JP2021049521A - 洗浄用支持部材、囲繞部付き洗浄用支持部材および洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄時における微粒子の発生を抑制し、被洗浄物の洗浄力を高めた洗浄用支持部材およびこれを用いた洗浄装置を提供する。【解決手段】枠体と、該枠体の内側面から枠体内に突出し互いに離間して配置された、被洗浄物を支持するための複数の第1支持部とを備えてなる洗浄用支持部材であって、枠体の下面に互いに離間した複数の脚部を有する。【選択図】図1
Description
本開示は、被洗浄物を支持する洗浄用支持部材、囲繞部付き洗浄用支持部材およびこれを用いた洗浄装置に関する。
プラズマエッチング装置等の半導体製造装置では、当該装置からの発塵を防止するために、半導体製造装置を構成している部材を洗浄することが一般的に行われている。このような洗浄に用いられる洗浄用支持部材として、非特許文献1には、(株)フロンケミカル製の「フッ素樹脂(PTFE)ウェハーディッパー柄付」が提案されている。この洗浄用支持部材は、柄の先端に取り付けた枠体内にウェハー等の被洗浄物を載置・保持した状態で、洗浄槽内に浸漬し、超音波洗浄するものである。
前記した部材の洗浄には、主として超音波洗浄が使用される。被洗浄物の洗浄力を高めるためには、洗浄用支持部材から生じる微粒子をできる限り少なくする必要がある。そのため、洗浄用支持部材の体積を小さくすることが要望されている。
その際、被洗浄物を洗浄槽の上から柄等で吊り下げて洗浄する場合は、洗浄液から外にはみ出した部分は汚染されやすくなる。
その際、被洗浄物を洗浄槽の上から柄等で吊り下げて洗浄する場合は、洗浄液から外にはみ出した部分は汚染されやすくなる。
一方、洗浄用支持部材を洗浄槽の底に置いて、洗浄液から出ないようにすればよいが、その場合、洗浄用支持部材と洗浄槽の底との間に隙間がなくなり、被洗浄物の裏面側に微粒子が溜まってしまう。
http://www.flon.co.jp/wp-content/uploads/2015/11/leaflets_201111_02_nr1674_nr0234_nr1675.pdf
本開示の課題は、洗浄時における微粒子の発生を抑制し、被洗浄物の洗浄力を高めた洗浄用支持部材、囲繞部付き洗浄用支持部材およびこれを用いた洗浄装置を提供することである。
本開示の洗浄用支持部材は、枠体と、該枠体の内側面から枠体内に突出し互いに離間して配置された、被洗浄物を支持するための複数の第1支持部とを備え、枠体の下面に互いに離間した複数の脚部を有する。
本開示の洗浄装置は、洗浄用の純水または超純水が入れられた洗浄槽と、該洗浄槽の底部に設置された超音波振動子と、該超音波振動子で発生した超音波が照射される領域の洗浄槽の底部に載置される上記洗浄用支持部材と、を備えてなる。
本開示によれば、被洗浄物を洗浄槽内にて超音波等で洗浄するにあたり、枠体の内側面から突出した複数の第1支持部で被洗浄物を支持するようにしたので、洗浄用支持部材の体積を小さくすることができ、さらに、枠体の下面に複数の脚部を設けて洗浄槽の底面から被洗浄物を離隔させたので、被洗浄物に付着していた微粒子を被洗浄物の裏面側から枠体の外側に向かって容易に排出することができる。そのため、上記洗浄用支持部材を備えた洗浄装置は、微粒子の発生を抑制し、被洗浄物の洗浄力を高めることができる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本開示の第1実施形態に係る洗浄用支持部材を説明する。図1(a)は、当該洗浄用支持部材1を示す平面図、(b)は(a)のR部の拡大図、(c)は(a)のA-A´線断面図、(d)は(a)のB-B´線断面図ある。
以下、図面を参照して、本開示の第1実施形態に係る洗浄用支持部材を説明する。図1(a)は、当該洗浄用支持部材1を示す平面図、(b)は(a)のR部の拡大図、(c)は(a)のA-A´線断面図、(d)は(a)のB-B´線断面図ある。
図1(a)〜(d)に示す本実施形態の洗浄用支持部材1は、円形の枠体2を有する。この枠体2は、内側面2aと、外側面2bと、上面2cと、下面2dとを有する。枠体2の寸法は、被洗浄物の寸法によって変化するので、特に限定されるものではないが、例えば幅wは1mm以上4mm以下であるのがよく、厚さt(図1(c)参照)は、2mm以上5mm以下であるのがよい。
枠体2の内側面2aには、複数の第1支持部3が枠体2内に突出して設けられている。複数の第1支持部3は、被洗浄物を支持するためのものである。本実施形態では、図1(a)に示すように、第1支持部3は3個設けられているが、2個〜5個であってもよい。洗浄用支持部材1から生じる微粒子の発生をできる限り少なくするうえでは、第1支持部3の個数は少ないのが好ましく、2個または3個であるのがよい。
