JP2021044565A - 化合物半導体基板の凹凸識別方法、および、これに用いる化合物半導体基板の表面検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度の良い化合物半導体層表面の凹凸識別方法及びこれに用いる化合物半導体基板の表面検査装置を提供する。【解決手段】基板1と、基板の一主面上に基板と反射率、屈折率又は吸収率が異なる多層構造を有する化合物半導体層2が積層されている化合物半導体基板の一主面に形成されたバーコードや刻印等の凹凸を識別する方法であって、測定光照射部3から、化合物半導体層の凹凸を含む表面に測定光を照射するステップと、凹凸を含む表面から反射された反射光を受光するステップ2と、反射光受光部4で受光した反射光を、解析装置5で解析するステップとを少なくとも備える。さらに、測定光は、化合物半導体の室温でのバンドギャップエネルギーに対応する波長での発光強度よりも小さい発光強度の波長域にある可視光である。【選択図】図2
Description
本発明は、化合物半導体層表面に存在する凹凸の識別方法、および、これに用いる化合物半導体基板の表面検査装置に関する。
化合物半導体基板の表面には、例えば、ピット、レーザーマーキングされた刻印、または、バーコード等の凹状、若しくは付着した異物や異常成長粒等の凸状の、表面に対して厚さ方向に伸長した凹凸が存在していることがある。
これらの凹凸は、意図して形成されたものもあれば、意図せず不可避的に存在するものもある。そしてこれらの凹凸の大きさ、位置、形状を識別する方法としては、非破壊非接触の光学的手法が好適である。
例えば、意図して形成された凹凸としては、特許文献1に例示されるように、識別用の各種のマーク(数字、記号、バーコード等)がある。
しかしながら、これらのマークは、目視またはカメラによる読み取りのいずれにおいても、文字が小さいことや、連続作業での正確な読み取りが困難であることが多かった。これに関して、例えば、特許文献2には、物品表面に施される断面V字型の刻印であって、該V字のなす角度が70°〜140°である刻印、および、該刻印が施された物品の表面に対し、50°以下の方向から照明光を刻印に照射するステップと、該照明光の刻印上方に反射する光を受光して刻印の識別を行うステップとを含む刻印の識別方法が開示されている。特許文献2の発明によれば、断面V字型の刻印のV字のなす角度および刻印への照明光の照射方向を適切に設定することにより、刻印部分からの反射光の明るい部分の面積を確保しつつ、刻印以外の表面部分からの反射光の暗い部分とのコントラストも確保することにより、表面の粗さのばらつき、汚れ、または黒皮等のある物品への刻印でも、正確に識別することができる、とされている。
その他、カメラで撮像した画像データの解析方法に関わる技術も知られている。例えば、特許文献3には、被検査体の凹凸を精度良く検出する方法として、カメラで撮像した画像データに基づいて被検査体の測定領域内の測定点における面法線ベクトルを算出し、該面法線ベクトルから、測定領域内の測定点の指標値の座標を特定し、基準範囲から外れた指標値に対応する座標を特定することで、被検出体の凹凸位置を検出する方法が開示されている。
しかしながら、基板上に化合物半導体層が形成された化合物半導体基板の外周部付近に形成された刻印に対して、例えば、特許文献2、あるいは特許文献3の技術を組み合わせるなどして読み取りを行っても、精度良く読み取ることは困難であった。
この理由として、化合物半導体基板は、基板上に該基板材料とは異質の化合物半導体を積層させているために、該基板と化合物半導体層との界面の形態が、例えば、シリコン基板、または、シリコン基板上にシリコンからなるエピタキシャル層が1〜2層形成されたエピタキシャル基板とは異なる測定光の反射・吸収の挙動を引き起こし、読み取りの精度に影響を与えるものと推測される。特に、化合物半導体層が、多層構造による多数の界面が密集した形態を有している場合、その密集した界面での極めて複雑な乱反射と吸収により、読み取りの精度の低下が顕著になると推測される。
本発明は、かかる課題に鑑み、基板上に化合物半導体層が形成された化合物半導体基板において、バーコード、刻印、その他何らかの凹凸が形成されている対象物を、精度良く識別可能な化合物半導体表面の凹凸識別方法を提供することを目的とする。
