JP2021044191A - ケーブル及びワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた難燃性及び耐摩耗性を有するケーブル等を提供すること。【解決手段】導体又は光ファイバで構成される伝送媒体と、伝送媒体を被覆する絶縁層とを有し、絶縁層が、最外層と、最外層の内側に設けられる内層とを有し、最外層が、ベース樹脂、難燃剤及び難燃助剤を含み、内層がベース樹脂を含み、難燃剤が、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、難燃助剤が、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、難燃助剤が水酸化アルミニウムを含む場合には、最外層中の水酸化アルミニウムの含有率が2.10〜25.00質量%であり、難燃助剤がヒンダードアミン系化合物を含む場合には、最外層中のヒンダードアミン系化合物の含有率が0.05〜4.50質量%であり、絶縁層における最外層の断面積比率が2.0%以上86%未満であるケーブル。【選択図】図1
Description
本発明は、ケーブル及びワイヤハーネスに関する。
ケーブルは、導体又は光ファイバからなる伝送媒体と、伝送媒体を被覆する絶縁層とを有するものであり、絶縁層には難燃性樹脂組成物が使用されることがある。例えば下記特許文献1には、ポリオレフィン樹脂に、難燃剤又は難燃助剤として、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物、炭酸カルシウム及びトリアジン環含有ヒンダードアミン系化合物を配合した難燃性樹脂組成物を絶縁層としたケーブルが知られている。
また、ポリオレフィン樹脂に、難燃剤又は難燃助剤として、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウムを配合した難燃性樹脂組成物を絶縁層としたケーブルも知られている(下記特許文献2参照)。
また、ポリオレフィン樹脂に、難燃剤又は難燃助剤として、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物、水酸化アルミニウム及びトリアジン環含有ヒンダードアミン系化合物を配合した難燃性樹脂組成物を絶縁層に用いることも知られている(下記特許文献3参照)。
しかし、上記特許文献1〜3に記載のケーブルは以下の課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1〜3に記載のケーブルは、難燃性及び耐摩耗性の点で改善の余地を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するケーブル及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、まず特許文献1〜3に記載のケーブルにおいて、絶縁層を最外層と内層に分けることを考えた。そして、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、最外層にベース樹脂と、難燃剤として炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子、シリコーン系化合物及び脂肪酸含有化合物と、難燃助剤として水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有させた上で、絶縁層における最外層の断面積比率を特定の範囲とし、最外層中の水酸化アルミニウムの含有率及びヒンダードアミン系化合物の含有率を特定の範囲にすることが、上記課題を解決する上で有効であることを見出した。こうして、本発明者らは本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、導体又は光ファイバで構成される伝送媒体と、前記伝送媒体を被覆する絶縁層とを有し、前記絶縁層が、最外層と、前記最外層の内側に設けられる内層とを有し、前記最外層が、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤とを含み、前記内層がベース樹脂を含み、前記難燃剤が、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、前記難燃助剤が、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、前記難燃助剤が前記水酸化アルミニウムを含む場合には、前記最外層中の前記水酸化アルミニウムの含有率が2.10〜25.00質量%であり、前記難燃助剤が前記ヒンダードアミン系化合物を含む場合には、前記最外層中の前記ヒンダードアミン系化合物の含有率が0.05〜4.50質量%であり、前記絶縁層における前記最外層の断面積比率が2.0%以上86%未満であるケーブルである。
本発明のケーブルは、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する。
なお、上記効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推察している。
すなわち、最外層中に、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物及び無機粒子が難燃剤として含まれることで、最外層の燃焼時に、ベース樹脂の表面に炭化層(チャー)が形成される。ここで、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物の少なくとも一方が難燃助剤として適度に含まれることで、これら難燃助剤が、上記難燃剤との相乗効果により、最外層の難燃性を高めるように作用する。また、このような最外層が絶縁層において適度な断面積比率を有する。このため、最外層においてベース樹脂の燃焼が抑制され、ケーブルにおいて優れた難燃性が得られる。一方、ケーブルにおいて優れた難燃性が得られるため、内層においては、難燃剤の配合割合を最外層における難燃剤の配合割合よりも低減させることができ、内層の耐摩耗性をより向上させることができる。その結果、絶縁層全体としての耐摩耗性を向上させることも可能となり、ケーブル全体としての耐摩耗性を向上させることができる。このため、上記効果が得られるのではないかと本発明者らは推察している。
上記ケーブルにおいては、前記絶縁層における前記最外層の断面積比率が50%以下であることが好ましい。
この場合、断面積比率Rが50%を超える場合に比べて、ケーブルの耐摩耗性をより一層向上させることができる。
上記ケーブルにおいては、前記絶縁層中の前記無機粒子の含有率が0.03〜7.00質量%であり、前記絶縁層中の前記シリコーン系化合物の含有率が0.01〜4.30質量%であり、前記絶縁層中の前記脂肪酸含有化合物の含有率が0.02〜7.50質量%であることが好ましい。
この場合、絶縁層中の無機粒子の含有率が0.03質量%未満である場合に比べて、ケーブルの難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層中の無機粒子の含有率が7.00質量%を超える場合に比べて、ケーブルの耐摩耗性をより向上させることができる。また、絶縁層中のシリコーン系化合物の含有率が0.01質量%未満である場合に比べて、ケーブルの難燃性をより向上させることができる。また、シリコーン系化合物の含有率が上記範囲内にあると、絶縁層中のシリコーン系化合物の含有率が4.30質量%を超える場合に比べて、ケーブルの耐摩耗性をより向上させることができる。さらに、この場合、絶縁層中の脂肪酸含有化合物の含有率が0.02質量%未満である場合に比べて、ケーブルの難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層中の脂肪酸含有化合物の含有率が7.50質量%を超える場合に比べて、ケーブルの耐摩耗性をより向上させることができる。
上記ケーブルにおいては、前記絶縁層の比重が0.84〜1.04であることが好ましい。
この場合、絶縁層の比重が0.84未満である場合に比べて、ケーブルの難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層の比重が1.04を超える場合に比べて、ケーブルをより軽量化できるとともにケーブルの耐摩耗性をより向上させることができる。
上記ケーブルにおいては、前記ヒンダードアミン系化合物が、トリアジン環及び下記式(1)で表される一価の基の少なくとも一方を含有するヒンダードアミン系化合物であることが好ましい。
(前記式(1)中、R1〜R4は各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、R5は、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜25のアラルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
この場合、ヒンダードアミン系化合物が、トリアジン環及び上記式(1)で表される一価の基のいずれも含有しないヒンダードアミン系化合物である場合に比べて、ケーブルの難燃性をより向上させることができる。
上記ケーブルにおいては、前記ベース樹脂がポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