図1(b)に示すように、第1支持部3は、上面視において、枠体2の内側面2aから突出した先端部3aの幅が、枠体2の内側面2aにある基部3bの幅よりも狭くなっているのが好ましい。これにより、第1支持部3の幅が一定である場合よりも、被洗浄物の裏面と接触する面積が少なくなるので、被洗浄物の裏面に付着していた微粒子の脱離および排出が容易となる。
なお、図1(b)に示す第1支持部3の形状は上面視において台形形状であるが、三角形または半円形などの曲面形状であってもよい。
なお、図1(b)に示す第1支持部3の形状は上面視において台形形状であるが、三角形または半円形などの曲面形状であってもよい。
図1(c)、(d)に示すように、枠体2の下面2dには複数の脚部4が設けられる。脚部4の数は、微粒子の発生を低減するうえで少ないのが好ましく、本実施形態では、脚部4は3個設けられているが、これに限定されず、3個〜5個であってもよい。
脚部4の高さh1は、洗浄槽の底面から被洗浄物を離隔させるのに充分な高さであるのがよく、0.5mm以上3mm以下、好ましくは2mm以下であるのがよい。これにより、洗浄槽の底面と被洗浄物との間に隙間が形成されるので、被洗浄物に付着していた微粒子を被洗浄物の裏面側から枠体2の外側に向かって容易に排出することができる。
脚部4の高さh1は、洗浄槽の底面から被洗浄物を離隔させるのに充分な高さであるのがよく、0.5mm以上3mm以下、好ましくは2mm以下であるのがよい。これにより、洗浄槽の底面と被洗浄物との間に隙間が形成されるので、被洗浄物に付着していた微粒子を被洗浄物の裏面側から枠体2の外側に向かって容易に排出することができる。
図1(a)〜(d)に示すように、枠体2の上面2cには、複数の保持部5が設けられる。このような保持部5を設けることにより、被洗浄物が薄いものであっても、枠体2から外れるのを防ぐことができる。保持部5の上面2cからの高さh2は、0.5mm以上3mm以下、好ましくは2mm以下であるのがよい。
保持部5は、図1(a)、(b)に示すように、上面視において、枠体2の外側面2b側の端面よりも枠体2の内側面2a側の端面の幅が狭くなっているのが好ましい。すなわち、保持部5の幅が一定である場合よりも、超音波の振動によって被洗浄物が径方向に移動しても被洗浄物の外側面と接触する面積が少ないので、被洗浄物の外側面に付着していた微粒子の脱離および排出が容易となる。
本実施形態における保持部5の形状は、上面視において台形であるが、被洗浄物の外側面と接触する面積をより少なくするうえでは、三角形であってもよく、あるいは内側面2a側の端面が曲面状であってもよい。
本実施形態における保持部5の形状は、上面視において台形であるが、被洗浄物の外側面と接触する面積をより少なくするうえでは、三角形であってもよく、あるいは内側面2a側の端面が曲面状であってもよい。
第1支持部3、脚部4および保持部5を有する枠体2は、各種の合成樹脂を成形することによって作製することができる。原料となる合成樹脂材料としては、例えばフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂等)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリビニルアルコール(PVA)、導電性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、本実施形態では、第1支持部3、脚部4および保持部5を1箇所に設けたが、後述する第2実施形態に係る図3に示すように、それらの全部または一部を枠体2の別々の箇所に設けて独立させてもよい。
次に、この実施形態に係る洗浄用支持部材1を備えた洗浄装置を、図2を参照して説明する。すなわち、この洗浄装置は、図2に示すように、純水または超純水等からなる洗浄液100が入れられた洗浄槽101と、該洗浄槽101の底部に設置された超音波振動子102と、該超音波振動子102で発生した超音波が照射される領域の洗浄槽101の底部に載置される洗浄用支持部材1と、を備える。
被洗浄物103は、洗浄用支持部材1の第1支持部3上に載置され、保持部5で保持された状態で超音波される。その際、枠体2に設けた脚部4によって被洗浄物103は洗浄槽101の底部から離隔しているので、洗浄槽101の底面と被洗浄物103との間に隙間が形成される。そのため、被洗浄物103に付着していた微粒子を被洗浄物103の裏面側から枠体2の外側に向かって容易に排出することができる。
被洗浄物103は、例えば、プラズマエッチング装置で用いられる静電チャック、サセプター等のウェハー保持部材やガスノズルである。
被洗浄物103は、例えば、プラズマエッチング装置で用いられる静電チャック、サセプター等のウェハー保持部材やガスノズルである。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る洗浄用支持部材を図3に示す。この洗浄用支持部材10は、複数の第1支持部31および保持部51を円形の枠体21のそれぞれ異なる位置に設けている。本実施形態では、脚部41は第1支持部31と同じ箇所に形成されているが、異なる位置に設けてもよい。
