JP2021049908A - エアバッグの折り畳み体、エアバッグ装置、及びエアバッグの折り畳み方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でエアバッグの初期膨張時の膨張方向を制御できるエアバッグの折り畳み体を提供する。【解決手段】エアバッグ10の折り畳み体10Fは、車両のステアリング装置1に設置される運転席用のエアバッグ10の折り畳み体10Fであって、設置時に乗員P側に配置されるフロントパネル20と、乗員Pと反対側に配置されるリアパネル40とが両パネルの外周にわたって相互に接合されてエアバッグ10が形成され、エアバッグ10は、フロントパネル20の接合前の平面形状における重心位置22が、リアパネル40の重心位置42に対して、ステアリング装置1の環状のステアリングホイール3の任意の遠心方向にずれた状態で折り畳まれ、ステアリングホイール3の中心に収容されることで、前記エアバッグの初期展開方向を制御する。【選択図】図7
Description
本開示は、エアバッグの折り畳み体、エアバッグ装置、及びエアバッグの折り畳み方法に関する。
従来、車両のステアリング装置に設置される運転席用エアバッグの膨張過程の展開形状や展開方向を制御する手法が提案されている。例えば特許文献1には、初期膨張時に中央部とその周縁での広い面積でエアバッグを厚くして、移動してくる乗員の頭部付近を好適に受け止めて保護できるような、エアバッグの折り畳み手法が提案されている。
他にも、インフレータのガスを整流するためのディフューザのエアバッグ内への設置、パッキングクロスによる展開方向の制御、テザーによるストロークの規制などの手法も提案されている。
しかしながら、特許文献1などに記載のエアバッグの折り畳みによる膨張過程の制御手法では、折り畳み手順が複雑となる。また、その他の手法では、膨張過程を制御するための新たな構成を追加する必要があり、エアバッグ装置が複雑な構成となる。
本開示は、簡易な構成でエアバッグの初期膨張時の膨張方向を制御できるエアバッグの折り畳み体、エアバッグ装置、及びエアバッグの折り畳み方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係るエアバッグの折り畳み体は、車両のステアリング装置に設置される運転席用のエアバッグの折り畳み体であって、設置時に乗員側に配置されるフロントパネルと、前記乗員と反対側に配置されるリアパネルとが両パネルの外周にわたって相互に接合されてエアバッグが形成され、前記エアバッグは、前記フロントパネルの接合前の平面形状における重心位置が、前記リアパネルの重心位置に対して、前記ステアリング装置の環状のステアリングホイールの任意の遠心方向にずれた状態で折り畳まれ、前記ステアリングホイールの中心に収容されることで、前記エアバッグの初期展開方向を制御する。
本開示によれば、簡易な構成でエアバッグの初期膨張時の膨張方向を制御できるエアバッグの折り畳み体、エアバッグ装置、及びエアバッグの折り畳み方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。X方向及びZ方向は水平方向であり、Y方向は鉛直方向である。X方向は車両の左右幅方向である。Z方向は、車両前後方向である。また、以下では説明の便宜上、Y正方向側を上側、Y負方向側を下側とも表現する場合がある。
[第1実施形態]
図1〜図19を参照して第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るエアバッグ装置2の概略構成を示す側面図である。図1では、エアバッグ装置2が運転席用エアバッグに適用され、エアバッグ10が完全に膨張展開した状態を図示している。
図1〜図19を参照して第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るエアバッグ装置2の概略構成を示す側面図である。図1では、エアバッグ装置2が運転席用エアバッグに適用され、エアバッグ10が完全に膨張展開した状態を図示している。
図1に示すように、運転席に着座している乗員Pの前方(車両前方)にステアリング装置1が配置されており、このステアリング装置1の内部にエアバッグ装置2が設けられている。ステアリング装置1は、円環状のステアリングホイール3と、その中心に位置するハブ4とを備える。
エアバッグ装置2はハブ4の内部に設けられており、エアバッグ10と、このエアバッグ10全体を収容するケース5と、このケース5の底部に設けられるインフレータ(ガス発生器)6とを備えている。
エアバッグ10は、膨張展開前の状態では、折り畳まれた状態でケース5に収納されている。車両の衝突時等において、ケース5に収容可能なサイズの折り畳み体10Fまで折り畳まれた状態でケース5に収納されているエアバッグ10の内部に、インフレータ6からガスが供給されることによって、エアバッグ10は折り畳み体10F(図17など参照)の状態から膨張展開する。
エアバッグ10は、フロントパネル20とリアパネル40とを備え、フロントパネル20とリアパネル40とが両パネルの外周にわたって相互に接合する、膨張展開可能な部品である。エアバッグ10が膨張展開することによって、車両内の乗員Pの移動が拘束される。
(エアバッグの構造)
図2は、第1実施形態におけるエアバッグ10のフロントパネル20を例示する平面図である。図3は、第1実施形態におけるエアバッグ10のリアパネル40を例示する平面図である。図4は、第1実施形態における最大膨張時のエアバッグ10を例示する正面図である。図5は、第1の実施形態における最大膨張時のエアバッグ10を例示する上面図である。
