JP2021050268A - 研磨用組成物及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜を研磨停止膜として含む研磨対象物を研磨するために好適な、バイオサイドを含む研磨用組成物を提供する。【解決手段】本発明の研磨用組成物は、シリカ砥粒と、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を抑制する研磨抑制剤と、下記の(1)式で表される化合物からなるバイオサイドと、水と、を含む。【化1】式中、R1,R2は、それぞれ独立して、水素原子であるか、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される少なくとも2種の原子から構成される官能基である。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物及び研磨方法に関する。
近年、半導体基板表面の多層配線化に伴い、デバイスを製造する際に、半導体基板を研磨して平坦化する、いわゆる、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)技術が利用されている。CMPは、シリカやアルミナ、セリア等の砥粒、防食剤、界面活性剤等を含む研磨用組成物(スラリー)を用いて、半導体基板等の研磨対象物(被研磨物)の表面を平坦化する方法であり、研磨対象物(被研磨物)は、シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化膜(酸化ケイ素)、シリコン窒化物や、金属等からなる配線、プラグ等である。
CMPにおいては、研磨停止膜を用いて絶縁材料を選択的に研磨する場合がある。その場合、研磨停止膜が露出した時点で絶縁材料の研磨を停止するが、研磨停止膜を極力研磨せずに絶縁材料を研磨することが求められる。
特許文献1には、研磨停止膜として機能させるポリシリコン膜を含む研磨対象物の研磨において、ポリシリコン膜に欠陥が生じることを防止する方法が記載されている。この方法では、砥粒と、水と、ポリシリコンの研磨を抑制する研磨抑制剤として機能する高分子化合物と、欠陥の発生を抑制するための含窒素化合物と、を含む研磨液を使用する。また、砥粒としてセリウム化合物を含むことが好ましいと記載されている。
特許文献2には、防腐剤としてイソチアゾロン化合物を含むCMP用研磨剤が記載されている。また、使用するイソチアゾロン化合物として、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが例示されている。
WO2019/69370パンフレット 特開2011−108811号公報
しかし、特許文献1に記載された研磨液に含まれる酸化セリウム砥粒は、一般に高価であり、また、容易に沈降するために保存安定性に劣るものである。また、特許文献1に記載された研磨液では生菌の繁殖を防ぐことはできない。特許文献2に記載されたCMP用研磨剤は、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜に対する研磨速度が高いため、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜を研磨停止膜として含む研磨対象物を研磨するための研磨剤としては適していない。
本発明の課題は、生菌の繁殖を抑制して優れた保存安定性を有し、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜を研磨停止膜として含む研磨対象物を研磨するために好適な、研磨用組成物を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の研磨用組成物は、シリカ砥粒と、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を抑制する研磨抑制剤と、下記の(1)式で表される化合物からなるバイオサイドと、水と、を含む。
Figure 2021050268
式中、R1,R2は、それぞれ独立して、水素原子であるか、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される少なくとも2種の原子から構成される官能基である。
バイオサイドとは、工業製品の微生物(生菌)汚染を防ぐ薬剤、例えば、防腐剤、防かび剤、防藻剤、防虫剤、忌避剤のことである。
本発明によれば、生菌の繁殖を抑制して優れた保存安定性を有し、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜を研磨停止膜として含む研磨対象物を研磨するために好適な、研磨用組成物が提供できる。
[本発明の一態様]
上述のように、本発明の一態様の研磨用組成物は、シリカ砥粒と、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を抑制する研磨抑制剤と、上記(1)式で表される化合物からなるバイオサイドと、水と、を含む。
(1)式で表される化合物は、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を促進する作用がイソチアゾロン化合物と比較して著しく低い。よって、本発明の一態様の研磨用組成物は、バイオサイドとしてイソチアゾロン化合物を含む研磨用組成物よりも、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜を研磨停止膜として含む研磨対象物を研磨する用途に適したものとなる。
また、本発明の別の態様として、本発明の一態様の研磨用組成物を用いて、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨方法が挙げられる。この研磨方法によれば、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物を研磨する工程で、本発明の一態様の研磨用組成物を用いることにより、好適な研磨が可能になる。
[本発明の一態様についての詳細な説明]
以下、本発明の一態様について詳細に説明する。
<研磨対象物>
本発明の一態様の研磨用組成物の用途としては、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物の研磨が挙げられる。
ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料としては、例えば、ポリシリコン(Poly−Si)、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金等が挙げられる。特に、ポリシリコンからなる研磨停止膜を含むものを研磨する用途に適している。
ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物は、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料以外の材料(主に研磨される材料)として、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素(SiCN)、金属等を含む。
<砥粒>
本発明の一態様の研磨用組成物はシリカ砥粒(シリカ粒子からなる砥粒)を含む。砥粒として酸化セリウムを用いると、研磨後の研磨対象物上に酸化セリウムの残渣が残りやすくなるため、酸化セリウムを用いることは好ましくない。
シリカ粒子の種類としては、特に制限されず、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられるが、好ましくはコロイダルシリカである。コロイダルシリカの製造方法としては、ケイ酸ソーダ法、ゾルゲル法が挙げられ、いずれの製造方法で製造されたコロイダルシリカであっても、本発明の一態様の研磨用組成物を構成するシリカ粒子として好適に用いられる。
しかしながら、金属不純物低減の観点から、ゾルゲル法により製造されたコロイダルシリカが好ましい。ゾルゲル法によって製造されたコロイダルシリカは、半導体中で拡散する性質を有する金属不純物や塩化物イオン等の腐食性イオンの含有量が少ないため好ましい。ゾルゲル法によるコロイダルシリカの製造は、従来公知の手法を用いて行うことができ、具体的には、加水分解可能なケイ素化合物(例えば、アルコキシシランまたはその誘導体)を原料とし、加水分解・縮合反応を行うことにより、コロイダルシリカを得ることができる。
シリカ粒子は、カチオン性基を有してもよい。すなわち、シリカ粒子は、カチオン変性シリカ粒子であってもよく、カチオン変性コロイダルシリカであってもよい。カチオン性基を有するコロイダルシリカ(カチオン変性コロイダルシリカ)として、アミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカが好ましく挙げられる。
このようなカチオン性基を有するコロイダルシリカの製造方法としては、特開2005−162533号公報に記載されているような、アミノエチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤をシリカ粒子の表面に固定化する方法が挙げられる。これにより、アミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカ(アミノ基修飾コロイダルシリカ)を得ることができる。
コロイダルシリカは、アニオン性基を有してもよい。すなわち、シリカ粒子は、アニオン変性シリカ粒子であってもよく、アニオン変性コロイダルシリカであってもよい。アニオン性基を有するコロイダルシリカ(アニオン変性コロイダルシリカ)として、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルミン酸基等のアニオン性基が表面に固定化されたコロイダルシリカが好ましく挙げられる。このようなアニオン性基を有するコロイダルシリカの製造方法としては、特に制限されず、例えば、末端にアニオン性基を有するシランカップリング剤とコロイダルシリカとを反応させる方法が挙げられる。
具体例として、スルホン酸基をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Sulfonic acid−functionalized silica through of thiol groups”,Chem.Commun.246−247(2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸基が表面に固定化されたコロイダルシリカ(スルホン酸修飾コロイダルシリカ)を得ることができる。
カルボン酸基をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2−Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel”,Chemistry Letters,3,228−229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2−ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸基が表面に固定化されたコロイダルシリカ(カルボン酸修飾コロイダルシリカ)を得ることができる。
これらの中でも、本発明の一態様の研磨用組成物が所期の効果を効率的に奏するという観点から、シリカ粒子はアニオン変性シリカ粒子であることが好ましい。
シリカ粒子の形状は、特に制限されず、球形状であってもよいし、非球形状であってもよい。非球形状の具体例としては、三角柱や四角柱等の多角柱状、円柱状、円柱の中央部が端部よりも膨らんだ俵状、円盤の中央部が貫通しているドーナツ状、板状、中央部にくびれを有するいわゆる繭型形状、複数の粒子が一体化しているいわゆる会合型球形状、表面に複数の突起を有するいわゆる金平糖形状、ラグビーボール形状等、種々の形状が挙げられ、特に制限されない。
シリカ粒子の大きさは特に制限されない。しかしながら、シリカ粒子の平均一次粒子径は、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、シリカ粒子の平均一次粒子径は、120nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチ等のディフェクトを抑えることができる。すなわち、シリカ粒子の平均一次粒子径は、5nm以上120nm以下であることが好ましく、7nm以上80nm以下であることがより好ましく、10nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。なお、シリカ粒子の平均一次粒子径は、例えば、BET法で測定されるシリカ粒子の比表面積に基づいて算出される。
