JP2021050299A - 精製アクリル系重合体溶液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶液重合における未反応モノマーを含む重合体溶液から、未反応モノマーを極めて高い除去率で除去し、実質的に紡糸工程からのモノマー大気排出がなく、しかも重合体溶液を少ない工程で適正な濃度に濃縮する精製アクリル系重合体溶液の製造方法を提供する。【解決手段】少なくともアクリロニトリルを含むモノマーを溶液重合して得られる重合体溶液を減圧せしめた充填塔上部から、重合体溶液の溶媒の蒸気を前記重合体溶液と向流接触させるように充填塔の下部から供給する、前記重合体溶液から未反応モノマーを除去して精製重合体溶液を製造する方法であって、未反応モノマーを含む重合体溶液を熱交換器で70〜90℃に加熱し、且つ向流接触させる溶媒蒸気量を充填塔に供給する重合体溶液の体積に対して25〜50%とし、単位処理面積が300〜1800(L/Hr/m2)であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、精製アクリル系重合体溶液の製造方法に関するものである。
一般にアクリロニトリルの重合はラジカル重合であり、該重合により工業的にアクリロニトリル重合体を得るプロセスには、均一系である溶液重合と不均一系である水系懸濁重合に大別される。
ラジカル重合の反応速度は、一般に反応の進行が進むにつれて遅くなるので、高転化率を得るためには大型の装置、あるいは長い反応時間を必要とするが、重合工程の長時間化は工業的に不利であるため、転化率が90%前後で打ち切るのが経済的にも有利である。このため、重合体溶液は未反応のモノマーを含んでおり、この未反応モノマーが含まれたままで後に続く紡糸工程に持ち込まれると、紡糸中にモノマーが大気中に排出され、作業環境の悪化を引き起こすため好ましくない。したがって、重合体溶液から未反応モノマーを十分に除去することが必要である。
溶液重合は均一重合であるため、水系不均一重合で必要となるポリマーの分離、乾燥、溶解工程がなく、水系不均一重合に比較して工程が簡略であるという利点があるが、溶液重合で製造したアクリル系重合体溶液は高粘度であるため、未反応モノマーの除去率を高くすることが比較的困難であるのが現状である。
従来、溶液重合での未反応モノマーの除去は、重合を打ち切り、未反応モノマーを含む重合体溶液を、減圧した脱気槽の内壁に薄膜状にして供給し、未反応モノマーを除去する方法が一般的であるが、この方法では未反応モノマーの除去率がそれほど高くなく、除去率を上げるためには、供給する重合体溶液を高温にすることや、脱気槽を高真空にする必要があった。しかし、前者では製品の着色を引き起こし好ましくなく、後者においても装置が大型になることや、除去率が大きく上がらないなど、コストの面からも不利である。しかも、この方法を用いて未反応モノマーの除去率を上げると、未反応モノマーと同時に溶媒の一部も除去され、その結果、重合体溶液の重合体濃度が上がりすぎ、粘度も上昇しまうが、後に続く紡糸工程では、重合体濃度が上がりすぎると好ましくないことが多く、このために、未反応モノマーを除去した後、重合体溶液のポリマー濃度を適正にするため、溶媒での希釈が必要な場合もある。また、除去率が比較的低いままで後に続く紡糸工程に重合体溶液を持ち込むと紡糸工程においてモノマーが大気に排出されてしまうので、この大気排出を減らすために、紡糸浴の密封化や蒸散したモノマーの回収、焼却などを行う必要があるがいずれも装置が高価であること、ランニングコストが高いなどの欠点があり、より少ない工程での未反応モノマーの高除去率を得る抜本策が望まれている。
特許文献1には、重合体溶液からの未反応モノマーの回収方法として、ジメチルスルホキシド、あるいはジメチルホルムアミドの蒸気を重合体溶液と向流接触させて未反応モノマーの除去をする方法が開示されているが、この方法を単に実施しても、未反応モノマーの蒸発率が約95%程度であったり、あるいは、ポリマーが適正に濃縮されているか否かわからない等の問題点があった。また、この特許文献1には、充填塔ではなく、棚段の塔を用いて実施した例が開示されているが、かかる方法をアクリル系重合体溶液のような高粘度の溶液に使用すると、塔頂と塔底の圧力損失が大きくなり、ポリマーが適正に濃縮されることがなく、さらに、重合体溶液の表面更新が比較的少なく、未反応モノマーの回収率が上がらない等、種々好ましくない問題を有するものである。また、充填塔について具体的考察はなされておらず、未反応モノマーの除去率も大きくできなかったのが実状である。
さらに、特許文献2には、重合体溶液からの未反応モノマーの除去と溶液の濃縮をする方法が記載されているが、プロセスが複雑で設備費が高価であり、加熱と冷却を繰り返すためネルギー的に不利で、さらにランニングコストも高い等の問題点があった。
また、特許文献3には、未反応モノマーの除去と重合体溶液をフラッシュ蒸発を利用することによって濃縮する方法が提案されており、この技術は、一工程で未反応モノマーの除去と重合体溶液の濃縮を行うという点で画期的な有効技術であるが、濃縮された重合体溶液の温度が比較的高く、これを冷却する装置が必要であることがあるため興行的に不利であり、かかる冷却装置を必要としない技術の実現も要望されていた。
