JP2021045496A - 容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システム - Google Patents

容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システム Download PDF

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Abstract

【課題】吸引源の吸引力によって容器収容器内が負圧とされた後、開閉蓋体を開放するときに容器収容器内に負圧が残ることを防止し、開閉蓋体を容易に開放することが可能な容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システムを提供する。【解決手段】開閉操作部材63が閉塞保持姿勢を取った状態では、キャニスタ6において開閉蓋体62の閉塞位置に配置された状態が保持されると共に、通気弁64が空気流入路61231を閉鎖する流路閉鎖位置に配置される。この状態で吸引源2の吸引力が作用すると、キャニスタ6内においてライナー5の外側の吸引空間S1が負圧とされる。一方、開閉操作部材63が閉塞保持姿勢から開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて通気弁64が、流路閉鎖位置から空気流入路61231を開放する流路開放位置へと移動する。【選択図】図5

Description

本発明は、吸引源の吸引力によって吸引された所定の廃液を収容する廃液収容容器を収容可能な容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システムに関する。
医療施設等に配設された吸引源を利用して手術中等に生じる患者の体液や体腔内洗浄用の洗浄液を含む廃液を吸引し、この吸引された廃液を貯留するように構成された廃液吸引システムが知られている。廃液吸引システムは、吸引源の吸引力によって吸引された廃液を貯留可能な廃液貯留器を備えている。この種の廃液貯留器は、通常、廃液を収容する廃液収容容器(ライナー)と、当該廃液収容容器を収容する容器収容器(キャニスタ)とを備えている(例えば特許文献1参照)。
容器収容器は、廃液収容容器を収容する有底筒状の容器本体と、当該容器本体の開口を開閉する開閉蓋体とを備える。開閉蓋体が開けられた状態で容器本体に対する廃液収容容器の出し入れが可能であり、開閉蓋体が閉じられた状態で容器収容器及び廃液収容容器の内部空間の気密性が保持される。開閉蓋体が閉じられた状態において、廃液収容容器内に廃液を収容させる。具体的に、開閉蓋体が閉じられた状態において、吸引源の吸引力によって容器収容器及び廃液収容容器の内部空間が負圧とされ、これに伴って廃液が廃液収容容器内に流入する。
特表2003−519460号公報
廃液収容容器内での廃液の収容が完了すると、開閉蓋体を開放して容器本体から廃液収容容器を取り出すことになる。この際、容器収容器内に負圧が残っていると、開閉蓋体を開くことが困難になるという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸引源の吸引力によって容器収容器内が負圧とされた後、開閉蓋体を開放するときに容器収容器内に負圧が残ることを防止し、開閉蓋体を容易に開放することが可能な容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システムを提供することにある。
本発明の一の局面に係る容器収容器は、吸引源の吸引力によって吸引された所定の廃液を収容する廃液収容容器を収容可能に構成されている。この容器収容器は、上下方向に延びる有底筒状に形成されて上端面部において上方に開口する上方開口を有し、前記廃液収容容器を収容する容器本体と、前記上方開口を塞ぐ閉塞位置と前記上方開口を開放する開放位置との間での変位が可能となるように前記容器本体に支持され、前記閉塞位置に配置された状態において、前記容器本体に収容された前記廃液収容容器の外側に、前記吸引源の吸引力によって負圧とされる吸引空間を前記容器本体と共に形成する開閉蓋体と、前記容器本体又は前記開閉蓋体に形成され、外部空間の空気が前記吸引空間へ流入する流路となる空気流入路と、前記開閉蓋体の開閉を操作する部材であって、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態を保持する閉塞保持姿勢と、前記開閉蓋体の前記閉塞位置から前記開放位置への変位に応じた前記上方開口の開放を許容する開放許容姿勢との間での姿勢変更が可能となるように、前記容器本体又は前記開閉蓋体に支持された開閉操作部材と、前記空気流入路を閉鎖する流路閉鎖位置と前記空気流入路を開放する流路開放位置との間での、前記開閉操作部材の姿勢変更に応じた移動が可能となるように、前記開閉操作部材に連結された通気弁と、を備える。前記通気弁は、前記開閉操作部材が前記閉塞保持姿勢を取った状態では、前記吸引源の吸引力による前記吸引空間の負圧状態が維持されるように前記流路閉鎖位置に配置され、前記開閉操作部材が前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて前記流路閉鎖位置から前記流路開放位置へと移動することにより、外部空間の空気の前記空気流入路を介した前記吸引空間への流入を許容する。
この容器収容器によれば、開閉操作部材が閉塞保持姿勢を取った状態では、開閉蓋体の閉塞位置に配置された状態が保持されると共に、通気弁が空気流入路を閉鎖する流路閉鎖位置に配置される。この状態では、容器収容器の容器本体内において廃液収容容器の外側の吸引空間が密閉空間とされる。この状態で吸引源の吸引力が作用すると前記吸引空間が負圧とされ、これに伴って廃液が廃液収容容器内に流入する。このようにして廃液収容容器内に廃液を収容することができる。
一方、吸引源の吸引力の作用が停止された状態において、開閉操作部材が閉塞保持姿勢から開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて通気弁が、流路閉鎖位置から空気流入路を開放する流路開放位置へと移動する。これにより、外部空間の空気が空気流入路を介して容器収容器内の吸引空間へ流入し、当該吸引空間が大気開放される。このため、開閉操作部材が開放許容姿勢を取った状態で開閉蓋体を開放するときに、容器収容器内に負圧が残ることを防止することができる。この結果、開閉蓋体を容易に開放することができ、開閉蓋体が開放位置に配置された状態において容器本体に対する廃液収容容器の出し入れが可能となる。
上記の容器収容器は、前記容器本体又は前記開閉蓋体に形成され、前記吸引源の吸引力によって前記吸引空間から排出される空気の流路となる空気排出路を、更に備える構成であってもよい。そして、前記空気流入路は、前記空気排出路よりも圧力損失が大きい。
この態様では、吸引源の吸引力によって前記吸引空間内の空気が空気排出路を介して排出されることにより、前記吸引空間が負圧とされる。ここで、外部空間の空気が前記吸引空間へ流入する流路となる空気流入路は、空気排出路よりも圧力損失が大きい。これにより、吸引源の吸引力によって吸引空間内の空気が空気排出路を介して排出されて吸引空間が負圧とされる状態が継続されているときに、開閉操作部材が誤って操作されたとしても、吸引空間の負圧状態が保持されて、閉塞保持姿勢から開放許容姿勢への姿勢変更を抑止することができる。
上記の容器収容器において、前記開閉操作部材は、前記空気流入路を外側から覆うように、前記容器本体に対して取り外しが可能な操作回動軸部回りの回動が可能に当該容器本体に支持されている。この場合、前記通気弁は、前記操作回動軸部よりも内側において前記開閉操作部材の姿勢変更に応じて移動するように前記開閉操作部材に連結され、前記操作回動軸部が前記容器本体から取り外された状態において前記開閉操作部材との連結の解除が可能である構成であってもよい。
