JP2021046724A - 建物の設計方法と建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建物の平面プラン上の任意の位置に配置される壁11・12の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁11・12が沿う基準線に対し一側方又は他側方におけるモジュールとして、例えば基準寸法910mmよりも大きい967mmの拡幅モジュールを設定してモジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、平面プランにおける第一方向、又は第一方向に直交する第二方向に連続して適用する。
【選択図】図1
Description
ところが、木造耐火建物においては、図10に示すように、建物内部の間仕切壁90の場合、強化石膏ボードを2枚重ねて耐火構造とすることがある。例えば105mm角の柱91を挟んでその両側に厚さ21mmの強化石膏ボード92を2枚重ねてそれぞれ貼った場合、この耐火構造の壁厚は189mmとなる。また、外壁の場合は、屋外側の構成が異なるのみで、屋内側に同じく厚さ21mmの強化石膏ボード92を2枚重ねて貼ることで耐火構造とする場合は、同様に壁厚が大きくなっていた。
図12は浴室に対する特定のユニットバス110の納まりで寸法不足を指摘するもので、2モジュール1820(910+910)mmで耐火構造の壁厚189mmによる間仕切壁90を配置すると、図示のように、内法1631となってしまい、特定のユニットバス110に必要な内法1670mm以上に対し寸法不足でユニットバス110が入らなくなる。
同様に、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備が配置できない場合もある。
しかしながら、グリッドの中途部分まで柱をずらした場合、隣接する室等もずれた配置となることから、隣接する室等の必要な寸法を確保するため、隣接する室等を挟んで配置される柱もグリッドの中途部分の配置となり、このようなグリッドの中途部分の基本架構の配置が増加すると設計上不都合がある。
また、例えば1000mm(メーターモジュール)では、必要のない部分まで広くなり、敷地の有効活用に難があった。
以上のような耐火構造の問題は、間仕切壁の壁厚が大きくなる遮音構造の場合にも同様にある。
設計上の基準となるモジュールに従って壁を配置して建物の平面プランを設計する方法であって、
前記平面プランには、第一方向と、当該第一方向に直交する第二方向とがあり、これら第一方向及び第二方向に沿って設計上の基準線が複数引かれ、当該複数の基準線に沿って前記壁が配置可能とされており、
前記複数の基準線同士の間隔が前記モジュールとされ、
前記モジュールには、設計時の基準寸法(例えば910mm)となる基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い(例えば967mm)の拡幅モジュールと、が含まれており、
前記平面プラン上の任意の位置に配置される前記壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32が沿う前記基準線に対し一側方又は他側方における前記モジュールとして、前記拡幅モジュールを設定して前記モジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、前記平面プランにおける前記第一方向又は前記第二方向に連続して適用することを特徴とする。
これにより、建物の任意の位置における壁11・12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、住宅設備(ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなど)・通路(階段6、廊下4・25・35など)・建具(窓サッシやドア16など)を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火や遮音のために壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、例えば間仕切壁12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
請求項1に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記拡幅モジュールは、前記基本モジュールを所定の正の偶数(例えば16)で分割して算出された数値(例えば56.875mm)を、前記基準寸法(例えば910mm)に加算して算出された数値に近似する長さ(例えば967mm)に設定されていることを特徴とする。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32で囲まれる部分に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置でき、また、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備も配置できる。
請求項1又は2に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32は、複数の柱11a・12a・22a・32aを含んで構成されており、
前記複数の柱11a・12a・22a・32aを、前記第一方向及び前記第二方向に沿って引かれた前記複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することを特徴とする。