さらに特許文献4には、充填塔頂圧力と充填塔底圧力の差、また充填塔底圧力と脱気槽圧力の差、充填塔に供給する重合体溶液温度と脱気槽から流出する重合体溶液温度の差の範囲を規定した方法が提案されているが、こちらの手段でもモノマーの除去率の向上が見られなかったのが実情である。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、溶液重合における重合体溶液から、未反応モノマーを極めて高い除去率で除去し、その結果、実質的に紡糸工程からのモノマー大気排出をなくすことができ、しかも重合体溶液を少ない工程で適正な濃度に濃縮する精製アクリル系重合体溶液の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の構成を有するものである。
すなわち、本発明の精製アクリル系重合体溶液の製造方法は、少なくともアクリロニトリルを含むモノマーを溶液重合して得られる重合体溶液を、減圧せしめた充填塔の上部から供給するとともに充填塔の下部から重合体溶液の溶媒の蒸気を前記重合体溶液と向流接触させるように供給することにより、前記重合体溶液から未反応モノマーを除去して精製重合体溶液を製造する方法において、前記重合体溶液を70〜90℃に加熱し、向流接触させる溶媒蒸気量を充填塔に供給する重合体溶液の体積に対して25〜50体積%とし、且つ充填塔の断面積当たりの重合体溶液処理量である単位処理面積が300〜1800L/Hr/m2であることを特徴とするものである。
本発明のアクリル系精製ポリマー溶液の製造方法を用いることにより、重合体溶液中の未反応モノマーを極めて高い除去率で除去することができ、実質的に紡糸工程からのモノマー大気排出をなくすことができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明は、前記課題、つまり未反応モノマーの高除去率および実質的に紡糸工程からのモノマーの大気排出が回避でき、しかも重合体溶液を少ない工程で適正に濃縮することができるという方法を鋭意検討したところ、モノマー除去手段として充填塔による向流接触手段を用い、かつ、供給する重合体溶液の加熱温度および単位処理面積を特定の範囲に規定することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明ではこのような構成にすることによって、従来技術に比較して、未反応モノマーを極めて高い除去率で除去することができ、充填塔へ供給する重合体溶液の加熱温度を必要以上に上げなくてよいことから熱履歴によるポリマーおよび該溶液を用いて紡糸した原綿の着色を抑えつつ、未反応モノマー除去が行え、かつ昇温にかかるエネルギーレスによるコストダウンにも繋がる。また、充填塔への重合体溶液の供給量(生産能力)に適した充填塔サイズが決定でき、設備導入時のコストダウンにおいても非常に有利と言える。
本発明において、充填塔の下部から該重合体溶液の溶媒の蒸気を該重合体溶液と向流接触させるように供給するとは、充填塔内での未反応モノマーの分離帯域における重合体溶液の移動方向と溶媒の蒸気の移動方向が実質的に反対となるように、溶媒の蒸気を供給することをいう。
本発明の方法において、用いられるモノマーは、全モノマーのアクリロニトリルの含有量が80mol%以上のものであることが好ましく、他のエチレン性二重結合を有するモノマーを1種以上含んでいてもよい。他のエチレン性二重結合を有するモノマーには、例えば、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのエステルまたは塩;マレイン酸、フマル酸、及びこれらのエステルまたは無水物;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル等を使用することができる。
本発明において、重合体溶液の溶媒としては、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」と略する)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒が好ましく使用されるが、本発明は溶媒によって限定されるものではない。すなわち、例えば、無機塩の水溶液でアクリル重合体を溶液重合している場合は溶媒の蒸気として水蒸気を用いることができる。重合方法としては、バッチ重合、連続重合のいずれでもよく、充填塔の上部から供給される重合体溶液は、その45℃における粘度が50〜1000ポイズのものであることが好ましく、供給時には重合体溶液を熱交換器等で60〜90℃に加熱することが好ましい。重合体溶液の熱交換器等での加熱温度のさらに好ましい範囲は75〜85℃である。さらに、充填塔の上部から供給される重合体溶液として、15〜30重量%の重合体濃度を有するとともに、未反応モノマーが1〜8重量%にまで重合された重合体溶液を用いることが好ましい。
本発明において、充填塔とは塔内に充填物が充填されている塔を言う。重合体溶液は一般の溶液と比較して粘度が非常に高いので、塔内に均一に重合体溶液を分散させることが比較的困難であり、充填塔内に均一に重合体溶液を供給するためには、パイプ型、オリフィス型、トラフ型、ノッチ型、ラダー型、トーナメント型等の分散器が適宜使用され得る。また、塔内での熱損失を防ぐために、塔内でのこれら分散器や分散器の導入配管の少なくとも一部を保温することも好ましく行われる。
また、本発明において、充填塔は、100〜350m2/m3の比表面積を有する充填物が充填されているものを用いるのが好ましい。該充填物が存在していることにより、重合体溶液の表面が更新し、未反応モノマーの除去が促進されるからである。該比表面積のさらに好ましい範囲は、150〜270m2/m3である。
このような100〜350m2/m3の比表面積を有する充填物としては、特に限定されないが、未反応モノマーの安定した除去の観点からも、圧力損失が低く充填領域内での気液の偏流が少ないものが好ましく、材質としては、金属製、プラスチック製、陶器製等があるが、空隙率と強度の点からも金属製が好ましい。
