以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
図1は、本発明に係るインターフェース回路10の構成を示すブロック図である。インターフェース回路10は、入力信号INの入力を受け、外部電源(図示せず)から供給された外部電源電圧Vextと、外部電源電圧Vextを電圧変換器等により変換(降圧)して生成された内部電源電圧Vintと、に基づいて出力信号OUTA及びOUTBを生成し、インターフェース出力信号として後段の回路(図示せず)に供給する。なお、内部電源電圧Vintは、外部電源電圧Vextを降圧して生成される電圧であり、インターフェース回路10の通常動作の状態において、外部電源電圧Vextよりも小さい(例えば、Vext>Vint>1/2Vext)。
入力信号INは、ローレベルにおいて接地電位を有し、ハイレベルにおいて外部電源電圧Vext(第1電圧)に応じた信号レベルを有する矩形波の信号である。出力信号OUTA及びOUTBは、ローレベルにおいて接地電位を有し、ハイレベルにおいて内部電源電圧Vint(第2電圧)に応じた信号レベルを有する矩形波の信号である。
インターフェース回路10は、第1インバータ11、第2インバータ12、第3インバータ13及びラッチ回路14を含む。
第1インバータ11は、相補的に動作するPチャネル型(第1導電型)のMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタMP1及びNチャネル型(第2導電型)のMOSトランジスタMN1から構成されている(以下、Pチャネル型のMOSトランジスタを「PMOSトランジスタ」、Nチャネル型のMOSトランジスタを「NMOSトランジスタ」と称する)。PMOSトランジスタMP1のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN1のドレイン端子と接続されている。PMOSトランジスタMP1のソース端子には外部電源電圧Vextが印加されている。NMOSトランジスタMN1のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP1及びNMOSトランジスタMN1は、高耐圧のトランジスタから構成されている。
第1インバータ11は、論理しきい値TH1を有する半導体論理ゲートである。論理しきい値TH1は、例えば第1インバータ11に印加される電源電圧の1/2倍、すなわち外部電源電圧Vextの電圧レベルの1/2倍の値を有する。第1インバータ11は、入力信号INの入力を受け、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH1以上である場合にはローレベル、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH1未満である場合にはハイレベルとなる第1出力信号S1を出力する。第1インバータ11は、上記の通り外部電源電圧Vext及び接地電位Vssの印加を受けて動作する。このため、第1出力信号S1は、ハイレベルにおいて第1電圧に応じた電位、ローレベルにおいて接地電位を有する矩形波となる。
第2インバータ12は、相補的に動作するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2から構成されている。PMOSトランジスタMP2のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN2のドレイン端子と接続されている。PMOSトランジスタMP2のソース端子には内部電源電圧Vintが印加されている。NMOSトランジスタMN2のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2は、高耐圧のトランジスタから構成されている。
第2インバータ12は、論理しきい値TH2を有する半導体論理ゲートである。論理しきい値TH2は、例えば第2インバータ12に印加される電源電圧の1/2倍、すなわち内部電源電圧Vintの電圧レベルの1/2倍の値を有する。第2インバータ12は、入力信号INの入力を受け、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH2以上である場合にはローレベル、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH2未満である場合にはハイレベルとなる第2出力信号S2を出力する。第2インバータ12は、上記の通り内部電源電圧Vint及び接地電位Vssの印加を受けて動作する。このため、第2出力信号S2は、ハイレベルにおいて第2電圧に応じた電位、ローレベルにおいて接地電位を有する矩形波となる。
第3インバータ13は、相補的に動作するPMOSトランジスタMP3及びNMOSトランジスタMN3から構成されている。PMOSトランジスタMP3のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN3のドレイン端子と接続されている。PMOSトランジスタMP3のソース端子には内部電源電圧Vintが印加されている。NMOSトランジスタMN3のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP3及びNMOSトランジスタMN3は、高耐圧のトランジスタから構成されている。
第3インバータ13は、論理しきい値TH3を有する半導体論理ゲートである。論理しきい値TH3は、例えば第3インバータ13に印加される電源電圧の1/2倍、すなわち内部電源電圧Vintの電圧レベルの1/2倍の値を有する。第3インバータ13は、第1出力信号S1の入力を受け、第1出力信号S1の信号レベルが論理しきい値TH3以上である場合にはローレベル、第1出力信号S1の信号レベルが論理しきい値TH3未満である場合にはハイレベルとなる第3出力信号S3を出力する。第3インバータ13は、上記の通り内部電源電圧Vint及び接地電位Vssの印加を受けて動作する。このため、第3出力信号S3は、ハイレベルにおいて第2電圧に応じた電位、ローレベルにおいて接地電位を有する矩形波となる。すなわち、第3出力信号S3は、入力信号INを信号レベルが第2電圧と接地電位との間で変化する信号に変換した信号となる。
ラッチ回路14は、NANDゲートND1及びNANDゲートND2から構成されている。NANDゲートND1の一方の入力端子は、第2インバータ12のPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2の接続端に接続されている。NANDゲートND1の他方の入力端子は、NANDゲートND2の出力端子に接続されている。NANDゲートND2の一方の入力端子は、NANDゲートND1の出力端子に接続されている。NANDゲートND2の他方の入力端子は、第3インバータ13のPMOSトランジスタMP3及びNMOSトランジスタMN3の接続端に接続されている。NANDゲートND1及びNANDゲートND2には、内部電源電圧Vintが印加されている。NANDゲートND1及びNANDゲートND2は、例えば夫々4個の低耐圧のトランジスタから構成されている。
