JP2021042427A - シミュレーション方法、及びシミュレーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応炉の途中から投入される燃焼用材料も考慮して、反応炉内の物質の挙動をより高精度に計算することができるシミュレーション方法を提供する。【解決手段】シミュレーション方法は、反応炉内に供給した原料鉱石を移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、原料鉱石の乾燥及び還元を行うシミュレーション方法であって、燃焼用材料を揮発分と固定炭素とに質量流量で分配する工程と、燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分とを含む第2ガス相の、原料鉱石を含む固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算する工程と、原料鉱石を含む第1固相と固定炭素を含む第2固相の、平衡状態に寄与する第2反応量を計算する工程と、第2ガス相の平衡反応に寄与する第1反応分と第2固相の平衡反応に寄与する第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの流量を少なくとも計算する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、シミュレーション方法、及びシミュレーション装置に関する。
酸化鉱石の一種であるリモナイト鉱石やサプロライト鉱石等のラテライト鉱石(ニッケル酸化鉱石)の製錬方法として、ロータリーキルンや移動炉床炉等を使用して、鉄とニッケルを主成分とする合金であるフェロニッケルを製造する乾式製錬方法が知られている。
ロータリーキルンによる乾式製錬方法では、原料鉱石をロータリードライヤーにて乾燥させ、付着水分を例えば15%〜25%とした後、付着水が低減された乾燥鉱石をロータリーキルンの装入端から投入する。その後、ロータリーキルンの装入端から供給する石炭の燃焼熱や、ロータリーキルンの排出端に設けられた微粉炭専焼バーナー又は微粉炭と重油の混焼バーナーにより、乾燥鉱石を加熱して、乾燥鉱石を乾燥させると共に焼成を行う。
ロータリーキルンによる乾式製錬方法を用いる場合には、装入端より供給する石炭の燃焼熱やバーナーで微粉炭や重油等が燃焼して生じる燃焼熱の他に、ロータリーキルンの途中から投入した石炭の燃焼によって生じる燃焼熱を乾燥鉱石の乾燥及び部分還元に必要な熱を与える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ロータリーキルンの途中に設けたスクープフィーダから石炭をロータリーキルン内に投入することにより、ロータリーキルンの装入端から装入したニッケル酸化鉱の乾燥鉱石を、バーナーで化石燃料の燃焼により生じる燃焼熱で焼成すると共に部分的な還元処理を施すロータリーキルンの操業方法が開示されている。このロータリーキルンの操業方法では、スクープフィーダから投入された石炭は熱分解することで揮発分と固定炭素になり、揮発分は炉内の燃焼ガスと共に装入端より排出され、固定炭素は、乾燥鉱石が乾燥・還元処理されて産出された焼鉱と共に排出端から排出される。
特許第5967616号公報
ここで、特許文献1に記載のロータリーキルンの操業方法を用いてロータリーキルン内の乾燥鉱石や石炭等の挙動をシミュレーションする際には、ロータリーキルンの装入端から投入される乾燥鉱石の他に、ロータリーキルンの途中から投入される石炭も考慮する必要がある。
そのため、ロータリーキルン等の反応炉内に、反応炉の途中から石炭等の燃焼用材料を投入して、原料鉱石の乾燥及び還元処理を行い、原料鉱石の製錬をより精度高く行うためには、燃焼用材料の種類や大きさ等を考慮して解析する必要がある。
本発明の一態様は、反応炉の途中から投入される燃焼用材料を考慮して、反応炉内の物質の挙動をより高精度に解析することができるシミュレーション方法を提供することを目的とする。
本発明に係るシミュレーション方法の一態様は、
反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーション方法であって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに質量流量で分配する分配工程と、
前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分とを含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算工程と、
前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相の、平衡状態に寄与する第2反応量を計算して、前記第2固相の平衡反応に寄与する反応分を第2反応分として求める第2反応量の計算工程と、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算工程と、
を含む。
本発明に係るシミュレーション方法の一態様は、反応炉の途中から投入される燃焼用材料を考慮して、反応炉内の物質の挙動をより高精度に解析することができる。
