JP2021046724A - 建物の設計方法と建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の任意の位置における壁の壁厚が大きくなる場合に対応して、住宅設備・通路・建具を設けるための有効内法寸法を確保できるようにする。
【解決手段】建物の平面プラン上の任意の位置に配置される壁11・12の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁11・12が沿う基準線に対し一側方又は他側方におけるモジュールとして、例えば基準寸法910mmよりも大きい967mmの拡幅モジュールを設定してモジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、平面プランにおける第一方向、又は第一方向に直交する第二方向に連続して適用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の設計方法及び建物に関する。
本出願人は、特許文献1において、建物の基準寸法である基本モジュールに従った平面仮想グリッドに応じて配置される柱や梁などの基本架構によって構築される木造建物を提案した。
ところで、非耐火構造の木造建物において、建物内部の間仕切壁は、柱を挟んでその両面に石膏ボードを貼ることによって構成されることがある。そして、この場合、例えば105mm角の柱と、厚さ12.5mmの石膏ボードであった場合の壁厚は130mmとなる。
ところが、木造耐火建物においては、図10に示すように、建物内部の間仕切壁90の場合、強化石膏ボードを2枚重ねて耐火構造とすることがある。例えば105mm角の柱91を挟んでその両側に厚さ21mmの強化石膏ボード92を2枚重ねてそれぞれ貼った場合、この耐火構造の壁厚は189mmとなる。また、外壁の場合は、屋外側の構成が異なるのみで、屋内側に同じく厚さ21mmの強化石膏ボード92を2枚重ねて貼ることで耐火構造とする場合は、同様に壁厚が大きくなっていた。
特許第5902530号公報
しかし、例えばモジュール910mmで木造耐火構造にした場合、壁厚が大きくなることから階段幅や廊下幅が狭く、建築基準法上の幅750mm以上を確保できない。
図11は階段100の納まりで法令違反を指摘するもので、1モジュール910mmで耐火構造の壁厚189mmによる間仕切壁90を配置すると、図示のように、階段100の幅が721mmとなってしまい、建築基準法上の幅750mmに対し寸法不足で法令違反となる。
また、壁厚が大きくなることで、法令違反に限らず、設備配置上の不都合も生じることがある。
図12は浴室に対する特定のユニットバス110の納まりで寸法不足を指摘するもので、2モジュール1820(910+910)mmで耐火構造の壁厚189mmによる間仕切壁90を配置すると、図示のように、内法1631となってしまい、特定のユニットバス110に必要な内法1670mm以上に対し寸法不足でユニットバス110が入らなくなる。
同様に、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備が配置できない場合もある。
また、1モジュール910mmで耐火構造の壁厚189mmによる間仕切壁70を配置すると、トイレ、窓サッシやドアなどの建具に対し幅が狭くなってしまい、場合によっては使用上差し支える難がある。
このように、壁厚が大きくなる耐火構造において、従来は、例えばモジュール910mm(三尺)のまま柱をグリッドの中途部分までずらしたり、全体を例えば1000mm(メーターモジュール)と広くしていた。
しかしながら、グリッドの中途部分まで柱をずらした場合、隣接する室等もずれた配置となることから、隣接する室等の必要な寸法を確保するため、隣接する室等を挟んで配置される柱もグリッドの中途部分の配置となり、このようなグリッドの中途部分の基本架構の配置が増加すると設計上不都合がある。
また、例えば1000mm(メーターモジュール)では、必要のない部分まで広くなり、敷地の有効活用に難があった。
以上のような耐火構造の問題は、間仕切壁の壁厚が大きくなる遮音構造の場合にも同様にある。
本発明の課題は、建物の任意の位置における壁の壁厚が大きくなる場合に対応して、住宅設備・通路・建具を設けるための有効内法寸法を確保できるようにすることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3、図9に示すように、
設計上の基準となるモジュールに従って壁を配置して建物の平面プランを設計する方法であって、
前記平面プランには、第一方向と、当該第一方向に直交する第二方向とがあり、これら第一方向及び第二方向に沿って設計上の基準線が複数引かれ、当該複数の基準線に沿って前記壁が配置可能とされており、
前記複数の基準線同士の間隔が前記モジュールとされ、
前記モジュールには、設計時の基準寸法(例えば910mm)となる基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い(例えば967mm)の拡幅モジュールと、が含まれており、
前記平面プラン上の任意の位置に配置される前記壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32が沿う前記基準線に対し一側方又は他側方における前記モジュールとして、前記拡幅モジュールを設定して前記モジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、前記平面プランにおける前記第一方向又は前記第二方向に連続して適用することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物の平面プラン上の任意の位置に配置される壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32が沿う基準線に対し一側方又は他側方におけるモジュールとして、例えば967mmの拡幅モジュールを設定してモジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、平面プランにおける第一方向、又は第一方向に直交する第二方向に連続して適用している。