ラッチ回路14は、第2出力信号S2及び第3出力信号S3の入力を受け、出力信号OUTA及びOUTBを生成する。すなわち、ラッチ回路14は、第2出力信号S2を第1ラッチ信号として取り込む一方、第3出力信号S3を第2ラッチ信号として取り込み、出力信号OUTA及びOUTBを夫々第1インターフェース出力信号及び第2インターフェース出力信号として出力する。図2は、第2出力信号S2及び第3出力信号S3の信号レベルと出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルとの関係を示す真理値テーブルである。
ラッチ回路14は、第2出力信号S2がローレベル(図中、‘L’として示す)で且つ第3出力信号S3がハイレベル(図中、‘H’として示す)の場合、ハイレベルの出力信号OUTA及びローレベルの出力信号OUTBを生成し、インターフェース出力信号として出力する。また、ラッチ回路14は、第2出力信号S2がハイレベルで且つ第3出力信号S3がローレベルの場合、ローレベルの出力信号OUTA及びハイレベルの出力信号OUTBを生成し、インターフェース出力信号として出力する。すなわち、ラッチ回路14は、第2出力信号S2及び第3出力信号S3のうち一方がローレベルである場合(第1状態)において、第2出力信号S2を反転させた信号レベルを有する出力信号OUTAと、第3出力信号S3を反転させた信号レベルを有する出力信号OUTBと、を生成し、インターフェース出力信号として出力する。
一方、第1状態の後、第2出力信号S2及び第3出力信号S3がともにハイレベルとなった場合(第2状態)において、ラッチ回路14は、その直前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルの状態を保持し、保持された信号レベルを有する出力信号OUTA及びOUTBをインターフェース出力信号として出力する。
次に、本発明のインターフェース回路10の動作について、図3〜図7を参照して説明する。
図3は、インターフェース回路10の通常動作の状態における入力信号IN、第1出力信号S1、第2出力信号S2、第3出力信号S3、出力信号OUTA及びOUTBの信号波形の例を示す図である。なお、上記の通り、内部電源電圧Vintは、外部電源電圧Vextを電圧変換器等により降圧して生成されるため、通常動作の状態において外部電源電圧Vextよりも小さい。
入力信号INは、ローレベルにおいて接地電位、ハイレベルにおいて外部電源電圧Vext(第1電圧)に応じた信号レベルを有する矩形波の信号である。第1出力信号S1は、入力信号INを反転した信号波形を有する矩形波となる。すなわち、入力信号IN及び第1出力信号S1は、相補的にハイレベル又はローレベルとなる。
第2出力信号S2は、入力信号INのハイレベルにおける信号レベルを内部電源電圧Vint(第2電圧)の電圧レベルに変化させ且つ反転させた信号波形を有する矩形波となる。第3出力信号S3は、第1出力信号S1のハイレベルにおける信号レベルを内部電源電圧Vintの電圧レベルに変化させ且つ反転させた信号波形を有する矩形波となる。すなわち、第3出力信号S3は入力信号INと同じ論理を有する信号(入力信号INがハイレベルの場合にはハイレベル、ローレベルの場合にはローレベル)となる。また、第2出力信号S2は入力信号INと逆の論理を有する信号(入力信号INがハイレベルの場合にはローレベル、ローレベルの場合にはハイレベル)となる。
出力信号OUTA及びOUTBは、図2で示した真理値テーブルに従った信号値を有する信号波形となる。すなわち、第2出力信号S2がローレベルで且つ第3出力信号S3がハイレベルの場合、出力信号OUTAはハイレベル、出力信号OUTBはローレベルとなる。第2出力信号S2がハイレベルで且つ第3出力信号S3がローレベルの場合、出力信号OUTAはローレベル、出力信号OUTBはハイレベルとなる。これにより、入力信号INと同じ論理を有する信号(入力信号INがハイレベルの場合にはハイレベル、ローレベルの場合にはローレベル)が出力信号OUTAとして生成される。また、入力信号INと逆の論理を有する信号(入力信号INがハイレベルの場合にはローレベル、ローレベルの場合にはハイレベル)が出力信号OUTBとして生成される。
次に、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して、各インバータの論理しきい値TH1〜TH3(以下、これらを総称して単に「論理しきい値TH」とも称する)のいずれをも下回った場合における、インターフェース回路10の動作について説明する。上記の通り、通常動作の状態において外部電源電圧Vextは内部電源電圧Vintよりも大きいが、外部電源を落とした直後や停電等が生じた場合に、外部電源電圧Vextの電位の低下と内部電源電圧Vinの電位の低下とに時間差が生じ、外部電源電圧Vextの電位が内部電源電圧Vinの電位を下回り、さらには論理しきい値THを下回る場合がある。なお、このような場合、外部電源電圧Vextの電圧レベルは実際には緩やかに低下して論理しきい値TH未満となるが、以下の説明では、説明の便宜上、ある時点を境に外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH未満に切り替わったものとして、各信号の信号波形の変化について説明する。
図4は、入力信号INがローレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH未満となった場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。一方、図5は、入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH未満となった場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。図中、区間T1(一点鎖線よりも左側の区間)は外部電源電圧Vextが論理しきい値TH以上である区間を示し、区間T2(一点鎖線よりも右側の区間)は外部電源電圧Vextが論理しきい値TH未満である区間を示している。
区間T1において、外部電源電圧Vextの電圧レベルは論理しきい値TH以上であるため、入力信号IN、第1出力信号S1、第2出力信号S2、第3出力信号S3、出力信号OUTA及びOUTBの信号波形は、図3に示した通常動作の状態における信号波形と同様となる。
区間T2において、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH未満になると、入力信号INは、ハイレベルの状態においても信号レベルが論理しきい値TH未満となる。インバータ11は、論理しきい値TH1以上の入力信号INが供給された場合にハイレベルの入力信号INが供給されたと判定し、論理しきい値TH1未満の入力信号INが供給された場合にはローレベルの入力信号INが供給されたと判定する。従って、区間T2の間、入力信号INの信号レベルは論理しきい値TH未満(すなわち、論理しきい値TH1未満)であるため、インバータ11は、ローレベルの入力信号INが供給されていると判定する。