一実施形態に係るシミュレーション方法が適用されるロータリーキルンの概略構成を示す。 一実施形態に係るシミュレーション装置の機能を示すブロック図である。 一実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。 シミュレーション装置のハードウェア構成図である。 ロータリーキルン内の燃焼ガスと原料鉱石との流れを示す図である。 一実施形態に係るシミュレーション方法をロータリーキルンの全体に適用する場合のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
一実施形態に係るシミュレーション方法について説明するに当たり、一実施形態に係るシミュレーション方法が適用されるロータリーキルンの構成について説明する。
<ロータリーキルン>
図1は、一実施形態に係るシミュレーション方法が適用されるロータリーキルンの概略構成を示す。図1に示すように、ロータリーキルン1は、回転自在で略円筒形状のキルン本体11と、キルン本体11の途中に設けられる燃焼用材料供給管12とを有する。
キルン本体11は、円筒形状の中空構造物からなる窯であり、キルン本体11は、厚さ15〜30mmの炭素鋼からなる。キルン本体11は、その内周側の壁面に、耐熱性を高めるための耐火物を備えることが好ましい。
キルン本体11の大きさとしては、例えば、内径が4.5m〜5.5m、長軸方向の長さ(全長)が100m〜110mの大きさのものを用いることが好ましい。
キルン本体11は、その一端側(図1中の左側)の開口端部11aが、ロータリーキルン装入端(以下、単に「装入端」ともいう。)14Aに挿入して閉じられると共に、他端側(図1中の右側)の開口端部11bが、ロータリーキルン排出端(以下、「排出端」ともいう。)14Bに挿入して閉じられている。キルン本体11は、装入端14Aから排出端14Bに向かってわずかに傾斜した状態で配設されており、軸回りに回転自在に支持されている。
装入端14Aには、原料鉱石をキルン本体11内に導入する原料供給管15が貫設されている。排出端14Bには、開口端部11bを貫通してキルン本体11内に導入されるバーナー16が設けられる。
原料鉱石は、ニッケル酸化鉱石(酸化ニッケル鉱石)等を用いることができる。原料鉱石は、例えば、ニッケル酸化鉱石等をドライヤー(ロータリードライヤー)により予備乾燥して、付着水分の一部を除去した乾燥鉱石等を用いることができる。乾燥鉱石中の水分量としては、15質量%〜25質量%程度である。
原料鉱石であるニッケル酸化鉱石としては、特に限定されないが、鉄とニッケルを主成分とする合金であるフェロニッケルの製錬においては、ガーニエライト鉱等が好ましく用いられる。ガーニエライト鉱の代表的な組成としては、乾燥鉱石での換算で、Ni品位が2.1質量%〜2.5質量%、Fe品位が11質量%〜23質量%、MgO品位が20質量%〜28質量%、SiO2品位が29質量%〜39質量%、CaO品位が0.5質量%未満、灼熱減量が10質量%〜15質量%である。
バーナー16は、微粉炭専焼バーナー又は微粉炭と重油の混焼バーナー等を用いることができる。バーナー16は、微粉炭又は微粉炭及び重油等を含む燃料を燃焼して、ロータリーキルン1内に燃焼熱を発生させる。
燃焼用材料供給管12は、キルン本体11の外周面の途中に設けられ、キルン本体11内に燃焼用材料を供給する。燃焼用材料は、揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含み、例えば、石炭等の炭材を用いることができる。
揮発分は、炭化水素化合物、硫黄及びハロゲン等の揮発物質等である。
固定炭素は、石炭から水分・揮発分が抜けた後の、熱分解後残渣であるチャー粒子(主に固定炭素及び灰分)のうち、灰分を除いた主に炭素から構成される燃焼分である。
なお、図1では、燃焼用材料供給管12は、キルン本体11の外周面に1つだけ設けられているが、キルン本体11の外周面に、キルン本体11の軸方向又は軸回りに沿って複数設けてもよい。
燃焼用材料は、単一品種の炭材ではなく、複数の異なる品種の炭材等を混合して用いることが多く、さらに投入する炭材の粒子径の大きさも分布を持つことが多い。なお、粒子径とは、有効径による体積平均粒径をいい、粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法、動的光散乱法又は分級法等によって測定される。レーザ回折・散乱法を用いる場合、レーザ回折・散乱法により測定した体積基準の粒度分布において小粒径側からの積算粒径分布が50%となる粒子径(D50)を平均粒子径として用いることができる。
原料鉱石は、装入端14Aに設けた原料供給管13からキルン本体11内に装入され、燃焼用材料は燃焼用材料供給管12からキルン本体11内に投入される。排出端14B側からは、排出端14Bに設置したバーナー16により微粉炭や重油等を燃焼させることにより発生した高温の燃焼ガスが、排出端14B側から装入端14A側に向けて、すなわち原料鉱石の流れと反対の方向に吹き込まれる。
