を制御することによって、実現される。
なお、本実施の形態では、制御装置10の上記機能ブロックがプログラム処理によって実現されるものとして説明するが、一部または全ての機能ブロックがハードウェアロジック回路等によって実現されていてもよい。
負荷電力算出部13は、例えば、入力された受電電力の値と発電機11の発電電力Pgの値とを加算して、負荷電力PLBの値を算出する。
負荷追従閾値設定部14は、発電機システム1の出力目標(発電電力Pgの値)を決定するための第2の閾値(以下、「負荷追従閾値」と称する。)Pgrefを設定する。
負荷追従閾値Pgrefとしては、例えば、受電電力調整需要家の契約電力に準じた値が設定される。例えば、負荷追従閾値Pgrefを契約電力に等しい値に設定してもよいが、契約電力よりも低い値に設定することにより、発電機システム1が余裕をもって動作することが可能となる。なお、負荷追従閾値Pgrefは1つに限られず、複数設定しておき、どの閾値に基づいて制御を行うかをさらに設定できるようにしてもよい。
発電電力調整値算出部15は、負荷電力が負荷追従閾値Pgrefを超えないように、発電機11の発電電力の目標値である発電電力調整値Pgaを算出する。発電電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力PLBの値から負荷追従閾値Pgrefを減算して、発電電力調整値Pgaを算出する。算出された発電電力調整値Pgaは、制御装置10から発電機11に出力される。
発電機起動制御部16は、発電機11の起動を制御する。発電機起動制御部16は、入力された受電電力の値が起動閾値Pgthを超えた場合に、発電機11を起動させる。
起動閾値Pgthは、発電機11を起動するか否かを判定するための基準値(第1の閾値)である。起動閾値Pgthは、負荷追従閾値Pgrefよりも大きい値である(Pgth>Pgref)。例えば、起動閾値Pgthは、予め制御装置10に設定されている。
具体的に、発電機起動制御部16は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力PLBを監視し、負荷電力PLBの値が起動閾値Pgthを超えたとき、発電機11の起動を指示する制御信号Sgを出力する。
発電機11は、発電機11の起動を指示する制御信号Sg(ON指令)の入力をトリガとして発電機11を起動し、電力を発生させる。また、発電機11は、発電機11の停止を指示する制御信号Sg(OFF指令)の入力をトリガとして、発電機11を停止する。
制御信号Sgは、例えばパルス信号であって、発電機11は、パルス信号の立ち上がりエッジ(または立ち下がりエッジ)に応じて起動と停止を切り替えるように構成されていてもよい。
次に、発電機システム1の動作について、図を用いて説明する。ここでは、ネガワット取引支援装置3を接続していない既存の受電電力調整設備の構成例を用いて、発電機システム1の動作を説明する。
図2Aおよび図2Bは、発電機システム1の動作を説明するための図である。
図2Aおよび図2Bに示す発電機システム1において、負荷追従閾値Pgref=2300kW、起動閾値Pgth=2500kWであるとする。また、図2Aには、受電点の実受電電力PjA=2000kWである場合の発電機システム1における発電電力Pg等の数値例が示され、図2Bには、受電点の実受電電力PjA=2600kWである場合の発電機システム1における発電電力Pg等の数値例が示されている。なお、図2Aの初期状態では、発電機11が起動していないものとする。
図2Aおよび図2Bに示すように、ネガワット取引支援装置3が接続されていない既存の受電電力調整設備の構成例では、受電電力調整需要家の受電点で受電された実受電電力PjAの値が受電電力の値として制御装置10に直接入力される。
図2Aに示すように、発電機11が起動していない状態では、発電機11の発電電力Pgの値はゼロである。この状態において、受電点の実受電電力PjA=2000kWである場合、負荷電力算出部13によって算出される負荷2の負荷電力PLBの値は、実受電電力PjAと同じ値(=2000kW)となる。
発電電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷2の負荷電力PLB(=2000kW)の値から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して発電電力調整値Pga(=−300kW)を算出する。この場合、算出された発電電力調整値Pga(=−300kW)が“0”より小さいので、発電電力調整値Pgaを“0”として発電機11に入力する。
発電機起動制御部16は、負荷電力PLB(=2000kW)と起動閾値Pgthとを比較して、発電機11を起動するか否かを判定する。この場合、負荷電力PLBの値(=2000kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)より小さいため、発電機起動制御部16は、発電機11を起動させない(OFF指令)。したがって、図2Aの状態では、負荷2は外部(系統)からの電力のみによって駆動する。
次に、負荷2の電力が増加し、実受電電力PjAの値が2000kWから2600kWに増加した場合を考える。この場合、図2Bに示すように、負荷電力算出部13によって算出された負荷2の負荷電力PLBの値が2600kWに変更されたので、発電電力調整値算出部15によって算出される発電電力調整値Pgaは、300kW(=2600kW−2300kW)に更新され、発電機11に入力される。
このとき、負荷2の負荷電力PLBの値(=2600kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)より大きいため、発電機起動制御部16は、発電機11の起動を指示する制御信号Sg(ON指令)を出力して発電機11を起動させる。起動した発電機11は、必要に応じて暖気運転を行った後、発電電力Pgが発電電力調整値Pga(=300kW)に一致するように、発電を行う。
