JP2023004584A - 炉内反応の計算装置及び炉内反応の計算方法 - Google Patents

炉内反応の計算装置及び炉内反応の計算方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023004584000001
【課題】反応炉内の反応を高精度に計算できる炉内反応の計算装置を提供する。
【解決手段】炉内反応の計算装置は、反応炉内の燃焼ガスを含む第1気相のうち、炉内のガス領域から原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算部と、流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配部と、ベッド層が分配された一方の第1ベッド層の平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算部と、第2ベッド層の平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を第2反応速度式を用いて計算して第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算部と、第1ベッド層反応分の平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算部と、第2ベッド層反応分の平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算部と、第1気相の平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算部を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、炉内反応の計算装置及び炉内反応の計算方法に関する。
酸化鉱石の一種であるリモナイト鉱石やサプロライト鉱石等のラテライト鉱石(ニッケル酸化鉱石)の製錬方法として、ロータリーキルンや移動炉床炉等を使用して、鉄とニッケルを主成分とする合金であるフェロニッケルを製造する乾式製錬方法が知られている。
ロータリーキルンによる乾式製錬方法では、原料鉱石をロータリードライヤーにて乾燥させ、付着水分を例えば15%~25%とした後、付着水が低減された乾燥鉱石をロータリーキルンの装入端から投入する。その後、ロータリーキルンの装入端から供給する石炭の燃焼熱や、ロータリーキルンの排出端に設けられた微粉炭専焼バーナー又は微粉炭と重油の混焼バーナーにより、乾燥鉱石を加熱して、乾燥鉱石を乾燥させると共に焼成を行う。
このようなロータリーキルンによる乾式製錬方法として、例えば、装入端より供給する石炭の燃焼熱やバーナーで微粉炭や重油等が燃焼して生じる燃焼熱の他に、ロータリーキルンの途中から投入した石炭の燃焼によって生じる燃焼熱を乾燥鉱石の乾燥及び部分還元に必要な熱を与える方法等がある。
例えば、特許文献1には、ロータリーキルンの途中に設けたスクープフィーダから石炭をロータリーキルン内に投入して、ロータリーキルンの装入端から装入したニッケル酸化鉱の乾燥鉱石を、バーナーで化石燃料の燃焼により生じる燃焼熱で焼成すると共に部分的な還元処理を施すロータリーキルンの操業方法が開示されている。このロータリーキルンの操業方法では、スクープフィーダから投入された石炭は熱分解することで揮発分と固定炭素になり、揮発分は炉内の燃焼ガスと共に装入端より排出され、固定炭素は、乾燥鉱石が乾燥・還元処理されて産出された焼鉱と共に排出端から排出される。
特許第5967616号公報
ここで、特許文献1に記載のロータリーキルンの操業方法のような周知の操業方法では、ベッド層を1種類の層として扱っており、ベッド層内の原料鉱石の反応速度の相違について検討されていない。ロータリーキルン内に供給される原料鉱石は、通常、粒度分布を有し、密度、組成等が異なるため、原料鉱石の、粒径、密度、組成等の相違によって反応速度に差異が生じる。また、複数品種の原料鉱石が供給される場合、原料鉱石の種類によって、原料鉱石中の、気孔率、組成等が異なるため、反応速度に差異が生じる。そのため、ロータリーキルン等の反応炉内の原料鉱石等の挙動をシミュレーションする際、供給する原料鉱石の粒径、密度、組成、種類等の物性の相違に起因して生じる反応速度の違いを考慮して、炉内反応を正確に計算する必要がある。
本発明の一態様は、反応炉内の反応を高精度に計算できる炉内反応の計算装置を提供することを目的とする。
本発明に係る炉内反応の計算装置の一態様は、反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う炉内反応の計算装置であって、
前記反応炉内のガス領域を流れる前記燃焼ガスを含む第1気相のうち、前記反応炉内の前記ガス領域から前記原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算部と、
前記流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配部と、
前記ベッド層のうち、前記ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配された2種類の分配ベッド層のうちの一方の第1ベッド層の前記第1流入ガスとの平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して、前記第1ベッド層の平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算部と、
2種類の前記分配ベッド層のうちの他方の第2ベッド層の前記第2流入ガスとの平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を前記第1反応速度式とは異なる第2反応速度式を用いて計算して、前記第2ベッド層の平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算部と、
前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとの平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算部と、
前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとの平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算部と、
前記第1気相と、前記ガス領域に存在する固体物質及び液体物質の少なくとも一方を含む第1物質との平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算部と、
を備える。
本発明に係る炉内反応の計算方法の一態様は、反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う炉内反応の計算方法であって、
前記反応炉内のガス領域を流れる前記燃焼ガスを含む第1気相のうち、前記反応炉内の前記ガス領域から前記原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算工程と、
前記流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配工程と、
前記ベッド層のうち、前記ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配された2種類の分配ベッド層のうちの一方の第1ベッド層の前記第1流入ガスとの平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して、前記第1ベッド層の平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算工程と、
2種類の前記分配ベッド層のうちの他方の第2ベッド層の前記第2流入ガスとの平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を前記第1反応速度式とは異なる第2反応速度式を用いて計算して、前記第2ベッド層の平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算工程と、
前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとの平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算工程と、
前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとの平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算工程と、
前記第1気相と、前記ガス領域に存在する固体物質及び液体物質の少なくとも一方を含む第1物質との平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算工程と、
を含む。
本発明に係る炉内反応の計算装置の一態様は、反応炉内の反応を高精度に計算できる。
本発明の実施形態に係る炉内反応の計算装置が適用されるロータリーキルンの概略構成を示す。 本発明の実施形態に係る炉内反応の計算装置の機能を示すブロック図である。 ロータリーキルン内のベッド層の偏析の状態を示す説明図である。 ロータリーキルン内の長軸方向におけるベッド層の偏析の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る炉内反応の計算方法を説明するフローチャートである。 図5のガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)の動作を示すフローチャートである。 図5の第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)の動作を示すフローチャートである。 図3の第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)の動作を示すフローチャートである。 炉内反応の計算装置のハードウェア構成図である。 ロータリーキルン内の燃焼ガスと原料鉱石との流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る炉内反応の計算方法をロータリーキルンの全体に適用する場合のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
本発明の実施形態に係る炉内反応の計算装置について説明するに当たり、本実施形態に係る炉内反応の計算装置が適用されるロータリーキルンの構成について説明する。
<ロータリーキルン>
図1は、本実施形態に係る炉内反応の計算装置が適用されるロータリーキルンの概略構成を示す。図1に示すように、ロータリーキルン1は、回転自在で略円筒形状のキルン本体11と、キルン本体11の途中に設けられる燃焼用材料供給管12とを有する。
キルン本体11は、円筒形状の中空構造物からなる窯であり、キルン本体11は、厚さ15~30mmの炭素鋼からなる。キルン本体11は、その内周側の壁面に、耐熱性を高めるための耐火物を備えることが好ましい。
キルン本体11の大きさとしては、例えば、内径が4.5m~5.5m、長軸方向の長さ(全長)が100m~110mの大きさのものを用いることが好ましい。
キルン本体11は、その一端側(図1中の左側)の開口端部11aが、ロータリーキルン装入端(以下、単に「装入端」ともいう。)14Aに挿入して閉じられると共に、他端側(図1中の右側)の開口端部11bが、ロータリーキルン排出端(以下、「排出端」ともいう。)14Bに挿入して閉じられている。キルン本体11は、装入端14Aから排出端14Bに向かってわずかに傾斜した状態で配設されており、軸回りに回転自在に支持されている。
装入端14Aには、原料鉱石をキルン本体11内に導入する原料供給管15が貫設されている。排出端14Bには、開口端部11bを貫通してキルン本体11内に導入されるバーナー16が設けられる。
原料鉱石は、ニッケル酸化鉱石(酸化ニッケル鉱石)等を用いることができる。原料鉱石は、例えば、ニッケル酸化鉱石等をドライヤー(ロータリードライヤー)により予備乾燥して、付着水分の一部を除去した乾燥鉱石等を用いることができる。乾燥鉱石中の水分量としては、15質量%~25質量%程度である。
原料鉱石であるニッケル酸化鉱石としては、特に限定されないが、鉄とニッケルを主成分とする合金であるフェロニッケルの製錬においては、ガーニエライト鉱等が好ましく用いられる。ガーニエライト鉱の代表的な組成としては、乾燥鉱石での換算で、Ni品位が2.1質量%~2.5質量%、Fe品位が11質量%~23質量%、MgO品位が20質量%~28質量%、SiO2品位が29質量%~39質量%、CaO品位が0.5質量%未満であり、灼熱減量が10質量%~15質量%である。
バーナー16は、微粉炭専焼バーナー又は微粉炭と重油の混焼バーナー等を用いることができる。バーナー16は、微粉炭又は微粉炭及び重油等を含む燃料を燃焼して、ロータリーキルン1内に燃焼熱を発生させる。
燃焼用材料供給管12は、キルン本体11の外周面の途中に設けられ、キルン本体11内に燃焼用材料を供給できる。燃焼用材料は、揮発分等の主に気相に入る物質及び固定炭素等の主にベッド層に入る固体物質の少なくとも一方を含み、例えば、石炭等の炭材を用いることができる。
揮発分は、炭化水素化合物、硫黄及びハロゲン等の揮発物質等である。
固定炭素は、石炭から水分・揮発分が抜けた後の、熱分解後残渣であるチャー粒子(主に固定炭素及び灰分)のうち、灰分を除いた主に炭素から構成される燃焼分である。
なお、図1では、燃焼用材料供給管12は、キルン本体11の外周面に1つだけ設けられているが、キルン本体11の外周面に、キルン本体11の軸方向又は軸回りに沿って複数設けてもよい。
燃焼用材料は、単一品種の炭材ではなく、複数の異なる品種の炭材等を混合して用いることが多く、さらに投入する炭材の粒子径の大きさも分布を持つことが多い。なお、粒子径とは、有効径による体積平均粒径をいい、粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法、動的光散乱法又は分級法等によって測定される。レーザ回折・散乱法を用いる場合、レーザ回折・散乱法により測定した体積基準の粒度分布において小粒径側からの積算粒径分布が50%となる粒子径(D50)を平均粒子径として用いることができる。
原料鉱石は、装入端14Aに設けた原料供給管15からキルン本体11内に装入され、燃焼用材料は燃焼用材料供給管12からキルン本体11内に投入される。排出端14B側からは、排出端14Bに設置したバーナー16により微粉炭や重油等を燃焼させることにより発生した高温の燃焼ガスが、排出端14B側から装入端14A側に向けて、即ち原料鉱石の流れと反対の方向に吹き込まれる。