シリカ粒子の平均二次粒子径は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることがさらに好ましい。また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチ等のディフェクトを抑えることができる。すなわち、シリカ粒子の平均二次粒子径は、10nm以上250nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがより好ましく、30nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。なお、シリカ粒子の平均二次粒子径は、例えば、レーザー回折散乱法に代表される動的光散乱法により測定することができる。
シリカ粒子の平均会合度は、5.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。シリカ粒子の平均会合度が小さくなるにつれて、研磨対象物表面の欠陥発生をより低減することができる。また、シリカ粒子の平均会合度は、1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。シリカ粒子の平均会合度が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨速度が向上する利点がある。なお、シリカ粒子の平均会合度は、シリカ粒子の平均二次粒子径の値を平均一次粒子径の値で除することにより得られる。
シリカ粒子のアスペクト比は、特に制限されないが、2.0未満であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨対象物表面の欠陥をより低減することができる。なお、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡によりシリカ粒子の画像に外接する最小の長方形をとり、その長方形の長辺の長さを同じ長方形の短辺の長さで除することにより得られる値の平均であり、一般的な画像解析ソフトウエアを用いて求めることができる。シリカ粒子のアスペクト比は、特に制限されないが、1.0以上であることが好ましい。
シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において、微粒子側から積算粒子重量が全粒子重量の90%に達するときの粒子の直径(D90)と全粒子の全粒子重量の10%に達するときの粒子の直径(D10)との比であるD90/D10は、特に制限されないが、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
また、研磨用組成物中のシリカ粒子における、レーザー回折散乱法により求められる粒度分布において、微粒子側から積算粒子重量が全粒子重量の90%に達するときの粒子の直径(D90)と全粒子の全粒子重量の10%に達するときの粒子の直径(D10)との比D90/D10は特に制限されないが、2.04以下であることが好ましい。このような範囲であれば、研磨対象物表面の欠陥をより低減することができる。
シリカ粒子の大きさ(平均一次粒子径、平均二次粒子径、アスペクト比、D90/D10等)は、シリカ粒子の製造方法の選択等により適切に制御することができる。
本発明の一態様の研磨用組成物中のシリカ粒子の含有量(濃度)は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。また、研磨用組成物中のシリカ粒子の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることがよりさらに好ましい。シリカ粒子の含有量がこのような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。なお、研磨用組成物が2種以上のシリカ粒子を含む場合には、シリカ粒子の含有量はこれらの合計量を意図する。
本発明の一態様の研磨用組成物は、シリカ粒子に加えて、他の砥粒を含んでもよい。他の砥粒の例としては、例えば、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子等の金属酸化物粒子が挙げられる。
<研磨抑制剤>
本発明の一態様の研磨用組成物は、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を抑制する(研磨速度を遅くする)研磨抑制剤を含む。
研磨抑制剤の例としては、例えば、ポリアルキレン鎖を有する水溶性高分子、ポリオキシアルキレン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。
さらに具体的な例として、ポリアルキレン鎖を有する水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール;オキシエチレン(EO)とオキシプロピレン(PO)とのブロック共重合体(ジブロック体、PEO−PPO−PEO型トリブロック体、PPO−PEO−PPO型トリブロック体等)、EOとPOとのランダム共重合体等のポリアルキレン共重合体等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖を有する界面活性剤の例としては、2個以上のオキシアルキレン単位を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンペンチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルチミン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸アミン、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンオクチルスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルスルホン酸、ポリオキシエチレンセチルスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルベンゼンスルホン酸;ポリオキシエチレンオクチルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(12−15)エーテルリン酸;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(12−15)エーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸二ナトリウム塩、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。
