JP2021050391A - Cu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法 - Google Patents

Cu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法 Download PDF

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勝 許
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Abstract

【課題】0より小さい、または0に近いポアソン比を有する新たなCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法を提供する。【解決手段】3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る圧延材から成る。また、β相全体の結晶粒の70%以上が、電子線後方散乱回折(EBSD)法により測定した圧延方向の結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、ポアソン比が0.1より小さい。【選択図】図7

Description

本発明は、Cu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法に関する。
従来、優れた加工性を維持しながら、高い形状記憶特性や安定した超弾性を示すCu−Al−Mn系合金が、本発明者等により開発されている(例えば、特許文献1乃至6参照)。金属材料の場合、通常、ポアソン比は0.3程度であり、正の値をとる。しかし、コルクや発泡体において、0より小さい負のポアソン比を有する材料も稀に存在している。負のポアソン比は、材料がある方向に引っ張られたとき、その垂直方向に膨張すること、あるいは、ある方向に圧縮されたとき、その垂直方向に収縮することを意味している。このような材料は、良好なシール性を示す。金属材料においては、B2構造やL2構造の金属間化合物において負のポアソン比となることが理論的に予測されている。Cu−Al−Mn系合金では、L2構造のCuMnAl合金が負のポアソン比を示すことが理論的に予測されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2003−138330号公報 国際公開WO2011/152009号 特開2000−169920号公報 特開2001−20026号公報 特開2014−58737号公報 特開2015−54977号公報
R. H. Baughman, J. M. Shacklette, A. A. Zakhidov and S. Stafstrom, "Negative Poisson’s ratios as a common feature of cubic metals", Nature, 26 March 1998, Vol. 392, p.362-365
特許文献1乃至6に記載のようなCu−Al−Mn系合金では、非特許文献1に記載のCuMnAl合金において、0より小さい負のポアソン比を有することが理論的に予測されているが、実際に、負のポアソン比を有する材料は見出されておらず、応用範囲を拡大する観点から、0より小さいポアソン比を有する新たなCu−Al−Mn系合金の開発が望まれていた。また、変形を受けてもその垂直方向の寸法変化がほとんど生じない、0に近いポアソン比を有する新たなCu−Al−Mn系合金の開発も望まれていた。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、0より小さい、または0に近いポアソン比を有する新たなCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る圧延材から成り、β相全体の結晶粒の70%以上が、電子線後方散乱回折(EBSD;Electron Backscatter Diffraction)法により測定した圧延方向(RD;rolling direction)の結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、ポアソン比が0.1より小さいことを特徴とする。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、ポアソン比が0.1より小さく、オーセチック(Auxetic)な特性を有している。このため、従来のオーセチック材料の用途のうち、金属を使用可能な用途や、金属に置き換えた方が有利な用途、全く新しい用途に使用することができる。例えば、各種構造物に用いる、抜けにくい杭やネジなどの締結材に有用である。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、EBSD法により測定したRDの結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っている結晶粒が、β相全体の80%以上であることが好ましい。負のポアソン比を得るためには、EBSD法により測定した圧延面内で圧延方向に直交する方向(TD;transverse direction)の結晶方向が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っている結晶粒が、β相全体の40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、0に近いポアソン比を得るためには、EBSD法により測定したTDの結晶方位が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っている結晶粒が、β相全体の40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、実質的にβ単相から成る再結晶組織を有していることが好ましいが、α相を40%以下で含んでいてもよい。本発明に係るCu−Al−Mn系合金は、0.001mass%〜10mass%のNiを含んでいてもよい。この場合、特に、前記Alが7mass%〜10mass%であり、前記Mnが6mass%〜12.5mass%であり、前記Niが1mass%〜6.5mass%であることが好ましい。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金の製造方法は、3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る塊状の合金原料を、熱間加工により板状に加工する第1工程と、400℃〜600℃で、1分〜60分の焼なましを行う第2工程と、冷間圧延により、さらに薄い板状に加工する第3工程と、750℃〜950℃で、1分〜180分の熱処理を行った後、冷却水に入れて急冷する第4工程とを有することを特徴とする。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金の製造方法は、本発明に係るCu−Al−Mn系合金を好適に製造することができる。第1工程の熱間圧延は、1回のみの圧延処理でもよく、圧延処理を複数回行ってもよい。第3工程の冷間圧延は、1回のみの圧延処理でもよく、圧延処理を複数回行ってもよい。第3工程全体での圧延率は、50%以上であることが好ましく、70%〜95%であることが特に好ましい。第4工程で750℃〜950℃に加熱する際の昇温速度は、0.2℃/分以上であることが好ましい。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法で、Alが3mass%未満のとき、β単相を形成することができず、Alが20mass%より多くなると、極めて脆くなる。また、Mnを含有することにより、β相の存在範囲が低Al側へ広がり、冷間加工性が著しく向上するため、成形加工が容易になる。Mnが5mass%未満のとき、冷間加工性が悪く、β単相の領域を形成することができない。Mnが20mass%より多くなると、十分に小さなポアソン比が得られない。
本発明に係るCu−Al−Mn系合金の製造方法で、合金原料は、0.001mass%〜10mass%のNiを含んでいてもよい。この場合、特に、Alが7mass%〜10mass%であり、Mnが6mass%〜12.5mass%であり、Niが1mass%〜6.5mass%であることが好ましい。本発明に係るCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法は、Niを含むことにより、基地組織を強化したり、加工性を向上させたりすることができるが、Niが10mass%より多くなると、焼き入れ性が低下してしまう。