キルン本体11内では、原料鉱石は、装入端14Aから装入され、キルン本体11が所定の速度で回転することで、装入端14Aから原料供給管15を通してキルン本体11内に装入された原料鉱石を一端側である開口端部11a側から他端側である排出端14Bに向かって搬送する。このとき、原料鉱石は、キルン本体11内を移動しながら、排出端14Bから装入端14A側に向かって流れる燃焼ガスと向流接触し、バーナー16で微粉炭や重油等の燃料を燃焼させることにより発生させた高温の燃焼ガスの燃焼熱及び火炎によって加熱される。また、燃焼用材料供給管12からキルン本体11内に投入される燃焼用材料が、キルン本体11内の燃焼ガスにより燃焼する。原料鉱石は、燃焼用材料供給管12から投入された燃焼用材料の燃焼により生じさせた燃焼熱によっても加熱される。そのため、原料鉱石は、キルン本体11の回転に連れてキルン本体11の装入端14Aから排出端14Bに向けて移動しながら、バーナー16で燃料が燃焼することで生じた燃焼ガスの燃焼熱及び火炎と、燃焼用材料が燃焼することで生じた燃焼ガスの燃焼熱とにより加熱され、徐々に温度を上げて行く。
キルン本体11内では、原料鉱石と燃焼ガスとの間で、原料鉱石や燃焼用材料に含まれる水分の蒸発、燃焼用材料に含まれる揮発分の揮発と、バーナー燃料及び燃焼用材料に含まれる灰分の落下等により、物質の移動が生じる。ロータリーキルン1の途中から供給される燃焼用材料が熱分解することで生じる水分や揮発分は装入端14A側に燃焼ガスと共に移動し、チャー粒子は排出端14Bに原料鉱石と共に移動する。
キルン本体11内の原料鉱石が排出端14Bに到達するまでに、原料鉱石は、その原料鉱石中に含まれる水分がほぼ完全に除去されて焼成すると共に部分還元されて、焼鉱となる。
焼鉱は、例えば、温度800〜900℃、粒子径が10mm〜100mm程度の大きさからなる。焼鉱は、排出端14Bから排出される。
排出端14Bの排出口には、粒子径10mm〜100mm程度の焼鉱と、ロータリーキルン1内に発生した焼結塊(粒子径100mm〜500mm程度)とを分離するためのロストル(篩分装置)17が設けられている。ロストル17は、例えば、目開き100mm程度の鉄製の格子で構成されている。排出端14Bから排出された焼鉱は、ロストル17を通過した後、焼鉱排出用シュート18を通って、次工程に搬送される。
<シミュレーション装置>
次に、一実施形態に係るシミュレーション方法が適用される、一実施形態に係るシミュレーション装置について説明する。図2は、一実施形態に係るシミュレーション装置の機能を示すブロック図である。なお、図2では、シミュレーション装置が、ロータリーキルン1内を複数の領域に分割した時の、燃焼用材料供給管12から燃焼用材料が供給される領域Aにおける単位操作モデルとして説明する。また、図2では、領域Aのうち、燃焼ガスが吹き込まれる領域を領域A+1とし、原料鉱石が装入される領域を領域A−1とする。
なお、以下の説明において、領域Aに流入するガス相は、第1ガス相、第2ガス相、第3ガス相として記載し、領域Aに流入する固相は、第1固相、第2固相、第3固相として記載する。
以下の説明において、
「第1ガス相」とは、一方の隣接する領域(領域A+1)から領域Aに流入する燃焼ガスである。燃焼ガスは、揮発分の他に、酸素や二酸化炭素、一酸化炭素、水素など平衡反応に寄与するガス、さらに反応に寄与しない不活性な物質(例えば、窒素等)等を含んでもよい。
「第2ガス相」とは、燃焼用材料から分配された揮発分と第1ガス相とが合算されたガス相である。
「第3ガス相」とは、後述する第1の混合計算モデルM4−1で生じるガス相である。
「第1固相」とは、一方の隣接する領域(領域A−1)から領域Aに流入する原料鉱石である。原料鉱石は、酸化ニッケルや酸化鉄などの鉱石中化合物や、固定炭素の他に、後述する平衡反応計算モデルM3において反応に寄与しない不活性な物質等を含んでもよい。
「第2固相」とは、燃焼用材料から分配された固定炭素と第1固相とが合算された固相である。
「第3固相」とは、後述する第2の混合計算モデルM4−2で生じる固相である。
図2に示すように、シミュレーション装置20は、燃焼用材料の分配モデル(分配モデル)M1、第1反応量の計算モデルM2−1、第2反応量の計算モデルM2−2、平衡反応計算モデルM3、第1の混合計算モデルM4−1、及び第2の混合計算モデルM4−2を含む。
分配モデルM1は、燃焼用材料の種類や成分等を予め設置しておくことにより、燃焼用材料を、燃焼用材料に含まれる揮発分(ガス相の一成分)と固定炭素(固相の一成分)とに質量流量で分配する機能を有する。
第1反応量の計算モデルM2−1は、一方の隣接する領域(領域A+1)から流入する燃焼ガス(第1ガス相)G1と、分配モデルM1で分配された燃焼用材料の揮発分とを含む第2ガス相G2と、他方の隣接する領域(領域A−1)から流入する原料鉱石(第1固相S1)と、分配モデルM1で分配された固定炭素とを含む第2固相S2との平衡状態に達する量が、例えばアレニウス型の反応速度式に従う反応速度と、領域A内の第2ガス相G2の滞留時間から算出できるモデルを採用する。そして、第1反応量の計算モデルM2−1は、第1反応量に相当する第1反応分と、残りの未反応の質量流量に相当する第1未反応分とに分割する。
なお、反応分とは、領域A内の第2ガス相G2又は第2固相S2が通過する滞留時間において、第2ガス相G2又は第2固相S2との接触により、反応に寄与する流量をいう。
ロータリーキルン1では、燃焼ガスと原料鉱石の流れが対向流となっている。燃焼ガスの流速は原料鉱石の流れよりも大きく、燃焼ガスと原料鉱石とは平衡状態に達していない。そこで、本実施形態では、第1反応量の計算モデルM2−1は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の第2ガス相G2の一部のみが原料鉱石と平衡状態に達するとみなして、それに対応する第1反応量に応じて、第2ガス相G2を分割する。
