JP2021051192A - 累進屈折力レンズの設計方法、累進屈折力レンズの設計システムおよび累進屈折力レンズ群 - Google Patents

累進屈折力レンズの設計方法、累進屈折力レンズの設計システムおよび累進屈折力レンズ群 Download PDF

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Abstract

【課題】各装用者に応じて適切なモードを選択し、該モードに基づいて透過非点収差を付加した累進屈折力レンズを提供する。【解決手段】近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計方法であって、水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、を、処方度数に応じて決定するモード選択工程を有する、累進屈折力レンズの設計方法およびその関連技術を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、累進屈折力レンズの設計方法、累進屈折力レンズの設計システムおよび累進屈折力レンズ群に関する。
特許文献1には、近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備えた累進屈折力レンズが開示されている。
また、該累進屈折力レンズにおいて、遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差を付加することが開示されている(クレーム2、7)。
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定することも開示されている(クレーム2、特許文献1のEmbodiment 1)。このように付加する透過非点収差の量を設定することを「AS重視モード」ともいう。この設定により、従来に比べて中間部および近用部の明瞭な視野範囲が広がる(例えば[0108])。明瞭な視野範囲は透過非点収差(Astigmatism)分布により決まるため、本明細書ではAS重視モードと名付けている。
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定することも開示されている(クレーム7、特許文献1のEmbodiment 2)。このように付加する透過非点収差の量を設定することを「PW重視モード」ともいう。この設定により、従来に比べて、平均屈折力の閾値以上の平均屈折力を有する近用部の水平幅が広がる(例えば[0165])。また、従来に比べてスキュー歪みも小さくなる(例えば[0186]−[0194])。これらの効果は透過平均屈折力(Power)分布に起因するため、本明細書ではPW重視モードと名付けている。
EP3,457,195A1
特許文献1では、AS重視モードおよびPW重視モードについて開示があるのみであり、各装用者に対し、どのモードを採用するかについての検討はなされていない。
そこで、本発明の一実施例は、各装用者に応じて適切なモードを選択し、該モードに基づいて透過非点収差を付加した累進屈折力レンズを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計方法であって、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
を、処方度数に応じて決定するモード選択工程を有する、累進屈折力レンズの設計方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
モード選択工程において、
処方度数が所定値よりも低い場合、AS重視モードを選択し、
処方度数が所定値よりも高い場合、PW重視モードを選択する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の態様であって、
処方度数[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、付加する透過非点収差の量[D]を縦軸Y(正の方向は水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量、負の方向は垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量)、処方度数がゼロ且つ付加する透過非点収差の量がゼロを原点としたときのプロットに基づきモード選択工程を行い、
プロットは、
所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合、AS重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を正の方向にて一定とし、
所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合、AS重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を負の方向にて一定とし、
処方度数が所定値を挟む所定範囲内の場合、処方度数が所定値のときY=0とし且つ所定範囲から外れたプロットに対して連続的に変化する。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の態様であって、
処方度数は、遠用度数に加入度数を加えた近用度数であり、
所定値はゼロであり、
所定範囲は、所定値を中心に±0.25Dの範囲から±1.25Dの範囲までの間の広さである。
本発明の第5の態様は、
近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計システムであって、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
を、処方度数に応じて決定するモード選択部を有する、累進屈折力レンズの設計システムである。
本発明の第6の態様は、
近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズ群であって、
処方度数に応じ、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定され、且つ、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定された、累進屈折力レンズ群である。
