JP2021048840A - 竹炭入り珈琲豆、竹炭入り珈琲粉及び竹炭入り珈琲粉を含むドリップバッグ - Google Patents
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Abstract
Description
前記竹炭粉は、表面にプルラン、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガムから選択された少なくとも1種の中性多糖類又は珈琲成分でコーティングされたものからなり、
さらに、珈琲生豆又は前記珈琲生豆を200℃以下、より好ましくは190℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆の少なくとも一方が粉砕された低温焙煎珈琲粉が含まれている竹炭入り珈琲粉が提供される。
前記焙煎済珈琲豆と、前記珈琲生豆の残部をそのまま又は200℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆とを、それぞれ単独であるいは両者を同時に所定の粒度に粉砕する第3の工程と、前記第2の工程で得られた竹炭粉と前記第3の工程で得られた珈琲粉を所定の割合で混合する第4の工程と、を有する、竹炭入り珈琲粉の製造方法が提供される。なお、前記珈琲生豆の焙煎処理温度は190℃以下とすることがより好ましい。
[水]
各種実験例で使用する水としては、水道水中の塩素やミネラル分による影響を排除するため、全て超純水を用いた。
[珈琲豆]
各種実験例で使用する「予め所定の温度で焙煎処理された珈琲豆」の調製用珈琲生豆としては、ブラジルサントスを使用した。ブラジルサントスは、珈琲豆の種類の中でトリゴネリンの含有量が高く、焙煎方法をライト(一番温度が低く、焙煎時間が短い)にすれば溶出量が増えることが知られている。このブラジルサントスを温度約200℃で10分間焙煎した豆を、本発明の「予め所定の温度で焙煎処理された珈琲豆」として使用した。この珈琲豆の粒度としては、珈琲抽出用のフィルターペーパーを透過しないように、珈琲ミルでいわゆる中細挽きに挽いたものを使用した。以下、このようにして得られた珈琲粉を基準珈琲粉と称する。
[珈琲生豆]
珈琲生豆としては、上述のブラジスサントスの生豆を、そのまま珈琲抽出用のフィルターペーパーを透過しないように、珈琲ミルでいわゆる中細挽きに挽いたものを使用した。以下、このようにして得られた珈琲粉を基準珈琲生豆粉と称する。
竹炭は焼成温度で性質が異なり、600℃以下の低温焼成した竹炭は珈琲を淹れた際のまろやかとなる度合いが低く、900℃以上の高温で焼成したものは、電気伝導性も有しており、pHも高くなって竹炭は珈琲を淹れた際のまろやかになる度合いが大きい。ここでは、竹炭Aとして600℃〜900℃で低温焼成したものを径2〜3mmに粉砕したもの、竹炭Bとして同じく600℃〜900℃で低温焼成したものであるがより細かく微粉際したもの、竹炭Cとしては1100℃〜1200℃で高温焼成したものを径2〜3mmに粉砕したものを、それぞれ用いた。
プルランは、水飴を含む培地で微生物を培養することにより得られる水溶性の中性多糖類に属する成分であり、ここでは市販のもの(株式会社林原製)のものをそのまま使用した。プルランを竹炭粉にコーティングさせる際には、超純水にプルランを0.5質量%となるように溶解させた水溶液に、竹炭A〜Cをそれぞれ別個に一定の質量分浸漬し、1時間静置して竹炭A〜Cのそれぞれに吸着させ、濾紙で濾過した後、一晩常温で乾燥したものを使用した。
竹炭粉に珈琲成分をコーティングするための珈琲液としては、上述したブラジルサントスをいわゆる深煎りしたものを用い、さらにいわゆる細挽きに挽き、沸騰した超純水を用いて抽出した珈琲液を用いた。この珈琲液中に竹炭粉を分散させ、30分間煮詰めた後、濾紙で濾過し、その後一晩常温で乾燥したものを使用した。なお、深煎りした珈琲粉を用いた理由は、珈琲の油分を多く抽出し、竹炭粉に多くの珈琲の油分を吸着させるためである。
実験例1〜8では、上述のように予め所定の温度で焙煎処理されたブラジルサントス珈琲豆と、プルランでコーティング処理された竹炭A〜C、無処理の竹炭A〜C及び珈琲成分でコーティングした竹炭Cとを用い、密閉容器内で1日、2日、3日及び14日間保存した際の香りをそれぞれ市販の臭気測定器で測定した。その際、各種竹炭を用いる場合は珈琲豆50gに対して各種竹炭を10g添加し、竹炭を添加しない場合には珈琲豆50gをそのまま用いた。結果をそれぞれの実験例で用いた組成とともに纏めて表1に示した。なお、表1に示した数値は、実験例8の珈琲のみのデータを基準に、この数値に近いほど珈琲の香りの吸着が抑制されて良好な珈琲の香りを維持できていることを示している。