第2反応量の計算モデルM2−2は、アレニウス型の反応速度式で鉱石の滞留時間により第2固相S2と第2ガス相G2とが平衡状態に達していると見積もった分量だけについて、第2ガス相G2との反応に寄与する第2固相S2の第2反応量を計算する。そして、第2反応量の計算モデルM2−2は、第2反応量に相当する第2反応分と、残りの未反応の質量流量に相当する第2未反応分とに分割する。
平衡反応計算モデルM3は、第1反応分と第2反応分との反応により生成される可能性のある物質(生成物質)の種類、相、流量等を予め設定しておくことにより、生成物質の自由エネルギーが最小となるように、平衡反応計算を行って、生成物質の種類、相、流量等を決定する機能を有する。平衡反応計算モデルM3は、第1反応分と第2反応分とが平衡状態に達したときの、それぞれの熱量の変化、流量、生成物質の種類、組成及び相等を計算して出力する。
平衡反応計算モデルM3は、第1反応分と第2反応分とが反応することで生じる生成ガスと第1反応分の未使用分とを、第1生成分として計算する。また、平衡反応計算モデルM3は、第1反応分と第2反応分とが反応することで生じる生成物質と、第2反応分の未使用分とを、第2生成分として計算する。
第1の混合計算モデルM4−1は、複数の流れを混合する機能を有しており、第1反応量の計算モデルM2−1で分割された第1未反応分と、平衡反応計算モデルM3で生じた第1生成分とをそれぞれ混合した第3ガス相G3の流量や組成データ等を計算する。
第2の混合計算モデルM4−2は、複数の流れを混合する機能を有しており、第2反応量の計算モデルM2−2で分割された第2未反応分と、平衡反応計算モデルM3で生じた第2生成分とを、それぞれ混合した第3固相S3の流量や組成データ等を計算する。
<シミュレーション方法>
次に、一実施形態に係るシミュレーション装置を用いて、一実施形態に係るシミュレーション方法について説明する。一実施形態に係るシミュレーション方法は、図1に示すような構成を有するロータリーキルン1において、ロータリーキルン1の装入端14A側から供給した原料鉱石を排出端14B側に向かって移動させながら、移動の途中から燃焼用材料を投入し、原料鉱石を排出端14B側に設けられるバーナー16から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う場合のシミュレーション方法である。
図3は、一実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。図3に示すように、シミュレーション装置20は、ロータリーキルン1内に燃焼用材料を投下しているか否かを確認する(確認工程:ステップS11)。
ロータリーキルン1内に燃焼用材料が投下されている場合(ステップS11:Yes)、シミュレーション装置20は、揮発分を想定した炭化水素化合物等と、固定炭素を想定した物質を入力物質として与え、燃焼用材料の分配モデルM1を用いて、ロータリーキルン1内に添加される燃焼用材料を揮発分と固定炭素とに質量流量で分配する(分配工程:ステップS12)。
次に、シミュレーション装置20は、一方の隣接する領域(領域A+1)から領域Aに流入する燃焼ガスである第1ガス相G1と、他方の隣接する領域(領域A−1)から領域Aに流入する原料鉱石である第1固相S1と、分配モデルM1で分配された燃焼用材料の揮発分及び固定炭素とを入力物質として与える。シミュレーション装置20は、第1反応量の計算モデルM2−1を用いて、第1ガス相G1と、分配モデルM1で分配された燃焼用材料の揮発分とを含む第2ガス相G2のうち、原料鉱石(第1固相S1)及び分配モデルM1で分配された固定炭素を含む第2固相S2との平衡状態に寄与する第2ガス相G2の第1反応量を計算する(第1反応量の計算工程:ステップS13)。
すなわち、シミュレーション装置20は、第2ガス相G2と第2固相S2とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、第2ガス相G2が第2固相S2及び第2ガス相G2同士で反応して平衡状態に達する時の、反応に寄与する第1反応量を計算する。
そして、シミュレーション装置20は、第1反応量の計算結果に基づいて、第1反応量に相当する第1反応分と、残りの未反応量に相当する第1未反応分とに分割する。
次に、シミュレーション装置20は、第1ガス相G1と、分配モデルM1で分配された燃焼用材料の揮発分と、第1固相S1と、分配モデルM1で分配された固定炭素とを入力物質として与える。シミュレーション装置20は、第2反応量の計算モデルM2−2を用いて、第2固相S2のうち、第2ガス相G2及び第2固相S2同士での反応に寄与する、第2固相S2の第2反応量を計算する(第2反応量の計算工程:ステップS14)。
すなわち、シミュレーション装置20は、第2ガス相G2と第2固相S2とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、第2固相S2が第2ガス相G2及び第2固相S2同士で反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第2反応量を計算する。