本発明によれば、0より小さい、または0に近いポアソン比を有する新たなCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の製造方法を示す加工プロセスチャートである。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が800℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)RD、(b)TD、(c)NDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(上段、白黒で示した)、特定方位(RDは<101>、TDは<111>、NDは<001>)から20°以内である結晶粒を示したマップ(下段左側)、逆極点図(下段右側の2つ)である。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が850℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)RD、(b)TD、(c)NDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(上段、白黒で示した)、特定方位(RDは<101>、TDは<111>、NDは<001>)から20°以内である結晶粒を示したマップ(下段左側)、逆極点図(下段右側の2つ)である。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が900℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)RD、(b)TD、(c)NDでの結晶配向を示す、逆極点図方位マップ(上段、白黒で示した)、特定方位(RDは<101>、TDは<101>、NDは<001>)から20°以内である結晶粒を示したマップ(下段左側)、逆極点図(下段右側の2つ)である。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が800℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)応力ひずみ曲線、(b)縦ひずみ(LD strain)と横ひずみ(TD strain)との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が850℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)応力ひずみ曲線、(b)縦ひずみ(LD strain)と横ひずみ(TD strain)との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金の、最終工程での熱処理温度が900℃のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の(a)応力ひずみ曲線、(b)縦ひずみ(LD strain)と横ひずみ(TD strain)との関係を示すグラフである。
以下、実施例等に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金およびCu−Al−Mn系合金の製造方法を示している。
本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る圧延材から成っている。なお、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、0.001mass%〜10mass%のNiを含んでいてもよい。
また、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、β相全体の結晶粒の70%以上が、電子線後方散乱回折(EBSD)法により測定したRDの結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っている。また、EBSD法により測定したTDの結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っている結晶粒が、β相全体の40%以上である、または、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っているものが、β相全体の40%以上である。
また、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、実質的にβ単相から成る再結晶組織を有しているが、α相を40%以下で含んでいてもよい。また、本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、ポアソン比が0.1より小さい。
本発明の実施の形態のCu−Al−Mn系合金は、ポアソン比が0.1より小さく、オーセチックな特性を有している。このため、従来のオーセチック材料の用途のうち、金属を使用可能な用途や、金属に置き換えた方が有利な用途、全く新しい用途に使用することができる。例えば、各種構造物に用いる、抜けにくい杭やネジなどの締結材に有用である。
Cu−Al−Mn系合金を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。まず、図1に示す方法で、Cu−Al−Mn系合金を製造した。すなわち、図1に示すように、79.3mass%のCuと、7.9mass%のAlと、9.7mass%のMnと、3.1mass%のNiとを含む塊状の合金原料を製造し、この合金原料に対して、800℃で熱間圧延(Hot rolling)を行って板状に加工した後、空冷(Air cooling)した。なお、熱間圧延では、複数回の圧延処理を行っているが、1回のみの圧延処理でもよい。図1に示す具体的な一例では、径が20mmの合金原料を、熱間圧延により、4.1mmの厚さに加工した。このときの圧延率は、79.5%である。
次に、500℃で30分間の焼なましを行い、空冷した後、冷間圧延(Cold rolling)を行って、さらに薄い板状に加工した。なお、冷間圧延では、複数回の圧延処理を行っているが、1回のみの圧延処理でもよい。図1に示す具体的な一例では、厚さ4.1mmの板を、冷間圧延により、0.5mmの厚さに加工した。このときの圧延率は、87.8%である。
次に、0.2℃/分以上の昇温速度で、800℃、850℃、または、900℃まで昇温し、その温度で15分間の熱処理を行った後、冷却水に入れて急冷(Water quench)した。こうして、最終工程での熱処理温度が800℃、850℃、900℃の3種類のCu−7.9Al−9.7Mn−3.1Ni合金(mass%)の試料を製造した。
製造した各合金試料に対してEBSD法による結晶方位解析を行った。得られた逆極点図方位マップ、特定方位(RDは<101>、TDは<111>または<101>、NDは<001>)から20°以内である結晶粒を示したマップおよび逆極点図を、それぞれ図2乃至図4に示す。最終工程での熱処理温度が800℃の合金試料では、図2(a)に示すように、RDで測定した結晶粒の99.6%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図2(b)に示すように、TDで測定した結晶粒の78.8%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図2(c)に示すように、ND(normal direction;圧延面の法線方向)で測定した結晶粒の23.1%が、結晶方位<001>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、この800℃の合金試料では、α相が36.0%、β相が64.0%であり、β相の結晶粒の平均サイズが約14μmであることが確認された。
また、最終工程での熱処理温度が850℃の合金試料では、図3(a)に示すように、RDで測定した結晶粒の98.6%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図3(b)に示すように、TDで測定した結晶粒の83.7%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図3(c)に示すように、NDで測定した結晶粒の17.6%が、結晶方位<001>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、この850℃の合金試料では、α相が11.3%、β相が88.7%であり、β相の結晶粒の平均サイズが約80μmであることが確認された。