本開示の第2実施形態に係る洗浄用支持部材を図3に示す。この洗浄用支持部材10は、複数の第1支持部31および保持部51を円形の枠体21のそれぞれ異なる位置に設けている。本実施形態では、脚部41は第1支持部31と同じ箇所に形成されているが、異なる位置に設けてもよい。
保持部51には、枠体21の内側面21a側の端面から枠体21の外側面21b側の端面に向かって延びる第1スリット6が形成されている。これにより、超音波の振動によって被洗浄物が枠体21の径方向に移動して保持部51の端面に当接しても、第1スリット6を通じて、被洗浄物の外側面からの微粒子の排出を容易に行うことができる。
第1スリット6は、保持部51の上面から枠体21の下面まで形成されているが、保持部51の上面に形成されているだけであってもよい。保持部51の上面に形成される第1スリット6は、枠体21の外側面21b側の端面に到達していてもよい。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態に係る洗浄用支持部材を図4に示す。この洗浄用支持部材11では、第1支持部32は、枠体22の内側面22aから突出した先端部32aから枠体22の内側面22aにある基部32bに向かって延びる第2スリット7を有する。これにより、超音波洗浄時に、第2スリット7を介して、第1支持部32の上面と被洗浄物の裏面との隙間にも気泡が回り込みやすくなるので、第1支持部32に接触する被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出が容易となる。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本開示の第3実施形態に係る洗浄用支持部材を図4に示す。この洗浄用支持部材11では、第1支持部32は、枠体22の内側面22aから突出した先端部32aから枠体22の内側面22aにある基部32bに向かって延びる第2スリット7を有する。これにより、超音波洗浄時に、第2スリット7を介して、第1支持部32の上面と被洗浄物の裏面との隙間にも気泡が回り込みやすくなるので、第1支持部32に接触する被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出が容易となる。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第4実施形態>
本開示の第4実施形態に係る洗浄用支持部材を図5に示す。この洗浄用支持部材12では、枠体23に設けた第1支持部33に、厚み方向に貫通した貫通孔8が形成されている。この実施形態においても、第3実施形態における第2スリット7と同様に、超音波洗浄時に、貫通孔8を介して、第1支持部33の上面と被洗浄物の裏面との隙間にも気泡が回り込みやすくなるので、第1支持部33に接触する被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出が容易となる。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本開示の第4実施形態に係る洗浄用支持部材を図5に示す。この洗浄用支持部材12では、枠体23に設けた第1支持部33に、厚み方向に貫通した貫通孔8が形成されている。この実施形態においても、第3実施形態における第2スリット7と同様に、超音波洗浄時に、貫通孔8を介して、第1支持部33の上面と被洗浄物の裏面との隙間にも気泡が回り込みやすくなるので、第1支持部33に接触する被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出が容易となる。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第5実施形態>
本開示の第5実施形態に係る洗浄用支持部材を図6に示す。この洗浄用支持部材13では、保持部54に、枠体24の内側面24a側の端面から枠体24の外側面24b側の端面に向かって延びる第1スリット61が形成されており、さらに、第1支持部34は、枠体24の内側面24aから突出した先端部34aから枠体24の内側面24aにある基部34bに向かって延びる第2スリット71が形成されている。
本開示の第5実施形態に係る洗浄用支持部材を図6に示す。この洗浄用支持部材13では、保持部54に、枠体24の内側面24a側の端面から枠体24の外側面24b側の端面に向かって延びる第1スリット61が形成されており、さらに、第1支持部34は、枠体24の内側面24aから突出した先端部34aから枠体24の内側面24aにある基部34bに向かって延びる第2スリット71が形成されている。
図6に示す第1スリット61および第2スリット71は互いに連通しているが、連通していなくてもよい。
このように、第1スリット61および第2スリット71を設けることにより、超音波洗浄時に、被洗浄物の外側面および底部からの微粒子の排出を容易にすることができる
