JP2021044642A - 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品 - Google Patents

楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2021044642A
JP2021044642A JP2019164158A JP2019164158A JP2021044642A JP 2021044642 A JP2021044642 A JP 2021044642A JP 2019164158 A JP2019164158 A JP 2019164158A JP 2019164158 A JP2019164158 A JP 2019164158A JP 2021044642 A JP2021044642 A JP 2021044642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
accessory
resin
musical
instrument
soft resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019164158A
Other languages
English (en)
Inventor
元夫 島田
Motoo Shimada
元夫 島田
栗山 智
Satoshi Kuriyama
栗山  智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kyoto Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Chemical Co Ltd filed Critical Kyoto Chemical Co Ltd
Priority to JP2019164158A priority Critical patent/JP2021044642A/ja
Publication of JP2021044642A publication Critical patent/JP2021044642A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

【課題】 本出願人が以前に提案した楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品よりもさらに音質向上効果に優れた楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品を提供する。【解決手段】 スライスされた軟質樹脂からなり、前記軟質樹脂に粒子状の金属、特に銅、および気泡、特に微小中空粒子による気泡が分散されていることを特徴とするシート状の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品であり、音質向上効果に優れる。【選択図】 なし

Description

本発明は、各種の楽音機器および音響機器に使用する付属部品に関し、特に粒子状の金属 と気泡が分散した樹脂からなる楽音機器用の付属部品および音響機器用の付属部品に関する。
従来から、楽器としては、ギター、バイオリン、三味線、ビオラ、チェロおよびコントラバスなどの弦楽器、クラリネットおよびトランペットなどの管楽器、ピアノおよびオルガンなどの鍵盤楽器、ドラムおよび太鼓などの打楽器などが挙げられ、通常の楽器本体の基本的な形状や材質はほぼ決っている。しかしながら、楽器の音色を少しでも向上させることは、演奏者の技量にもよるが、演奏者にとっては永遠の課題であった。
また、楽音機器の一種としての各種の音響機器があり、原音に限りなく近い音の追求がなされ、アンプ、スピーカー、CDプレイヤーなどの各コンポーネントにおいて、その音響特性向上のために、いわゆるオーディオ用インシュレーターと言われる一種の振動遮断体が検討されて使用されてきた。インシュレーターとしては、ゴム材、スプリングコイルなどの緩衝体や、木材、樹脂、金属、セラミックおよびこれらの複合体などの硬質材料を用いたものが提案されている。
本出願人は、楽音機器や音響機器の音質を向上させる付属部品として、粒子状の銅および樹脂を含む複合材料からなり、粒子状の銅が樹脂中に分散された構造であることを特徴とする楽音機器用の付属部品およびスピーカー用の付属部品を提案した(特許文献1)。
特開2016−27702号公報
しかしながら、上記部品を用いて実施するとある程度の音質向上効果は認められるものの、場合によっては音質向上効果が明確でないことがある。さらに音質が向上する楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品が求められている。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、本出願人が以前に提案した楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品よりもさらに音質向上効果に優れた楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を改良した楽音機器およびスピーカー用の付属部品を得るべく鋭意検討した結果、粒子状の金属が分散した樹脂にさらに気泡を分散させた後、樹脂をスライスしこのスライス面を楽音機器や音響機器に当てると音質がさらに向上することを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、スライスされた軟質樹脂からなり、前記軟質樹脂に粒子状の金属および気泡が分散されていることを特徴とする楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品である。