この場合、ベース樹脂がポリオレフィン樹脂を含まない場合に比べて、難燃性及び耐摩耗性をより向上させることができる。
上記ケーブルにおいては、前記内層が、前記ベース樹脂を含む樹脂組成物で構成され、前記ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%より大きいことが好ましい。
この場合、内層のベース樹脂におけるプロピレン系樹脂の含有率が80質量%以下である場合に比べてケーブルの耐摩耗性がより向上する。
上記ケーブルにおいては、前記内層を構成する前記樹脂組成物の230℃、2.16kg重でのMFRが1.0g/10分以上15.0g/10分未満であることが好ましい。
この場合、内層を構成する樹脂組成物のMFRが1.0g/10分未満である場合と比較して、ケーブルの外観がより優れる。また、樹脂組成物のMFRが15.0g/10分以上である場合に比べてケーブルの耐摩耗性がより向上する。
上記ケーブルにおいては、前記導体がアルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。この場合、導体として銅などを用いる場合に比べて、ケーブルをより軽量化できる。
上記ケーブルは、上述した絶縁層を被覆する被覆層をさらに備えていてもよい。
このケーブルは、被覆層を有していなくても優れた難燃性及び耐摩耗性を有するので、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
また本発明は、上述したケーブルを有するワイヤハーネスである。
本発明のワイヤハーネスは、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するケーブルを有するので、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
本発明によれば、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するケーブル及びワイヤハーネスが提供される。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。
[ケーブル]
図1は、本発明に係るケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、ケーブル10は、絶縁電線4を備えており、絶縁電線4は、信号を伝送する伝送媒体としての導体1と、導体1を被覆する絶縁層2とを有している。絶縁層2は、最外層2Bと、最外層2Bの内側に設けられる内層2Aとで構成されている。
図1は、本発明に係るケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、ケーブル10は、絶縁電線4を備えており、絶縁電線4は、信号を伝送する伝送媒体としての導体1と、導体1を被覆する絶縁層2とを有している。絶縁層2は、最外層2Bと、最外層2Bの内側に設けられる内層2Aとで構成されている。
ここで、絶縁層2のうち最外層2Bは、ベース樹脂、難燃剤及び難燃助剤を含み、内層2Aはベース樹脂を含む。難燃剤は、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、難燃助剤は、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。そして、難燃助剤が水酸化アルミニウムを含む場合には、最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率が2.10〜25.00質量%であり、難燃助剤がヒンダードアミン系化合物を含む場合には、最外層2B中のヒンダードアミン系化合物の含有率が0.05〜4.50質量%である。また、絶縁層2における最外層2Bの断面積比率(R)は2.0%以上86%未満である。
絶縁電線4は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する。このため、ケーブル10も優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
以下、導体1及び絶縁層2について詳細に説明する。
≪導体≫
導体1は、1本の素線のみで構成されてもよく、複数本の素線を束ねて構成されたものであってもよい。導体1の材質は特に限定されるものではないが、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。この場合、導体1として銅などを用いる場合に比べて、絶縁電線4、ひいてはケーブル10をより軽量化できる。また、導体1の断面積についても、特に限定されるものではないが、細径化や軽量化の観点から、5mm2未満であることが好ましく、3mm2以下であることがより好ましい。但し、導体1の強度及び導電率の観点からは、導体1の断面積は0.13mm2以上であることが好ましい。
導体1は、1本の素線のみで構成されてもよく、複数本の素線を束ねて構成されたものであってもよい。導体1の材質は特に限定されるものではないが、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。この場合、導体1として銅などを用いる場合に比べて、絶縁電線4、ひいてはケーブル10をより軽量化できる。また、導体1の断面積についても、特に限定されるものではないが、細径化や軽量化の観点から、5mm2未満であることが好ましく、3mm2以下であることがより好ましい。但し、導体1の強度及び導電率の観点からは、導体1の断面積は0.13mm2以上であることが好ましい。
≪絶縁層≫
絶縁層2は、上述したように、最外層2Bと、最外層2の内側に設けられる内層2Aとで構成されている。絶縁層2のうち最外層2Bは、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤とを含み、難燃剤は、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、難燃助剤は、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
絶縁層2は、上述したように、最外層2Bと、最外層2の内側に設けられる内層2Aとで構成されている。絶縁層2のうち最外層2Bは、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤とを含み、難燃剤は、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、難燃助剤は、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
<ベース樹脂>
ベース樹脂は樹脂で構成されていればよく、樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ここで、樹脂には、ゴム及びエラストマーも含まれるものとする。樹脂は、ポリオレフィン樹脂等、ゴム、エラストマーなどから選択される少なくとも1種で構成されていればよい。ベース樹脂はポリオレフィン樹脂を含んでいても含んでいなくてもよいが、ポリオレフィン樹脂を含んでいることが好ましい。この場合、ベース樹脂がポリオレフィン樹脂を含まない場合に比べて、難燃性及び耐摩耗性をより向上させることができる。
ベース樹脂は樹脂で構成されていればよく、樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ここで、樹脂には、ゴム及びエラストマーも含まれるものとする。樹脂は、ポリオレフィン樹脂等、ゴム、エラストマーなどから選択される少なくとも1種で構成されていればよい。ベース樹脂はポリオレフィン樹脂を含んでいても含んでいなくてもよいが、ポリオレフィン樹脂を含んでいることが好ましい。この場合、ベース樹脂がポリオレフィン樹脂を含まない場合に比べて、難燃性及び耐摩耗性をより向上させることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、プロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどの極性基非含有ポリオレフィン、極性基含有ポリオレフィン及びオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、コスト及び比重の観点からは、PE、プロピレン系樹脂が好ましく、耐熱性及び耐摩耗性の観点からは、プロピレン系樹脂が好ましい。
プロピレン系樹脂は、プロピレンを構成単位として含む樹脂であり、プロピレン系樹脂としては、例えばホモポリプロピレン、プロピレンブロックコポリマー及びプロピレンランダムコポリマーが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、プロピレンブロックコポリマーが、耐衝撃性及び低温脆性の観点から好ましい。
極性基含有ポリオレフィンは、極性基を含有するポリオレフィンである。
極性基含有ポリオレフィンの極性基としては、例えばマレイン酸基、メタクリル酸基、無水フマル酸基、無水マレイン酸基、ヒドロキシル基及びカルボキシ基などが挙げられる。中でも、極性基としては、無水マレイン酸基が好ましい。この場合、ベース樹脂中のポリオレフィンの含有率が少量でもベース樹脂と、難燃剤及び難燃助剤との相溶性がより高まり、ブルームの発生をより十分に抑制できるとともに、絶縁層2の耐摩耗性をより向上させることができる。このため、絶縁層2の機械的特性の低下をより十分に抑制できる。