図2は、第1実施形態におけるエアバッグ10のフロントパネル20を例示する平面図である。図3は、第1実施形態におけるエアバッグ10のリアパネル40を例示する平面図である。図4は、第1実施形態における最大膨張時のエアバッグ10を例示する正面図である。図5は、第1の実施形態における最大膨張時のエアバッグ10を例示する上面図である。
図2は、リアパネル40と接合する前のフロントパネル20を平面視で示す図である。フロントパネル20は、乗員P側のパネルであり、膨張展開時に乗員Pと対向する中央部21を有する。
フロントパネル20は、接合前の平面視で、隣り合う羽根状部の間に凹部が形成されるように複数の羽根状部24〜26が中央部21から放射状に延びるプロペラ形状を有する基布である。図2の場合、フロントパネル20は、3つの羽根状部24〜26と、3つの凹部37〜39とを有する。第1の凹部37は、第1の羽根状部24と第3の羽根状部26との間に形成されており、第2の凹部38は、第1の羽根状部24と第2の羽根状部25との間に形成されており、第3の凹部39は、第2の羽根状部25と第3の羽根状部26との間に形成されている。
本実施形態では、中央部21は、中心点22を中心とする直径φAの円形領域を表す。複数の羽根状部24〜26は、夫々、中央部21から角度θ1(図示の場合、120°)の等間隔で放射状に延在する。
図3は、フロントパネル20と接合する前のリアパネル40を平面視で示す図である。リアパネル40は、乗員Pとは反対側のパネルであり、インフレータ6が挿入されて取り付けられる開口60が形成される中央部41を有する。
リアパネル40は、接合前の平面視で、隣り合う羽根状部の間に凹部が形成されるように複数の羽根状部44〜46が中央部41から放射状に延びるプロペラ形状を有する基布である。図3の場合、リアパネル40は、フロントパネル20の羽根状部24〜26と同数の3つの羽根状部44〜46と、フロントパネル20の凹部37〜39と同数の3つの凹部57〜59とを有する。第4の凹部57は、第4の羽根状部44と第5の羽根状部45との間に形成されており、第5の凹部58は、第5の羽根状部45と第6の羽根状部46との間に形成されており、第6の凹部59は、第6の羽根状部46と第4の羽根状部44との間に形成されている。
本実施形態では、中央部41は、中心点42を中心とする直径φBの円形領域を表す。複数の羽根状部44〜46は、夫々、中央部41から角度θ2(図示の場合、120°)の等間隔で放射状に延在する。中央部41のうち開口60の周囲には、リアパネル40をケース5に固定するための複数の固定孔61が設けられている。
図2、図3において、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26は、夫々、リアパネル40の対応する凹部57〜59に接合し、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46は、夫々、フロントパネル20の対応する凹部37〜39に接合する。すなわち、第1の羽根状部24は、第4の凹部57に接合し、第2の羽根状部25は、第5の凹部58に接合し、第3の羽根状部26は、第6の凹部59に接合する。そして、第4の羽根状部44は、第1の凹部37に接合し、第5の羽根状部45は、第2の凹部38に接合し、第6の羽根状部46は、第3の凹部39に接合する。
プロペラ形状のフロントパネル20の外周とプロペラ形状のリアパネル40の外周とをこのように相互に接合することによって、最大膨張時に図1、図4、図5に示される形態になるエアバッグ10が形成される。乗員Pに向かう方向における最大膨張時のバッグストロークは、複数の羽根状部24〜26,44〜46の夫々の放射方向の長さを長くすることによって、伸ばすことができる。しかしながら、複数の羽根状部24〜26,44〜46の夫々の放射方向の長さを長くしても、両パネルの複数の羽根状部は、夫々、相手のパネルの対応する凹部に入り込むように接合されるので、エアバッグ10の容量の増大が抑えられる。
したがって、本実施形態のエアバッグ10によれば、バッグ容量の増大を抑えて最大膨張時のバッグストロークを伸ばすことができる。また、最大膨張時のバッグストロークを伸ばしても、バッグ容量の増大が抑えられるので、折り畳まれた状態での外形が小さくなり、コンパクトに収納することができる。また、バッグ容量の増大が抑えられるので、ガス供給可能量の多いインフレータを採用しなくても、最大膨張時のバッグストロークを伸ばすことができる。
図2、図3において、フロントパネル20の外周とリアパネル40の外周とは、例えば、糸による縫合等によって接合される。フロントパネル20の外周縁に沿って周回する接合ライン36と、リアパネル40の外周縁に沿って周回する接合ライン56とが合致するように、両パネルの外周部が接合される。縫合による接合の場合、接合ライン36,56は、糸が通る縫合ラインに相当する。
図2において、接合ライン36は、中央部21の円形外縁23に接点23a,23b,23cで外接する。また、フロントパネル20の外周縁と接合ライン36との間には、周縁部35が存在する。一方、図3において、接合ライン56は、中央部41の円形外縁43に接点43a,43b,43cで外接する。また、リアパネル40の外周縁と接合ライン56との間には、周縁部55が存在する。周縁部35,55がエアバッグ10の内側になるように、接合ライン36と接合ライン56とは相互に接合される。
本実施形態では、フロントパネル20とリアパネル40は、夫々の外周が互いに同じ接合周長で相互に接合するので、両パネルの接合時のよれが生じにくい。図示の場合、接合周長は、接合ライン36,56の周長を表す。また、本実施形態では、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26は、互いに同じ外周形状を有し、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46は、互いに同じ外周形状を有するので、両パネルの接合時のよれが生じにくい。
