JP2021050585A - 洗浄水タンク装置および水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【課題】異音の発生を抑制すること。【解決手段】実施形態の一態様に係る洗浄水タンク装置は、洗浄水タンクと、給水装置と、手洗い器と、第1吐水部と、第2吐水部とを備える。洗浄水タンクは、洗浄水を貯留する。給水装置は、洗浄水タンクに洗浄水を供給する。手洗い器は、洗浄水タンクの上方に配置され、給水装置から洗浄水タンクに供給される洗浄水の一部を利用して手洗いを可能にする。第1吐水部は、給水装置から洗浄水が流れる給水配管の中途位置において洗浄水タンク側に洗浄水を吐出する。第2吐水部は、給水配管の中途位置において、給水装置から洗浄水が流れる方向に対して上方に傾斜し、手洗い器側に洗浄水を吐出する。【選択図】図3
Description
開示の実施形態は、洗浄水タンク装置および水洗大便器に関する。
従来、洗浄水を貯留する洗浄水タンクの上方に給水装置から洗浄水タンクに供給される洗浄水の一部を利用する手洗い器付きの洗浄水タンク装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような洗浄水タンク装置では、たとえば、給水装置からの洗浄水が流れる給水配管の中途位置において、給水装置から洗浄水が流れる方向とは異なる、洗浄タンク側となる下方に洗浄水を吐出する第1吐水部と、給水装置から洗浄水が流れる方向に沿って手洗い器に供給するための洗浄水を吐出する第2吐水部とを備え、第2吐水部よりも下流で上方の手洗い器に向けて洗浄水を供給する。
しかしながら、上記したような従来の洗浄水タンク装置では、第2吐水部よりも下流で手洗い器に向けて洗浄水を上方に供給する位置で給水配管内に残存する空気による異音が発生することがあった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、異音の発生を抑制することができる洗浄水タンク装置および水洗大便器を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る洗浄水タンク装置は、洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、前記洗浄水タンクに洗浄水を供給する給水装置と、前記洗浄水タンクの上方に配置され、前記給水装置から前記洗浄水タンクに供給される洗浄水の一部を利用して手洗いを可能にする手洗い器と、前記給水装置から洗浄水が流れる給水配管の中途位置において前記洗浄水タンク側に洗浄水を吐出する第1吐水部と、前記給水配管の中途位置において、前記給水装置から洗浄水が流れる方向に対して上方に傾斜し、前記手洗い器側に洗浄水を吐出する第2吐水部とを備える。
このような構成によれば、手洗い器側に洗浄水を吐出する第2吐水部が上方に傾斜していることで、第2吐水部において洗浄水が一時的に滞留して流速が低下する。これにより、給水配管内に残存する空気が圧縮されるのを抑制することができ、空気の圧縮による異音の発生を抑えることができる。
また、上記した洗浄水タンク装置では、前記第2吐水部における洗浄水の流路断面積は、前記第1吐水部における洗浄水の流路断面積よりも大きい。
このような構成によれば、第2吐水部における洗浄水の流路断面積が第1吐水部における洗浄水の流路断面積よりも大きいことで、給水配管内に残存する空気が洗浄水に巻き込まれるのを抑制することができ、空気の巻き込みによる異音の発生を抑えることができる。
また、上記した洗浄水タンク装置では、前記第1吐水部は、前記第2吐水部よりも前記給水装置に近い位置に配置される。
このような構成によれば、給水配管内に残留する空気が洗浄水タンク側に排出されるため、給水配管内に残存する空気の量を低減することができ、給水配管内に残存する空気に起因する異音の発生を抑えることができる。
また、実施形態の一態様に係る水洗大便器は、前記洗浄水タンク装置と、前記洗浄水タンク装置が上面後部に設置される便器本体とを備える。
このような構成によれば、洗浄水タンク装置において空気の圧縮による異音の発生を抑えることができる。
実施形態の一態様によれば、異音の発生を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する洗浄水タンク装置および水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、図1を参照して実施形態に係る洗浄水タンク装置3および水洗大便器1の概要について説明する。図1は、実施形態に係る洗浄水タンク装置3および水洗大便器1を示す概略断面図である。なお、図1には、水洗大便器1において便蓋43を開けた状態を示している。