この態様では、開閉操作部材が空気流入路を外側から覆うように設けられているので、不用意にゴミ等の異物が空気流入路を介して吸引空間内に進入することを抑制することができる。また、容器本体に対して開閉操作部材を回動可能に支持する操作回動軸部が当該容器本体から取り外された状態において、通気弁は、開閉操作部材との連結の解除が可能である。このような構成では、通気弁を清掃するときや、通気弁を交換するときには、容器本体から操作回動軸部を取り外し、その後、開閉操作部材との連結を解除することにより、通気弁を取り外すことができる。
本発明の他の局面に係る廃液貯留器は、吸引源の吸引力によって吸引された所定の廃液を貯留可能であって、筒体と当該筒体の上端に接合された容器蓋体とを含み、前記廃液を収容する廃液収容空間を区画する廃液収容容器と、前記廃液収容容器を収容する、上記の容器収容器と、を備える。
上記の廃液貯留器において、前記廃液収容容器は、前記容器蓋体に設けられ、前記容器収容器の前記吸引空間が負圧とされることに応じて前記廃液を、前記廃液収容空間内に導入する廃液導入ポートを有する。また、前記容器収容器において前記開閉蓋体は、前記上下方向と直交する方向に延びる蓋体回動軸部回りの回動によって前記閉塞位置と前記開放位置との間で変位するように構成され、前記蓋体回動軸部が取り付けられる軸取付部と、前記開閉蓋体の外周縁から中心に向かって内側に切り欠かれ、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態において、前記廃液収容容器の前記廃液導入ポートの露出を許容する切欠き部と、を有する。そして、前記軸取付部と前記切欠き部とは、前記開閉蓋体の中心を対称点とする点対称な位置関係にある構成であってもよい。
この態様では、容器収容器に収容される廃液収容容器の容器蓋体には、廃液導入ポートが設けられている。この廃液導入ポートには、例えば、廃液の吸引起点となる吸引起点部から廃液貯留器に至る吸引経路を構成する可撓性チューブ等の経路部材が、接続される。廃液導入ポートに前記経路部材が接続された状態で、吸引源の吸引力によって容器収容器内の吸引空間が負圧とされることにより、吸引起点部から吸引された廃液を廃液導入ポートから廃液収容容器内に導入することができる。また、容器収容器の開閉蓋体において、蓋体回動軸部が取り付けられる軸取付部と、廃液導入ポートの露出を許容する切欠き部とは、開閉蓋体の中心を対称点とする点対称な位置関係にある。これにより、廃液導入ポートに接続された経路部材の位置を、開閉蓋体が蓋体回動軸部回りに回動したときの切欠き部の回動軌跡から外れた位置に設定することが、容易となる。このため、廃液導入ポートに経路部材が接続された状態のままで、開閉蓋体が閉塞位置から開放位置に向かって蓋体回動軸部回りに回動したとしても、経路部材が開閉蓋体に干渉することを抑制することができる。
上記の廃液貯留器では、前記容器収容器において前記開閉蓋体は、前記閉塞位置に配置された状態で外方に露出する天面部を有する。そして、前記天面部は、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態で、前記切欠き部の周辺において前記廃液収容容器の前記廃液導入ポートに面し、前記切欠き部の端縁から離れるに従い上に傾斜した傾斜部を有する構成であってもよい。
この態様では、容器収容器の開閉蓋体の天面部において、廃液導入ポートの露出を許容する切欠き部の周辺部分が、切欠き部の端縁から離れるに従い上に傾斜した傾斜部とされている。これにより、医療従事者(作業者)が、廃液導入ポートに前記経路部材を接続する作業を行う際に、開閉蓋体の天面部が邪魔となることを抑制し、前記経路部材の接続作業の作業性の向上を図ることができる。
上記の廃液貯留器では、前記容器収容器において、前記容器本体は、前記上端面部において前記上方開口の開口縁に沿って設けられた第1シール部材を有し、前記開閉蓋体は、前記閉塞位置に配置された状態で前記容器本体に収容された前記廃液収容容器の上方側に上方空間を形成する凹部と、前記凹部の外側において前記容器本体の前記上端面部に当接し、第2シール部材を有した当接部と、を有している。また、前記廃液収容容器において前記容器蓋体は、前記筒体に対して外方に延出したフランジ部を有している。そして、前記フランジ部は、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態において、前記第1シール部材と前記第2シール部材との間に挟み込まれて両シール部材が圧接する圧接部分と、前記圧接部分よりも内側に設けられ、前記吸引空間と前記上方空間とを連通させる貫通穴と、を有している構成であってもよい。
この態様では、容器収容器の開閉蓋体が閉塞位置に配置された状態において、容器本体側の第1シール部材と開閉蓋体側の第2シール部材との間に、廃液収容容器の容器蓋体のフランジ部が挟み込まれることにより、容器収容器内の気密性が保持される。具体的には、容器収容器内において、容器本体によって廃液収容容器の外側に区画される吸引空間と、開閉蓋体の凹部によって廃液収容容器の上方側に区画される上方空間とが、気密空間とされる。ここで、第1シール部材と第2シール部材との間に挟み込まれる容器蓋体のフランジ部は、両シール部材が圧接する圧接部分を有し、当該圧接部分よりも内側に貫通穴が設けられている。このフランジ部に設けられる貫通穴は、前記吸引空間と前記上方空間とを連通させるので、吸引源の吸引力が作用したときには、前記吸引空間及び前記上方空間の両空間が負圧とされる。このように、前記吸引空間及び前記上方空間の両空間が負圧とされることにより、廃液が廃液収容容器内に流入する。このようにして廃液収容容器内に廃液を収容することができる。
本発明の他の局面に係る廃液吸引システムは、所定の廃液を吸引し、この吸引された前記廃液を貯留可能に構成されたシステムである。この廃液吸引システムは、吸引源と、前記廃液の吸引起点となる吸引起点部から前記吸引源までの吸引経路を構成する吸引経路部と、前記吸引経路上において前記吸引起点部と前記吸引源との間に配置され、前記吸引源の吸引力によって前記吸引起点部から吸引された前記廃液を貯留可能に構成された、上記の廃液貯留器と、を備える。
本発明によれば、吸引源の吸引力によって容器収容器内が負圧とされた後、開閉蓋体を開放するときに容器収容器内に負圧が残ることを防止し、開閉蓋体を容易に開放することが可能な容器収容器、及びこれを備えた廃液貯留器並びに廃液吸引システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る廃液貯留器が適用された廃液吸引システムの構成を概略的に示す図である。 廃液貯留器を示す斜視図である。 廃液貯留器においてキャニスタの開閉蓋体が開放位置に配置された状態を示す斜視図である。 廃液貯留器においてキャニスタからライナーが取り出された状態を示す斜視図である。 廃液貯留器の要部を拡大して示す部分断面図である。 廃液貯留器においてキャニスタの開閉操作部材の近傍を拡大して示す断面図であって、開閉操作部材が閉塞保持姿勢を取った状態を示す図である。 廃液貯留器においてキャニスタの開閉操作部材の近傍を拡大して示す断面図であって、開閉操作部材が開放許容姿勢を取った状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る廃液吸引システム及び廃液貯留器について説明する。
[廃液吸引システムの全体構成]
図1は、廃液貯留器4が適用された廃液吸引システム1の構成を概略的に示す図である。廃液吸引システム1は、所定の吸引源2の吸引力によって廃液WLを吸引し、この吸引された廃液WLを貯留可能に構成されたシステムである。具体的には、廃液吸引システム1は、医療施設等に配設された吸引源2を利用して手術中等に生じる患者の体液(血液等)や体腔内洗浄用の洗浄液(例えば生理食塩水)を含む廃液WLを吸引し、この吸引された廃液WLを貯留するように構成されている。廃液吸引システム1は、吸引源2と、吸引経路部3と、廃液貯留器4とを備える。