請求項1から3のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図4、図5、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)を設けることを特徴とする。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分にユニットバス8を納めることができる。
請求項1から4のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚を大きく設定した壁11・12・22・32によって囲まれる空間を通路(例えば階段6、廊下4・25・35など)とすることを特徴とする。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分に、建築基準法上の幅750mmを満たして階段6を配置できる。
請求項3に記載の建物の設計方法において、例えば図6に示すように、
前記複数の柱12a同士の間に開口部15を形成し、当該開口部15に建具16を設けることを特徴とする。
設計上の基準となるモジュールに従って壁が配置された建物であって、
前記モジュールには、基準寸法である基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれ、
前記拡幅モジュールは、建物の開口方向又は奥行き方向に連続して適用されており、
任意の位置に配置される前記壁の壁厚が大きく設定されたものである場合に、当該壁厚が大きく設定された壁が沿う前記モジュールとして前記拡幅モジュールが設定され、前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32は、その拡幅モジュールに沿って配置されていることを特徴とする。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火や遮音のために壁11・12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、例えば間仕切壁12・22・32の壁厚が大きくなる場合に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
請求項7に記載の建物において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32は、複数の柱11a・12a・22a・32aを含んで構成されており、
前記複数の柱11a・12a・22a・32aは、隣り合う前記柱11a・12a・22a・32aにおける柱芯同士の間隔が前記拡幅モジュールの寸法分離間して配置されていることを特徴とする。
請求項7又は8に記載の建物において、例えば図1、図5、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間内に住宅設備(例えばユニットバス8など)が配置されていることを特徴とする。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分にユニットバス8を納めることができる。
請求項7から9のいずれか一項に記載の建物において、例えば図1〜図3、図9に示すように、
前記壁厚が大きく設定された壁11・12・22・32によって囲まれた空間に通路(例えば廊下4・25・35など)が配置されていることを特徴とする。
例えば壁厚を大きくした間仕切壁12・22・32と内部側の壁厚を大きくした外壁11とで囲まれた部分に、建築基準法上の幅750mmを満たして階段6を配置できる。
請求項8に記載の建物において、例えば図6に示すように、
前記複数の柱12a同士の間に開口部15が形成されており、当該開口部15に建具16が配置されていることを特徴とする。
(実施形態)
図1は本発明に係る設計方法による建物の例として1階間取り平面プランを示すもので、1はポーチ、2は玄関、3は玄関収納、4は廊下、5はトイレ、6は階段、7は洗面室、8はユニットバス、9は車庫、10は外部収納である。
図示のように、右下側のポーチ1から上側に玄関収納2及びその左側の玄関収納3が、その上側に廊下4が、その上側にトイレ5及び階段6が配置されており、その左側に洗面室7が、さらに、その左側にユニットバス8が配置されている。また、洗面室7の下側で玄関収納3及び廊下4の左側に車庫9が配置されており、車庫9には、洗面室7の左側でユニットバス8の下側に位置する外部収納10が設けられている。
そして、縦方向のY方向が、図中上側から基準寸法よりも長い967mmの拡幅モジュールが順に三つ続いて、その図中下側に基準線の間隔が基準寸法910mmの基準モジュールが順に四つ続いて、図中下側端が455mmのサブモジュールとなっている。
図示のように、1階の柱は基準線同士の交点にそれぞれ配置されており、この1階の柱の上端や柱の上部間に図示しない梁がそれぞれ架設されている。
その際、モジュール910mmで全て設計すると、下記項目で不都合が発生する。
1)住宅設備(ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなど)が配置できない。
2)階段幅が法令で定めた幅(750mm)を満たせない。
3)1モジュール幅の廊下4、トイレ5、窓サッシ、ドアが狭く、場所によっては使用上差し支える。
以上、1)〜3)の不都合を解決するために、部分的に基準寸法よりも長い967mmの拡幅モジュールを使用する。
したがって、967mmの拡幅モジュールは、1+1/16基本モジュール、すなわち、17/16基本モジュールである。
また、図示左上側のユニットバス8は、X方向910mmの基準モジュール×2でY方向967mmの拡幅モジュール×2の範囲に配置されている。
