JP2021048377A - 積層型固体撮像装置 - Google Patents

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渡部 俊久
Toshihisa Watabe
俊久 渡部
悠葵 本田
Yuki Honda
悠葵 本田
俊希 新井
Toshiki Arai
俊希 新井
難波 正和
Masakazu Nanba
正和 難波
大竹 浩
Hiroshi Otake
浩 大竹
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Abstract

【課題】 高感度で、高画質な出力が得られる積層型固体撮像装置を提供する。【解決手段】 転送Tr(MT)、増幅Tr(MA)、リセットTr(MR)、行選択Tr(MS)の4Trで構成される各画素が2次元アレイ状に配列され、転送Trのソース部は、n−拡散層14aの上部がp+拡散層15で覆われた埋込み構造とされ、n−拡散層14aに隣接して一方のn+拡散層13aが配置されるとともに、p+拡散層15とn+拡散層13aの間に所定間隔が設けられ、n+拡散層13aは金属電極11を介して光電変換膜12に接続され、転送Trは、チャネル電位が埋込み拡散層14の空乏化電位以上となる電圧を転送Trのゲート18に印加して、ON状態が維持されるようにし、光電変換膜12を含む光電変換部の電荷がリセットされたとき、n+拡散層13aは埋込み拡散層14の空乏化電位にリセットされ、浮遊拡散層FDはリセット電源VRの電圧値に設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型固体撮像装置に関し、詳しくは、MOSトランジスタで構成した画素回路部上に光電変換部を積層した積層型固体撮像装置に関するものである。
CMOSイメージセンサー等の固体撮像素子の上部に光電変換膜を積層した積層型固体撮像装置では、光電変換膜と固体撮像素子の画素内トランジスタの拡散層を、画素電極を介して接続しているため、信号電荷を完全転送できないので、各画素回路は、一般に、増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、行選択トランジスタの3トランジスタ構成のものが使用されている(下記非特許文献1、2参照)。
このような構成では、画素信号は電圧として垂直信号線に読み出され、カラムごとに配置されたCDS回路およびAD変換器を介してチップ外部に出力される。
電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会 C12-13, 2016 集積化MEMSシンポジウム 24am2-E-5, 2016
しかしながら、画素が3トランジスタ構成とされた場合には、信号電荷が蓄積された浮遊拡散層の容量値は、リセットトランジスタの拡散層の容量と光電変換膜の容量を加算した合計値となり、光電変換膜の容量分だけ容量が増加するので、その分、変換ゲインが低下し、そのため感度が低下したり入力換算ノイズが増大したりする、といった問題が生じている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高感度とされ、高画質な出力が得られる積層型固体撮像装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る積層型固体撮像装置は、
転送トランジスタ、増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、および行選択トランジスタの4トランジスタにより構成される各画素が2次元アレイ状に配置され、
該転送トランジスタのソース部は、n拡散層の上部がp拡散層で覆われた埋込み構造とされ、該n拡散層に隣接してn拡散層が配置されるとともに、該p拡散層と該n拡散層の間に所定の間隔が設けられ、このn拡散層には金属電極を介して光電変換膜が接続され、
前記転送トランジスタは、チャネル電位が埋込み拡散層の空乏化電位以上となるような電圧を当該転送トランジスタのゲートに印加して、ON状態が維持されるようにし、
前記光電変換膜を含む光電変換部の電荷がリセットされた状態において、前記n拡散層と接続された当該光電変換膜は前記埋込み拡散層の空乏化電位にリセットされ、信号電荷が転送されて蓄積される浮遊拡散層は、前記リセットトランジスタのドレインに接続されたリセット電源の電圧値に設定されるように構成されてなることを特徴とするものである。
ここで、「光電変換部」とは、光電変換膜の他、上記n拡散層や、このn拡散層と光電変換膜とを電気的に接続する金属電極などを含んだ総称である。
また、前記転送トランジスタのゲートに印加される電圧が、当該積層型固体撮像装置の電源電圧であることが好ましい。