これら研磨抑制剤は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
上記の研磨抑制剤の中でも、ポリアルキレン鎖を有する水溶性高分子およびポリオキシアルキレン鎖を有する界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ポリアルキレングリコールおよびポリアルキレン共重合体がより好ましく、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールの少なくとも一方がさらに好ましい。
研磨抑制剤が水溶性高分子である場合、その重量平均分子量は、特に制限されないが、100以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましく、300以上であることが特に好ましい。また、研磨抑制剤として使用する水溶性高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、10万以下であることが好ましく、1万以下であることがより好ましく、5000以下であることがさらに好ましく、2000以下であることが特に好ましい。このような範囲であれば、水中に分散した状態を長く維持できるという効果が得られる。
なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本発明の一態様の研磨用組成物中の研磨抑制剤の含有量(濃度)は、特に制限されないが、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0005質量%以上であることがより好ましく、0.001質量%以上であることがさらに好ましく、0.005質量%以上であることが特に好ましい。
また、本発明の一態様の研磨用組成物中の研磨抑制剤の含有量(濃度)は、特に制限されないが、10質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましく、0.50質量%以下であることが特に好ましい。
すなわち、研磨用組成物中の研磨抑制剤の含有量(濃度)は、好ましくは0.0001質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以上5.0質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以上1.0質量%以下、特に好ましくは0.005質量%以上0.50質量%以下である。このような範囲であれば、水中に安定に分散し、研磨抑制の効果が効率よく得られる。なお、研磨用組成物が2種以上の研磨抑制剤を含む場合には、上記含有量はこれらの合計量である。
<バイオサイド>
本発明の一態様の研磨用組成物は、下記の(1)式で表される化合物からなるバイオサイドを含む。
Figure 2021050268
式中、R1,R2は、それぞれ独立して、水素原子であるか、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される少なくとも2種の原子から構成される官能基である。
(1)式で表される化合物としては、スルファニルアミド、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファフラゾール、スルファドキシン、スルフィソミジン、スルファメトキサゾール、スルファジミジン、スルファジメラジン、スルファキノキサリンが挙げられる。
スルファニルアミドは、下記の(2)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファジメトキシンは、下記の(3)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファモノメトキシンは、下記の(4)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファジアジンは、下記の(5)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファセタミドは、下記の(6)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファフラゾールは、下記の(7)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファドキシンは、下記の(8)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルフィソミジンは、下記の(9)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファメトキサゾールは、下記の(10)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファジミジンは、下記の(11)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファジメラジンは、下記の(12)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
スルファキノキサリンは、下記の(13)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
(1)式で表される化合物からなるバイオサイドの含有率は、バイオサイドの機能を発揮できるためには、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましい。(1)式で表される化合物からなるバイオサイドの含有率は、研磨用組成物への溶解性の点から、1.0質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以下であることがより好ましく、0.10質量%未満がさらに好ましい。
(1)式で表される化合物からなるバイオサイドの含有率は、0.001質量%以上0.10質量%未満であることが好ましく、0.005質量%以上0.10質量%未満であることがより好ましく、0.01質量%以上0.10質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明の一態様の研磨用組成物は、(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドを更に含んでもよい。