極性基含有ポリオレフィンとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)、それらの無水マレイン酸変性ポリマー、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、および、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
ここで、ポリオレフィン樹脂中の極性基含有ポリオレフィンの含有率は特に制限されるものではないが、1〜10質量%であることが好ましい。この場合、ポリオレフィン樹脂中の極性基含有ポリオレフィンの含有率が1質量%未満である場合と比べて、ポリオレフィン樹脂と難燃剤及び難燃助剤との相溶性がより高まり、ブルームの発生をより十分に抑制できるとともに、絶縁層2の耐摩耗性をより向上させることができる。一方、ポリオレフィン樹脂中の極性基含有ポリオレフィンの含有率が10質量%を超える場合と比べて、難燃性の低下を抑制するとともに、コストの上昇をより十分に抑えることができる。ポリオレフィン樹脂中の極性基含有ポリオレフィンの含有率は2〜5質量%であることがより好ましい。
絶縁層2におけるベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率は特に制限されるものではないが、40〜99質量%であることが好ましい。この場合、絶縁層2におけるベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が40質量%未満である場合と比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させるこができる。絶縁層2におけるベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率は、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させる観点からは、64〜99質量%でありことがより好ましく、73〜99質量%であることがより好ましい。
ベース樹脂は架橋されていてもよく、架橋されていなくてもよいが、架橋されていることが好ましい。ベース樹脂が架橋されている場合、内層2A又は最外層2Bの耐熱性及び耐摩耗性をより向上させることができる。ここで、架橋としては、シラン架橋、電子線架橋および過酸化物架橋が挙げられる。中でも、シラン架橋が好ましい。シラン架橋は、電子線架橋と比べて、高度な設備が不要であり、内層2A又は最外層2Bの厚さが厚くても十分にベース樹脂を架橋できる。また、シラン架橋は、過酸化物架橋に比べて、押出時のスコーチの発生を十分に抑制することができる。
<難燃剤>
(無機粒子)
無機粒子としては炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機粒子として炭酸カルシウム粒子、珪酸塩化合物粒子又はこれらの混合物を用いると、水酸化マグネシウムに比べて、少量で効果的に難燃性を向上させることができる。このため、絶縁層2の軽量化、ひいてはケーブル10の軽量化を図ることができる。炭酸カルシウム粒子は、重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウムのいずれでもよい。また、珪酸塩化合物粒子としてはタルク粒子及びクレー粒子などが挙げられる。
(無機粒子)
無機粒子としては炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機粒子として炭酸カルシウム粒子、珪酸塩化合物粒子又はこれらの混合物を用いると、水酸化マグネシウムに比べて、少量で効果的に難燃性を向上させることができる。このため、絶縁層2の軽量化、ひいてはケーブル10の軽量化を図ることができる。炭酸カルシウム粒子は、重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウムのいずれでもよい。また、珪酸塩化合物粒子としてはタルク粒子及びクレー粒子などが挙げられる。
無機粒子の平均粒径は、特に制限されるものではないが、0.7μm以上であることが好ましい。この場合、無機粒子の平均粒径が0.7μm未満である場合と比べて、より優れた難燃性が得られる。但し、無機粒子の平均粒径は、1.8μm以下であることが好ましい。この場合、無機粒子の平均粒径が1.8μmを超える場合に比べて、絶縁層2の耐摩耗性を向上させることができる。
絶縁層2中の無機粒子の含有率は0.03〜7.00質量%であることが好ましい。この場合、絶縁層2中の無機粒子の含有率が0.03質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層2中の無機粒子の含有率が7.00質量%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
絶縁層2中の無機粒子の含有率は0.20〜5.50質量%であることが好ましく、0.40〜4.00質量%であることがより好ましい。
(シリコーン系化合物)
シリコーン系化合物としては、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。ここで、ポリオルガノシロキサンは、シロキサン結合を主鎖とし側鎖に有機基を有するものであり、有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基;及びフェニル基などのアリール基などが挙げられる。具体的にはポリオルガノシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルオクチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンなどが挙げられる。ポリオルガノシロキサンとして、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、シリコーンガム及びシリコーンレジンが挙げられる。中でも、シリコーンガムが好ましい。この場合、シリコーン系化合物がシリコーンガム以外のシリコーン系化合物である場合に比べて、絶縁層2においてブルームが起こりにくくなるとともに絶縁層2の難燃性をより向上させることができる。
シリコーン系化合物としては、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。ここで、ポリオルガノシロキサンは、シロキサン結合を主鎖とし側鎖に有機基を有するものであり、有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基;及びフェニル基などのアリール基などが挙げられる。具体的にはポリオルガノシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルオクチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンなどが挙げられる。ポリオルガノシロキサンとして、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、シリコーンガム及びシリコーンレジンが挙げられる。中でも、シリコーンガムが好ましい。この場合、シリコーン系化合物がシリコーンガム以外のシリコーン系化合物である場合に比べて、絶縁層2においてブルームが起こりにくくなるとともに絶縁層2の難燃性をより向上させることができる。
シリコーン系化合物は、無機粒子の表面に予め付着させておいてもよい。
無機粒子の表面にシリコーン系化合物を付着させる方法としては、例えば炭酸カルシウム粒子にシリコーン系化合物を添加して混合し、混合物を得た後、この混合物を40〜75℃にて10〜40分乾燥し、乾燥した混合物をヘンシェルミキサ、アトマイザなどにより粉砕する方法が挙げられる。
絶縁層2中のシリコーン系化合物の含有率は0.01〜4.30質量%であることが好ましい。この場合、絶縁層2中のシリコーン系化合物の含有率が0.01質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、シリコーン系化合物の含有率が上記範囲内にあると、絶縁層2中のシリコーン系化合物の含有率が4.30質量%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性及びケーブル10の内部における耐剥離性(以下、「耐内部剥離性」と呼ぶ)をより向上させることができる。
絶縁層2中のシリコーン系化合物の含有率は0.04〜2.80質量%であることが好ましく、0.08〜2.10質量%であることがより好ましい。
(脂肪酸含有化合物)
脂肪酸含有化合物とは、脂肪酸又はその金属塩を言う。ここで、脂肪酸としては、例えば炭素原子数が12〜28である脂肪酸が用いられる。このような脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸及びモンタン酸が挙げられる。中でも、脂肪酸としては、ステアリン酸が好ましい。この場合、ステアリン酸以外の脂肪酸を用いる場合に比べて、絶縁層2の難燃性をより向上させることができる。