本発明に係る化合物半導体基板の凹凸識別方法は、基板と、前記基板の一主面上に前記基板と反射率、屈折率、または吸収率が異なる多層構造を有する化合物半導体層が積層されている化合物半導体基板の一主面に形成されたバーコードや刻印等の凹凸を識別する方法であって、前記化合物半導体層の凹凸を含む表面に測定光を照射するステップ1と、前記凹凸を含む表面から反射された反射光を受光するステップ2と、前記受光した反射光を解析するステップ3とを少なくとも備え、さらに、前記測定光は、化合物半導体の室温でのバンドギャップエネルギーに対応する波長での発光強度よりも小さい発光強度の波長域にある可視光であることを特徴とする。
本発明に係る化合物半導体基板の凹凸識別方法は、化合物半導体基板の一主面に形成された凹凸を識別する方法であって、化合物半導体層の凹凸を含む表面に測定光を照射するステップ1と、前記凹凸を含む表面から反射された反射光を受光するステップ2と、前記受光した反射光を解析するステップ3とを少なくとも備え、さらに、前記測定光は、化合物半導体の室温でのバンドギャップエネルギーに対応する波長での発光強度よりも小さい発光強度の波長域にある可視光であることを特徴とする。
かかる構成を有することで、基板上に化合物半導体層が形成された化合物半導体基板において、バーコード、刻印、その他何らかの凹凸が形成されている対象物を、精度良く識別することができる。
また、前記化合物半導体がガリウム系窒化物半導体である場合、前記測定光の波長は、600nm以上700nm以下、または400nm以上500nm以下であり、前記測定光の照度は4000Lx以上6000Lx以下であることが好ましい。
さらに、前記ステップ3における解析が目視による場合、前記測定光の波長は600nm以上700nm以下であると、より好適である。
あるいは、本発明に係る化合物半導体基板の凹凸識別方法に使用する、化合物半導体基板の表面検査装置を提供することもできる。
本発明によれば、従来、適切に識別することが困難であった化合物半導体基板の一主面上に存在する凹凸を、簡易かつ精度良く識別することが可能となる。また、このような凹凸識別方法に用いる表面検査装置を提供することも可能となる。
以下、本発明を、図面も参照して詳細に説明する。本発明の化合物半導体基板の凹凸識別方法は、基板と、前記基板の一主面上に前記基板と反射率、屈折率、または吸収率が異なる多層構造を有する化合物半導体層が積層されている化合物半導体基板の一主面に形成されたバーコードや刻印等の凹凸を識別する方法であって、前記化合物半導体層の凹凸を含む表面に測定光を照射するステップ1と、前記凹凸を含む表面から反射された反射光を受光するステップ2と、前記受光した反射光を解析するステップ3とを少なくとも備え、さらに、前記測定光は、化合物半導体の室温でのバンドギャップエネルギーに対応する波長での発光強度よりも小さい発光強度の波長域にある可視光であることを特徴とする。
図1は、本発明の化合物半導体基板の一態様を示す断面模式図である。なお、本発明で示す図はすべて、説明のために形状を模式的に簡素化かつ強調したものであり、細部の形状、寸法、および比率は実際とは異なる。
まず、本発明の化合物半導体基板は、基板1上に化合物半導体層2を有する。図6に、下地となる基板1の一主面上に複数の層で構成される化合物半導体層2が積層された化合物半導体基板Zを示す。
基板1は化合物半導体層2と異なる材料からなる。「異なる材料」とは、反射率、屈折率、または吸収率が異なるものを指す。例えば、化合物半導体が、窒化ガリウム(GaN)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)、または、Alの組成が互いに異なるAlGaNの積層構造である場合、基板材料には、Si、SiC、またはサファイア等の単結晶基板が用いられる。
化合物半導体層2の全体厚さは、通常4μm以上7μm以下である。厚すぎると、化合物半導体層2での吸収の度合いが高くなって本発明の効果が十分に発揮されず、薄すぎると、化合物半導体層2での反射の度合いが高くなって測定光の強度が高くなりすぎ、識別に支障をきたすおそれがある。