発電機11が動作することにより、発電機11から300kWの電力が負荷2に供給されるため、受電点の実受電電力PjAは、当初(図2Aの場合)の値(=2600kW)よりも発電機11の発電電力(=300kW)の分だけ少ない値(=2300kW)になる。すなわち、受電点の実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値(=2300kW)と等しくなる。その後、制御装置10は、実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値(=2300kW)を超えないように発電機11の発電電力を調整する。
このように、自動起動方式の発電機システム1において、制御装置10は、入力された受電電力の値が起動閾値Pgthを超えたとき発電機11を起動させ、発電機11の起動後、受電点の電力が負荷追従閾値Pgrefを超えないように発電機11の発電電力Pgを制御する。すなわち、制御装置10は、受電電力を入力し、受電電力と発電機11の発電電力Pgとの合計値が負荷追従閾値Pgrefに収束するように発電機11の発電電力Pgを制御する、所謂PI制御のフィードバック系を構成している。
次に、ネガワット取引支援装置3について説明する。
ネガワット取引支援装置3は、上述した既存の発電機システム1におけるフィードバック系の目標値に代えて、ネガワット取引のトリガとなるDR指令値(デマンドレスポンスで指定する値)で指定された値を新たな目標値として、発電機システム1を制御するための装置である。
ネガワット取引支援装置3は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。また、ネガワット取引支援装置3は、例えば、リソースアグリゲーター等の上位装置や発電機システム1との間で有線または無線により通信を行うための通信回路等も備えている。
図1に示すように、ネガワット取引支援装置3は、発電機システム1を用いたネガワット取引を支援する機能を実現するための機能ブロックとして、DR指令受信部31と、起動指令出力部32と、受電電力目標値算出部33と、バイアス値算出部34と、DR発動指令部35と、仮想受電電力算出部36と、スケジュール管理部37と、ベースライン算出部38とを有している。これらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路および上記通信回路を制御することによって、実現される。
なお、本実施の形態では、ネガワット取引支援装置3の上記機能ブロックがプログラム処理によって実現されるものとして説明するが、一部または全ての機能ブロックがハードウェアロジック回路等によって実現されていてもよい。
DR指令受信部31は、例えばリソースアグリゲーター等の上位装置からDR指令を受信する。DR指令には、例えば、DR発動時間のデータ310と、DRによる電力の削減量の目標値(以下、「目標削減量」とも称する。)Ptのデータ311とが含まれている。
例えば、DR発動時間のデータ310には、DRを発動させる期間を指定する情報として、DRを発動させる時刻を指定する情報(DR発動時刻)と、DRを停止する時刻を指定する情報(DR停止時刻)とが含まれている。
ベースライン算出部38は、ベースラインP0の値を算出する。
ここで、ベースラインP0とは、ネガワット取引において、需要家がDR指令に応じて受電電力を削減するときの基準となる値である。例えば、ベースラインP0は、その需要家における、所定時刻における負荷電力または受電電力の過去数日間に亘る平均値である。例えば、過去5日間において30分毎に特定した負荷電力の平均値をDR発動期間におけるベースラインP0の値とすることができる。DR発動時において、需要家における当日の負荷電力PLBとベースラインP0とは近接した値となっていることが好ましい。なお、以下の説明では、理解の容易化のため、一例として、DRが発動する直前の受電電力の値がベースラインP0の値として算出されるものとして説明する。
受電電力目標値算出部33は、DR指令受信部31が受信したDR指令に含まれる目標削減量Ptと、ベースライン算出部38によって算出されたベースラインP0とに基づいて、受電電力目標値Psetを決定する。
受電電力目標値Psetは、DR指令に応じて受電点の受電電力を削減するときの受電電力の目標値である。受電電力目標値算出部33は、ベースラインP0から目標削減量Ptを減算して、受電電力目標値Pset(=P0−Pt)を算出する。
起動指令出力部32は、発電機システム1内の発電機11を起動させるための値(以下、「起動指令値」とも称する。)Pstを出力する。本実施の形態において、起動指令値Pstは、発電機システム1における制御装置10の起動閾値Pgthに応じた値(例えば、起動閾値Pgth以上の値)が設定される。本実施の形態では、例えば、起動指令出力部32は、起動閾値Pgthと同じ値を起動指令値Pst(=Pgth)として出力する。
バイアス値算出部34は、起動指令出力部32から出力された起動指令値Pstと受電電力目標値Psetとに基づいて、受電電力のバイアス値(以下、「受電電力目標バイアス値」とも称する。)Pbiasを算出する。
受電電力目標バイアス値Pbiasは、発電機システム1を用いてネガワット取引を実現するために、発電機システム1(制御装置10)に入力される受電電力の値を実受電電力PjAよりも大きく見せるための補正値である。
具体的に、バイアス値算出部34は、起動指令値Pstから受電電力目標値Psetを減算して受電電力目標バイアス値Pbiasを算出し、DR発動指令部35に与える。
スケジュール管理部37は、DR指令に基づいて受電点の受電電力を調整(削減)する電力調整処理の実行(DRの発動)と電力調整処理の停止(DRの停止)を制御する。具体的に、スケジュール管理部37は、DR指令受信部31によって受信したDR指令に含まれるDR発動時間のデータ310に基づいて、DRの発動の可否を示すDR発動指令信号Xを出力する。
スケジュール管理部37は、例えば計時を行うタイマを有しており、DR指令受信部31がDR指令を受信すると、DR発動時間のデータ310に含まれるDRの開始時刻とDRの停止時刻とが上記タイマに設定される。スケジュール管理部37は、通常、DR指令に基づく電力調整処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力している。スケジュール管理部37は、計測している時刻が設定された開始時刻と一致した場合に、DR指令に基づく電力調整処理の実行を指示するDR発動指令信号X(=1)を出力する。その後、計測している時刻が設定された停止時刻と一致した場合には、DR指令に基づく電力調整処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力する。