これにより、建物の任意の位置における壁11・12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、住宅設備(ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなど)・通路(階段6、廊下4・25・35など)・建具(窓サッシやドア16など)を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火や遮音のために壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、例えば間仕切壁12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記拡幅モジュールは、前記基本モジュールを所定の正の偶数(例えば16)で分割して算出された数値(例えば56.875mm)を、前記基準寸法(例えば910mm)に加算して算出された数値に近似する長さ(例えば967mm)に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、基本モジュール(例えば910mm)を所定の正の偶数(例えば16)で分割して算出された数値(例えば56.875mm)を、基準寸法(例えば910mm)に加算して算出された数値に近似する長さ(例えば967mm)に設定された拡幅モジュールなので、正の偶数は奇数よりも割りやすく、設計や施工が行いやすくなる。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32で囲まれる部分に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置でき、また、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備も配置できる。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32は、複数の柱11a・12a・22a・32aを含んで構成されており、
前記複数の柱11a・12a・22a・32aを、前記第一方向及び前記第二方向に沿って引かれた前記複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32に含まれる複数の柱11a・12a・22a・32aを、第一方向及び直交する第二方向に沿って引かれた複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することで、隣り合う柱11a・12a・22a・32a同士の間隔が広くなり、その複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置された柱11a・12a・22a・32aの間に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置できる。
請求項4に記載の発明は、
請求項1から3のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図4、図5、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)を設けることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)を納めることができる。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分にユニットバス8を納めることができる。
請求項5に記載の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間を通路(例えば階段6、廊下4・25・35など)とすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間を通路(例えば階段6、廊下4・25・35など)とすることができる。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分に、建築基準法上の幅750mmを満たして階段6を配置できる。
請求項6に記載の発明は、
請求項3に記載の建物の設計方法において、例えば図6に示すように、
前記複数の柱12a同士の間に開口部15を形成し、当該開口部15に建具16を設けることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32に含まれる複数の柱11a・12a・22a・32aを、第一方向及び直交する第二方向に沿って引かれた複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置したことにより、隣り合う柱11a・12a・22a・32a同士の間隔が広くなっており、壁厚を大きく設定しても、その壁厚を大きく設定した壁12に含まれる複数の柱12a同士の間に形成した開口部15の開口幅が狭くならない。したがって、その開口部15に、通常の規格の建具16を設けることができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5、図9に示すように、
設計上の基準となるモジュールに従って壁が配置された建物であって、
前記モジュールには、基準寸法である基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれ、
前記拡幅モジュールは、建物の開口方向又は奥行き方向に連続して適用されており、
任意の位置に配置される前記壁の壁厚が大きく設定されたものである場合に、当該壁厚が大きく設定された壁が沿う前記モジュールとして前記拡幅モジュールが設定され、前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32は、その拡幅モジュールに沿って配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、壁厚が大きく設定された複数の壁11・12・22・32が拡幅モジュールに沿って配置されているので、住宅設備(ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなど)・通路(階段6、廊下4・25・35など)・建具(窓サッシやドア16など)を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火や遮音のために壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、例えば間仕切壁12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
請求項8に記載の発明は、
