JP2021050396A - Cu−Al−Mn系合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】より大きい最大弾性ひずみ量を有するCu−Al−Mn系合金を提供する。【解決手段】14at%〜22at%のAlと、5at%〜14.5at%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成り、最大弾性ひずみ量が1.5%以上である。Alは、16at%〜21at%であることが好ましく、Mnは7at%〜14.5at%であることが好ましい。さらに、0.001at%〜10at%のNiを含んでいてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、Cu−Al−Mn系合金に関する。
従来、優れた加工性を維持しながら、高い形状記憶効果や安定した超弾性を示すCu−Al−Mn系合金が、本発明者等により開発されている(例えば、特許文献1乃至6または非特許文献1乃至3参照)。これらの合金の引張試験から、例えば、Cu−8.07重量%Al−9.68重量%Mn−0.51重量%Co合金で、約0.1%の最大弾性ひずみ量、および、210MPaの弾性限度(例えば、特許文献1参照)、Cu−8.1重量%Al−10.7重量%Mn合金で、約1%の最大弾性ひずみ量、および、190MPaの弾性限度(例えば、特許文献2参照)、Cu−17.5Al−11Mn合金(at%)の一方向凝固材で、約1%の最大弾性ひずみ量、および、約140MPaの弾性限度(例えば、非特許文献1参照)、Cu−17Al−15Mn合金(at%)の単結晶で、−113℃において約0.8%の最大弾性ひずみ量、および、約410MPaの弾性限度(例えば、非特許文献2参照)、Cu−17.5Al−11Mn合金(at%)の一方向凝固材で、約0.5%の最大弾性ひずみ量、および、約80MPaの弾性限度(例えば、非特許文献3参照)が得られている。なお、最大弾性ひずみ量とは、弾性変形を示す範囲でのひずみの最大値である。
特開2003−138330号公報 国際公開WO2011/152009号 特開2000−169920号公報 特開2001−20026号公報 特開2014−58737号公報 特開2015−54977号公報
S. Xu, H. Y. Huang, J. Xie, S. Takekawa, X. Xu, T. Omori, and R. Kainuma, "Giant elastocaloric effect covering wide temperature range in columnar-grained Cu71.5Al17.5Mn11 shape memory alloy", APL. Materials, 2016, 4, 106106 K. Niitsu, Y. Kimura, T. Omori and R. Kainuma, "Cryogenic superelasticity with large elastocaloric effect", NPG Asia Materials, 2018, 10, e457 S. Xu, T. Kusama, X. Xu, H. Huang, T. Omori, J. Xie, R. Kainuma, "Large [001] single crystals via abnormal grain growth from columnar polycrystal", Materialia, 2019, 6, 100336
特許文献1および非特許文献1乃至3に記載のCu−Al−Mn系合金など、ほとんどのCu−Al−Mn系合金では、最大弾性ひずみ量が約1%以下である。このように、従来、最大弾性ひずみ量が1%よりも大きいCu−Al−Mn系合金は見出されておらず、応用範囲を拡大する観点から、より大きい最大弾性ひずみ量を有するCu−Al−Mn系合金の開発が望まれていた。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、より大きい最大弾性ひずみ量を有するCu−Al−Mn系合金を提供することを目とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、14at%〜22at%のAlと、5at%〜14.5at%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成り、最大弾性ひずみ量が1.5%以上であることを特徴とする。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、最大弾性ひずみ量が1.5%以上と大きく、弾性変形領域が広い。また、ヤング率が50GPa以下と低くすることもできる。このため、例えば、バネ材や生体材料など、比較的大きいひずみを受けても弾性変形を行う必要がある材料や、低ヤング率である必要がある材料として利用することができる。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金で、Alが14at%未満のとき、α相が出現して弾性変形領域が狭くなる。Alが22at%より多くなると、極めて脆くなり、弾性変形領域が狭くなる。Mnが5at%未満のとき、α相が出現して弾性変形領域が狭くなる。Mnが14.5at%より多くなると、弾性率が高くなり、弾性変形領域が狭くなる。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、前記Alが16at%〜21at%であり、前記Mnが7at%〜14.5at%であることが特に好ましい。この場合、最大弾性ひずみ量をより大きくすることができ、例えば、最大弾性ひずみ量を3%以上にすることもできる。
また、本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、さらに、0.001at%〜10at%のNiを含んでいてもよい。この場合、Niを含むことにより、基地組織を強化することができるが、Niが10at%より多くなると、焼き入れ性が低下してしまう。また、本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、単結晶から成ることが好ましいが、多結晶から成っていてもよい。多結晶から成る場合、結晶方位の<100>方位が変形方向に配向していることが好ましく、例えば、電子線後方散乱回折(EBSD)法により測定した結晶粒の変形方向の結晶方位のうち、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っているものが、50%以上であることが好ましい。また、本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、結晶粒径が材料の断面サイズ以上であることが好ましい。例えば、板材の場合、結晶粒径が板厚以上であることが好ましく、結晶粒径が板幅以上であることがさらに好ましい。