DR発動指令部35は、DR発動指令信号Xに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasの出力を制御する。DR発動指令部35は、例えば乗算回路であって、DR発動指令信号Xと受電電力目標バイアス値Pbiasとを乗算した値を出力する。例えば、DR発動指令部35は、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力調整処理の停止を指示する値(=0)である場合には、“0”を出力し、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力調整処理の実行を指示する値(=1)である場合には、受電電力目標バイアス値Pbiasを出力する。
仮想受電電力算出部36は、発電機システム1(制御装置10)に入力すべき受電電力の値を補正した仮想受電電力PjBを算出する。仮想受電電力算出部36は、受電点における実受電電力PjAにDR発動指令部35から出力された値を加算して、仮想受電電力PjBを算出する。仮想受電電力PjBの値は、例えば4−20mAの電流信号によって、制御装置10に入力される。
例えば、DRが発動していない場合(DR発動指令信号X=0の場合)には、DR発動指令部35から“0”が出力されるので、仮想受電電力算出部36は、実受電電力PjAの値に“0”を加算して仮想受電電力PjBを算出する。すなわち、DR発動の指示がされていない場合には、実受電電力PjAの値がそのまま仮想受電電力PjBとして出力され、発電機システム1(制御装置10)は、ネガワット取引支援装置3が接続されていない場合と同様の動作を行う(図2A、図2B参照)。
一方、DRが発動している場合(DR発動指令信号X=1の場合)には、DR発動指令部35から“受電電力目標バイアス値Pbias”が出力されるので、仮想受電電力算出部36は、実受電電力PjAの値に受電電力目標バイアス値Pbiasを加算して仮想受電電力PjBの値を算出する。すなわち、DRが発動している場合には、実受電電力PjAの値が“受電電力目標バイアス値Pbias”だけバイアスされた値が、仮想受電電力PjBとして出力され、発電機システム1(制御装置10)は、実受電電力PjAの代わりに仮想受電電力PjBを用いて、発電機11の制御を行う。
次に、ネガワット取引装置100の動作について、図を用いて説明する。
図3A〜図3Cは、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100の動作を説明するための図である。図4は、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100におけるDR発動前後の電力の変化を示すタイミングチャートである。
図4において、横軸は時間を示し、縦軸は電力を示している。また、図4において、参照符号400はベースラインP0を表し、参照符号401は実受電電力PjAを表し、参照符号402は仮想受電電力PjBを表し、参照符号403は発電電力Pgを表している。
図3Aには、図4の時刻t0から時刻t1までの期間におけるネガワット取引装置100の発電電力Pg等の数値例が示され、図3Bには、図4の時刻t2から時刻t3までの期間におけるネガワット取引装置100の発電電力Pg等の数値例が示され、図3Cには、図4の時刻t4におけるネガワット取引装置100の発電電力Pg等の数値例が示されている。
図3A〜図3Cに示すネガワット取引装置100において、負荷追従閾値Pgref=2300kW、起動閾値Pgth=2500kWであるとする。また、DR発動前後において実受電電力PjAは2000kWであり、ベースラインP0は、DR発動直前の実受電電力PjAと同じ値(=2000kW)であるとする。また、図3Aでは、初期状態において発電機11が起動していないものとする。
図3A,図4に示すように、先ず、ネガワット取引支援装置3がDR指令を受信していない時刻t0では、スケジュール管理部37が、DR発動指令信号Xを“0”として出力しているので、DR発動指令部35が“0”を出力し、仮想受電電力算出部36が、仮想受電電力PjB(2000kW)として、実受電電力PjA(2000kW)をそのまま発電機システム1の制御装置10に入力する。発電機システム1において、入力される仮想受電電力PjB(実受電電力PjA=2000kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)よりも小さいので、制御装置10は、発電機11を起動させず、発電電力Pgは0kWである。
次に、図4に示すように、時刻t1においてネガワット取引支援装置3が目標削減量Pt=500kWとするDR指令を上位装置から受信したとする。このとき、図3Aに示すように、ネガワット取引支援装置3において、DR指令受信部31が受信したDR指令に含まれる目標削減量Pt(=500kW)のデータ311を受電電力目標値算出部33に与えるとともに、DR指令に含まれるDR発動時間のデータ310をスケジュール管理部37に与える。
図3Aに示すように、受電電力目標値算出部33は、DR指令受信部31から与えられた目標削減量Pt(=500kW)をベースライン算出部38によって算出されたベースラインP0(2000kW)から減算することにより、受電電力目標値Pset(=1500kW)を算出し、バイアス値算出部34に与える。バイアス値算出部34は、起動指令値Pst(=2500kW)から受電電力目標値Pset(=1500kW)を減算して受電電力目標バイアス値Pbias(1000kW)を算出し、DR発動指令部35に与える。
時刻t2において、スケジュール管理部37は、DR指令受信部31から与えられたDR発動時間のデータ310に基づいて、DR発動時刻(例えば、時刻t2)とDR停止時刻を内部のタイマにセットする。このとき、スケジュール管理部37は、引き続き、DR発動指令信号Xを“0”として出力するので、仮想受電電力算出部36も、実受電電力PjA(2000kW)を仮想受電電力PjB(2000kW)として出力する。