本発明の一態様の研磨用組成物が、(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドを更に含む場合、バイオサイドの合計含有率は、例えば、0.001質量%以上0.10質量%未満とする。バイオサイドの合計含有率は、バイオサイドの機能を発揮できるためには、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。バイオサイドの合計含有率は、1.0質量%以下、0.50質量%以下、0.10質量%未満が挙げられる。
本発明の一態様の研磨用組成物に含むことができる、(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドとしては、トリアジン誘導体{ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等}、イソチアゾリン誘導体{1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等}、ピリジン誘導体{ピリジン2−ピリジンチオール−1−オキサイド(塩)等}、モルホリン誘導体{4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)−ジモルホリン等}、ベンズイミダゾール誘導体{2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等}、その他の防腐剤{ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレン]ジクロライド、p−クロロ−m−キシレノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、アセトキシジメチルジオキサン、イソプロピルメチルフェノール、テトラクロロイソフタロニトリル、ビスブロモアセトキシエタン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等}等が挙げられる。
<水>
本発明の一態様の研磨用組成物は、分散媒として水を含む。
研磨対象物の汚染や他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、分散媒としては、不純物をできる限り含有しない水を含むことが好ましい。このような水としては、遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下である水が好ましい。ここで、水の純度は、例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって高めることができる。具体的には、水としては、脱イオン水(イオン交換水)、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
通常は、研磨用組成物に含まれる分散媒の90体積%以上が水であることが好ましく、95体積%以上が水であることがより好ましく、99体積%以上が水であることがさらに好ましく、100体積%が水であることが特に好ましい。
<研磨用組成物のpH>
研磨用組成物のpHが中性付近であるとカビが発生しやすくなるが、(1)式で表される化合物からなるバイオサイドは防カビ性能を発揮するため、本発明の一態様の研磨用組成物はpHが中性付近のものとすることができる。
本発明の一態様の研磨用組成物のpHは、特に制限されないが、9未満であることが好ましい。pHが9以上であると、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨速度が高くなり過ぎる場合がある。好ましいpHの範囲は1.0以上8.5以下であり、より好ましくは2.0以上8.0以下であり、さらに好ましくは3.0以上7.5以下であり、特に好ましくは3.5以上7.5以下である。
なお、研磨用組成物のpHは、実施例に記載の方法により測定することができる。
<pH調整剤>
本発明の一態様の研磨用組成物は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。
pH調整剤としては、公知の酸、塩基、またはこれらの塩を使用することができる。pH調整剤として使用できる酸の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、およびリン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、およびフェノキシ酢酸等の有機酸が挙げられる。
pH調整剤として使用できる塩基の具体例としては、例えば、エタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、水酸化第四アンモニウム等の有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア等が挙げられる。
上記pH調整剤は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
pH調整剤の添加量は、特に制限されず、研磨用組成物のpHが所望の範囲内となるよう適宜調整すればよい。
また、本発明の一態様の研磨用組成物は、上記の酸と組み合わせて、pH緩衝剤として、上記酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、もしくはカリウム塩等のアルカリ金属塩、Tris塩基または各種グッドバッファーを含んでいてもよい。
研磨用組成物中のpH緩衝剤の含有量は、特に制限されないが、0.001質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましい。また、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。pH緩衝剤の含有量がこのような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。なお、研磨用組成物が2種以上のpH緩衝剤を含む場合には、pH緩衝剤の含有量はこれらの合計量を意図する。
<その他の添加剤>
本発明の一態様の研磨用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、キレート剤、増粘剤、酸化剤、分散剤、表面保護剤、濡れ剤、界面活性剤、溶解助剤等の公知の添加剤をさらに含有してもよい。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定すればよい。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の一態様の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、シリカ粒子、研磨抑制剤、バイオサイド、および必要に応じて他の添加剤を、分散媒中で攪拌混合することにより得ることができる。各成分の詳細は上述した通りである。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も、均一混合できれば特に制限されない。