そして、シミュレーション装置20は、第2反応量の計算結果に基づいて、第2反応量に相当する第2反応分と、残りの未反応量に相当する第2未反応分とに分割する。
次に、シミュレーション装置20は、第1反応量の計算工程(ステップS13)で得られた第1反応分と、第2反応量の計算工程(ステップS14)で得られた第2反応分とを入力物質として与え、平衡反応計算モデルM3を用いて、第1反応分と第2反応分との平衡反応を計算する(平衡反応計算工程:ステップS15)。
シミュレーション装置20は、第1反応分と第2反応分とが反応することで生じるガス相と、第1反応分の未使用分とを、第1生成分として計算し、第1反応分と第2反応分とが反応することで生じる固相と、第2反応分の未使用分とを、第2生成分として計算する。
次に、シミュレーション装置20は、第1反応量の計算工程(ステップS13)で得られた第1未反応分と、平衡反応計算工程(ステップS15)で得られた第1生成分とを入力物質として与え、第1の混合計算モデルM4−1を用いて、第1未反応分と第1生成分とを含む第3ガス相G3の流量および組成データを計算する(第1の混合計算工程:ステップS16)。
第1反応量の計算工程(ステップS13)で計算した第1反応分は、第2ガス相G2と第2固相S2とが平衡状態に達したと仮定した時の反応量であるため、通常、全て使用される。しかし、ガス相である第1反応分には、反応の量論比以上に存在する物質や反応に寄与しない不活性な物質が存在している場合がある。不活性な物質は、例えば、窒素等である。第1混合計算工程(ステップS16)では、反応の量論比以上に存在し結果として平衡反応後に残る物質や不活性な物質は、平衡反応計算モデルM3で使用されずに残った未使用分として計算する。
シミュレーション装置20は、第3ガス相G3を領域Aよりも装入端14A側の領域(領域A−1)に移動する。
次に、シミュレーション装置20は、第2反応量の計算工程(ステップS14)で得られた第2未反応分と、平衡反応計算工程(ステップS15)で得られた第2生成分とを入力物質として与え、第2の混合計算モデルM4−2を用いて、第2未反応分と第2生成分とを含む第3ガス相G3の流量および組成データを計算する。
固相である第2反応分には、反応の量論比以上に存在する物質や反応に寄与しない不活性な物質が存在している場合がある。第2混合計算工程(ステップS17)では、第2反応分のうち、反応の量論比以上に存在し結果として反応で使用されなかった部分、および不活性な部分は、平衡反応計算モデルM3で使用されずに残った未使用分として計算する。
シミュレーション装置20は、第3固相S3を領域Aよりも排出端14B側の領域(領域A+1)に移動する。
なお、シミュレーション装置20は、第1反応量の計算工程(ステップS13)と第2反応量の計算工程(ステップS14)とを並行して行ってもよいし、第1反応量の計算工程(ステップS13)を第2反応量の計算工程(ステップS14)の後に行ってもよい。
また、シミュレーション装置20は、第1混合計算工程(ステップS16)と第2混合計算工程(ステップS17)とを並行して行ってもよいし、第1混合計算工程(ステップS16)を第2混合計算工程(ステップS17)の後に行ってもよい。
また、シミュレーション装置20は、熱伝導に関しては、必要に応じて、放射、伝導および対流等のモデルで計算するようにしてもよい。
<シミュレーション装置のハードウェア構成>
次に、シミュレーション装置のハードウェア構成の一例について説明する。図4は、シミュレーション装置のハードウェア構成図である。図4に示すように、シミュレーション装置20は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)22及びROM(Read Only Memory)23と、補助記憶装置24と、入出力インタフェース25と、出力装置である表示装置26等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス27で相互に接続されている。なお、補助記憶装置24及び表示装置26は、外部に設けられていてもよい。
CPU21は、シミュレーション装置20の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU21は、ROM23または補助記憶装置24に格納された原料鉱石の反応計算プログラムを実行して、測定収録画面と解析画面の表示動作を制御する。
RAM22は、CPU21のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
ROM23は、基本入出力プログラム等を記憶する。原料鉱石の反応計算プログラムはROM23に保存されてもよい。
補助記憶装置24は、SSD(Solid State Drive)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、例えば、原料鉱石の反応計算プログラムやシミュレーション装置20の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納する。
入出力インタフェース25は、タッチパネル、キーボード、表示画面、操作ボタン等のユーザインタフェースと、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとの双方を含む。