脂肪酸含有化合物とは、脂肪酸又はその金属塩を言う。ここで、脂肪酸としては、例えば炭素原子数が12〜28である脂肪酸が用いられる。このような脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸及びモンタン酸が挙げられる。中でも、脂肪酸としては、ステアリン酸が好ましい。この場合、ステアリン酸以外の脂肪酸を用いる場合に比べて、絶縁層2の難燃性をより向上させることができる。
脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉛などが挙げられる。脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸亜鉛が好ましい。この場合、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸亜鉛以外の脂肪酸金属塩を用いる場合に比べて、より少ない添加量で絶縁層2の難燃性をより向上させることができる。脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。
絶縁層2中の脂肪酸含有化合物の含有率は0.02〜7.50質量%であることが好ましい。この場合、絶縁層2中の脂肪酸含有化合物の含有率が0.02質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層2中の脂肪酸含有化合物の含有率が7.50質量%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性及び耐内部剥離性をより向上させることができる。
絶縁層2中の脂肪酸含有化合物の含有率は0.07〜4.00質量%であることが好ましく、0.16〜2.10質量%であることがより好ましい。
<難燃助剤>
難燃助剤は、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。従って、難燃助剤は水酸化アルミニウムのみを含んでもよく、ヒンダードアミン系化合物のみを含んでもよく、水酸化アルミニウムとヒンダードアミン系化合物の混合物を含んでもよい。
難燃助剤は、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。従って、難燃助剤は水酸化アルミニウムのみを含んでもよく、ヒンダードアミン系化合物のみを含んでもよく、水酸化アルミニウムとヒンダードアミン系化合物の混合物を含んでもよい。
(ヒンダードアミン系化合物)
ヒンダードアミン系化合物は、トリアジン環及び下記式(1)で表される一価の基(以下、「NOR含有基」と呼ぶ)の少なくとも一方を含有していてもよいし、いずれも含有していなくてよいが、含有していることが好ましい。
(上記式(1)中、R1〜R4は各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、R5は、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜25のアラルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
ヒンダードアミン系化合物は、トリアジン環及び下記式(1)で表される一価の基(以下、「NOR含有基」と呼ぶ)の少なくとも一方を含有していてもよいし、いずれも含有していなくてよいが、含有していることが好ましい。
この場合、ヒンダードアミン系化合物は、トリアジン環及びNOR含有基のいずれも含有していない場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
また、ヒンダードアミン系化合物は、トリアジン環及びNOR含有基をいずれも含有していることが好ましい。この場合、ヒンダードアミン系化合物がトリアジン環を含有しNOR含有基を含有しない場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
上記式(1)において、R1〜R4は各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、R5は、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜25のアラルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。
上記式(1)において、R1〜R4で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基が挙げられる。
ここで、「アルキル基」には、非置換アルキル基のみならず、置換アルキル基も含まれる。置換アルキル基としては、非置換アルキル基の水素原子を塩素等のハロゲン原子で置換したものなどを用いることができる。
上記式(1)において、R5で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基およびオクタデシル基などが挙げられる。
R5で表されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基及びシクロドデシル基などが挙げられる。
R5で表されるアラルキル基としては、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントリルメチル基及びアントリルエチル基などが挙げられる。
R5で表されるアリール基としては、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。
上記式(1)においては、R1〜R4が各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は、炭素数5〜8のシクロアルキル基を表すことが好ましい。この場合、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
ヒンダードアミン化合物としては、具体的には、下記式(2)で示される化合物、下記式(3)で示される化合物などが挙げられる。
(上記式(2)中、R6〜R9はアルキルアミノ基を表し、R10〜R14は上記一般式(1)で表される基を表し、R15及びR16はアルキレン基を表し、R17はアルキルイミノ基を表す。nは1〜15の整数を表す。)
(上記式(3)中、R18〜R20は下記一般式(4)で表される基を表す。)
(上記式(4)中、R21〜R24は上記一般式(1)で表される基又はアルキル基を表し、R21〜R24のうち少なくとも2つは上記一般式(1)で表される基を表す。)
(比重)
絶縁層2の比重は特に制限されるものではないが、0.84〜1.04であることが好ましい。この場合、絶縁層2の比重が0.84未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層2の比重が1.04を超える場合に比べて、ケーブル10をより軽量化できるとともにケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
絶縁層2の比重は特に制限されるものではないが、0.84〜1.04であることが好ましい。この場合、絶縁層2の比重が0.84未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、絶縁層2の比重が1.04を超える場合に比べて、ケーブル10をより軽量化できるとともにケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
絶縁層2の比重は1.00未満であることがより好ましい。この場合、絶縁層2が水に浮くことが可能となるので、ケーブル10から剥ぎ取った絶縁層2を水に浮かべて回収することが容易となり、リサイクル作業の効率を高めることができる。さらに、絶縁層2の比重は0.97未満であることが好ましい。この場合、絶縁層2がより軽量化されるので、ケーブル10も軽量化される。また、ケーブル10から剥ぎ取った絶縁層2を水に投入した場合における浮上速度が非常に早くなり、リサイクル作業の効率をより高めることができる。特に、絶縁層2の比重は0.94未満であることが好ましい。
絶縁層2は発泡などにより内部に空隙を有さないことがより好ましい。この場合、ケーブル10は優れた機械特性を得ることができる。
<内層>
内層2Aはベース樹脂を含む。内層2Aは、上記難燃剤をさらに含んでもよいが、含んでいなくてもよい。また、内層2Aは、上記難燃助剤をさらに含んでもよいが、含んでいなくてもよい。
内層2Aはベース樹脂を含む。内層2Aは、上記難燃剤をさらに含んでもよいが、含んでいなくてもよい。また、内層2Aは、上記難燃助剤をさらに含んでもよいが、含んでいなくてもよい。
また、内層2Aは単層でも2層以上の層からなる多層体でもあってもよい。
内層2A中の脂肪酸含有化合物のベース樹脂100質量部に対する配合割合(F1)は、最外層2B中の脂肪酸含有化合物のベース樹脂100質量部に対する配合割合(F2)より少ないことが好ましい。この場合、F1がF2以上である場合に比べて、内層2Aと導体1との間だけでなく、内層2Aと最外層2Bとの間における剥離をより十分に抑制できる。すなわち、ケーブル10における耐内部剥離性をより向上させることができる。