本発明の他の一態様は、
処方度数は、遠用度数、または、遠用度数に加入度数を加えた近用度数である。
本発明の他の一態様は、
所定値はゼロである。
本発明の他の一態様は、
所定範囲は、所定値を中心に±0.25Dの範囲から±1.25Dの範囲までの間の広さである。
本発明の他の一態様は、
近用部および中間部に対して付加されるのは、絶対値がゼロを超え且つ0.25D以下の透過非点収差である。
本発明の他の一態様は、
乱視矯正のための屈折力を差し引いた後の遠用部の測定基準点Fにおける透過非点収差の値の絶対値が0.12D以下である。
本発明の他の一態様は、
遠用部の測定基準点Fにおける透過非点収差の値から近用部の測定基準点Nにおける透過非点収差の値までの変化量Δ[D]の絶対値の量は、加入度数ADD[D]の0.07〜0.24倍の量である。
本発明の他の一態様は、
透過非点収差と共に透過屈折力が付加される。
加入度数が1.5〜3.0Dであるのが好ましい。
レンズ上方から下方に向かって見たときに、透過非点収差の付加が開始した後は、透過非点収差の付加量は減少させないのが好ましい。
また、レンズ上方から下方に向かって見たときに、少なくとも累進開始点から測定基準点Nまで(子午線の場合は交わる水平線まで)では、透過非点収差の付加が開始した後に付加量が単調増加し且つ単調増加した付加量は減少しないようにするまたは減少するとしても付加量の10%以下もしくは0.12D以下であるのも好ましい。
本発明の一実施例によれば、各装用者に応じて適切なモードを選択し、該モードに基づいて透過非点収差を付加した累進屈折力レンズを提供できる。
図1は、近用度数[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、満足度を縦軸Y、加入度数ADDを2.00D、透過非点収差の付加量をAS重視モードで0.18D、PW重視モードで−0.25Dとしたときの、装用者に対する意見聴取の結果を回帰曲線にて示した図である。 図2は、遠用度数S[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、満足度を縦軸Y、加入度数ADDを2.00D、透過非点収差の付加量をAS重視モードで0.18D、PW重視モードで−0.25Dとしたときの、装用者に対する意見聴取の結果を回帰曲線にて示した図である。 図3は、本実施形態において、処方度数として遠用度数に加入度数を加えたもの(すなわち近用度数)を採用し、所定値をゼロとしたときの、モード選択工程の際に使用するプロットである。 図4は、図3において、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合、AS重視モードを選択し且つ正の方向にて一定とした透過非点収差の付加量を1に正規化し、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合、PW重視モードを選択し且つ負の方向にて一定とした透過非点収差の付加量を−1に正規化したプロットである。 図5は、本実施形態において、処方度数として遠用度数を採用し、所定値を−2.00Dとしたときの、モード選択工程の際に使用するプロットである。 図6は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合のプロットと、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合のプロットとを、直線で連結した連続的なプロットである。 図7は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲内にて原点を通過しないプロットである。 図8は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合のプロットと、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合のプロットとを、不連続的に連結したプロットである。 図9は、図3の変形例であって、ゼロを挟む所定範囲を±1.00Dとした場合のプロットである。
本発明の技術的思想が創出されたきっかけの一つは、特許文献1に記載のように、常識を覆し、眼鏡装用者が頻繁に視線を通過させる箇所に意図的に透過非点収差を付加したことにある。そしてその箇所とは、中間部および近用部である。なお、遠用部には該透過非点収差は付加しない。より正確に言えば、少なくとも遠用部に存在するフィッティングポイントまたはアイポイントFPには透過非点収差は付加しない。なお、本明細書の各用語の定義は、特許文献1の記載を全て参照可能である。
付加される透過非点収差において、AS重視モードすなわち水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、透過非点収差の付加を行うことにより、もちろん子午線および測定基準点Nでは透過非点収差が増加する。但し、中間部および近用部全体において透過非点収差の急峻な変化は収まる。そして、結果的に透過非点収差が0.50D以下(乱視矯正のための屈折力を差し引いた後)となる明瞭な視野範囲を獲得できる。
逆に、付加される透過非点収差において、PW重視モードすなわち垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、透過非点収差の付加を行うことにより、近用部における所定度数(例えば近用度数すなわち(遠用度数+加入度数)の半分)以上の領域の水平幅を従来よりも広げられる。この所定度数は(遠用度数+加入度数)の半分と設定してもよいし、(遠用度数+加入度数)の半分の±0.25Dの範囲内で設定してもよい。遠用度数のことを球面度数ともいい、符号Sを付すこともある。
このように透過非点収差が付加された累進屈折力レンズに対する感想を装用者から聴取した。その結果、装用者の処方度数に対する、AS重視モードかPW重視モードかを選択して作製した累進屈折力レンズと、装用者の満足度との間に、因果関係があることが本発明者により見いだされた。
以上の知見を基に想到された構成は以下のとおりである。
「近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計方法であって、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
を、処方度数に応じて決定するモード選択工程を有する、累進屈折力レンズの設計方法。」
