JP2021049688A - 射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート部品と樹脂材料とを一体化した成形品の生産効率の低下を効果的に抑制できる射出成形機を提供する。【解決手段】射出成形機は、樹脂材料とインサート部品とが一体化された成形品を成形する。射出成形機の制御装置30は、インサート部品を下側金型82A,Bに設置する自動機50からインサート部品に関するインサート部品情報を取得する。そして、制御装置30は、インサート部品情報に応じてキャビティに射出された樹脂材料の冷却時間Cの設定を変更する。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の金型が取り付けられるロータリーテーブルを有し、インサート部品が設置された金型に樹脂材料を射出して成形品を成形する射出成形機に関する。
特許文献1に従来の竪型射出成形機が開示されている。特許文献1の竪型射出成形機は、ロータリーテーブルを回転させることにより、ロータリーテーブルに取り付けた2つの下側金型を1つの上側金型と対向する位置に交互に移動させて鉛直方向に型開閉を行う。この竪型射出成形機では、一方の下側金型と上側金型とを型締している間に、他方の下側金型に自動機によってインサート部品が設置される。そして、ロータリーテーブルを回転させ、インサート部品が設置された下側金型と上側金型とを型締して当該インサート部品と樹脂材料とが一体化された成形品を成形する。
国際公開第2016/063979号
このような射出成形機において、インサート部品を下側金型に設置せずに樹脂材料のみで成形品を成形する捨て打ち動作が実行される。捨て打ち動作は、例えば、射出成形機の起動時や作業員の休憩時間などに実行されることがある。捨て打ち動作によって成形された成形品(捨て打ち品)は、製品となる成形品に比べて、インサート部品の体積分だけ樹脂材料の量が多い。そのため、樹脂材料を冷却するための時間(冷却時間)が不足して、金型に充填した樹脂材料が十分に固化しないおそれがある。これにより、金型からの取り出しがうまくいかずに成形品やランナーが金型に残ってしまうことがある。そこで、製品の成形動作時の冷却時間よりも捨て打ち動作時の冷却時間の方が長くなるように、作業員が射出成形機の設定を変更していた。しかしながら、捨て打ち動作を終えて製品の成形動作を開始したときに、作業員が冷却時間の設定を戻し忘れてしまうことがあった。これにより、冷却時間が長いまま製品を成形してしまい、サイクルタイムが長くなって成形品の生産効率が低下してしまうことがあった。
また、インサート部品の体積のばらつきが大きいと、最小体積のインサート部品の場合に用いられる樹脂材料の量と、最大体積のインサート部品の場合に用いられる樹脂材料の量とが大きく異なることがある。そのため、いずれの場合でも樹脂材料を十分に固化させるために最小体積のインサート部品の場合(すなわち樹脂材料が最大体積となる場合)に合わせて冷却時間を設定していた。そのため、最大体積のインサート部品の場合は冷却時間が必要以上に長くなり、成形品の生産効率が低下してしまっていた。
そこで、本発明は、インサート部品と樹脂材料とを一体化した成形品の生産効率の低下を効果的に抑制できる射出成形機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る射出成形機は、固定側金型が取り付けられる固定ダイプレートと、可動側金型が取り付けられる可動ダイプレートと、前記固定側金型と前記可動側金型とで形成されるキャビティに樹脂材料を射出する射出装置と、を有し、前記樹脂材料とインサート部品とが一体化された成形品を成形する射出成形機であって、前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置する自動機から前記インサート部品に関するインサート部品情報を取得し、前記インサート部品情報に応じて前記キャビティに射出された前記樹脂材料の冷却時間の設定を変更するように構成された制御装置を有していることを特徴とする。
本発明において、前記インサート部品情報は、前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置したか否かを示す情報であり、前記制御装置は、前記インサート部品情報が前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置したことを示すとき、前記冷却時間としてインサート成形冷却時間を設定し、前記インサート部品情報が前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置していないことを示すとき、前記冷却時間として前記インサート成形冷却時間より長い捨て打ち冷却時間を設定することが好ましい。