図2に示す複数の羽根状部24〜26は、夫々、放射方向の最大長F1が放射方向に直交する幅方向の最大長D1よりも長いことが好ましい。図2に示す実施形態では、便宜上、第1の羽根状部24の最大長F1は、第1の羽根状部24が中央部21と接する部分28から、第1の羽根状部24の放射方向での先端部27における接合ライン36までの最短距離を表す。第2の羽根状部25と第3の羽根状部26の夫々の最大長F1についても同様である。また、図2に示す実施形態では、便宜上、第1の羽根状部24の最大長D1は、放射方向に直交する幅方向の長さが最大になる中間部において、一方の屈曲外縁部29における接合ライン36と他方の屈曲外縁部30における接合ライン36との間の最短距離を表す。第2の羽根状部25と第3の羽根状部26の夫々の最大長D1についても同様である。
同様に、図3に示す複数の羽根状部44〜46は、夫々、放射方向の最大長F2が放射方向に直交する幅方向の最大長D2よりも長いことが好ましい。図3に示す実施形態では、便宜上、第4の羽根状部44の最大長F2は、第4の羽根状部44が中央部41と接する部分48から、第4の羽根状部44の放射方向での先端部47における接合ライン56までの最短距離を表す。第5の羽根状部45と第6の羽根状部46の夫々の最大長F2についても同様である。また、図3に示す実施形態では、便宜上、第4の羽根状部44の最大長D2は、放射方向に直交する幅方向の長さが最大になる中間部において、一方の屈曲外縁部49における接合ライン56と他方の屈曲外縁部50における接合ライン56との間の最短距離を表す。第5の羽根状部45と第6の羽根状部46の夫々の最大長D2についても同様である。
上記のように、F1がD1よりも長く、F2がD2よりも長くすることで、バッグ容量の増大を抑えて最大膨張時のバッグストロークを容易に伸ばすことができる。
図2、図3に示す実施形態では、複数の羽根状部24〜26,44〜46は、夫々、放射方向に直交する幅方向の長さが最大になる中間部と、放射方向での先端部とを有する。先端部27,33,34は、複数の羽根状部24〜26の夫々の先端部を表す。先端部47,53,54は、複数の羽根状部44〜46の夫々の先端部を表す。また、複数の羽根状部24〜26,44〜46の夫々の中間部は、放射方向に直交する幅方向に突出するように屈曲する一対の屈曲外縁部を有する。例えば、第1の羽根状部24の中間部は、互いに反対向きに突出する一対の屈曲外縁部29,30を有し、第4の羽根状部44の中間部は、互いに反対向きに突出する一対の屈曲外縁部49,50を有する。
フロントパネル20の一対の屈曲外縁部29,30は、リアパネル40の隣り合う羽根状部44,45の間の対応する凹部57の両側に位置する一対の屈曲外縁部50,84と接合する。フロントパネル20の一対の屈曲外縁部80,81は、リアパネル40の隣り合う羽根状部45,46の間の対応する凹部58の両側に位置する一対の屈曲外縁部85,86と接合する。フロントパネル20の一対の屈曲外縁部82,83は、リアパネル40の隣り合う羽根状部46,44の間の対応する凹部59の両側に位置する一対の屈曲外縁部87,49と接合する。
このように、フロントパネル20とリアパネル40が、夫々の屈曲外縁部が合致するように接合することで、図5に示されるように、中央部21よりも幅広な膨張最大幅部を形成することができる。したがって、乗員Pの頭部がエアバッグ10の中央部21に真正面に当接しない場合(左右方向に角度がついて当接する場合)でも、中央部21よりも幅広な膨張最大幅部で乗員Pを拘束することが可能となる。
図2に示す複数の羽根状部24〜26は、夫々、中間部の幅方向での長さD1が、中央部21と接する部分28の幅方向の長さE1よりも長いことが好ましい。図2に示す実施形態では、便宜上、長さE1は、円形の中央部21の部分28における接線が接合ライン36と交わる一対の交点31,32の間の最短距離を表す。
同様に、図3に示す複数の羽根状部44〜46は、夫々、中間部の幅方向での長さD2が、中央部41と接する部分48の幅方向の長さE2よりも長いことが好ましい。図3に示す実施形態では、便宜上、長さE2は、円形の中央部41の部分48における接線が接合ライン56と交わる一対の交点51,52の間の最短距離を表す。
フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26の夫々において、D1がE1よりも長く、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46の夫々において、D2がE2よりも長くすることで、中央部21よりも幅広な膨張最大幅部を容易に形成することができる。
例えば、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26の夫々では、中間部から先端部までの長さb1は、中央部21から中間部までの長さa1よりも短くする。そして、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46の夫々では、中間部から先端部までの長さa2は、中央部41から中間部までの長さb2よりも長くする。このような寸法関係に調整することにより、エアバッグ10の最大膨張時において、図5に示されるように、最大膨張幅部に対して乗員P側のストローク長αを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側のストローク長βよりも長くすることができる。これにより、エアバッグ10の重心Gの位置を最大膨張幅部に対してZ軸方向の負側に位置させることができる。