インバータ11は、入力信号INがローレベルである場合、ハイレベルの第1出力信号S1を出力する。従って、第1出力信号S1は、区間T2の間ハイレベルとなる。もっとも、第1出力信号S1のハイレベルの状態における信号レベルは外部電源電圧Vextの電圧レベルと等しい。従って、第1出力信号S1の信号レベルは、区間T2の間、論理しきい値TH未満となる。
インバータ12は、論理しきい値TH2以上の入力信号INが供給された場合にハイレベルの入力信号INが供給されたと判定し、論理しきい値TH2未満の入力信号INが供給された場合にはローレベルの入力信号INが供給されたと判定する。上記の通り、区間T2の間、入力信号INの信号レベルは論理しきい値TH未満(すなわち、論理しきい値TH2未満)であるため、インバータ12は、ローレベルの入力信号INが供給されていると判定する。
インバータ12は、ローレベルの入力信号INが入力された場合、ハイレベルの第2出力信号S2を出力する。従って、第2出力信号S2の信号レベルは、区間T2の間、ハイレベルに固定される。なお、第2出力信号S2のハイレベルの状態における信号レベルは内部電源電圧Vintの電圧レベルと等しい。
インバータ13は、論理しきい値TH3以上の第1出力信号S1が供給された場合にハイレベルの第1出力信号S1が供給されたと判定し、論理しきい値TH3未満の第1出力信号S1が供給された場合にはローレベルの第1出力信号S1が供給されたと判定する。上記の通り、区間T2の間、第1出力信号S1の信号レベルは論理しきい値TH未満(すなわち、論理しきい値TH3未満)であるため、インバータ13は、ローレベルの第1出力信号S1が供給されていると判定する。
インバータ13は、ローレベルの第1出力信号S1が入力された場合、ハイレベルの第3出力信号S3を出力する。従って、第3出力信号S3の信号レベルは、区間T2の間、ハイレベルに固定される。なお、第3出力信号S3のハイレベルの状態における信号レベルは内部電源電圧Vintの電圧レベルと等しい。
上記の通り、第2出力信号S2及び第3出力信号S3は、区間T2の間、いずれもハイレベルに固定される。上記の通り、ラッチ回路14は、第2出力信号S2及び第3出力信号S3がともにハイレベルとなった場合(第2状態)、その直前の第2出力信号S2及び第3出力信号S3のうち一方がローレベルである状態(第1状態)における出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルの状態を保持し、保持された信号レベルを有する出力信号OUTA及びOUTBをインターフェース出力信号として出力する。
例えば、図4において、区間T1から区間T2へと移行する直前の出力信号OUTAはローレベルであるため、区間T2の間、当該信号レベルを保持し、ローレベルの出力信号OUTAをインターフェース出力信号として出力し続ける。また、区間T1から区間T2へと移行する直前の出力信号OUTBはハイレベルであるため、区間T2の間、当該信号レベルを保持し、ハイレベルの出力信号OUTBをインターフェース出力信号として出力し続ける。
一方、図5において、区間T1から区間T2へと移行する直前の出力信号OUTAはハイレベルであるため、区間T2の間、当該信号レベルを保持し、ハイレベルの出力信号OUTAをインターフェース出力信号として出力し続ける。また、区間T1から区間T2へと移行する直前の出力信号OUTBはローレベルであるため、区間T2の間、当該信号レベルを保持し、ローレベルの出力信号OUTBをインターフェース出力信号として出力し続ける。
図6は、図4に示したように入力信号INがローレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH未満となった後、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH以上となった場合の各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。図7は、図5に示したように入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH未満となった後、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH以上となった場合の各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。
図6及び図7中、区間T3は、区間T2の後、外部電源電圧Vextが再び論理しきい値TH以上となった区間(すなわち、論理しきい値TH1〜TH3のいずれをも上回る状態となった区間)を示している。区間T3において、入力信号INの信号レベルは、ハイレベルにおいて論理しきい値TH以上となる。同様に、第1出力信号S1の信号レベルも、ハイレベルにおいて論理しきい値TH以上となる。従って、第2出力信号S2は、入力信号INと逆の論理を有する信号となり、第3出力信号S3は、入力信号INと同じ論理を有する信号となる。これにより、区間T3において、入力信号INを反映した出力信号OUTA及びOUTBが生成され、インターフェース出力信号として出力される。
以上のように、本発明のインターフェース回路10では、外部電源電圧Vextの電圧レベルが各インバータの論理しきい値TH(TH1〜TH3)よりも低下した場合、ラッチ回路14が、外部電源電圧Vextが低下する前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを保持し、インターフェース出力信号として出力し続ける。従って、各インバータにおける誤判定(具体的には、論理しきい値THよりも低いハイレベルの信号をローレベルと判定すること)により生じるインターフェース回路の誤動作を防止することができる。
すなわち、インバータ12及びインバータ13において上記誤判定が生じることにより、第2出力信号S2及び第3出力信号S3はいずれもハイレベルとなるが、その前の状態における出力信号OUTA及びOUTBの値をラッチ回路14が保持し、インターフェース出力信号として出力し続けることにより、いったん入力信号INとインターフェース出力信号とを分断し、誤判定の結果が後段の回路へ伝播されることを防止することができるのである。
また、本発明によれば、誤作動を防止するため、インターフェース回路の他に遮断信号発生回路等の回路面積及び消費電力の大きい回路を別途設ける必要がない。従って、回路規模及び消費電力を抑えつつ、電源電圧の低下に伴う誤動作を防止することができる。
本発明のインターフェース回路10は、例えば外部からの入力信号によって2種類の回路ブロックの切り替えを行う回路において用いられる。図8に示すように、インターフェース回路10は、入力信号INの入力を受けて、出力信号OUTA(又はOUTB)をインターフェース出力信号としてセレクタSLに供給する。セレクタSLは、出力信号OUTA(又はOUTB)がハイレベルかローレベルかに応じて、回路ブロックCA及び回路ブロックCBの切り替えを行う。本発明のインターフェース回路10によれば、電源電圧の変動に伴うインバータの誤判定が生じた場合にも、誤判定の結果はセレクタSLに伝播されないため、セレクタSLは誤判定の影響を受けずに回路ブロックの切り替えを行うことができる。