請求項7に記載の建物において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32は、複数の柱11a・12a・22a・32aを含んで構成されており、
前記複数の柱11a・12a・22a・32aは、隣り合う前記柱11a・12a・22a・32aにおける柱芯同士の間隔が前記拡幅モジュールの寸法分離間して配置されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32に含まれる複数の柱11a・12a・22a・32aは、隣り合う柱11a・12a・22a・32aにおける柱芯同士の間隔が拡幅モジュールの寸法分離間して配置されているので、隣り合う柱11a・12a・22a・32a同士の間隔が広くなり、その間隔が拡幅モジュールの寸法分離間して配置された柱11a・12a・22a・32aの間に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドアなどの建具の幅を確保して配置できる。
請求項9に記載の発明は、
請求項7又は8に記載の建物において、例えば図1、図5、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)が配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)を納めることができる。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分にユニットバス8を納めることができる。
請求項10に記載の発明は、
請求項7から9のいずれか一項に記載の建物において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間に通路(例えば廊下4・25・35など)が配置されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間に通路(例えば廊下4・25・35など)を配置することができる。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分に、建築基準法上の幅750mmを満たして階段6を配置できる。
請求項11に記載の発明は、
請求項8に記載の建物において、例えば図6に示すように、
前記複数の柱12a同士の間に開口部15が形成されており、当該開口部15に建具16が配置されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、複数の柱12a同士の間に形成された開口部15に建具16を配置することができる。
本発明によれば、建物の任意の位置における壁の壁厚が大きくなる場合に対応して、住宅設備・通路・建具を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
本発明に係る設計方法による建物の例を示す1階間取り平面プラン図である。 同じく2階間取り平面プラン図である。 同じく3階間取り平面プラン図である。 階段の納まりを示す拡大平面プラン図である。 住宅設備の納まりを示す拡大平面図である。 建具の納まりを示す拡大平面図である。 建物の設計システムを示すブロック構成図である。 図7の制御部による平面プラン作成の制御を示すフローチャートである。 変形例の1階間取り平面プラン図である。 間仕切壁の耐火構造例を示す横断平面図である。 階段の納まりで法令違反を指摘する概略平面図である。 浴室に対する特定のユニットバスの納まりで寸法不足を指摘する概略平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態)
図1は本発明に係る設計方法による建物の例として1階間取り平面プランを示すもので、1はポーチ、2は玄関、3は玄関収納、4は廊下、5はトイレ、6は階段、7は洗面室、8はユニットバス、9は車庫、10は外部収納である。
図示のように、右下側のポーチ1から上側に玄関収納2及びその左側の玄関収納3が、その上側に廊下4が、その上側にトイレ5及び階段6が配置されており、その左側に洗面室7が、さらに、その左側にユニットバス8が配置されている。また、洗面室7の下側で玄関収納3及び廊下4の左側に車庫9が配置されており、車庫9には、洗面室7の左側でユニットバス8の下側に位置する外部収納10が設けられている。
図示例では、平面プランにおいて、モジュール寸法を併記したように、横方向のX方向が、図中左側から基準線(柱や壁の中心線を結ぶ通り芯)の間隔が基準寸法910mmの基準モジュールが順に四つ続いて、その図中右側に基準寸法よりも長い967mmの拡幅モジュールが順に三つ続いている。
そして、縦方向のY方向が、図中上側から基準寸法よりも長い967mmの拡幅モジュールが順に三つ続いて、その図中下側に基準線の間隔が基準寸法910mmの基準モジュールが順に四つ続いて、図中下側端が455mmのサブモジュールとなっている。
基準線の間隔が基準寸法910mmの基準モジュール部分は、サブモジュールを1/2の455mm、1/4を227.5mmとし、227.5mm、455mm、682.5mm、910mmのように、227.5mmの倍数系列で平面モジュールを構成している。
図示のように、1階の柱は基準線同士の交点にそれぞれ配置されており、この1階の柱の上端や柱の上部間に図示しない梁がそれぞれ架設されている。
ところで、一般仕様に比べ耐火仕様は壁厚が厚くなるため、有効内法寸法が狭くなる。
その際、モジュール910mmで全て設計すると、下記項目で不都合が発生する。
1)住宅設備(ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなど)が配置できない。
2)階段幅が法令で定めた幅(750mm)を満たせない。
3)1モジュール幅の廊下4、トイレ5、窓サッシ、ドアが狭く、場所によっては使用上差し支える。
以上、1)〜3)の不都合を解決するために、部分的に基準寸法よりも長い967mmの拡幅モジュールを使用する。
ここで、967mmとは、基準寸法910mmを奇数よりも割りやすい正の偶数16で分割した1/16モジュールである56.875mmを丸めた数値57mmを、基準寸法910mmに加えたもので、通常壁厚さ130mmと耐火壁厚さ189mmの差59mmとも近似値となる。
したがって、967mmの拡幅モジュールは、1+1/16基本モジュール、すなわち、17/16基本モジュールである。
967mmの拡幅モジュールにする範囲は、1モジュール分だけに限らず、連続して必要な範囲を967mmの拡幅モジュールにする。