あるいは、例えば、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26の夫々では、中間部から先端部までの長さb1は、中央部21から中間部までの長さa1よりも長くしてもよい。そして、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46の夫々では、中間部から先端部までの長さa2は、中央部41から中間部までの長さb2よりも短くしてもよい。このような寸法関係に調整することにより、エアバッグ10の最大膨張時において、最大膨張幅部に対して乗員P側のストローク長αを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側のストローク長βよりも短くすることができる。これにより、エアバッグ10の重心Gの位置を最大膨張幅部に対してZ軸方向の正側に位置させることができる。
あるいは、例えば、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26の夫々では、中間部から先端部までの長さb1は、中央部21から中間部までの長さa1と等しくしてもよい。そして、リアパネル40の複数の羽根状部44〜46の夫々では、中間部から先端部までの長さa2は、中央部41から中間部までの長さb2と等しくしてもよい。このような寸法関係に調整することにより、エアバッグ10の最大膨張時において、最大膨張幅部に対して乗員P側のストローク長αを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側のストローク長βと等しくすることができる。これにより、エアバッグ10の重心Gの位置を最大膨張幅部の近傍に位置させることができる。
なお、図5に示す重心Gは、必ずしも正確な重心位置を示すものではない。
また、図3に示されるリアパネル40の複数の羽根状部44〜46のうち少なくとも一つの羽根状部は、中間部に対して中央部41の側に形成される少なくとも一つのベントホールを有してもよい。これにより、エアバッグ10内のガスを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側に排出することが可能となる。例えば、少なくとも一つのベントホールの一部又は全部が、中央部41の領域に重複するように形成される。
また、リアパネル40に形成される少なくとも一つのベントホールに代えて又は加えて、図2に示されるフロントパネル20に、少なくとも一つのベントホールが形成されてもよい。この場合、フロントパネル20の複数の羽根状部24〜26のうち少なくとも一つの羽根状部は、中間部に対して先端部の側に形成される少なくとも一つのベントホールを有してもよい。これにより、エアバッグ10内のガスを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側に排出することが可能となる。例えば、少なくとも一つのベントホールの一部又は全部が、中間部と先端部との間の領域に重複するように形成される。
特に本実施形態では、上述の形状のエアバッグ10をケース5に収容可能なサイズまで折り畳んでエアバッグ折り畳み体10Fを作成する際に、エアバッグ10の折り畳み方に特徴がある。より詳細には、本実施形態に係るエアバッグ折り畳み体10Fは、フロントパネル20の接合前の平面形状における重心位置(中心点22)が、リアパネル40の重心位置(中心点42)より車両の下方側にずれた状態で折り畳まれる。このような折り畳み方にすることで、エアバッグ10の膨張展開時、特に膨張初期段階において、フロントパネル20の中心点22のずれた方向である車両下方にエアバッグ10が膨張するように、膨張方向を制御することができる。以下、このようなエアバッグ折り畳み体10Fの折り畳み方法について説明する。
(エアバッグの折り畳み方法)
図6〜図17を参照して第1実施形態に係るエアバッグ10の折り畳み方法を説明する。図6〜図17は、第1実施形態に係るエアバッグ10の折り畳み手順の第1〜第12段階を示す図である。図6〜図17の各図の(A)はエアバッグ10の平面視を模式的に示す図であり、(B)は開口部60の中心点42を通る断面線に沿った断面図である。(B)の断面図は、図6〜図12では、X方向に延在する断面線をY方向から視たA−A断面図である。図13〜図17では、Y方向に延在する断面線をX方向から視たB−B断面図である。なお、図6〜図17の各図では、便宜上、フロントパネル20とリアパネル40との接合ライン36、56の図示を省略している。また、図7のみ、(B)のA−A断面図に加えてB−B断面図も(C)の断面図として図示されている。
図6〜図17を参照して第1実施形態に係るエアバッグ10の折り畳み方法を説明する。図6〜図17は、第1実施形態に係るエアバッグ10の折り畳み手順の第1〜第12段階を示す図である。図6〜図17の各図の(A)はエアバッグ10の平面視を模式的に示す図であり、(B)は開口部60の中心点42を通る断面線に沿った断面図である。(B)の断面図は、図6〜図12では、X方向に延在する断面線をY方向から視たA−A断面図である。図13〜図17では、Y方向に延在する断面線をX方向から視たB−B断面図である。なお、図6〜図17の各図では、便宜上、フロントパネル20とリアパネル40との接合ライン36、56の図示を省略している。また、図7のみ、(B)のA−A断面図に加えてB−B断面図も(C)の断面図として図示されている。