次に、図4の時刻t2において、スケジュール管理部37による計測時刻がタイマにセットしたDR発動時刻と一致したとき、スケジュール管理部37は、DR発動指令信号Xを“0”から“1”に切り替える。これにより、図3Bに示すように、DR発動指令部35が、バイアス値算出部34から与えられた受電電力目標バイアス値Pbias(1000kW)を出力し、仮想受電電力算出部36が、DR発動指令部35から出力された受電電力目標バイアス値Pbias(=1000kW)を実受電電力PjA(=2000kW)に加算して仮想受電電力PjB(=3000kW)を算出し、発電機システム1に与える。
図4の時刻t2において、発電機システム1内の発電機11は起動していないため、発電電力Pgは0kWである。したがって、図3Bに示すように、発電機システム1において、負荷電力算出部13が算出する負荷2の負荷電力PLBは、ネガワット取引支援装置3から入力された仮想受電電力PjB(=3000kW)と同じ値となる。これにより、負荷電力PLB(3000kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)よりも大きくなるので、発電機起動制御部16が、発電機の起動を指示する制御信号Sg(ON指令)を出力して発電機11を起動させる。
また、このとき、発電電力調整値算出部15が、負荷電力算出部13によって算出された負荷2の負荷電力PLB(=3000kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して発電電力調整値Pga(=700kW)を算出し、発電機11に入力する(図3B参照)。これにより、発電電力調整値Pga(=700kW)が発電電力の目標値として発電機11に設定される。
その後、起動した発電機11は、暖気運転を経て、時刻t3において発電を開始し、発電電力Pgが発電電力調整値Pga(=700kW)となるように動作する。発電機11の発電電力Pgは負荷2に供給される。これにより、図4の時刻t3以降において、受電点の実受電電力PjAは、発電機11の発電電力Pgの上昇に伴って、低下する。
その後、時刻t4において、発電機11の発電電力Pgが発電電力調整値Pga(=700kW)まで到達したとき、受電点の実受電電力PjAは、当初(時刻t1から時刻t2の期間)の値(2000kW)よりも発電機11の発電電力(700kW)の分だけ小さい値(1300kW)になる(図3C参照)。その結果、発電機システム1に入力される仮想受電電力PjBは、実受電電力PjAの値(1300kW)に受電電力目標バイアス値Pbias(=1000kW)を加算した2300kWとなる(図3C参照)。
時刻t4において、発電機システム1に入力される仮想受電電力PjBの値が2300kWになったとき、発電機11の発電電力Pgの値は“700kW”となるが、その一方で、上述したように仮想受電電力PjBは“2300kW”になっているので、負荷電力算出部13によって算出される負荷2の負荷電力PLBは、変化せず、“3000kW”のままである。これにより、DRが発動している期間においては、発電機11が700kWの発電電力Pgを負荷2に供給し続けるので、受電点の実受電電力PjAが負荷2に実電力2000kWよりも低い1300kWとなり、DR指令に応じた受電電力の削減を実現することができる。
なお、DR指令に基づく受電電力の目標削減量Ptは“500kW”であるが、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100によれば、DR指令に基づく目標削減量Pt(=500kW)よりも、起動閾値Pgth(=2500kW)と負荷追従閾値Pgref(=2300kW)との差分(=200kW)だけ大きい電力(=700kW)が削減される。すなわち、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100によれば、DR指令に基づく目標削減量Pt以上の受電電力の削減が可能となる。
以上、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置3は、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令(DR指令)に応じて、起動閾値Pgth(第1の閾値)よりも大きい仮想受電電力PjBの値を算出し、受電電力(実受電電力PjA)の値に代えて発電機システム1の制御装置10に入力する。これによれば、自動起動方式の発電機システムをネガワット取引に利用する場合に、発電機システム1内の発電機11を確実に起動させることが可能となる。
具体的には、上述したように、ネガワット取引支援装置3は、DR指令に基づいて算出された受電電力目標値Pset(例えば1500kW)を、第1の閾値としての負荷追従閾値Pgref(例えば2300kW)以上の大きさを有する起動指令値Pst(起動閾値Pgth(例えば2500kW))から減算して受電電力目標バイアス値Pbias(例えば1000kW)を算出し、算出した受電電力目標バイアス値Pbiasを受電電力の値(例えば2000kW)に加算した仮想受電電力PjBの値(例えば3000kW)を実受電電力PjAの値(例えば2000kW)に代えて、発電機システム1の制御装置10に入力する。
これによれば、上述したように、発電機システム1は、受電点の実受電電力PjA(例えば2000kW)ではなく、DR指令に基づく受電電力目標値Psetと起動指令値Pstとによって実受電電力PjAを補正した仮想受電電力PjB(例えば3000kW)に基づいて、発電機11の発電電力Pgを調整するので、既存の発電機システム1を改造することなく、ネガワット取引を実現することが可能となる。
また、ネガワット取引支援装置3は、第1の閾値としての負荷追従閾値Pgref以上の大きさを有する起動指令値Pst(=発電機システム1の起動閾値Pgth)を実受電電力PjAに加算して仮想受電電力PjBを算出しているので、DR発動時に発電機システム1に入力される仮想受電電力PjBは、発電機11の起動閾値Pgthよりも大きい値となる。これにより、自動起動方式の発電機システム1において、DRの発動時に、発電機11を確実に起動させることが可能となる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の発電機システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。