また、前記転送トランジスタのゲートに印加される電圧が、電源の電圧値よりも小さく、埋込み拡散層の空乏化電位よりも大きい値であることが好ましい。
さらに、前記画素のうち一列分の信号出力部が一の垂直信号線に接続され、各々の該垂直信号線に読出し回路が接続されてなることが好ましい。
本発明に係わる積層型固体撮像装置においては、転送トランジスタのチャネル電位が埋込み拡散層の空乏化電位以上となるような電圧を当該転送トランジスタのゲートに印加されて、ON状態が維持されるようになっており、n拡散層が完全空乏化する際の空乏化電位は転送トランジスタのチャネル電位以下となるようにn拡散層のnの濃度が設定されている。
画素リセットが完了した状態から1フレーム期間、光電変換膜で発生した電荷は逐次浮遊拡散層側に転送・蓄積された後、1水平走査期間内で、1フレーム期間に蓄積した信号電荷量に起因した出力を読み出すことで、高い変換ゲインによる高感度で高画質な画像出力が得られる。
本発明の実施形態1に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す図である。 本発明の実施形態1および実施形態2に係る積層型固体撮像装置の1水平走査期間における駆動クロックパターンを示すものである。 図1の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(1)の段階における電位分布を示すものである。 図1の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(2)の段階における電位分布を示すものである。 図1の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(3)の段階における電位分布を示すものである。 本発明の実施形態2に係る積層型固体撮像装置のうち、1画素、1列分の回路構成を示す図である。 図6の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(1)の段階における電位分布を示すものである。 図6の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(2)の段階における電位分布を示すものである。 図6の積層型固体撮像装置の信号読出し方法を説明するための電位分布図であり、図2に示す工程(3)の段階における電位分布を示すものである。
以下、本発明の実施形態に係る積層型固体撮像装置について図面を用いて説明する。
また、光電変換膜は横方向の抵抗値が非常に高く、画素間で信号電荷が混合される心配がないため、画素に区切る必要がなく、2次元平面状に配列された画素全面に積層されているものとする。
<実施形態1>
本実施形態1に係る積層型固体撮像装置の画素構成および信号読出し方法について、図1〜5を参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、読出し回路20、さらにはチップ外(素子外)のメモリ・演算手段30、31、32までを加えた構成を図1に示す。
この積層型固体撮像装置においては、撮像素子内(チップ内)に、各画素回路10、各画素列にこれら各画素回路10の出力部が接続される垂直信号線21と、この垂直信号線21に接続されるとともに、各画素列に配置された負荷トランジスタMLと、垂直信号線21からの信号を読み出す読出し回路20が配置されている。
また、この積層型固体撮像装置においては、撮像素子外(チップ外)に、デジタルCDS処理を行うための、信号用フレームメモリ30とリセット用フレームメモリ31、および信号用フレームメモリ30とリセット用フレームメモリ31の差分を演算する差分演算処理部32が配置されている。リセット用フレームメモリ31は、信号読出し時における現フレームの信号を格納するNフレームメモリ31aと、リセット時における、第Nフレームより1フレーム前の信号を格納するN−1フレームメモリ31bからなる。
また、上記各画素回路10は、転送トランジスタMT、増幅トランジスタMA、リセットトランジスタMR、および行選択トランジスタMSの4つのトランジスタを備えてなり、構成された画素(回路)が2次元平面上に配置されている。
転送トランジスタMTの一方の(ソース側の)n拡散層13aは金属電極11を介して光電変換膜12と接続されている。この一方の(ソース側の)n拡散層13aに隣接する、転送トランジスタMTのソース部であるn拡散層14aを、その上部がp拡散層15により被覆された埋込み構造とすることで埋込み拡散層14aが形成される。また、この一方の(ソース側の)n拡散層13aは、p拡散層15と、濃度勾配による内部電界を十分緩和するに足る間隔を空けて配されている。