吸引源2は、医療施設等に配設されたものであって、その構造は特に限定されるものではないが、例えば吸引ポンプ等によって構成される。
吸引経路部3は、廃液WLの吸引起点となる吸引起点部33から吸引源2までの吸引経路を構成する。吸引経路部3は、吸引源2と廃液貯留器4との間の第1吸引経路を区画する第1経路部材31と、廃液貯留器4と吸引起点部33との間の第2吸引経路を区画する第2経路部材32と、を有する。第1経路部材31と第2経路部材32とは、例えば可撓性を有するチューブからなる。
廃液貯留器4は、吸引経路部3によって区画される吸引経路上において吸引起点部33と吸引源2との間に配置される。廃液貯留器4には、第1経路部材31及び第2経路部材32の両経路部材が接続される。廃液貯留器4は、吸引源2の吸引力によって吸引起点部33から吸引された廃液WLを貯留可能に構成される。
[廃液貯留器の構成]
廃液貯留器4は、廃液WLを収容するライナー5(廃液収容容器)と、そのライナー5を収容するキャニスタ6(容器収容器)と、を備える。この廃液貯留器4の構成について、図1に加えて図2〜図7を参照して詳細に説明する。図2〜図4は廃液貯留器4の斜視図であって、図2はキャニスタ6の開閉蓋体62が閉塞位置に配置された状態を示し、図3は開閉蓋体62が開放位置に配置された状態を示し、図4はキャニスタ6からライナー5が取り出された状態を示す。図5は、廃液貯留器4の要部を拡大して示す部分断面図である。図6及び図7は、廃液貯留器4においてキャニスタ6の開閉操作部材63の近傍を拡大して示す断面図であって、図6では開閉操作部材63の閉塞保持姿勢を取った状態が示され、図7では開閉操作部材63の開放許容姿勢を取った状態が示されている。
廃液貯留器4は、キャニスタ6内にライナー5が収容された状態において、中心軸J1(図2)が上下方向(鉛直方向)に沿って延びるように、吸引経路部3によって区画される吸引経路上で吸引起点部33と吸引源2との間に配置される。
<キャニスタの構成>
キャニスタ6は、後述のライナー5を収容する容器収容器である。キャニスタ6は、容器本体61と、開閉蓋体62と、開閉操作部材63と、通気弁64と、を備える。
容器本体61は、キャニスタ6においてライナー5を収容する本体部分を構成する。容器本体61は、上下方向に延びる容器軸に沿って長手の有底円筒状に形成される。容器本体61の前記容器軸は、容器本体61の中心軸を表し、廃液貯留器4の中心軸J1と同軸上に配置され、上下方向に延びる。主として図4に示すように、容器本体61は、上端面部6121において上方に開口する円形状の上方開口6121Hを有する有底円筒状に形成される。容器本体61は、ライナー5を収容する。更に、容器本体61は、後述の開閉蓋体62と共に、すなわち開閉蓋体62と協働して、収容したライナー5の外側に吸引源2の吸引力によって負圧とされる吸引空間S1を区画する。
本実施形態では、容器本体61は、有底円筒状の本体部611と、本体部611の上端に接合された円筒体からなり、容器本体61の前記上端面部6121における上方開口6121Hを区画する上方構造部612と、を有する。容器本体61は、本体部611の上端に上方構造部612が接合されることにより、全体として一体に構成されている。
容器本体61は、後述のライナー5よりも剛性の高い硬質の合成樹脂により形成されている。容器本体61において、本体部611と上方構造部612とは、同一の合成樹脂により形成されていてもよいし、異種の合成樹脂により形成されていてもよい。本実施形態では、容器本体61内に収容されたライナー5内における廃液WLの収容状態が視認可能となるように、本体部611は無色透明な光透過性を有する合成樹脂により形成されている。一方、上方構造部612は、キャニスタ6のデザイン性を考慮して着色された合成樹脂もしくは金属により形成されている。
図1及び図5に示すように、上方構造部612は、吸引源接続部6122と大気開放部6123とを有する。吸引源接続部6122は、前記吸引空間S1と吸引経路部3の第1経路部材31とを連通し、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1から排出される空気の流路となる空気排出路61221を区画する。空気排出路61221は、円筒体からなる上方構造部612の周壁を貫通して設けられる。吸引源接続部6122は、吸引経路部3の第1経路部材31と接続される。これにより、吸引源接続部6122の空気排出路61221と第1経路部材31とが連通し、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1から吸引源2へ向かう方向(図1の矢印H1)に空気が排出されて、前記吸引空間S1が負圧とされる。なお、空気排出路61221は、容器本体61の上方構造部612に設けられることに限定されず、開閉蓋体62に設けられていてもよい。
大気開放部6123は、前記吸引空間S1と外部空間S4とを連通し、外部空間S4の空気が前記吸引空間S1へ流入する流路となる空気流入路61231を区画する。空気流入路61231は、円筒体からなる上方構造部612の周壁を貫通して設けられる。なお、空気流入路61231は、容器本体61の上方構造部612に設けられることに限定されず、開閉蓋体62に設けられていてもよい。また、大気開放部6123の空気流入路61231には、通気弁64が配置される。詳細については後述するが、通気弁64は、空気流入路61231を閉鎖又は開放する弁体である。通気弁64によって空気流入路61231が閉鎖された状態では、吸引源2の吸引力の作用による前記吸引空間S1の負圧状態が維持される。一方、吸引源2の吸引力の作用が停止されて通気弁64によって空気流入路61231が開放された状態では、負圧とされていた前記吸引空間S1へ空気流入路61231を介して外部空間S4から空気が流入する。これにより、前記吸引空間S1が大気開放される。
本実施形態では、上方構造部612において、吸引源接続部6122と大気開放部6123とは、上方構造部612の中心(上方開口6121Hの中心)を対称点とする点対称な位置関係にある。換言すると、上方構造部612を上方から見たときに、吸引源接続部6122と大気開放部6123とは、上方構造部612の中心(上方開口6121Hの中心)を通る仮想線上において、互いに対向配置されている。図5を参照してより詳しく説明すると、上方構造部612を上方から見たときに、吸引源接続部6122の空気排出路61221における排出口6122Hと、大気開放部6123の空気流入路61231における流入口6123Hとは、上方構造部612の中心(上方開口6121Hの中心)を通る仮想線上において、互いに対向配置されている。空気排出路61221の排出口6122Hは、空気排出路61221において空気の排出方向の最上流端となる開口であって、上方構造部612の周壁の内周面に形成された開口である。また、空気流入路61231の流入口6123Hは、空気流入路61231において空気の流入方向の最下流端となる開口であって、上方構造部612の周壁の内周面に形成された開口である。
また、図1〜図5に示すように、上方構造部612は、蓋体支持部6124と操作支持部6125とを、更に有する。蓋体支持部6124は、後述の開閉蓋体62を支持する。蓋体支持部6124は、容器本体61を上方から見たときに、本体部611よりも径方向外方に延出している。操作支持部6125は、後述の開閉操作部材63を支持する。操作支持部6125は、蓋体支持部6124と同様に、容器本体61を上方から見たときに、本体部611よりも径方向外方に延出している。上方構造部612において、蓋体支持部6124は吸引源接続部6122に近設され、操作支持部6125は大気開放部6123に近設されている。上方構造部612において、蓋体支持部6124と操作支持部6125とは、上方構造部612の中心(上方開口6121Hの中心)を対称点とする点対称な位置関係にある。換言すると、上方構造部612を上方から見たときに、蓋体支持部6124と操作支持部6125とは、上方構造部612の中心(上方開口6121Hの中心)を通る仮想線上において、互いに対向配置されている。