ここで言う「処方度数」には特に限定は無いが、例えば、遠用度数、または、遠用度数に加入度数を加えた近用度数である。
本発明の一態様によれば、各装用者に応じて適切なモードを選択し、該モードに基づいて透過非点収差を付加した累進屈折力レンズを提供できる。
なお、以下の態様を採用するのが好ましい。
モード選択工程において、
処方度数が所定値よりも低い場合、AS重視モードを選択し、
処方度数が所定値よりも高い場合、PW重視モードを選択する。
本発明者により見いだされた知見としては、詳しくは以下のとおりである。なお、以下の知見は、本発明者が装用者に対して意見聴取した結果であるが、本発明の技術的思想は、以下の知見に至るまでの具体的事例には限定されない。
まず、のべ50名以上の装用者を用意した。そして、各装用者の視力の矯正に必要な処方度数として遠用度数Sに加入度数ADDを加えた近用度数を把握した。そして、各装用者に対し、透過非点収差を付加しない累進屈折力レンズ、AS重視モードを適用して透過非点収差を付加した累進屈折力レンズ、およびPW重視モードを適用して透過非点収差を付加した累進屈折力レンズを装用させた。装用者に対し、その装用状態での満足度を1〜5点の間で採点させた。
図1は、近用度数[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、満足度を縦軸Y、加入度数ADDを2.00D、透過非点収差の付加量をAS重視モードで0.18D、PW重視モードで−0.25Dとしたときの、装用者に対する意見聴取の結果を回帰曲線にて示した図である。
図1を見ると、PW重視モードの場合、近用度数がゼロ(=所定値)未満の時には満足度が減少する一方、近用度数がゼロ(=所定値)を超えたときに満足度が増加する傾向がある。
図2は、遠用度数S[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、満足度を縦軸Y、加入度数ADDを2.00D、透過非点収差の付加量をAS重視モードで0.18D、PW重視モードで−0.25Dとしたときの、装用者に対する意見聴取の結果を回帰曲線にて示した図である。
図2を見ても、図1と同傾向であることがわかる。つまり、PW重視モードの場合、遠用度数が−2.00D(=所定値)未満の時には満足度が減少する一方、遠用度数が−2.00D(=所定値)を超えたときに満足度が増加する傾向がある。
本発明者は、この傾向を重視し、装用者の近用度数がゼロ(=所定値)を超えたときにはPW重視モードを採用するのが効果的である、ということを知見した。逆に、装用者の近用度数がゼロ(=所定値)未満のときは、近用度数がゼロ未満でもPW重視モードほどは満足度が低下しないAS重視モードを採用する、ということを知見した。
更に、以上の意見聴取の結果から、近用度数がゼロを挟んだ所定範囲内(図3だとゼロを中心に±0.50Dの範囲内いわゆる弱度の範囲内)だと、一律に透過非点収差を付加するのではなく、近用度数の値に応じて透過非点収差の付加量の絶対値を変化させることにより満足度を向上させられることを知見した。具体的には、近用度数の値がゼロに近いほど、透過非点収差の付加量の絶対値をゼロに近づけることを知見した。
図3は、本実施形態において、処方度数として遠用度数に加入度数を加えたもの(すなわち近用度数)を採用し、所定値をゼロとしたときの、モード選択工程の際に使用するプロットである。
なお、図3のプロットの原点は、遠用度数Sを−2.00D、加入度数ADDを2.00D、すなわち近用度数(S+ADD)がゼロである累進屈折力レンズを意味する。このプロットに適用可能な累進屈折力レンズとしては、加入度数ADDを2.00Dに固定して遠用度数Sにバリエーションがあるレンズでもよいし、遠用度数Sを−2.00Dに固定して加入度数ADDにバリエーションがあるレンズでもよいし、両方にバリエーションがあるレンズでもよい。
該プロットの様式は以下のとおりである。
処方度数[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、付加する透過非点収差の量[D]を縦軸Y(正の方向は水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量、負の方向は垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量)、処方度数がゼロ且つ付加する透過非点収差の量がゼロを原点とする。付加する透過非点収差の量のことを「付加AS量」ともいう。
以降、該プロットについては同様の様式を採用するが、本発明はこの様式に限定されない。
図4は、図3において、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合、AS重視モードを選択し且つ正の方向にて一定とした透過非点収差の付加量を1に正規化し、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合、PW重視モードを選択し且つ負の方向にて一定とした透過非点収差の付加量を−1に正規化したプロットである。そのため、縦軸の単位は付加AS係数としている。
図5は、本実施形態において、処方度数として遠用度数を採用し、所定値を−2.00Dとしたときの、モード選択工程の際に使用するプロットである。
処方度数が所定値よりも低いとき、すなわちマイナスレンズの性能が色濃くなるとき、光線がレンズを透過して装用者の網膜にて結像され、装用者が認識する像は、実際の物体よりも縮小して表示される。そうなると、透過非点収差に起因して揺れ及び歪みが生じたとしても、視認する像がいくばくか縮小して表示されるため、装用者にとっては比較的気になりにくい。そうなると、揺れ及び歪みへの対応よりも、視野を広げることに注力するのが得策である。
その結果、本発明者は、処方度数が所定値よりも低いとき、AS重視モードを採用した累進屈折力レンズを装用者に提供する、という着想を得た。そしてその提供の結果、高い満足度を得ることができた。
処方度数が所定値よりも高いとき、すなわちプラスレンズの性能が色濃くなるとき、光線がレンズを透過して装用者の網膜にて結像され、装用者が認識する像は、実際の物体よりも拡大して表示される。そうなると、透過非点収差に起因して揺れ及び歪みが生じた場合、装用者にとっては比較的気になりやすい。そうなると、揺れ及び歪みへの対応を行うのが得策である。揺れ及び歪みへの対応は、特許文献1のEmbodiment 2の態様すなわちPW重視モードを採用することが有効である(特にスキュー歪みへの対応、Fig.11、Fig.12)。そのことが、特許文献1の(Embodiment 2)に記載されている。