抽出した珈琲液中のトリゴネリン、クロロゲン酸及びカフェインの量の測定は、高速液体クロマトグラフィー法により、検出器の測定波長を256nmとしてチャートの面積を測定することにより行った。検量線は、予め定めた量のトリゴネリン、クロロゲン酸及びカフェインをそれぞれ個別に所定量の超純水に溶解してそれぞれの標準液を調製し、それぞれの標準液を適宜に超純水で希釈したものを用いて作成した。得られたトリゴネリンの検量線を図1Aに、クロロゲン酸の検量線を図1Bに、カフェインの検量線を図1Cにそれぞれ示した。なお、図1A〜図1Cにおける横軸の数値は、それぞれの場合で感度を変えて測定した数値である。
実験例9として、上述のようにして調製された基準珈琲粉8gと、基準珈琲生豆粉2gと、竹炭Cにプルランコーティング竹炭1.5gとをよく混合し、実験例9の珈琲粉末を調製した。この実験例9の珈琲粉末の全量をビーカーに入れ、沸騰した超純水150mlを注ぎ、10分間スターラーで撹拌して珈琲を抽出し、さらに濾紙で粉末成分を濾別して実験例9の珈琲を得た。この実験例9の珈琲について、高速液体クロマトグラフィーを用いてトリゴネリン含有量を測定した。この実験例9の測定は2回行い、平均値としてトリゴネリン含有量を求めた。結果を表2に纏めて示した。
参考のために、実験例10として、トリゴネリン高含有のテトラパック(登録商標名)式珈琲として市販されている株式会社澤井珈琲製のトリゴネ珈琲(登録商標名)をビーカーに入れ、沸騰した超純水150mlを注ぎ、10分間スターラーで撹拌して珈琲を抽出し、テトラパックを取り出して実験例10の珈琲を得た。その後、実験例9の場合と同様にして、速液体クロマトグラフィーを用いてトリゴネリン含有量を測定した。この実験例10の測定は2回行い、平均値としてトリゴネリン含有量を求めた。結果を表2に纏めて示した。
実験例11としては、高速液体クロマトグラフィーを用いて、実験例9で得られた珈琲中のクロロゲン酸及びカフェインの含有量を測定するとともに、上記の基準珈琲粉のみ(竹炭なし)を用いて抽出した珈琲中のクロロゲン酸及びカフェインの含有量を測定した。すなわち、上記の基準珈琲粉10gをビーカーに入れ、沸騰した超純水150mlを注ぎ、10分間スターラーで撹拌して珈琲を抽出し、さらに濾紙で粉末成分を濾別して実験例11の珈琲を得た。この実験例11の珈琲について、高速液体クロマトグラフィーを用いてクロロゲン酸及びカフェインの含有量を測定した。実験例9で得られた珈琲中のクロロゲン酸及びカフェインの含有量と、実験例11の珈琲中のクロロゲン酸及びカフェインの含有量とを纏めて表3に示した。
実験例12では、珈琲生豆の焙煎温度を180℃に変え、さらにプルランコーティング竹炭粉と珈琲粉の含有割合を変えた場合のトリゴネリン、カフェイン及びクロロゲン酸の抽出量の相違を、上述の基準珈琲生豆粉のみの場合と対比して、測定した。珈琲粉としてはブラジルサントスを温度180℃で10分間焙煎したものをいわゆる中細挽きに挽いたものをからなるものを用い、プルランコーティング竹炭粉としては上述の実験例5の場合と同様のプルランコーティング竹炭Cを用い、それぞれ質量比で0.5:9.5の割合で混合したものを炭入珈琲粉Iとし、同じく質量比で0.3:9.7の割合で混合したものを炭入珈琲粉IIとした。
実験例13では、珈琲粉のみ、コーティングあり竹炭含有珈琲豆粉、コーティングなし竹炭含有コーヒー粉の3種類のそれぞれを用いて抽出した珈琲について、計18人のパネラーにより官能評価を行った。なお、珈琲粉のみの試料は実験例8で用いたものと同様のものであり、コーティングあり竹炭含有珈琲豆粉は実験例5のものと同様のものであり、さらに、コーティングなし竹炭含有コーヒー粉は実験例6で用いたのと同様のものである。なお、それぞれの試料の珈琲の抽出は、実験例12の場合と同様にして行った。
以下、実施形態1として、竹炭入り珈琲豆の製造工程10を、図4を用いて詳細に説明する。まず、所定の珈琲生豆11を用意する。上記の実験例5では、トリゴネリン含有量が多いことが知られているブラジルサントスを用いた例が示されているが、他の一般的な産地の珈琲生豆、たとえば、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウン テン、コロンビア、タンザニア等の生豆を用いることができる。さらに、珈琲豆の品種としては、、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等を用いることができる。これらの珈琲生豆は、単一産地又は単一品種のものであっても、異なる産地や品種の ものを混合して用いることもできる。
さらに、実施形態2として、竹炭入り珈琲粉の製造工程30を、図5を用いて説明する。実施形態2で用いる珈琲生豆11、竹炭14、プルラン又は珈琲15は、実施形態1の場合と同様であり、また、珈琲生豆の焙煎工程12、低温焙煎工程13、竹炭の粉砕工程16及び竹炭のプルラン又は珈琲によるコーティング工程17も実施形態1の場合と同様であるので、それらの詳細な説明は省略する。そして、実施形態2では、焙煎工程12で焙煎された珈琲豆と、珈琲生豆又は低温焙煎珈琲豆とを、それぞれ個別の粉砕工程20、21で個別に所定の好みの粒度に粉砕する。このとき、両者を予め混合して同時に粉砕してもよい。なお、粉砕工程21における粉砕粒度は、トリゴネリン及びクロロゲン酸の抽出量を調節するために、粉砕工程20における粉砕粒度と異なっていてもよい。