また、本発明のインターフェース回路10は、例えば通常モード/テストモードの切り替えを行う回路において用いられる。図9に示すように、インターフェース回路10は、入力信号INの入力を受けて、出力信号OUTA(又はOUTB)をインターフェース出力信号としてセレクタSLに供給する。セレクタSLは、出力信号OUTA(又はOUTB)がハイレベルかローレベルかに応じて、通常モードにおける動作信号ASとテスト回路TCからのテスト信号TSとを切り替え、動作信号AS又はテスト信号TSを内部回路NCに供給する。本発明のインターフェース回路10によれば、電源電圧の変動に伴うインバータの誤判定が生じた場合にも、誤判定の結果はセレクタSLに伝播されないため、セレクタSLは誤判定の影響を受けずに通常モードとテストモードとの切り替えを行うことができる。
また、本発明ではインバータ12及びNANDゲートND1を接続する第1の信号ラインと、インバータ11、インバータ13及びNANDゲートND2を接続する第2の信号ラインと、の2本の信号ラインにより相補的に信号を伝達している。従って、1本の信号ラインで信号を伝達する場合には‘H’か‘L’の2種類の出力値しか取り得ないのに対し、本発明の構成によれば、4通りの出力値の組合せ(‘H’と‘H’、‘H’と‘L’、‘L’と‘H’、‘L’と‘L’)を得ることができる。そして、通常動作時に得られる出力値の組合せ(‘H’と‘L’、‘L’と‘H’)とは異なる出力値の組合せ(‘H’と‘H’)を利用して直前の値を保持することにより、電源電圧の変動に伴いインバータの誤判定が生じうる状況においても、入力信号を意図する通りに伝達して出力することが可能となる。
図10は、実施例2に係るインターフェース回路20の構成を示すブロック図である。インターフェース回路20は、実施例1のインターフェース回路10と同様、入力信号INの入力を受け、外部電源電圧Vext及び内部電源電圧Vintに基づいて出力信号OUTA及びOUTBを生成し、インターフェース出力信号として後段の回路に供給する。インターフェース回路20は、インバータ21及びラッチ回路24を含む。
インバータ21は、外部電源電圧Vextの電圧レベルの1/2倍の値である論理しきい値TH4を有する半導体論理ゲートであり、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH4以上である場合にはローレベル、入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH4未満である場合にはハイレベルとなる論理ゲート信号LSを出力する。インバータ21は、外部電源電圧Vext及び接地電位Vssの印加を受けて動作するため、論理ゲート信号LSは、ハイレベルにおいて外部電源電圧Vext(第1電圧)に応じた電位、ローレベルにおいて接地電位を有する矩形波となる。
ラッチ回路24は、NORゲートNR1及びNORゲートNR2から構成されている。ラッチ回路24は、論理ゲート信号LS及び入力信号INを第1ラッチ信号及び第2ラッチ信号として取込み、出力信号OUTA及びOUTBを出力する。
NORゲートNR1は、PMOSトランジスタMP4、PMOSトランジスタMP5、NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5から構成されている。PMOSトランジスタMP4及びNMOSトランジスタMN4は、高耐圧のトランジスタから構成されている。一方、PMOSトランジスタMP5及びNMOSトランジスタMN5は、低耐圧のトランジスタから構成されている。
PMOSトランジスタMP4のソース端子には、内部電源電圧Vintが印加されている。PMOSトランジスタMP4のドレイン端子は、PMOSトランジスタMP5のソース端子に接続されている。PMOSトランジスタMP5のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5の各々のドレイン端子に接続されている。NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP4のゲート端子及びNMOSトランジスタMN4のゲート端子は互いに接続され、入力信号INの入力を受ける。PMOSトランジスタMP5及びNMOSトランジスタMN5のゲート端子は互いに接続され、NORゲートNR2から出力信号OUTAの供給を受ける。
NORゲートNR2は、PMOSトランジスタMP6、PMOSトランジスタMP7、NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7から構成されている。PMOSトランジスタMP6及びNMOSトランジスタMN6は、高耐圧のトランジスタから構成されている。一方、PMOSトランジスタMP7及びNMOSトランジスタMN7は、低耐圧のトランジスタから構成されている。
PMOSトランジスタMP6のソース端子には、内部電源電圧Vintが印加されている。PMOSトランジスタMP6のドレイン端子は、PMOSトランジスタMP7のソース端子に接続されている。PMOSトランジスタMP7のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7の各々のドレイン端子に接続されている。NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP6のゲート端子及びNMOSトランジスタMN6のゲート端子は互いに接続され、インバータ21から論理ゲート信号LSの入力を受ける。PMOSトランジスタMP7及びNMOSトランジスタMN7のゲート端子は互いに接続され、NORゲートNR1から出力信号OUTBの供給を受ける。
ラッチ回路24は、論理しきい値(ラッチしきい値)TH5を有する半導体論理ゲートである。論理しきい値TH5は、NORゲートNR1及びNORゲートNR2に印加される内部電源電圧Vintの電圧レベルの1/2倍の値を有する。ラッチ回路24は、入力信号IN及び論理ゲート信号LSの入力を受け、出力信号OUTA及びOUTBを生成する。
図11は、入力信号IN及び論理ゲート信号LSの信号レベルと出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルとの関係を示す真理値テーブルである。入力信号IN及び論理ゲート信号LSの信号レベルが論理しきい値TH5よりも高い(ハイレベル)か、低い(ローレベル)かに応じて、かかる真理値テーブルに示す信号レベルの出力信号OUTA及びOUTBを生成する。
ラッチ回路24は、入力信号INがローレベル(図中、‘L’として示す)で且つ論理ゲート信号LSがハイレベル(図中、‘H’として示す)である場合、ローレベルの出力信号OUTA及びハイレベルの出力信号OUTBを出力する。一方、入力信号INがハイレベルで且つ論理ゲート信号LSがローレベルである場合、ハイレベルの出力信号OUTA及びローレベルの出力信号OUTBを出力する。また、入力信号INがローレベルで且つ論理ゲート信号LSがローレベルの場合、その直前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルの状態を保持し、保持された信号レベルを有する出力信号OUTA及びOUTBをインターフェース出力信号として出力する。