図6に示す第1段階では、フロントパネル20が紙面手前側、リアパネル40が紙面奥側に配置されており、フロントパネル20の中心点22と、リアパネル40の中心点42とが重なっており、フロントパネル20がリアパネル40側に凹んで両者の内面同士が全範囲にわたって接触している状態である。この場合、平面視で中央にフロントパネル20の中心点22と、リアパネル40の中心点42とが重なって配置されている。
図7に示す第2段階では、フロントパネル20の中心点22が、エアバッグ10の初期膨張時に膨張させたい方向にずらされる。図7の例では、Y負方向(鉛直下方)に移動する。このフロントパネル20の中心点22の移動に伴って、リアパネル40の中心点42と開口部60は、反対にY正方向(鉛直上方)に移動する。
図8に示す第3段階では、中心点22、42が位置するX方向の中央部より左側(X負方向側)の上下方向折り返し線11に沿って、エアバッグ10の左半部10Lが右半部10Rの上に重なるように折り返される。
図9に示す第4段階では、折り返された左半部10LのX方向中央部の上下方向折り返し線12に沿って、左半部10Lが半分に折り畳まれるように左側(X負方向側)に折り返される。
図10に示す第5段階では、中心点22、42が位置するX方向の中央部より右側(X正方向側)の上下方向折り返し線13に沿って、折り返した左半部10Lの右端(折り返し線12の位置)がX方向中央部にくるように、左半部10Lが折り返される。
図11に示す第6段階では、中心点22、42が位置するX方向の中央部の上下方向折り返し線14に沿って、折り畳んだ左半部10Lのすべてが中央部より右側に配置されるように折り返される。
図12に示す第7段階では、エアバッグ10の右半部10Rが、図8〜図11で示した第3〜第6段階の左半部10Lの折り畳み手順と同様の手順で折り畳まれる。この結果、エアバッグ10は、Y方向に沿って細長に延在するよう折り畳まれた状態となり、フロントパネル20の中心点22は、Y方向中央より下側にずれて配置され、リアパネル40の中心点42及び開口部60は、Y方向中央より上側にずれて配置されている。
図13に示す第8段階では、中心点42より上側(Y正方向側)の左右方向折り返し線15に沿って、エアバッグ10の上側部10Aが下側部10Bの上に重なるように折り返される。このとき、中心点42は、エアバッグ10のY方向中央より上側に配置されているので、上側部10AのY方向長さは下側部10Bより短い。このため、上側部10Aは下側部10Bの上側の一部と重なっている。
図14に示す第9段階では、中心点42より下側(Y負方向側)の左右方向折り返し線16に沿って、折り返された上側部10Aの先端部が中心点42側に折り返される。
図15に示す第10段階では、中心点42より下側(Y負方向側)の左右方向折り返し線17に沿って、折り返された上側部10Aの先端部が中心点42側にさらに折り返される。
図16に示す第11段階では、中心点42の位置の左右方向折り返し線18に沿って、折り畳んだ上側部10Aのすべてが中心点42より上側に配置されるように折り返される。
図17に示す第12段階では、エアバッグ10の下側部10Bが、図13〜図16で示した第8〜第11段階の上側部10Aの折り畳み手順と同様の手順で折り畳まれる。この結果、エアバッグ10は、X方向及びY方向に略同等の長さまで折り畳まれたエアバッグ折り畳み体10Fとなる。
なお、図1、図4、図5を参照して説明したエアバッグ10を、フロントパネル20の外周とリアパネル40の外周とを縫製などにより接合して形成する手順が、特許請求の範囲の「設置時に乗員側に配置されるフロントパネルと、前記乗員と反対側に配置されるリアパネルとが両パネルの外周にわたって相互に接合されてエアバッグが形成される形成ステップ」に対応する。また、図6〜図17に示す一連の折り畳み手順が、特許請求の範囲の「前記形成ステップにて形成された前記エアバッグが、前記フロントパネルの接合前の平面形状における重心位置が、前記リアパネルの重心位置より前記ステアリング装置の下方側にずれた状態で折り畳まれる折り畳みステップ」に対応する。
(エアバッグの膨張展開過程)
図18、図19を参照して、本実施形態に係るエアバッグの膨張展開過程を説明する。図18は、比較例に係るエアバッグ200の膨張展開過程の模式図である。図19は、実施形態に係るエアバッグ10の膨張展開過程の模式図である。比較例に係るエアバッグ200は、図6〜図17を参照して説明した本実施形態に係るエアバッグの折り畳み方法とは異なり、従来どおりフロントパネル20の中心点22とリアパネル40の中心点42とが重なった状態で折り畳まれたものである。
図18、図19を参照して、本実施形態に係るエアバッグの膨張展開過程を説明する。図18は、比較例に係るエアバッグ200の膨張展開過程の模式図である。図19は、実施形態に係るエアバッグ10の膨張展開過程の模式図である。比較例に係るエアバッグ200は、図6〜図17を参照して説明した本実施形態に係るエアバッグの折り畳み方法とは異なり、従来どおりフロントパネル20の中心点22とリアパネル40の中心点42とが重なった状態で折り畳まれたものである。
比較例のエアバッグ200では、フロントパネル20の中心点22と、リアパネル40の中心点42及び開口部60とが重なって折り畳まれているため、開口部60からエアが供給されると、図18に示すように、ステアリングホイール3の中央部を中心に膨張する。この場合、一般にステアリングホイール3は運転者に向かって斜め上方に傾斜して設置されるので、エアバッグ200の膨張方向E1もステアリングホイール3の傾斜に沿って斜め上方となる。