F2−F1は0質量部よりも大きければ特に制限されないが、3.0質量部以上であることが好ましい。この場合、F2−F1が3.0質量部未満である場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性をより効果的に向上させることができる。F2−F1は5.0質量部以上であることがより好ましい。但し、F2−F1は20.0質量部以下であることがより好ましい。この場合、F2−F1が20.0質量部を超える場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性をより向上させることができる。
F1は特に制限されるものではないが、3.0質量部未満であることが好ましい。この場合、F1が3.0質量部以上である場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性をより向上させることができる。但し、F1は2.0質量部以下であることがより好ましい。
内層2A中の無機粒子のベース樹脂100質量部に対する配合割合(C1)は、最外層2B中の無機粒子のベース樹脂100質量部に対する配合割合(C2)より少なくてもC2以上であってもよいが、C1はC2よりも少ないことが好ましい。この場合、C1がC2以上である場合に比べて、ケーブル10における耐摩耗性をより十分に向上させることができる。
C2−C1が0質量部よりも大きい場合、C2−C1は特に制限されないが、6.0質量部以上であることが好ましい。この場合、C2−C1が6.0質量部未満である場合に比べて、ケーブル10における難燃性をより十分に向上させることができる。C2−C1は8.0質量部以上であることがより好ましい。但し、C2−C1は20.0質量部以下であることがより好ましい。この場合、C2−C1が20.0質量部を超える場合に比べて、ケーブル10における耐摩耗性をより十分に向上させることができる。
C1は特に制限されるものではないが、8.0質量部以下であることが好ましい。この場合、C1が8.0質量部を超える場合に比べて、ケーブル10における耐摩耗性をより十分に向上させることができる。但し、C1は3.0質量部以下であることがより好ましい。
内層2A中のシリコーン系化合物のベース樹脂100質量部に対する配合割合(S1)は、最外層2B中のシリコーン系化合物のベース樹脂100質量部に対する配合割合(S2)より少なくてもS2以上であってもよいが、S1はS2よりも少ないことが好ましい。この場合、S1がS2以上である場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性をより十分に向上させることができる。
S2−S1が0質量部よりも大きい場合、S2−S1は特に制限されないが、1.5質量部以上であることが好ましい。この場合、S2−S1が1.5質量部未満である場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性及び難燃性をより効果的に向上させることができる。S2−S1は3.0質量部以上であることがより好ましい。但し、S2−S1は10.0質量部以下であることがより好ましい。この場合、S2−S1が10.0質量部を超える場合に比べて、ケーブル10における耐内部剥離性をより十分に向上させることができる。
S1は特に制限されるものではないが、2.5質量部以下であることが好ましい。この場合、S1が2.5質量部を超える場合に比べて、シリコーン系化合物のブルームが起こりにくくなるとともに、ケーブル10における耐内部剥離性をより十分に向上させることができる。但し、S1は1.5質量部以下であることがより好ましい。
内層2Aにおいてベース樹脂は特に制限されるものではないが、プロピレン系樹脂の含有率が80質量%よりも大きいベース樹脂であることが好ましい。
この場合、ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%以下である場合に比べてケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
内層2Aを構成する樹脂組成物の230℃、2.16kg重におけるMFRは1.0g/10分以上15.0g/10分未満であることが好ましい。この場合、樹脂組成物のMFRが1.0g/10分未満の場合と比較して、ケーブル10の外観がより優れる。また、樹脂組成物のMFRが15.0g/10分以上である場合に比べて耐摩耗性がより向上する。但し、樹脂組成物のMFRは3.0g/10分以上10.0g/10分未満であることがより好ましい。
なお、内層2Aは、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線劣化防止剤、加工助剤、着色顔料、滑剤、カーボンブラックなどの充填剤を必要に応じてさらに含んでもよい。
<最外層>
最外層2B中の難燃助剤が水酸化アルミニウムを含有する場合、最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率は、2.10〜25.00質量%である。この場合、最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率が上記範囲を外れる場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
最外層2B中の難燃助剤が水酸化アルミニウムを含有する場合、最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率は、2.10〜25.00質量%である。この場合、最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率が上記範囲を外れる場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
最外層2B中の水酸化アルミニウムの含有率は3.10〜20.00質量%であることが好ましく、3.80〜14.90質量%であることがより好ましい。
最外層2B中の難燃助剤がヒンダードアミン系化合物を含有する場合、最外層2B中のヒンダードアミン系化合物の含有率は、0.05〜4.50質量%である。この場合、最外層2B中のヒンダードアミン系化合物が上記範囲を外れる場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
最外層2B中のヒンダードアミン系化合物の含有率は0.15〜3.00質量%であることが好ましく、0.24〜1.80質量%であることがより好ましい。
最外層2B中の脂肪酸含有化合物の含有率は特に制限されるものではないが、2.0〜9.0質量%であることが好ましい。この場合、最外層2B中の脂肪酸含有化合物の含有率は2.0質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、最外層2B中の脂肪酸含有化合物の含有率が9.0質量%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
最外層2B中の無機粒子の含有率は特に制限されるものではないが、5.0〜20.0質量%であることが好ましい。この場合、最外層2B中の無機粒子の含有率が5.0質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、最外層2B中の無機粒子の含有率が20.0質量%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
最外層2B中のシリコーン系化合物の含有率は特に制限されるものではないが、1.0〜8.5質量%であることが好ましい。この場合、最外層2B中のシリコーン系化合物の含有率が1.0質量%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、最外層2B中のシリコーン系化合物の含有率が8.5質量%を超える場合に比べて、シリコーン系化合物のブルームが起こりにくくなるとともにケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができる。
絶縁層2における最外層2Bの断面積比率(R)は2.0%以上86%未満である。この場合、断面積比率Rが2.0%未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、断面積比率Rが86%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより向上させることができるとともに、ケーブル10のコストをより低下させ且つケーブル10をより軽量化できる。
断面積比率Rは50%以下であることがより好ましい。この場合、断面積比率Rが50%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をより一層向上させることができる。
断面積比率Rは30%以下であることがより一層好ましい。この場合、断面積比率Rが30%を超える場合に比べて、ケーブル10の耐摩耗性をさらにより一層向上させることができる。
断面積比率Rは、ケーブル10の難燃性をより向上させる観点からは、2.5%以上であることが好ましく、5.0%以上であることがより好ましい。