図6に示すように、本発明の化合物半導体基板は、その化合物半導体層2が、種々の化合物半導体がエピタキシャル法で多層(例えば、50〜200層)に積層した構造を有している。
図2は、凹凸の識別に用いる光学装置系であって、化合物半導体基板Zの刻印を含む領域に測定光を照射するステップ1と、刻印を含む領域から反射された反射光を受光するステップ2と、受光された反射光を解析するステップ3、とからなる光学装置系を示している。
なお、上記の光学装置系は、格別特殊なものでなく、公知の装置、原理、または機構の範囲内で適時設計される構成である。また、上記の光学装置系は、必要最低限の測定ステップを示したもので、必要に応じてその他の装置、測定ステップを追加してもよい。また、図2では、ステップ2とステップ3は、カメラによる撮像と画像解析の例を示しているが、この2つのステップは、人間の目視で行ってもよい。
また、凹凸の大きさは、識別番号やロット番号の刻印の大きさ、すなわち、数十〜数百ミクロン(μm)または数ミリメートル(mm)である。ただし、本発明の凹凸識別方法であれば、凹凸が数十ミクロンより小さい、例えば、数ミクロンの大きさであっても、十分に読み取りが可能である。
前記したように、単一材料からなる半導体基板、または、シリコン基板上にシリコンエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエーハでは、その一主面上に施されたM字の刻印(以下「刻印M)とも記す。)は、従来の手法でも精度良く識別することができる。これは、刻印Mの孔とその近傍からの反射光が互いに緩衝することで起こるコントラストの低下が比較的小さいためである。
一方、基板1上に化合物半導体層2を有する化合物半導体基板Zでは、図3に示すように、基板1の表面を削って形成された刻印の孔の内表面にも、基板1とは異質の材料からなる化合物半導体層2が薄く存在している。そのため、刻印Mおよびその近傍に測定光が照射されると、化合物半導体層2と基板1との界面において、一主面上、刻印Mの孔縁部、または刻印Mの孔内壁面のそれぞれで、化合物半導体層2の厚さや入射角の違いなどに起因して、光の反射や吸収といった挙動が極めて複雑になる。
刻印Mの識別のしやすさは、測定光によって、刻印Mおよびその近傍上の化合物半導体が励起されて放出する反射光の強度(以下「発光強度」という。)に依存する。つまり、刻印Mから発せられる反射光があまりに微弱である、あるいは、ある程度の強度があっても孔の近辺の反射光が強すぎると、コントラストが出ない等の不具合が生じる。
窒化ガリウム(GaN)を含む、種々の窒化物の積層構造からなる化合物半導体層2を例に説明する。図4は、ガリウムおよびアルミニウムの少なくともいずれかを含む窒化物層を、有機金属気相成長法(MOCVD)で多数積層した化合物半導体基板について、(装置名:ナノメトリクス社製 RPM−2000)を用いて発光強度を測定し、GaNの波長と発光強度との関係を示したものである。ここで、化合物半導体層2の厚さは約4.7μmである。
図4に示すように、波長360〜370nm近辺に強いピークが観察される。これは、積層構造を形成する窒化物である窒化ガリウム(GaN)が有する室温でのバンドギャップエネルギー値を波長換算した値(365nm)近辺に現れるものであり、いわゆる材料が固有に持つ発光強度ピークである。
ところで、窒化ガリウム系半導体層のような、有機金属気相成長法(MOCVD)で形成された化合物半導体層2は、実際には、炭素を多く含む。また、化合物半導体層2を成膜させる過程で、多数の転位や欠陥が発生、あるいは意図的に金属不純物がドーピングされることも多い。
そのような不純物や転位・欠陥を多く含む窒化物半導体層では、上記した窒化ガリウム(GaN)のバンドギャップエネルギー値のような固有の発光強度のピーク以外にも、長波長側で高い発光強度を有する波長域が観察される。図4でいえば、波長500nm〜600nmの間にみられるブロードな発光ピークがこれに相当する。
このブロードな発光ピークは、固有の波長、すなわち、約550〜570nmにあるピークトップにおいて強い発光強度を有している。この可視光領域の強い発光が、反射光の識別の妨げとなる。つまり、波長500nm〜600nmの測定光を照射すると、化合物半導体層2中の不純物や転位・欠陥に起因して強い発光が起こることがわかる。