その結果、本発明者は、処方度数が所定値よりも高いとき、PW重視モードを採用した累進屈折力レンズを装用者に提供する、という着想を得た。そしてその提供の結果、高い満足度を得ることができた。
なお、「所定値」は、処方度数として何を選択するかによって具体的な値が異なる。例えば、処方度数として遠用度数に加入度数を加えたもの(すなわち近用度数)を選択する場合、所定値はゼロであってもよい。
処方度数として遠用度数を選択する場合、所定値はゼロからずれてもよい。例えば、−0.40D以上ゼロ以下の範囲内に設定してもよい。
ちなみに、処方度数が所定値と等しい場合、透過非点収差の付加を行わなくてもよい。例えば、処方度数として近用度数を選択し、所定値をゼロとする場合、処方度数として遠用度数+加入度数がゼロである場合、それは近用部が略球面であることを意味し、そもそも透過非点収差がゼロに近い値となっている。もちろん、この場合であっても透過非点収差の付加を行っても構わないが、わざわざ透過非点収差を付加する必要がない。
図3が示すように、モード選択工程の際に使用するプロットとしては、以下のように設定するのが好ましい。
[設定1]所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合、AS重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を正の方向にて一定とする。
[設定2]所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合、PW重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を負の方向にて一定とする。
[設定3]処方度数が所定値を挟む所定範囲内の場合、処方度数が所定値のときY=0とし且つ所定範囲から外れたプロットに対して連続的に変化する。
[設定1]についてであるが、本発明者による装用者への聴取により、ある程度マイナス側に処方度数が設定される場合、透過非点収差の付加量を増加させても装用者の満足度は変化しないまたは場合によっては悪化した。確かに、本明細書でいうところの正の透過非点収差の付加(AS重視モード)により、明視域(例えば透過非点収差0.5D以下の領域の水平幅)は、透過非点収差の付加前に比べて広げられる。しかしながら、透過非点収差を付加することには変わらないため、付加量を際限なく増加させるのは好ましくない。この結果を鑑みて本発明者が想到したプロットが、図3に示すプロットの左側部分である。
「所定範囲」は、例えば、所定値を中心に±0.25Dの範囲から±1.25Dの範囲までの間の広さであるのが好ましい。但し、この所定範囲は、装用者の属性(例えば人種、性別、年齢等)に応じて適宜設定可能である。
[設定2]についてであるが、本発明者による装用者への聴取により、ある程度プラス側に処方度数が設定される場合、透過非点収差の付加量を増加させても装用者の満足度は変化しないまたは場合によっては悪化した。確かに、本明細書でいうところの負の透過非点収差の付加(PW重視モード)により、近用部における所定度数(例えば近用度数すなわち(遠用度数+加入度数)の半分)以上の領域の水平幅を従来よりも広げられる。しかしながら、透過非点収差を付加することには変わらないため、付加量を際限なく増加させるのは好ましくない。この結果を鑑みて本発明者が想到したプロットが、図3に示すプロットの右側部分である。
[設定3]は、本発明者による調査結果を反映させた内容である。詳しく言うと、該調査結果によれば、近用度数がゼロ近傍すなわちゼロを中心に±0.25Dの範囲から±1.25Dの範囲までの間の広さの所定範囲の場合(いわゆる近用度数が弱度の場合)、AS重視モードかPW重視モードかの切り替えに加え、透過非点収差の付加量も、装用者の満足度に大きく影響を与えることがわかった。この知見を踏まえ、この[設定3]がなされた。
具体的には、処方度数が所定値を挟む所定範囲内の場合において、まず、処方度数が所定値のときY=0とする。その理由は、処方度数が所定値と等しい場合にて述べた理由と同じである。特に、図3だと、処方度数として近用度数を採用している関係上、所定値をゼロとし、プロットが原点を通過するのが好ましい。
そして、本実施形態のプロットでは、所定範囲から外れたプロットに対して連続的に変化する。つまり、[設定1][設定2]で設定したプロットを、[設定3]で設定したプロットにより連続的に繋ぐ。
図6は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合のプロットと、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合のプロットとを、直線で連結した連続的なプロットである。連続的なプロットであれば、処方度数が所定範囲内の装用者に対しても細かく透過非点収差の付加量を設定でき、ひいては満足度を向上させられる。
「連続的」とは、図3に示すように、滑らかな曲線で連結される状況も含む。図3のプロットは以下の式により表される。
X≦−0.50のとき、Y=0.18
−0.50<X<0のとき、Y=−((−0.300*X+0.420)*X+0.645)*X
0<X<0.50のとき、Y=−((−1.420*X+0.420)*X+0.645)*X
X≧0.50のとき、Y=−0.25
また、図3および図6ではプロットは原点を通過するが、プロットは原点を通過することに限定されない。
図7は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲内にて原点を通過しないプロットである。
また、モード選択工程で使用するプロットは、連続的なプロットに限定されない。
図8は、図3の変形例であって、所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合のプロットと、所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合のプロットとを、不連続的に連結したプロットである。図8において、白丸は横軸値を含まず、黒丸は横軸値を含む。
これまでの例では、ゼロを挟む所定範囲を±0.50Dとしたが、もちろんそれ以外の範囲を採用しても構わない。