キルン本体11内では、原料鉱石は、装入端14Aから装入され、キルン本体11が所定の速度で回転することで、装入端14Aから原料供給管15を通してキルン本体11内に装入された原料鉱石を一端側である開口端部11a側から他端側である排出端14Bに向かって搬送する。このとき、原料鉱石は、キルン本体11内を移動しながら、排出端14Bから装入端14A側に向かって流れる燃焼ガスと向流接触し、バーナー16で微粉炭や重油等の燃料を燃焼させることにより発生させた高温の燃焼ガスの燃焼熱及び火炎によって加熱される。また、燃焼用材料供給管12からキルン本体11内に投入される燃焼用材料が、キルン本体11内の燃焼ガスにより燃焼する。原料鉱石は、燃焼用材料供給管12から投入された燃焼用材料の燃焼により生じさせた燃焼熱によっても加熱される。そのため、原料鉱石は、キルン本体11の回転に連れてキルン本体11の装入端14Aから排出端14Bに向けて移動しながら、バーナー16で燃料が燃焼することで生じた燃焼ガスの燃焼熱及び火炎と、燃焼用材料が燃焼することで生じた燃焼熱とにより加熱され、徐々に温度を上げて行く。
キルン本体11内では、原料鉱石と燃焼ガスとの間で、原料鉱石や燃焼用材料に含まれる水分の蒸発、燃焼用材料に含まれる揮発分の揮発、凝集と、バーナー燃料及び燃焼用材料に含まれる灰分の飛散、落下等により、物質の移動が生じる。ロータリーキルン1の途中から供給される燃焼用材料が熱分解することで生じる水分や揮発分は装入端14A側に燃焼ガスと共に移動し、チャー粒子は排出端14Bに原料鉱石と共に移動する。
キルン本体11内の原料鉱石が排出端14Bに到達するまでに、原料鉱石は、その原料鉱石中に含まれる水分がほぼ完全に除去されて焼成すると共に部分還元されて、焼鉱となる。焼鉱は、排出端14Bから排出される。
焼鉱は、例えば、温度800~900℃、粒子径が10mm~100mm程度の大きさからなる。
排出端14Bの排出口には、粒子径10mm~100mm程度の焼鉱と、ロータリーキルン1内に発生した焼結塊(粒子径100mm~500mm程度)とを分離するためのロストル(篩分装置)17が設けられている。ロストル17は、例えば、目開き100mm程度の鉄製の格子で構成されている。排出端14Bから排出された焼鉱は、ロストル17を通過した後、焼鉱排出用シュート18を通って、次工程に搬送される。
<炉内反応の計算装置>
次に、本実施形態に係る炉内反応の計算装置について説明する。図2は、本実施形態に係る炉内反応の計算装置の機能を示すブロック図である。なお、図2では、炉内反応の計算装置が、ロータリーキルン1内を複数の領域に分割した時の、燃焼用材料供給管12から燃焼用材料が供給される領域Aにおける単位操作モデルであるとして説明する。また、図2では、領域Aから見て燃焼ガスが吹き込まれる側の隣接領域を領域(A+1)とし、原料鉱石が装入される側の隣接領域を領域(A-1)とする。
以下の説明において、ガス領域は、ロータリーキルン1内のガス及びダストを含む気相が流れる領域を意味し、ベッド層(ベッド領域)は、原料鉱石が移動する領域を意味する。
領域A内の気相は、第1気相G1、第2気相G2、第3気相G3又は第3混合気相G3'として記載する。領域A内の各気相は、それぞれ、以下の通り定義する。
「第1気相G1」とは、一方の隣接領域(領域(A+1))から領域Aに流入する燃焼ガスである。燃焼ガスは、揮発分、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素等の平衡反応に寄与するガスを含み、反応に寄与しない不活性な物質(例えば、窒素等)等を含んでもよい。
「第2気相G2」とは、燃焼用材料から分配された添加気相と第1気相とが合算された気相である。
「第3気相G3」とは、後述する混合気相計算部215で生じる気相である。
「第3混合気相G3'」とは、後述するガス量合算部222で生じる気相である。
ロータリーキルン1内に供給されるベッド層は、ベッド層S1として記載する。
「ベッド層S1」とは、キルン本体11内の装入端14Aから供給される原料鉱石である。原料鉱石は、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化マグネシウム等の鉱石中化合物、固定炭素等を含む固体物質と、液体物質を含み、後述する第1ベッド層平衡反応計算部214-1及び第2ベッド層平衡反応計算部214-2において反応に寄与しない不活性な物質等を含んでもよい。
領域A内に存在するベッド層は、第1ベッド層S11、予備修正第1ベッド層S11B、修正第1ベッド層S11C、第1混合ベッド層S12、第2ベッド層S21、修正第2ベッド層S21A又は第2混合ベッド層S22として記載する。領域A内の各ベッド層は、それぞれ、以下の通り定義する。
「第1ベッド層S11」とは、一方の隣接領域(領域(A-1))から領域Aに流入するベッド層S1のうち、ベッド層S1内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配され、反応速度が速い固体物質及び液体物質を含むベッド層をいう。第1ベッド層S11は、ベッド層S1と同様、後述する第1ベッド層平衡反応計算部214-1において反応に寄与しない不活性な物質等を含んでもよい。
なお、反応速度起因条件とは、ベッド層内に含まれる固体物質、液体物質の性質等に応じて適宜設定される。固体物質の性質としては、固体物質の、粒子径、比重、種類、偏析等が挙げられる。液体物質の性質としては、液体物質の、比重、種類、偏析等が挙げられる。
「第1ベッド層S11A」とは、燃焼用材料から分配された添加ベッド層と第1ベッド層S11とが合算されたベッド層である。
「予備修正第1ベッド層S11B」とは、第1ベッド層S11内に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第4物質のガス領域への移動量と、ガス領域に存在する、後述する第1混合物質計算部で生じる第1混合物質に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第5物質の第1ベッド層S11への移動量を考慮して、第1ベッド層S11の物量を修正した第1ベッド層である。
「修正第1ベッド層S11C」とは、予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第2物質の第2ベッド層S21への移動量と、第2ベッド層S21に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第3物質の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を考慮して、予備修正第1ベッド層S11Bの物量を修正した第1ベッド層である。
「第1混合ベッド層S12」とは、後述する第1混合ベッド層計算部218で生じるベッド層である。
「第2ベッド層S21」とは、一方の隣接領域(領域(A-1))から領域Aに流入するベッド層S1のうち、第1ベッド層S11以外のベッド層であり、ベッド層S1のうち、第1ベッド層S11よりも反応速度が遅い固体物質及び液体物質を含むベッド層をいう。第2ベッド層S21は、ベッド層S1と同様、後述する第2ベッド層平衡反応計算部214-2において反応に寄与しない不活性な物質等を含んでもよい。
「修正第2ベッド層S21A」とは、予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第2物質の第2ベッド層S21への移動量と、第2ベッド層S21に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第3物質の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を考慮して、第2ベッド層S21の物量を修正した第2ベッド層である。
「第2混合ベッド層S22」とは、後述する第2混合ベッド層計算部220で生じるベッド層である。
また、領域A内のガス領域からベッド層に流入するガスは、流入ガスG11、第1流入ガスG111、第2流入ガスG112、第1混合流入ガスG111A、第2混合流入ガスG112A又は混合流入ガスG12として記載する。以下の説明において、領域A内の各流入ガスは、それぞれ、以下の通り定義する。
「流入ガスG11」は、領域A内のガス領域からベッド層に流入するガスである。
「第1流入ガスG111」は、ベッド層に流入した流入ガスG11のうち、第1ベッド層S11に流入する流入ガスである。
「第2流入ガスG112」は、ベッド層に流入した流入ガスG11のうち、第2ベッド層S21に流入する流入ガスである。
「第1混合流入ガスG111A」は、第1ベッド層未反応分と、第1ベッド層平衡反応計算部214-1で生じた第1流入ガス生成分とを混合したガスである。
「第2混合流入ガスG112A」は、修正第2ベッド層未反応分と、第2ベッド層平衡反応計算部214-2で生じる第2流入ガス生成分とを混合したガスである。
「混合流入ガスG12」は、第1混合流入ガスG111Aと第2混合流入ガスG112Aとを合算したガスである。
領域Aに存在する物質は、第1物質M1、第2物質M2、第3物質M3、第4物質M4、第5物質M5、第1混合物質M11又は第1修正混合物質M12として記載する。以下の説明において、領域A内の各物質は、それぞれ、以下の通り定義する。
「第1物質M1」は、領域(A+1)のガス領域から領域Aのガス領域に流入する物質であり、領域Aのガス領域に存在する、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含むものである。
「第2物質M2」、「第3物質M3」及び「第4物質M4」は、ベッド層に存在する、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含むものである。
「第5物質M5」は、ガス領域に存在する、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含むものである。
「第1混合物質M11」は、後述する第1混合物質計算部216で生じる第1物質M1の混合物である。
「第1修正混合物質M12」は、後述する第1混合物質物量修正部223で生じる第1物質M1の混合物である。
また、領域A内で算出される、反応分、未反応分及び生成分は、ガス反応分GR1、ガス未反応分Gr1、ガス生成分GP1、第1物質反応分MR1、第1物質未反応分Mr1、第1物質生成分MP1、第1流入ガス反応分GR111、第1流入ガス未反応分Gr111、第1流入ガス生成分GP111、第2流入ガス反応分GR112、第2流入ガス未反応分Gr112、第2流入ガス生成分GP112、第1ベッド層反応分SR1、第1ベッド層未反応分Sr1、第1ベッド層生成分SP1、第2ベッド層反応分SR2、第2ベッド層未反応分Sr2又は第2ベッド層生成分SP2と記載する。これらは、図2に示す炉内反応の計算装置を構成する各部の何れかで算出される。
図2に示す炉内反応の計算装置の構成について説明する。図2に示すように、炉内反応の計算装置20は、燃焼用材料の分配部(分配部)201、ガス混合量計算部202、第1ベッド層予備物量修正部203、第1ベッド層物量修正部204、第2ベッド層物量修正部205、流入ガス分配部206、ガス反応量計算部207、第1物質反応量計算部208、第1ベッド層反応量計算部209、第1流入ガス反応量計算部210、第2ベッド層反応量計算部211、第2流入ガス反応量計算部212、ガス領域平衡反応計算部213、第1ベッド層平衡反応計算部214-1、第2ベッド層平衡反応計算部214-2、混合気相計算部215、第1混合物質計算部216、第1混合流入ガス算出部217、第1混合ベッド層計算部218、第2混合流入ガス算出部219、第2混合ベッド層計算部220、流入ガス合算部221、ガス量合算部222及び第1混合物質物量修正部223を備える。
また、炉内反応の計算装置20は、ベッド層S1を、ベッド層S1内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて、予め2種類の分配ベッド層(第1ベッド層S11、第2ベッド層S21)に分配するベッド層分配部224を備えることができる。本実施形態では、炉内反応の計算装置20は、ベッド層分配部224で生じる第1ベッド層S11を第1ベッド層予備物量修正部203に供給し、ベッド層分配部224で生じる第2ベッド層S21を第2ベッド層物量修正部205に供給する。
ロータリーキルン1では、粒径、密度、組成、種類等の反応速度が異なる原料鉱石を同時に供給した場合、例えば、図3に示すように、ベッド層には、第1ベッド層S11と第2ベッド層S21とが縞状に偏析した縞状偏析が生じ易い。縞状偏析が生じた場合、ベッド層では、図4に示すように、ロータリーキルン1の長手方向に向かって第1ベッド層S11と第2ベッド層S21とが周期的に組成分布のムラが生じることから、縞ごとに反応形態が大きく異なることが考えられる。粒径、密度等が異なる原料鉱石のように、反応速度が異なる原料鉱石をロータリーキルン1内に供給した際、ロータリーキルン1内のベッド層を単一の濃度として扱うと、ベッド層内に反応速度が異なる原料鉱石に起因して生じる、原料鉱石内の組成分布を表現できない。そのため、炉内反応をシミュレーションして解析しても、実際に生じている炉内反応にフィッティングさせることは困難である。そこで、炉内の現象を考慮する際には、原料鉱石の反応速度の違いだけなく、偏析にて生じるベッド層内の組成分布も考慮する必要がある。
炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内において、第1ベッド層S11と第2ベッド層S21とに分けて、それぞれのベッド層における平衡反応計算を行う。即ち、炉内反応の計算装置20は、ギブズエネルギー最小化法に基づく炉内反応のシミュレーションを行うに当たり、ロータリーキルン1内で原料鉱石の反応速度が異なることと原料鉱石内の組成分布(ムラ)を考慮する。そして、炉内反応の計算装置20は、ベッド層のうち、反応速度が速い第1ベッド層S11と、ベッド層内の反応速度が遅い第2ベッド層S21とで、それぞれ独立に、異なる反応速度式を用いて、それぞれの平衡反応に必要な反応量を計算する。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層S11及び第1ベッド層S12内に含まれる原料鉱石の反応速度の相違及び原料鉱石内の組成分布を考慮して、ギブズエネルギー最小化法に基づく平衡反応を高精度に計算できる。よって、炉内反応の計算装置20は、ベッド層における炉内反応を高精度に解析できる。炉内反応の計算装置20は、フィッティングをより高精度に行うことができるため、操業データの解析に有効に用いることができる。例えば、ロータリーキルン1内に生じる2つの異なる状態を同時に同一位置で計算できるため、従来方法では困難であった、相反する反応、例えば酸化性ガスによる酸化反応とベッド層内還元物質による還元反応がロータリーキルン1内の長手方向における同位置で起こるという状態も表現できる。よって、炉内反応の計算装置20は、より実際の炉内の状態に近づけたフィッティングが可能となる。
また、炉内反応の計算装置20は、ガス領域内を流れるガスと、ガス領域内に存在する固体物質又は液体物質との平衡反応計算をギブズエネルギー最小化法に基づいて行う。これにより、ロータリーキルン1内のガス領域における平衡反応を計算できる。
よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内のベッド層が原料鉱石の粒径等に応じて2種類の異なる反応挙動を示すことを考慮することで、ロータリーキルン1内で生じる反応を高精度に解析でき、反応の計算精度を高めることができる。したがって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内の反応をより高精度に計算できる。