表示装置26は、モニタディスプレイ等である。表示装置26では、測定収録画面と解析画面が表示され、入出力インタフェース25を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
図4に示すシミュレーション装置20の各機能は、RAM22やROM23等の主記憶装置又は補助記憶装置24にシミュレーションソフトウェア(シミュレーションプログラムを含む)等を読み込ませ、RAM22、ROM23又は補助記憶装置24に格納された原料鉱石の反応計算プログラム等をCPU21により実行することにより、RAM22等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うと共に、入出力インタフェース25及び表示装置26を動作させることで実現される。
シミュレーションプログラムは、以下の構成のプログラムを用いることができる。
すなわち、シミュレーションプログラムは、反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーションを少なくともコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに質量流量で分配する分配モデルと、
前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分とを含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算モデルと、
前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相の、平衡状態に寄与する第2反応量を計算して、前記第2固相の平衡反応に寄与する反応分を第2反応分として求める第2反応量の計算モデルと、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算モデルと、
を少なくともコンピュータに実行させるプログラムを用いることができる。
シミュレーションプログラムは、例えば、RAM22やROM23の主記憶装置又は補助記憶装置24等のコンピュータが備える記憶装置内に格納される。なお、原料鉱石の反応計算プログラムは、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、コンピュータが備える通信モジュール等により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、原料鉱石の反応計算プログラムは、その一部又は全部が、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリ等の携帯可能な記憶媒体に格納された状態から、コンピュータ内に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
以上の通り、一実施形態に係るシミュレーション方法は、分配工程(ステップS12)、第1反応量の計算工程(ステップS13)、第2反応量の算出工程(ステップS14)及び平衡反応計算工程(ステップS14)を含む。分配工程(ステップS12)において、燃焼用材料に含まれる揮発分と固定炭素とを分配する。そして、第1反応量の計算工程(ステップS13)で分配された揮発分と第1ガス相とを含む第2ガス相から平衡反応に寄与する第1反応分を求め、第2反応量の計算工程(ステップS14)で第1固相と分配された固定炭素とを含む第2固相から平衡反応に寄与する第2反応分を求める。平衡反応計算工程(ステップS14)では、得られた第1反応分及び第2反応分を用いて平衡反応を計算する。
一実施形態に係るシミュレーション方法は、ロータリーキルン1の途中から投入される燃焼用材料を揮発分及び固定炭素に分配して、それぞれ別々の燃料として扱い、揮発分は第2ガス相を構成する成分とし、固定炭素は第2固相を構成する成分として、ロータリーキルン1内の第2ガス相G2と第2固相S2との平衡反応を計算する。これにより、燃焼用材料を構成する揮発分及び固体炭素のそれぞれの移動量を導き出せるため、平衡反応をより正確に解析することができる。よって、一実施形態に係るシミュレーション方法は、ロータリーキルン1の途中から投入される燃焼用材料を考慮して、ロータリーキルン1内の物質の挙動をより高精度に解析することができる。
一実施形態に係るシミュレーション方法は、第1の混合計算工程(ステップS16)及び第2の混合計算工程(ステップS17)を含むことができる。第1の混合計算工程(ステップS16)では、第1未反応分と、平衡反応計算工程(ステップS15)で生成する第1生成分とを混合した第3ガス相G3の流量を少なくとも計算できる。第2の混合計算工程(ステップS17)では、第2未反応分と、平衡反応計算工程(ステップS15)で生成する第2生成分とを混合した第3固相S3の流量を少なくとも計算できる。これにより、一実施形態に係るシミュレーション方法は、ロータリーキルン1の途中から供給される燃焼用材料の熱分解によって生じる揮発分の装入端14Aへの移動量と、熱分解後残渣である固定炭素の排出端14Bへの移動量を計算できる。