さらに本発明は、前記気泡が発泡による気泡および/または微小中空球体による気泡であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記金属が銅であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記軟質樹脂が、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、合成ゴムから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
さらに本発明は、前記気泡が微小中空球体による気泡であることを特徴とする。
さらに本発明は、楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品がシート状であることを特徴とする。
また本発明は、上記軟質樹脂に気泡および粒子状の金属を分散した後、該軟質樹脂をスライスすることを特徴とする上記に記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品の製造方法である。
また本発明は、前記楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品のスライスされた面を前記楽音機器または音響機器に向けて使用することを特徴とする楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品の使用方法である。
本発明によれば、本出願人が以前に提案した楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品よりもさらに音質向上効果に優れた楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品を提供することができる。ここで音質とは、付属部品を使用しない場合に比べて、音の芯の通りが良い、または、ふくよかな音質、もしくは重厚感のある音質のことをいう。
以下、本発明の実施の形態につき、説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品)
スライスされた軟質樹脂には、粒子状の金属および気泡が分散されている。使用される原料について説明する。
(1)粒子状の金属
粒子状の金属の種類としては、銅、鉄、ステンレス、タングステン、黄銅、チタンなどが挙げられる。これらの内で音質向上効果の点で銅が好ましい。銅としては電解銅または還元銅など、いずれの製造方法で製造されたものでもよい。
本発明における粒子状の金属には、金属蒸着などの粒子の表面のみを金属としたものも含むものとする。
粒子状の金属としては、樹脂中に分散できる大きさの金属であれば特にその重量平均粒子径は限定されないが、分散しやすさと音質向上効果の観点から、重量平均粒子径は好ましくは0.3μm以上1,000μm以下、より好ましくは0.5μm以上800μm以下、特に好ましくは1μm以上300μm以下である。
軟質樹脂への粒子状の金属の配合量は特に限定しないが、原料の合計100重量部に対し10〜80重量部とするのが好ましい。粒子状の金属の添加量が10重量部以上であると音質向上効果が認められ、80重量部以下であると軟質樹脂への分散が良好である。
(2)気泡
気泡としては、均一に分散した気泡であれば特に限定はないが、発泡による気泡および微小中空球体による気泡であるのが気泡の分散が制御できるので好ましい。
(a)発泡による気泡
軟質樹脂の製造時、または軟質樹脂の溶融時に炭酸ガス、水、フッ素化合物などの発泡剤または気体のバブリングなどによって軟質樹脂に気泡を生じさせる。気泡の大きさは特に限定はないが、1μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは50〜300μmである。
(b)微小中空球体による気泡
微小中空球体は、微小な球体で中に空洞を有するので気泡と考えられる。微小中空球体としては特に限定はないが、たとえば、フェノール樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの有機質系のもの、ガラス、アルミナシリケート、セラミックス、カーボンなどの無機質系のものが挙げられる。有機質系のものに無機物を配合したコンポジット系のものも使用できる。中空粒子の中の空洞に膨張剤を入れた熱膨張型中空粒子のものも好ましく使用できる。
これらの中でも特に、柔軟性および軽量化の点で有機質系の微小中空球体および強度を上げた有機質系のものに炭酸カルシウムなどの無機物を配合したコンポジット系のものが好ましく使用できる。
微小中空球体の大きさは限定されるものではないが、平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜150μmのものである。種々の粒子径のものを混合して用いてもよい。
気泡は、発泡による気泡または微小中空球体による気泡でもよいが、好ましくは微小中空球体による気泡であり、さらにこれらの気泡を同時に含むのがより好ましい。これらの気泡を同時に含むことにより音質向上効果の相乗効果が認められる。比率は特に限定はないが、微小中空球体の比率が体積比で50%以上であるのが音質向上効果の点で好ましい。
軟質樹脂への微小中空球体の配合量は特に限定しないが、原料の合計100重量部に対し1〜20重量部とするのが好ましい。微小中空球体の添加量が1重量部以上であると音質向上効果が認められ、20重量部以下であると軟質樹脂との混合が容易であり、またスライス加工性が良好である。
(3)軟質樹脂
軟質樹脂は、その分子構造、含有される官能基の種類、その製造方法には限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
具体的には、軟質の熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、およびスチレン・(エチレン・ブチレン)・スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー、アルキル(メタ)アクリレートを主成分としたスチレン・アルキル(メタ)アクリレート・アクリロニトリル共重合体、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムにビニル単量体がグラフト重合したグラフト共重合体、高ゴム含量のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、高ゴム含量アクリロニトリル・アクリレート・スチレン共重合体、高ゴム含量のアクリロニトリル・エチレン・ブテン・スチレン共重合体、および
シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン・メチルメタクリレートグラフト共重合体、(エチレン・エチルアクリレート)・メチルメタクリレートグラフト共重合体、低密度ポリエチレン・グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体、ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体、ウレタン樹脂系エラストマー、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体、酸基含有エチレン・プロピレン共重合体、エポキシ基含有エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、アミド樹脂系エラストマー、およびイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの内で好ましいのは、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、合成ゴムである。
軟質の熱硬化性樹脂としては、硬化性樹脂を軟質化したものが使用できる。たとえば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
上記した樹脂は、1種単独でも、又は2種以上のものを混合して用いることができる。
これらの内で、粒子状の金属を含んで発泡する場合や微小中空球体を混合する場合、軟質樹脂の粘度は低い方が分散しやすく。その点で熱硬化性樹脂が好ましい。すなわち、熱硬化性樹脂を製造する前の原料は粘度が低いのでその一部に微小中空球体を配合しておいて、硬化する前に樹脂原料を配合することによって粒子状の金属および微小中空球体を均一に分散することができる。
また、熱硬化性樹脂の中でも特にウレタン樹脂が好ましい。熱硬化性ウレタン樹脂はシートにすると柔軟になりやすく、しかも樹脂の硬さの調整が容易であり、シート状に加工しやすい。
(4)楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品の製造法
熱可塑性樹脂の場合、たとえば、軟質樹脂に粒子状の金属および微小中空粒子を軟質樹脂の融点以上で混合する。この場合バブリングして気泡を存在することができる。熱硬化性樹脂の場合、たとえば、軟質樹脂を形成する原料に粒子状の金属および微小中空粒子を混合した後熱硬化させる。この場合発泡剤などを添加して発泡させて気泡を存在させることができる。
以下、熱硬化性樹脂としてのウレタン樹脂について記載するが、他の軟質樹脂も公知の製造法について製造する際に同様に適用できる。
ウレタン樹脂は、ポリオール(a)および/もしくはポリアミン(b)とイソシアネート(c)を反応させて得られる。
ポリオールとしては、分子中にヒドロキシル基を2個以上有するものであれば特に限定されず、従来ウレタン樹脂で使用されてきたものが使用できる。たとえば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリル系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、エチレン性不飽和単量体で変性された重合体ポリオールなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらのポリオールの中でも、ウレタン樹脂の耐久性の観点から、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましく用いられ、さらに、製造時の作業性、経済性の観点から、ポリエーテルポリオールが特に好ましく用いられる。
ウレタン樹脂は軟質性を有し、軟質度は強度との観点から決められるのが好ましい。軟質度を調整するためには、ポリオールやイソシアネートの種類を選択したり、ポリオールの平均官能基数、水酸基価及び末端官能基と後述するイソシアネートの平均官能基数を調節したりすればよい。分子内に長鎖骨格を含むポリオールやイソシアネートが軟質性を付与しやすい。
ポリオールの平均官能基数は、ウレタン樹脂に軟質性を付与する観点から、好ましくは1.5〜3.0であり、より好ましくは1.7〜2.5であり、ポリオールの水酸基価は、好ましくは20〜200mgKOH/gであり、より好ましくは28〜160mgKOH/gである。
また、ポリオールの末端水酸基の1級OH比率(すなわち、末端に位置する水酸基中の1級水酸基の比率)は、40〜100%であり、引張強度の向上の観点から、好ましくは5
0〜90%である。末端水酸基の1級OH比率が40%以上であると、ウレタン樹脂の機械物性が良好となる。
このようなものとしては、たとえば、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基にエチレンオキサイドが開環付加されたポリオキシプロピレン系ポリオールや、さらにそのエチレンオキサイドの付加モル分布が狭いポリオキシアルキレン系ポリオールが挙げられる。これらは特開2002−308811号公報、特開2003−135951号公報に開示されている技術が採用できる。
イソシアネートとしては、末端にイソシアネート基を2つ以上有するものであれば特に限定されず、たとえば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート及びその水素添加物;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソシアヌレート結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、尿素結合、ビューレット結合、アロファネート結合などを1種以上有する前記ポリイソシアネート変性物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