また、図4に示すように、上方構造部612は、第1シール溝6126を更に有する。第1シール溝6126は、上方構造部612において本体部611と接合された部分とは反対側の上端面部6121に形成された、上方開口6121Hの開口縁に沿った円環状の溝である。第1シール溝6126には、第1シール部材6126Aが嵌め込まれる。第1シール部材6126Aは、弾性変形可能なゴム材料からなるシール部材である。
開閉蓋体62は、上方構造部612における蓋体支持部6124に支持され、上方構造部612における上端面部6121の上方開口6121Hを開閉する蓋体である。開閉蓋体62は、容器本体61と同様に、ライナー5よりも剛性の高い硬質の合成樹脂により形成されている。本実施形態では、開閉蓋体62は、容器本体61の上方構造部612と同一色に着色された合成樹脂により形成されている。
図2〜図5に示すように、開閉蓋体62は、容器本体61の上下方向に延びる前記容器軸と直交する方向に延びる蓋体回動軸部621を有し、当該蓋体回動軸部621回りの回動が可能となるように、蓋体支持部6124に支持されている。開閉蓋体62は、蓋体回動軸部621回りに回動することにより、上方構造部612の上方開口6121Hを塞ぐ閉塞位置と、前記上方開口6121Hを開放する開放位置との間での変位が可能である。開閉蓋体62が閉塞位置に配置された状態が図2に示され、開閉蓋体62が開放位置に配置された状態が図3に示されている。開閉蓋体62は、前記閉塞位置に配置された状態において、容器本体61と共に、すなわち容器本体61と協働して、容器本体61に収容されたライナー5の外側に前記吸引空間S1を区画する。開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置されて前記上方開口6121Hが開閉蓋体62によって塞がれた状態においては、容器本体61内の前記吸引空間S1が密閉空間とされる。一方、開閉蓋体62が前記開放位置に配置されて前記上方開口6121Hが開放された状態においては、容器本体61に対するライナー5の出し入れが可能となる。
図2〜図4に示すように、開閉蓋体62は、軸取付部622と、切欠き部623と、閉塞面部624と、天面部625とを有する。開閉蓋体62は、軸取付部622及び切欠き部623を除いて、平面視で円形状に形成される。
軸取付部622は、開閉蓋体62において蓋体回動軸部621が取り付けられる部分である。開閉蓋体62は、軸取付部622を介して上方構造部612の蓋体支持部6124に支持される。切欠き部623は、開閉蓋体62の外周縁から中心62S(図2)に向かって内側に切り欠かれた部分である。切欠き部623は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、容器本体61内に収容されたライナー5における後述の容器蓋体52の廃液導入ポート522の露出を許容する(図2参照)。開閉蓋体62において、軸取付部622と切欠き部623とは、開閉蓋体62の中心62Sを対称点とする点対称な位置関係にある。換言すると、開閉蓋体62の平面視において、軸取付部622と切欠き部623とは、開閉蓋体62の中心62Sを通り仮想線上において、互いに対向配置されている。
閉塞面部624は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態で、上方構造部612の上端面部6121における上方開口6121Hに面して当該上方開口6121Hを塞ぐ部分である。閉塞面部624は、平面視において切欠き部623によって円の一部が切り欠かれた形状に形成される。図3及び図4に示すように、閉塞面部624は、その外周縁よりも僅かに内側に設けられた当接部6241と、当接部6241の内側の端縁から天面部625側に凹んだ凹部6242と、を有する。また、閉塞面部624には、その外周縁における切欠き部623の近傍に係合フック6243が設けられている。この係合フック6243は、後述の開閉操作部材63の係合部634と係合する。
閉塞面部624の凹部6242は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、容器本体61内に収容されたライナー5の上方側に上方空間S2(図1)を形成する。当接部6241は、閉塞面部624の外周縁に沿った形状に形成され、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、ライナー5における後述の容器蓋体52のフランジ部521を介して、上方構造部612の上端面部6121に当接する。この当接部6241は、図3及び図4に示すように、第2シール溝6241Aを有する。第2シール溝6241Aは、当接部6241に沿った、すなわち、閉塞面部624の外周縁に沿った溝である。第2シール溝6241Aには、第2シール部材6241Bが嵌め込まれる。第2シール部材6241Bは、弾性変形可能なゴム材料からなるシール部材である。
開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態においては、詳細については後述するが、ライナー5における容器蓋体52のフランジ部521は、上方から第2シール部材6241Bが圧接され、下方から前記第1シール部材6126Aが圧接される。換言すると、フランジ部521は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、第1シール部材6126Aと第2シール部材6241Bとの間に挟み込まれる。これにより、容器本体61内の前記吸引空間S1と、前記上方空間S2との気密性が保持される。なお、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態においては、ライナー5における容器蓋体52のフランジ部521に形成された複数の貫通穴5211(図1,図3)は、フランジ部521において第1シール部材6126A及び第2シール部材6241Bが圧接する圧接部分よりも内側に配置され、前記吸引空間S1と前記上方空間S2とを連通させる。これにより、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1が負圧とされると共に、前記上方空間S2も負圧とされる。
天面部625は、開閉蓋体62において閉塞面部624に対して厚み方向の反対側に配置された部分である。天面部625は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、外方に露出する。天面部625は、閉塞面部624と同様に、平面視において切欠き部623によって円の一部が切り欠かれた形状に形成される。図2に示すように、天面部625は、切欠き部623の周辺において傾斜部6251を有する。傾斜部6251は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、ライナー5における容器蓋体52の、切欠き部623から露出する廃液導入ポート522に面し、切欠き部623の端縁から離れるに従い上に傾斜している。