次に、本発明のインターフェース回路20の動作について図12〜図14を参照して説明する。
図12は、インターフェース回路20が通常動作する状態(すなわち、外部電源電圧Vextが低下していない状態)における入力信号IN、論理ゲート信号LS、出力信号OUTA及びOUTBの信号波形の例を示す図である。
入力信号INがハイレベル(Vextレベル)である場合、インバータ21は、ローレベルの論理ゲート信号LSを出力する。ラッチ回路24は、ハイレベルの入力信号IN及びローレベルの論理ゲート信号LSの入力を受け、ハイレベル(Vintレベル)の出力信号OUTA及びローレベルの出力信号OUTBを出力する。
一方、入力信号INがローレベルである場合、インバータ21は、ハイレベル(Vextレベル)の論理ゲート信号LSを出力する。ラッチ回路24は、ローレベルの入力信号IN及びハイレベルの論理ゲート信号LSの入力を受け、ローレベルの出力信号OUTA及びハイレベル(Vintレベル)の出力信号OUTBを出力する。
次に、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して、インバータ21の論理しきい値TH4及びラッチ回路24の論理しきい値TH5(以下、これらをまとめて論理しきい値THとも称する)を下回った場合における、インターフェース回路20の動作について説明する。
図13は、入力信号INがローレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH4及びTH5未満となった場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。
一方、図14は、入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH4及びTH5を下回った場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。
外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH(TH4及びTH5)を下回ると(図中、区間T2)、入力信号INは、ハイレベルの状態においても信号レベルが論理しきい値TH未満となる。インバータ21は、ローレベルの入力信号INが入力されていると判定し、ハイレベルの論理ゲート信号LSを出力する。しかし、論理ゲート信号LSの信号レベルは外部電源電圧Vextの電圧レベルと等しいため、論理しきい値TH未満となる。
ラッチ回路24には、論理しきい値TH未満の信号レベルを有する入力信号IN及び論理ゲート信号LSが入力される。従って、ラッチ回路24は、ローレベルの入力信号IN及び論理ゲート信号LSが入力されたと判定し、出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを、従前のレベルに保持する。
その後、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH(TH4及びTH5)を再び上回ると(図中、区間T3)、インターフェース回路20は通常の動作に戻り、ラッチ回路24は、図11の真理値表に従った出力信号OUTA及びOUTBの出力を行う。
以上のように、本実施例のインターフェース回路20では、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値THよりも低下した場合、ラッチ回路24が、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下する前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを保持し、インターフェース出力信号として出力し続ける。従って、電圧変動に伴う回路の誤動作を防止することができる。
また、本実施例のインターフェース回路20は、1つのインバータ(21)と及び1つのラッチ回路(24)から構成され、6個の高耐圧のトランジスタ(MP1、MN1、MP4、MN4、MP6及びMN6)及び4個の低耐圧のトランジスタ(MP5、MN5、MP7及びMN7)を含む。これに対して、実施例1のインターフェース回路10は、従って、3つのインバータ(11,12,13)と1つのラッチ回路(14)から構成され、各インバータを構成する計6個の高耐圧のトランジスタと、ラッチ回路を構成する8個の低耐圧のトランジスタとを含む。従って、本実施例のインターフェース回路20は、実施例1のインターフェース回路10と比べて、回路規模が小さい。
また、本実施例のインターフェース回路20は、インバータ21、NORゲートNR1及びNORゲートNR2の合計3個のゲートを含む。従って、第1インバータ11、第2インバータ12、第3インバータ13、NANDゲートND1及びNANDゲートND2という合計5個のゲートを含む実施例1のインターフェース回路10と比べて、ゲートの数が少ない。よって消費電力(動作電力、待機電力)を抑えることができる。
また、本実施例のインターフェース回路20では、入力信号INが出力信号OUTA及びOUTBとして出力されるまでに通過するゲートの段数が最大でも3段であるため、通過するゲートの段数が最大4段である実施例1のインターフェース回路と比べて、入力信号INが入力されてから出力信号OUTA及びOUTBが出力されるまでにかかる時間(遅延時間)が短い。
図15は、実施例3に係るインターフェース回路30の構成を示すブロック図である。インターフェース回路30は、実施例1のインターフェース回路10及び実施例2のインターフェース回路20と同様、入力信号INの入力を受け、外部電源電圧Vext及び内部電源電圧Vintに基づいて出力信号OUTA及びOUTBを生成し、インターフェース出力信号として後段の回路に供給する。
インターフェース回路30は、インバータ21及びラッチ回路34を含む。ラッチ回路34は、NORゲートNR3及びNORゲートNR4から構成されている。
NORゲートNR3は、PMOSトランジスタMP4、PMOSトランジスタMP5、NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5から構成されている。PMOSトランジスタMP4及びNMOSトランジスタMN4は、高耐圧のトランジスタから構成されている。一方、PMOSトランジスタMP5及びNMOSトランジスタMN5は、低耐圧のトランジスタから構成されている。
PMOSトランジスタMP5のソース端子には、内部電源電圧Vintが印加されている。PMOSトランジスタMP5のドレイン端子は、PMOSトランジスタMP4のソース端子に接続されている。PMOSトランジスタMP4のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5の各々のドレイン端子に接続されている。NMOSトランジスタMN4及びNMOSトランジスタMN5のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP4のゲート端子及びNMOSトランジスタMN4のゲート端子は互いに接続され、入力信号INの入力を受ける。PMOSトランジスタMP5及びNMOSトランジスタMN5のゲート端子は互いに接続され、NORゲートNR4から出力信号OUTAの供給を受ける。