図9は、図3の変形例であって、ゼロを挟む所定範囲を±1.00Dとした場合のプロットである。
以上、モード選択工程の際に使用するプロットの各例を図3〜図9に示した。各図ごとに内容をまとめたのが以下の表1である。
Figure 2021051192
累進屈折力レンズに係る他の好適な態様は以下のとおりである。
本意図的に透過非点収差を付加した箇所であって眼鏡装用者が頻繁に視線を通過させる箇所とは、本発明の一態様においては中間部および近用部である。より正確に言えば、少なくとも遠用部に存在するフィッティングポイントまたはアイポイントFPには透過非点収差は付加しない。詳しくは後述の[定義]にて定義付けする。但し、後述の[変形例]でも言及するが、遠用部には該透過非点収差を付加することは排除しない。
このように透過非点収差の付加を行うことにより、もちろん子午線および測定基準点Nでは透過非点収差が増加する。但し、中間部および近用部全体において透過非点収差の急峻な変化は収まる。そして、結果的に明瞭な視野範囲を比較的広く獲得できる。
近用部および中間部に対して付加されるのは、絶対値がゼロを超え且つ0.25D以下の透過非点収差であるのが好ましい。なお、基礎出願に記載された主観評価の試験結果が示すように、少なくとも0.75D以下の透過非点収差の付加は許容される。
また、乱視矯正のための屈折力を差し引いた後の遠用部の測定基準点Fにおける透過非点収差の値の絶対値が0.12D以下であるのも好ましい。つまり、遠用部には透過非点収差が付加されていないため透過非点収差の絶対値が低く、しかも中間部および近用部には透過非点収差が付加されていながらも明瞭な視野範囲を獲得できる。
本実施形態に係る累進屈折力レンズの加入度数ADDには特に限定はない。ただ、加入度数ADDが高い(例えば1.5〜3.0Dの範囲内である)と、透過非点収差も増加する傾向にあるところ、加入度数ADDを高く設定したとしても本実施形態を適用することにより、従来よりも明瞭な視野範囲を獲得できる、という大きな利点がある。
ちなみに、レンズ上方から下方に向かって見たときに、透過非点収差の付加が開始した後は、透過非点収差の付加量は実質的に減少させないのが好ましい。つまり、レンズ周縁まで付加量を増加させたり、所定の付加量まで増加させた後は一定の付加量にしたりする。言い方を変えると、レンズ上方から下方に向かって見たときに、透過非点収差の付加が開始した後に付加量は単調増加し且つ単調増加した付加量は減少しないまたは減少するとしても付加量の10%以下もしくは0.12D以下である。なお、レンズ加工によりレンズ周縁での付加量が変動し、その変動の際に該付加量が減少する可能性を鑑み、以下のように規定するのも好ましい。
「少なくとも累進開始点から測定基準点Nまで(子午線の場合は交わる水平線まで)では、透過非点収差の付加が開始した後に付加量が単調増加し且つ単調増加した付加量は減少しないまたは減少するとしても付加量の10%以下もしくは0.12D以下であるようにする。」
透過非点収差の付加が行われることにより透過屈折力に変化が生じる。平均屈折力は、球面屈折力+乱視屈折力/2で表される。例えば、垂直方向の屈折力を低下させることにより透過非点収差を付加するAS重視モードの場合、垂直方向において、上記平均屈折力の式における乱視屈折力の値が低下することにより平均屈折力が低下する。これは、処方値の加入度数よりも低い値が加入度数として得られることを意味する。透過非点収差の付加による透過屈折力の変化はPW重視モードでも起こり得る。
そこで、本実施形態においては、透過非点収差の付加に伴う屈折力の変化を補い、予定通りの加入度数を実現するよう、透過非点収差と共に透過屈折力(プラスまたはマイナス)も付加する。透過屈折力の付加量は、屈折力の差分と予定された加入度数に応じて決定すればよい。
透過非点収差と共に透過屈折力も付加することの一具体例としては、以下のとおりである。予め透過非点収差の付加量を決めておく。この透過非点収差の付加に伴う屈折力の変化を予め加味したレンズ設計を用意する。このレンズ設計に対し、予め決めておいた透過非点収差の付加を行うことにより、目標とする加入度数が得られるように設定してもよい。
なお、透過非点収差の付加が行われた累進屈折力レンズであって、近用部の測定基準点Nにおいて、該付加による屈折力の変化分に起因する、レンズ袋等に記載された遠用度数S+加入度数ADDの値すなわち近用度数からのずれが一部でも補填されていれば、透過屈折力の付加が行われているとみなす。一例としては、該ずれが累進屈折力レンズに最終的に存在しない状態または存在したとしてもそのずれ量が±0.12Dの範囲内の状態は、透過屈折力の付加が行われているとみなす。
遠用部の測定基準点Fにおける透過非点収差の値から近用部の測定基準点Nにおける透過非点収差の値までの変化量Δ[D]の絶対値は、加入度数ADD[D]の0.07〜0.24倍であるのが好ましい。上記各変形例は、いずれもこの範囲内に収まる。なお、変化量Δ[D]の範囲は、加入度数ADD[D]の0.10倍〜0.20倍の量であることがより好ましく、0.12倍〜0.15倍の量であることが特に好ましい。
[定義]
以下、本実施形態の用語の定義を記載する。なお、以下の定義のほとんどは特許文献1に記載されているが、念のため、列挙する。
本明細書では、一般的にレンズの屈折の程度を示す文言として、いわゆる度数、パワーの代わりに屈折力を用いる。
本明細書では、意味の違いを明確にして3種類の「非点収差」の用語を用いる。
まず、1つ目は「処方非点収差」である。処方非点収差は、眼の欠陥(眼の乱視)を補正するための処方データに関するものであり、処方データの円柱屈折力に相当する。
2つ目は「固有非点収差」である。固有非点収差は、光学レンズの表面形状に起因して生じる収差(非点収差)に関するものであり、光学レンズ設計で一般的に用いる「非点収差」という用語と同じ意味を有する。本明細書において、固有非点収差とは、本来、累進屈折力レンズの表面形状すなわち累進面を構成する非球面成分に起因して内在的に不可欠に生じる非点収差をいう。
3つ目は、「付加非点収差」である。付加非点収差は、本実施形態の主たる構成要素であり、累進屈折力レンズの設計段階において、透過の目標の屈折力分布を設定する際に、処方非点収差(乱視矯正のための屈折力であって乱視度数)とは別に透過非点収差の分布に意図的に付加される非点収差をいう。説明の便宜上、本明細書においては付加非点収差のことを透過非点収差の付加ともいう。