次に、図1〜図7を参照して、開閉操作部材63について説明する。開閉操作部材63は、容器本体61の上方構造部612における操作支持部6125に支持され、開閉蓋体62の開閉を操作する部材である。なお、開閉操作部材63は、容器本体61の上方構造部612に支持されることに限定されず、開閉蓋体62に支持されていてもよい。開閉操作部材63は、開閉蓋体62を開閉させるときに医療従事者(作業者)によって操作される。開閉操作部材63は、開閉蓋体62の開放を規制して当該開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態を保持する閉塞保持姿勢と、開閉蓋体62の前記閉塞位置から前記開放位置への変位に応じた前記上方開口6121Hの開放を許容する開放許容姿勢との間で、姿勢変更が可能である。なお、開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢を取った状態が図6に示され、開閉操作部材63が前記開放許容姿勢を取った状態が図7に示されている。
開閉操作部材63は、容器本体61及び開閉蓋体62と同様に、ライナー5よりも剛性の高い硬質の合成樹脂により形成されている。本実施形態では、開閉操作部材63は、容器本体61の上方構造部612及び開閉蓋体62との区別が容易となるように、これらとは異なる色に着色された合成樹脂により形成されている。
開閉操作部材63は、操作回動軸部631と、押圧操作部632と、付勢部633と、係合部634とを有する。
操作回動軸部631は、容器本体61の前記容器軸と直交する方向に延びる軸部であって、前記蓋体回動軸部621と平行に延びる軸部である。操作回動軸部631は、上方構造部612の操作支持部6125に対して開閉操作部材63を回動可能に支持する機能を有する。操作回動軸部631は、操作支持部6125に対して取り外しが可能である。開閉操作部材63は、操作回動軸部631回りの回動が可能となるように、操作支持部6125に支持されている。開閉操作部材63は、操作回動軸部631回りの回動によって、前記閉塞保持姿勢と前記開放許容姿勢との間での姿勢変更が可能である。また、開閉操作部材63は、上方構造部612の大気開放部6123における空気流入路61231を外側から覆うように、操作回動軸部631によって操作支持部6125に支持されている。
押圧操作部632は、医療従事者(作業者)の押圧操作によって下方に向かう押圧力が付与される。付勢部633は、押圧操作部632の下方側において上下方向に延びるようにコイルばね6331が取り付けられている。コイルばね6331は、押圧操作部632を上方へ付勢する。係合部634は、開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢を取った状態において、開閉蓋体62の係合フック6243と係合する。係合部634が係合フック6243と係合した状態においては、開閉蓋体62の前記閉塞位置に配置された状態が保持される。
押圧力の付与によって押圧操作部632がコイルばね6331の付勢力に抗して押し下げられると、開閉操作部材63は、前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢へと姿勢変更するように、操作回動軸部631回りに回動する。この際、係合部634と係合フック6243との係合状態が解除される。これにより、開閉蓋体62の前記閉塞位置から前記開放位置への回動が可能となる。一方、押圧操作部632に押圧力が付与されていない状態では、コイルばね6331の押圧操作部632に対する上方への付勢力によって、開閉操作部材63の前記閉塞保持姿勢が維持される。この際、係合部634と係合フック6243との係合が可能である。これにより、開閉蓋体62の前記閉塞位置に配置された状態の保持が可能となる。
次に、図1、図5〜図7を参照して、通気弁64について説明する。通気弁64は、容器本体61の上方構造部621における大気開放部6123の空気流入路61231に配置された弁体である。通気弁64は、操作回動軸部631よりも内側において開閉操作部材63の姿勢変更に応じた移動が可能となるように、リンク部材641を介して開閉操作部材63に連結されている。通気弁64は、操作回動軸部631が操作支持部6125から取り外された状態において、すなわち、開閉操作部材63が操作支持部6125から取り外された状態において、リンク部材641を介した開閉操作部材63との連結の解除が可能とされている。通気弁64は、開閉操作部材63の姿勢変更に応じて移動することにより、空気流入路61231を閉鎖又は開放する。
通気弁64は、開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢を取った状態では、空気流入路61231を閉鎖する流路閉鎖位置に配置される(図6参照)。通気弁64が流路閉鎖位置に配置されて空気流入路61231が閉鎖された状態では、吸引源2の吸引力による前記吸引空間S1及び前記上方空間S2の負圧状態が維持される。一方、開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて通気弁64は、前記流路閉鎖位置から空気流入路61231を開放する流路開放位置へと移動する(図7参照)。通気弁64は、開閉操作部材63の姿勢変更に応じた前記流路閉鎖位置から前記流路開放位置への移動によって、外部空間S4の空気の空気流入路61231を介した前記吸引空間S1及び前記上方空間S2への流入を許容する。通気弁64が前記流路開放位置に配置されて空気流入路61231が開放された状態では、負圧とされていた前記吸引空間S1及び前記上方空間S2へ空気流入路61231を介して外部空間S4から空気が流入する。これにより、前記吸引空間S1及び前記上方空間S2が大気開放される。
<ライナーの構成>
次に、主として図1及び図3を参照して、ライナー5について説明する。ライナー5は、キャニスタ6内に収容される廃液収容容器である。ライナー5は、その内部が負圧とされることによって吸引起点部33から廃液WLを吸引し、その吸引された廃液WLを収容する。ライナー5は、上方及び下方に開口する円筒状の筒体51と、筒体51の上方の開口を塞ぐ容器蓋体52と、筒体51の下方の開口を塞ぐ底板53と、を含む。ライナー5は、筒体51の上端に容器蓋体52が接合され、筒体51の下端に底板53が接合されることにより、全体として一体に構成されている。
図1に示すように、筒体51は、ライナー5において廃液WLを収容する廃液収容空間S3を区画する本体部分を構成する。筒体51は、上下方向に延びる筒体軸に沿って長手の円筒状に形成される。筒体51の前記筒体軸は、筒体51の中心軸を表し、ライナー5がキャニスタ6内に収容された状態において、廃液貯留器4の中心軸J1と同軸上に配置され、上下方向に延びる。筒体51は、キャニスタ6よりも剛性が低く、可撓性を有する合成樹脂により形成されている。
筒体51は、可撓性を有する合成樹脂により形成されることによって、前記筒体軸に沿った圧縮力が付与されることで押し潰された形態の圧縮変形が可能である。筒体51の圧縮変形によってライナー5のコンパクト化が可能となり、ライナー5の保管時や輸送時においてライナー5の占有スペースを小さくすることができる。なお、筒体51を圧縮変形させるときには、前記筒体軸に沿って筒体51に圧縮力を付与するようにすればよいが、前記筒体軸回りに捻転させながら筒体51に圧縮力を付与することが望ましい。これにより、筒体51の圧縮変形後の形態において、筒体51の一部が径方向外方に飛び出る形態となることを防止し、ライナー5のより適切なコンパクト化が可能となる。なお、圧縮変形状態の筒体51は、前記筒体軸に沿った引張力が付与されることで、前記筒体軸に沿って長手の円筒状に復元される。このように筒体51が円筒状とされた状態でライナー5はキャニスタ6にセットされ、ライナー5がキャニスタ6に収容された状態とされる。
底板53は、円板状に形成され、筒体51の下端に接合されることにより、当該筒体51の下方の開口を塞ぐ部材である。底板53は、筒体51よりも剛性の高い合成樹脂により形成されており、筒体51のように可撓性を有していない。本実施形態では、底板53は、筒体51との区別が容易となるように、着色された合成樹脂により形成されている。