NORゲートNR4は、PMOSトランジスタMP6、PMOSトランジスタMP7、NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7から構成されている。PMOSトランジスタMP6及びNMOSトランジスタMN6は、高耐圧のトランジスタから構成されている。一方、PMOSトランジスタMP7及びNMOSトランジスタMN7は、低耐圧のトランジスタからなる。
PMOSトランジスタMP7のソース端子には、内部電源電圧Vintが印加されている。PMOSトランジスタMP7のドレイン端子は、PMOSトランジスタMP6のソース端子に接続されている。PMOSトランジスタMP6のドレイン端子は、NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7の各々のドレイン端子に接続されている。NMOSトランジスタMN6及びNMOSトランジスタMN7のソース端子は接地され、接地電位Vssが印加されている。PMOSトランジスタMP6のゲート端子及びNMOSトランジスタMN6のゲート端子は互いに接続され、インバータ21から論理ゲート信号LSの入力を受ける。PMOSトランジスタMP7及びNMOSトランジスタMN7のゲート端子は互いに接続され、NORゲートNR3から出力信号OUTBの供給を受ける。
ラッチ回路34は、論理しきい値(ラッチしきい値)TH5を有する半導体論理ゲートである。本実施例のラッチ回路34は、低耐圧のトランジスタであるPMOSトランジスタMP5及びPMOSトランジスタMP7のソース端子に内部電源電圧Vintが印加され、高耐圧のトランジスタであるPMOSトランジスタMP4及びPMOSトランジスタMP6が出力電圧(OUTA及びOUTB)の出力ラインに接続されている点で、実施例2のラッチ回路24と異なる。
しかし、ラッチ回路34は、実施例2のラッチ回路24と同様、図11の真理値表に従って出力信号OUTA及びOUTBを出力する。すなわち、ラッチ回路34は、入力信号INがローレベルで且つ論理ゲート信号LSがハイレベルである場合、ローレベルの出力信号OUTA及びハイレベルの出力信号OUTBを出力する。一方、入力信号INがハイレベルで且つ論理ゲート信号LSがローレベルである場合、ハイレベルの出力信号OUTA及びローレベルの出力信号OUTBを出力する。また、入力信号INがローレベルで且つ論理ゲート信号LSがローレベルの場合、その直前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルの状態を保持し、保持された信号レベルを有する出力信号OUTA及びOUTBをインターフェース出力信号として出力する。
また、ラッチ回路34は、実施例2のラッチ回路24と同様、論理しきい値(ラッチしきい値)TH5を有する半導体論理ゲートである。従って、ラッチ回路34は、インターフェース回路20が通常動作する状態及び外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値THを下回った状態の双方において、実施例2のラッチ回路24と同様の動作を行う。すなわち、本実施例のインターフェース回路30では、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値THよりも低下した場合、ラッチ回路34が、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下する前の出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを保持し、インターフェース出力信号として出力し続ける。
従って、本実施例のインターフェース回路30によれば、電圧変動に伴う回路の誤動作を防止することができる。
図16は、実施例4に係るインターフェース回路40の構成を示すブロック図である。インターフェース回路40は、入力信号IN及び外部電源電圧Vextの入力を受け、外部電源電圧Vext及び内部電源電圧Vintに基づいて出力信号OUTBを生成し、インターフェース出力信号として後段の回路に供給する。インターフェース回路40は、インバータを有しない点、入力信号INに加えて外部電源電圧Vextがラッチ回路24に供給されている点、出力信号OUTAを後段の回路(インターフェース回路40の外部)に出力しない点で、実施例2のインターフェース回路20と異なる。
インターフェース回路40は、実施例2のインターフェース回路20と同様、NORゲートNR1及びNORゲートNR2から構成されるラッチ回路24を含む。もっとも、実施例2とは異なり、NORゲートNR2を構成するPMOSトランジスタMP6及びNMOSトランジスタMN6のゲート端子には、外部電源電圧Vextが印加される。
次に、本発明のインターフェース回路40の動作について図17〜図19を参照して説明する。
図17は、インターフェース回路40が通常動作する状態(すなわち、外部電源電圧Vextが低下していない状態)における入力信号IN、外部電源電圧Vext、出力信号OUTA及びOUTBの信号波形の例を示す図である。
インターフェース回路40の通常動作時において、外部電源電圧Vextは一定の電圧値(Vextレベル)をとる。従って、出力信号OUTAは、常にローレベル(Vssレベル)となる。一方、出力信号OUTBは、入力信号INとは逆位相で信号レベルが変化する信号(反対の論理を有する信号)となる。すなわち、出力信号OUTBは、入力信号INがハイレベル(Vextレベル)である場合にはローレベル(Vssレベル)、入力信号INがローレベル(Vssレベル)である場合にはハイレベル(Vintレベル)となる。
次に、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下してラッチ回路24の論理しきい値TH5を下回った場合における、インターフェース回路40の動作について説明する。
図18は、入力信号INがローレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH5未満となった場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。
外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH5を下回ると(図中、区間T2)、入力信号INは、その後ハイレベルの状態になっても信号レベルが論理しきい値TH未満となる。
ラッチ回路24には、論理しきい値TH5未満の信号レベルを有する入力信号IN及び外部電源電圧Vextが供給される。従って、ラッチ回路24は、ローレベルの入力信号IN及び外部電源電圧Vextが供給されたと判定し、出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを、従前のレベルに保持する。すなわち、出力信号OUTAはローレベル、出力信号OUTBはハイレベルとなる。