同様に、木造耐火建物のため、建物内部の耐火間仕切壁12は、複数の柱12aを有し、その柱12aの内外両側に厚さ21mmの強化石膏ボード12b(図6参照)を2枚重ねてそれぞれ貼った大きな壁厚189mmのものとなっている(図10参照)。
トイレ5は、折り返し式の階段6を構成する上階側直階段の下方において、外壁11と耐火間仕切壁12の間で、廊下4側のさらに大きな壁厚の耐火間仕切壁13に囲まれている。
折り返し式の階段6は、内部側に壁厚を大きくした外壁11の出隅部と耐火間仕切壁12に囲まれて、その折り返しの1階側及び2階側の直階段部分が耐火間仕切壁12で仕切られている。
また、前述したように、1階の拡幅モジュールが同様に2階にも同列で拡幅モジュールが適用されている。すなわち、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、2階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなる。
階段6は、1階と同様、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁22に囲まれて、その折り返しの2階側及び3階側の直階段部分が耐火間仕切壁22で仕切られている。
なお、廊下25とパントリー27の間は、耐火間仕切壁22で仕切られて、廊下25とリビングダイニング28との間は、さらに大きな壁厚の耐火間仕切壁23で仕切られている。
また、前述したように、1・2階の拡幅モジュールが同様に3階にも同列で拡幅モジュールが適用されている。すなわち、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、3階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなる。
階段6の上方は、1・2階と同様、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁32に囲まれて、3階側直階段の上方が耐火手摺壁33で仕切られている。
廊下35と主寝室37の収納39との間は、耐火間仕切壁32で仕切られている。
トイレ36は、階段6に隣接する耐火間仕切壁32と子供室38との間の耐火仕切壁32と外壁11とに囲まれている。
また、2階側直階段は、同様に、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12・22と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
同様に、1階側直階段と2階側直階段との間の踊り場も、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁12端部と内部側に壁厚の大きい外壁11との間において、幅778mmとなっている。
また、3階側直階段は、同様に、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁22と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
同様に、2階側直階段と3階側直階段との間の踊り場も、967mmの拡幅モジュールで配置された壁厚189mmの耐火間仕切壁22端部と内部側に壁厚を大きく設定した外壁11との間において、幅778mmとなっている。
なお、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備は、既製品の設備であり、建物の躯体に沿って設置されるもので、建物の躯体に組み込まれる作り付けものではない。
また、廊下の場合、通常の戸建て住宅には特に規定はないが、幅が狭いと快適性を損なう場合(圧迫感があり、息苦しさを感じるなど)がある。
このように耐火構造に対応した拡幅モジュール967mmは、750mm以上の廊下4・25・35・階段6幅を確保できる。
したがって、拡幅モジュール967mmは1000mmより小さいが、敷地に対応しやすく、敷地の有効活用ができる。
そして、右側に配置した間仕切壁12の内側面に貼り付けた2枚重ねの強化石膏ボード12aの内側面と、左側に配置した間仕切壁12端部の柱12aの端面に貼り付けた2枚重ねの強化石膏ボード12aの内側面との間隔は、788mmの開口部15となっている。
これら左右の合板15a間の間隔は760mmとなって、規格サイズの建具である内ドア16の幅755mmに対し、左右で2.5mmずつの余裕があるため、開口部15に内ドア16を容易に取り付けることができる。
こうして、967mmの拡幅モジュールで配置した左右の間仕切壁12間に形成された開口部15に規格サイズの内ドア16を設置することができる。
演算処理装置としては、例えば、携帯電話機(例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター(ノート型パーソナルコンピューター)、パームトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター等が挙げられる。
具体的には、制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、当該制御部41による制御に基づいて、設計システムを構成する各種手段を実行することができる。すなわち、後述するように、記憶部46に記憶された各種プログラムを実行することができる。
具体的には、文字、数値等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、上下左右移動キー、各種機能キー等によって構成される操作部を備えている。また、マウスやキーボード等の入力装置が適宜採用される。
入力部42に、平面プラン作成の指示が入力されると、この指示に基づく信号が制御部41に入力される。