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
このように、第1スリット61および第2スリット71を設けることにより、超音波洗浄時に、被洗浄物の外側面および底部からの微粒子の排出を容易にすることができる
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第6実施形態>
本開示の第6実施形態に係る洗浄用支持部材を図7(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材14では、第1支持部35の上面と枠体25の内側面との間に、それらを接続する傾斜部9が一体に形成されている。そのため、被洗浄物を傾斜部9上に載置することができ、被洗浄物の下面と第1支持部35の上面との間に隙間を形成することができるので、被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出がさらに容易となる。
本開示の第6実施形態に係る洗浄用支持部材を図7(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材14では、第1支持部35の上面と枠体25の内側面との間に、それらを接続する傾斜部9が一体に形成されている。そのため、被洗浄物を傾斜部9上に載置することができ、被洗浄物の下面と第1支持部35の上面との間に隙間を形成することができるので、被洗浄物の裏面からの微粒子の脱離および排出がさらに容易となる。
なお、第1支持部35の上面と枠体25の上面とが同一面を形成している場合には、傾斜部9は第1支持部35の上面と保持部55の端面との間に形成される。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第7実施形態>
本開示の第7実施形態に係る洗浄用支持部材を図8(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材15は、複数の枠体26が平面状に配置されてなり、隣り合う枠体26の外側面が連結部20で互いに連結されてなる。連結部20で連結された複数の枠体26は、洗浄槽の底部に載置される。これにより、単位時間当たりの洗浄の処理数を上げることができ、洗浄作業の効率が向上する。
本開示の第7実施形態に係る洗浄用支持部材を図8(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材15は、複数の枠体26が平面状に配置されてなり、隣り合う枠体26の外側面が連結部20で互いに連結されてなる。連結部20で連結された複数の枠体26は、洗浄槽の底部に載置される。これにより、単位時間当たりの洗浄の処理数を上げることができ、洗浄作業の効率が向上する。
連結部20は、複数の枠体26と一体に形成することができるが、連結部20を枠体26に着脱自在に取り付けるようにしてもよい。図8(b)に示すように、連結部20の下面には、脚部42が設けられている。これにより、連結部20と複数の枠体26とを同一高さで安定に保持することができる。
枠体26は、それ自体、図1に示す第1実施形態における枠体2と同じものであるが、第2〜第7実施形態における枠体21、22、23、24、25であってもよい。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
枠体26は、それ自体、図1に示す第1実施形態における枠体2と同じものであるが、第2〜第7実施形態における枠体21、22、23、24、25であってもよい。
その他は第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第8実施形態>
本開示の第8実施形態に係る洗浄用支持部材を図9(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材16は、枠体27、第1支持部36および脚部43に加えて、枠体27および脚部43の外側面から外部に向かって伸びる第2支持部10を有する。
このような構成であると、後述する囲繞部材を第2支持部10の上面に載置することができ、超音波の振動によって被洗浄物が洗浄用支持部材16とともに径方向に移動しても、その移動が十分抑制されるため、被洗浄物に対する洗浄効率を向上させることができる。
第2支持部10の上面に囲繞部材を載置することによって、囲繞部材を洗浄槽の内底面に接触させなくて済むため、囲繞部材と洗浄槽との接触によって生じる脱粒および脱離した粒子の洗浄槽内の浮遊を抑制することができる。
図9(b)に示す第2支持部10は、枠体27および脚部43の両外側面から外部に向かって伸びているが、その少なくともいずれかの外側面から外部に向かって伸びていてもよい。
本開示の第8実施形態に係る洗浄用支持部材を図9(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材16は、枠体27、第1支持部36および脚部43に加えて、枠体27および脚部43の外側面から外部に向かって伸びる第2支持部10を有する。