図2に示すように、炉内反応の計算装置20は、領域Aのベッド層に流入する第1ベッド層S11及び第2ベッド層S21と、ガス領域に流入する第1気相G1との、物量、温度、圧力等を入力する。炉内反応の計算装置20は、これらの入力値を用いて、分割した各領域A内での物質移動及び反応計算を実施する。
第1ベッド層S11及び第2ベッド層S21は、キルン本体11内の装入端14Aから供給されたベッド層S1が装入端14Aを含む領域で分配され、領域Aに移動した時の物量等に応じて決定される。
炉内反応の計算装置20は、領域A内での物質移動及び反応計算を行うに当たり、ガス領域内を流れる第1気相G1のうち、ベッド層へ混入するガス(流入ガスG11)の量を定義する。このガス混入量の定義方法としては、例えば、ガス総量のうちベッド層に混入する量の割合を、固定値で与える方法等がある。
また、炉内反応の計算装置20は、ベッド層内を移動する固体物質又は液体物質の、飛散又は揮発に伴うガス領域への物質移動量と、ガス領域内を移動する固体物質又は液体物質の、落下(沈降)又は凝集に伴うベッド層への物質移動量を定義する。この物質移動量の定義方法としては、例えば、固体物質又は液体物質の、比重、粒径等から算出される沈降速度等を基に、計算物質毎に定義する方法等がある。
図2に示すように、分配部201は、燃焼用材料230の種類や成分等を予め設定しておくことにより、燃焼用材料230を、燃焼用材料230に含まれる気相とベッド層とに質量流量で分配する。
分配された気相及びベッド層は、添加気相AG11及び添加ベッド層AS11として領域A内に供給される。
ガス混合量計算部202は、一方の隣接領域(領域(A+1))から炉内の領域Aのガス領域に流入する燃焼ガスである第1気相G1と、分配部201で分配された燃焼用材料の添加気相AG11とを含む第2気相G2のうち、ガス領域からベッド層へ移動する流入ガスG11の質量流量を計算する。
第1ベッド層予備物量修正部203は、第1ベッド層S11と添加ベッド層AS11とを混合した第1ベッド層S11Aの物量を修正して予備修正第1ベッド層S11Bを算出する。
第1ベッド層S11Aの物量は、第1ベッド層S11A内に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第4物質M4のガス領域に存在する第1混合物質M11への移動量と、ガス領域に存在する第1混合物質M11に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第5物質M5の第1ベッド層S11Aへの移動量を考慮して修正される。
第1ベッド層物量修正部204は、予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第2物質M2の第2ベッド層S21への移動量を除して第1ベッド層S11の物量を修正し、修正第1ベッド層S11Cを算出する。
本実施形態では、第1ベッド層物量修正部204は、第2物質M2の第2ベッド層S21への移動量と、第2ベッド層S21に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第3物質M3の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を考慮して、第1ベッド層S11の物量を修正する。これにより、修正第1ベッド層S11Cが算出される。
第2ベッド層物量修正部205は、第2ベッド層S21に含まれる第3物質M3の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を除して第2ベッド層S21の物量を修正し、修正第2ベッド層S21Aを算出する。
本実施形態では、第2ベッド層物量修正部205は、予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる第2物質M2の第2ベッド層S21への移動量と、第2ベッド層S21に含まれる第3物質M3の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を考慮して、第1ベッド層S11の物量を修正する。これにより、修正第1ベッド層S11Cが算出される。
流入ガス分配部206は、ガス混合量計算部202で算出された流入ガスG11の種類や成分等を予め設定しておくことにより、流入ガスG11を、第1流入ガスG111と第2流入ガスG112とに質量流量で分配する機能を有する。
ガス反応量計算部207は、第2気相G2の第1物質M1との平衡状態に寄与するガス反応量を計算する。即ち、ガス反応量計算部207は、領域Aにおける、ガス領域に存在する第2気相G2の滞留時間において、第2気相G2が第1物質M1と平衡反応すると見込まれるガス反応量を計算する。領域Aにおける第2気相G2の滞留時間での反応量は、個々の物質毎に設定した反応速度パラメータと、領域A内の滞留時間を用いて計算する。ガス反応量は、領域A内の滞留時間にて反応する量を、反応速度式を用いて算出できる。そして、ガス反応量計算部207は、ガス反応量から、第2気相G2のうちの第1物質M1との平衡状態に寄与する反応分をガス反応分GR1として求める。
なお、本明細書において、反応分とは、領域A内の第2気相G2、又はガス領域中に存在する第1物質M1が通過する滞留時間において、第2気相G2、又は第1物質との接触により、反応に寄与する流量をいう。以下、他の反応分も、気相、固相及び物質の何れかが気相、固相及び物質の何れかとの接触により、反応に寄与する流量の意味を表わす。
即ち、ガス反応分GR1は、第2気相G2のうちの、ガス領域に存在する第1物質M1との平衡反応に寄与する反応分である。第1物質反応分MR1は、一方の隣接する領域(領域(A+1))から流入するガス領域中に存在する第1物質M1のうちの、第2気相G2との平衡状態に寄与する反応分である。
ガス反応量計算部207は、第2気相G2と、第1物質M1中に存在する固体物質又は液体物質との平衡状態に達する量を、例えば、アレニウス型の反応速度式に従う反応速度と、領域A内の第2気相G2の滞留時間から算出できるモデル等を採用して求めることができる。そして、ガス反応量計算部207は、ガス反応量に相当するガス反応分GR1と、残りの未反応の質量流量に相当するガス未反応分Gr1とに分割する。
ロータリーキルン1では、第2気相G2と、ガス領域中に存在する第1物質M1の流れが並流となっている。第2気相G2は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、第2気相G2とガス領域中に存在する第1物質M1とは平衡状態に達していない。本実施形態では、ガス反応量計算部207は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の第2気相G2の一部のみがガス領域中に存在する第1物質M1と平衡状態に達するとみなして、それに対応するガス反応量に応じて、第2気相G2を、ガス反応分GR1と、ガス反応分GR1以外のガス未反応分Gr1とに分割する。
第1物質反応量計算部208は、第1物質M1の、第2気相G2との平衡状態に寄与する第1物質反応量を計算する。即ち、第1物質反応量計算部208は、領域Aにおける、ガス領域に存在する第1物質M1の滞留時間において、第1物質M1が第2気相G2と平衡反応すると見込まれる反応量を第1物質反応量として計算する。第1物質反応量は、反応速度式から算出できる。そして、第1物質反応量計算部208は、第1物質反応量から、第1物質M1のうち、第2気相G2との平衡状態に寄与する第1物質反応分MR1を求める。
第1物質反応量計算部208は、ガス反応量計算部207と同様、第2気相G2と、ガス領域中に存在する第1物質M1との平衡状態に達する量を、例えば、アレニウス型の反応速度式に従う反応速度と、領域A内の第1物質M1の滞留時間から算出できるモデル等を採用して求めることができる。そして、第1物質反応量計算部208は、第1物質反応量に相当する第1物質反応分MR1と、残りの未反応の質量流量に相当する第1物質未反応分Mr1とに分割する。
ロータリーキルン1では、上述の通り、第2気相G2と第1物質M1の流れが並流となっており、第2気相G2は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、第2気相G2と第1物質M1とは平衡状態に達していない。本実施形態では、第1物質反応量計算部208は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の第2気相G2の一部のみが第1物質M1と平衡状態に達するとみなして、それに対応する第1物質反応量に応じて、第1物質M1を、第1物質反応分MR1と、第1物質反応分MR1以外の第1物質未反応分Mr1とに分割する。
第1ベッド層反応量計算部209は、修正第1ベッド層S11Cの第1流入ガスG111との平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算する。即ち、第1ベッド層反応量計算部209は、領域Aにおける修正第1ベッド層S11Cの移動時間において、修正第1ベッド層S11Cが第1流入ガスG111と平衡反応すると見込まれる第1ベッド層反応量を、第1反応速度式を用いて計算する。
第1ベッド層反応量計算部209は、第1反応速度式に、例えば、領域Aにおける修正第1ベッド層S11Cに含まれる、個々の物質毎に設定した反応速度パラメータ、領域A内の滞留時間等を用いることで、第1ベッド層反応量を計算できる。そして、第1ベッド層反応量計算部209は、第1ベッド層反応量から、修正第1ベッド層S11Cのうちの、第1流入ガスG111との平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分SR1を算出する。
即ち、第1ベッド層反応分SR1は、修正第1ベッド層S11Cのうちの第1流入ガスG111との平衡反応に寄与する反応分である。
第1ベッド層反応量計算部209は、第1ベッド層反応量の計算に、例えば、アレニウス型の反応速度式に従う反応速度と、領域A内の修正第1ベッド層S11Cの移動時間から算出できるモデル等を採用して求めることができる。第1ベッド層反応量計算部209は、アレニウス型の反応速度式で修正第1ベッド層S11Cの滞留時間により修正第1ベッド層S11Cと第1流入ガスG111とが平衡状態に達していると見積もった分量だけについて、第1流入ガスG111との平衡反応に寄与する修正第1ベッド層S11Cの第1ベッド層反応量を計算する。そして、第1ベッド層反応量計算部209は、第1ベッド層反応量に相当する第1ベッド層反応分SR1と、残りの未反応の質量流量に相当する第1ベッド層未反応分Sr1とに分割する。
ロータリーキルン1では、修正第1ベッド層S11Cと第1流入ガスG111の流れが向流となっている。第1流入ガスG111は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、修正第1ベッド層S11Cと第1流入ガスG111とは平衡状態に達していない。本実施形態では、第1ベッド層反応量計算部209は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の修正第1ベッド層S11Cの一部のみが第1流入ガスG111と平衡状態に達するとみなして、それに対応する第1ベッド層反応量に応じて、第1ベッド層反応分SR1を、第1ベッド層反応分SR1と、第1ベッド層反応分以外の第1ベッド層未反応分Sr1とに分割する。
第1流入ガス反応量計算部210は、第1流入ガスG111の、修正第1ベッド層S11Cとの平衡状態に寄与する第1流入ガス反応量を計算する。即ち、第1流入ガス反応量計算部210は、領域Aにおける、ベッド層に存在する第1流入ガスG111の滞留時間において、第1流入ガスG111が修正第1ベッド層S11Cと平衡反応すると見込まれる第1流入ガス反応量を計算する。領域Aにおける第1流入ガスG111の滞留時間での第1流入反応量は、個々の物質毎に設定した反応速度パラメータと、領域A内の滞留時間を用いて計算でき、例えば、反応速度式を用いて算出できる。そして、第1流入ガス反応量計算部210は、第1流入ガス反応量から、第1流入ガスG111のうちの、修正第1ベッド層S11Cとの平衡反応に寄与する第1流入ガス反応分GR111を算出する。
即ち、第1流入ガス反応分GR111は、第1流入ガスG111のうちの第1修正ベッド層S11Bの平衡状態に寄与する第1流入ガスG111の反応分である。
第1流入ガス反応量計算部210は、第1流入ガスG111が修正第1ベッド層S11Cと平衡状態に達する反応量を、例えば、第1ベッド層反応量計算部209で用いられるモデルと同様のモデルを用いて算出できる。
そして、第1流入ガス反応量計算部210は、第1流入ガス反応量に相当する第1流入ガス反応分GR111と、残りの第1流入ガス反応分GR111以外の未反応の質量流量に相当する第1流入ガス未反応分Gr111とに分割する。
ロータリーキルン1では、上述の通り、第1流入ガスG111と修正第1ベッド層S11Cとの流れが向流となっており、第1流入ガスG111は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、第1流入ガスG111と修正第1ベッド層S11Cとは平衡状態に達していない。本実施形態では、第1流入ガス反応量計算部210は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の第1流入ガスG111の一部のみが修正第1ベッド層S11Cと平衡状態に達するとみなして、それに対応するガス反応量に応じて、第1流入ガスG111を、第1流入ガス反応分GR111と、それ以外の第1流入ガス未反応分Gr111とに分割する。
第2ベッド層反応量計算部211は、修正第2ベッド層S21Aの第2流入ガスG112との平衡状態に寄与するベッド反応量を第2反応速度式を用いて計算する。即ち、第2ベッド層反応量計算部211は、領域Aにおける修正第2ベッド層S21Aの移動時間(即ち、修正第2ベッド層S21A内に存在する固体物質及び液体物質を含む各化合物の移動時間)において、修正第2ベッド層S21Aが第2流入ガスG112と平衡反応すると見込まれる第2ベッド層反応量を、第2反応速度式を用いて計算する。
第2反応速度式は、第1ベッド層反応量計算部209で用いられる第1反応速度式とは異なる反応速度式が用いられる。
第2ベッド層反応量計算部211は、第2反応速度式を用いて得られた第2ベッド層反応量から、修正第2ベッド層S21Aのうちの、第2流入ガスG112との平衡状態に寄与する第2ベッド層反応分SR2を算出する。
第2ベッド層反応量計算部211は、修正第2ベッド層S21Aと、第2流入ガスGR112との平衡状態に達する反応量の計算に、第1ベッド層反応量計算部209と同様、例えば、アレニウス型の反応速度式に従う反応速度と、領域A内の修正第2ベッド層S21Aの移動時間から算出できるモデル等を採用して求めることができる。第2ベッド層反応量計算部211は、アレニウス型の反応速度式で修正第2ベッド層S21Aの滞留時間により修正第2ベッド層S21Aと第2流入ガスGR112とが平衡状態に達していると見積もった分量だけについて、第2流入ガスGR112との反応に寄与する修正第2ベッド層S21Aの第2ベッド反応量を計算する。そして、第2ベッド層反応量計算部211は、第2ベッド層反応量に相当する第2ベッド層反応分SR2と、残りの未反応の質量流量に相当する第2ベッド層未反応分Sr2とに分割する。