この転送トランジスタMTのゲート18には、電源電圧VDDが印加されて、転送トランジスタMTがON状態に維持される状態とされている。なお、この転送トランジスタMTは、p型シリコンに形成されたnMOSトランジスタである。
また、転送トランジスタMTのドレイン部と、リセットトランジスタMRのソース部と、増幅トランジスタMAのゲート部が互いに接続されて、浮遊拡散層FDが形成されており、リセットトランジスタMRのドレイン部に、リセット電圧VRを印加するためのリセット電源が接続されている。
増幅トランジスタMAのソース部は行選択トランジスタMSのドレイン部に接続され、行選択トランジスタMSのソース部は画素回路10の出力部を介して垂直信号線21に接続される。また、この垂直信号線21は、各画素列に1つずつ配置された負荷トランジスタMLのドレイン部に接続されており、負荷トランジスタMLのソース部はアースに接続されている。なお、負荷トランジスタMLに印加するバイアス電圧はVAで表される。
画素回路10内の増幅トランジスタMAと、各画素列に1つずつ配置された負荷トランジスタMLとによりソースフォロワが形成されており、増幅トランジスタMAのドレイン部にはソースフォロワの電源VDDが接続されている。垂直信号線(ソースフォロワの出力)21は、読出し回路20の入力部に接続され、この垂直信号線(ソースフォロワの出力)21からの信号は、読出し回路20を介してチップ外に出力される。画素リセット動作が完了した状態から1フレーム期間、光電変換膜12で発生した電荷は逐次、浮遊拡散層FD側に転送され、この浮遊拡散層FDに蓄積された後、1水平走査期間内の1フレーム期間に蓄積された信号電荷量に基づく出力値を読み出すことで、高い変換ゲインによる、高感度で高画質な画像出力を得ることができる。
図2は、1水平走査期間に亘る駆動クロックパターンを示すものである。なお、図2において、RSは行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンを示し、RTはリセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンを示す。
以下、図1、2を用いて、1水平走査期間における信号読出しの動作過程を説明する。なお、実際の1水平走査期間では画素信号読出し、画素リセットの順で動作するが、ここでは、説明の便宜上、画素リセットの動作から先に説明する。また、以下の各番号(1)〜(3)は、図2の駆動クロックパターン図に付した各動作工程の番号(1)〜(3)に対応している。
(1)画素リセット動作
行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックRSを、Hレベルにして行選択トランジスタMSをON状態としておいて、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてON状態とし、画素回路10の浮遊拡散層FDを電位VRにリセットする。電位VRは通常の電源電圧VDDとする。
また、転送トランジスタMTのゲート18には、電源電圧VDDが印加されている。これにより、転送トランジスタMTはON状態を維持するように構成される。転送トランジスタMTのしきい値電圧をVTHとすると、転送トランジスタMTのチャネル電位はVDD−VTHとなるため、VR=VDDとしたときの、光電変換膜12が接続されたn拡散層13a〜埋込み拡散層14〜浮遊拡散層FDの電位分布は図3により表される。
埋込み拡散層14の空乏化電位Vdを、図3に示す如く、転送トランジスタMTのチャネル電位VDD−VTH以下、かつリセット電位VRよりも低くなるようにn拡散層14aの濃度を調整すると、リセット時には、光電変換膜12が接続されたn拡散層13aと浮遊拡散層FDは埋込み拡散層14によって電気的に分離され、n拡散層13aと接続された光電変換膜12は埋込み拡散層14の空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位VRにそれぞれリセットされる。
その後、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFF状態とし、このときの出力電圧を前述した読出し回路20で読み出す。所定時間経過後、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFF状態とし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
(2)信号電荷蓄積動作
上記(1)の画素リセット動作の工程で、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルに切替えてOFF状態とすると、図4に示す如く、光電変換膜12で発生した信号電荷が、逐次、浮遊拡散層FD側に転送されるように動作する。この結果、信号電荷は、浮遊拡散層FDと転送トランジスタMTのゲート18下の空乏層で構成される容量に蓄積されることになる。