本発明において、前記インサート部品情報は、前記インサート部品の体積に関する情報であり、前記制御装置は、前記インサート部品情報が前記インサート部品の体積が大きいことを示すとき、前記冷却時間として大型インサート部品用冷却時間を設定し、前記インサート部品情報が前記インサート部品の体積が小さいことを示すとき、前記冷却時間として前記大型インサート部品用冷却時間より長い小型インサート部品用冷却時間を設定することが好ましい。
本発明において、前記制御装置は、前記成形品を成形する準備が完了したとき、前記自動機に対して前記準備が完了した旨の情報を送信することが好ましい。
本発明によれば、インサート部品を固定側金型または可動側金型に設置する自動機からインサート部品に関するインサート部品情報を取得し、インサート部品情報に応じてキャビティに射出された樹脂材料の冷却時間の設定を変更する。このようにしたことから、例えば、インサート部品の有無やインサート部品の体積などのインサート部品に関するインサート部品情報に応じて、キャビティに射出された樹脂材料が固化するのに適切な冷却時間を設定することができる。そのため、成形品の生産効率の低下を効果的に抑制できる。
本発明の一実施形態に係る射出成形機および自動機の正面図である。 図1の射出成形機および自動機の平面図である。 図1の射出成形機の機能ブロックおよび記憶装置を説明する図である。 図1の射出成形機の動作の一例を説明するシーケンス図である。
以下、本発明の一実施形態に係る射出成形機について、図1〜図4を参照して説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態に係る射出成形機および自動機の正面図および平面図である。図3(a)は、図1の射出成形機の機能ブロックを説明する図である。図3(b)は、図1の射出成形機の制御装置が有する記憶装置を説明する図である。図4は、図1の射出成形機の動作の一例を説明するシーケンス図である。
本実施形態の射出成形機1は、上側金型81および下側金型82により形成されるキャビティ84に、可塑化した樹脂材料を射出充填し、冷却固化することで、樹脂材料とインサート部品が一体化された成形品を成形する(インサート成形する)ものである。なお、本実施形態は、鉛直方向に上側金型81と下側金型82とを開閉する射出成形機に本発明を適用した構成の一例を示すものである。これ以外にも、固定側金型が取り付けられる固定ダイプレートおよび可動側金型が取り付けられる可動ダイプレートを有し、水平方向に固定側金型と可動側金型とを開閉する射出成形機に本発明を適用してもよい。
射出成形機1は、図1〜図3に示すように、上側金型81および下側金型82を型締する型締装置10と、キャビティ84に樹脂材料を射出する射出装置20と、型締装置10および射出装置20を制御する制御装置30と、を有している。射出成形機1は、例えば、6軸の多関節型ロボットからなる自動機50と連携して動作する。自動機50は、後述する成形品取出ステーションP2において、下側金型82から成形品を取り出すとともに下側金型82にインサート部品Kを設置する。射出成形機1と自動機50とで射出成形システムを構成する。
型締装置10は、ロータリーテーブル11と、ロータリーテーブル11と鉛直方向に対向して配置された可動ダイプレート12と、を有している。また、型締装置10は、ロータリーテーブル11を時計方向に所定角度ずつ間欠回転するように駆動する回転駆動機構13と、ロータリーテーブル11と可動ダイプレート12により上側金型81および下側金型82を鉛直方向に締め付けて型締力を発生させる型締駆動機構14と、を有している。ロータリーテーブル11は、固定ダイプレートに相当する。上側金型81は可動側金型に相当し、下側金型82は固定側金型に相当する。
ロータリーテーブル11の上面11aには、2つの下側金型82が180度間隔で取り付けられている。なお、3つ以上の下側金型82がロータリーテーブル11の上面11aに取り付けられていてもよい。2つの下側金型82をそれぞれ区別して説明する場合は、下側金型82A、82Bと示す。2つの下側金型82は、射出ステーションP1および成形品取出ステーションP2の2つの作業ステーションに位置づけられる。可動ダイプレート12の下面には、上側金型81が取り付けられている。