第2ベッド層反応分SR2は、修正第2ベッド層S2Aのうちの第2流入ガスG112との平衡反応に寄与する反応分である。
ロータリーキルン1では、修正第2ベッド層S21Aと第2流入ガスG112の流れが、向流となっている。第2流入ガスG112は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、修正第2ベッド層S21Aと第2流入ガスG112とは平衡状態に達していない。本実施形態では、第2ベッド層反応量計算部211は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の修正第2ベッド層S2Aの一部のみが第2流入ガスG112と平衡状態に達するとみなして、それに対応する第2ベッド層反応量に応じて、第2ベッド層反応分SR2を、第2ベッド層反応分SR2と、それ以外の第2ベッド層未反応分Sr2とに分割する。
第2流入ガス反応量計算部212は、第2流入ガスG112の、修正第2ベッド層S21Aとの平衡状態に寄与する第2流入ガス反応量を計算する。即ち、第2流入ガス反応量計算部212は、領域Aにおける、ベッド層に存在する第2流入ガスG112の滞留時間において、第2流入ガスG112が修正第2ベッド層S21Aと平衡反応すると見込まれる第2流入ガス反応量を計算する。領域Aにおける第2流入ガスG112の滞留時間での第2流入反応量は、個々の物質毎に設定した反応速度パラメータと、領域A内の滞留時間を用いて計算でき、例えば、反応速度式から算出できる。そして、第2流入ガス反応量計算部212は、第2流入ガスG112のうちの第2修正ベッド層S21Aとの平衡反応に寄与する第2流入ガス反応分GR112を算出する。
即ち、第2流入ガス反応分GR112は、第2流入ガスG112のうちの第2修正ベッド層S21Aの平衡状態に寄与する第2流入ガスG112の反応分である。
第2流入ガス反応量計算部212は、第2流入ガスG112が修正第2ベッド層S21Aと平衡状態に達する反応量を、例えば、第2ベッド層反応量計算部211で用いられるモデルと同様のモデルを用いて算出できる。
第2流入ガス反応量計算部212は、第2流入ガス反応量に相当する第2流入ガス反応分GR112と、残りの第2流入ガス反応分以外の未反応の質量流量に相当する第2流入ガス未反応分Gr112とに分割する。
ロータリーキルン1では、上述の通り、第2流入ガスG112と修正第2ベッド層S21Aとの流れが向流となっており、第2流入ガスG112は流速が速く、領域Aでの滞留時間が短いため、第2流入ガスG112と修正第2ベッド層S21Aとは平衡状態に達していない。本実施形態では、第2流入ガス反応量計算部212は、ロータリーキルン1内のある領域(領域A)の修正第2ベッド層S21Aの一部のみが第2流入ガスG112と平衡状態に達するとみなして、それに対応する第2流入ガス反応量に応じて、第2流入ガスG112を、第2流入ガス反応分GR112と、それ以外の第2流入ガス未反応分GR112とに分割する。
ガス領域平衡反応計算部213は、領域A内のガス領域を流れる第2気相G2と、ガス領域に存在する第1物質M1との平衡反応を計算する。即ち、ガス領域平衡反応計算部213は、第2気相G2のうちのガス領域に存在する第1物質M1との平衡反応に寄与するガス反応分GR1と、第1物質M1のうちのガス反応分GR1との平衡反応に寄与する第1物質反応分MR1を用いて、ガス領域の平衡反応計算を行い、ガス反応物GR1及び第1物質反応物MR1の組成、量等、ガス反応物GR1及び第1物質反応物MR1とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する。
ガス領域平衡反応計算部213は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1との反応により生成される可能性のある物質(生成物質)の種類、相、流量等を予め設定しておくことにより、生成物質の自由エネルギーが最小となるように、平衡反応計算を行って、生成物質の種類、相、流量等を決定する機能を有する。即ち、ガス領域平衡反応計算部213は、ギブズエネルギー最小化法に基づく平衡反応計算を行うことができる。ガス領域平衡反応計算部213は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが平衡状態に達したときの、それぞれの熱量の変化、流量、生成物質の種類、組成、量及び相等を計算して出力する。
ガス領域平衡反応計算部213は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる生成ガスと、ガス反応分GR1の未使用分とを、ガス生成分GP1として計算する。
また、ガス領域平衡反応計算部213は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる生成物質と、第1物質反応分MR1の未使用分とを、第1物質生成分MP1として計算する。
即ち、ガス生成分GP1は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる気相と、ガス反応分GR1の未使用分とを合算した気相である。第1物質生成分MP1は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる生成物質と、第1物質反応分MR1の未使用分とを合算したものである。
第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、領域A内のベッド層を移動する修正第1ベッド層S11Cと、修正第1ベッド層S11Cに存在する第1流入ガスG111との平衡反応を計算する。即ち、第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、修正第1ベッド層S11Cのうちの第1流入ガスG111との平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分SR1と、第1流入ガスG111のうちの修正第1ベッド層S11Cとの平衡状態に寄与する第1流入ガス反応分GR111を用いて、第1ベッド層の平衡反応計算を行う。これにより、第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、第1ベッド層反応物SR1と第1流入ガス反応物GR111とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する。
第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111との反応により生成される可能性のある物質(生成物質)の種類、相、流量等を予め設定しておくことにより、生成物質の自由エネルギーが最小となるように、平衡反応計算を行って、生成物質の種類、相、流量等を決定する機能を有する。即ち、修正第1ベッド層S11Cは、ガス領域平衡反応計算部213と同様、ギブズエネルギー最小化法に基づく平衡反応計算を行うことができる。第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが平衡状態に達したときの、それぞれの熱量の変化、流量、生成物質の種類、組成、量及び相等を計算して出力する。
第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR11とが反応することで生じる生成物質と、第1ベッド層反応分SR1の未使用分とを、第1ベッド層生成分SP1として計算する。また、第1ベッド層平衡反応計算部214-1は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが反応することで生じる生成ガスと、第1流入ガス反応分GR111の未使用分とを、第1流入ガス生成分GP111として計算する。
即ち、第1ベッド層生成分SP1は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR11とが反応することで生じる生成物質と、第1ベッド層反応分SR1の未使用分とを合算したものである。第1流入ガス生成分GP111は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが反応することで生じる生成ガスと、第1流入ガス反応分GR111の未使用分とを合算したものである。
第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、領域A内のベッド層を移動する修正第2ベッド層S21Aと、ベッド層に存在する第2流入ガスG112との平衡反応を計算する。即ち、第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、修正第2ベッド層S21Aのうちの第2流入ガスG112との平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分SR2と、第2流入ガスG112のうちの修正第2ベッド層S21Aとの平衡状態に寄与する第2流入ガス反応分GR112を用いて、修正第2ベッド層S21Aの平衡反応計算を行う。これにより、第2ベッド層反応物SR2及び第2流入ガス反応物GR112の組成、量等、第2ベッド層反応物SR2及び第2流入ガス反応物GR112とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する。
第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112との反応により生成される可能性のある物質(生成物質)の種類、相、流量等を予め設定しておくことにより、生成物質の自由エネルギーが最小となるように、平衡反応計算を行って、生成物質の種類、相、流量等を決定する機能を有する。即ち、第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1と同様、ギブズエネルギー最小化法に基づく平衡反応計算を行うことができる。第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが平衡状態に達したときの、それぞれの熱量の変化、流量、生成物質の種類、組成、量及び相等を計算して出力する。
第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じる生成物質と、第2ベッド層反応分SR2の未使用分とを、第2ベッド層生成分SP2として計算する。また、第2ベッド層平衡反応計算部214-2は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じる生成ガスと、第2流入ガス反応分GR112の未使用分とを、第2流入ガス生成分GP112として計算する。
即ち、第2ベッド層生成分SP2とは、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じる生成物質と、第2ベッド層反応分SR2の未使用分とを合算したものである。また、第2流入ガス生成分GP112は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じる生成ガスと、第2流入ガス反応分GR112の未使用分とを合算したものである。
混合気相計算部215は、複数の流れを混合する機能を有しており、ガス反応量計算部207で分割されたガス未反応分Gr1と、ガス領域平衡反応計算部213で生じた第1ガス生成分GP1とを混合した混合気相である第3気相G3の流量や組成データ等を計算する。
第1混合物質計算部216は、複数の流れを混合する機能を有しており、第1物質反応量計算部208で分割された第1物質未反応分Mr1と、ガス領域平衡反応計算部213で生じた第1物質生成分MP1とを混合した第1混合物質M11の流量や組成データ等を計算する。
第1混合流入ガス算出部217は、複数の流れを混合する機能を有しており、第1流入ガス反応量計算部210で分割された第1流入ガス未反応分Gr111と、第1ベッド層平衡反応計算部214-1で生じた第1流入ガス生成分GP111とを混合した第1混合流入ガスG111Aの流量や組成データ等を計算する。
第1混合ベッド層計算部218は、複数の流れを混合する機能を有しており、第1ベッド層反応量計算部209で分割された第1ベッド層未反応分Sr1と、第1ベッド層平衡反応計算部214-1で生じた第1ベッド層生成分SP1とを混合した第1混合ベッド層S12の流量や組成データ等を計算する。
第2混合流入ガス算出部219は、複数の流れを混合する機能を有しており、第2流入ガス反応量計算部212で分割された第2流入ガス未反応分Gr112と、第2ベッド層平衡反応計算部214-2で生じる第2流入ガス生成分GP112とを混合した第2混合流入ガスG112Aの流量や組成データ等を計算する。
第2混合ベッド層計算部220は、複数の流れを混合する機能を有しており、第2ベッド層反応量計算部211で分割された第2ベッド層未反応分Sr2と、第2ベッド層平衡反応計算部214-2で生じた第2ベッド層生成分SP2とを混合した第2混合ベッド層S22の流量や組成データ等を計算する。
流入ガス合算部221は、複数の流れを混合する機能を有しており、第1混合流入ガス算出部217で生じた第1混合流入ガスG111Aと、第2混合流入ガス算出部219で生じる第2混合流入ガスG112Aとを合算し、混合流入ガスG12を算出する。
ガス量合算部222は、複数の流れを混合する機能を有しており、混合気相計算部215で生じた第3気相G3と、流入ガス合算部221で生じる混合流入ガスG12とを合算し、第3混合気相G3'を算出する。
第1混合物質物量修正部223は、第1混合物質計算部216で生じた第1混合物質M11の第1ベッド層S11への移動量を考慮して、第1混合物質M11の物量を修正し、第1修正混合物質M12を算出する。
第1混合物質M11の物量は、第1ベッド層S11A内に含まれる第4物質M4のガス領域に存在する第1混合物質M11への移動量と、第1混合物質M11に含まれる第5物質M5の第1ベッド層S11Aへの移動量を考慮して修正される。
なお、本実施形態では、第1ベッド層平衡反応計算部214-1及び第2ベッド層平衡反応計算部214-2の少なくとも一方は、2つ以上を備えてもよい。第1ベッド層S11及び第1ベッド層S21の少なくとも一方が更に複数のベッド層に分離されることで、ロータリーキルン1内のベッド層は3種類以上の複数系統に分けられる。
本実施形態では、炉内反応の計算装置20は、燃焼用材料230をロータリーキルン1内に投下しない場合には、分配部201を備えなくてもよい。この場合、ガス反応分は、第1気相G1のうちのベッド層S1との平衡反応に寄与する反応分とし、ベッド反応分は、ベッド層S1のうちの第1気相G1との平衡状態に寄与する反応分とする。