このような構成であると、後述する囲繞部材を第2支持部10の上面に載置することができ、超音波の振動によって被洗浄物が洗浄用支持部材16とともに径方向に移動しても、その移動が十分抑制されるため、被洗浄物に対する洗浄効率を向上させることができる。
第2支持部10の上面に囲繞部材を載置することによって、囲繞部材を洗浄槽の内底面に接触させなくて済むため、囲繞部材と洗浄槽との接触によって生じる脱粒および脱離した粒子の洗浄槽内の浮遊を抑制することができる。
図9(b)に示す第2支持部10は、枠体27および脚部43の両外側面から外部に向かって伸びているが、その少なくともいずれかの外側面から外部に向かって伸びていてもよい。
<第9実施形態>
本開示の第9実施形態に係る洗浄用支持部材を図10(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材17は、枠体28、第1支持部37および脚部44に加えて、枠体28および脚部44の外側面から外部に向かって伸びる第2支持部11を有しており、この第2支持部11は、複数備えられ、互いに離間して配置されてなる。
このような構成であると、第8実施形態で得られた効果に加え、第8実施形態に示す第2支持部10よりも第2支持部11は、表面積を少なくすることができるので、第2支持部11の各表面から発生する浮遊粒子の個数および量が減少するので、被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。
本開示の第9実施形態に係る洗浄用支持部材を図10(a)、(b)に示す。この洗浄用支持部材17は、枠体28、第1支持部37および脚部44に加えて、枠体28および脚部44の外側面から外部に向かって伸びる第2支持部11を有しており、この第2支持部11は、複数備えられ、互いに離間して配置されてなる。
このような構成であると、第8実施形態で得られた効果に加え、第8実施形態に示す第2支持部10よりも第2支持部11は、表面積を少なくすることができるので、第2支持部11の各表面から発生する浮遊粒子の個数および量が減少するので、被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。
第1支持部3、31、32、33、34、35、36、37の上面は、粗さ曲線における算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上1.3μm以下であってもよい。
上面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上であると、被洗浄物103の下面に対するアンカー効果により、被洗浄物103の径方向および円周方向への移動を抑制することができるため、被洗浄物に対する洗浄効率を向上させることができる。上面の算術平均粗さ(Ra)が1.3μm以下であると、浮遊粒子が支持部3、31、32、33、34、35の上面と被洗浄物103の下面との隙間に浮遊粒子が侵入しにくくなるため、被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。
上面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上であると、被洗浄物103の下面に対するアンカー効果により、被洗浄物103の径方向および円周方向への移動を抑制することができるため、被洗浄物に対する洗浄効率を向上させることができる。上面の算術平均粗さ(Ra)が1.3μm以下であると、浮遊粒子が支持部3、31、32、33、34、35の上面と被洗浄物103の下面との隙間に浮遊粒子が侵入しにくくなるため、被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。
第1支持部3、31、32、33、34、35、36、37の上面は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)が0.2μm以上1.9μm以下であってもよい。
上面の切断レベル差(Rδc)が0.2μm以上であると、被洗浄物103の下面に対するアンカー効果により、被洗浄物103の径方向および円周方向への移動を抑制することができるため、被洗浄物に対する洗浄効率をさらに向上させることができる。上面の切断レベル差(Rδc)が1.9μm以下であると、浮遊粒子が支持部3、31、32、33、34、35の上面と被洗浄物103の下面との隙間に浮遊粒子が侵入しにくくなるため、被洗浄物に対する洗浄効果をさらに向上させることができる。