12:焙煎工程 13:低温焙煎工程 14:竹炭
15:プルラン水溶液又は珈琲抽出液 16:竹炭粉砕工程
17:コーティング工程 18:混合工程
19:プルラン又は珈琲コーティング竹炭入り珈琲豆
20、21:粉砕工程 22:混合工程
23:竹炭入り珈琲粉(バルク珈琲粉)
24:ドリップバッグに封入されたドリップ式珈琲粉
30:実施形態2の竹炭入り珈琲粉の製造工程
Claims (9)
- 予め所定の温度で焙煎処理された珈琲豆と、竹炭粉とを含む竹炭入り珈琲豆であって、
前記竹炭粉は、表面にプルラン、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガムから選択された少なくとも1種の中性多糖類又は珈琲成分でコーティングされたものからなり、
さらに、珈琲生豆又は前記珈琲生豆を200℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする、竹炭入り珈琲豆。 - 前記竹炭粉は、1000〜1200℃の高温焼成処理された、粒径が0.5mm〜4mmのものであることを特徴とする請求項1に記載の竹炭入り珈琲豆。
- 予め所定の温度で焙煎処理された後に粉砕された珈琲粉と、竹炭粉とを含む竹炭入り珈琲粉であって、
前記竹炭粉は、表面にプルラン、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガムから選択された少なくとも1種の中性多糖類又は珈琲成分でコーティングされたものからなり、
さらに、珈琲生豆又は前記珈琲生豆を200℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆の少なくとも一方が粉砕された低温焙煎珈琲粉が含まれていることを特徴とする、竹炭入り珈琲粉。 - 前記竹炭粉は、1000〜1200℃の高温焼成処理された、粒径が0.5mm〜4mmのものであることを特徴とする、請求項3に記載の竹炭入り珈琲粉。
- 珈琲生豆の一部を予め所定の温度で焙煎処理して焙煎済珈琲豆を得る第1の工程と、
竹炭粉をプルラン、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガムから選択された少なくとも1種の中性多糖類の水溶液又は予め抽出した珈琲液中に浸漬し、竹炭粉の表面に前記中性多糖類又は前記珈琲成分をコーティングする第2の工程と、
前記焙煎済珈琲豆と、前記中性多糖類または珈琲成分を吸着させた竹炭粉と、前記珈琲生豆の残部をそのまま又は200℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆と、を所定の割合で混合することを特徴とする、竹炭入り珈琲豆の製造方法。 - 前記竹炭粉として、1000〜1200℃の高温焼成処理された、粒径が0.5mm〜4mmのものを用いることを特徴とする、請求項5に記載の竹炭入り珈琲豆の製造方法。
- 珈琲生豆の一部を予め所定の温度で焙煎処理して焙煎済珈琲豆を得る第1の工程と、
竹炭を予め粉砕して竹炭粉とし、前記竹炭粉をプルラン、タマリンドシードガム、グァーガム、ローカストビーンガムから選択された少なくとも1種の中性多糖類の水溶液又は予め抽出した珈琲液中に浸漬し、竹炭粉の表面に前記中性多糖類又は珈琲成分をコーティングする第2の工程と、
前記焙煎済珈琲豆と、前記珈琲生豆の残部をそのまま又は200℃以下の温度で焙煎処理した低温焙煎珈琲豆とを、それぞれ単独であるいは両者を同時に所定の粒度に粉砕する第3の工程と、
前記第2の工程で得られた竹炭粉と前記第3の工程で得られた珈琲粉を所定の割合で混合する第4の工程と、
を有することを特徴とする、竹炭入り珈琲粉の製造方法。 - 前記竹炭粉として、1000〜1200℃の高温焼成処理された、粒径が0.5mm〜4mmのものを用いることを特徴とする、請求項7に記載の竹炭入り珈琲粉の製造方法。
- 請求項3又は4に記載の竹炭入り珈琲粉が封入された、ドリップバッグ。
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JP2020157972A Pending JP2021048840A (ja) | 2019-09-18 | 2020-09-18 | 竹炭入り珈琲豆、竹炭入り珈琲粉及び竹炭入り珈琲粉を含むドリップバッグ |
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2020
- 2020-09-18 JP JP2020157972A patent/JP2021048840A/ja active Pending
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