本実施形態では、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層予備物量修正部203、第1ベッド層物量修正部204及び第2ベッド層物量修正部205の1つ以上を備えなくてもよい。例えば、炉内反応の計算装置20が第1ベッド層予備物量修正部203及び第1ベッド層物量修正部204を備えない場合、第1ベッド層反応量計算部209は、修正第1ベッド層S11Cに代えて第1ベッド層S11を用いる。また、炉内反応の計算装置20が第2ベッド層物量修正部205を備えない場合、第2ベッド層反応量計算部211は、修正第2ベッド層S21Aに代えて第2ベッド層S21を用いる。
本実施形態では、炉内反応の計算装置20は、炉内の熱伝導を、必要に応じて、放射、伝導及び対流等のモデルを用いて計算してもよい。
<炉内反応の計算方法>
次に、本実施形態に係る炉内反応の計算装置を用いて、本実施形態に係る炉内反応の計算方法について説明する。本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、図1に示すような構成を有するロータリーキルン1において、ロータリーキルン1の装入端14A側から供給した原料鉱石を排出端14B側に向かって移動させながら、移動の途中から燃焼用材料230を投入し、原料鉱石を排出端14B側に設けられるバーナー16から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う。
図5は、本実施形態に係る炉内反応の計算方法を説明するフローチャートである。図5に示すように、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内に燃焼用材料230を投下しているか否かを確認する(確認工程:ステップS11)。
ロータリーキルン1内に燃焼用材料230が投下されている場合(ステップS11:Yes)、炉内反応の計算装置20は、気相を想定した揮発分等の物質と、ベッド層を想定した固体物質を入力物質として与え、分配部201を用いて、ロータリーキルン1内に添加される燃焼用材料230を気相とベッド層とに質量流量で分配する(分配工程:ステップS12)。
次に、炉内反応の計算装置20は、一方の隣接領域(領域(A+1))から領域Aに流入する燃焼ガスである第1気相G1と、分配部201で分配された燃焼用材料230の気相である添加気相AG11とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1気相G1と添加気相AG11とを混合して、第1気相G1及び添加気相AG11を含む第2気相G2を算出する(第1気相と添加気相の気相混合工程:ステップS13)。
次に、炉内反応の計算装置20は、ガス混合量計算部202を用いて、第1気相G1及び添加気相AG11を含む第2気相G2から、ガス領域からベッド層へ移動する流入ガスG11の流量を計算する(ガス混合量計算工程:ステップS14)。
次に、炉内反応の計算装置20は、他方の隣接領域(領域(A-1))から領域Aに流入するベッド層S1が予め分配された第1ベッド層S11と、分配部201で分配された燃焼用材料のベッド層である添加ベッド層AS11とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層S11と添加ベッド層AS11とを混合して、第1ベッド層S11Aを算出する(第1ベッド層と添加ベッド層のベッド層混合工程:ステップS15)。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層S11Aと、第1ベッド層S11Aに含まれる第4物質M4のガス領域への移動量と、第1混合物質物量修正部223に含まれる第5物質M5の第1ベッド層S11Aへの移動量とを入力物質として与える。
炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層予備物量修正部203を用いて、第1ベッド層S11Aに含まれる第4物質M4のガス領域への移動量を除すると共に、第1混合物質物量修正部223に含まれる第5物質M5の第1ベッド層S11Aへの移動量を加えて第1ベッド層S11Aの物量を修正し、予備修正第1ベッド層S11Bを算出する(第1ベッド層予備物量修正工程:ステップS16)。
次に、炉内反応の計算装置20は、予備修正第1ベッド層S11Bと、予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる第4物質M4の第2ベッド層S21への移動量と、第2ベッド層物量修正部205で除される、第2ベッド層S21中の第5物質M5とを入力物質として与える。
炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層物量修正部204を用いて、予備修正第1ベッド層S11Bから予備修正第1ベッド層S11Bに含まれる第2物質M2の移動量を除すると共に、第2ベッド層物量修正部205で除される、第2ベッド層S21中の第3物質M3の移動量を予備修正第1ベッド層S11Bに加える。これにより、炉内反応の計算装置20は、予備修正第1ベッド層S11Bの物量を修正し、修正第1ベッド層S11Cを算出する(予備修正第1ベッド層物量修正工程:ステップS17)。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層S21と、第1ベッド層物量修正部204で除される、予備修正第1ベッド層S11B中の第2物質M2の移動量と、第2ベッド層物量修正部205で除される、第2ベッド層S21中の第3物質M3とを入力物質として与える。
炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層物量修正部205を用いて、第2ベッド層S21から第2ベッド層S21に含まれる第3物質M3の移動量を除すると共に、第1ベッド層物量修正部204で除される第2物質M2の移動量を第2ベッド層S21に加える。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層S21の物量を修正し、修正第2ベッド層S21Aを算出する(第2ベッド層物量修正工程:ステップS18)。
次に、炉内反応の計算装置20は、ガス領域平衡反応を行う(ガス領域平衡反応の実施工程:ステップS19)。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応を行う(第1ベッド層平衡反応の実施工程:ステップS20)。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層平衡反応を行う(第2ベッド層平衡反応の実施工程:ステップS21)。
次に、炉内反応の計算装置20は、流入ガス合算部221を用いて、第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)で生じる第1混合流入ガスG111Aに、第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)で生じる第2混合流入ガスG111Bを合算し、混合流入ガスG12を得る(流入ガス合算工程:ステップS22)。
次に、炉内反応の計算装置20は、ガス量合算部222を用いて、ガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)で生じる第3気相G3に、第1混合流入ガスと第2混合流入ガスとの合算工程(ステップS22)で生じる混合流入ガスG12を合算し、第3合算気相G3'を得る(ガス量合算工程:ステップS23)。
炉内反応の計算装置20は、第3合算気相G3'を領域Aよりも装入端14A側の領域(領域(A-1))に移動する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1混合物質物量修正部223を用いて、ガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)で生じる第1混合物質M11に、第1ベッド層の予備物量の修正工程(ステップS16)で生じる第4物質M4の移動量を除すると共に第1混合物質M11から第1ベッド層S11への第5物質M5の移動量を加えて、第1混合物質M11の物量を修正し、第1修正混合物質M12を算出する(第1混合物質物量修正工程:ステップS24)。
炉内反応の計算装置20は、第1修正混合物質M12を領域Aよりも装入端14A側の領域(領域(A-1))に移動させる。
次に、ガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)について説明する。図6は、図5のガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、ガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)では、炉内反応の計算装置20は、ガス反応量計算部207を用いて、第2気相G2のうちの、第1物質反応分MR1との平衡状態に寄与するガス反応量を計算する(ガス反応量計算工程:ステップS191)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、第2気相G2とガス領域中に存在する第1物質M1とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、第2気相G2がガス領域中に存在する第1物質M1と反応して平衡状態に達する時の反応に寄与するガス反応量を計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、ガス反応量の計算結果に基づいて、ガス反応量に相当するガス反応分GR1と、残りの未反応量に相当するガス未反応分Gr1とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1物質反応量計算部208を用いて、ガス領域に存在する第1物質M1のうち、第2気相G2との平衡状態に寄与する第1物質反応量を計算する(第1物質反応量計算工程:ステップS192)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、ガス領域に存在する第1物質M1と第2気相G2とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、ガス領域に存在する第1物質M1が第2気相G2と反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第1物質反応量を計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、第1物質反応量の計算結果に基づいて、第1物質反応量に相当する第1物質反応分MR1と、残りの未反応量に相当する第1物質未反応分Mr1とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、ガス反応量の計算工程(ステップS191)で得られたガス反応分GR1と、第1物質反応量の計算工程(ステップS192)で得られた第1物質反応分MR1とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、ガス領域平衡反応計算部213を用いて、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1との平衡反応を計算し、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する(ガス領域平衡反応計算工程:ステップS193)。
平衡反応の計算には、例えば、ギブズエネルギー最小化法等を用いることができる。
炉内反応の計算装置20は、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる気相と、ガス反応分GR1の未使用分とを、第1ガス生成分GP1として計算し、ガス反応分GR1と第1物質反応分MR1とが反応することで生じる生成物質と、第1物質反応分MR1の未使用分とを、第1物質生成分MP1として計算する。
次に、炉内反応の計算装置20は、ガス反応量の計算工程(ステップS191)で得られたガス未反応分Gr1と、ガス領域平衡反応計算工程(ステップS193)で得られたガス生成分GP1とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、混合気相計算部215を用いて、ガス未反応分Gr1と第1ガス生成分GP1とを含む第3気相G3の流量、組成データ等を計算する(混合気相計算工程:ステップS194)。
ガス反応量の計算工程(ステップS191)で計算したガス反応分GR1は、第2気相G2と第1物質M1とが平衡状態に達したと仮定した時の反応量であるため、通常、全て使用される。しかし、気相であるガス反応分GR1には、反応の量論比以上に存在する物質や反応に寄与しない不活性な物質が存在している場合がある。不活性な物質は、例えば、窒素等である。混合気相計算工程(ステップS194)では、反応の量論比以上に存在し、結果として平衡反応後に残る物質や不活性な物質が存在する。ガス領域平衡反応計算部213で使用されずに残った未使用分は、ガス生成分GP1として計算する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1物質反応量の計算工程(ステップS192)で得られた第1物質未反応分Mr1と、ガス領域平衡反応計算工程(ステップS193)で得られた第1物質生成分MP1とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1混合物質計算部216を用いて、第1物質未反応分Mr1と第1物質生成分MP1とを混合した第1混合物質M11の流量や組成データ等を計算する(第1混合物質計算工程:ステップS195)。
次に、第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)について説明する。図7は、図5の第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)では、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応量計算部209を用いて、修正第1ベッド層S11Cのうち、第1流入ガス反応分GR111との平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算する(第1ベッド層反応量計算工程:ステップS201)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、修正第1ベッド層S11Cと第1流入ガスG111とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、修正第1ベッド層S11Cが第1流入ガスG111と反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応量の計算結果に基づいて、第1ベッド層反応量に相当する第1ベッド層反応分SR1と、残りの未反応量に相当する第1ベッド層未反応分Sr1とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガス反応量計算部210を用いて、第1流入ガスG111のうち、修正第1ベッド層S11Cとの平衡状態に寄与する第1流入ガス反応量を計算する(第1流入ガス反応量計算工程:ステップS202)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガスG111と修正第1ベッド層S11Cとが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、第1流入ガスG111が修正第1ベッド層S11Cと反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第1流入ガス反応量を計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガス反応量の計算結果に基づいて、第1流入ガス反応量に相当する第1流入ガス反応分GR111と、残りの未反応量に相当する第1流入ガス未反応分Gr111とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応量計算工程(ステップS201)で得られた第1ベッド層反応分SR1と、第1流入ガス反応量の計算工程(ステップS202)で得られた第1流入ガス反応分GR111とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1を用いて、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111との平衡反応を計算し、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する(第1ベッド層平衡反応計算工程ステップS203)。
炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが反応することで生じるベッド層と、第1ベッド層反応分SR1の未使用分とを、第1ベッド層生成分SP1として計算する。また、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応分SR1と第1流入ガス反応分GR111とが反応することで生じる気相と、第1流入ガス反応分GR111の未使用分を、第1流入ガス生成分GP111として計算する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応量の計算工程(ステップS201)で得られた第1ベッド層未反応分Sr1と、第1ベッド層平衡反応計算工程(ステップS203)で得られた第1ベッド層生成分SP1とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1を用いて、第1ベッド層未反応分Sr1と第1ベッド層生成分SP1とを含む第1混合ベッド層S12の流量、組成データ等を計算する(第1混合ベッド層計算工程:ステップS204)。
第1ベッド層反応量の計算工程(ステップS201)で計算した第1ベッド層の第1ベッド層反応分SR1には、反応の量論比以上に存在する物質や反応に寄与しない不活性な物質が存在している場合がある。第1混合ベッド層計算工程(ステップS204)では、第1ベッド層反応分SR1のうち、反応の量論比以上に存在し結果として反応で使用されなかった部分及び不活性な部分は、第1ベッド層平衡反応計算工程(ステップS203)で使用されずに残った未使用分として第1ベッド層生成分SP1に含めて計算する。
炉内反応の計算装置20は、第1混合ベッド層S12を領域Aよりも排出端14B側の領域(領域(A+1))に移動させる。
次に、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガス反応量の計算工程(ステップS202)で得られた第1流入ガス未反応分Gr111と、第1ベッド層平衡反応計算工程(ステップS203)で得られた第1流入ガス生成分GP111とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第1混合流入ガス算出部217を用いて、第1流入ガス未反応分Gr111と第1流入ガス生成分GP111とを含む第1混合流入ガスG111Aの流量、組成データ等を計算する(第1混合流入ガス算出工程:ステップS205)。
次に、第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)について説明する。図8は、図3の第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)では、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応量計算部211を用いて、修正第2ベッド層S21Aのうち、第2流入ガス反応分GR112との平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を第2反応速度式を用いて計算する(第2ベッド層反応量計算工程:ステップS211)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、修正第2ベッド層S21Aと第2流入ガスG112とが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、修正第2ベッド層S21Aが第2流入ガスG112と反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第2ベッド層反応量を第2反応速度式を用いて計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応量の計算結果に基づいて、第2ベッド層反応量に相当する第2ベッド層反応分SR2と、残りの未反応量に相当する第2ベッド層未反応分Sr2とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガス反応量計算部212を用いて、第2流入ガスG112のうち、修正第2ベッド層S21Aとの平衡状態に寄与する第2流入ガス反応量を計算する(第2流入ガス反応量計算工程:ステップS212)。
即ち、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガスG112と修正第2ベッド層S21Aとが反応して平衡状態に達すると仮定したときに、第2流入ガスG112が修正第2ベッド層S21Aと反応して平衡状態に達する時の反応に寄与する第2流入ガス反応量を計算する。
そして、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガス反応量の計算結果に基づいて、第2流入ガス反応量に相当する第2流入ガス反応分GR112と、残りの未反応量に相当する第2流入ガス未反応分Gr112とに分割する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応量計算工程(ステップS211)で得られた第2ベッド層反応分SR2と、第2流入ガス反応量の計算工程(ステップS212)で得られた第2流入ガス反応分GR112とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層平衡反応計算部214-2を用いて、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112との平衡反応を計算し、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する(第1ベッド層平衡反応計算工程:ステップS213)。
炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じるベッド層と、第2ベッド層反応分SR2の未使用分とを、第2ベッド層生成分SP2として計算する。また、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112とが反応することで生じる気相と、第2流入ガス反応分GR112の未使用分を、第2流入ガス生成分GP112として計算する。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層反応量計算工程(ステップS211)で得られた第2ベッド層未反応分Sr2と、第2ベッド層平衡反応計算工程(ステップS213)で得られた第2ベッド層生成分SP2とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層平衡反応計算部214-2を用いて、第2ベッド層未反応分Sr2と第2ベッド層生成分SP2とを含む第2混合ベッド層S22の流量、組成データ等を計算する(第2混合ベッド層計算工程:ステップS214)。
第2ベッド層反応量の計算工程(ステップS211)で計算した第2ベッド層の第2ベッド層反応分SR2には、反応の量論比以上に存在する物質や反応に寄与しない不活性な物質が存在している場合がある。第2混合ベッド層計算工程(ステップS214)では、第2ベッド層反応分SR2のうち、反応の量論比以上に存在し結果として反応で使用されなかった部分及び不活性な部分が存在する。第2ベッド層平衡反応計算工程(ステップS213)で使用されずに残った未使用分は、第2ベッド層生成分SP2として計算する。
炉内反応の計算装置20は、第2混合ベッド層S22を領域Aよりも排出端14B側の領域(領域(A+1))に移動させる。
次に、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガス反応量計算工程(ステップS212)で得られた第2流入ガス未反応分Gr112と、第2ベッド層平衡反応計算工程(ステップS213)で得られた第2流入ガス生成分GP112とを入力物質として与える。炉内反応の計算装置20は、第2混合流入ガス算出部219を用いて、第2流入ガス未反応分Gr112と第2流入ガス生成分GP112とを含む第2混合流入ガスG112Aの流量、組成データ等を計算する(第2混合流入ガス算出工程:ステップS215)。
なお、本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、適宜、各工程を並行して行ってもよいし、工程の順番を入れ替えてよい。
例えば、本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、ガス領域平衡反応の実施工程(ステップS19)、第1ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS20)及び第2ベッド層平衡反応の実施工程(ステップS21)の少なくとも1つ以上の工程を並行して行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、流入ガス合算工程(ステップS22)と第1混合物質物量修正工程(ステップS24)とを並行して行ってもよいし、流入ガス合算工程(ステップS22)を第1混合物質物量修正工程(ステップS24)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、ガス量合算工程(ステップS23)と第1混合物質物量修正工程(ステップS24)とを並行して行ってもよいし、ガス量合算工程(ステップS23)を第1混合物質物量修正工程(ステップS24)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、ガス反応量計算工程(ステップS191)と第1物質反応量計算工程(ステップS192)とを並行して行ってもよいし、ガス反応量計算工程(ステップS191)を第1物質反応量計算工程(ステップS192)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、混合気相計算工程(ステップS194)と第1混合物質計算工程(ステップS195)とを並行して行ってもよいし、混合気相計算工程(ステップS194)を第1混合物質計算工程(ステップS195)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、第1ベッド層反応量計算工程(ステップS201)と第1流入ガス反応量計算工程(ステップS202)とを並行して行ってもよいし、第1ベッド層反応量計算工程(ステップS201)を第1流入ガス反応量計算工程(ステップS202)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、第1混合ベッド層計算工程(ステップS204)と第1混合流入ガス算出工程(ステップS205)とを並行して行ってもよいし、第1混合ベッド層計算工程(ステップS204)を第1混合流入ガス算出工程(ステップS205)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、第2ベッド層反応量計算工程(ステップS211)と第2流入ガス反応量計算工程(ステップS212)とを並行して行ってもよいし、第2ベッド層反応量計算工程(ステップS211)を第2流入ガス反応量計算工程(ステップS212)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、第2混合ベッド層計算工程(ステップS214)と第2混合流入ガス算出工程(ステップS215)とを並行して行ってもよいし、第2混合ベッド層計算工程(ステップS214)を第2混合流入ガス算出工程(ステップS215)の後に行ってもよい。
本実施形態に係る炉内反応の計算方法は、炉内の熱伝導を、必要に応じて、放射、伝導及び対流等のモデルで計算してもよい。
<炉内反応の計算装置のハードウェア構成>
次に、炉内反応の計算装置のハードウェア構成の一例について説明する。図9は、炉内反応の計算装置のハードウェア構成図である。図9に示すように、炉内反応の計算装置20は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)22及びROM(Read Only Memory)23と、補助記憶装置24と、入出力インタフェース25と、出力装置である表示装置26等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス27で相互に接続されている。なお、補助記憶装置24及び表示装置26は、外部に設けられていてもよい。
CPU21は、炉内反応の計算装置20の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU21は、ROM23または補助記憶装置24に格納された原料鉱石の反応計算プログラムを実行して、測定収録画面と解析画面の表示動作を制御する。
RAM22は、CPU21のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
ROM23は、基本入出力プログラム等を記憶する。原料鉱石の反応計算プログラムはROM23に保存されてもよい。
補助記憶装置24は、SSD(Solid State Drive)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、例えば、原料鉱石の反応計算プログラムや炉内反応の計算装置20の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納する。
入出力インタフェース25は、タッチパネル、キーボード、表示画面、操作ボタン等のユーザインタフェースと、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとの双方を含む。