したがって、化合物半導体が持つ室温でのバンドギャップエネルギー値に対応する波長の光を避けるとともに、不純物や転位に起因する波長500nm〜600nmのブロードな発光を避けた波長の光を選択的に使用すれば、化合物半導体層2と基板1との界面付近での複雑な光の反射や吸収に起因する不具合を回避でき、刻印Mを明確に識別することができる。
このような事実および知見は、凹凸や異物等のない平坦な鏡面に測定光を照射するような用途では、なかなか理解できなかったことと言える。
実用上、刻印Mの読み取りに用いる測定光は、少なくとも、化合物半導体が持つ室温でのバンドギャップエネルギー値に対応する波長での発光強度より小さい発光強度の波長域にある可視光であることが好ましい。化合物半導体が発光しない強度の波長域にある可視光を用いれば、化合物半導体に起因する光の影響を回避できるためである。
好適な具体例としては、ガリウム系窒化物半導体からなる場合の測定光の波長は、図4に示されるとおり、600nm以上700nm以下、または400nm以上500nm以下である。図4では、600nm以上の領域を右矢印(→)で示し、500nm以下の領域を左矢印(←)で示している。なお、上限値の700nm、下限値の400nmは、おおよそ可視光領域の範囲(380〜780nm)の上限値、下限値に相当する。すなわち、ガリウム系窒化物半導体が発光する波長域と、不純物や転位に起因する波長域とを除いた波長の光を用いることで、刻印Mの明確な識別が可能となる。
特に、ステップ3が目視による場合は、前記測定光の波長は600nm以上700nm以下であるとよい。これは、人間の目が青色領域より赤色領域の方が感度に優れていることによるものである。なお、測定光の波長は、例えば、分光光度計で測定して設定される。
このときの測定光の照度は、4000Lx以上6000Lx以下とすると好ましい。測定光自体の照度が高すぎる、具体的には20000Lxを超えると、図4に示すような、波長域ごとに現れる発光強度の影響を全て打ち消してしまい、本発明の効果を得ることができなくなる。ただし、あまり弱いと識別能力が不足する。
ステップ3が目視による場合は、観察を行う環境の明るさ(環境照度)は、測定光の照度より高くなければよい。前記のとおり、4000Lxから6000Lxの測定光を照射する場合は、それよりも低い照度であれば、特にその照度は限定されない。
ただし、上記環境照度は、好ましくは測定光の照度の50%、さらには環境照度が測定光の照度の20〜40%とすると、眼精疲労も少なく、かつ、細かい文字でも連続して判別が可能となる。
ここで、特許文献2では、刻印が断面V字型であり、該V字のなす角度が70°〜140°の範囲に設定されているが、本発明における刻印Mは、その孔縁部、内壁面、または底面等の形状は特に限定されない。例えば、筒状で底面が平坦面または半球状、逆円錐状、逆角錐状でもよい。また、側壁と底面は、鏡面でも粗面でもよい。
図5は、凹凸に照射される光の入射角(θ1)と、凹凸で反射する光の反射角(θ2)とを示す断面模式図である。これらの照射角度は、特に限定されるものではないが、公知の光学測定システムと同様に、一主面に対して鋭角に照射するとよい。好適には、入射角は一主面に対して10°以上30°以下であり、反射角は一主面に対して50°以上70°以下の範囲である。
なお、上記に示した角度の範囲内で、測定光照射部3または反射光受光部4の位置を適時変化させて、識別に最適な角度を確保しながら測定してもよい。
なお、上記に示した角度の範囲内で、測定光照射部3または反射光受光部4の位置を適時変化させて、識別に最適な角度を確保しながら測定してもよい。
以上のとおり、本発明によれば、図4に示されるような、化合物半導体固有のバンドギャップエネルギーに相当する波長域や不純物や転位に起因する波長域の光を回避した、特定の波長域の測定光を選択することで、より識別精度の高い測定が可能となる。このような測定光を用いれば、例えば、化合物半導体層2が、多層構造を有するために、その界面で複雑な乱反射と吸収が起こることが予想されるような場合でも、本発明はその効果を十分に発揮しうる。