<研磨方法>
本発明の一態様の研磨用組成物を用いてケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨方法について、以下に説明する。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと、回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件については、研磨定盤の回転速度は、10rpm(0.17s-1)以上500rpm(8.3s-1)が好ましい。研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.5psi(3.4kPa)以上10psi(68.9kPa)以下が好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の一態様の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、基板を流水中で洗浄し、スピンドライヤ等により基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることにより、金属を含む層を有する基板が得られる。
本発明の一態様の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の一態様の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水等の希釈液を使って、例えば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
以下、本発明の実施例および比較例について説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されない。なお、以下に示す実施例では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。また、以下の実施例には種々の変更または改良を加えることが可能であり、その様な変更または改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
<シリカ粒子の準備>
アニオン変性シリカとして、スルホン酸修飾コロイダルシリカ(“Sulfonic acid−functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246−247 (2003)に記載の方法で作製したもの、平均一次粒子径32nm、平均二次粒子径69nm、平均会合度2.2)を準備した。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、マイクロメリティックス社製の“Flow Sorb II 2300”を用いて測定されたBET法によるシリカ粒子の比表面積と、シリカ粒子の密度とから算出した。また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、日機装株式会社製 動的光散乱式粒子径・粒度分布装置 UPA−UTI151により測定した。
<研磨用組成物の調製>
(実施例1)
シリカ粒子であるアニオン変性シリカを、研磨用組成物の総量に対して0.25質量%の添加量となるように、研磨抑制剤としてポリエチレングリコール(重量平均分子量(Mw):600)を、研磨用組成物の総量に対して0.01質量%の添加量となるように、バイオサイドとしてスルファニルアミドを、研磨用組成物の総量に対して0.070質量%の添加量となるように、それぞれ分散媒である水に加えた。
スルファニルアミドは、上記(2)式で表される化合物、つまり、(1)式でR1=R2=Hの化合物である。
その後、pH緩衝剤としてTris塩基を研磨用組成物の総量に対して0.036質量%の添加量となるように添加するとともに、pH調整剤としてマレイン酸をpHが7となるように添加して、室温(25℃)で30分攪拌混合し、研磨用組成物を調製した。
研磨用組成物(液温:25℃)のpHは、pHメーター(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA)により確認した。
(実施例2)
バイオサイドとしてスルファニルアミドと1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを用い、研磨用組成物の総量に対する添加量は、スルファニルアミドが0.035質量%、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが0.007質量%となるようにした。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンは、下記の(14)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
つまり、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンは、(1)式で表される化合物とは異なる化合物である。
(比較例1)
バイオサイドを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
(比較例2)
バイオサイドとしてメチルイソチアゾリノンを、研磨用組成物の総量に対して0.005質量%の添加量となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
メチルイソチアゾリノンは、下記の(15)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
つまり、メチルイソチアゾリノンは、(1)式で表される化合物とは異なる化合物である。
(比較例3)
バイオサイドとして1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを、研磨用組成物の総量に対して0.0007質量%の添加量となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