(3)信号読出し動作
上記(1)の画素リセット動作が行われる水平走査期間から、1フレーム期間経過すると、浮遊拡散層FDと転送トランジスタMTのゲート18下の空乏層には図5に示すような信号電荷が蓄積される。1フレーム期間経過後の水平走査期間において、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをHレベルに切り替えてON状態とすると、図5に示すように、浮遊拡散層FDと転送トランジスタMTのゲート18下の空乏層で構成される容量に蓄積された電荷量の高さに相当する電圧VBが、増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLで構成されたソースフォロワによって垂直信号線21に読み出され、前述した読出し回路20で読み出される。
ここで、浮遊拡散層FDの容量と転送トランジスタMTのゲート18下の空乏層で構成される容量の合計容量値をCFDとし、電荷量をQsigとすると、上記電圧VBは、
VB=Qsig/CFD (A)
で表される。
なお、この信号読出し動作は、各水平走査期間内で画素リセット動作よりも前になされるので、アナログCDSによるリセットノイズ低減は適用できない。そこで、図1に示すように、撮像素子外(チップ外)にメモリ(信号用フレームメモリ30、リセット用フレームメモリ31)を配設しておき、リセット用フレームメモリ31のN−1フレームメモリ31bに格納された、N−1フレーム目のリセット時の出力電圧と、Nフレーム用の信号用フレームメモリ30に格納されたNフレーム目の信号読出し時の出力電圧とを、差分演算処理部32において差分演算を行う、デジタルCDSを行うようにしている。
<実施形態2>
本実施形態2に係る積層型固体撮像装置の画素構成および信号読出し方法について、図2、6〜9を参照して、以下に説明する。
なお、実施形態2に記載の装置の各部材のうち、実施形態1に記載の積層型固体撮像装置における部材に対応した部材については、図1に記載の装置における部材に付した符号に100を加えた符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る積層型固体撮像装置の1画素、1列分について、読出し回路120、さらには撮像素子外(チップ外)のメモリ・演算手段130、131、132まで加えた構成を図6に示す。
図6を図1と比べると明らかなように、実施形態2に係る積層型固体撮像装置の素子の画素構成は、基本的に実施形態1に係る積層型固体撮像装置の素子の画素構成と同様であるが、転送トランジスタMTは、電源電圧VDDではなく所定の電圧VTXがゲート118に印加されるように構成されており、これにより転送トランジスタMTがON状態に維持される状態とされている。ここで、電圧VTXは、電源電圧VDDよりも小さく、転送トランジスタMTのチャネル電位が埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりも大きい値となるように設定されている。この値は、固定とされていてもよいし、この範囲内で可変とされていてもよい。このような範囲に設定するのは、以下の理由による。
すなわち、電圧VTXは、転送トランジスタMTのチャネル電位を埋込み拡散層114の空乏化電位Vdの値に近づけて、信号電荷が、転送トランジスタMTのゲート118下の空乏層になるべく蓄積されないように設定することが望ましいが、その一方で、誤差によって転送トランジスタMTのチャネル電位がVdの値未満となることがないようにすることが肝要である、との理由による。
また、本実施形態に係る積層型固体撮像装置においても、1水平走査期間に亘る駆動クロックパターンが図2の如く示される。すなわち、行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロックパターンがRSとして、また、リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロックパターンがRTとして示されている。
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、1水平走査期間における信号読出しの動作過程が、図2及び図6を用いて説明される。すなわち、図2の駆動クロックパターン図に付した各動作工程の番号(1)〜(3)において、(1)は画素リセット動作の期間を示し、(2)は信号電荷蓄積動作の期間を示し、(3)は、信号読出し動作の期間を示す。この点において、上記実施形態1と同じである。