射出ステーションP1は、上側金型81および下側金型82を型締して可塑化した樹脂材料をキャビティ84に射出充填する射出位置である。また、射出ステーションP1において、キャビティ84内の樹脂材料に所定の圧力(保圧力)が加えられるとともに、キャビティ84内の樹脂材料が冷却固化されるように、上側金型81および下側金型82が冷却時間Cにわたって冷却される。本実施形態では、射出ステーションP1において、樹脂材料のみの成形品(捨て打ち品)、および、樹脂材料とインサート部品Kとが一体化された成形品が成形される。成形品取出ステーションP2は、射出ステーションP1を0時の位置としたときに6時の位置にあり、下側金型82から成形品を取り出す成形品取出位置である。そして、成形品取出ステーションP2は、下側金型82にインサート部品Kを設置する部品設置位置でもある。
射出装置20は、型締装置10に対して水平方向に進退可能に配置されている。射出装置20は、加熱シリンダ21と、加熱シリンダ21に収容された図示しないスクリューと、を有している。射出装置20は、射出ステーションP1にある下側金型82(または上側金型81)に加熱シリンダ21のノズル21aをタッチさせ、スクリューを前進させて可塑化した樹脂材料をキャビティ84に射出充填する。また、射出装置20は、樹脂材料をキャビティ84に射出充填したあと、スクリューを前方に押してキャビティ84内の樹脂材料に保圧力を加える。
制御装置30は、射出成形機1全体の動作を司る。制御装置30は、マイクロコンピュータを有して構成されている。制御装置30は、型締装置10の回転駆動機構13および型締駆動機構14、ならびに、射出装置20などの各種駆動機構等の動作を制御する。制御装置30は、自動機50と連携している。
具体的には、制御装置30は、成形動作において、
(1)ロータリーテーブル11に設置された複数の下側金型82を射出ステーションP1および成形品取出ステーションP2に移動するように回転駆動機構13を制御し、
(2)射出ステーションP1にある上側金型81および下側金型82を型締するように型締駆動機構14を制御し、
(3)型締された上側金型81および下側金型82のキャビティ84に可塑化した樹脂材料を射出充填するように射出装置20を制御し、
(4)キャビティ84内の樹脂材料に保圧力を加えるように射出装置20を制御し、
(5)保圧完了時から冷却時間C経過した後に型締された上側金型81および下側金型82を型開きするように型締駆動機構14を制御する。
また、制御装置30は、
(6)自動機50から、ロータリーテーブル11の回転が可能なタイミングを示すテーブル回転タイミング信号Saを受信し、
(7)自動機50から、下側金型82にインサート部品Kを設置したか否かを示すインサート部品情報信号Sbからインサート部品情報Jkを取得し、
(8)成形品取出ステーションP2にある下側金型82から成形品を取り出すべきタイミングを示す成形品取出タイミング信号Scを自動機50に送信する。
本実施形態において、インサート部品情報信号Sbは、電圧レベル(Hレベル/Lレベル)によってインサート部品Kを設置したか否かを示す信号であるが、これに限定されるものではない。インサート部品情報信号Sbは、例えば、所定の通信プロトコルにて用いられるメッセージ形式の信号であってもよい。テーブル回転タイミング信号Saおよび成形品取出タイミング信号Scについても、インサート部品情報信号Sbと同様である。
また、制御装置30は、例えば、不揮発性メモリやハードディスク装置などで構成された記憶装置31を有している。記憶装置31は、インサート成形冷却時間格納領域311と、捨て打ち冷却時間格納領域312と、を有している。
インサート成形冷却時間格納領域311には、インサート成形の成形動作時に冷却時間Cとして設定されるインサート成形冷却時間C1が格納される。捨て打ち冷却時間格納領域312には、捨て打ち動作時に冷却時間Cとして設定される捨て打ち冷却時間C2が格納される。捨て打ち冷却時間C2はインサート成形冷却時間C1より長い(C2>C1)。
次に、上述した本実施形態の射出成形機1における成形動作の一例について、図4を参照して説明する。