図示例の1階間取り平面プランにおいて、右上側のトイレ5及び折り返し式の階段6は、X方向967mmの拡幅モジュール×2でY方向967mmの拡幅モジュール×3の範囲に配置されている。
また、図示左上側のユニットバス8は、X方向910mmの基準モジュール×2でY方向967mmの拡幅モジュール×2の範囲に配置されている。
すなわち、木造耐火建物のため、外壁11は、複数の柱11aを有し、その柱11aの内部側に厚さ21mmの強化石膏ボード11b(図略)を2枚重ねて貼った壁厚の大きなものである。
同様に、木造耐火建物のため、建物内部の耐火間仕切壁12は、複数の柱12aを有し、その柱12aの内外両側に厚さ21mmの強化石膏ボード12b(図6参照)を2枚重ねてそれぞれ貼った大きな壁厚189mmのものとなっている(図10参照)。
トイレ5は、折り返し式の階段6を構成する上階側直階段の下方において、外壁11と耐火間仕切壁12の間で、廊下4側のさらに大きな壁厚の耐火間仕切壁13に囲まれている。
折り返し式の階段6は、内部側に壁厚を大きくした外壁11の出隅部と耐火間仕切壁12に囲まれて、その折り返しの1階側及び2階側の直階段部分が耐火間仕切壁12で仕切られている。
そして、ユニットバス8は、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と、車庫9に開口する外部収納10に対し内部側に壁厚を大きく設定した外壁11とに囲まれて、入口に隣接する間仕切壁14は、その内外両面に厚さ12.5mmの石膏ボードを貼った通常の壁厚130mmのものとなっている。
図2は2階間取り平面プランを示すもので、図示のように、2階の柱も基準線同士の交点にそれぞれ配置されており、この2階の柱は、1階の柱上にそれぞれ結合されていて、1階の柱と同様、2階の柱の上端や柱の上部間にも図示しない梁がそれぞれ架設されている。
また、前述したように、1階の拡幅モジュールが同様に2階にも同列で拡幅モジュールが適用されている。すなわち、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、2階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなる。
図示例において、階段6から続く廊下25からキッチン26及びパントリー27とリビングダイニング28に分けられており、リビングダイニング28から行き来するバルコニー29が設けられている。
階段6は、1階と同様、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁22に囲まれて、その折り返しの2階側及び3階側の直階段部分が耐火間仕切壁22で仕切られている。
なお、廊下25とパントリー27の間は、耐火間仕切壁22で仕切られて、廊下25とリビングダイニング28との間は、さらに大きな壁厚の耐火間仕切壁23で仕切られている。
図3は3階間取り平面プランを示すもので、図示のように、3階の柱も基準線同士の交点にそれぞれ配置されており、この3階の柱は、2階の柱上にそれぞれ結合されていて、1・2階の柱と同様、3階の柱の上端や柱の上部間にも図示しない梁がそれぞれ架設されている。
また、前述したように、1・2階の拡幅モジュールが同様に3階にも同列で拡幅モジュールが適用されている。すなわち、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、3階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなる。
図示例において、階段6から続く廊下35からトイレ36と主寝室37と仕切壁なしの子供室38とに分けられており、主寝室37の廊下35側に収納39が設けられている。
階段6の上方は、1・2階と同様、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁32に囲まれて、3階側直階段の上方が耐火手摺壁33で仕切られている。
廊下35と主寝室37の収納39との間は、耐火間仕切壁32で仕切られている。
トイレ36は、階段6に隣接する耐火間仕切壁32と子供室38との間の耐火仕切壁32と外壁11とに囲まれている。
図4は階段6の納まりを示すもので、図示のように、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12・22・32の間において、折り返し式の階段6は、建築基準法上の幅750mm以上の幅778mmで、省令準耐火等の場合の内々寸法と同等となっている。
すなわち、図1に示すように、折り返し式階段6の1階部分において、1階側直階段は、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12の間において、幅778mmとなっている。
また、2階側直階段は、同様に、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12・22と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
同様に、1階側直階段と2階側直階段との間の踊り場も、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12端部と内部側に壁厚の大きい外壁11との間において、幅778mmとなっている。
同様に、図2に示すように、折り返し式階段6の2階部分において、2階側直階段は、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁22の間において、幅778mmとなっている。
また、3階側直階段は、同様に、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁22と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
同様に、2階側直階段と3階側直階段との間の踊り場も、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁22端部と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