容器蓋体52は、上方から見た平面視で円形状に形成され、筒体51の上端に接合されることにより、当該筒体51の上方の開口を塞ぐ蓋体である。容器蓋体52は、底板53と同様に、筒体51よりも剛性の高い合成樹脂により形成されており、筒体51のように可撓性を有していない。本実施形態では、容器蓋体52は、筒体51との区別が容易となるように、底板53と同一の色に着色された合成樹脂により形成されている。
容器蓋体52は、フランジ部521と、廃液導入ポート522と、廃液排出ポート523と、連通ポート526と、廃液処理剤収納部524と、把持部材525と、を有する。
フランジ部521は、容器蓋体52が筒体51の上端に接合された状態において、筒体51に対して径方向外方に延出した部分である(図1参照)。フランジ部521は、ライナー5がキャニスタ6に収容された状態において、容器本体61の上方構造部612における上端面部6121に当接する。更に、キャニスタ6の開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態においては、フランジ部521は、当該開閉蓋体62の閉塞面部624における当接部6241と、上方構造部612における上端面部6121との間に挟み込まれる。すなわち、フランジ部521は、開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、前記第1シール部材6126Aと前記第2シール部材6241Bとの間に挟み込まれて両シール部材が圧接する圧接部分を有する。既述の通り、開閉蓋体62の閉塞面部624は、切欠き部623に対応して円の一部が切り欠かれた形状を有している。このため、フランジ部521の下面は、全周にわたって前記第1シール部材6126Aが圧接しているが、フランジ部521の上面は、切欠き部623に対応した部分を除いて前記第2シール部材6241Bが圧接している。換言すると、フランジ部521において、前記第1シール部材6126A及び前記第2シール部材6241Bの両シール部材が圧接する圧接部分は、切欠き部623に対応した部分を除いた残余の部分となる。
フランジ部521には、厚み方向(上下方向)に貫通して設けられた複数の貫通穴5211が形成されている。複数の貫通穴5211は、フランジ部521において、前記圧接部分よりも内側に配置され、前記吸引空間S1と前記上方空間S2とを連通させる。これにより、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1が負圧とされると共に、前記上方空間S2も負圧とされる。なお、フランジ部521において切欠き部623に対応した部分には、貫通穴5211は形成されていない。
連通ポート526は、容器蓋体52が筒体51の上端に接合された状態において、筒体51よりも径方向の内側で容器蓋体52を貫通して設けられた、上下方向に延びるポートである。連通ポート526の上端部は、キャニスタ6の開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、容器本体61内に収容されたライナー5の上方側に形成された前記上方空間S2内に配置される。一方、連通ポート526の下端部は、筒体51の廃液収容空間S3内に配置される。すなわち、連通ポート526は、ライナー5の内部に相当する筒体51の廃液収容空間S3と、ライナー5の上方側に形成された前記上方空間S2とを連通する。これにより、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1及び前記上方空間S2が負圧とされることに伴って、筒体51の廃液収容空間S3も負圧とされる。
なお、連通ポート526は、その下端部に止水フィルタが設けられている。ライナー5においては、筒体51の廃液収容空間S3内に収容された廃液WLの液面が連通ポート526の下端部に設けられた止水フィルタに達した場合に、廃液収容空間S3内に収容された廃液WLが満杯状態になったとされる。ここで、廃液排出ポート523は、容器蓋体52が筒体51の上端に接合された状態において、筒体51よりも径方向の内側で容器蓋体52を貫通して設けられた、上下方向に延びるポートである。廃液排出ポート523は、ライナー5がキャニスタ6から取り出された状態において、ライナー5内(筒体51の廃液収容空間S3内)に収容された廃液WLを排出するためのポートである。図3に示すように、容器蓋体52には、把持部材525が取り付けられている。医療従事者(作業者)は、把持部材525を把持しつつ、ライナー5をキャニスタ6から取り出すことができる。
廃液導入ポート522は、容器蓋体52が筒体51の上端に接合された状態において、筒体51よりも径方向の内側で容器蓋体52を貫通して設けられた、上下方向に延びるポートである。本実施形態では、容器蓋体52を上方から見た平面視において、廃液排出ポート523と廃液導入ポート522とは、容器蓋体52の中心を対称点とする点対称な位置関係にある。換言すると、容器蓋体52を上方から見た平面視において、廃液排出ポート523と廃液導入ポート522とは、容器蓋体52の中心を通る仮想線上において、互いに対向配置されている。なお、容器蓋体52の中心は、廃液貯留器4の中心軸J1と同軸上の、筒体51の前記筒体軸上に配置される。
廃液導入ポート522は、キャニスタ6の開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、切欠き部623から露出するように、容器蓋体52から上方側へ突出している。廃液導入ポート522は、吸引経路部3の第2経路部材32と接続される。廃液導入ポート522は、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1及び前記上方空間S2が負圧とされることに応じて、ライナー5の廃液収容空間S3が負圧とされると、吸引起点部33から吸引された廃液WLを、前記廃液収容空間S3内に導入する。すなわち、吸引源2の吸引力によってライナー5の廃液収容空間S3が負圧とされた場合、吸引起点部33から吸引された廃液WLは、第2経路部材32及び廃液導入ポート522を流れて(図1の矢印H2方向に流れて)、ライナー5の廃液収容空間S3内に収容される。
廃液処理剤収納部524は、容器蓋体52において、廃液収容空間S3内に収容された廃液WLを処理するための廃液処理剤を収納する部分である。図3に示すように、廃液処理剤収納部524は、容器蓋体52の中央において筒体51よりも径方向の内側で、且つ、廃液導入ポート522及び連通ポート526よりも内側に配置される。開閉蓋体62が前記開放位置に配置された状態では、廃液処理剤収納部524の上側部分が露出する。この状態で、廃液処理剤収納部524に対する上方からの押圧力が医療従事者(作業者)によって付与された場合、廃液処理剤収納部524は、廃液処理剤の収納状態が解除される。これにより、廃液処理剤収納部524に収納されていた廃液処理剤が、ライナー5の廃液収容空間S3内へ添加される。
廃液処理剤収納部524に収納される廃液処理剤としては、凝固剤や凝集剤を挙げることができる。凝固剤は、廃液WLを凝固させることが可能な処理剤である。凝固剤としては、粉末状、粒状、塊状などの固体状のものが用いられる。ただし、廃液WLとの接触面積を可及的に大きくするために、凝固剤は、粉末状又は粒状であるのが望ましい。ライナー5の廃液収容空間S3内に収容された廃液WLに凝固剤が添加されると、廃液WLが凝固剤によって凝固する。一方、凝集剤は、廃液WLに含まれる成分を凝集させてライナー5の廃液収容空間S3内において凝集物を生成させることが可能な処理剤である。具体的には、凝集剤は、例えば、血液に含まれる細胞成分である赤血球、液状成分である血漿に含まれるタンパク質などを凝集させる。凝集剤としては、粉末状、粒状、塊状などの固体状のものが用いられる。ただし、廃液WLに分散しやすいようにするために、凝集剤は、粉末状又は粒状であるのが望ましい。ライナー5の廃液収容空間S3内に収容された廃液WLに凝集剤が添加されると、廃液WLに含まれる成分が凝集剤によって凝集物として廃液収容空間S3内に沈殿する。これにより、廃液収容空間S3内において廃液WLが、上澄み液と凝集物とに分離される。