上面の切断レベル差(Rδc)が0.2μm以上であると、被洗浄物103の下面に対するアンカー効果により、被洗浄物103の径方向および円周方向への移動を抑制することができるため、被洗浄物に対する洗浄効率をさらに向上させることができる。上面の切断レベル差(Rδc)が1.9μm以下であると、浮遊粒子が支持部3、31、32、33、34、35の上面と被洗浄物103の下面との隙間に浮遊粒子が侵入しにくくなるため、被洗浄物に対する洗浄効果をさらに向上させることができる。
算術平均粗さ(Ra)および切断レベル差(Rδc)は、JIS B 0601:2001に準拠し、形状解析レーザ顕微鏡((株)キーエンス製、VK−X1100またはその後継機種)を用いて測定することができる。測定条件としては、まず、照明方式を同軸落射方式、倍率を240倍、カットオフ値λsを無し、カットオフ値λcを0.08mm、カットオフ値λfを無し、終端効果の補正を有り、測定対象とする載置面から1か所当たりの測定範囲を、例えば、1428μm×1071μmに設定して、各測定範囲毎に、測定範囲の長手方向に沿って測定対象とする線を略等間隔に4本引いて、線粗さ計測を行えばよい。測定範囲は軸方向の中央部とし、計測の対象とする長さは、例えば、1280μmである。
<第10実施形態および第11実施形態>
本開示の第10実施形態に係る囲繞部付き洗浄用支持部材を図11に、第11実施形態に係る囲繞部付き洗浄用支持部材を図12に、それぞれ示す。
これらの囲繞部付き洗浄用支持部材104、105は、洗浄用支持部材17と、洗浄用支持部材17を取り囲む囲繞部材18、19と、を備えている。第1支持部の上面に載置された被洗浄物103は、プラズマ生成用ガスを案内するための複数の供給孔103aを円周方向に備えたガスノズルである。
本開示の第10実施形態に係る囲繞部付き洗浄用支持部材を図11に、第11実施形態に係る囲繞部付き洗浄用支持部材を図12に、それぞれ示す。
これらの囲繞部付き洗浄用支持部材104、105は、洗浄用支持部材17と、洗浄用支持部材17を取り囲む囲繞部材18、19と、を備えている。第1支持部の上面に載置された被洗浄物103は、プラズマ生成用ガスを案内するための複数の供給孔103aを円周方向に備えたガスノズルである。
図11に示す囲繞部材18は、少なくとも枠体28を取り囲む形状が環状である。囲繞部材18は枠体28を取り囲む環状部18aと、環状部18aの外周側に接続し、外方に向かって伸びる棒状部18bとを備えている。棒状部18bは、第1棒状部18baと第2棒状部18bbと備え、第1棒状部18baと第2棒状部18bbとは環状部18aの径方向に伸びる同一仮想直線L上に位置している。
洗浄槽101が上面視して矩形状である場合、第1棒状部18baおよび第2棒状部18bbの向きを洗浄槽101の対角線の方向に合わせることによって、棒状部18bが回転しにくくなるため、この回転に伴う棒状部18bから生じる微粒子の発生を抑制することができる。
環状部18aの円周方向に垂直な断面は円状であってもよい。
環状部18aの円周方向に垂直な断面が円状であると、環状部18aを第2支持部材10、11で支持する場合、環状部18aは第2支持部材10、11の上面に対して面接触ではなく、線接触となるため、接触によって生じる両者からの脱粒が減少し、脱離した微粒子が洗浄槽101内を浮遊するおそれを低減することができる。
棒状部18bの長手方向に垂直な断面は円状であってもよい。
棒状部18bの長手方向に垂直な断面が円状であると、棒状部18bの設置、振動等により洗浄槽101の内底面に接触したとしても、棒状部18bは洗浄槽101の内底面に対して、面接触ではなく、線接触となるため、接触によって生じる両者からの脱粒が減少し、脱離した微粒子が洗浄槽101内を浮遊するおそれを低減することができる。
環状部18aと棒状部18bとの接続部は、溶接部18cを備えていてもよい。
環状部18aと棒状部18bとは、一体的に形成されているとよいが、この形成が困難等の理由により、溶接されていてもよい。溶接部18cを備えることにより、環状部18aと棒状部18bとの接続部は、長期間に亘って、気密に封止した状態を維持することができるため、環状部18aと棒状部18bとの隙間に微粒子が侵入、固着、脱離し、新たな浮遊粒子として、洗浄槽101内を汚染するおそれが低減する。
洗浄槽101が上面視して矩形状である場合、第1棒状部18baおよび第2棒状部18bbの向きを洗浄槽101の対角線の方向に合わせることによって、棒状部18bが回転しにくくなるため、この回転に伴う棒状部18bから生じる微粒子の発生を抑制することができる。
環状部18aの円周方向に垂直な断面は円状であってもよい。
環状部18aの円周方向に垂直な断面が円状であると、環状部18aを第2支持部材10、11で支持する場合、環状部18aは第2支持部材10、11の上面に対して面接触ではなく、線接触となるため、接触によって生じる両者からの脱粒が減少し、脱離した微粒子が洗浄槽101内を浮遊するおそれを低減することができる。
棒状部18bの長手方向に垂直な断面は円状であってもよい。