また、図1には、説明の便宜上、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。以下では、X軸の正方向を「左方」、X軸の負方向を「右方」、Y軸の正方向を「前方」、Y軸の負方向を「後方」と規定し、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。このような座標系は、他の図においても示している。
図1に示すように、水洗大便器1は、大便器本体(以下、便器本体という)2と、洗浄水タンク装置3と、便座装置4とを備える。便器本体2は、陶器製である。なお、便器本体2は、樹脂製でもよいし、陶器および樹脂の組み合わせでもよい。また、便器本体2は、図1に示す例ではトイレ室の床に設置される床置き式であるが、トイレ室の壁に設置される壁掛け式でもよい。
便器本体2は、導水路21と、ボウル部22と、トラップ管路23とを備える。導水路21は、後述する洗浄水タンク装置3から便器本体2に供給される洗浄水が流れる流路であり、便器本体2の後部に形成される。ボウル部22は、使用者の汚物を受ける部分である。トラップ管路23は、ボウル部22の下部に連通する流路である。
また、便器本体2は、リム部24と、リム吐水口25とを備える。リム部24は、ボウル部22の上縁に形成される。リム部24は、たとえば、ボウル部22の上縁において内側にオーバーハングするように形成される。
リム吐水口25は、ボウル部22の上縁においてリム部24の後方に形成される。リム吐水口25は、導水路21から供給されリム部24を流れる洗浄水を、ボウル部22に吐出する。リム吐水口25から吐出された洗浄水は、ボウル部22内において旋回しながら下降してボウル部22を洗浄する。
なお、水洗大便器1は、便器本体2においてボウル部22内の水の落差による流水作用で汚物を押し出す、いわゆる洗い落とし式であるが、洗い落とし式に限定されず、たとえば、サイホン作用を利用してボウル部22内の汚物を吸い込んでトラップ管路23から一気に外部に排出する、いわゆるサイホン式でもよい。
洗浄水タンク装置3は、便器本体2の上面後部に設置される。洗浄水タンク装置3は、後述する手洗い器37を上部に備える、いわゆる手洗い器付き洗浄水タンク装置である。
洗浄水タンク装置3は、外装タンク31と、内装タンク32と、排水弁装置33と、給水装置34と、給水配管35とを備える。外装タンク31は、たとえば、陶器製のタンクである。
内装タンク32は、外装タンク31内に収容される。内装タンク32は、水道などの給水源51に接続されている給水管52から供給される便器洗浄水用の洗浄水を貯留する実質的な貯水タンク(洗浄水タンク)である。
排水弁装置33は、内装タンク32内に配置される。排水弁装置33は、内装タンク32内における排水口321の上方に配置され、弁体(図示せず)によって排水口321を開閉する。
給水装置34は、給水源51からの洗浄水を洗浄水タンクである内装タンク32に供給する。具体的には、給水装置34は、外装タンク31内に収容され、外装タンク31における内装タンク32の上方に配置される。
給水配管35は、給水装置34から供給される洗浄水が流れる流路である。給水配管35は、給水装置34からの洗浄水を内装タンク32に供給する。また、給水配管35は、給水装置34からの洗浄水を手洗い器37に供給する。
給水配管35は、給水装置34からの洗浄水を、内装タンク32および手洗い器37のそれぞれに向けて供給するよう分岐する吐水部材36(図2および図3参照)を備える。吐水部材36については、図2および図3を用いて後述する。
また、洗浄水タンク装置3は、上記したように、手洗い器37を備える。手洗い器37は、外装タンク31の上部(内装タンク32の上方)に配置される。手洗い器37は、スパウト371と、ボウル部(以下、手洗いボウルという)372とを備える。スパウト371は、吐水口371aを備える。吐水口371aは、洗浄水を吐出する。
手洗いボウル372は、外装タンク31の上部開口を閉塞する。手洗いボウル372は、たとえば、陶器製である。手洗いボウル372は、排水口372aを備える。排水口372aは、手洗いボウル372の底部に形成される。
スパウト371の吐水口371aからは手洗いボウル372に向けて洗浄水が吐出される。手洗いボウル372内の洗浄水は、排水口372aから内装タンク32に向けて排出される。手洗い器37は、水洗大便器1の使用者の手洗いなどに使用される。なお、排水口372aから排出された洗浄水は、給水装置34から内装タンク32内に直接的に供給される洗浄水と共に便器洗浄に用いられる。
便座装置4は、ノズル(図示せず)を備え、ノズルから洗浄水(局部洗浄水)を噴出することで、後述する便座42に着座した使用者の局部を洗浄する。便座装置4は、本体部41と、便座42と、便蓋43とを備える。本体部41は、便器本体2の上面における洗浄水タンク装置3の前方に設置される。