図5は住宅設備の一つとして浴室に対する特定のユニットバス8の納まりを拡大して示すもので、図示のように、Y方向に二つの967mmの拡幅モジュールで配置された内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の間において、ユニットバス8の設置に必要な内法1670mm以上の内法1688mmとなっているので、その間にユニットバス8を納めることができる。
上記ユニットバス8の例では、Y方向2モジュール分を967mmとして、計1934mmとしたが、1モジュール分のみ967mmを採用して、計1877mmとすることもできる。
その他、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備の配置や、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・35、窓サッシやドアなどの建具の配置にも対応できる。
なお、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備は、既製品の設備であり、建物の躯体に沿って設置されるもので、建物の躯体に組み込まれる作り付けものではない。
また、廊下の場合、通常の戸建て住宅には特に規定はないが、幅が狭いと快適性を損なう場合(圧迫感があり、息苦しさを感じるなど)がある。
以上のように、階段6や廊下4・25・35など広くする必要がある部分を含む一帯を拡幅モジュール967mmとし、それ以外を基準モジュール910mmのままとした。
このように耐火構造に対応した拡幅モジュール967mmは、750mm以上の廊下4・25・35・階段6幅を確保できる。
したがって、拡幅モジュール967mmは1000mmより小さいが、敷地に対応しやすく、敷地の有効活用ができる。
図6は建具の一つとして内部ドア16の納まりを拡大して示すもので、図示のように、壁厚を大きく設定した間仕切壁12が直交する入隅部において、右側に配置した間仕切壁12の中心を通る基準線と、左側に配置した間仕切壁12における端部の柱12aを通る基準線との間隔は、967mmの拡幅モジュールとなっている。
そして、右側に配置した間仕切壁12の内側面に貼り付けた2枚重ねの強化石膏ボード12aの内側面と、左側に配置した間仕切壁12端部の柱12aの端面に貼り付けた2枚重ねの強化石膏ボード12aの内側面との間隔は、788mmの開口部15となっている。
その開口部15において、右側の間仕切壁12内側面における2枚重ねの強化石膏ボード12a内側面に厚さ9ミリの合板15aをステープルと接着剤で固定して、左側の間仕切壁12端部における柱12a端面の2枚重ねの強化石膏ボード12a内側面にも厚さ9ミリの合板15aをステープルと接着剤で固定する。
これら左右の合板15a間の間隔は760mmとなって、規格サイズの建具である内ドア16の幅755mmに対し、左右で2.5mmずつの余裕があるため、開口部15に内ドア16を容易に取り付けることができる。
すなわち、図示のように、左右の合板15a内側面に、縦框16aをスクリュー釘及び接着剤でそれぞれ固定して、その一方の縦框16aにヒンジ金具16bを介してスイング式開閉ドア16cを取り付ける。
こうして、967mmの拡幅モジュールで配置した左右の間仕切壁12間に形成された開口部15に規格サイズの内ドア16を設置することができる。
なお、図示しないが、規格サイズの建具である窓サッシについても同様に、967mm又はその整数倍の拡幅モジュールで配置した左右の間仕切壁12間に形成された開口部に規格サイズの窓サッシを設置することができる。
図7は建物の設計システムを示すブロック構成図で、建物の設計システムは、図示のように、制御部41、入力部42、表示部43、出力部44、通信部45、記憶部46等を有する演算処理装置である。
演算処理装置としては、例えば、携帯電話機(例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター(ノート型パーソナルコンピューター)、パームトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター等が挙げられる。
制御部41は、建物の設計システム各部を制御するものである。
具体的には、制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、当該制御部41による制御に基づいて、設計システムを構成する各種手段を実行することができる。すなわち、後述するように、記憶部46に記憶された各種プログラムを実行することができる。
入力部42は、平面プランの作成のため、設計システムに対して各種指示を入力するためのものである。
具体的には、文字、数値等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、上下左右移動キー、各種機能キー等によって構成される操作部を備えている。また、マウスやキーボード等の入力装置が適宜採用される。
入力部42に、平面プラン作成の指示が入力されると、この指示に基づく信号が制御部41に入力される。
制御部41は、入力部42から入力された信号に従って所定の動作を各部に実行させる。
すなわち、制御部41は、入力部42から入力された平面プラン作成の指示信号から記憶部46に記憶された平面プラン作成プログラム65を実行する。
表示部43は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等によって構成されており、図1から図3に示すような建物の平面プランを表示する。
さらに、表示部43は、平面プラン上で、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納、住宅設備、通路、建具等のオブジェクトを表示することができる。
また、入力部42によって各種指示を入力する場合には、この表示部43に、入力部42の入力に必要な情報などが表示される。
出力部44は、作成された平面プランのデータを、図示しないプリンターに送信する。
プリンターは、受信したデータに基づいて平面プランを紙に印刷できる。
記憶部46は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)等の大容量記憶媒体によって構成されており、平面プランの作成に必要な各種データや各種プログラム、作成された平面プランのデータを記憶する。
平面プランの作成に必要な各種データ61としては、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納等の基本データの他、住宅設備データ62、通路データ63、建具データ64が挙げられる。