以下、実施形態2において、画素リセット動作の期間(1)は図7を用い、信号電荷蓄積動作の期間(2)は図8を用い、さらに信号読出し動作の期間(3)は図9を用いて、各々説明する。
(1)画素リセット動作
行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをHレベルにしてON状態としておいて、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをHレベルにしてON状態とし、画素回路110の浮遊拡散層FDを電位VRにリセットする。電位VRは通常の電源電圧VDDとする。
また、転送トランジスタMTのチャネル電位は、埋込み拡散層114の空乏化電位Vdと同じ電位であることが理想であるが、転送トランジスタMTのゲート118に印加する電圧の誤差により、転送トランジスタMTのチャネル電位が埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりも小さくなった場合には信号電荷を浮遊拡散層FD側に転送できなくなるので、余裕を見込んで、転送トランジスタMTのゲート118には、転送トランジスタMTのチャネル電位が埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりもわずかに大きくなるようなDC値である電圧VTXが印加されることが好ましい。すなわち、光電変換膜112で発生した信号電荷が、浮遊拡散層FD側に転送されるように動作するためには、転送トランジスタMTのチャネル電位が埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりも大きくなるような電圧VTXが必要である。
なお、埋込み拡散層114の空乏化電位Vdは通常小さくなるようにn拡散層114aの濃度が調整されているため、転送トランジスタMTのゲート118に印加するDC電圧VTXは、電源電圧VDDよりも小さくなる。
また、転送トランジスタMTのしきい値電圧をVTHとすると、転送トランジスタMTのチャネル電位はVTX−VTHとなるため、VR=VDDとしたときの、光電変換膜112が接続された、n拡散層113a〜埋込み拡散層114〜浮遊拡散層FDの電位分布は図7により表される。
埋込み拡散層114の空乏化電位Vdを、図7に示す如く、転送トランジスタMTのチャネル電位VTX−VTHやリセット電位VRよりも低くなるようにn拡散層114aの濃度を調整すると、リセット時には、光電変換膜112が接続されたn拡散層113aと浮遊拡散層FDは埋込み拡散層114によって電気的に分離され、n拡散層113aと接続された光電変換膜112は埋込み拡散層114の空乏化電位Vdに、また、浮遊拡散層FDはリセット電位VRに、それぞれリセットされる。
その後、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルにしてOFF状態とし、このときの出力電圧を前述した読出し回路120で読み出す。所定時間経過後、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをLレベルにしてOFF状態とし、1水平走査期間におけるリセット動作を終了する。
(2)信号電荷蓄積動作
上記(1)の画素リセット動作の工程で、リセットトランジスタMRを、ゲートに印加するクロックRTをLレベルに切替えてOFF状態とすると、図8に示す如く、光電変換膜112で発生した信号電荷が、逐次、浮遊拡散層FD側に転送されるように動作する。
転送トランジスタMTのチャネル電位VTX−VTHがリセット電位VRに近い場合は、実施形態1で説明した図4に示すように、信号電荷が浮遊拡散層FDと転送トランジスタMTのゲート118下の空乏層で構成される容量に蓄積されるが、本実施形態では、VTX−VTHが埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりもわずかに高く、リセット電位VRよりも十分低い電位に調整されているため、信号電荷は、図8に示すように、略浮遊拡散層FDのみに蓄積されると考えてよい。一例として、0.18μm CMOSイメージセンサープロセスで製造した画素において、図8に示すようなエネルギー準位となるようにVTXの電位を低く設定した(転送トランジスタMTのチャネル電位VTX−VTHが埋込み拡散層114の空乏化電位Vdよりわずかに高い)場合と、上記実施形態1の図4に示すようなエネルギー準位となるようにVTXの電位を高く設定した場合(例えばVDD)の各測定値から変換ゲインを算出すると、それぞれ56μV/電子、46μV/電子となり、VTXの電位を低く設定したときの方が浮遊拡散層FDに信号電荷が蓄積される量が多くなるため変換ゲインが高くなることが明らかである。
(3)信号読出し動作