また、本発明によれば、複数の層からなる化合物半導体基板において、これまでバーコードや刻印等の凹凸を識別することが困難であったものを、精度良く識別することが可能となる。本発明の凹凸識別方法を用いて、バーコードの読み取り装置、あるいは、大きな異物の検出、スクリーニングを目的として、化合物半導体基板の製造ラインに組み込んだ製造方法としても適用が可能である。
さらには、本発明は、バーコードや刻印の識別に好適であるが、これら以外では、気相成長工程で化合物半導体基板の一主面上に発生した突起や窪み等の異物の検出に対しても、十分応用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により制限されるものではない。
[化合物半導体基板の作製]
直径6インチ、厚さ1000μm、p型で比抵抗0.01Ωcm、面方位(111)のオリフラ付シリコン基板を基板1として準備した。そして、オリフラ部左側の外周から2mm内側に、レーザーマーカーを用いて、1mm四方当たり1文字で英数字10個の刻印を形成した。
直径6インチ、厚さ1000μm、p型で比抵抗0.01Ωcm、面方位(111)のオリフラ付シリコン基板を基板1として準備した。そして、オリフラ部左側の外周から2mm内側に、レーザーマーカーを用いて、1mm四方当たり1文字で英数字10個の刻印を形成した。
この基板1を公知の基板洗浄方法で清浄化した後、MOCVD装置内にセットして、昇温およびガス置換後に、成長温度1000℃で15分間、水素100%雰囲気、炉内圧力135hPaの条件で熱処理を行い、基板1の表面の自然酸化膜を除去した。
続けて、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMAl)およびアンモニア(NH3)を用い、厚さ70nmのAlN単結晶を形成した。次に、成長温度1000℃、炉内圧力を60hPaに調整して、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、TMAlおよびNH3を用いて、厚さ300nmのAl0.1Ga0.9N単結晶層を形成した。次に、原料ガスとしてTMG、TMAlおよびNH3を用いて、厚さ5nmのAlN単結晶層、および厚さ30nmのAl0.1Ga0.9N単結晶層を交互に各8層積層し、その上に、厚さ150nmのGaN単結晶層を形成したものを1セットとして、これをさらに5セット繰り返して、層厚約2150nmの多層構造を形成した。最後に、厚さ600nmのAl0.1Ga0.9N単結晶層を形成した。以上のようにして、前記基板1の上にバッファ層を形成した。
前記バッファ層の上に、電子走行層として、成長温度1030℃、炉内圧力200hPaに調整して、厚さ700nmのGaN単結晶層を積層した。最後に、電子供給層として、成長温度1000℃、炉内圧力200hPaに調整して、厚さ60nmのAl0.18Ga0.82N単結晶層を形成した。以上の通りの工程を経て、窒化物半導体基板を得た。なお、気相成長により形成した各層の厚さや炭素濃度の制御は、原料ガスの流量および供給時間、基板温度、その他公知の成長条件の調整により行った。
[刻印読み取り]
上記のようにして作製した窒化物半導体基板10枚を用意し、目視にて、刻印の読み取りを行った。すなわち、本発明のステップ3を、人の目視作業が担当した。読み取りは、クリーンブース内で、LED光源を有するスポットライトを用い、1枚ずつバキュームピンセットで裏面を吸着して、スポットライトの光源からの光の角度を、照射角は20°近辺、反射光の角度は60°近辺になるように、適時調整した。なお、照射されるスポットライトの口径は2mmとした。
上記のようにして作製した窒化物半導体基板10枚を用意し、目視にて、刻印の読み取りを行った。すなわち、本発明のステップ3を、人の目視作業が担当した。読み取りは、クリーンブース内で、LED光源を有するスポットライトを用い、1枚ずつバキュームピンセットで裏面を吸着して、スポットライトの光源からの光の角度を、照射角は20°近辺、反射光の角度は60°近辺になるように、適時調整した。なお、照射されるスポットライトの口径は2mmとした。