このため、乗員Pと接触したときに反力が車両前方側かつ車両上方側となって、エアバッグ200の基部であるステアリングホイール3中央部を回転中心として車両前方側に回転モーメントMが発生する。これにより、膨張したエアバッグ200は車両前方側に回転してステアリングホイール3より上方の位置に展開する。この結果、ステアリングホイール3の下部と乗員Pの胸部や腹部との間にエアバッグ200が介在しなくなって、乗員Pがステアリングホイール3に衝突しやすくなり、エアバッグ200が乗員Pの衝撃吸収の機能を充分に発揮できない虞がある。また、モーメントMによるエアバッグ200の車両前方側への回転によって、エアバッグ200に接触した乗員Pも車両前方側に引き摺られる虞がある。さらに、エアバッグ200の車両前方側への回転することによって、ステアリングホイール3の回転軸も上方に曲がってしまい、これによりステアリングホイール3の下部が運転席側に接近し、乗員Pが衝突しやすくなる虞がある。
これに対して、図19に示すように、本実施形態に係るエアバッグ10は、フロントパネル20の中心点22の位置を、リアパネル40の中心点42の位置に対して、ステアリング装置1の円環状のステアリングホイール3の下方側にずらした状態で折り畳まれ、折り畳まれたエアバッグ折り畳み体10Fはステアリングホイール3の中心に収容される。これにより、エアバッグ10の初期展開方向を制御でき、膨張初期段階ではエアバッグ10の膨張方向E2を、中心点22のずれ方向(車両下方側)に応じて斜め下方となるよう制御できる。また、フロントパネル20の中心点22のリアパネル40の中心点42に対するずれ量を大きくするほど、膨張方向E2がより鉛直下方に近づくようにも制御できる。なお、膨張初期段階とは、例えばインフレータ点火から約14〜15msec経過までの期間をいう。
このため、ステアリングホイール3の下部と乗員Pの胸部や腹部との間に膨張展開初期からエアバッグ10が介在しやすくでき、エアバッグ10が乗員Pの衝撃吸収の機能を充分に発揮できる。さらに、膨張方向E2が斜め下方であるので、乗員Pと接触したときに反力はステアリングホイール3より下方となるため、比較例のように展開後のエアバッグ10が車両前方側に回転してずれることを防止できる。
このように、本実施形態に係るエアバッグ10は、折り畳む際にフロントパネル20の中心点22をずらす手順をとるだけで、そのずらした方向やずらした量に応じて膨張初期段階の膨張方向E2を調整できるので、簡易な構成でエアバッグの初期膨張時の膨張方向E2を制御できる。そして、このように膨張方向E2を任意の方向に制御できる構成で、フロントパネル20の中心点22のずれ方向をステアリング装置1の下方側とすることによって、図19に示したように、エアバッグ10の膨張方向E2を下方側に制御でき、ステアリングホイール3の下部と乗員Pの胸部や腹部との間に膨張展開初期からエアバッグ10が介在しやすくできる。この結果、エアバッグ10が乗員Pの衝撃吸収の機能を充分に発揮でき、乗員Pの安全性をさらに向上できる。
また、本実施形態では、エアバッグ10の膨張方向E2が車両に対して水平より下方となるように、フロントパネル20の中心点22(重心位置)のずれ量が調整されるのが好ましい。これにより、図19に示したように、膨張後のエアバッグ10がより確実にステアリングホイール3と乗員Pとの間に介在するようにエアバッグ10の膨張過程を制御できる。なお、膨張後のエアバッグ10がより確実にステアリングホイール3と乗員Pとの間に介在できるという視点では、エアバッグ10の膨張方向E2はより下方を向くほどよいと言える。
[第2実施形態]
図20〜図34を参照して第2実施形態を説明する。図20は、第2実施形態に係るエアバッグ100の概略構成を示す図である。図21は、第2実施形態に係るエアバッグ100の組立過程を示す図である。図20、図21に示すように、第2実施形態に係るエアバッグ100は、その形状が第1実施形態のエアバッグ10と異なる。
図20〜図34を参照して第2実施形態を説明する。図20は、第2実施形態に係るエアバッグ100の概略構成を示す図である。図21は、第2実施形態に係るエアバッグ100の組立過程を示す図である。図20、図21に示すように、第2実施形態に係るエアバッグ100は、その形状が第1実施形態のエアバッグ10と異なる。
図20、図21に示すように、第2実施形態のエアバッグ100は、円形のフロントパネル101と、円形のリアパネル102とを備え、フロントパネル101とリアパネル102とが両パネルの外周103にわたって相互に接合して形成されている。リアパネル102には、インフレータからのエアを供給するための開口部110と、エアバッグ100内のガスを、最大膨張幅部に対して乗員Pとは反対側に排出するベントホール111とが設けられる。開口部110は、例えば円形のリアパネル102の中心点113を含む中央部に設けられる。
図22〜図34を参照して第2実施形態に係るエアバッグ100の折り畳み方法を説明する。図22〜図34は、第2実施形態に係るエアバッグ100の折り畳み手順の第1〜第13段階を示す図である。図22〜図34の各図の(A)はエアバッグ100の平面視を模式的に示す図であり、(B)は開口部110の中心点113を通る断面線に沿った断面図である。(B)の断面図は、図22〜図28では、Y方向に延在する断面線をX方向から視たA−A断面図である。図29〜図34では、X方向に延在する断面線をY方向から視たB−B断面図である。
図22に示す第1段階では、フロントパネル101が紙面奥側、リアパネル102が紙面手前側に配置されており、フロントパネル101の中心点112と、リアパネル102の中心点113とが重なっており、フロントパネル101とリアパネル102の内面同士が全範囲にわたって接触している状態である。この場合、平面視で円形状の中央にフロントパネル101の中心点112と、リアパネル102の中心点113とが重なって配置されている。