平面プランの作成に必要な各種プログラム65としては、平面プラン作成プログラム66、壁厚変更プログラム67、モジュール拡幅プログラム68が挙げられる。
住宅設備データ61は、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどが挙げられる。そして、メーカーから提供される仕様書に基づく外寸のデータも含まれる。
通路データ62は、階段6、廊下4・25・35、トイレ5・36などが挙げられる。特に階段は、法上750mm以上であるため、その法定幅寸法も含まれる。
建具データ61は、窓サッシやドア16などが挙げられる。
平面プラン作成プログラム66は、基準線、モジュールなどを表示し、柱11a・12a・22a・32aを配置し、その柱11a・12a・22a・32aの配置に基づいて外壁11及び間仕切壁12・13・22・23・32、ポーチ1、玄関2、玄関収納3、洗面室7、キッチン26、パントリー27、リビングダイニング28、寝室及び子供室等の各部屋37・38、窓、バルコニー29、車庫9、外部収納10、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチン、階段6、廊下4・25・35、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの各種オブジェクトを生成する。
平面プラン作成プログラム66は、前記各種オブジェクトの生成に必要な情報を表示部43に表示させる信号を制御部41に入力する。
そして、制御部41は、平面プラン作成プログラム66から入力された前記各種オブジェクトを表示させる信号に基づいて表示部43に前記各種オブジェクトを表示させる制御を行う。
壁厚変更プログラム67は、壁厚を基本の壁厚(130mm)にするか、189mmに大きくするかを選択すると、平面プラン上の壁厚を変更できる。
平面プランの設計者は、平面プラン作成プログラム66を実行して建物の平面プランを作成することができる。設計者は、平面プランを作成する上で建物の耐火性能や遮音性能を向上させる必要があった場合に、壁厚変更プログラム67を実行して壁厚を大きくする。逆に言えば、平面プラン作成プログラム66は、壁厚を大きくせずに建物の設計を行うことも可能であり、必要に応じて壁厚変更プログラム67が実行される。
壁厚変更プログラム67では、建物全体の壁の壁厚を一括して大きくすることができるし、建物内の必要な箇所だけ部分的に大きくすることもできる。すなわち、建物の任意の位置における壁の壁厚を、必要に応じて大きくすることができる。
壁厚変更プログラム67が実行されて任意の位置における壁の壁厚が大きくなり、当該壁によって囲まれる平面プラン上の空間に、上記の住宅設備(例えばユニットバス8)を配置しようとする際に、住宅設備を配置し得る有効内法寸法を確保できないなどの不都合が生じる場合がある。そのような場合に、制御部41によって自動的に、又は設計者の手動操作によってモジュール拡幅プログラム68が実行される。
すなわち、モジュール拡幅プログラム68は、自動の場合、表示部43上で、住宅設備などのオブジェクトを、平面プランにおける任意の箇所に配置する場合に、その住宅設備の外寸が、当該箇所の内法寸法よりも大きいと、自動でモジュールを拡幅モジュールに変更する。
手動操作の場合は、表示部43に表示された平面プラン上で、基本モジュールにするか、拡幅したい位置のモジュールを拡幅モジュールにするかを選択する。
なお、建物の設計方法において、壁厚変更プログラム67が実行されて任意の位置における壁の壁厚を大きくするステップと、モジュール拡幅プログラム68が実行されたモジュールを自動で拡幅するステップは、建物の平面プラン作成が開始されて終了するまでの、いずれかのステップとして生じる。ただし、モジュール拡幅プログラム68が、制御部41によって自動的に実行される場合に限って言えば、壁厚を大きくするステップと、住宅設備や通路等を平面プラン上に配置するステップがなければ上記のような不都合も生じ得ないので、モジュールを自動で拡幅するステップは、壁厚を大きくするステップと住宅設備や通路等を平面プラン上に配置するステップよりも後の工程となる。
図8は図7の制御部41による平面プラン作成の制御を示すフローチャートである。
図示のように、先ず、ステップS1で、入力部42に平面プラン作成の入力が有るか否かが判断され、平面プラン作成入力有で、次のステップS2に進み、平面プラン作成入力がなければ、ステップS1の処理に戻る。
ステップS2では、自動処理か手動操作かの選択をし、続くステップS3で、自動処理か手動操作かが判断され、手動操作で、ステップS4に進み、自動処理で、ステップS10に進む。
手動操作の場合のステップS4では、基本モジュールか拡幅モジュールかの選択をし、続くステップS5で、基本モジュールか拡幅モジュールかが判断され、基本モジュールで、ステップS6に進み、拡幅モジュールで、ステップS10に進む。
ステップS6では、平面プラン作成プログラム66を実行し、続くステップS7で、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納、住宅設備データ62、通路データ63、建具データ64から、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具等の各種オブジェクトを表示部43に表示させて、次のステップS8に進む。
ステップS8では、前記各種オブジェクトを適宜選択して所望の位置に配置する。
続いて、次のステップS9で、前記各種オブジェクトの平面プラン上への配置可能か否かが判断され、配置可能で、最後のステップS19に進み、配置可能でなければステップS8の処理に戻る。
自動処理の場合のステップS10では、平面プラン作成プログラム66を実行し、続くステップS11で、前記各種オブジェクトを表示部43に表示させて、次のステップS12に進む。
ステップS12では、表示された前記各種オブジェクトを適宜選択して所望の位置に配置する。
続いて、次のステップS13で、入力部42に壁厚変更の入力が有るか否かが判断され、壁厚変更入力有で、次のステップS14に進み、壁厚変更入力がなければ、最後のステップS19に進む。
最後のステップS19では、平面プラン完成の処理を行って、平面プラン作成の処理を終了する。
また、ステップS14では、壁厚変更プログラム67を実行して、続くステップS15で、建物全体の壁の壁厚を一括して、又は建物内の必要な箇所だけ部分的に大きくする等、建物の任意の位置における壁の壁厚を大きくする。