本発明によれば、より大きい最大弾性ひずみ量を有するCu−Al−Mn系合金を提供することができる。
本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金である、Cu−17Al−14Mn合金(at%)単結晶の応力ひずみ曲線を示すグラフである。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金である、Cu−17Al−13.5Mn−3Ni合金(at%)の(a)微細結晶粒試料、(b)粗大結晶粒試料の製造工程を示す加工プロセスチャートである。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金である、Cu−17Al−13.5Mn−3Ni合金(at%)の微細結晶粒試料の(a)RD、(b)TD、(c)NDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(左側、白黒で示した)および逆極点図(右側)、(d)MDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(左側上段、白黒で示した)、<001>方位から30°以内である結晶粒を示したマップ(左側上段)、逆極点図(右側)である。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金である、Cu−17Al−13.5Mn−3Ni合金(at%)の粗大結晶粒試料の(a)RD、(b)TD、(c)NDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(左側、白黒で示した)および逆極点図(右側)、(d)MDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(左側上段、白黒で示した)、<001>方位から30°以内である結晶粒を示したマップ(左側下段)、逆極点図(右側)である。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金である、Cu−17Al−13.5Mn−3Ni合金(at%)の(a)微細結晶粒試料、(b)粗大結晶粒試料の応力ひずみ曲線を示すグラフである。
以下、実施例等に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、14at%〜22at%のAlと、5at%〜14.5at%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成っている。また、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、最大弾性ひずみ量が1.5%以上である。
なお、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、Alが16at%〜21at%であることが好ましい。また、Mnが7at%〜14.5at%であることが特に好ましい。また、さらに、0.001at%〜10at%のNiを含んでいてもよい。また、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、単結晶から成ることが好ましいが、多結晶から成っていてもよい。多結晶から成る場合、結晶方位の<100>方位が変形方向に配向していることが好ましい。結晶配向は、一方向凝固や加工熱処理の組み合わせなどにより実現することができる。
Cu−17Al−14Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。Cu−17Al−14Mn合金は、以下のようにして製造した。まず、Cu;69at%、Al;17at%、Mn;14at%の組成を有する合金を溶解し、鋳型に鋳造してインゴットを作製した。インゴットを再溶解し、水冷した銅モールドと加熱ヒーターとが備え付けられた一方向凝固炉内で鋳造し、150mm×80mm×40mmの一方向凝固インゴットを作製した。その後、長手方向が凝固方向となるように、1mm×10mm×50mmの試験片を切り出した。この試験片を900℃から450℃まで3℃/分で冷却し、さらに、900℃まで10℃/分で加熱する、冷却・加熱のサイクル熱処理を23回繰り返した後、900℃で3時間の溶体化処理を行い、水中へ投入して急冷した。
こうして、長さ50mm、幅10mm、厚さ1mmの、板状のCu−17Al−14Mn合金試料を製造した。製造されたCu−17Al−14Mn合金試料は、単結晶であり、凝固方向に対する結晶方位が<100>方位である。
製造したCu−17Al−14Mn合金試料に対して引張試験を行った。引張方向は、凝固方向である。引張試験は、引張荷重を400MPaまでかけて戻し、次に引張荷重を450MPaまでかけて戻し、さらに引張荷重を500MPaまでかけて戻す、というように、上限応力を50MPaずつ増加しながら、引張荷重をかけて戻す手順を繰り返して行った。この引張試験により得られた応力ひずみ曲線を、図1に示す。
図1に示すように、試料は、612MPaの応力で破壊されたが、それまでは、引張荷重をかけて戻す手順の繰り返しで、ほぼ同じ曲線上を移動しており、弾性変形していることが確認された。また、図1に示すように、応力(Engineering stress)が550MPaのときのひずみ(Engineering strain)が3.58%であり、応力が600MPaのときのひずみが4.31%であることが確認された。また、試料の最大弾性ひずみ量は4.31%であることが確認された。また、ひずみが大きくなるに従って、応力ひずみ曲線の傾きが徐々に小さくなり、ヤング率が変化していることが確認された。ひずみが3.58%のときの見かけ上のヤング率、すなわち、原点からひずみが3.58%までを線形とみなしたときのヤング率は15.4GPa、ひずみが4.31%のときの見かけ上のヤング率は14GPaであることが確認された。