その後、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH5を再び上回ると(図中、区間T3)、インターフェース回路40は通常の動作に戻る。すなわち、出力信号OUTAはローレベルを維持し、出力信号OUTBは、入力信号INとは逆位相で信号レベルが変化する信号(反対の論理を有する信号)となる。
図19は、入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH5未満となった場合の、各信号の信号波形の例を示すタイムチャートである。
外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH5を下回ると(図中、区間T2)、入力信号INは、ハイレベルの状態においても信号レベルが論理しきい値TH未満となる。
ラッチ回路24には、論理しきい値TH5未満の信号レベルを有する入力信号IN及び外部電源電圧Vextが供給される。従って、ラッチ回路24は、ローレベルの入力信号IN及び外部電源電圧Vextが供給されたと判定し、出力信号OUTA及びOUTBの信号レベルを、従前のレベルに保持する。すなわち、出力信号OUTA及び出力信号OUTBは、いずれもローレベルとなる。
その後、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH5を再び上回ると(図中、区間T3)、インターフェース回路40は通常の動作に戻る。すなわち、出力信号OUTAはローレベルを維持し、出力信号OUTBは、入力信号INとは逆位相で信号レベルが変化する信号(反対の論理を有する信号)となる。
以上のように、本実施例のインターフェース回路40によれば、外部電源電圧Vextの電圧レベルが低下して論理しきい値TH5を下回った場合であっても、外部電源電圧Vextが低下する前の出力信号OUTBの信号レベルを保持し、インターフェース出力信号として出力し続ける。従って、電圧変動に伴う回路の誤動作を防止することができる。
また、本実施例のインターフェース回路40は、実施例2及び実施例3のインターフェース回路(20、30)とは異なり、インバータ21を含まない。従って、インターフェース回路40は、4個の高耐圧のトランジスタ(MP4、MN4、MP6及びMN6)及び4個の低耐圧のトランジスタ(MP5、MN5、MP7及びMN7)から構成される。このため、実施例2のインターフェース回路20及び実施例3のインターフェース回路30と比べて、さらに回路規模を縮小することができる。
また、本実施例のインターフェース回路40は、NORゲートNR1及びNORゲートNR2の合計2個のゲートを含む。従って、インバータ21、NORゲートNR1及びNORゲートNR2(又はNORゲートNR3及びNORゲートNR4)という合計3個のゲートを含む実施例2及び3のインターフェース回路と比べて、ゲートの数が少ない。よって消費電力(動作電力、待機電力)をさらに抑えることができる。
また、本実施例のインターフェース回路40では、入力信号INが入力されてから出力信号OUTBが出力されるまでに信号が通過するゲートの段数が最大2段であるため、通過するゲートの段数が最大3段である実施例2及び3のインターフェース回路と比べて、入力信号INが入力されてから出力信号OUTBが出力されるまでにかかる時間(遅延時間)をさらに短縮することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、内部電源電圧Vintが、外部電源電圧Vextを電圧変換器等により変換して生成された電圧である場合について説明した。しかし、これに限られず、外部電位Vextとは独立に生成されるものであってもよい。すなわち、入力信号INが入力される入力側の論理ゲートに印加される第1電圧と、後段の論理ゲートに印加される第2電圧とが独立した電圧値をとり、且つ第1電圧の電圧レベルが遮断又は第2電圧の電圧レベルよりも低くなり得る場合に広く適用が可能である。
また、上記実施例では、通常動作時において外部電源電圧Vextが内部電源電圧Vintよりも大きい例について説明した。しかし、外部電源電圧Vext及び内部電源電圧Vintは、通常動作時にほぼ同じ電位であってもよい。
また、上記実施例1では、第1インバータ11、第2インバータ12及び第3インバータ13を構成するトランジスタとして、いずれも高耐圧のトランジスタを用いる例について説明した。しかし、各インバータを構成するトランジスタの耐圧はこれに限られない。各インバータを構成するトランジスタは、少なくとも外部電源電圧Vext(第1電圧)及び内部電源電圧Vint(第2電圧)に耐え得る耐圧を有するものであれば良い。
また、上記実施例1では、第1〜第3インバータ(11〜13)が高耐圧のトランジスタから構成され、NANDゲートND1及びND2が低耐圧のトランジスタから構成されている例について説明した。また、実施例2〜4では、NORゲートNR1〜NR4が高耐圧のトランジスタ及び低耐圧のトランジスタの組み合わせにより構成される例について説明した。しかし、すべてのトランジスタを同じ耐圧のトランジスタにより構成しても良い。すなわち、本発明のインターフェース回路は、同じ耐圧のトランジスタを用いて構成しても良く、異なる耐圧のトランジスタを組み合わせて構成しても良い。
また、上記実施例では、各インバータ及びラッチ回路の論理しきい値が各インバータ及びラッチ回路に印加される電源電圧の電圧レベルの1/2倍である場合(すなわち、論理しきい値TH1及びTH4がVextの1/2倍、論理しきい値TH2、TH3及びTH5がVintの1/2倍である場合)を例として説明した。しかし、各インバータ及びラッチ回路の論理しきい値の値はこれに限られない。また、第1インバータ11、第2インバータ12及び第3インバータ13の論理しきい値は、それぞれ異なっていてもよいし、同じ値であっても良い。同様に、インバータ21及びラッチ回路24(34)の論理しきい値は、それぞれ異なっていてもよいし、同じ値であっても良い。第1インバータ11、第2インバータ12、第3インバータ13、インバータ21、ラッチ回路24及び34の論理しきい値は、少なくとも各インバータ及びラッチ回路に印加される電源電圧の電圧レベルよりも小さいものであればよい。
また、上記実施例では、ラッチ回路14がNANDゲートND1及びNANDゲートND2から構成される例について説明した。しかし、ラッチ回路14の構成はこれに限られず、例えばNORゲート等を用いてラッチ回路14を構成してもよい。
また、各ラッチ回路の動作に係る真理値テーブルは、図2及び図11に示したものに限定されない。例えば、図2の真理値テーブルでは、第2出力信号S2が‘L’で且つ第3出力信号S3が‘H’の場合に出力信号OUTAが‘H’で且つ出力信号OUTBが‘L’となり、第2出力信号S2が‘H’で且つ第3出力信号S3が‘L’の場合に出力信号OUTAが‘L’で且つ出力信号OUTBが‘H’となっている。しかし、これとは異なり、第2出力信号S2が‘L’で且つ第3出力信号S3が‘H’の場合に出力信号OUTAが‘L’で且つ出力信号OUTBが‘H’となり、第2出力信号S2が‘H’で且つ第3出力信号S3が‘L’の場合に出力信号OUTAが‘H’で且つ出力信号OUTBが‘L’となるようにラッチ回路14を構成しても良い。