実施例1は、照射光の波長を635nm、照度を4000Lxとした。実施例2は、照射光の波長を635nm、照度を5000Lxとした。実施例3は、照射光の波長を635nm、照度を6000Lxとした。実施例4は、照射光の波長を450nm、照度を4000Lxとした。
参考例1は、照射光の波長を550nm、照度を4000Lxとした。参考例2は、照射光の波長を635nm、照度を3500Lxとした。参考例3は、照射光の波長を635nm、照度を3000Lxとした。参考例4は、照射光の波長を635nm、照度を2500Lxとした。
実施例1〜3では、10枚全てが〇であった。また、実施例4は、半分が〇、×はゼロであった。一方、参考例1は、5枚が△であり、5枚が×であった。さらに、参考例2では×はなかったが、2枚が○、8枚が△であり、参考例3では○はなく、8枚が△、2枚が×であり、参考例4では10枚全てが×であった。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
上記結果より、本発明の好ましい実施範囲では、多少の有意差はあるものの、概ね15秒以内に刻印を読み取ることができた。
照度についていえば、実施例1〜4では、照度を4000〜6000Lxとしたが、照度が6000〜20000Lxの範囲では、問題なく刻印を視認できることがわかった。また、前記範囲内では、照度が高いほど、すなわち明るくなるほど、容易に視認できた。また、前記範囲内では、照度が高いほど、入射と観測角度を制限することなく視認可能になる傾向にあった。
照度についていえば、実施例1〜4では、照度を4000〜6000Lxとしたが、照度が6000〜20000Lxの範囲では、問題なく刻印を視認できることがわかった。また、前記範囲内では、照度が高いほど、すなわち明るくなるほど、容易に視認できた。また、前記範囲内では、照度が高いほど、入射と観測角度を制限することなく視認可能になる傾向にあった。
一方、照度が4000Lxを下回ると、刻印が徐々に視認し難くなった。また、照度が2500Lxまで下がると、刻印が存在することは認識できるものの、判別が不可能であった。特に参考例4では、全く読み取ることができなかった。
また、波長については、実施例1と実施例4との比較において、波長の短い実施例4のほうが、やや読み取り精度に劣るものといえ、本発明の好適な実施範囲を外れる参考例1は、〇がゼロであり、各実施例との比較で読み取り精度に劣るものであった。
Z 化合物半導体基板
1 基板
2 化合物半導体層
M 刻印
3 測定光照射部
4 反射光受光部
5 解析装置
6 基板支持台
S 孔の内表面
p1 窒化ガリウムの発光強度・発光ピーク波長
1 基板
2 化合物半導体層
M 刻印
3 測定光照射部
4 反射光受光部
5 解析装置
6 基板支持台
S 孔の内表面
p1 窒化ガリウムの発光強度・発光ピーク波長
Claims (2)
- 基板と、前記基板の一主面上に前記基板と反射率、屈折率、または吸収率が異なる多層構造を有する化合物半導体層が積層されている化合物半導体基板の一主面に形成されたバーコードや刻印等の凹凸を識別する方法であって、前記化合物半導体層の凹凸を含む表面に測定光を照射するステップ1と、前記凹凸を含む表面から反射された反射光を受光するステップ2と、前記受光した反射光を解析するステップ3とを少なくとも備え、さらに、前記測定光は、化合物半導体の室温でのバンドギャップエネルギーに対応する波長での発光強度よりも小さい発光強度の波長域にある可視光であることを特徴とする、化合物半導体基板の凹凸識別方法。
- 前記化合物半導体がガリウム系窒化物半導体である場合、
前記測定光の波長は、600nm以上700nm以下であり、
前記測定光の照度は4000Lx以上6000Lx以下であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物半導体基板の凹凸識別方法。
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- 2020-11-13 JP JP2020189658A patent/JP2021044565A/ja active Pending
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