図23に示す第2段階では、フロントパネル101の中心点112が、エアバッグ100の初期膨張時に膨張させたい方向にずらされる。図23の例では、Y負方向(鉛直下方)に移動する。このフロントパネル101の中心点112の移動に伴って、リアパネル102の中心点113と開口部110は、反対にY正方向(鉛直上方)に移動する。
図24に示す第3段階では、エアバッグ100のY方向の中央部より上側(Y正方向側)の左右方向折り返し線121に沿って、エアバッグ100の上半部100Aの上端部がリアパネル102の表面側の下方に折り返される。
図25に示す第4段階では、折り返された上半部100Aの上端部が、エアバッグ100のY方向の中央部より上側(Y正方向側)の左右方向折り返し線122に沿って、さらにリアパネル102の表面側の下方に折り返される。
図26に示す第5段階では、折り返された上半部100Aの上端部が、エアバッグ100のY方向の中央部より上側(Y正方向側)の左右方向折り返し線123に沿ってさらにリアパネル102の表面側の下方に折り返される。これにより、エアバッグ100の上半部100Aが開口部110より上方にてリアパネル102の表面側に折り畳まれる。
図27に示す第6段階では、エアバッグ100の下半部100Bが、図24〜図26で示した第3〜第5段階の上半部100Aの折り畳み手順と同様の手順で、リアパネル102の表面側に折り畳まれる。
図28に示す第7段階では、折り畳まれた上半部100Aと下半部100Bとが、さらにフロントパネル101の表面側に折り畳まれる。この結果、エアバッグ100は、X方向に沿って細長に延在するよう折り畳まれた状態となる。
図29に示す第8段階では、エアバッグ100のX方向の中央部より右側(X負方向側)の上下方向折り返し線124に沿って、エアバッグ100の右半部100Rの右端部がリアパネル102の表面側の左方向に折り返される。
図30に示す第9段階では、折り返された右半部100Rの右端部が、エアバッグ100のX方向の中央部より右側(X負方向側)の上下方向折り返し線125に沿って、さらにリアパネル102の表面側の左方向に折り返される。
図31に示す第10段階では、折り返された右半部100Rの右端部が、エアバッグ100のX方向の中央部より右側(X負方向側)の上下方向折り返し線126に沿って、さらにリアパネル102の表面側の左方向に折り返される。
図32に示す第11段階では、折り返された右半部100Rの右端部が、エアバッグ100のX方向の中央部より右側(X負方向側)の上下方向折り返し線127に沿って、さらにリアパネル102の表面側の左方向に折り返される。これにより、エアバッグ100の右半部100Rが開口部110より右側にてリアパネル102の表面側に折り畳まれる。
図33に示す第12段階では、エアバッグ100の左半部100Lが、図29〜図32で示した第8〜第11段階の右半部100Rの折り畳み手順と同様の手順で、リアパネル102の表面側に折り畳まれる。
図34に示す第13段階では、折り畳まれた右半部100Rと左半部100Lとが、さらにフロントパネル101の表面側に折り畳まれる。この結果、エアバッグ100は、ステアリング装置1に収容されるエアバッグ折り畳み体100Fとなる。
第2実施形態のエアバッグ100も、第1実施形態と同様にフロントパネル101の中心点112の位置を、リアパネル102の中心点113の位置に対して、ステアリング装置1の円環状のステアリングホイール3の下方側にずらした状態で折り畳められ、折り畳まれたエアバッグ折り畳み体100Fはステアリングホイール3の中心に収容されるので、図19を参照して説明した第1実施形態の作用と同様に、膨張初期段階のエアバッグ100の膨張方向を中心点112のずれ方向(車両下方側)に制御することができ、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
本開示に係るエアバッグのフロントパネル及びリアパネルの形状は、上記実施形態のエアバッグ10、100のフロントパネル20、101及びリアパネル40、102の形状には限られず、フロントパネルとリアパネルの形状が非同一でもよい。要は、エアバッグのフロントパネルの重心位置を、リアパネルの重心位置に対して所望の膨張方向にずらした状態で折り畳むことができる構成であればよい。
上記実施形態では、エアバッグ10、100を折り畳む際に、フロントパネル20、101の中心点22、112の位置(重心位置)を、リアパネル40、102の中心点42、113の位置(重心位置)に対して、ステアリング装置1の円環状のステアリングホイール3のY負方向(鉛直下方)にずらす構成を例示したが、フロントパネル20、101の重心位置のずれ方向はこれに限られず、エアバッグ10、100がステアリング装置1に設置される際に、少なくともステアリング装置1のステアリングホイール3の下方側であればよい。例えば、フロントパネル20の重心位置のずれ方向は、ステアリングホイール3の左斜め下方向や右斜め下方向でもよい。
さらに言えば、フロントパネル20、101の中心点22、112の位置が、リアパネル40、102の中心点42、113の位置に対して、ステアリング装置1の円環状のステアリングホイール3の任意の遠心方向にずれた状態で折り畳まれ、ステアリングホイール3の中心に収容される構成とすることもできる。この構成により、エアバッグ10、100の初期展開方向を、フロントパネル20の中心点22のずれ方向と同方向に任意に制御することができる。
図6〜図17を参照して説明した第1実施形態に係るエアバッグ10の折り畳み手順と、図22〜図34を参照して説明した第2実施形態に係るエアバッグ100の折り畳み手順は、これに限らず他の手順でもよい。要は、エアバッグ10、100のフロントパネル20、101の中心点22、112(重心位置)が、リアパネル40、102の中心点42、113(重心位置)に対して所望の膨張方向にずらした状態で折り畳まれればよい。