一実施形態に係るシミュレーション方法は、ロータリーキルン1の燃焼用材料供給管12から燃焼用材料が投下される領域Aを含む範囲内の物質の挙動をより高精度に解析することができる。そのため、一実施形態に係るシミュレーション方法を、ロータリーキルン1内の全領域に適用することで、ロータリーキルン1内の反応プロセスをより高精度に解析することができる。一実施形態に係るシミュレーション方法をロータリーキルン1の全体に適用する場合について説明する。
一実施形態に係るシミュレーション方法は、例えば、図5に示すように、ロータリーキルン1内を複数の領域に分割した時の1つの領域Aにおける反応プロセスを単位操作モデルと仮定した時、単位操作モデルの組合せによってロータリーキルン1内の反応プロセスをモデル化できる。そして、一実施形態に係るシミュレーション方法を、ロータリーキルン1内の複数の領域に、原料鉱石の流れ又は燃焼ガスの流れ(仮定した流れを含む。)に沿って繰り返し行う(図5中の矢印参照)。そして、所定の領域における計算値とその領域における前回の計算値との差が所定の範囲内に収まるまで繰り返し行う。
一実施形態に係るシミュレーション方法をロータリーキルン1の全体に適用する場合のフローチャートを図6に示す。図6に示すように、シミュレーション装置20は、ロータリーキルン1で起こる反応プロセスを複数の単位操作モデルの組合せによってモデル化する(モデル化工程:ステップS21)。
単位操作モデルには、上記の図2に示すシミュレーション装置20が適用される。それぞれの単位操作モデル毎に、単位操作モデルを構成する、燃焼用材料の分配モデルM1、第1反応量の計算モデルM2−1、第2反応量の計算モデルM2−2、平衡反応計算モデルM3、第1の混合計算モデルM4−1、及び第2の混合計算モデルM4−2等が予め用意される。
各単位操作モデルは、原料鉱石や燃焼ガスの流れ(仮定した流れを含む。)に沿って相互に接続される。
次に、シミュレーション装置20は、ステップS21においてモデル化された単位操作モデルの計算を行う(計算工程:ステップS22)。単位操作モデルには、流れの情報が入力される。
流れの情報は、原料鉱石、燃焼ガス、及び燃焼用材料の成分、流量、温度、回転数等のデータである。流れの情報が入力されると、単位操作モデルは所定の計算を行い、その計算値(原料鉱石、燃焼ガス、及び燃焼用材料の成分、流量、温度等)が出力される。これらの計算結果から、図2に示すシミュレーション装置20の各構成に用いる値が計算される。シミュレーション装置20の各モデルに用いる値としては、第1ガス相G1の流量、燃焼用材料の分配モデルM1で分配される揮発分及び固定炭素の量、第2ガス相G2の流量、第3ガス相G3の流量、第1反応分の流量、第1未反応分の流量、第1固相S1の流量、第2固相S2の流量、第2反応分の流量、第2未反応分の流量、及び第3固相S3の流量等である。
本実施形態では、単位操作モデルの計算は、最も装入端14A側に位置する単位操作モデルから行う。
次に、シミュレーション装置20は、最終の単位操作モデルまで計算したか否か判断する(ステップS23)
最終の単位操作モデルまで計算した場合(ステップ23:Yes)は、シミュレーション装置20は、単位操作モデルの前回の計算値があるか否か判断する(ステップS24)。
前回の計算値がある場合(ステップS24:Yes)には、シミュレーション装置20は、計算工程(ステップS22)において計算された計算値と、前回の計算値とを比較する(ステップS25)。
次に、シミュレーション装置20は、計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たすか否か判断する(比較工程:ステップS26)。
収束条件としては、例えば、計算値と前回の計算値との差が数℃(例えば、1℃)以下の範囲内である。
計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たす場合(ステップS26:Yes)には、シミュレーション装置20は、計算を終了する。これにより、ロータリーキルン1のキルン本体11内の全体で起こる反応プロセスが解析される。
一方、ステップS23において、最終の単位操作モデルまで計算していない場合(ステップS23:No)は、シミュレーション装置20は、隣接する他の単位操作モデルである領域A+1又は領域A―1に位置する単位操作モデルに移行する(ステップS27)。そして、シミュレーション装置20は、領域A+1又は領域A―1に位置する単位操作モデルの計算を行う(ステップS22)。
ステップS24において、前回の計算値がない場合(ステップS24:No)、又はステップS26において、計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たさない場合(ステップS26:No)には、シミュレーション装置20は、先頭の単位操作モデルに移行する(ステップS28)。
よって、一実施形態に係るシミュレーション方法は、ロータリーキルン1で起こる反応プロセスを複数の単位操作モデルの組合せによってモデル化し、単位操作モデルの接続順序に沿って、単位操作モデルの各々に設定された値に基づいて計算を行う。本実施形態では、それぞれの単位操作モデルの計算をロータリーキルン1の装入端14A側から排出端14B側に向かって順じ行った後、排出端14B側から装入端14A側に向かって行う(図5参照)。そして、一連の操作を、所定の領域Aにおける計算値が所定の収束条件が満たされるまで繰り返す。その結果、ロータリーキルン1内のそれぞれの領域における、燃焼ガスと原料鉱石の流量等の計算結果が導き出される。これにより、ロータリーキルン1のキルン本体11内の全体での燃焼ガス及び原料鉱石を構成する各物質の挙動をより正確に解析することが可能となる。