その後、次のステップS16で、前記各種オブジェクトの平面プラン上への配置可能か否かが判断され、配置可能で、次のステップS17に進み、配置可能でなければステップS12の処理に戻る。
ステップS17では、モジュール拡幅プログラム68を実行して、続くステップS18で、前記ステップS15で壁の壁厚を大きくした任意位置のモジュールを拡幅する処理を行う。
このようなモジュール拡幅処理の終了後、最後のステップS19で、平面プラン完成の処理を行って、平面プラン作成の処理を終了する。
以上の制御フローは、2・3階の平面プランについても同様に処理される。
なお、前述したように、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、2・3階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなっている。
(変形例)
図9は変形例の1階間取り平面プランを示すもので、図1の1階間取り平面プランにおいて、特に、X方向が図中左側から2番目を967mmの拡幅モジュールとした点が異なっている。
すなわち、ユニットバス8は、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と、車庫9に開口する外部収納10に対し内部側に壁厚を大きく設定した外壁11と、洗面室7側の壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12とに囲まれている。
したがって、図5に示すように、Y方向に二つの拡幅モジュールで配置された内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の間にユニットバス8を納めることができる。
以上のように、耐火間仕切壁にする場合、910mmの基準モジュールを、正の偶数16で分割した1/16モジュールである56.875mmを丸めた数値57mmを加えて1+1/16の寸法に大きくすることで、その1+1/16の寸法に大きくした967mmの拡幅モジュールに基づいて壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12・22・32を配置する。
したがって、耐火間仕切壁12・22・32に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置することができる。
すなわち、967mmの拡幅モジュールは、基準寸法910mmの基準モジュールの17/16倍なので、耐火間仕切壁12・22・32で囲まれる部分に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置することができ、また、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備も配置することができる。
そして、17/16の寸法に大きくした967mmの拡幅モジュールに基づいて、内部側の壁厚を大きく設定した外壁11を配置することによって、その内部側の壁厚を大きく設定した外壁11と壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12とで囲まれた部分に、例えば階段6やユニットバス8を配置することができる。
つまり、壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きく設定した外壁11とで囲まれた部分に、建築基準法上の幅750mmを満たして階段6を配置することができる。
また、壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12と内部側の壁厚を大きく設定した外壁11とで囲まれた部分にユニットバス8を納めることができる。
以上、実施形態によれば、耐火用に壁厚を大きく設定した外壁11及び間仕切壁12・22・32が沿う基準線に対し一側方又は他側方におけるモジュールとして、967mmの拡幅モジュールを設定してモジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、平面プランにおけるX方向又はY方向に連続して適用している。
これにより、建物の任意の位置において、耐火用に壁厚を大きく設定した外壁11及び間仕切壁12・22・32に対応して、モジュールを部分的に拡幅できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備・階段6、廊下4・25・35などの通路・窓サッシやドア16などの建具を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火用に外壁11及び間仕切壁12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、耐火用に壁厚を大きく設定した間仕切壁12・22・32に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
そして、例えば910mmの基本モジュールを所定の正の偶数16で分割して算出された数値56.875mmを、基準寸法910mmに加算して算出された数値に近似する長さ967mmに設定された拡幅モジュールなので、正の偶数は奇数よりも割りやすく、設計や施工が行いやすくなる。
すなわち、耐火用に壁厚を大きく設定した間仕切壁12・22・32で囲まれる部分に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置でき、また、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備も配置できる。
しかも、耐火用に壁厚を大きく設定した外壁11及び間仕切壁12・22・32に含まれる複数の柱11a・12a・22a・32aを、X方向及びY方向に沿って引かれた複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することで、隣り合う柱11a・12a・22a・32a同士の間隔が広くなり、その複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置された柱11a・12a・22a・32aの間に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置できる。
すなわち、耐火用に壁厚を大きくした間仕切壁12と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分に、ユニットバス8などの住宅設備を納めることができる。