表示装置26は、モニタディスプレイ等である。表示装置26では、測定収録画面と解析画面が表示され、入出力インタフェース25を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
図9に示す炉内反応の計算装置20の各機能は、RAM22やROM23等の主記憶装置又は補助記憶装置24にシミュレーションソフトウェア(炉内反応の計算プログラムを含む)等を読み込ませ、RAM22、ROM23又は補助記憶装置24に格納された原料鉱石の反応計算プログラム等をCPU21により実行することにより、RAM22等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うと共に、入出力インタフェース25及び表示装置26を動作させることで実現される。
炉内反応の計算プログラムは、以下の構成のプログラムを用いることができる。
即ち、炉内反応の計算プログラムは、反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う炉内反応の計算を少なくともコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記反応炉内のガス領域を流れる前記燃焼ガスを含む第1気相のうち、前記反応炉内の前記ガス領域から前記原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算工程と、
前記流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配工程と、
前記ベッド層のうち、前記ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配された2種類の分配ベッド層のうちの一方の第1ベッド層の前記第1流入ガスとの平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して、前記第1ベッド層の平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算工程と、
2種類の前記分配ベッド層のうちの他方の第2ベッド層の前記第2流入ガスとの平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を前記第1反応速度式とは異なる第2反応速度式を用いて計算して、前記第2ベッド層の平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算工程と、
前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとの平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算工程と、
前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとの平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算工程と、
前記第1気相と、前記ガス領域に存在する固体物質及び液体物質の少なくとも一方を含む第1物質との平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算工程と、
を少なくともコンピュータに実行させるプログラムを用いることができる。
炉内反応の計算プログラムは、例えば、RAM22やROM23の主記憶装置又は補助記憶装置24等のコンピュータが備える記憶装置内に格納される。なお、原料鉱石の反応計算プログラムは、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、コンピュータが備える通信モジュール等により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、原料鉱石の反応計算プログラムは、その一部又は全部が、CD-ROM、DVD-ROM、フラッシュメモリ等の携帯可能な記憶媒体に格納された状態から、コンピュータ内に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
以上の通り、本実施形態に係る炉内反応の計算装置20は、ガス混合量計算部202、流入ガス分配部206、第1ベッド層反応量計算部209、第2ベッド層反応量計算部211、ガス領域平衡反応計算部213、第1ベッド層平衡反応計算部214-1、第2ベッド層平衡反応計算部214-2を備える。炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層反応量計算部209において、第1反応速度式を用いて修正第1ベッド層S11Cから平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分SR1を求め、第2ベッド層反応量計算部211において、第2反応速度式を用いて修正第2ベッド層S21Aから平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分SR2を求める。また、炉内反応の計算装置20は、ガス混合量計算部202において、第2気相G2のうち、ガス領域からベッド層へ移動する流入ガスG11の流量を計算し、流入ガス分配部206において、流入ガスG11を第1流入ガスG111と第2流入ガスG112トに分配する。炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1において第1ベッド層反応分S11Bと第1流入ガスG111との平衡反応を計算すると共に、第2ベッド層平衡反応計算部214-2において第2ベッド層反応分SR2と第2流入ガス反応分GR112との平衡反応を計算する。
修正第1ベッド層S11Cは、ベッド層S11内でも、反応速度が速い部分であり、修正第2ベッド層S21Aは、ベッド層S11内でも、反応速度が遅い部分である。炉内反応の計算装置20は、修正第1ベッド層S11Cのような、ベッド層S11内の反応速度が速い部分には第1反応速度式を用いて第1ベッド層反応分SR1を計算し、修正第2ベッド層S21Aのような、ベッド層S11内の反応速度が遅い部分には、第2反応速度式を用いて第2ベッド層反応分SR2を計算する。
よって、炉内反応の計算装置20は、反応炉内のベッド層を修正第1ベッド層S11Cと修正第2ベッド層S21Aとの2系列に分けて、これらと流入ガスG11との平衡反応をギブズエネルギー最小化法に基づいてそれぞれ計算できる。したがって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内のベッド層内に反応速度が異なる2種類のベッド層の反応挙動を考慮することで、ベッド層において生じる平衡反応を高精度に計算できる。
これにより、炉内反応の計算装置20は、ベッド層内の反応速度が異なる部分と、ベッド層内に存在する原料鉱石内の組成分布を考慮して、ベッド層内で生じる平衡反応を計算できるため、より実際の炉内の状態に近づけたフィッティングを行うことができる。
また、炉内反応の計算装置20は、ガス領域平衡反応計算部213においてガス反応分GR1及び第1物質反応分MR1を用いて平衡反応を計算することで、第2気相G2とガス領域中に存在する第1物質M1との平衡反応を計算できる。これにより、炉内反応の計算装置20は、ギブズエネルギー最小化法に基づいて、ガス領域中に存在する第2気相G2と第1物質M1との平衡反応を計算できる。よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内のガス領域における第2気相G2の第1物質M1との平衡反応を考慮して、ガス領域において生じる平衡反応を高精度に計算できる。
よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内のベッド層及びガス領域で生じる反応を高精度に計算できる。
炉内反応の計算装置20は、第1流入ガス反応量計算部210を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガス反応量計算部210において第1流入ガスG111から平衡反応に寄与する第1流入ガス反応分GR111を求めることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1において、必要な第1流入ガス反応分GR111を用いて、修正第1ベッド層S11Cとの平衡反応計算を確実に行うことができる。
炉内反応の計算装置20は、第1混合流入ガス算出部217及び第1混合ベッド層計算部218を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1混合流入ガス算出部217では、第1流入ガス未反応分Gr111と第1流入ガス生成分GP111とを混合した第1混合流入ガスG111Aの流量を少なくとも計算できる。炉内反応の計算装置20は、第1混合ベッド層計算部218では、第1ベッド層未反応分Sr1と第1ベッド層生成分SP1とを混合した第1混合ベッド層S12の流量を少なくとも計算できる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1流入ガスG111の移動量を正確に計算できると共に、第1混合ベッド層S12の排出端14Bへの移動量を正確に計算できる。
炉内反応の計算装置20は、第2流入ガス反応量計算部212を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガス反応量計算部212において第2流入ガスG112から平衡反応に寄与する第2流入ガス反応分GR112を求めることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層平衡反応計算部214-2において、必要な第2流入ガス反応分GR112を用いて、修正第2ベッド層S21Aとの平衡反応計算を確実に行うことができる。
炉内反応の計算装置20は、第2混合流入ガス算出部219及び第2混合ベッド層計算部220を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2混合流入ガス算出部219では、第2流入ガス未反応分Gr112と第2流入ガス生成分GP112とを混合した第2混合流入ガスG112Aの流量を少なくとも計算できる。炉内反応の計算装置20は、第2混合ベッド層計算部220では、第2ベッド層未反応分Sr2と第2ベッド層生成分SP2とを混合した第2混合ベッド層S22の流量を少なくとも計算できる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2流入ガスG112の移動量を正確に計算できると共に、第2混合ベッド層S22の排出端14Bへの移動量を正確に計算できる。
炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層物量修正部204を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、予備修正第1ベッド層S11Bに存在する第2物質M2の第2ベッド層S21への移動量を除すると共に、第2ベッドS21層に存在する第3物質M3の予備修正第1ベッド層S11Bへの移動量を加えることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1において平衡反応の計算に用いられる修正第1ベッド層S11Cの流量等をより正確に算出できるため、第1ベッド層S11における修正第1ベッド層S11Cの平衡反応の計算精度をより高めることができる。
炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層物量修正部205を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層S21に存在する第3物質M3の修正第1ベッド層S11Cへの移動量を除すると共に、予備修正第1ベッド層S11Bに存在する第2物質M2の第2ベッド層S21への移動量を加えることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、第2ベッド層平衡反応計算部214-2において平衡反応の計算に用いられる修正第2ベッド層S21Aの流量等を的確に求めることができるため、第2ベッド層S21における修正第2ベッド層S21Aの平衡反応の計算精度をより高めることができる。
炉内反応の計算装置20は、ガス反応量計算部207及び第1物質反応量計算部208を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、ガス反応量計算部207において、第1気相G1を含む第2気相G2から平衡反応に寄与するガス反応分GR1を求め、第1物質反応量計算部208において、ガス領域に存在する第1物質M1から平衡反応に寄与する第1物質反応分MR1を求めることができる。そのため、炉内反応の計算装置20は、第2気相G2と、ガス領域に存在する第1物質M1のうちの、ガス領域平衡反応計算部213において使用される反応分を求めることができるため、必要な反応分を用いてガス領域における平衡反応計算を確実に行うことができる。
炉内反応の計算装置20は、混合気相計算部215及び第1混合物質計算部216を備えることができる。炉内反応の計算装置20は、混合気相計算部215では、ガス未反応分Gr1とガス生成分GP1とを混合した第3気相G3の流量を少なくとも計算できる。炉内反応の計算装置20は、第1混合物質計算部216では、第1物質未反応分Mr1と第1物質生成分MP1とを混合した第1混合物質M11の流量を少なくとも計算できる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1気相G1と第1物質M1の装入端14Aへの移動量をより正確に計算できる。
炉内反応の計算装置20は、第1混合物質物量修正部223を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、ガス領域に存在する第1混合物質M11に含まれる第5物質M5を第1ベッド層S11Aに含めることができると共に、第1ベッド層S11Aに存在する第4物質M4をガス領域中に存在する第1混合物質M11に含めることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、第1混合物質M11に含まれる第5物質M5のベッド層への移動量と、第1ベッド層S11Aに含まれる第4物質M4の第1混合物質M11への移動量を考慮できるため、領域A内に存在する第1混合物質M11の領域(A-1)への移動量を正確に算出できる。
炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層予備物量修正部203を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、ガス領域に存在する第1混合物質M11に含まれる第5物質M5を第1ベッド層S11Aに含めることができると共に、第1ベッド層S11Aに存在する第4物質M4をガス領域中に存在する第1混合物質M11に含めることができる。そのため、炉内反応の計算装置20は、第1混合物質M11に含まれる第5物質M5のベッド層への移動量と、第1ベッド層S11Aに含まれる第4物質M4の第1混合物質M11への移動量を考慮できるため、領域A内に存在する第1ベッド層S11Aの平衡反応に使用される量を正確に算出できる。よって、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算部214-1において使用される第1ベッド層反応分SR1を正確に求めることができるため、第1ベッド層平衡反応計算をより正確に行うことができる。