本明細書において、付加される透過非点収差は、上記付加非点収差のことである。この付加非点収差は、累進屈折力レンズにおける物体側の面および眼球側の面の少なくともいずれかに面非点収差を付加することにより実現可能である。それにより、累進屈折力レンズ全体としての透過非点収差の付加が行われる。
なお、透過屈折力という表現も、累進屈折力レンズにおける物体側の面および眼球側の面の少なくともいずれかに面屈折力を付加したものを指す。
透過非点収差は、装用状態において累進屈折力レンズ上の所定の箇所での最大屈折力から最小屈折力を差し引いた値とする。
本明細書における「透過非点収差の付加量」の値は、付加される透過非点収差のうちの最大値を示す。つまり、透過非点収差の付加量が0.50Dということは、あくまで最大値が0.50Dであって、透過非点収差の付加の開始部分から最大値到達部分までの間に0.50D未満の付加量となることを許容する表現である。
なお、この最大値の上限および下限は、上記異なるパラメータ(例:加入度数)に応じて決定すればよく、特に限定は無い。例えば、下限は0.08Dとするのが好ましく、0.10Dとするのが更に好ましい。上限は0.75Dが好ましく、0.50Dであるのが更に好ましい。
「主注視線」とは、累進屈折力レンズにおける、遠方視に用いる遠用部、近方視に用いる近用部、および遠用部と近用部の間に位置する中間部において、物体を正面視したとき、視線が移動するレンズ表面上の軌跡線である。
「子午線」とは、累進屈折力レンズに設けられる2つの隠しマークの位置を結ぶ水平線に対して直交し、2つの隠しマークの位置の中点を通る垂直方向の線をいう。
レンズの光学面を平面視したものに対し、y方向は、子午線に沿った方向であり、垂直方向である。装用状態でのレンズ上方を+y方向とし、レンズ下方を−y方向とする。x方向は、子午線に直交する方向であり、水平方向である。装用者と対向してみたときにレンズ右方を+x方向とし、レンズ左方を−x方向とする。子午線は、y軸に相当する。
眼は、近方視において視線は、鼻側(内側)に寄る。したがって、中間部および近用部における主注視線は、子午線に対して、鼻側(内側)に寄る。このような子午線に対して主注視線が鼻側による量を、内寄せ量という。したがって、内寄せ量が0の場合、主注視線は子午線に一致する。遠用部でも、主注視線は子午線に一致する。
本明細書では説明をわかりやすくするため、レンズの設計段階では内寄せ量を0に設定する例を挙げる。本明細書中では、レンズの設計段階のことを目標分布状態ともいう。その一方、レンズの設計および製造を経て得られたレンズに対しては内寄せ量を0より大きく設定する例を挙げる。本明細書中では、この状態のことを、最終的に得られたレンズ状態ともいう。但し、本発明はこれらの例に限定されない。
「遠用部測定基準点」は、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力および円柱屈折力を累進屈折力レンズに与える点をいう。球面屈折力はいわゆる球面度数Sを指し、円柱屈折力はいわゆる乱視度数Cを指す。遠用部測定基準点(以降、単に測定基準点F、点Fともいう。)は、例えば、子午線上に位置し、2つの隠しマークの位置を結ぶ水平線から遠用部の側に、8.0mm離間した位置にある点である。
「フィッティングポイントまたはアイポイント(FP)」は、累進屈折力レンズを装用した際に、真正面に向いたときに視線が通る位置である。一般的には、測定基準点Fよりも数mm下方の位置に配置される。屈折力の変化は、このFPから下方にて発生させる。累進力の変化が開始する点を累進開始点とも呼ぶ。本実施形態においてはFPの更に下方の幾何中心GCと累進開始点とを一致させており、プリズム参照点とも一致させている。
「遠用部には透過非点収差は付加しない」とは、少なくとも遠用部に存在するFPには透過非点収差は付加しないことを意味する。遠用部のレンズ周縁領域には軸外収差が生じるため、レンズ周縁領域に非球面補正を施す場合がある。そのため、遠用部全体に透過非点収差が付加されない状態をもたらす必要はない。好適には、「遠用部には透過非点収差は付加しない」とは、少なくとも測定基準点FとFP(好適には更に下方のGC)との間には透過非点収差は付加しないことを意味する。
「中間部および近用部に透過非点収差を付加する」とは、中間部の少なくとも一部に透過非点収差を付加し、且つ、近用部の少なくとも一部に透過非点収差を付加することを意味する。
透過非点収差の付加状態を数値で定義すると、遠用部の測定基準点Fにおける透過非点収差の絶対値から、中間部または近用部の任意の点における透過非点収差の絶対値に至るまでに値が増加している状態を指す。
特許文献1に記載された透過非点収差の付加のパターン1、3に示すように、必ずしも、累進開始点且つ幾何中心GCを通過する水平線よりも下方の領域全体に対して透過非点収差を付加せずともよい。
また、レンズ上方から下方に見たときに、必ずしも、FP直下、累進開始点直下、GC直下、またはプリズム開始点直下から透過非点収差の付加を開始しなくともよい。累進開始点と測定基準点Nとの間にて透過非点収差の付加を開始すればよい。中間部における遠用部寄りの部分には透過非点収差を付加せず、近用部寄りの部分のみに透過非点収差を付加してもよい。
但し、透過非点収差の付加を開始した部分から下方において、中間部および近用部を通過する主注視線(および/または子午線)上には透過非点収差を付加するのが好ましい。少なくとも、累進開始点から測定基準点Nまでの間の部分から測定基準点Nに至るまで全体に主注視線上に透過非点収差を付加するのが好ましい。子午線でいうと、少なくとも、累進開始点から測定基準点Nまでの間の部分(例えばGCから半径5mm内、好適には3mm内)から測定基準点Nと交わる水平線に至るまでの子午線全体上に透過非点収差を付加するのが好ましい。なお、FPおよび累進開始点は通常だと子午線上(y軸上)に存在するため、水平線を使用していないが、仮に子午線上に存在しない場合でも水平線を使用することにより、上記「子午線全体」を定義することは可能である。
「近用部測定基準点」は、装用者情報の処方データに記載される球面屈折力に対して加入度数ADDが付加された状態の点をいい、レンズ上方から下方に向かって見たときに最初に球面屈折力+ADDが実現される点をいう。近用部測定基準点(以降、単に測定基準点N、点Nともいう。)も、子午線上に位置する。