[廃液貯留器の取扱いの態様]
以上説明した通り、廃液貯留器4においては、キャニスタ6内にライナー5が収容された状態で吸引源2の吸引力が作用すると、吸引起点部33から吸引された廃液WLがライナー5の廃液収容空間S3内に収容される。キャニスタ6の容器本体61における上方構造部612には開閉操作部材63が支持され、この開閉操作部材63にはリンク部材641を介して通気弁64が連結されている。
開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢を取った状態では、キャニスタ6において開閉蓋体62の前記閉塞位置に配置された状態が保持されると共に、通気弁64が前記空気流入路61231を閉鎖する前記流路閉鎖位置に配置される。この状態では、キャニスタ6の容器本体61内においてライナー5の外側の前記吸引空間S1が密閉空間とされる。この状態で吸引源2の吸引力が作用すると前記吸引空間S1が負圧とされ、これに伴って廃液WLがライナー5の廃液収容空間S3内に流入する。このようにしてライナー5の廃液収容空間S3内に廃液WLを収容することができる。
一方、吸引源2の吸引力の作用が停止された状態において、開閉操作部材63が前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて通気弁64が、前記流路閉鎖位置から前記空気流入路61231を開放する前記流路開放位置へと移動する。これにより、外部空間S4の空気が空気流入路61231を介してキャニスタ6内の前記吸引空間S1及び前記上方空間S2内へ流入し、当該吸引空間S1が大気開放される。このため、開閉操作部材63が前記開放許容姿勢を取った状態で開閉蓋体62を開放するときに、キャニスタ6内の前記吸引空間S1及び前記上方空間S2に負圧が残ることを防止することができる。この結果、開閉蓋体62を容易に開放することができ、開閉蓋体62が前記開放位置に配置された状態において容器本体61に対するライナー5の出し入れが可能となる。
また、既述の通り、キャニスタ6の容器本体61の上方構造部612において、吸引源接続部6122には、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1及び前記上方空間S2から排出される空気の流路となる空気排出路61221が設けられている。このような構成では、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1及び前記上方空間S2内の空気が空気排出路61221を介して排出されることにより、前記吸引空間S1及び前記上方空間S2が負圧とされる。ここで、外部空間S4の空気が前記吸引空間S1及び前記上方空間S2へ流入する流路となる空気流入路61231は、空気排出路61221よりも圧力損失が大きいことが望ましい。このような空気流入路61231と空気排出路61221との圧力損失の関係は、例えば次のように実現することができる。
キャニスタ6の容器本体61の上方構造部612において、空気排出路61221の最上流端の排出口6122Hと、空気流入路61231の最下流端の流入口6123Hとは、上方構造部612の周壁の内周面に形成された開口である。すなわち、空気排出路61221の排出口6122Hと空気流入路61231の流入口6123Hとは、容器本体61内の前記吸引空間S1に面している。このような排出口6122H及び流入口6123Hの開口面積について、流入口6123Hの開口面積を排出口6122Hの開口面積よりも小さい値に設定することによって、空気流入路61231の圧力損失を、空気排出路61221の圧力損失よりも大きくすることができる。これにより、吸引源2の吸引力によって前記吸引空間S1及び前記上方空間S2内の空気が空気排出路61221を介して排出されて前記吸引空間S1が負圧とされる状態が継続されているときに、開閉操作部材63が誤って操作されたとしても、前記吸引空間S1及び前記上方空間S2の負圧状態が保持される。このため、開閉操作部材63の誤操作による前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢への姿勢変更を抑止することができる。
また、既述の通り、開閉蓋体62は、蓋体回動軸部621回りの回動によって前記閉塞位置と前記開放位置との間での変位が可能であり、開閉操作部材63は、操作回動軸部631回りの回動によって前記閉塞保持姿勢と前記開放許容姿勢との間での姿勢変更が可能である。開閉操作部材63は、上方構造部612の大気開放部6123における空気流入路61231を外側から覆うように、操作回動軸部631によって操作支持部6125に支持されている。これにより、不用意にゴミ等の異物が空気流入路61231を介して前記吸引空間S1内に進入することを、開閉操作部材63によって抑制することができる。
そして、通気弁64は、操作回動軸部631よりも内側において開閉操作部材63の姿勢変更に応じて移動するように、リンク部材641を介して開閉操作部材63に連結されている。ここで、操作回動軸部631が操作支持部6125から取り外されて、開閉操作部材63が操作支持部6125から取り外された状態において、通気弁64は、リンク部材641を介した開閉操作部材63との連結の解除が可能である。このような構成では、通気弁64を清掃するときや、通気弁64を交換するときには、操作支持部6125から操作回動軸部631を取り外し、その後、開閉操作部材63に対してリンク部材641を介した連結を解除することにより、通気弁64を取り外すことができる。
また、既述の通り、キャニスタ6に収容されるライナー5の容器蓋体52には、廃液導入ポート522が設けられている。この廃液導入ポート522には、吸引起点部33から廃液貯留器4に至る吸引経路を構成する可撓性チューブ等の第2経路部材32が、接続される。廃液導入ポート522に第2経路部材32が接続された状態で、吸引源2の吸引力によってキャニスタ6内の前記吸引空間S1及び前記上方空間S2が負圧とされることにより、吸引起点部33から吸引された廃液WLを廃液導入ポート522からライナー5の廃液収容空間S3内に導入することができる。そして、キャニスタ6の開閉蓋体62において、蓋体回動軸部621が取り付けられる軸取付部622と、廃液導入ポート522の露出を許容する切欠き部623とは、開閉蓋体62の中心62Sを対称点とする点対称な位置関係にある。これにより、廃液導入ポート522に接続された第2経路部材32の位置を、開閉蓋体62が蓋体回動軸部621回りに回動したときの切欠き部623の回動軌跡から外れた位置に設定することが、容易となる。このため、廃液導入ポート522に第2経路部材32が接続された状態のままで、開閉蓋体62が前記閉塞位置から前記開放位置に向かって蓋体回動軸部621回りに回動したとしても、第2経路部材32が開閉蓋体62に干渉することを抑制することができる。
また、既述の通り、キャニスタ6の開閉蓋体62の天面部625において、廃液導入ポート522の露出を許容する切欠き部623の周辺部分が、切欠き部623の端縁から離れるに従い上に傾斜した傾斜部6251とされている。これにより、医療従事者(作業者)が、廃液導入ポート522に第2経路部材32を接続する作業を行う際に、開閉蓋体62の天面部625が邪魔となることを抑制し、第2経路部材32の接続作業の作業性の向上を図ることができる。