成形動作の開始直前の状態において、下側金型82Aが成形品取出ステーションP2にあり、下側金型82Bが射出ステーションP1にある。図4に示す例では、射出成形機1は、樹脂材料のみからなる捨て打ち品を成形する捨て打ち動作を1回実行し、それ以降はインサート成形の成形動作を繰り返し実行する。なお、捨て打ち動作は複数回実行してもよい。
まず自動機50は、捨て打ち動作を実行するために、インサート部品Kを成形品取出ステーションP2にある下側金型82Aに設置せずに、射出成形機1の制御装置30にテーブル回転タイミング信号Saを送信する(S110)。また、自動機50は、制御装置30にインサート部品情報信号Sb(インサート部品設置なし)を送信する(S120)。制御装置30は、自動機50からテーブル回転タイミング信号Saを受信するとともに、インサート部品情報信号Sbを受信して、インサート部品情報Jk(インサート部品設置なし)を取得する。
制御装置30は、テーブル回転タイミング信号Saを受信すると、回転駆動機構13を制御して、ロータリーテーブル11を180度回転させる(S130)。これにより、下側金型82Aが成形品取出ステーションP2から射出ステーションP1に移動され、下側金型82Bが射出ステーションP1から成形品取出ステーションP2に移動される。
制御装置30は、直前に取得したインサート部品情報Jkが、下側金型82Aにインサート部品Kが設置されていないことを示す「インサート部品設置なし」であると、捨て打ち動作を実行するものと判断して、捨て打ち冷却時間格納領域312に格納されている捨て打ち冷却時間C2を冷却時間Cとして設定する(S140)。
制御装置30は、下側金型82Bが成形品取出ステーションP2に移動されると、自動機50に成形品取出タイミング信号Scを送信する(S150)。そして、制御装置30は、上側金型81および射出ステーションP1にある下側金型82Aを用いて捨て打ち動作を実行する(S160)。具体的には、制御装置30は、型締駆動機構14を制御して、上側金型81およびインサート部品Kが設置されていない下側金型82を型締し、射出装置20を制御して、型締された上側金型81および下側金型82のキャビティ84に可塑化した樹脂材料を射出充填する。制御装置30は、射出装置20を制御して、キャビティ84内に充填された樹脂材料に保圧力を加える。そして、制御装置30は、冷却時間Cとして設定された捨て打ち冷却時間C2の間、キャビティ84内の樹脂材料を冷却固化させる。これにより、インサート部品Kを含まない、樹脂材料のみの捨て打ち品が成形される。捨て打ち冷却時間C2経過後、制御装置30は、型締駆動機構14を制御して、型締された上側金型81および下側金型82を型開きする。そして、制御装置30は、型締駆動機構14から型開き完了信号を受信すると、型開きが完了したことを認識する。
また、自動機50は、成形品取出タイミング信号Scを受信すると、成形品取出ステーションP2にある下側金型82Bから成形品を取り出す(S170)。なお、この時点では、下側金型82Bを用いた成形品の成形が行われていないため、取り出す成形品がない。
そして、自動機50は、インサート成形の成形動作を実行するために、インサート部品Kを成形品取出ステーションP2にある下側金型82Bに設置して(S180)、制御装置30にテーブル回転タイミング信号Saを送信する(S190)。また、自動機50は、制御装置30にインサート部品情報信号Sb(インサート部品設置あり)を送信する(S200)。制御装置30は、自動機50からテーブル回転タイミング信号Saを受信するとともに、インサート部品情報信号Sbを受信して、インサート部品情報Jk(インサート部品設置あり)を取得する。
制御装置30は、型開きが完了しかつ自動機50からテーブル回転タイミング信号Saを受信すると、回転駆動機構13を制御して、ロータリーテーブル11を180度回転させる(S210)。これにより、下側金型82Bが成形品取出ステーションP2から射出ステーションP1に移動され、下側金型82Aが射出ステーションP1から成形品取出ステーションP2に移動される。
制御装置30は、直前に取得したインサート部品情報Jkが、下側金型82Bにインサート部品Kが設置されたことを示す「インサート部品設置あり」であると、インサート成形の成形動作を実行するものと判断して、インサート成形冷却時間格納領域311に格納されているインサート成形冷却時間C1を冷却時間Cとして設定する(S220)。