ちなみに、装用者情報の処方データは、累進屈折力レンズのレンズ袋に記載されている。つまり、レンズ袋があれば、装用者情報の処方データに基づいた累進屈折力レンズの物としての特定が可能である。そして、累進屈折力レンズはレンズ袋とセットになっていることが通常である。そのため、レンズ袋が付属した累進屈折力レンズ群も本発明の技術的思想が反映されているし、レンズ袋と累進屈折力レンズとのセットの群についても同様である。
また、測定基準点F、フィッティングポイントまたはアイポイントFP、測定基準点Nは、レンズ製造業者が発行するリマークチャート(Remark chart)またはセントレーションチャート(Centration chart)を参照することにより、位置の特定は可能となる。
また、透過平均屈折力または透過非点収差の透過分布において、レンズ表面で定義される遠用部に対応する透過分布上の場所のことを「遠用部に対応した部分」と表現する。説明の便宜上、「遠用部に対応した部分」を単に「遠用部」とも表現する。特記無い限り、「遠用部」は上記「遠用部に対応した部分」のことを指す。
なお、遠用部は、近方距離よりも遠くの距離を見るための領域であれば特に限定は無い。例えば、無限遠ではなく所定距離(1m程度)を見るための領域であってもよい。このような領域を備えた眼鏡レンズとしては、中間距離(1m〜40cm)ないし近方距離(40cm〜10cm)の物体距離に対応する中近(intermediate-near)レンズ、該近方距離内にて対応する近近(near-near)レンズが挙げられる。
上記のいずれの眼鏡レンズにせよ、中間部および近用部は、近用部および中間部の表面形状を調整した非点収差調整領域を含む。この眼鏡レンズを通して透過した光線がつくる透過非点収差の分布のうち中間部および近用部における最大屈折力位置は、水平方向の略同じ位置である。つまり、中間部および近用部における最大屈折力位置は、座標でいうとx軸の値が略同じである。
「最大屈折力位置」とは、水平方向の屈折力と水平方向に直交する垂直方向の屈折力とがそれぞれ最大屈折力となる位置である。水平方向の屈折力と垂直方向の屈折力がそれぞれ最大屈折力となる最大屈折力位置が略同じであるとは、2mm以内で離間する場合を許容範囲として含むことを意味する。
中間部および近用部における水平方向の上記最大屈折力と垂直方向の上記最大屈折力との差は、遠用部測定基準点に対応した点における水平方向の屈折力と垂直方向の屈折力の差と異なる。該差の絶対値は、好ましくは0.25D以下である。
なお、非点収差調整領域内の子午線に沿った場所に対応した場所でも、上記最大屈折力の差が遠用部測定基準点に対応した点における水平方向の屈折力と垂直方向の屈折力の差と異なることが好ましい。
AS重視モードにおける「透過非点収差が付加された近用部および中間部においては、水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きい部分を含む」とは、近用部および中間部での透過非点収差が付加された部分の少なくとも一部において、乱視矯正のための屈折力を差し引いた後において、水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きい状態であることを意味する。もちろん、透過非点収差が付加された部分においては、水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも常に大きい状態でもよい。また、近用部および中間部における、少なくとも主注視線(および/または子午線)上(好適には少なくとも累進開始点から測定基準点Nまで)において、水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きい状態であるのも好ましい。
なお、PW重視モードでの「透過非点収差が付加された近用部および中間部においては、垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きい部分を含む」とは、本段落に記載の内容において水平と垂直とを逆に置き換えた内容である。
[変形例]
以上、本発明の一態様について詳細に説明したが、本発明の累進屈折力レンズ、およびその設計方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。また、以下の各態様に対しても、本明細書で述べてきた好適例を適用してももちろん構わない。
例えば、累進屈折力レンズの設計方法を利用した累進屈折力レンズの製造方法にも本発明の技術的思想が反映されている。具体的な製造方法としては公知の手法を採用すればよく、特許文献1の[0378]以降に記載の眼鏡レンズ製造システムを利用すればよい。
また、累進屈折力レンズの設計方法を利用した累進屈折力レンズの設計システムにも本発明の技術的思想が反映されている。
具体的には、近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計システムであって、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
を、処方度数に応じて決定するモード選択部を有する、累進屈折力レンズの設計システムにも、本発明の技術的思想が反映されている。
この設計システムの構成としては、特許文献1の[0378]以降に記載の眼鏡レンズ製造システムを利用すればよい。そして、特許文献1のFig.24に記載のレンズ製造業者側のコンピュータまたは眼鏡店側のコンピュータ内にモード選択部を設け、該コンピュータがモード選択部としての機能を奏するよう、制御部が制御すればよい。そのため、本発明の技術的思想は、該コンピュータがモード選択部としての機能を奏させるプログラムにも適用可能である。
本発明の技術的思想に基づき作製された累進屈折力レンズ群すなわちAS重視モードで作製された累進屈折力レンズとPW重視モードで作製された累進屈折力レンズとを含む群も、大きな技術的特徴がある。
具体的には、近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズ群であって、
処方度数に応じ、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定され、且つ、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定された、累進屈折力レンズ群である。