このように、一実施形態に係るシミュレーション方法によれば、ロータリーキルン1内の全体の反応プロセスをより高精度に解析することができるため、ロータリーキルン1の運転条件(例えば、ロータリーキルン1の大きさや回転数、原料鉱石の供給量)等を変えながら、ロータリーキルン1内の各物質の挙動をより正確に解析することができる。よって、一実施形態に係る原料鉱石の製錬方法は、ロータリーキルン1の設備改善の事前検討、操業条件、原料鉱石の変更等による影響調査等に有効に活用できる。
なお、本実施形態では、ロータリーキルン1内に供給される原料は、原料鉱石以外の原料でもよい。
本実施形態では、図1に示すロータリーキルン1の途中から投下される燃焼用材料は、揮発分及び固定炭素の両方を必ずしも含んでいなくてもよいし、揮発分及び固定炭素以外に、灰分等の他の物質を含んでいてもよい。
本実施形態では、図1に示すロータリーキルン1以外に、原料鉱石を装入端14A側から排出端14B側に向かって移動させながら加熱する反応炉であればよい。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ロータリーキルン
11 キルン本体
16 バーナー
20 シミュレーション装置
M1 分配モデル
M2−1 第1反応量の計算モデル
M2−2 第2反応量の計算モデル
M3 平衡反応計算モデル
M4−1 第1の混合計算モデル
M4−2 第2の混合計算モデル
G1 第1ガス相
G2 第2ガス相
G3 第3ガス相
S1 第1固相
S2 第2固相
S3 第3固相

Claims (4)

  1. 反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーション方法であって、
    前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに質量流量で分配する分配工程と、
    前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分とを含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算工程と、
    前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相の、平衡状態に寄与する第2反応量を計算して、前記第2固相の平衡反応に寄与する反応分を第2反応分として求める第2反応量の計算工程と、
    前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算工程と、
    を含むシミュレーション方法。
  2. 前記第1反応量の計算工程で、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分以外の未反応分を第1未反応分とし、
    前記第2反応量の計算工程で、前記第2固相の平衡反応に寄与する反応分以外の未反応分を、第2未反応分とし、
    前記第1未反応分と、前記平衡反応計算工程で前記第1反応分と前記第2反応分とが反応することで生じる第1生成分とを混合した第3ガス相の流量を少なくとも計算する第1の混合計算工程と、
    前記第2未反応分と、前記平衡反応計算工程で前記第1反応分と前記第2反応分とが反応することで生じる第2生成分とを混合した第3固相の流量を少なくとも計算する第2の混合計算工程と、
    を含む請求項1に記載のシミュレーション方法。
  3. 前記反応炉内をその長軸方向に沿って複数の領域に分割すると仮定した時、
    シミュレーション方法は、前記複数の領域に、前記原料鉱石の流れ又は前記燃焼ガスの流れに沿って繰り返し行い、所定の領域における計算値とその領域における前回の計算値との差が所定の範囲内に収まるまで繰り返し行う請求項1又は2に記載のシミュレーション方法。
  4. 反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーション装置であって、
    前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに質量流量で分配する分配モデルと、
    前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分とを含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算モデルと、
    前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相の、平衡状態に寄与する第2反応量を計算して、前記第2固相の平衡反応に寄与する反応分を第2反応分として求める第2反応量の計算モデルと、
    前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算モデルと、
    を含むシミュレーション装置。
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