また、本発明において、充填塔の断面積あたりの重合体溶液処理量である単位処理面積が300〜1800L/Hr/m2であることが必要である。該範囲より少なくても多くても、未反応モノマーの除去率が低下するため後の紡糸工程からのモノマー大気排出が増大し、作業環境の悪化の他に周辺地域の大気環境面への影響も考えられるので望ましくない。該単位処理面積のさらに好ましい範囲は、800〜1600L/Hr/m2である。
さらに、充填塔の下部からは重合体溶液の溶媒をリボイラー等の加熱器で加熱しその蒸気を充填塔に供給する。また、リボイラーに供給する溶媒の液量は多い方が好ましいが、装置、ランニングコストの点から、充填塔に供給する重合体溶液の体積に対して、30〜45体積%が好ましい。さらに好ましくは、35〜40体積%である。
以下、本発明の精製アクリル系重合体溶液の製造方法の好ましい一実施態様例を、図1
を用いて説明する。
を用いて説明する。
図1は、本発明の精製アクリル系重合体溶液の製造方法の一例を示した概略フロー図であり、未反応モノマーを含む重合体溶液を熱交換器5にて加熱し、該溶液を充填塔1の上部から塔内に供給する。該充填塔より下に設けられたリボイラー2で溶媒を加熱しその蒸気を充填塔下部から塔内に供給し、溶媒の蒸気と重合体溶液とを向流接触させて重合体溶液中の未反応モノマーを除去し、溶媒の蒸気と除去したモノマーの混合物を吸収塔3で有機溶媒に吸収させる。
また、エゼクター4を用いて真空を発生させ、吸収塔3と充填塔1を減圧し、充填塔頂と充填塔底の圧力差を好ましくは10Torr以下とする。このようにして重合体溶液から未反応モノマーを除去し、精製したアクリル系重合体溶液をポンプ6を用いて抜き出す。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
実施例1
図1に示したとおりの本発明の精製アクリル系重合体溶液の製造方法の一例フローにより、下記のとおりに精製アクリル系重合体溶液を製造した。
図1に示したとおりの本発明の精製アクリル系重合体溶液の製造方法の一例フローにより、下記のとおりに精製アクリル系重合体溶液を製造した。
すなわち、アクリロトリル93.8mol%、アクリル酸メチル6mol%、メタリルスルホン酸ナトリウム0.2mol%を含むモノマーをDMSOを溶媒として重合し、未反応モノマーを4.0重量%含むポリマー濃度21.9重量%、45℃における粘度が170ポイズのアクリル系重合体のDMSO溶液を78℃で、塔頂圧力10.0Torrの充填塔1に供給した。充填塔1には比表面積257m2/m3のステンレス製の充填物を充填した。塔底からはリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して35体積%を供給した。このときの単位処理面積は1100L/Hr/m2であった。塔底より流出する重合体溶液をポンプ5を用いて抜き出した。塔底より抜き出された重合体溶液のポリマー濃度は22.0重量%であった。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.01重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
この結果からわかるように、本発明の方法によれば、未反応モノマーを極めて高い除去率(99.8%(除去前の未反応モノマー量4.0重量%、除去後の未反応モノマー量0.01重量%、))で除去することができた。
実施例2
実施例1と同様のプロセスにおいて、アクリロトリル95.3mol%、アクリル酸メチル4.3mol%、メタリルスルホン酸ナトリウム0.4mol%を含むモノマーをDMSOを溶媒として重合し、未反応モノマーを4.0重量%含むポリマー濃度22.0重量%、45℃における粘度が190ポイズのアクリル系重合体のDMSO溶液を81℃で、塔頂圧力15.0Torrの充填塔1に供給した。充填塔1には比表面積257m2/m3のステンレス製の充填物を充填した。塔底からはリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して35体積%を供給した。このときの単位処理面積は1600L/Hr/m2であった。塔底より流出する重合体溶液をポンプ5を用いて抜き出した。塔底より抜き出された重合体溶液のポリマー濃度は22.1重量%であった。
実施例1と同様のプロセスにおいて、アクリロトリル95.3mol%、アクリル酸メチル4.3mol%、メタリルスルホン酸ナトリウム0.4mol%を含むモノマーをDMSOを溶媒として重合し、未反応モノマーを4.0重量%含むポリマー濃度22.0重量%、45℃における粘度が190ポイズのアクリル系重合体のDMSO溶液を81℃で、塔頂圧力15.0Torrの充填塔1に供給した。充填塔1には比表面積257m2/m3のステンレス製の充填物を充填した。塔底からはリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して35体積%を供給した。このときの単位処理面積は1600L/Hr/m2であった。塔底より流出する重合体溶液をポンプ5を用いて抜き出した。塔底より抜き出された重合体溶液のポリマー濃度は22.1重量%であった。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.01重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