上記(1)の画素リセット動作が行われる水平走査期間から、1フレーム期間経過すると、浮遊拡散層FDには図9に示すような信号電荷が蓄積される。1フレーム期間経過後の水平走査期間において、行選択トランジスタMSを、ゲートに印加するクロックRSをHレベルに切り替えてON状態とすると、図9に示すように、浮遊拡散層FDで構成される容量に蓄積された電荷量の高さに相当する電圧VCが、増幅トランジスタMAと負荷トランジスタMLで構成されたソースフォロワによって垂直信号線121に読み出され、前述した読出し回路120で読み出される。
ここで、浮遊拡散層FDで構成される容量の値をCFDとし、電荷量をQsigとすると、上記電圧VCは、
VC=Qsig/CFD (B)
で表される。
なお、この信号読出し動作は、1水平走査期間内で画素リセット動作よりも前になされるので、アナログCDSによるリセットノイズ低減を適用できない。そこで、図6に示すように、撮像素子外(チップ外)にメモリ(信号用フレームメモリ130、リセット用フレームメモリ131)を配設しておき、リセット用フレームメモリ131のN−1フレームメモリ131bに格納された、N−1フレーム目のリセット時の出力電圧と、信号用フレームメモリ130に格納されたNフレーム目の信号読出し時の出力電圧とを、差分演算処理部132において差分演算を行う、デジタルCDSを行うようにしている。
本発明の積層型固体撮像装置としては、上述した実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
上記各実施形態においては、各部材の動作についての指示信号が記載されていないが、実際には、CPUやメモリ等を含むコントローラから、各部材に対して指示信号が出力され、この指示信号に基づいて各部材の動作が行われる。
10、110 画素回路
11、111 金属電極
12、112 光電変換膜
13a、13b、113a、113b n拡散層
14、114 埋込み拡散層
14a、114a n拡散層
15、115 p拡散層
16、116 チャネル
18、118 ゲート
20、120 読出し回路
21、121 垂直信号線
30、130 信号用フレームメモリ
31、131 リセット用フレームメモリ
31a、131a Nフレームメモリ
31b、131b N−1フレームメモリ
32、132 差分演算処理部
MR リセットトランジスタ
MA 増幅トランジスタ
MS 行選択トランジスタ
MT 転送トランジスタ
ML 負荷トランジスタ
FD 浮遊拡散層
VTX 転送トランジスタMTのゲート118に印加するDC電圧
RT リセットトランジスタMRのゲートに印加するクロック
RS 行選択トランジスタMSのゲートに印加するクロック
VA 負荷トランジスタMLのゲートに印加するバイアス電圧
VR リセット電圧
VDD 電源電圧
Vd 埋込み拡散層14、114の空乏化電位
VB、VC 信号電圧

Claims (4)

  1. 転送トランジスタ、増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、および行選択トランジスタの4トランジスタにより構成される各画素が2次元アレイ状に配置され、
    該転送トランジスタのソース部は、n拡散層の上部がp拡散層で覆われた埋込み構造とされ、該n拡散層に隣接してn拡散層が配置されるとともに、該p拡散層と該n拡散層の間に所定の間隔が設けられ、このn拡散層には金属電極を介して光電変換膜が接続され、
    前記転送トランジスタは、チャネル電位が埋込み拡散層の空乏化電位以上となるような電圧を当該転送トランジスタのゲートに印加して、ON状態が維持されるようにし、
    前記光電変換膜を含む光電変換部の電荷がリセットされた状態において、前記n拡散層と接続された当該光電変換膜は前記埋込み拡散層の空乏化電位にリセットされ、信号電荷が転送されて蓄積される浮遊拡散層は、前記リセットトランジスタのドレインに接続されたリセット電源の電圧値に設定されるように構成されてなることを特徴とする積層型固体撮像装置。
  2. 前記転送トランジスタのゲートに印加される電圧が、電源電圧であることを特徴とする請求項1に記載の積層型固体撮像装置。
  3. 前記転送トランジスタのゲートに印加される電圧が、電源電圧の値よりも小さく、前記埋込み拡散層の空乏化電位よりも大きい値であることを特徴とする請求項1に記載の積層型固体撮像装置。
  4. 前記画素のうち一列分の信号出力部が一の垂直信号線に接続され、各々の該垂直信号線に読出し回路が接続されてなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の積層型固体撮像装置。
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