2種類のCu−17Al−13.5Mn−3Ni合金(at%)を製造し、引張試験を行った。各Cu−17Al−13.5Mn−3Ni合金は、それぞれ図2(a)および(b)に示す工程により製造した。各工程では、まず、Cu;66.5at%、Al;17at%、Mn;13.5at%、Ni;3at%の組成を有する合金を溶解し、鋳型に鋳造して、直径34mmのインゴットを作製した。
図2(a)に示す工程では、このインゴットに対して、900℃で熱間圧延(Hot rolling)を行って板状に加工した後、空冷(Air cooling)した。このときの板厚は、5.8mmである。次に、500℃で60分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷(Water quench)した後、冷間圧延(Cold rolling)を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は3.3mmであり、圧延率は43.1%である。再び、600℃で60分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷した後、冷間圧延を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は1.6mmであり、圧延率は51.5%である。再び、600℃で60分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷した後、冷間圧延を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は1.0mmであり、圧延率は37.5%である。再び、500℃で30分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷した後、冷間圧延を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は0.4mmであり、圧延率は60%である。ここまでの4回の冷間圧延の圧延率は、93.1%である。最後に、800℃まで3.3K/分で加熱し、800℃で10分間の熱処理を行い、水中へ投入して急冷した。こうして、多結晶で、微細な結晶粒を有するCu−17Al−13.5Mn−3Ni合金試料(以下では、「微細結晶粒試料」とも呼ぶ)を製造した。
また、図2(b)に示す工程では、直径34mmのインゴットに対して、900℃で熱間圧延(Hot rolling)を行って板状に加工した後、空冷(Air cooling)した。このときの板厚は、5.8mmである。次に、500℃で60分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷(Water quench)した後、冷間圧延(Cold rolling)を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は3.3mmであり、圧延率は43.1%である。再び、600℃で60分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷した後、冷間圧延を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は1.6mmであり、圧延率は51.5%である。再び、500℃で30分間の焼なましを行い、水中へ投入して急冷した後、冷間圧延を行って、さらに薄い板状に加工した。このときの板厚は0.4mmであり、圧延率は75%である。ここまでの3回の冷間圧延の圧延率は、93.1%である。最後に、800℃まで0.5K/分で加熱し、800℃で10分間の熱処理を行い、水中へ投入して急冷した。こうして、多結晶で、粗大な結晶粒を有するCu−17Al−13.5Mn−3Ni合金試料(以下では、「粗大結晶粒試料」とも呼ぶ)を製造した。
図2(a)の工程で製造された微細結晶粒試料、および、図2(b)の工程で製造された粗大結晶粒試料に対して、EBSD法による結晶方位解析を行った。得られた逆極点図方位マップおよび逆極点図を、それぞれ図3および図4に示す。なお、図3および図4に示すRD(rolling direction)は圧延方向、TD(transverse direction)は圧延面内で圧延方向に直交する方向、ND(normal direction)は圧延面の法線方向、MDは、圧延面内でRDに対して45度の方向である。
微細結晶粒試料では、図3に示すように、半分程度の結晶粒の粒径が、板厚の0.4mmとほぼ同じか、それより大きくなっていることが確認された。また、図3(d)に示すように、MDで測定した70.9%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。粗大結晶粒試料では、図4に示すように、ほとんどの結晶粒の粒径が、板厚の0.4mmより大きくなっていることが確認された。また、図4(d)に示すように、MDで測定した87.9%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。
次に、図2(a)の工程で製造された微細結晶粒試料、および、図2(b)の工程で製造された粗大結晶粒試料に対して、引張試験を行った。引張方向は、MDである。引張試験は、ひずみ量0.5%まで引っ張って戻し、次にひずみ量1.0%まで引っ張って戻し、さらにひずみ量1.5%まで引っ張って戻す、というように、上限ひずみ量を0.5%ずつ増加しながら、引張変形をさせてゼロ荷重まで戻す手順を繰り返して行った。この引張試験により得られた応力ひずみ曲線を、それぞれ図5(a)および(b)に示す。
微細結晶粒試料は、図5(a)に示すように、621MPaの応力で破壊されたが、それまでは、引張荷重をかけて戻す手順の繰り返しで、曲線が若干ずれていくものの、ほぼ弾性変形していることが確認された。また、微細結晶粒試料の最大弾性ひずみ量は2.40%であることが確認された。また、ひずみが大きくなるに従って、応力ひずみ曲線の傾きが徐々に小さくなり、ヤング率が変化していることが確認された。ひずみが1.5%のときの見かけ上のヤング率は29GPaであることが確認された。
粗大結晶粒試料は、図5(b)に示すように、約600MPaの応力で破壊されたが、それまでは、引張荷重をかけて戻す手順の繰り返しで、曲線が若干ずれていくものの、ほぼ弾性変形していることが確認された。また、粗大結晶粒試料の最大弾性ひずみ量は約3.25%であることが確認された。また、ひずみが大きくなるに従って、応力ひずみ曲線の傾きが徐々に小さくなり、ヤング率が変化していることが確認された。ひずみが2.5%のときの見かけ上のヤング率は21GPaであることが確認された。