最外層2Bの厚さtは特に制限されるものではないが、0.008〜0.400mmであることが好ましい。この場合、厚さtが0.008mm未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。また、厚さtが0.400mmを超える場合に比べて、ケーブル10をより軽量化及び細径化できるとともに、ケーブル10の耐摩耗性及び口出し加工性をより向上させることができる。
最外層2Bの厚さtは、0.010〜0.200mmであることがより好ましく、0.020〜0.100mmが特に好ましい。この場合、最外層2Bの厚さtが0.200mmを超える場合に比べて、ケーブル10をより軽量化できるとともに耐摩耗性をより向上させることができる。また、最外層2Bの厚さtが0.010mm未満である場合に比べて、ケーブル10の難燃性をより向上させることができる。
なお、最外層2Bは、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線劣化防止剤、加工助剤、着色顔料、滑剤、カーボンブラックなどの充填剤を必要に応じてさらに含んでもよい。
[ケーブルの製造方法]
次に、上述したケーブル10の製造方法について説明する。
次に、上述したケーブル10の製造方法について説明する。
まず導体1を準備する。
次に、導体1を絶縁層2で被覆して絶縁電線4を得る。このとき、絶縁層2は、内層2A及び最外層2Bを同時に形成することにより形成してもよいし、内層2Aを形成した後、内層2Aの上に最外層2Bを形成することによって形成してもよい。
内層2A及び最外層2Bは、内層2Aを形成するための内層樹脂組成物及び最外層2Bを形成するための最外層樹脂組成物をそれぞれ用意し、これらを、押出成形することによって形成することができる。
導体1への絶縁層2の形成方法としては、共押出法、タンデム押出法および別押出法の3通りの方法が挙げられる。
共押出法とは、クロスヘッドから排出した内層樹脂組成物を導体1上に被覆して内層2Aを形成し、内層被覆電線を得た直後に、同じクロスヘッド内で続けて最外層樹脂組成物を押し出して内層被覆電線上に被覆して最外層2Bを形成する方法である。
タンデム押出法とは、クロスヘッドから排出した内層樹脂組成物を導体1上に被覆して内層2Aを形成し、内層被覆電線を得た後に、同じ押出ライン上で、別のクロスヘッドから排出した最外層樹脂組成物を内層被覆電線上に被覆して最外層2Bを形成する方法である。
別押出法とは、クロスヘッドから排出した内層樹脂組成物を導体1上に被覆して内層2Aを形成し、内層被覆電線を得てから一度ボビンに巻き取った後、巻き取った内層被覆電線を送り出して同じクロスヘッド又は別のクロスヘッドから排出した最外層樹脂組成物を内層被覆電線上に被覆して最外層を形成する方法である。
上記方法の中でも、連続生産が可能であることから、共押出法及びタンデム押出法が好ましい。特に共押出法が好ましい。この場合、内層樹脂組成物と最外層樹脂組成物とが溶融状態で接触することで内層2Aと最外層2Bとの間の密着力が高まり、内層2Aと最外層2との間の剥離をより十分に抑制できる。
以上のようにしてケーブル10が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態ではケーブル10は1本の絶縁電線4を有しているが、本発明のケーブルは絶縁電線4を2本以上有していてもよい。
また、上記実施形態では、ケーブル10は被覆層をさらに有してもよい。被覆層は、絶縁層2を物理的又は化学的な損傷から保護するものである。
被覆層の厚さは、特に限定されるものではないが、2.0mm未満であることが好ましい。この場合、被覆層の厚さが2.0mm以上である場合に比べて、ケーブル10をより軽量化できる。被覆層の厚さは1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。但し、耐摩耗性の観点から、被覆層の厚さは、0.2mm以上であることが好ましい。
被覆層は、被覆層3を形成するための被覆層樹脂組成物を用意し、押出機を用いて絶縁電線4を被覆するように押出成形することによって形成することができる。
さらに、上記実施形態では、伝送媒体が導体1であるケーブル10が使用されているが、本発明のケーブルは、ケーブル10において伝送媒体を導体1から光ファイバに置き換えた光ファイバケーブルであってもよい。なお、この光ファイバケーブルにおいても被覆層3は省略してもよい。
[ワイヤハーネス]
図3は、本発明のワイヤハーネスの一実施形態を示す断面図である。図3に示すように、ワイヤハーネス20は、複数本(図3では4本)のケーブル10を束ねるテープ21とを備える。テープ21は、複数本のケーブル10をその長さ方向に沿って全体的に被覆している必要はなく、複数のケーブル10をその長さ方向に沿って必要な箇所で部分的に被覆していればよい。
図3は、本発明のワイヤハーネスの一実施形態を示す断面図である。図3に示すように、ワイヤハーネス20は、複数本(図3では4本)のケーブル10を束ねるテープ21とを備える。テープ21は、複数本のケーブル10をその長さ方向に沿って全体的に被覆している必要はなく、複数のケーブル10をその長さ方向に沿って必要な箇所で部分的に被覆していればよい。
このワイヤハーネス20は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するケーブル10を有するので、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
上記ワイヤハーネス20は、ケーブル10を複数本備えているが、ケーブル10を1本のみ備えていてもよい。
また、上記ワイヤハーネス20は、テープ21を備えているが、ワイヤハーネス20はテープ21の代わりに結束帯、コルゲートチューブ等を用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜75及び比較例1〜16)
<最外層樹脂組成物>
ベース樹脂、シリコーンマスターバッチ(シリコーンMB)、脂肪酸含有化合物、無機粒子、水酸化マグネシウム、ヒンダードアミン系化合物及び水酸化アルミニウムを、表1〜8に示す配合量で配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製、シリンダ径32mm)によって混練し、最外層樹脂組成物を得た。なお、表1〜8において、各配合成分の配合量の単位は質量部である。また表1〜8において、ベース樹脂の欄の配合量が100質量部となっていない実施例又は比較例があるが、これらの実施例又は比較例においてはシリコーンMB中にも樹脂が含まれており、ベース樹脂の欄の配合量とシリコーンMB中の樹脂の配合量とを合計すれば、その合計は100質量部となる。
<最外層樹脂組成物>
ベース樹脂、シリコーンマスターバッチ(シリコーンMB)、脂肪酸含有化合物、無機粒子、水酸化マグネシウム、ヒンダードアミン系化合物及び水酸化アルミニウムを、表1〜8に示す配合量で配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製、シリンダ径32mm)によって混練し、最外層樹脂組成物を得た。なお、表1〜8において、各配合成分の配合量の単位は質量部である。また表1〜8において、ベース樹脂の欄の配合量が100質量部となっていない実施例又は比較例があるが、これらの実施例又は比較例においてはシリコーンMB中にも樹脂が含まれており、ベース樹脂の欄の配合量とシリコーンMB中の樹脂の配合量とを合計すれば、その合計は100質量部となる。
<内層樹脂組成物>
ベース樹脂、シリコーンマスターバッチ(シリコーンMB)、脂肪酸含有化合物、無機粒子、水酸化マグネシウム、ヒンダードアミン系化合物及び水酸化アルミニウムを、表1〜8に示す配合量で配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製、シリンダ径32mm)によって混練し、内層樹脂組成物を得た。なお、表1〜8において、各配合成分の配合量の単位は質量部である。また表1〜8において、ベース樹脂の欄の配合量が100質量部となっていない実施例又は比較例があるが、これらの実施例又は比較例においてはシリコーンMB中にも樹脂が含まれており、ベース樹脂の欄の配合量とシリコーンMB中の樹脂の配合量とを合計すれば、その合計は100質量部となる。また、内層樹脂組成物については、230℃、2.16kg重でのMFRを表1〜8に示した。
ベース樹脂、シリコーンマスターバッチ(シリコーンMB)、脂肪酸含有化合物、無機粒子、水酸化マグネシウム、ヒンダードアミン系化合物及び水酸化アルミニウムを、表1〜8に示す配合量で配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製、シリンダ径32mm)によって混練し、内層樹脂組成物を得た。なお、表1〜8において、各配合成分の配合量の単位は質量部である。また表1〜8において、ベース樹脂の欄の配合量が100質量部となっていない実施例又は比較例があるが、これらの実施例又は比較例においてはシリコーンMB中にも樹脂が含まれており、ベース樹脂の欄の配合量とシリコーンMB中の樹脂の配合量とを合計すれば、その合計は100質量部となる。また、内層樹脂組成物については、230℃、2.16kg重でのMFRを表1〜8に示した。
上記ベース樹脂、シリコーンMB、脂肪酸含有化合物、無機粒子、水酸化マグネシウム、ヒンダードアミン系化合物及び水酸化アルミニウムとしては、具体的には下記のものを用いた。
(1)ベース樹脂