この結果からわかるように、本発明の方法によれば、未反応モノマーを極めて高い除去率(99.8%(除去前の未反応モノマー量4.0重量%、除去後の未反応モノマー量0.01重量%、))で除去することができた。
実施例3
実施例1と同様のプロセスにおいて、単位処理面積が800L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、単位処理面積が800L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.15重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様のプロセスにおいて、塔底からリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して40体積%を供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、塔底からリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して40体積%を供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.07重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様のプロセスにおいて、重合体溶液を68℃で充填塔1に供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、重合体溶液を68℃で充填塔1に供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.20重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様のプロセスにおいて、塔底からリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して20体積%を供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、塔底からリボイラー2で加熱したDMSOの蒸気を供給量に対して20体積%を供給した以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.10重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様のプロセスにおいて、単位処理面積が280L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、単位処理面積が280L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.08重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
比較例4
実施例1と同様のプロセスにおいて、重合体溶液を68℃で充填塔1に供給し、単位処理面積が500L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
実施例1と同様のプロセスにおいて、重合体溶液を68℃で充填塔1に供給し、単位処理面積が500L/Hr/m2であること以外は、他は同様にして、精製アクリル系重合体溶液を製造した。
ガスクロマトグラフィを用いて、塔底より抜き出された重合体溶液のモノマー濃度を測定したところ、0.045重量%であった。該重合体溶液の評価結果を表1に示す。
比較例1〜3では、供給する重合体溶液温度、向流接触させる溶媒蒸気量、単位処理面積が本願の範囲外であるため、未反応モノマーの除去率が悪い結果となった。そのため、後の紡糸工程からのモノマー大気排出量が増加し作業環境の悪化、周辺大気環境面への影響が懸念される。また、ポリマー濃度を適正な濃度に濃縮させた精製ポリマー溶液を得ることができる。
1:充填塔
2:リボイラー
3:吸収塔
4:エゼクター
5:熱交換器
6:ポンプ
2:リボイラー
3:吸収塔
4:エゼクター
5:熱交換器
6:ポンプ
Claims (5)
- 少なくともアクリロニトリルを含むモノマーを溶液重合して得られる重合体溶液を、減圧せしめた充填塔の上部から供給するとともに、充填塔の下部から重合体溶液の溶媒の蒸気を前記重合体溶液と向流接触させるように供給することにより、前記重合体溶液から未反応モノマーを除去して精製重合体溶液を製造する方法において、前記重合体溶液を70〜90℃に加熱し、向流接触させる溶媒蒸気量を充填塔に供給する重合体溶液の体積に対して25〜50体積%とし、且つ充填塔の断面積当たりの重合体溶液処理量である単位処理面積が300〜1800L/Hr/m2とすることを特徴とする精製アクリル系重合体溶液の製造方法。
- モノマーが、全モノマー中のアクリロニトリルの含有量が80mol%以上のものであることを特徴とする請求項1記載の精製アクリル系重合体溶液の製造方法。
- 充填塔の上部から供給される重合体溶液の45℃における粘度が50〜1000ポイズであることを特徴とする請求項1または2記載の精製アクリル系重合体溶液の製造方法。
- 充填塔の上部から供給される重合体溶液が15〜30重量%の重合体濃度を有し、かつ、未反応モノマーを1〜8重量%含んでいることを特徴とする請求項1、2、または3記載の精製アクリル系重合体溶液の製造方法。
- 充填塔に100〜350m2/m3の比表面積を有する充填物が充填されていることを特徴とする請求項1、2、3、または4記載の精製アクリル系重合体溶液の製造方法。
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