上述したように、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100によれば、DR指令に基づく目標削減量Pt以上の受電電力の削減を実現することができる。しかしながら、別の見方をすれば、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100は、DR発動時に過剰な受電電力の削減を行っていると言える。
第2の実施形態のネガワット取引支援装置3Aは、上記の点に鑑みてなされたものであり、ネガワット取引支援装置3Aは、DR発動時に発電機11を確実に起動させるだけでなく、DR指令の目標削減量Ptに応じた適切な受電電力の削減を行うための構成を有している。
具体的には、ネガワット取引支援装置3Aは、発電機11の起動閾値Pgthに相当する起動指令値Pstを常時出力するのではなく、DR発動時に一定期間だけ出力する点において、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置3と相違し、その他の点においては、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置3と同様である。
より具体的には、図5に示すように、ネガワット取引支援装置3Aは、第1の実施形態に係る起動指令出力部32に代えて、起動指令出力部32Aを有している。
起動指令出力部32Aは、一定期間だけパルス状となる起動指令値Pstを出力する。起動指令出力部32Aは、負荷追従閾値Pgref(第2の閾値)に相当する起動指令値Pstを出力し、所定の期間だけ起動閾値Pgth(第1の閾値)以上の起動指令値Pstを出力する。
具体的に、起動指令出力部32Aは、起動パルス生成部320と出力部321とを有している。起動パルス生成部320および出力部321は、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路を制御することによって、実現される。
起動パルス生成部320は、起動パルスP_plsを生成する。起動パルス生成部320は、スケジュール管理部37からの指示に応じて、起動パルスP_plsを生成する。
起動パルスP_plsは、自動起動方式の発電機システム1の発電機11を起動させるための信号(値)であり、発電機システム1に設定されている起動閾値Pgthと負荷追従閾値Pgrefとの差分ΔPp以上の大きさを有する。
出力部321は、予め設定されている負荷追従閾値Pgrefと起動パルス生成部320によって生成された起動パルスP_plsとを加算して、起動指令値Pstとして出力する。
図6は、第2の実施形態に係る起動指令値Pstを説明するための図である。同図には、負荷追従閾値Pgref=2300kW、ΔPp=200kWとしたときの、負荷追従閾値Pgref、起動パルスP_pls、起動指令値Pstがそれぞれ示されている。
図6に示すように、起動パルス生成部320は、例えばΔPpの大きさを有する起動パルスP_plsを所定期間Tだけ出力する。出力部321は、起動パルスP_plsが出力されていないとき、すなわち起動パルスP_pls=0のときには、予めネガワット取引支援装置3Aに設定されている負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を起動指令値Pstとして出力する。一方、起動パルスP_plsが出力されている期間T、すなわち起動パルスP_pls=ΔPpの期間では、出力部321は、負荷追従閾値Pgrefに起動パルスP_pls(ΔPp)を加算した値(Pgref+ΔPp=2300kW+200kW=2500kW)を、起動指令値Pstとして出力する。
ここで、起動パルスP_plsが出力される期間Tは、自動起動方式の発電機システム1の発電機11を確実に起動させるのに必要十分な長さがあればよい。すなわち、発電機システム1の制御装置10(発電機起動制御部16)が、起動指令値Pstのパルス状の変化を検出してからON指令の制御信号Sgを出力するまでの処理を確実に行うために必要十分な時間に基づいて、期間Tが設定されていればよい。
バイアス値算出部34は、起動指令出力部32Aから出力された起動指令値Pstと受電電力目標値Psetとに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasを算出する。具体的には、バイアス値算出部34は、起動パルスP_plsが出力されていない期間において、起動指令値Pstとしての負荷追従閾値Pgrefから受電電力目標値Psetを減算した値(=Pgref−Pset)を、受電電力目標バイアス値Pbiasとして出力する。一方、起動パルスP_plsが出力されている期間Tにおいて、バイアス値算出部34は、起動指令値Pstとしての、負荷追従閾値Pgrefと起動パルスP_pls(ΔPp)との合算値から、受電電力目標値Psetを減算した値(Pgref+ΔPp−Pset)を、受電電力目標バイアス値Pbiasとして出力する。
DR発動指令部35は、第1の実施形態の場合と同様に、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力調整処理の停止を指示する値(例えば0)である場合には、例えば“0”を出力し、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力調整処理の実行を指示する値(例えば1)である場合には、バイアス値算出部34によって算出された受電電力目標バイアス値Pbias((Pgref−Pset)または(Pgref+ΔPp−Pset))を出力する。
スケジュール管理部37は、計測している時刻が、DR発動時間のデータ310に基づいて設定されたDR開始時刻と一致した場合に、DR指令に基づく電力調整処理の実行を指示するDR発動指令信号X(=1)を出力するとともに、起動パルス生成部320に対して起動パルスP_plsの出力を指示する。起動パルス生成部320は、スケジュール管理部37からの指示に応じて、所定期間Tだけ起動パルスP_plsを出力する。