また、上記実施例では、ラッチ回路14が出力信号OUTA及びOUTBを生成し、インターフェース出力信号として出力するものとして説明した。しかし、ラッチ回路14は、OUTA又はOUTBのうち少なくとも一方をインターフェース出力信号として後段の回路に供給するものであればよい。
また、上記実施例4のインターフェース回路40は、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下と入力信号INの信号レベルの低下とが同時に起きた場合だけでなく、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下が入力信号INの信号レベルの低下よりも先に起きた場合にも適用が可能である。例えば、入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの電圧レベルが論理しきい値TH5未満に低下し、その後に入力信号INの信号レベルが論理しきい値TH5未満に低下した場合には、出力信号OUTBの信号レベルはローレベルの状態で保持される。従って、出力信号OUTBの信号レベルの変化は、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下と入力信号INの信号レベルの低下とが同時に起きた場合と同様となる。
また、上記実施例1〜3のインターフェース回路10、20、30は、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下と入力信号INの信号レベルの低下とが同時に起きた場合だけでなく、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下が入力信号INの信号レベルの低下よりも先に起きた場合や、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下が入力信号INの信号レベルの低下よりも後に起きた場合(すなわち入力信号INの信号レベルの低下が外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下よりも先に起きた場合)のいずれにも適用が可能である。例えば、入力信号INがハイレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vextの及び入力信号INのレベルが論理しきい値未満に低下した場合には、出力信号OUTAはハイレベル、出力信号OUTBはローレベルの状態で信号レベルが保持される。同様に、入力信号INがローレベルであるタイミングにおいて、外部電源電圧Vext及び入力信号INのレベルが論理しきい値未満に低下した場合には、出力信号OUTAはローレベル、出力信号OUTBはハイレベルの状態で信号レベルが保持される。従って、出力信号OUTA及び出力信号OUTBの信号レベルの変化は、外部電源電圧Vextの電圧レベルの低下と入力信号INの信号レベルの低下とが同時に起きた場合と同様となる。
要するに、本発明に係るインターフェース回路(10)は、第1電圧(Vext)及び第2電圧(Vint)の印加を受け、入力信号(IN)に基づいてインターフェース出力信号(OUTA又はOUTB)を生成する。第1の半導体論理ゲート(11)は、第1電圧(Vext)が供給され、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH1)以上である場合にはローレベルの第1出力信号(S1)を出力し、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH1)未満である場合には第1電圧(Vext)に応じたハイレベルの第1出力信号(S1)を出力する。第2の半導体論理ゲート(12)は、第2電圧(Vint)が供給され、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH2)以上である場合にはローレベルの第2出力信号(S2)を出力し、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH2)未満である場合には第2電圧(Vint)に応じたハイレベルの第2出力信号(S2)を出力する。第3の半導体論理ゲート(13)は、第2電圧(Vint)が供給され、第1出力信号(S1)の信号レベルが論理しきい値(TH3)以上である場合にはローレベルの第3出力信号(S3)を出力し、第1出力信号(S1)の信号レベルが論理しきい値(TH3)未満である場合には第2電圧(Vint)に応じたハイレベルの第3出力信号(S3)を出力する。ラッチ回路(14)は、第2出力信号(S2)及び第3出力信号(S3)の入力を受けて第4出力信号(OUTA)と第5出力信号(OUTB)とを生成し、インターフェース出力信号として出力する。そして、ラッチ回路(14)は、第2出力信号(S2)及び第3出力信号(S3)のうち一方がローレベルである第1状態において、第2出力信号(S2)を反転させた信号レベルを有する第4出力信号(S4)と第3出力信号(S3)を反転させた信号レベルを有する第5出力信号(S5)とを生成し、第1状態の後、第2出力信号(S2)及び第3出力信号(S3)がともにハイレベルである第2状態に移行した場合、第2状態に移行する直前の第1状態における信号レベルを保持した第4出力信号(S4)及び第5出力信号(S5)を生成する、ことを特徴とするものである。
また、本発明に係るインターフェース回路(10,20,30)は、第1電圧(Vext)と接地電位(Vss)との間で信号レベルが変化する入力信号(IN)の入力を受け、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH2,TH4)以上である場合には信号レベルがローレベルとなり、入力信号(IN)の信号レベルが論理しきい値(TH2,TH4)未満である場合には信号レベルがハイレベルとなる論理ゲート信号(S2,LS)を出力する半導体論理ゲート(12,21)と、論理ゲート信号(S2,LS)を第1ラッチ信号として取り込む一方、入力信号(IN)を信号レベルが第2電圧(Vint)と接地電圧(Vss)との間で変化する信号に変換した信号(S3)、又は入力信号(IN)を第2ラッチ信号として取り込み、第1インターフェース出力信号(OUTA)及び第2インターフェース出力信号(OUTB)を出力するラッチ回路(14,24,34)と、を含む。ラッチ回路(14,24,34)は、第1ラッチ信号(S2,LS)及び第2ラッチ信号(S3,IN)のうち一方のみがローレベルである第1状態において、第1ラッチ信号(S2,LS)の信号レベルを反転させた信号レベルを有する信号を第1インターフェース出力信号(OUTA)として出力し、第2ラッチ信号の信号レベルを反転させた信号レベルを有する信号を第2インターフェース出力信号(OUTB)として出力する。ラッチ回路(14,24,34)は、第1ラッチ信号(S2,LS)及び第2ラッチ信号(S3,IN)がともにローレベル又はともにハイレベルである第2状態に第1状態から移行した場合、第2状態に移行する直前の第1状態における信号レベルを保持した第1インターフェース出力信号(OUTA)及び第2インターフェース出力信号(OUTB)の少なくとも一方を出力する、ことを特徴とするものである。