また、同じく壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分を、階段6、廊下4・25・35などの通路とすることができる。
また、壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32に含まれる複数の柱11a・12a・22a・32aを、X方向及びY方向に沿って引かれた複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置したことにより、隣り合う柱11a・12a・22a・32a同士の間隔が広くなっており、壁厚を大きく設定しても、その壁厚を大きく設定した壁12に含まれる複数の柱12a同士の間に形成した開口部15の開口幅が狭くならない。したがって、その開口部15に、通常の規格の建具(内ドア)16を設けることができる。
(他の変形例)
以上の実施形態においては、耐火構造による壁厚を大きく設定した壁の例としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮音構造による壁厚を大きく設定した壁であってもよい。
また、実施形態では、建物のあらゆる部分を一定の大きさの倍数関係に整える際の基準モジュールの基準寸法を910mmとしたが、他に例えば800mm、900mm、1000mm等の寸法がある。
さらに、具体的な間取り等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。例えばパネル工法でもよい。
なお、本実施形態における建物は、複数の柱及び複数の横架材(梁、桁、胴差等)を組み上げて建物の軸組を施工する木造軸組工法(構法)によって構築されているが、これに限られるものではない。例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらの建築用パネルを組み立てることにより建物を構築するといったパネル工法で建築されてもよいし、鉄骨を用いた工法によるものであってもよい。
6 通路(階段)
8 住宅設備(ユニットバス)
11 内部側の壁厚を大きく設定した外壁
11a 柱
12・22・32 壁厚を大きく設定した間仕切壁
12a・22a・32a 柱
12b 強化石膏ボード
4・25・35 通路(廊下)
15 開口部
16 建具(ドア)

Claims (11)

  1. 設計上の基準となるモジュールに従って壁を配置して建物の平面プランを設計する方法であって、
    前記平面プランには、第一方向と、当該第一方向に直交する第二方向とがあり、これら第一方向及び第二方向に沿って設計上の基準線が複数引かれ、当該複数の基準線に沿って前記壁が配置可能とされており、
    前記複数の基準線同士の間隔が前記モジュールとされ、
    前記モジュールには、設計時の基準寸法となる基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれており、
    前記平面プラン上の任意の位置に配置される前記壁の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁が沿う前記基準線に対し一側方又は他側方における前記モジュールとして、前記拡幅モジュールを設定して前記モジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、前記平面プランにおける前記第一方向又は前記第二方向に連続して適用することを特徴とする建物の設計方法。
  2. 請求項1に記載の建物の設計方法において、
    前記拡幅モジュールは、前記基本モジュールを所定の正の偶数で分割して算出された数値を、前記基準寸法に加算して算出された数値に近似する長さに設定されていることを特徴とする建物の設計方法。
  3. 請求項1又は2に記載の建物の設計方法において、
    前記壁厚を大きく設定した壁は、複数の柱を含んで構成されており、
    前記複数の柱を、前記第一方向及び前記第二方向に沿って引かれた前記複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することを特徴とする建物の設計方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、
    前記壁厚を大きく設定した壁によって囲まれる空間内に住宅設備を設けることを特徴とする建物の設計方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、
    前記壁厚を大きく設定した壁によって囲まれる空間を通路とすることを特徴とする建物の設計方法。
  6. 請求項3に記載の建物の設計方法において、
    前記複数の柱同士の間に開口部を形成し、当該開口部に建具を設けることを特徴とする建物の設計方法。
  7. 設計上の基準となるモジュールに従って壁が配置された建物であって、
    前記モジュールには、基準寸法である基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれ、
    前記拡幅モジュールは、建物の開口方向又は奥行き方向に連続して適用されており、
    任意の位置に配置される前記壁の壁厚が大きく設定されたものである場合に、当該壁厚が大きく設定された壁が沿う前記モジュールとして前記拡幅モジュールが設定され、前記壁厚が大きく設定された壁は、その拡幅モジュールに沿って配置されていることを特徴とする建物。
  8. 請求項7に記載の建物において、
    前記壁厚が大きく設定された壁は、複数の柱を含んで構成されており、
    前記複数の柱は、隣り合う前記柱における柱芯同士の間隔が前記拡幅モジュールの寸法分離間して配置されていることを特徴とする建物。
  9. 請求項7又は8に記載の建物において、
    前記壁厚が大きく設定された壁によって囲まれた空間内に住宅設備が配置されていることを特徴とする建物。
  10. 請求項7から9のいずれか一項に記載の建物において、
    前記壁厚が大きく設定された壁によって囲まれた空間に通路が配置されていることを特徴とする建物。
  11. 請求項8に記載の建物において、
    前記複数の柱同士の間に開口部が形成されており、当該開口部に建具が配置されていることを特徴とする建物。
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