その後、計測している時刻が設定された停止時刻と一致した場合には、スケジュール管理部37は、DR指令に基づく電力調整処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力する。
次に、第2の実施形態に係るネガワット取引装置100Aの動作について、図を用いて説明する。
図7A〜図7Dは、第2の実施形態に係るネガワット取引装置100Aの動作を説明するための図である。図8は、第2の実施形態に係るネガワット取引装置100AにおけるDR発動前後の電力の変化を示すタイミングチャートである。
図8において、横軸は時間を示し、縦軸は電力を示している。また、参照符号800はベースラインP0を表し、参照符号801は実受電電力PjAを表し、参照符号802は仮想受電電力PjBを表し、参照符号803は発電電力Pgを表し、参照符号804は起動パルスP_plsを表している。
図7Aには、図8の時刻t0から時刻t1までの期間におけるネガワット取引装置100Aの発電電力Pg等の数値例が示され、図7Bには、図8の時刻t2から時刻t3までの期間におけるネガワット取引装置100Aの発電電力Pg等の数値例が示され、図7Cには、図8の時刻t3から時刻t4までの期間におけるネガワット取引装置100Aの発電電力Pg等の数値例が示され、図7Dには、図8の時刻t4におけるネガワット取引装置100Aの発電電力Pg等の数値例が示されている。
図7A〜図7Cに示すネガワット取引装置100Aにおいて、負荷追従閾値Pgref=2300kW、起動閾値Pgth=2500kW、起動パルスP_plsの大きさΔPp=200kWであるとする。また、DR発動前後において実受電電力PjA=2000kWであり、ベースラインP0は、DR発動直前の実受電電力PjAと同じ値(=2000kW)であるとする。また、図7Aでは、初期状態において発電機11が起動していないものとする。
図8に示すように、先ず、ネガワット取引支援装置3AがDR指令を受信していない時刻t0では、スケジュール管理部37が、起動パルス生成部320に対して起動パルスP_plsの出力を指示していないので、起動指令出力部32Aは、負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を起動指令値Pstとして出力する(図7A参照)。
また、このとき、スケジュール管理部37はDR発動指令信号X=“0”を出力しているので、図7Aに示すように、DR発動指令部35が“0”を出力し、仮想受電電力算出部36が、仮想受電電力PjBとして、実受電電力PjA(=2000kW)をそのまま発電機システム1に入力する。発電機システム1において、制御装置10は、入力された仮想受電電力PjB(実受電電力PjA=2000kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)よりも小さいので、発電機11を起動させない(発電電力Pg=0kW)。
その後、図8に示すように、時刻t1においてネガワット取引支援装置3Aが目標削減量Pt=500kWとするDR指令を上位装置から受信したとする。このとき、ネガワット取引支援装置3Aにおいて、DR指令受信部31は、受信したDR指令に含まれる目標削減量Pt(=500kW)のデータ311を受電電力目標値算出部33に与えるとともに、DR指令に含まれるDR発動時間のデータ310をスケジュール管理部37に与える。
図7Aに示すように、受電電力目標値算出部33は、DR指令受信部31から与えられた目標削減量Pt(=500kW)をベースライン算出部38によって算出されたベースラインP0(2000kW)から減算することにより、受電電力目標値Pset(=1500kW)を算出し、バイアス値算出部34に与える。バイアス値算出部34は、起動指令値Pst(=2300kW)から受電電力目標値Pset(=1500kW)を減算して受電電力目標バイアス値Pbias(800kW)を算出し、DR発動指令部35に与える。
このとき、スケジュール管理部37は、DR指令受信部31から与えられたDR発動時間のデータ310に基づいて、DR発動時刻(例えば、時刻t2)とDR停止時刻を内部のタイマにセットする。このとき、スケジュール管理部37は、引き続き、起動パルス生成部320に対して起動パルスP_plsの生成を指示せず、且つDR発動指令信号Xを“0”として出力する。これにより、仮想受電電力算出部36も、引き続き、実受電電力PjA(2000kW)を仮想受電電力PjB(2000kW)として出力する。
その後、図8に示すように、時刻t2において、スケジュール管理部37による計測時刻がタイマにセットしたDR発動時刻(t2)と一致したとき、スケジュール管理部37が、起動パルス生成部320に対して起動パルスP_plsの生成を指示する。
起動パルス生成部320は、スケジュール管理部37からの指示に応じて、時刻t2から時刻t3までの所定期間Tにおいて、大きさΔPp(=200kW)の起動パルスP_plsを出力する。これにより、期間Tにおいて、起動指令出力部32Aの出力部321は、負荷追従閾値Pgref(=2300kW)と起動パルスP_pls(=ΔPp=200kW)とを合算した値(=2500kW)を、起動指令値Pstとして出力し、バイアス値算出部34は、その起動指令値Pst(=2500kW)から受電電力目標値Pset(=1500kW)を減算した値を受電電力目標バイアス値Pbias(=1000kW)として出力する。
また、時刻t2において、スケジュール管理部37は、DR発動指令信号Xを“0”から“1”に切り替える。これにより、DR発動指令部35は、バイアス値算出部34から与えられた受電電力目標バイアス値Pbiasを仮想受電電力算出部36に出力する。具体的には、時刻t2から時刻t3までの期間Tにおいて、DR発動指令部35は、起動パルスP_plsの大きさΔPpが上乗せされた受電電力目標バイアス値Pbias(1000kW)を仮想受電電力算出部36に出力する。
これにより、図7Bに示すように、仮想受電電力算出部36は、DR発動指令部35から出力された受電電力目標バイアス値Pbias(=1000kW)に実受電電力PjA(=2000kW)を加算して仮想受電電力PjB(=3000kW)を算出し、発電機システム1に与える。