また、既述の通り、キャニスタ6の開閉蓋体62が前記閉塞位置に配置された状態において、上方構造部612の第1シール部材6126Aと、開閉蓋体62の第2シール部材6241Bとの間に、ライナー5の容器蓋体52のフランジ部521が挟み込まれる。これにより、キャニスタ6内の気密性が保持される。具体的には、キャニスタ6内において、容器本体61によってライナー5の外側に区画される前記吸引空間S1と、開閉蓋体62の凹部6242によってライナー5の上方側に区画される前記上方空間S2とが、気密空間とされる。ここで、前記第1シール部材6126Aと前記第2シール部材6241Bとの間に挟み込まれる容器蓋体52のフランジ部521は、両シール部材が圧接する圧接部分を有し、当該圧接部分よりも内側に貫通穴5211が設けられている。このフランジ部521に設けられる貫通穴5211は、前記吸引空間S1と前記上方空間S2とを連通させる。これにより、吸引源2の吸引力が作用したときには、前記吸引空間S1及び前記上方空間S2の両空間が負圧とされる。このように、前記吸引空間S1及び前記上方空間S2の両空間が負圧とされることにより、吸引起点部33から吸引された廃液WLを廃液導入ポート522からライナー5の廃液収容空間S3内に導入することができる。
1 廃液吸引システム
2 吸引源
3 吸引経路部
4 廃液貯留器
5 ライナー(廃液収容容器)
51 筒体
52 容器蓋体
521 フランジ部
5211 貫通穴
522 廃液導入ポート
53 底板
6 キャニスタ(容器収容器)
61 容器本体
611 本体部
612 上方構造部
6121 上端面部
6121H 上方開口
6122 吸引源接続部
61221 空気排出路
6123 大気開放部
61231 空気流入路
6124 蓋体支持部
6125 操作支持部
6126 第1シール溝
6126A 第1シール部材
62 開閉蓋体
621 蓋体回動軸部
622 軸取付部
623 切欠き部
624 閉塞面部
6241 当接部
6241A 第2シール溝
6241B 第2シール部材
6242 凹部
625 天面部
6251 傾斜部
63 開閉操作部材
631 操作回動軸部
64 通気弁
641 リンク部材
S1 吸引空間
S2 上方空間
S3 廃液収容空間
S4 外部空間

Claims (8)

  1. 吸引源の吸引力によって吸引された所定の廃液を収容する廃液収容容器を収容可能な容器収容器であって、
    上下方向に延びる有底筒状に形成されて上端面部において上方に開口する上方開口を有し、前記廃液収容容器を収容する容器本体と、
    前記上方開口を塞ぐ閉塞位置と前記上方開口を開放する開放位置との間での変位が可能となるように前記容器本体に支持され、前記閉塞位置に配置された状態において、前記容器本体に収容された前記廃液収容容器の外側に、前記吸引源の吸引力によって負圧とされる吸引空間を前記容器本体と共に形成する開閉蓋体と、
    前記容器本体又は前記開閉蓋体に形成され、外部空間の空気が前記吸引空間へ流入する流路となる空気流入路と、
    前記開閉蓋体の開閉を操作する部材であって、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態を保持する閉塞保持姿勢と、前記開閉蓋体の前記閉塞位置から前記開放位置への変位に応じた前記上方開口の開放を許容する開放許容姿勢との間での姿勢変更が可能となるように、前記容器本体又は前記開閉蓋体に支持された開閉操作部材と、
    前記空気流入路を閉鎖する流路閉鎖位置と前記空気流入路を開放する流路開放位置との間での、前記開閉操作部材の姿勢変更に応じた移動が可能となるように、前記開閉操作部材に連結された通気弁と、を備え、
    前記通気弁は、
    前記開閉操作部材が前記閉塞保持姿勢を取った状態では、前記吸引源の吸引力による前記吸引空間の負圧状態が維持されるように前記流路閉鎖位置に配置され、
    前記開閉操作部材が前記閉塞保持姿勢から前記開放許容姿勢へと姿勢変更すると、その姿勢変更に応じて前記流路閉鎖位置から前記流路開放位置へと移動することにより、外部空間の空気の前記空気流入路を介した前記吸引空間への流入を許容する、容器収容器。
  2. 前記容器本体又は前記開閉蓋体に形成され、前記吸引源の吸引力によって前記吸引空間から排出される空気の流路となる空気排出路を、更に備え、
    前記空気流入路は、前記空気排出路よりも圧力損失が大きい、請求項1に記載の容器収容器。
  3. 前記開閉操作部材は、前記空気流入路を外側から覆うように、前記容器本体に対して取り外しが可能な操作回動軸部回りの回動が可能に当該容器本体に支持され、
    前記通気弁は、前記操作回動軸部よりも内側において前記開閉操作部材の姿勢変更に応じて移動するように前記開閉操作部材に連結され、前記操作回動軸部が前記容器本体から取り外された状態において前記開閉操作部材との連結の解除が可能である、請求項1又は2に記載の容器収容器。
  4. 吸引源の吸引力によって吸引された所定の廃液を貯留可能な廃液貯留器であって、
    筒体と当該筒体の上端に接合された容器蓋体とを含み、前記廃液を収容する廃液収容空間を区画する廃液収容容器と、
    前記廃液収容容器を収容する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器収容器と、を備える、廃液貯留器。
  5. 前記廃液収容容器は、前記容器蓋体に設けられ、前記容器収容器の前記吸引空間が負圧とされることに応じて前記廃液を、前記廃液収容空間内に導入する廃液導入ポートを有し、
    前記容器収容器において前記開閉蓋体は、
    前記上下方向と直交する方向に延びる蓋体回動軸部回りの回動によって前記閉塞位置と前記開放位置との間で変位するように構成され、
    前記蓋体回動軸部が取り付けられる軸取付部と、
    前記開閉蓋体の外周縁から中心に向かって内側に切り欠かれ、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態において、前記廃液収容容器の前記廃液導入ポートの露出を許容する切欠き部と、を有し、
    前記軸取付部と前記切欠き部とは、前記開閉蓋体の中心を対称点とする点対称な位置関係にある、請求項4に記載の廃液貯留器。
  6. 前記容器収容器において前記開閉蓋体は、前記閉塞位置に配置された状態で外方に露出する天面部を有し、
    前記天面部は、前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態で、前記切欠き部の周辺において前記廃液収容容器の前記廃液導入ポートに面し、前記切欠き部の端縁から離れるに従い上に傾斜した傾斜部を有する、請求項5に記載の廃液貯留器。
  7. 前記容器収容器において、
    前記容器本体は、前記上端面部において前記上方開口の開口縁に沿って設けられた第1シール部材を有し、
    前記開閉蓋体は、前記閉塞位置に配置された状態で前記容器本体に収容された前記廃液収容容器の上方側に上方空間を形成する凹部と、前記凹部の外側において前記容器本体の前記上端面部に当接し、第2シール部材を有した当接部と、を有し、
    前記廃液収容容器において前記容器蓋体は、前記筒体に対して外方に延出したフランジ部を有し、
    前記フランジ部は、
    前記開閉蓋体が前記閉塞位置に配置された状態において、前記第1シール部材と前記第2シール部材との間に挟み込まれて両シール部材が圧接する圧接部分と、
    前記圧接部分よりも内側に設けられ、前記吸引空間と前記上方空間とを連通させる貫通穴と、を有している、請求項4〜6のいずれか1項に記載の廃液貯留器。
  8. 所定の廃液を吸引し、この吸引された前記廃液を貯留可能に構成された廃液吸引システムであって、
    吸引源と、
    前記廃液の吸引起点となる吸引起点部から前記吸引源までの吸引経路を構成する吸引経路部と、
    前記吸引経路上において前記吸引起点部と前記吸引源との間に配置され、前記吸引源の吸引力によって前記吸引起点部から吸引された前記廃液を貯留可能に構成された、請求項4〜7のいずれか1項に記載の廃液貯留器と、を備える、廃液吸引システム。
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