イソシアネートの平均官能基数は、架橋密度、軟質性の観点から、1.8〜4.5である。
ポリオールとイソシアネートとの反応に際しては、架橋密度、軟質性の観点から、両者の配合割合は、イソシアネートインデックスが70〜120になるように調整することが好ましく、より好ましくは80〜110である。
ウレタン樹脂の製造法も限定されず、イソシアネートとポリオールの直接反応で製造しても、一旦イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを製造しておいて、そのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーにポリオールを反応させて製造してもよい。
ウレタン樹脂の製造法の具体的な一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール(a)(またはポリアミン(b))に、粒子状の金属および必要に応じてウレタン化触媒、消泡剤、乾燥剤、添加剤、フォームとする場合は発泡剤、整泡剤などを配合し、ポリオール配合液(以下、ポリアミン配合液も含むものとする)を作成する。同時に、イソシアネート(c)に必要に応じて添加剤などを配合してイソシアネート配合液とする。次いで混合装置または発泡装置を使用し、ポリオール配合液とポリイソシアネート配合液とを急速混合する。得られた混合液を所定の容器(金型)にいれ、樹脂化後取り出してウレタン樹脂を得る。
ウレタン化触媒としては、ウレタン化反応を促進する通常のウレタン化触媒が使用でき、たとえば、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンのPO付加物などの3級アミンおよびそのカルボン酸塩、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート等のカルボン酸金属塩、ジブチルチンジラウレートなどの有機金属化合物が挙げられる。
また、ウレタン樹脂の硬さや風合いを改良するためにウレタン樹脂を製造する場合に、添加剤として、従来公知の種々の軟化剤、無機や有機の補強剤、充てん剤、あるいは日光や熱などによる老化を防止するための老化防止剤、加工性を改良するための種々の油や滑剤、染料や顔料のような着色剤、抗菌剤、防かび剤、界面活性剤、触媒などを加えてもよい。
本発明においては、軟質樹脂、特にウレタン樹脂中に粒子状の金属と共に微小中空球体が分散される場合、ウレタン樹脂への微小中空球体の配合量は特に限定しないが、ウレタン樹脂の原料の合計100重量部に対し1〜20重量部とするのが好ましい。微小中空球体はポリオール(a)および/もしくはポリアミン(b)中に配合、分散するのが好ましい。微小中空球体を均一に配合する場合には時間がかかるのでポリオール(a)および/もしくはポリアミン(b)などの安定な原料中で行うのが好ましい。微小中空球体の添加量が1重量部以上であると音質向上効果が認められ、20重量部以下であるとウレタン樹脂との混合が容易であり、またスライス加工性が良好である。
ウレタン樹脂への粒子状の金属の配合量は特に限定しないが、原料の合計100重量部に対し10〜80重量部とするのが好ましい。粒子状の金属の添加量が10重量部以上であると音質向上効果が認められ、80重量部以下であるとウレタン樹脂への分散が良好である。
さらに本発明は、楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品はスライスされているが、シート状であるのが好ましい。シート状とすることで多くの楽音機器や音響機器に適用することができる。上記気泡および粒子状の金属が分散された軟質樹脂をスライスすることによりシートが得ることができる。
まず気泡と粒子状の金属が分散された軟質樹脂を所望の厚さにスライスし、次に所望の大きさに裁断して中間のスライスされたシート(以下単に中間シートという)を得るが、スライス、裁断の方法などについては特に限定されるものではない。たとえば、スライスは、ゴムなどをスライスする装置が適用できる。移動テーブルもしくはコンベアー上に軟質樹脂を載せて、水平回転する刃物(バンドナイフ / 鋸)により水平方向にスライス裁断加工によって製造できる。
中間シートの厚さも用途によって決められ限定はないが、好ましくは、1mm以上50mm以下である。スライスされた表面は気泡および微小中空粒子がカットされて気泡が開放された状態となる。これによって音の振動がいっそうシートに吸収されやすくなると推定できる。
すなわち、スライスによって微小中空球体の外殻がスライサーのナイフにより切断されて凹部が生じ微小孔となる。また、軟質樹脂に分散している微小中空球体がスライス面から外れることによる孔による凹部も生じるが、この微小孔は主として単独孔であり、吸盤構造となるので存在していてもよい。また発泡による気泡もナイフにより切断されて開放され凹部となる。
このようにして得られる気泡の径は微小中空球体と同じく5μm以上200μm以下が好ましい。5μm以上であるとシート表面に音の振動吸収効果が発現し、200μm以下であると人体への触感が良好である。気泡の径が10μm以上150μm以下であるのがより好ましい。
軟質樹脂中に気泡が分散されていることにより音質が向上する効果が増すことの原因は定かではないが、以下のように推察される。
軟質樹脂中に分散されている粒子状の金属と、同じく軟質樹脂中に分散されている気泡が接することによって、金属粒子によって何らかの影響を受けた音の振動が気泡の内面(気体)中に吸収されるか、気泡の内壁によって何らかの影響を受けて振動が吸収され、この中で小さい振動は吸収されて消滅し、その結果、振動波長がより単純化される。単純化されると音の芯の通りが良い、または、ふくよかな音質、もしくは重厚感のある音質になりさらに音質が向上するのではないかと考えられる。