このとき、発電機システム1の発電機11は起動していないため、発電機11の発電電力Pgは0kWである。したがって、図7Bに示すように、発電機システム1において、負荷電力算出部13が算出する負荷電力PLBは、ネガワット取引支援装置3Aから入力された仮想受電電力PjB(=3000kW)と同じ値となる。これにより、負荷電力PLB(3000kW)が起動閾値Pgth(=2500kW)よりも大きくなるので、発電機起動制御部16は、制御信号Sg(ON指令)を出力して発電機11を起動させる。
また、図7Bに示すように、発電電力調整値算出部15が、負荷電力算出部13によって算出された負荷2の負荷電力PLB(=3000kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して発電電力調整値Pga(=700kW)を算出し、発電機11に入力する。これにより、発電電力調整値Pga(=700kW)が発電電力の目標値として発電機11に設定される。
その後、時刻t2から所定期間Tが経過した時刻t3において、起動パルス生成部320は、起動パルスP_plsの生成を停止する。これにより、図7Cに示すように、起動指令出力部32Aの出力部321は、負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を起動指令値Pstとして出力し、バイアス値算出部34は、その起動指令値Pst(=2300kW)から受電電力目標値Pset(=1500kW)を減算した値を受電電力目標バイアス値Pbias(=800kW)として出力する。仮想受電電力算出部36は、DR発動指令部35から出力された、起動パルスP_pls分が上乗せされていない受電電力目標バイアス値Pbias(800kW)を実受電電力PjA(=2000kW)に加算して仮想受電電力PjB(=2800kW)を算出し、発電機システム1に与える。
図8に示すように、時刻t3において、発電機システム1の発電機11は、起動しているが、暖気運転中であるため、発電は行っておらず、発電電力Pgは0kWである。したがって、負荷電力算出部13によって算出される負荷2の負荷電力PLBは、仮想受電電力PjB(=2800kW)と同じ値となる。
発電電力調整値算出部15は、負荷電力PLB(=2800kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して発電電力調整値Pga(=500kW)を算出し、発電機11に入力する。これにより、時刻t3以降において、発電機11の発電電力の目標値は、700kWから500kWに変更される。
時刻t4において、暖気運転を終えた発電機11が発電を開始し、発電電力Pgを増加させる。発電機11の発電電力Pgは、負荷2に供給される。これにより、図8に示すように、発電機11の発電電力Pgの上昇に伴い、受電点の実受電電力PjAが低下する。
その後、発電機11は、発電電力Pgが発電電力調整値Pga(=500kW)となるように動作する。発電機11の発電電力Pgは負荷2に供給される。これにより、図8の時刻t4以降において、受電点の実受電電力PjAは、発電機11の発電電力Pgの上昇に伴って、低下する。
その後、図7Dおよび図8に示すように、時刻t5において、発電機11の発電電力Pgが発電電力調整値Pga(=500kW)まで到達したとき、受電点の実受電電力PjAは、当初(時刻t1から時刻t4までの期間)の値(2000kW)よりも発電機11の発電電力(500kW)の分だけ小さい値(1500kW)になる。その結果、発電機システム1に入力される仮想受電電力PjBは、実受電電力PjAの値(1500kW)に受電電力目標バイアス値Pbias(=800kW)を加算した2300kWとなる。
時刻t5において、発電機11の発電電力Pgの値が“500kW”となるが、仮想受電電力PjBの値が2300kWになっているので、負荷電力算出部13によって算出される負荷電力PLB(=2800kW)は変化しない。
これにより、DRが発動している期間においては、発電機11が500kWの発電電力Pgを負荷2に供給し続けるので、受電点の実受電電力PjAは、負荷2に実電力2000kWよりも低い1500kWとなり、DR指令の目標削減量(=500kW)に応じた受電電力の削減を実現することができる。
以上、第2の実施形態に係るネガワット取引支援装置3Aによれば、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置3と同様に、発電機システム1は、受電点の実受電電力PjA(例えば2000kW)ではなく、DR指令に基づく受電電力目標値Psetと起動指令値Pstとによって実受電電力PjAを補正した仮想受電電力PjB(例えば2500kW)に基づいて、発電機11の発電電力Pgを調整するので、既存の発電機システム1を改造することなく、ネガワット取引を実現することが可能となる。
また、ネガワット取引支援装置3Aにおいて、起動指令出力部32Aは、起動指令値Pstとして、負荷追従閾値Pgref(例えば2300kW)と同じ値を出力し、所定期間Tだけ発電機11の起動閾値Pgth(例えば2500kW)以上の値を出力する。
より具体的には、起動指令出力部32Aは、起動閾値Pgthと負荷追従閾値Pgrefとの差分以上の大きさΔPp(例えば200kW)を有する起動パルスP_plsを生成する起動パルス生成部320と、負荷追従閾値Pgref(第2の閾値)と起動パルスP_plsとを加算した値を起動指令値Pstとして出力する出力部321と、を有している。
これによれば、DRの発動直後の所定期間Tにおいては、第1の実施形態と同様に、起動閾値Pgthよりも高くなるように補正された仮想受電電力PjBが発電機システム1に入力されるので、発電機システム1の発電機起動制御部16は、受電点の受電電力が発電機11の起動閾値Pgthよりも大きいと判定し、発電機11を起動する。
また、所定期間Tの経過後(発電機11の起動後)においては、第1の実施形態とは異なり、起動閾値Pgthよりも低い負荷追従閾値Pgrefに基づいて補正された仮想受電電力PjBが発電機システム1に入力されるので、発電機11は、目標削減量Ptに応じた電力を発電するように動作する。