また、透過非点収差の付加態様には限定は無い。透過非点収差を、子午線および/または主注視線に沿って付加してもよい。また、子午線および/または主注視線を中心に、設計面の少なくとも一部に拡大してもよい。例えば、累進屈折力レンズの非点収差調整領域R(特許文献1のFig.2参照)が、水平線HL(同Fig.2参照)に対して下方の側にあり、さらに、下方の側に向かって広がった扇型形状の領域であるパターンであってもよい(特許文献1におけるPattern 1、[0283]−[0302])。
また、累進屈折力レンズの非点収差調整領域Rが、水平線HLに対して、下方の側にあるパターンであってもよい(基礎出願におけるPattern 2、[0303]−[0319])。
また、累進屈折力レンズの非点収差調整領域Rは、水平線HLの下方の側で、水平方向に一定の幅を有する領域を含むケースであってもよい(基礎出願におけるPattern 3、[0320]−[0337])。
<総括>
以下、本開示の「累進屈折力レンズの設計方法、累進屈折力レンズの設計システムおよび累進屈折力レンズ群」について総括する。
本開示の一実施例は以下の通りである。
「近方距離を見るための近用部と、近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、近用部と遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
遠用部、近用部および中間部のうち近用部および中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計方法であって、
水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
を、処方度数に応じて決定するモード選択工程を有する、累進屈折力レンズの設計方法。」

Claims (6)

  1. 近方距離を見るための近用部と、前記近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、前記近用部と前記遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
    前記遠用部、前記近用部および前記中間部のうち前記近用部および前記中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計方法であって、
    水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
    垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
    を、処方度数に応じて決定するモード選択工程を有する、累進屈折力レンズの設計方法。
  2. 前記モード選択工程において、
    処方度数が所定値よりも低い場合、前記AS重視モードを選択し、
    処方度数が前記所定値よりも高い場合、前記PW重視モードを選択する、請求項1に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  3. 処方度数[D]を横軸X(正の方向はプラス度数、負の方向はマイナス度数)、付加する透過非点収差の量[D]を縦軸Y(正の方向は水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量、負の方向は垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きいときの透過非点収差の量)、処方度数がゼロ且つ付加する透過非点収差の量がゼロを原点としたときのプロットに基づき前記モード選択工程を行い、
    前記プロットは、
    前記所定値を挟む所定範囲から処方度数が負の方向に外れる場合、前記AS重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を正の方向にて一定とし、
    前記所定値を挟む所定範囲から処方度数が正の方向に外れる場合、前記PW重視モードを選択し且つ付加する透過非点収差の量を負の方向にて一定とし、
    処方度数が前記所定値を挟む所定範囲内の場合、処方度数が前記所定値のときY=0とし且つ前記所定範囲から外れたプロットに対して連続的に変化する、請求項2に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  4. 前記処方度数は、遠用度数に加入度数を加えた近用度数であり、
    前記所定値はゼロであり、
    前記所定範囲は、前記所定値を中心に±0.25Dの範囲から±1.25Dの範囲までの間の広さである、請求項3に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  5. 近方距離を見るための近用部と、前記近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、前記近用部と前記遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
    前記遠用部、前記近用部および前記中間部のうち前記近用部および前記中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズの設計システムであって、
    水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するAS重視モードを選択するか、
    垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量を設定するPW重視モードを選択するか、
    を、処方度数に応じて決定するモード選択部を有する、累進屈折力レンズの設計システム。
  6. 近方距離を見るための近用部と、前記近方距離よりも遠くの距離を見るための遠用部と、前記近用部と前記遠用部との間に設けられ且つ累進屈折機能を有する中間部と、を備え、
    前記遠用部、前記近用部および前記中間部のうち前記近用部および前記中間部に対して透過非点収差が付加された累進屈折力レンズ群であって、
    処方度数に応じ、
    水平方向の屈折力の量が垂直方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定され、且つ、
    垂直方向の屈折力の量が水平方向の屈折力の量よりも大きくなるよう、付加する透過非点収差の量が設定された、累進屈折力レンズ群。

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