本開示に係るエアバッグ装置2は、フロントパネル20、101とリアパネル40、102とを内部で接続するつりひもを備える構成でもよいし、エアバッグ10、100内部に供給されるガスを整流するためのディフューザを備える構成でもよい。
1 ステアリング装置
2 エアバッグ装置
3 ステアリングホイール
6 インフレータ
10、100 エアバッグ
10F、100F エアバッグ折り畳み体
20、101 フロントパネル
22、112 フロントパネルの中心点(重心位置)
40、102 リアパネル
42、113 リアパネルの中心点(重心位置)
2 エアバッグ装置
3 ステアリングホイール
6 インフレータ
10、100 エアバッグ
10F、100F エアバッグ折り畳み体
20、101 フロントパネル
22、112 フロントパネルの中心点(重心位置)
40、102 リアパネル
42、113 リアパネルの中心点(重心位置)
Claims (8)
- 車両のステアリング装置に設置される運転席用のエアバッグの折り畳み体であって、
設置時に乗員側に配置されるフロントパネルと、前記乗員と反対側に配置されるリアパネルとが両パネルの外周にわたって相互に接合されてエアバッグが形成され、
前記エアバッグは、前記フロントパネルの接合前の平面形状における重心位置が、前記リアパネルの重心位置に対して、前記ステアリング装置の環状のステアリングホイールの任意の遠心方向にずれた状態で折り畳まれ、前記ステアリングホイールの中心に収容されることで、前記エアバッグの初期展開方向を制御する、
エアバッグの折り畳み体。 - 前記エアバッグは、前記フロントパネルの接合前の平面形状における重心位置が、前記リアパネルの重心位置に対して、前記ステアリング装置の環状のステアリングホイールの下方側にずれた状態で折り畳まれる、
請求項1に記載のエアバッグの折り畳み体。 - 前記エアバッグの膨張方向が前記車両に対して水平より下方となるように、前記フロントパネルの前記重心位置のずれ量が調整される、
請求項2に記載のエアバッグの折り畳み体。 - 前記フロントパネルと前記リアパネルの接合前の平面形状が同一形状である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグの折り畳み体。 - 前記フロントパネルと前記リアパネルは、夫々、接合前の平面視で、隣り合う羽根状部の間に凹部が形成されるように複数の羽根状部が中央部から放射状に延びるプロペラ形状を有し、
前記フロントパネルの前記複数の羽根状部は、夫々、前記リアパネルの対応する前記凹部に接合し、前記リアパネルの前記複数の羽根状部は、夫々、前記フロントパネルの対応する前記凹部に接合する、
請求項4に記載のエアバッグの折り畳み体。 - 前記フロントパネルと前記リアパネルは同一の円形状である、
請求項4に記載のエアバッグの折り畳み体。 - インフレータと、
車両に設置され、前記インフレータから供給されるガスにより展開する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアバッグの折り畳み体と、
を備えるエアバッグ装置。 - 車両のステアリング装置に設置される運転席用のエアバッグの折り畳み方法であって、
設置時に乗員側に配置されるフロントパネルと、前記乗員と反対側に配置されるリアパネルとが両パネルの外周にわたって相互に接合されてエアバッグが形成される形成ステップと、
前記形成ステップにて形成された前記エアバッグは、前記フロントパネルの接合前の平面形状における重心位置が、前記リアパネルの重心位置に対して、前記ステアリング装置の環状のステアリングホイールの任意の遠心方向にずれた状態で折り畳まれ、前記ステアリングホイールの中心に収容されることで、前記エアバッグの初期展開方向を制御する折り畳みステップと、
を含むエアバッグの折り畳み方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019175120A JP2021049908A (ja) | 2019-09-26 | 2019-09-26 | エアバッグの折り畳み体、エアバッグ装置、及びエアバッグの折り畳み方法 |
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JP2021049908A true JP2021049908A (ja) | 2021-04-01 |
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ID=75156786
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022049928A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | オートリブ ディベロップメント エービー | 運転席用エアバッグ装置 |
-
2019
- 2019-09-26 JP JP2019175120A patent/JP2021049908A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022049928A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | オートリブ ディベロップメント エービー | 運転席用エアバッグ装置 |
US11993220B2 (en) | 2020-09-01 | 2024-05-28 | Autoliv Development Ab | Driverseat airbag device |
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