このように、ネガワット取引支援装置3Aによれば、DRの発動時に、自動起動方式の発電機システム1内の発電機11を確実に起動させることが可能になるとともに、発電機11の起動後は、過剰な受電電力の削減を行うことなく、DR指令によって指定された目標削減量の分だけ受電電力を削減することが可能となる。
(実施の形態の拡張)
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、ベースラインP0の値がネガワット取引支援装置3,3A内(ベースライン算出部38)で算出される場合を例示したが、これに限られない。例えば、ベースラインP0の値は、リソースアグリゲーター等の上位装置によって需要家毎に管理され、上位装置からネガワット取引支援装置3,3Aに送信されて、ネガワット取引支援装置3,3A内に設定されてもよい。
また、上記実施形態では、DR指令として目標削減量Ptを受信する場合を例示したが、DR指令として受電電力目標値Psetを受信してもよい。この場合には、受電電力目標値算出部33は、上述の計算を行うことなく、受信した受電電力目標値Psetをそのまま、バイアス値算出部34に与えればよい。
1…発電機システム、2…負荷、3,3A…ネガワット取引支援装置、10…制御装置、11…発電機、13…負荷電力算出部、14…負荷追従閾値設定部、15…発電電力調整値算出部、16…発電機起動制御部、31…DR指令受信部、32,32A…起動指令出力部、33…受電電力目標値算出部、34…バイアス値算出部、35…DR発動指令部、36…仮想受電電力算出部、37…スケジュール管理部、38…ベースライン算出部、100,100A…ネガワット取引装置、320…起動パルス生成部、321…出力部、P_pls…起動パルス、P0…ベースライン、Pbias…受電電力目標バイアス値、Pg…発電電力、Pga…発電電力調整値、Pgref…負荷追従閾値、Pgth…起動閾値、PjA…実受電電力、PjB…仮想受電電力、PLB…負荷電力、Pset…受電電力目標値、Pst…起動指令値、Pt…目標削減量、Sg…制御信号、X…DR発動指令信号、ΔPp…起動パルス。

Claims (6)

  1. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機と、前記受電点における受電電力の値が入力され、前記受電電力の値が第1の閾値を超えた場合に前記発電機を起動するとともに、前記受電電力の値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を超えないように前記発電機の発電電力を制御する制御装置とを備えた発電機システムに接続可能なネガワット取引支援装置であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて、前記第1の閾値よりも大きい仮想受電電力の値を算出し、前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  2. 請求項1に記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を算出する受電電力目標値算出部と、
    前記第1の閾値以上の大きさを有する起動指令値を出力する起動指令出力部と、
    前記起動指令値から前記受電電力の目標値を減算して前記受電電力のバイアス値を算出するバイアス値算出部と、
    前記バイアス値を前記受電電力の値に加算して前記仮想受電電力の値を算出し、算出した前記仮想受電電力の値を前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力する仮想受電電力算出部と、を備える
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  3. 請求項2に記載のネガワット取引支援装置において、
    前記起動指令出力部は、前記第1の閾値に対応する値を前記起動指令値として出力する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  4. 請求項2に記載のネガワット取引支援装置において、
    前記起動指令出力部は、前記起動指令値として、前記第2の閾値に対応する値を出力し、所定の期間だけ前記第1の閾値以上の値を出力する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  5. 請求項4に記載のネガワット取引支援装置において、
    前記起動指令出力部は、
    前記第1の閾値と前記第2の閾値との差分以上の大きさを有する起動パルスを生成する起動パルス生成部と、
    前記第2の閾値と前記起動パルスとを加算して出力する出力部とを有する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  6. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な発電機と、前記受電点における受電電力の値が入力され、前記受電電力の値が第1の閾値を超えた場合に前記発電機を起動するとともに、前記受電電力の値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を超えないように前記発電機の発電電力を制御する制御装置とを備えた発電機システムを用いたネガワット取引を支援するネガワット取引支援方法であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令を受信する第1ステップと、
    前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を算出する第2ステップと、
    前記第1の閾値以上の大きさを有する起動指令値を算出する第3ステップと、
    前記起動指令値から前記受電電力の目標値を減算して前記受電電力のバイアス値を算出する第4ステップと、
    前記バイアス値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力の値を算出し、算出した前記仮想受電電力の値を前記受電電力の値に代えて前記制御装置に入力する第5ステップと、を含む
    ことを特徴とするネガワット取引支援方法。
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