(比較例4)
バイオサイドとして1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを、研磨用組成物の総量に対して0.0015質量%の添加量となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
(比較例5)
バイオサイドとしてベンゾイミダゾールを、研磨用組成物の総量に対して0.005質量%の添加量となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
ベンゾイミダゾールは、下記の(16)式で表される化合物である。
Figure 2021050268
つまり、ベンゾイミダゾールは、(1)式で表される化合物とは異なる化合物である。
(比較例6)
バイオサイドとしてベンゾイミダゾールを、研磨用組成物の総量に対して0.047質量%の添加量となるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
<ポリシリコン膜の研磨速度の測定>
次に、各研磨用組成物のポリシリコン膜の研磨速度を調べた。具体的には、シリコンウェーハ(200mm、ブランケットウェーハ:株式会社アドバンテック製)の表面に、厚さ5000Åのポリシリコン(Poly−Si)膜が形成された基板を用意し、この基板のポリシリコン膜を、各研磨用組成物で研磨した。
研磨機としては、Mirra(アプライド マテリアル社製)を、研磨パッドとしてはIC1000(ロームアンドハース社製)、研磨パッドのコンディショナーとしてはA165(3M社製)を、それぞれ用いた。
研磨条件は、研磨圧力2.0psi(13.80kPa)、定盤回転数93rpm、ヘッド回転数87rpm、研磨用組成物の供給速度100mL/min、研磨時間60秒間とした。コンディショナーによるパッドコンディショニングは、研磨中に回転数120rpm、圧力5lbf(22.24N)、in−situで行った。
研磨前のポリシリコン膜の膜厚(Å)から研磨後のポリシリコン膜の膜厚(Å)を引いた値を研磨時間(min)で除算し、得られた算出値を、研磨速度(Removal Rate;RR)とした。
研磨前後のポリシリコン膜の膜厚(Å)は、光干渉式膜厚測定装置(ケーエルエー・テンコール(KLA−Tencor)株式会社製 型番:ASET−f5x)によって求めた。
<防腐性能>
各研磨用組成物の防腐性能を評価するために、微生物(生菌)を強制的に添加して一定期間培養する試験を行った。各研磨用組成物50gに種菌(カビ菌)を添加した工業用水(総菌数108個/mL以上)2gを添加し、35℃で5日間静置した。その後、三愛石油株式会社製のバイオチェッカー(型番:サンアイバイオチェッカーTTC)を用いて、培養後の生菌数を測定した。
得られた測定結果を、各研磨用組成物の構成とともに表1に示す。
Figure 2021050268
この結果から分かるように、バイオサイドとしてスルファニルアミド((1)式で表される化合物)を含む実施例1および実施例2の研磨用組成物では、良好な防腐性能が得られるとともに、ポリシリコン膜の研磨速度が、バイオサイドを含まない比較例1の研磨用組成物とほぼ同じで、低かった。
これに対して、(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドのみを含む比較例2〜6の研磨用組成物のうち、良好な防腐性能が得られる比較例2、比較例4、比較例6の研磨用組成物では、ポリシリコン膜の研磨速度が、バイオサイドを含まない比較例1の研磨用組成物よりも著しく高かった。
なお、実施例2の研磨用組成物は、(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドを、(1)式で表される化合物とともに含む例であり、バイオサイドの合計含有率が0.042質量%となっている。実施例2の研磨用組成物ではポリシリコン膜の研磨速度が27Å/minとなり、ポリシリコン膜の研磨速度抑制効果が得られた。
これに対して、バイオサイドの含有率が0.047質量%と実施例2に近い比較例6の研磨用組成物では、含まれるバイオサイドが(1)式で表される化合物とは異なる化合物のみからなるため、ポリシリコン膜の研磨速度が90Å/minとなり、ポリシリコン膜の研磨速度抑制効果は得られなかった。
以上の結果から、本発明の一態様の研磨用組成物に含まれる実施例1および実施例2の研磨用組成物は、生菌の繁殖を抑制して優れた保存安定性を有するとともに、実施例1および実施例2の研磨用組成物を用いることで、ポリシリコン膜(ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる膜)を研磨停止膜として含む研磨対象物を好適に研磨できることが分かる。

Claims (6)

  1. シリカ砥粒と、
    ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料の研磨を抑制する研磨抑制剤と、
    下記の(1)式で表される化合物からなるバイオサイドと、
    水と、
    を含む研磨用組成物。
    Figure 2021050268
    式中、R1,R2は、それぞれ独立して、水素原子であるか、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される少なくとも2種の原子から構成される官能基である。
  2. 前記バイオサイドの含有率が0.001質量%以上0.10質量%未満である請求項1記載の研磨用組成物。
  3. 前記(1)式で表される化合物とは異なる化合物からなるバイオサイドを更に含み、
    バイオサイドの合計含有率が0.001質量%以上0.10質量%未満である請求項1記載の研磨用組成物。
  4. 前記研磨抑制剤として、ポリアルキレン鎖を有する水溶性高分子およびポリオキシアルキレン鎖を持つ界面活性剤のうちの少なくともいずれかを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記シリカ砥粒はアニオン変性シリカ粒子である請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて、ケイ素−ケイ素結合を有するケイ素材料からなる研磨停止膜を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨方法。
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