(1−1)ポリオレフィン樹脂
プロピレンブロックコポリマー(PPブロックコポリマー)
MFR(230℃、2.16kg重)9.0g/10分(プライムポリマー社製)
プロピレンランダムコポリマー(PPランダムコポリマー)
MFR(230℃、2.16kg重)7.0g/10分(日本ポリプロ社製)
ホモポリプロピレン(ホモPP)
MFR(230℃、2.16kg重)0.5g/10分(サンアロマー社製)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
MFR(230℃、2.16kg重)7.4g/10分、密度0.937g/cm3(宇部丸善ポリエチレン社製)
低密度ポリエチレン(LDPE)
MFR(190℃、2.16kg重)10.0g/10分密度0.917g/cm3(宇部丸善ポリエチレン社製)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン
三井化学社製
無水マレイン酸変性ポリエチレン
デュポン社製
(1−2)非ポリオレフィン樹脂
スチレン系熱可塑性エラストマ(JSR社製)
(1−1)ポリオレフィン樹脂
プロピレンブロックコポリマー(PPブロックコポリマー)
MFR(230℃、2.16kg重)9.0g/10分(プライムポリマー社製)
プロピレンランダムコポリマー(PPランダムコポリマー)
MFR(230℃、2.16kg重)7.0g/10分(日本ポリプロ社製)
ホモポリプロピレン(ホモPP)
MFR(230℃、2.16kg重)0.5g/10分(サンアロマー社製)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
MFR(230℃、2.16kg重)7.4g/10分、密度0.937g/cm3(宇部丸善ポリエチレン社製)
低密度ポリエチレン(LDPE)
MFR(190℃、2.16kg重)10.0g/10分密度0.917g/cm3(宇部丸善ポリエチレン社製)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン
三井化学社製
無水マレイン酸変性ポリエチレン
デュポン社製
(1−2)非ポリオレフィン樹脂
スチレン系熱可塑性エラストマ(JSR社製)
(2)難燃剤
(2−1)シリコーンMB
シリコーンMB1
50質量%シリコーンガムと50質量%低密度ポリエチレン(LLDPE)とを含有(信越化学社製)
シリコーンMB2
50質量%シリコーンガムと50質量%プロピレン系樹脂(PP)とを含有(信越化学社製)
(2−1)シリコーンMB
シリコーンMB1
50質量%シリコーンガムと50質量%低密度ポリエチレン(LLDPE)とを含有(信越化学社製)
シリコーンMB2
50質量%シリコーンガムと50質量%プロピレン系樹脂(PP)とを含有(信越化学社製)
(2−2)脂肪酸含有化合物
ステアリン酸Mg
ADEKA社製
ステアリン酸
日油社製
ステアリン酸Mg
ADEKA社製
ステアリン酸
日油社製
(2−3)無機粒子
炭酸カルシウム粒子
製品名「NCC−P」、平均粒径1.7μm、パラフィン表面処理(日東粉化社製)
珪酸塩化合物1
製品名「Glomax LL」、クレイ粒子、平均粒径1.5μm(竹原化学工業社製)
珪酸塩化合物2
製品名「SG−95」、タルク粒子、平均粒径2.5μm(日本タルク社製)
炭酸カルシウム粒子
製品名「NCC−P」、平均粒径1.7μm、パラフィン表面処理(日東粉化社製)
珪酸塩化合物1
製品名「Glomax LL」、クレイ粒子、平均粒径1.5μm(竹原化学工業社製)
珪酸塩化合物2
製品名「SG−95」、タルク粒子、平均粒径2.5μm(日本タルク社製)
(2−4)水酸化マグネシウム
平均粒径1.1μm、高級脂肪酸表面処理(神島化学社製)
平均粒径1.1μm、高級脂肪酸表面処理(神島化学社製)
(3)難燃助剤
(3−1)ヒンダードアミン系化合物
HA系化合物1(トリアジン環及びNOR含有基を含有)
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「Flamestab NOR 116FF」、BASF社製
HA系化合物2(トリアジン環及びNOR含有基を含有)
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「TINUVIN NOR371FF」、BASF社製
HA系化合物3(トリアジン環を含有し且つNOR含有基を含有せず)
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「CYASORB UV−3529」、サンケミカル社製
HA系化合物4(トリアジン環もNOR含有基も含有せず)
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「TINUVIN 622SF」、BASF社製
(3−2)水酸化アルミニウム
商品名「BF013S」、日本軽金属社製
(3−1)ヒンダードアミン系化合物
HA系化合物1(トリアジン環及びNOR含有基を含有)
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「Flamestab NOR 116FF」、BASF社製
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「TINUVIN NOR371FF」、BASF社製
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「CYASORB UV−3529」、サンケミカル社製
下記構造式で表されるヒンダードアミン化合物、商品名「TINUVIN 622SF」、BASF社製
商品名「BF013S」、日本軽金属社製
<絶縁電線の作製>
ケーブルとしての絶縁電線は、以下のようにして作製した。
まず、上記のようにして準備した内層形成用樹脂組成物を、単軸押出機(マース精機社製、シリンダ外径25mm)にて混練した。その後、内層の樹脂組成物を押し出し、クロスヘッドから排出させて、導体上に表1〜8に示す厚さを有するように被覆して内層を形成し、得られた内層被覆電線をボビンに巻き取った後、巻き取った内層被覆電線を送り出した。このとき、導体としては、直径0.3mmの軟銅線からなる素線を7本撚りにして直径が1.0mmになるように軽圧縮した導体であって断面積が0.5sq(mm2)である導体を使用した。
一方、上記のようにして準備した最外層形成用樹脂組成物を、単軸押出機(マース精機社製、シリンダ外径25mm)にて混練した。その後、最外層の樹脂組成物を押し出し、クロスヘッドから排出させて、送り出された内層被覆電線上に表1〜8に示す厚さを有するように被覆して最外層を形成した。このとき、絶縁層の厚さが0.5mmとなるように最外層を形成した。こうして、外径2.0mmのケーブルを作製した。
ケーブルとしての絶縁電線は、以下のようにして作製した。
まず、上記のようにして準備した内層形成用樹脂組成物を、単軸押出機(マース精機社製、シリンダ外径25mm)にて混練した。その後、内層の樹脂組成物を押し出し、クロスヘッドから排出させて、導体上に表1〜8に示す厚さを有するように被覆して内層を形成し、得られた内層被覆電線をボビンに巻き取った後、巻き取った内層被覆電線を送り出した。このとき、導体としては、直径0.3mmの軟銅線からなる素線を7本撚りにして直径が1.0mmになるように軽圧縮した導体であって断面積が0.5sq(mm2)である導体を使用した。
一方、上記のようにして準備した最外層形成用樹脂組成物を、単軸押出機(マース精機社製、シリンダ外径25mm)にて混練した。その後、最外層の樹脂組成物を押し出し、クロスヘッドから排出させて、送り出された内層被覆電線上に表1〜8に示す厚さを有するように被覆して最外層を形成した。このとき、絶縁層の厚さが0.5mmとなるように最外層を形成した。こうして、外径2.0mmのケーブルを作製した。
<特性評価>
上記のようにして得られた実施例1〜75及び比較例1〜16の絶縁電線について、以下のようにして難燃性、耐摩耗性及び軽量化効果の評価を行った。
上記のようにして得られた実施例1〜75及び比較例1〜16の絶縁電線について、以下のようにして難燃性、耐摩耗性及び軽量化効果の評価を行った。
<難燃性>
実施例1〜75及び比較例1〜16の各々で得られた絶縁電線から長さ600mmの部分を切り出してサンプルとし、このサンプルについて、JIS C3665−1規格に準拠した垂直一条燃焼試験を行った。具体的には、サンプルの両端を上部支持材と下部支持材とで固定し、上記規格に適合するバーナーで60秒間接炎を行い、上部支持材の下端と炭化の開始点との間の距離D1を難燃性の評価指標の一つとして測定した。なお、上記規格によれば、距離D1が50mm以上で且つ燃焼が上部支持材の下端から540mmより下方に広がらなければ合格(規格合格)であるが、実施例同士間の難燃性の差(裕度)を見るためにさらに、炭化された部分の長さ(燃焼距離)D2を測定し、この燃焼距離D2も難燃性の評価指標に加えた。そして、以下のようにしてランク付けを行い、難燃性の評価を行った。結果を表1〜8に示す。難燃性の合格基準は下記の通りとした。
(評価ランク)
◎◎・・・規格に合格し且つD2が170mm未満
◎・・・・規格に合格し且つD2が170mm以上200mm未満
〇・・・・規格に合格し且つD2が200mm以上300mm未満