Cu−14.5Al−14.5Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した91.0%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は2.50%、見かけ上のヤング率は22GPaであることが確認された。
Cu−15Al−14Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した90.2%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は2.95%、見かけ上のヤング率は22GPaであることが確認された。
Cu−19Al−8Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した55.3%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は1.98%、見かけ上のヤング率は48GPaであることが確認された。
Cu−21Al−7Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した50.0%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は1.70%、見かけ上のヤング率は49GPaであることが確認された。
Cu−17Al−10.5Mn−1Ni合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した68.4%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は2.02%、見かけ上のヤング率は30GPaであることが確認された。
Cu−21Al−6.3Mn−6Ni合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した62.8%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っており、結晶方位<100>方位が圧延方向に揃っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、破壊されるまではほぼ弾性変形しており、最大弾性ひずみ量は1.61%、見かけ上のヤング率は45GPaであることが確認された。
[比較例1]
比較例として、Cu−6.2Al−12.1Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した25.3%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、最大弾性ひずみ量は0.36%、見かけ上のヤング率は157GPaであることが確認された。
[比較例2]
比較例として、Cu−16.1Al−21.3Mn合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した40.8%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、最大弾性ひずみ量は0.71%、見かけ上のヤング率は174GPaであることが確認された。
[比較例3]
比較例として、Cu−16.8Al−11.3Mn−11.4Ni合金(at%)を製造し、引張試験を行った。この合金は、実施例2の図2(a)に示す方法により製造した。製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、EBSD法による結晶方位解析を行った。その結果、MDで測定した36.7%の結晶粒が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っていることが確認された。また、製造後の合金試料に対して、実施例2と同様にして、引張試験を行った。その結果、最大弾性ひずみ量は0.40%、見かけ上のヤング率は180GPaであることが確認された。
実施例1〜8、比較例1〜3の合金組成および各試験結果をまとめ、表1に示す。表1に示すように、比較例1〜3では、最大弾性ひずみ量が1%以下であったのに対し、実施例1〜8では、少なくとも1.5%までは塑性変形がほとんど生じず、最大弾性ひずみ量が1.5%以上5%以下であり、広い弾性変形領域を有しているといえる。このため、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、例えば、バネ材や生体材料など、比較的大きいひずみを受けても弾性変形を行う必要がある材料として利用することができる。また、比較例1〜3では、ヤング率が150GPa以上であるのに対し、実施例1〜8では、ヤング率も50GPa以下と低いため、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、低ヤング率である必要がある材料として利用することもできる。
Figure 2021050396

Claims (7)

  1. 14at%〜22at%のAlと、5at%〜14.5at%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成り、最大弾性ひずみ量が1.5%以上であることを特徴とするCu−Al−Mn系合金。
  2. 前記Alが16at%〜21at%であり、前記Mnが7at%〜14.5at%であることを特徴とする請求項1記載のCu−Al−Mn系合金。
  3. さらに、0.001at%〜10at%のNiを含むことを特徴とする請求項1または2記載のCu−Al−Mn系合金。
  4. 前記最大弾性ひずみ量が3%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
  5. ヤング率が50GPa以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
  6. 単結晶から成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
  7. 結晶粒の50%以上が、電子線後方散乱回折(EBSD)法により測定した変形方向の結晶方位が、結晶方位<100>方位からのずれ角度が0°〜30°の範囲内に入っていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
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