棒状部18bの長手方向に垂直な断面が円状であると、棒状部18bの設置、振動等により洗浄槽101の内底面に接触したとしても、棒状部18bは洗浄槽101の内底面に対して、面接触ではなく、線接触となるため、接触によって生じる両者からの脱粒が減少し、脱離した微粒子が洗浄槽101内を浮遊するおそれを低減することができる。
環状部18aと棒状部18bとの接続部は、溶接部18cを備えていてもよい。
環状部18aと棒状部18bとは、一体的に形成されているとよいが、この形成が困難等の理由により、溶接されていてもよい。溶接部18cを備えることにより、環状部18aと棒状部18bとの接続部は、長期間に亘って、気密に封止した状態を維持することができるため、環状部18aと棒状部18bとの隙間に微粒子が侵入、固着、脱離し、新たな浮遊粒子として、洗浄槽101内を汚染するおそれが低減する。
図12に示す囲繞部材19は平板状であり、枠体27、28の外側面の外径と略同じ内径の貫通孔を有している。
囲繞部材18、19は、例えば、硼珪酸ガラス、石英ガラス等のガラスからなり、枠体27、28と隙間を介して第2支持部材10、11の上面の外周側に載置されている。このような構成であると、超音波の振動によって被洗浄物103が洗浄用支持部材16とともに径方向に移動しても、その移動が十分抑制されるため、被洗浄物103に対する洗浄効率を向上させることができる。
囲繞部材18、19は、例えば、硼珪酸ガラス、石英ガラス等のガラスからなり、枠体27、28と隙間を介して第2支持部材10、11の上面の外周側に載置されている。このような構成であると、超音波の振動によって被洗浄物103が洗浄用支持部材16とともに径方向に移動しても、その移動が十分抑制されるため、被洗浄物103に対する洗浄効率を向上させることができる。
以上、本開示の洗浄用支持部材、囲繞部付き洗浄用支持部材および洗浄装置を実施形態に基づいて説明したが、本開示は以上の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良が可能である。例えば、枠体は円形に限定されるものではなく、矩形等であってもよい。また、枠体2は、合成樹脂に代えて、各種の金属やセラミックを用いて形成してもよく、あるいは合成樹脂と金属やセラミックとを併用してもよい。例えば、枠体2本体は樹脂成形品で構成し、第1支持部3、31、32、33、34、35、36、37、脚部4、41、42、43、44および/または保持部5、51、54、55、56、57は金属やセラミックで構成し、樹脂成形品である枠体2、21、22、23、24、25、26、27、28本体に取り付けるようにしてもよい。
1、10、11、12、13、14、15、16、17 洗浄用支持部材
18、19 囲繞部材
2、21、22、23、24、25、26、27、28 枠体
2a 内側面
2b 外側面
2c 上面
2d 下面
3、31、32、33、34、35、36、37 第1支持部
3a、32a 先端部
3b、32b 基部
4、41、42、43、44 脚部
5、51、54、55、56、57 保持部
6、61 第1スリット
7、71 第2スリット
8 貫通孔
9 傾斜部
10、11 第2支持部
20 連結部100 洗浄液
101 洗浄槽
102 超音波振動子
103 被洗浄物
104、105 囲繞部付き洗浄用支持部材
18、19 囲繞部材
2、21、22、23、24、25、26、27、28 枠体
2a 内側面
2b 外側面
2c 上面
2d 下面
3、31、32、33、34、35、36、37 第1支持部
3a、32a 先端部
3b、32b 基部
4、41、42、43、44 脚部
5、51、54、55、56、57 保持部
6、61 第1スリット
7、71 第2スリット
8 貫通孔
9 傾斜部
10、11 第2支持部
20 連結部100 洗浄液
101 洗浄槽
102 超音波振動子
103 被洗浄物
104、105 囲繞部付き洗浄用支持部材
Claims (23)
- 枠体と、該枠体の内側面から前記枠体内に突出し、互いに離間して配置された、被洗浄物を支持するための複数の第1支持部とを備えてなる洗浄用支持部材であって、前記枠体の下面に互いに離間した複数の脚部を有する洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部の個数は、2個または3個である請求項1に記載の洗浄用支持部材。
- 前記枠体は、該枠体の上面に、前記被洗浄物を囲繞する、互いに離間した複数の保持部を有する、請求項1または請求項2に記載の洗浄用支持部材。
- 前記保持部は、前記枠体の外側面側端面の幅よりも前記枠体の内側面側端面の幅が狭い、請求項3に記載の洗浄用支持部材。