便座42は、本体部41に対して、揺動軸42aを中心として上下方向に揺動(開閉)可能に取り付けられる。便座42は、閉じた状態において便器本体2の上方に配置される。
便蓋43は、本体部41に対して、揺動軸43aを中心として上下方向に揺動(開閉)可能に取り付けられる。便蓋43は、閉じた状態において、便器本体2の上方に配置されるとともに、便座42の上方に配置される。
なお、水洗大便器1は、便蓋43を備えないものであってもよい。また、便座42および便蓋43のそれぞれの揺動軸42a,43aは、共通の軸であってもよいし、別々の軸であってもよい。また、便座42や便蓋43は、便器本体2に直接取り付けられてもよい。なお、この場合、便座装置4は、局部洗浄機能を有しないものとなる。
次に、図2および図3を参照して実施形態に係る吐水部材36について説明する。図2および図3は、実施形態に係る吐水部材36を示す模式的な断面図である。図2には、吐水部材36が給水配管35に取り付けられ、吐水部材36および給水配管35の断面図を示し、図3には、吐水部材36単体の断面図を示している。
また、図2には、給水配管35内における洗浄水Wの流れを示している。図2においては、給水配管35内を流れる洗浄水Wを矢線で示し、横方向に流れる洗浄水Wのうち、空気の巻き込みが多いほど密なドットで示し、空気の巻き込みが少ないほど疎なドットで示している。また、図2においては、後述する第1吐水部361および分岐管352における洗浄水Wの流れる方向を白抜きの矢線で示している。
また、図3には、吐水部材36の内部を流れる洗浄水Wの態様を模式的に示している。図3においては、洗浄水Wの流れる方向を白抜きの矢線で示している。
給水配管35は、給水装置34からの洗浄水Wが流れる流路であり、上記したように、内装タンク32(図1参照)および手洗い器37(図1参照)のそれぞれに供給される洗浄水Wが流れる。図2に示すように、給水配管35は、主流路351と、分岐部材(以下、分岐管という)352と、上昇流路353と、吐水部材36とを備える。主流路351は、たとえば、ホースであり、横向き(たとえば、左右方向)に延びている。
分岐管352は、後述する吐水部材36よりも下流に配置され、横向きに流れる洗浄水Wを、手洗い器37(図1参照)に向けて、上方に供給する。分岐管352は、横向き管路352aと、上向き管路352bと、絞り部352cとを備える。横向き管路352aと上向き管路352bとは略直交している。絞り部352cは、横向き管路352aと上向き管路352bの間に設けられた、管径が縮められた部分である。
上昇管路353は、分岐管352の上向き管路352bに接続され、手洗い器37に向けて洗浄水Wが上昇する管路である。なお、図1に示す給水配管35は、給水配管35における上昇管路353の部分である。
吐水部材36は、給水配管35の中途位置に配置される。なお、図2において省略しているが、実際には、吐水部材36の上流側にも主流路351が存在する。吐水部材36は、第1吐水部361と、第2吐水部362とを備える。
第1吐水部361は、洗浄水Wを、内装タンク32に向けて、下方に供給する。第2吐水部362は、洗浄水Wを、手洗い器37に向けて、横向き(左右方向)に供給する。すなわち、吐水部材36においては、内装タンク32および手洗い器37に向けて洗浄水Wを分岐する。
図4および図5は、比較例に係る吐水部材36Aを示す模式的な断面図である。図4には、比較例に係る吐水部材36Aが給水配管35に取り付けられ、吐水部材36Aおよび給水配管35の断面図を示し、図5には、比較例に係る吐水部材36A単体の断面図を示している。
また、図4には、給水配管35内における洗浄水Wの流れを示している。図4においては、給水配管35内を流れる洗浄水Wを矢線で示し、横方向に流れる洗浄水Wのうち、空気の巻き込みが多いほど密なドットで示し、空気の巻き込みが少ないほど疎なドットで示している。また、図4においては、第1吐水部361Aおよび分岐管352Aにおける洗浄水Wの流れる方向を白抜きの矢線で示している。
また、図5には、比較例に係る吐水部材36Aの内部を流れる洗浄水Wの態様を模式的に示している。図5においては、洗浄水Wの流れる方向を白抜きの矢線で示している。また、図4および図5においては、図2および図3に示す、上記した給水配管35と同等のものであるため、給水配管35には図2および図3と同一の符号を付している。
図4に示すように、比較例に係る吐水部材36Aを用いた場合、給水配管35内を流れる洗浄水Wは、吐水部材36Aにおいて、第1吐水部361Aから内装タンク32に流れ、第2吐水部362Aから手洗い器37側に流れる。