制御装置30は、下側金型82Aが成形品取出ステーションP2に移動されると、自動機50に成形品取出タイミング信号Scを送信する(S230)。そして、制御装置30は、上側金型81および射出ステーションP1にある下側金型82Bを用いてインサート成形の成形動作を実行する(S240)。具体的には、制御装置30は、型締駆動機構14を制御して、上側金型81およびインサート部品Kが設置された下側金型82を型締し、射出装置20を制御して、型締された上側金型81および下側金型82のキャビティ84に可塑化した樹脂材料を射出充填する。制御装置30は、射出装置20を制御して、キャビティ84内に充填された樹脂材料に保圧力を加える。そして、制御装置30は、冷却時間Cとして設定されたインサート成形冷却時間C1の間、キャビティ84内の樹脂材料を冷却固化させる。これにより、樹脂材料とインサート部品Kとを一体化した製品が成形される。インサート成形冷却時間C1経過後、制御装置30は、型締駆動機構14を制御して、型締された上側金型81および下側金型82を型開きする。そして、制御装置30は、型締駆動機構14から型開き完了信号を受信すると、型開きが完了したことを認識する。
また、自動機50は、成形品取出タイミング信号Scを受信すると、成形品取出ステーションP2にある下側金型82Aから成形品を取り出す(S250)。このとき、捨て打ち動作にて成形された捨て打ち品が取り出される。
そして、自動機50は、インサート成形の成形動作を続けて実行するために、インサート部品Kを成形品取出ステーションP2にある下側金型82Aに設置する(S260)。これ以降は、上記ステップS190〜S260を繰り返し実行する。なお、インサート成形の成形動作を実行する前に捨て打ち動作を複数回実行する場合には、上記ステップS180に移行する前に上記ステップS110〜S170を複数回繰り返し実行する。
以上より、本実施形態の射出成形機1によれば、インサート部品Kを下側金型82に設置する自動機50からインサート部品Kに関するインサート部品情報Jkを取得する。そして、インサート部品情報Jkに応じてキャビティ84に射出された樹脂材料の冷却時間Cの設定を変更する。具体的には、インサート部品情報Jkが、インサート部品Kを下側金型82に設置したか否かを示す情報である。そして、インサート部品情報Jkがインサート部品Kを下側金型82に設置したことを示すとき、冷却時間Cとしてインサート成形冷却時間C1を設定する。または、インサート部品情報Jkがインサート部品Kを下側金型82に設置していないことを示すとき、冷却時間Cとしてインサート成形冷却時間C1より長い捨て打ち冷却時間C2を設定する。このようにしたことから、樹脂材料が比較的多い捨て打ち品を成形するときの冷却時間Cを、樹脂材料が比較的少ない製品を成形するときの冷却時間Cより長くすることができるので、インサート部品情報Jkに応じて、キャビティ84に射出された樹脂材料が固化するのに適切な冷却時間Cを設定することができる。そのため、冷却時間Cの設定の戻し忘れを防いで、製品の生産効率の低下を効果的に抑制できる。
上述した実施形態において、インサート部品情報Jkがインサート部品Kを下側金型82に設置したか否かを示す情報であったが、これに限定されるものではない。例えば、インサート部品情報Jkが、インサート部品Kの体積に関する情報であってもよい。この構成では、自動機50において、例えば、インサート部品Kの重量を測定し、測定した重量に基づいて、インサート部品Kの体積が体積基準値より大きいか、体積基準値以下であるかを判定して、判定結果をインサート部品情報Jkに含める。そして、インサート成形の成形動作において、インサート部品情報Jkがインサート部品Kの体積が大きい(体積基準値より大きい)ことを示すとき、冷却時間Cとして大型インサート部品用冷却時間を設定する。または、インサート部品情報Jkがインサート部品Kの体積が小さい(体積基準値以下である)ことを示すとき、冷却時間Cとして大型インサート部品用冷却時間より長い小型インサート部品用冷却時間を設定する。このようにすることで、インサート部品Kの体積が小さい製品(すなわち樹脂材料が比較的多い製品)を成形するときの冷却時間Cを、インサート部品の体積が大きい製品(すなわち樹脂材料が比較的少ない製品)を成形するときの冷却時間Cより長くすることができる。これにより、インサート部品情報Jkに応じて、キャビティ84に射出された樹脂材料が固化するのに適切な冷却時間Cを設定することができる。そのため、インサート部品Kの体積が大きい場合と小さい場合とのそれぞれに合わせて冷却時間Cを設定して、製品の生産効率の低下を効果的に抑制できる。なお、インサート部品Kの体積を複数段階(例えば、大型、中型、小型)に分けて、各段階に対応する冷却時間(大型インサート部品用冷却時間<中型インサート部品用冷却時間<小型インサート部品用冷却時間)を設定してもよい。