また、最終工程での熱処理温度が900℃の合金試料では、図4(a)に示すように、RDで測定した結晶粒の89.3%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図4(b)に示すように、TDで測定した結晶粒の60.3%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、図4(c)に示すように、NDで測定した結晶粒の51.1%が、結晶方位<001>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、この900℃の合金試料では、β相が100%のβ単相であり、β相の結晶粒の平均サイズが約420μmであることが確認された。
次に、各合金試料に対して引張試験を行った。得られた応力ひずみ曲線、および、縦ひずみと横ひずみとの関係を、それぞれ図5乃至図7に示す。最終工程での熱処理温度が800℃の合金試料では、図5(a)に示すように、単軸の応力をかけたとき、正の縦ひずみ(LD strain)と、わずかに負の横ひずみ(TD strain)が発生することが確認された。縦ひずみから得られたヤング率Eは、133.6GPaであった。また、図5(b)に示すように、ポアソン比νは正の値で、0.024であった。
また、最終工程での熱処理温度が850℃の合金試料では、図6(a)に示すように、単軸の応力をかけたとき、正の縦ひずみ(LD strain)と、わずかに負の横ひずみ(TD strain)が発生することが確認された。縦ひずみから得られたヤング率Eは、99.0GPaであった。また、図6(b)に示すように、ポアソン比νは正の値で、0.040であった。
また、最終工程での熱処理温度が900℃の合金試料では、図7(a)に示すように、単軸の応力をかけたとき、正の縦ひずみ(LD strain)と、正の横ひずみ(TD strain)が発生することが確認された。縦ひずみから得られたヤング率Eは、86.0GPaであった。また、図7(b)に示すように、ポアソン比νは負の値で、−0.21であった。
Cu−6.6Al−14.4Mn合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を600℃、冷間圧延の圧延率を90%、最終工程での熱処理温度を900℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の76.2%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の51.1%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、α相が6.1%であり、残りの93.9%がβ相であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、−0.10であった。
Cu−8.1Al−11.1Mn合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を500℃、冷間圧延の圧延率を60%、最終工程での熱処理温度を800℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の80.5%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の64.8%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、β相が100%のβ単相(α相が0%)であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.039であった。
Cu−9.2Al−9.9Mn合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を400℃、冷間圧延の圧延率を30%、最終工程での熱処理温度を800℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の71.1%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の42.3%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、β相が100%のβ単相(α相が0%)であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.092であった。
Cu−8.1Al−10.2Mn−1Ni合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を600℃、冷間圧延の圧延率を70%、最終工程での熱処理温度を900℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の74.6%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の49.1%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、α相が2.4%であり、残りの97.6%がβ相であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、−0.11であった。
Cu−10.3Al−6.3Mn−6.4Ni合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を400℃、冷間圧延の圧延率を30%、最終工程での熱処理温度を800℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の78.5%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の48.3%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、β相が100%のβ単相(α相が0%)であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.049であった。
[比較例1]
比較例として、Cu−2.8Al−11Mn合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を500℃、冷間圧延の圧延率を90%、最終工程での熱処理温度を900℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の20.8%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の19.8%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、α相が95.1%であり、残りの4.9%がβ相であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.24であった。
[比較例2]
比較例として、Cu−7.8Al−21Mn合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を500℃、冷間圧延の圧延率を30%、最終工程での熱処理温度を800℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の39.4%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の22.6%が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、β相が100%のβ単相(α相が0%)であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.33であった。
[比較例3]
比較例として、Cu−8.1Al−11.1Mn−12Ni合金(mass%)の試料を製造し、製造した合金に対してEBSD法による結晶方位解析および引張試験を行った。この合金は、焼きなまし温度を500℃、冷間圧延の圧延率を30%、最終工程での熱処理温度を900℃として、実施例1と同様の工程で製造した。
製造した合金試料に対し、実施例1と同様にしてEBSD法による結晶方位解析を行った結果、RDで測定した結晶粒の31.6%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、TDで測定した結晶粒の28.6%が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることが確認された。また、α相が42.5%であり、残りの57.5%がβ相であることが確認された。また、製造した合金試料に対し、実施例1と同様にして引張試験を行った結果、ポアソン比νは、0.29であった。
実施例1〜6、比較例1〜3の合金組成および各試験結果をまとめ、表1に示す。表1に示すように、比較例1〜3では、ポアソン比が0.2以上であるのに対し、実施例1〜6では、ポアソン比は0.1より小さく、オーセチックな特性を有しているといえる。
Figure 2021050391