すなわち、制御部41は、入力部42から入力された平面プラン作成の指示信号から記憶部46に記憶された平面プラン作成プログラム65を実行する。
さらに、表示部43は、平面プラン上で、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納、住宅設備、通路、建具等のオブジェクトを表示することができる。
また、入力部42によって各種指示を入力する場合には、この表示部43に、入力部42の入力に必要な情報などが表示される。
プリンターは、受信したデータに基づいて平面プランを紙に印刷できる。
平面プランの作成に必要な各種データ61としては、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納等の基本データの他、住宅設備データ62、通路データ63、建具データ64が挙げられる。
平面プランの作成に必要な各種プログラム65としては、平面プラン作成プログラム66、壁厚変更プログラム67、モジュール拡幅プログラム68が挙げられる。
平面プラン作成プログラム66は、前記各種オブジェクトの生成に必要な情報を表示部43に表示させる信号を制御部41に入力する。
そして、制御部41は、平面プラン作成プログラム66から入力された前記各種オブジェクトを表示させる信号に基づいて表示部43に前記各種オブジェクトを表示させる制御を行う。
壁厚変更プログラム67では、建物全体の壁の壁厚を一括して大きくすることができるし、建物内の必要な箇所だけ部分的に大きくすることもできる。すなわち、建物の任意の位置における壁の壁厚を、必要に応じて大きくすることができる。
壁厚変更プログラム67が実行されて任意の位置における壁の壁厚が大きくなり、当該壁によって囲まれる平面プラン上の空間に、上記の住宅設備(例えばユニットバス8)を配置しようとする際に、住宅設備を配置し得る有効内法寸法を確保できないなどの不都合が生じる場合がある。そのような場合に、制御部41によって自動的に、又は設計者の手動操作によってモジュール拡幅プログラム68が実行される。
手動操作の場合は、表示部43に表示された平面プラン上で、基本モジュールにするか、拡幅したい位置のモジュールを拡幅モジュールにするかを選択する。
図示のように、先ず、ステップS1で、入力部42に平面プラン作成の入力が有るか否かが判断され、平面プラン作成入力有で、次のステップS2に進み、平面プラン作成入力がなければ、ステップS1の処理に戻る。
ステップS2では、自動処理か手動操作かの選択をし、続くステップS3で、自動処理か手動操作かが判断され、手動操作で、ステップS4に進み、自動処理で、ステップS10に進む。
ステップS6では、平面プラン作成プログラム66を実行し、続くステップS7で、ポーチ、玄関、玄関収納、柱、壁、洗面室、トイレ、キッチン、パントリー、リビングダイニング、寝室及び子供室等の各部屋、窓、バルコニー、車庫、外部収納、住宅設備データ62、通路データ63、建具データ64から、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具等の各種オブジェクトを表示部43に表示させて、次のステップS8に進む。
続いて、次のステップS9で、前記各種オブジェクトの平面プラン上への配置可能か否かが判断され、配置可能で、最後のステップS19に進み、配置可能でなければステップS8の処理に戻る。
ステップS12では、表示された前記各種オブジェクトを適宜選択して所望の位置に配置する。
続いて、次のステップS13で、入力部42に壁厚変更の入力が有るか否かが判断され、壁厚変更入力有で、次のステップS14に進み、壁厚変更入力がなければ、最後のステップS19に進む。
最後のステップS19では、平面プラン完成の処理を行って、平面プラン作成の処理を終了する。
ステップS17では、モジュール拡幅プログラム68を実行して、続くステップS18で、前記ステップS15で壁の壁厚を大きくした任意位置のモジュールを拡幅する処理を行う。
このようなモジュール拡幅処理の終了後、最後のステップS19で、平面プラン完成の処理を行って、平面プラン作成の処理を終了する。
なお、前述したように、1階の平面プラン作成時において、拡幅モジュールを選択した場合、2・3階の平面プランにおいても、1階と同列が拡幅モジュールとなっている。
図9は変形例の1階間取り平面プランを示すもので、図1の1階間取り平面プランにおいて、特に、X方向が図中左側から2番目を967mmの拡幅モジュールとした点が異なっている。
すなわち、ユニットバス8は、内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の出隅部と、車庫9に開口する外部収納10に対し内部側に壁厚を大きく設定した外壁11と、洗面室7側の壁厚を大きく設定した耐火間仕切壁12とに囲まれている。
したがって、図5に示すように、Y方向に二つの拡幅モジュールで配置された内部側に壁厚を大きく設定した外壁11の間にユニットバス8を納めることができる。
したがって、耐火間仕切壁12・22・32に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置することができる。
これにより、建物の任意の位置において、耐火用に壁厚を大きく設定した外壁11及び間仕切壁12・22・32に対応して、モジュールを部分的に拡幅できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備・階段6、廊下4・25・35などの通路・窓サッシやドア16などの建具を設けるための有効内法寸法を確保することができる。
したがって、建物の面積が必要以上に大きくならないことから、敷地の有効利用が図れて、耐火用に外壁11及び間仕切壁12・22・32の壁厚を大きく設定することができる。