また、上述した実施形態において、射出成形機1において、例えば、加熱シリンダ21の温度、上側金型81および下側金型82の温度、または、樹脂材料の滞留時間(熱履歴)などに応じて、樹脂材料とインサート部品とが一体化した成形品(製品)を成形する準備が完了したか否か(すなわち捨て打ち動作が終了したか否か)を判定する。そして、製品を成形する準備が完了したとき、自動機50に対して準備が完了した旨の情報を送信するようにしてもよい。このようにすることで、当該情報に基づいて自動機50がインサート部品Kを設置する必要があるか否かを判定することができる。そのため、射出成形機1と自動機50とをより効率的に連携させることができる。
上記に本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、本発明をダイカストマシンなどの成形機に適用してもよく、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
1…射出成形機、10…型締装置、11…ロータリーテーブル、11a…上面、12…可動ダイプレート、13…回転駆動機構、14…型締駆動機構、20…射出装置、21…加熱シリンダ、21a…ノズル、30…制御装置、31…記憶装置、311…インサート成形冷却時間格納領域、312…捨て打ち冷却時間格納領域、50…自動機、81…上側金型、82、82A、82B…下側金型、84…キャビティ、Jk…インサート部品情報、Sa…テーブル回転タイミング信号、Sb…インサート部品情報信号、Sc…成形品取出タイミング信号、C…冷却時間、C1…インサート成形冷却時間、C2…捨て打ち冷却時間

Claims (4)

  1. 固定側金型が取り付けられる固定ダイプレートと、可動側金型が取り付けられる可動ダイプレートと、前記固定側金型と前記可動側金型とで形成されるキャビティに樹脂材料を射出する射出装置と、を有し、前記樹脂材料とインサート部品とが一体化された成形品を成形する射出成形機であって、
    前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置する自動機から前記インサート部品に関するインサート部品情報を取得し、前記インサート部品情報に応じて前記キャビティに射出された前記樹脂材料の冷却時間の設定を変更するように構成された制御装置を有していることを特徴とする射出成形機。
  2. 前記インサート部品情報は、前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置したか否かを示す情報であり、
    前記制御装置は、
    前記インサート部品情報が前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置したことを示すとき、前記冷却時間としてインサート成形冷却時間を設定し、
    前記インサート部品情報が前記インサート部品を前記固定側金型または前記可動側金型に設置していないことを示すとき、前記冷却時間として前記インサート成形冷却時間より長い捨て打ち冷却時間を設定する、請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記インサート部品情報は、前記インサート部品の体積に関する情報であり、
    前記制御装置は、
    前記インサート部品情報が前記インサート部品の体積が大きいことを示すとき、前記冷却時間として大型インサート部品用冷却時間を設定し、
    前記インサート部品情報が前記インサート部品の体積が小さいことを示すとき、前記冷却時間として前記大型インサート部品用冷却時間より長い小型インサート部品用冷却時間を設定する、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
  4. 前記制御装置は、前記成形品を成形する準備が完了したとき、前記自動機に対して前記準備が完了した旨の情報を送信する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の射出成形機。
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