Claims (7)

  1. 3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る圧延材から成り、β相全体の結晶粒の70%以上が、電子線後方散乱回折(EBSD)法により測定した圧延方向の結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っており、ポアソン比が0.1より小さいことを特徴とするCu−Al−Mn系合金。
  2. β相全体の結晶粒の40%以上が、前記電子線後方散乱回折法により測定した圧延面内で前記圧延方向に直交する方向の結晶方位が、結晶方位<101>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることを特徴とする請求項1記載のCu−Al−Mn系合金。
  3. β相全体の結晶粒の40%以上が、前記電子線後方散乱回折法により測定した圧延面内で前記圧延方向に直交する方向の結晶方位が、結晶方位<111>方位からのずれ角度が0°〜20°の範囲内に入っていることを特徴とする請求項1記載のCu−Al−Mn系合金。
  4. 実質的にβ単相から成る再結晶組織を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
  5. 0.001mass%〜10mass%のNiを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のCu−Al−Mn系合金。
  6. 前記Alが7mass%〜10mass%であり、前記Mnが6mass%〜12.5mass%であり、前記Niが1mass%〜6.5mass%であることを特徴とする請求項5記載のCu−Al−Mn系合金。
  7. 3mass%〜20mass%のAlと、5mass%〜20mass%のMnとを含み、残部がCuと不可避不純物とから成る塊状の合金原料を、熱間加工により板状に加工する第1工程と、
    400℃〜600℃で、1分〜60分の焼なましを行う第2工程と、
    冷間圧延により、さらに薄い板状に加工する第3工程と、
    750℃〜950℃で、1分〜180分の熱処理を行った後、冷却水に入れて急冷する第4工程とを
    有することを特徴とするCu−Al−Mn系合金の製造方法。
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