(楽音機器用の付属部品および音響機器用の付属部品の使用方法)
本発明の楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品のスライスされた面を楽音機器や音響機器に向けて存在させると音質向上効果が発現する。特に直接に楽音機器または音響機器に接して使用するのが音質向上効果の点で好ましい。スライスされた面を直接に楽音機器または音響機器に接すると伝わってきた音がスライス面の開放された気泡、すなわち、スライス表面の凹凸により吸収され、より音質が向上するので好ましい。
また、楽音機器または音響機器から少し、たとえば、10mm以下に離れて楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品のスライスされた面を楽音機器または音響機器に向けて存在させると音の振動がスライス面に吸収されてやはり音質向上効果が発現する。
本発明の楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品が適用できる楽音機器または音響機器に限定はなく、単純に上記の使用方法で用いればよいが、たとえば、ギター用滑り防止部品、バイオリン用あご当て、三味線用滑り防止部品、エンドピンストッパー、ピアノ用インシュレーター、太鼓・ドラム用架台の脚部カバー、またはスピーカーの底部敷物などの用途としても供されることができる。特にスピーカーについては前記したように底部敷物の他にもスライス面をスピーカーに直接接触するか、スピーカーの前にスライス面を向けてたらしたりすることによっても音質向上効果を奏することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリオール成分として「ニューポールPP2000」(三洋化成工業社製、2官能ポリオール、OHV 28.1)982重量部、触媒としてジブチルチンジラウレート 0.1重量部、微小中空粒子として「マイクロスフェア MFL−100MCA」(松本油脂製薬社製、平均粒子径60〜70μm)29重量部、銅パウダー(試薬)490重量部をよく混合し、減圧下(約30mmHg程度まで)で1時間脱泡する。これにイソシアネート成分として「ミリオネートMR−200」(東ソー社製、粗MDI)98重量部を混合し、減圧下(約30mmHg程度まで)で1時間脱泡する。この混合液を型枠(15cm×20cm、深さ5cm、内部をシリコーン系離型剤を塗布)に流し入れた後、100℃で2時間加熱してブロック状のポリウレタン成形物を得た。このブロックをスライサー(独FOTUNA社製AN400D)で厚さ約1mmにスライスして15cm×20cmのシートAを得た。
(比較例1)
実施例1において、「マイクロスフェア MFL−100MCA」を用いない以外は実施例1と同様にしてシートBを得た。
(比較例2)
実施例1において、銅パウダーを用いない以外は実施例1と同様にしてシートCを得た。
[評価例]
本発明の楽音機器用の付属部品の評価を以下のように行った。
評価例1:ギターの音質向上効果の評価
モニターとしてクラシックギターの演奏歴が4年以上の6人を選んだ。足の膝とギターの側面の接触部分のギター面に実施例1または比較例1、2で得られたシートA〜Cをそれぞれ貼りつけ、演奏者が最も得意とする3曲を、それぞれ日時と場所を変えて演奏してもらい、その音質と滑り防止性を以下の評価基準で自己評価してもらった。その結果を表1に示した。数値はそれぞれ3回の合計である。数値は3〜9の範囲内になる。
評価例2:CDコンポの音質向上効果の評価
上記の実施例1または比較例1、2で得られたシートA〜Cを円形状(直径5cm、厚さ1mm)に切り取り、セパレート型CDコンポ(ケンウッドKseries K−735)の両側スピーカーのそれぞれの底面の四隅に、手で押しつけて貼り付けた。上記のモニター4人にCDの音質を下記の音質の基準で自己評価してもらった。その結果を表2に示した。数値はそれぞれ3回の合計である。数値は3〜9の範囲内になる。
上記の評価における音質の自己評価は以下の3段階の基準にて評価してもらった。
評価点3:付属部品を使用しない場合に比べて、音の芯の通りが良い、
または、ふくよかな音質、もしくは重厚感のある音質である。
評価点2:付属部品を使用しない場合に比べて、同様の音質である。
評価点1:付属部品を使用しない場合に比べて、音質が悪くなる。
Figure 2021044642
Figure 2021044642
表1、2から、本発明の付属部品を使用した場合は、日時と場所および曲を変えても楽音機器または音響機器の音質が向上しており、顕著に音質が向上することが確認できた。

Claims (7)

  1. スライスされた軟質樹脂からなり、前記軟質樹脂に粒子状の金属および気泡が分散されていることを特徴とする楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品。
  2. 前記金属が銅であることを特徴とする請求項1記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品。
  3. 前記軟質樹脂がポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、合成ゴムから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品。
  4. 前記気泡が微小中空球体による気泡であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品。
  5. 前記楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品がシート状であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品。
  6. 前記軟質樹脂に気泡および粒子状の金属を分散した後、該軟質樹脂をスライスすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品の製造方法。