△・・・・規格に合格し且つD2が300mm以上
×・・・・規格に不合格
(合格基準)評価ランクが◎◎、◎、〇又は△であること
実施例1〜75及び比較例1〜16の各々で得られた絶縁電線から長さ600mmの部分を切り出してサンプルとし、このサンプルについて、JIS C3665−1規格に準拠した垂直一条燃焼試験を行った。具体的には、サンプルの両端を上部支持材と下部支持材とで固定し、上記規格に適合するバーナーで60秒間接炎を行い、上部支持材の下端と炭化の開始点との間の距離D1を難燃性の評価指標の一つとして測定した。なお、上記規格によれば、距離D1が50mm以上で且つ燃焼が上部支持材の下端から540mmより下方に広がらなければ合格(規格合格)であるが、実施例同士間の難燃性の差(裕度)を見るためにさらに、炭化された部分の長さ(燃焼距離)D2を測定し、この燃焼距離D2も難燃性の評価指標に加えた。そして、以下のようにしてランク付けを行い、難燃性の評価を行った。結果を表1〜8に示す。難燃性の合格基準は下記の通りとした。
(評価ランク)
◎◎・・・規格に合格し且つD2が170mm未満
◎・・・・規格に合格し且つD2が170mm以上200mm未満
〇・・・・規格に合格し且つD2が200mm以上300mm未満
△・・・・規格に合格し且つD2が300mm以上
×・・・・規格に不合格
(合格基準)評価ランクが◎◎、◎、〇又は△であること
<耐摩耗性>
耐摩耗性は、上記実施例1〜75及び比較例1〜16の絶縁電線について、JASO D618に記載の試験方法にてスクレープ摩耗試験を行い、このとき測定される「導通するまでのスクレープ摩耗回数」の最小値を指標とした。そして、絶縁電線について、以下のようにしてランク付けを行って評価した。結果を表1〜8に示す。耐摩耗性の合格基準は下記の通りとした。
(評価ランク)
◎・・・スクレープ摩耗回数が2000回以上
○・・・スクレープ摩耗回数が500回以上2000回未満
△・・・スクレープ摩耗回数が150回以上500回未満
×・・・スクレープ摩耗回数が150回未満
(合格基準)評価ランクが◎、〇又は△であること
耐摩耗性は、上記実施例1〜75及び比較例1〜16の絶縁電線について、JASO D618に記載の試験方法にてスクレープ摩耗試験を行い、このとき測定される「導通するまでのスクレープ摩耗回数」の最小値を指標とした。そして、絶縁電線について、以下のようにしてランク付けを行って評価した。結果を表1〜8に示す。耐摩耗性の合格基準は下記の通りとした。
(評価ランク)
◎・・・スクレープ摩耗回数が2000回以上
○・・・スクレープ摩耗回数が500回以上2000回未満
△・・・スクレープ摩耗回数が150回以上500回未満
×・・・スクレープ摩耗回数が150回未満
(合格基準)評価ランクが◎、〇又は△であること
(軽量化効果)
上記のようにして作製した絶縁電線の絶縁層の比重を測定し、この比重を軽量化効果の指標とした。絶縁層の比重は、絶縁電線から絶縁層を剥ぎ取り、この絶縁層を溶融混練して、厚さ2mmの均一なシートを作製し、アルキメデス法に基づいて、電子比重計(アルファミラージュ社製)にて測定した。そして、絶縁電線について、以下のようにしてランク付けを行って軽量化効果を評価した。結果を表1〜8に示す。
(評価ランク)
◎・・・比重が0.97未満
○・・・比重が0.97以上1.00未満
△・・・比重が1.00以上1.04未満
×・・・比重が1.04以上
上記のようにして作製した絶縁電線の絶縁層の比重を測定し、この比重を軽量化効果の指標とした。絶縁層の比重は、絶縁電線から絶縁層を剥ぎ取り、この絶縁層を溶融混練して、厚さ2mmの均一なシートを作製し、アルキメデス法に基づいて、電子比重計(アルファミラージュ社製)にて測定した。そして、絶縁電線について、以下のようにしてランク付けを行って軽量化効果を評価した。結果を表1〜8に示す。
(評価ランク)
◎・・・比重が0.97未満
○・・・比重が0.97以上1.00未満
△・・・比重が1.00以上1.04未満
×・・・比重が1.04以上
以上のことから、本発明のケーブルによれば、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが確認された。
本発明のケーブルは、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、自動車用絶縁電線、産業用電線、自動車用ケーブル、産業用ケーブル、通信ケーブル、同軸ケーブル、電子ワイヤーなどの種々の用途に適用できる。また、本発明のケーブルは、伝送媒体を、導体から光ファイバに置き換えた光ファイバケーブルに適用することも可能である。
1…導体
2…絶縁層
2A…内層
2B…最外層
3…被覆層
4…絶縁電線
10…ケーブル
20…ワイヤハーネス
2…絶縁層
2A…内層
2B…最外層
3…被覆層
4…絶縁電線
10…ケーブル
20…ワイヤハーネス
Claims (11)
- 導体又は光ファイバで構成される伝送媒体と、
前記伝送媒体を被覆する絶縁層とを有し、
前記絶縁層が、最外層と、前記最外層の内側に設けられる内層とを有し、
前記最外層が、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤とを含み、
前記内層がベース樹脂を含み、
前記難燃剤が、炭酸カルシウム粒子及び珪酸塩化合物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる無機粒子と、シリコーン系化合物と、脂肪酸含有化合物とを含み、
前記難燃助剤が、水酸化アルミニウム及びヒンダードアミン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
前記難燃助剤が前記水酸化アルミニウムを含む場合には、前記最外層中の前記水酸化アルミニウムの含有率が2.10〜25.00質量%であり、
前記難燃助剤が前記ヒンダードアミン系化合物を含む場合には、前記最外層中の前記ヒンダードアミン系化合物の含有率が0.05〜4.50質量%であり、
前記絶縁層における前記最外層の断面積比率が2.0%以上86%未満である、ケーブル。 - 前記絶縁層における前記最外層の断面積比率が50%以下である、請求項1に記載のケーブル。
- 前記絶縁層中の前記無機粒子の含有率が0.03〜7.00質量%であり、
前記絶縁層中の前記シリコーン系化合物の含有率が0.01〜4.30質量%であり、
前記絶縁層中の前記脂肪酸含有化合物の含有率が0.02〜7.50質量%である、請求項1に記載のケーブル。 - 前記絶縁層の比重が0.84〜1.04である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のケーブル。
- 前記ベース樹脂がポリオレフィン樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のケーブル。
- 前記内層が、前記ベース樹脂を含む樹脂組成物で構成され、前記ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%より大きい、請求項1〜5のいずれか一項に記載のケーブル。
- 前記内層を構成する前記樹脂組成物の230℃、2.16kg重でのMFRが1.0g/10分以上15.0g/10分未満である請求項6に記載のケーブル。
- 前記導体がアルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のケーブル。
- 前記絶縁層を被覆する被覆層をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のケーブルを有する、ワイヤハーネス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019166691A JP2021044191A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | ケーブル及びワイヤハーネス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019166691A JP2021044191A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | ケーブル及びワイヤハーネス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021044191A true JP2021044191A (ja) | 2021-03-18 |
Family
ID=74862490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019166691A Pending JP2021044191A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | ケーブル及びワイヤハーネス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021044191A (ja) |
-
2019
- 2019-09-12 JP JP2019166691A patent/JP2021044191A/ja active Pending
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