図5に示すように、吐水部材36Aにおいて内装タンク32および手洗い器37に分岐した後、第2吐水部362Aから手洗い器37側に向かう洗浄水Wは、給水配管35内の空気を巻き込みながら流れる。
図4に示すように、第2吐水部362Aから流れる洗浄水Wが分岐管352の横向き管路352aに進入すると、壁に突き当たり向きを変えて上向き管路352bに進入する。このとき、絞り部352cで圧力が高まり、洗浄水Wに巻き込まれた空気は、絞り部352cの手前(上流)側で圧縮され、絞り部352cの奥(下流)側で膨張する。これにより、分岐管352において破裂音などの異音が発生することがある。
本実施形態では、吐水部材36において洗浄水Wに空気が巻き込まれにくい構成とすることで、破裂音などの異音の発生を抑制することができる。
図3に示すように、吐水部材36において第2吐水部362は、吐水部材36の上流側にある給水装置34(図1参照)から洗浄水Wが流れる方向に対して上方に傾斜している。また、第2吐水部362は、その洗浄水Wの流路断面積S2が第1吐水部における洗浄水の流路断面積S1よりも大きくなるように形成される。
また、吐水部材36において第1吐水部361は、第1吐水部361は、第2吐水部362よりも給水装置34に近い位置に配置される。すなわち、第1吐水部361は、第2吐水部362よりも上流側に配置される。
このように、実施形態に係る洗浄水タンク装置3によれば、手洗い器37側に洗浄水Wを吐出する第2吐水部362が上方に傾斜していることで、第2吐水部362において洗浄水Wが一時的に滞留して流速が低下する。これにより、吐水部材362よりも下流側において給水配管35内に残存する空気が圧縮されるのを抑制することができ、空気の圧縮による破裂音などの異音の発生を抑えることができる。
また、第2吐水部362における洗浄水Wの流路断面積S2が第1吐水部361における洗浄水Wの流路断面積S1よりも大きいことで、給水配管35内に残存する空気が洗浄水Wに巻き込まれるのを抑制することができ、空気の巻き込みによる異音(破裂音など)の発生を抑えることができる。
また、第1吐水部361が第2吐水部362よりも上流側に配置されることで、給水配管35内に残留する空気が内装タンク32側に排出されるため、給水配管35内に残存する空気の量を低減することができ、給水配管35内に残存する空気に起因する異音(破裂音など)の発生を抑えることができる。
また、実施形態に係る水洗大便器1によれば、上記したような洗浄水タンク装置3を備えることで、洗浄水タンク装置3において空気の圧縮による破裂音などの異音の発生を抑えることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 水洗大便器
2 便器本体
3 洗浄水タンク装置
32 洗浄水タンク(内装タンク)
34 給水装置
37 手洗い器
361 第1吐水部
362 第2吐水部
S1 第1吐水部の流路断面積
S2 第2吐水部の流路断面積
W 洗浄水
2 便器本体
3 洗浄水タンク装置
32 洗浄水タンク(内装タンク)
34 給水装置
37 手洗い器
361 第1吐水部
362 第2吐水部
S1 第1吐水部の流路断面積
S2 第2吐水部の流路断面積
W 洗浄水
Claims (4)
- 洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、
前記洗浄水タンクに洗浄水を供給する給水装置と、
前記洗浄水タンクの上方に配置され、前記給水装置から前記洗浄水タンクに供給される洗浄水の一部を利用して手洗いを可能にする手洗い器と、
前記給水装置から洗浄水が流れる給水配管の中途位置において前記洗浄水タンク側に洗浄水を吐出する第1吐水部と、
前記給水配管の中途位置において、前記給水装置から洗浄水が流れる方向に対して上方に傾斜し、前記手洗い器側に洗浄水を吐出する第2吐水部と
を備える、洗浄水タンク装置。 - 前記第2吐水部における洗浄水の流路断面積は、前記第1吐水部における洗浄水の流路断面積よりも大きい、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。
- 前記第1吐水部は、前記第2吐水部よりも前記給水装置に近い位置に配置される、請求項1または2に記載の洗浄水タンク装置。
- 請求項1〜3のいずれか一つに記載の洗浄水タンク装置と、
前記洗浄水タンク装置が上面後部に設置される便器本体と
を備える、水洗大便器。
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Patent Citations (3)
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