  7. 前記楽音機器用の付属部品や音響機器用の付属部品のスライスされた面を前記楽音機器または音響機器に向けて使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品の使用方法。
JP2019164158A 2019-09-10 2019-09-10 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品 Pending JP2021044642A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164158A JP2021044642A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164158A JP2021044642A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021044642A true JP2021044642A (ja) 2021-03-18

Family

ID=74864324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019164158A Pending JP2021044642A (ja) 2019-09-10 2019-09-10 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021044642A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05146993A (ja) * 1991-11-27 1993-06-15 Daini Shinano Polymer Kk シリコーン系ゴムスライス装置
JP2016027702A (ja) * 2014-07-07 2016-02-18 株式会社アイ・イー・ジェー 楽音機器およびスピーカー用の付属部品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05146993A (ja) * 1991-11-27 1993-06-15 Daini Shinano Polymer Kk シリコーン系ゴムスライス装置
JP2016027702A (ja) * 2014-07-07 2016-02-18 株式会社アイ・イー・ジェー 楽音機器およびスピーカー用の付属部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6872758B2 (en) Polyurethane foams and method of manufacture thereof
CN102504175B (zh) 低密度粘弹性聚氨酯泡沫的制备方法
US4980386A (en) Methods for the manufacture of energy-attenuating polyurethanes
CN104031235B (zh) 一种粘弹性聚氨酯吸音泡沫的制备方法
TW200709896A (en) Polishing pad
US11053367B2 (en) Composition for polyurethane foam containing polyrotaxane, polyurethane foam derived from composition, and method for producing polyurethane foam
HU229193B1 (hu) Eljárás rugalmas poliuretán habok elõállítására
TW200712083A (en) Composition for polyurethane foam, polyol, polyurethane foam obtained from the composition and its manufacturing method, and use of the foam
CN108129629B (zh) 一种乳胶手感聚氨酯软质泡沫及其制备方法
JP2007106881A (ja) 連続気泡構造を有する硬質ポリウレタン発泡体の製造方法
JP6207787B1 (ja) 卓球用ラバーに用いられるスポンジシート、卓球用ラバー及び卓球ラケット
JP2007169556A (ja) ポリウレタン発泡体
JP2021044642A (ja) 楽音機器用の付属部品または音響機器用の付属部品
KR20000049121A (ko) 폴리올 배합물
JP6730889B2 (ja) 車両用フロアサイレンサ、および車両用フロアサイレンサ製造方法
JP2660588B2 (ja) 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法
JP4689428B2 (ja) シートクッション
KR100778933B1 (ko) 고탄성 고내구성을 지닌 바닥재와 그 바닥재의 제조방법 및그 바닥재를 이용한 시공방법
JP2016027702A (ja) 楽音機器およびスピーカー用の付属部品
JP3692168B2 (ja) 高レジリエンスポリウレタンフォーム
JP2008007710A (ja) 高密度軟質ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP2020084173A (ja) ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2019163441A (ja) 椅子用ウレタンフォーム
JP3770744B2 (ja) 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP6876019B2 (ja) ポリウレタン発泡体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240123