その結果、耐火用に壁厚を大きく設定した間仕切壁12・22・32に対応して、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保できて、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備を配置できる。
すなわち、耐火用に壁厚を大きく設定した間仕切壁12・22・32で囲まれる部分に、階段6、廊下4・25・35などの通路、トイレ5・36、窓サッシやドア16などの建具の幅を確保して配置でき、また、ユニットバス8、洗面化粧台、システムキッチンなどの住宅設備も配置できる。
以上の実施形態においては、耐火構造による壁厚を大きく設定した壁の例としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮音構造による壁厚を大きく設定した壁であってもよい。
また、実施形態では、建物のあらゆる部分を一定の大きさの倍数関係に整える際の基準モジュールの基準寸法を910mmとしたが、他に例えば800mm、900mm、1000mm等の寸法がある。
さらに、具体的な間取り等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。例えばパネル工法でもよい。
なお、本実施形態における建物は、複数の柱及び複数の横架材(梁、桁、胴差等)を組み上げて建物の軸組を施工する木造軸組工法(構法)によって構築されているが、これに限られるものではない。例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらの建築用パネルを組み立てることにより建物を構築するといったパネル工法で建築されてもよいし、鉄骨を用いた工法によるものであってもよい。
8 住宅設備(ユニットバス)
11 内部側の壁厚を大きく設定した外壁
11a 柱
12・22・32 壁厚を大きく設定した間仕切壁
12a・22a・32a 柱
12b 強化石膏ボード
4・25・35 通路(廊下)
15 開口部
16 建具(ドア)
Claims (11)
- 設計上の基準となるモジュールに従って壁を配置して建物の平面プランを設計する方法であって、
前記平面プランには、第一方向と、当該第一方向に直交する第二方向とがあり、これら第一方向及び第二方向に沿って設計上の基準線が複数引かれ、当該複数の基準線に沿って前記壁が配置可能とされており、
前記複数の基準線同士の間隔が前記モジュールとされ、
前記モジュールには、設計時の基準寸法となる基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれており、
前記平面プラン上の任意の位置に配置される前記壁の壁厚を大きく設定する場合に、当該壁厚を大きく設定した壁が沿う前記基準線に対し一側方又は他側方における前記モジュールとして、前記拡幅モジュールを設定して前記モジュールの幅を広げ、かつ、当該拡幅モジュールを、前記平面プランにおける前記第一方向又は前記第二方向に連続して適用することを特徴とする建物の設計方法。 - 請求項1に記載の建物の設計方法において、
前記拡幅モジュールは、前記基本モジュールを所定の正の偶数で分割して算出された数値を、前記基準寸法に加算して算出された数値に近似する長さに設定されていることを特徴とする建物の設計方法。 - 請求項1又は2に記載の建物の設計方法において、
前記壁厚を大きく設定した壁は、複数の柱を含んで構成されており、
前記複数の柱を、前記第一方向及び前記第二方向に沿って引かれた前記複数の基準線同士の交点にそれぞれ配置することを特徴とする建物の設計方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、
前記壁厚を大きく設定した壁によって囲まれる空間内に住宅設備を設けることを特徴とする建物の設計方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の建物の設計方法において、
前記壁厚を大きく設定した壁によって囲まれる空間を通路とすることを特徴とする建物の設計方法。 - 請求項3に記載の建物の設計方法において、
前記複数の柱同士の間に開口部を形成し、当該開口部に建具を設けることを特徴とする建物の設計方法。 - 設計上の基準となるモジュールに従って壁が配置された建物であって、
前記モジュールには、基準寸法である基本モジュールと、前記基準寸法よりも長い拡幅モジュールと、が含まれ、
前記拡幅モジュールは、建物の開口方向又は奥行き方向に連続して適用されており、
任意の位置に配置される前記壁の壁厚が大きく設定されたものである場合に、当該壁厚が大きく設定された壁が沿う前記モジュールとして前記拡幅モジュールが設定され、前記壁厚が大きく設定された壁は、その拡幅モジュールに沿って配置されていることを特徴とする建物。 - 請求項7に記載の建物において、
前記壁厚が大きく設定された壁は、複数の柱を含んで構成されており、
前記複数の柱は、隣り合う前記柱における柱芯同士の間隔が前記拡幅モジュールの寸法分離間して配置されていることを特徴とする建物。 - 請求項7又は8に記載の建物において、
前記壁厚が大きく設定された壁によって囲まれた空間内に住宅設備が配置されていることを特徴とする建物。 - 請求項7から9のいずれか一項に記載の建物において、
前記壁厚が大きく設定された壁によって囲まれた空間に通路が配置されていることを特徴とする建物。 - 請求項8に記載の建物において、
前記複数の柱同士の間に開口部が形成されており、当該開口部に建具が配置されていることを特徴とする建物。
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