- 前記保持部は、前記枠体の内側面側端面から前記枠体の外側面側端面に向かって延びる第1スリットを備えてなる、請求項3または請求項4に記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部は、前記枠体の内側面から突出した先端部の幅が、前記枠体の内側面にある基部の幅よりも狭い、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部は、前記枠体の内側面から突出した先端部から前記枠体の内側面にある基部に向かって延びる第2スリットを備えてなる、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部は、厚み方向に貫通した貫通孔を備えてなる、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部は、前記第1支持部の上面と前記枠体の内側面または前記保持部とを接続する傾斜部を有する、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 複数の前記枠体が、平面状に配置されてなり、隣り合う前記枠体の外側面が互いに連結されてなる、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部の上面は、粗さ曲線における算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上1.3μm以下である、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第1支持部の上面は、粗さ曲線における25%の負荷長さ率での切断レベルと、前記粗さ曲線における75%の負荷長さ率での切断レベルとの差を表す、切断レベル差(Rδc)が0.2μm以上1.9μm以下である、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記枠体および前記脚部は、その少なくともいずれかの外側面に設けた第2支持部を有する、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の洗浄用支持部材。
- 前記第2支持部は、複数備えられ、互いに離間して配置されてなる、請求項13に記載の洗浄用支持部材。
- 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の洗浄用支持部材と、該洗浄用支持部材を取り囲む囲繞部材と、を備えてなる囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 少なくとも前記枠体を取り囲む前記囲繞部材の形状が環状または平板状である、請求項15に記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 前記囲繞部材は、前記枠体を取り囲む環状部と、該環状部の外周側に接続し、外方に向かって伸びる棒状部とを備えてなる、請求項15または請求項16に記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 前記棒状部は、第1棒状部と第2棒状部と備え、前記第1棒状部と前記第2棒状部とは前記環状部の径方向に伸びる同一仮想直線上に位置する、請求項17に記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 前記環状部の円周方向に垂直な断面は円状である、請求項18または請求項19に記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 前記棒状部の長手方向に垂直な断面は円状である、請求項17乃至請求項19のいずれかに記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 前記環状部と前記棒状部との接続部は、溶接部を備えている、請求項17乃至請求項20のいずれかに記載の囲繞部付き洗浄用支持部材。
- 洗浄用の純水または超純水が入れられた洗浄槽と、
該洗浄槽の底部に設置された超音波振動子と、
該超音波振動子で発生した超音波が照射される領域の前記洗浄槽の底部に載置される、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の洗浄用支持部材と、を備えてなる洗浄装置。 - 洗浄用の純水または超純水が入れられた洗浄槽と、
該洗浄槽の底部に設置された超音波振動子と、
該超音波振動子で発生した超音波が照射される領域の前記洗浄槽の底部に載置される、
請求項15乃至請求項21のいずれかに記載の囲繞部付き洗浄用支持部材と、を備えてなる洗浄装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019171605 | 2019-09-20 | ||
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JP2020157860A Pending JP2021049521A (ja) | 2019-09-20 | 2020-09-18 | 洗浄用支持部材、囲繞部付き洗浄用支持部材および洗浄装置 |
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