炉内反応の計算装置20は、流入ガス合算部221を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第1混合流入ガスG111Aと第2混合流入ガスG112Aとを合算した混合流入ガスG12を計算できる。そのため、炉内反応の計算装置20は、ベッド層に存在するガス成分をガス領域に移動させることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、ベッド層に存在するガス成分をガス領域に移動して領域(A-1)に移動させることができる。
炉内反応の計算装置20は、ガス量合算部222を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第3気相G3にベッド層で生じた混合流入ガスG12を混合できるため、ベッド層に存在するガス成分も第3気相G3に含めることができる。よって、炉内反応の計算装置20は、領域A内に存在するガス成分を確実に領域(A-1)に移動できる。
炉内反応の計算装置20は、ベッド層分配部224を備えることができる。これにより、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1の装入端14Aから供給された直後にベッド層S1を第1ベッド層S11及び第2ベッド層S21に分けることができる。炉内反応の計算装置20は、装入端14Aを含む領域1から領域Aに到達するまでの第1ベッド層S11及び第2ベッド層S21の質量を正確に算出できるため、領域Aにおいて第1ベッド層S11及び第2ベッド層S21が平衡反応に使用される質量流量をより正確に算出できる。よって、炉内反応の計算装置20は、第1ベッド層平衡反応計算及び第2ベッド層平衡反応計算をより正確に算出できる。
炉内反応の計算装置20は、分配部201を備え、分配部201において、原料鉱石の移動の途中に投入された燃焼用材料230に含まれる気相とベッド層とを添加気相AS11と添加ベッド層AG11とに質量流量で分配できる。炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1の途中から投入される燃焼用材料230を第1気相G1及び第1ベッド層S1に分配してそれぞれ別々の燃料として扱い、添加気相AG11は第2気相G2を構成する成分とし、添加ベッド層AS11は第1ベッド層S11を構成する成分にできる。これにより、炉内反応の計算装置20は、第2気相G2からガス反応分GR11を求めると共に修正第1ベッド層S11Cから第1ベッド層反応分SR11を求めることで、第1ベッド層平衡反応計算部214-1において、第1流入ガスG111と修正第1ベッド層S11Cとから平衡反応に必要な反応分に基づいて平衡反応を計算できる。よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1の途中から投入される燃焼用材料230を考慮して、ロータリーキルン1内の物質の挙動を解析できるため、燃焼用材料230を用いる場合でも、炉内反応の計算を高精度に行うことができる。
このように、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内のベッド層が複数種類の異なる反応挙動を示すことを考慮して、炉内で生じる平衡反応計算を高精度に計算できる。よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内の全領域に適用することで、ロータリーキルン1内の全体の反応プロセスを高精度に計算することを可能にできる。
炉内反応の計算装置20をロータリーキルン1の全体に適用する場合について説明する。炉内反応の計算装置20は、例えば、図10に示すように、ロータリーキルン1内を複数の領域に分割した時の1つの領域Aにおける反応プロセスを単位操作モデルと仮定した時、単位操作モデルの組合せによってロータリーキルン1内の反応プロセスをモデル化できる。そして、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内の複数の領域に、原料鉱石の流れ又は燃焼ガスの流れ(仮定した流れを含む。)に沿って繰り返し実施する(図6中の矢印参照)。そして、炉内反応の計算装置20は、所定の領域における計算値とその領域における前回の計算値との差が所定の範囲内に収まるまで繰り返し実施する。
炉内反応の計算装置20をロータリーキルン1の全体に適用する場合のフローチャートを図11に示す。図11に示すように、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1で起こる反応プロセスを複数の単位操作モデルの組合せによってモデル化する(モデル化工程:ステップS21)。
単位操作モデルには、上記の図2に示す炉内反応の計算装置20が適用される。それぞれの単位操作モデル毎に、単位操作モデルを構成する、ガス混合量計算部202、流入ガス分配部206、ガス領域平衡反応計算部213、第1ベッド層平衡反応計算部214-1、第2ベッド層平衡反応計算部214-2等が予め用意される。
各単位操作モデルは、原料鉱石や燃焼ガスの流れ(仮定した流れを含む。)に沿って相互に接続される。
次に、炉内反応の計算装置20は、ステップS21においてモデル化された単位操作モデルの計算を行う(計算工程:ステップS22)。単位操作モデルには、流れの情報が入力される。
流れの情報は、原料鉱石、燃焼ガス、及び燃焼用材料の成分、流量、温度、回転数等のデータである。流れの情報が入力されると、単位操作モデルは所定の計算を行い、その計算値(原料鉱石、燃焼ガス、及び燃焼用材料の成分、流量、温度等)が出力される。これらの計算結果から、図2に示す炉内反応の計算装置20の各構成に用いる値が計算される。炉内反応の計算装置20の各部に用いる値としては、ベッド層S1、第1気相G1等の領域A内の各種気相の流量、第1ベッド層S1等の領域A内の各種ベッド層の流量、第1物質M1の流量等の各種物質の流量、ガス反応分GR1、ガス未反応分Gr1、ガス生成分GP1等の領域A内の各種反応分、未反応分及び生成分の流量等である。
本実施形態では、単位操作モデルの計算は、最も装入端14A側に位置する単位操作モデルから行う。
次に、炉内反応の計算装置20は、最終の単位操作モデルまで計算したか否か判断する(ステップS23)。
最終の単位操作モデルまで計算した場合(ステップ23:Yes)は、炉内反応の計算装置20は、単位操作モデルの前回の計算値があるか否か判断する(ステップS24)。
前回の計算値がある場合(ステップS24:Yes)には、炉内反応の計算装置20は、計算工程(ステップS24)において計算された計算値と、前回の計算値とを比較する(ステップS25)。
次に、炉内反応の計算装置20は、計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たすか否か判断する(比較工程:ステップS26)。
収束条件としては、例えば、計算値と前回の計算値との差が数℃(例えば、1℃)以下の範囲内である。
計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たす場合(ステップS26:Yes)には、炉内反応の計算装置20は、計算を終了する。これにより、ロータリーキルン1のキルン本体11内の全体で起こる反応プロセスが解析される。
一方、ステップS23において、最終の単位操作モデルまで計算していない場合(ステップS23:No)は、炉内反応の計算装置20は、隣接する他の単位操作モデルである領域(A+1)又は領域(A-1)に位置する単位操作モデルに移行する(ステップS27)。そして、炉内反応の計算装置20は、領域(A+1)又は領域(A-1)に位置する単位操作モデルの計算を行う(ステップS22)。
ステップS24において、前回の計算値がない場合(ステップS24:No)、又はステップS26において、計算値と前回の計算値との差が収束条件を満たさない場合(ステップS26:No)には、炉内反応の計算装置20は、先頭の単位操作モデルに移行する(ステップS28)。
よって、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1で起こる反応プロセスを複数の単位操作モデルの組合せによってモデル化し、単位操作モデルの接続順序に沿って、単位操作モデルの各々に設定された値に基づいて計算を行う。本実施形態では、それぞれの単位操作モデルの計算をロータリーキルン1の装入端14A側から排出端14B側に向かって順じ行った後、排出端14B側から装入端14A側に向かって行う(図6参照)。そして、一連の操作を、所定の領域Aにおける計算値が所定の収束条件が満たされるまで繰り返す。その結果、ロータリーキルン1内のそれぞれの領域における、燃焼ガスと原料鉱石の流量等の計算結果が導き出される。これにより、ロータリーキルン1のキルン本体11内の全体での燃焼ガス及び原料鉱石を構成する各物質の挙動をより正確に解析することが可能となる。
このように、炉内反応の計算装置20は、ロータリーキルン1内の全体の反応プロセスを反応炉内のベッド層が2種類の異なる反応挙動を示すことを考慮して反応炉内の反応を高精度に計算できるため、ロータリーキルン1の運転条件(例えば、ロータリーキルン1の大きさや回転数、原料鉱石の種類、供給量)等を変えながら、ロータリーキルン1内の各物質の挙動をより正確に解析できる。よって、炉内反応の計算装置20は、原料鉱石の種類及び供給量の変更、ロータリーキルン1の設備改善の事前検討、操業条件等による影響調査等に有効に活用することが可能である。
なお、本実施形態では、ロータリーキルン1内に供給される原料は、原料鉱石以外の原料でもよい。
本実施形態では、図1に示すロータリーキルン1の途中から投下される燃焼用材料は、揮発分及びベッド層の両方を必ずしも含んでいなくてもよいし、揮発分及びベッド層以外に、灰分等の他の物質を含んでいてもよい。
本実施形態では、図1に示すロータリーキルン1以外に、原料鉱石を装入端14A側から排出端14B側に向かって移動させながら加熱する反応炉であればよい。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ロータリーキルン
11 キルン本体
16 バーナー
20 炉内反応の計算装置
201 燃焼用材料の分配部(分配部)
202 ガス混合量計算部
203 第1ベッド層予備物量修正部
204 第1ベッド層物量修正部
205 第2ベッド層物量修正部
206 流入ガス分配部
207 ガス反応量計算部
208 第1物質反応量計算部
209 第1ベッド層反応量計算部
210 第1流入ガス反応量計算部
211 第2ベッド層反応量計算部
212 第2流入ガス反応量計算部
213 ガス領域平衡反応計算部
214-1 第1ベッド層平衡反応計算部
214-2 第2ベッド層平衡反応計算部
215 混合気相計算部
216 第1混合物質計算部
217 第1混合流入ガス算出部
218 第1混合ベッド層計算部
219 第2混合流入ガス算出部
220 第2混合ベッド層計算部
221 流入ガス合算部
222 ガス量合算部
223 第1混合物質物量修正部
224 ベッド層分配部
G1 第1気相
G2 第2気相
G3 第3気相
G3' 第3混合気相
G11 流入ガス
G111 第1流入ガス
G112 第2流入ガス
G111A 第1混合流入ガス
G112A 第2混合流入ガス
G12 混合流入ガス
S1 ベッド層
S11、S11A 第1ベッド層
S11B 予備修正第1ベッド層
S11C 修正第1ベッド層
S12 第1混合ベッド層
S21 第2ベッド層
S21A 修正第2ベッド層
S22 第2混合ベッド層
M1 第1物質
M2 第2物質
M3 第3物質
M4 第4物質
M5 第5物質
M11 第1混合物質
M12 第1修正混合物質
GR1 ガス反応分
Gr1 ガス未反応分
GP1 ガス生成分
MR1 第1物質反応分
Mr1 第1物質未反応分
MP1 第1物質生成分
GR111 第1流入ガス反応分
Gr111 第1流入ガス未反応分
GP111 第1流入ガス生成分
GR112 第2流入ガス反応分
Gr112 第2流入ガス未反応分
GP112 第2流入ガス生成分
SR1 第1ベッド層反応分
Sr1 第1ベッド層未反応分
SP1 第1ベッド層生成分
SR2 第2ベッド層反応分
Sr2 第2ベッド層未反応分
SP2 第2ベッド層生成分

Claims (17)

  1. 反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う炉内反応の計算装置であって、
    前記反応炉内のガス領域を流れる前記燃焼ガスを含む第1気相のうち、前記反応炉内の前記ガス領域から前記原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算部と、
    前記流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配部と、
    前記ベッド層のうち、前記ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配された2種類の分配ベッド層のうちの一方の第1ベッド層の前記第1流入ガスとの平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して、前記第1ベッド層の平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算部と、
    2種類の前記分配ベッド層のうちの他方の第2ベッド層の前記第2流入ガスとの平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を前記第1反応速度式とは異なる第2反応速度式を用いて計算して、前記第2ベッド層の平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算部と、
    前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとの平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算部と、
    前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとの平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算部と、
    前記第1気相と、前記ガス領域に存在する固体物質及び液体物質の少なくとも一方を含む第1物質との平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算部と、
    を備える炉内反応の計算装置。
  2. 前記第1流入ガスの前記第1ベッド層との平衡状態に寄与するガス反応量を計算して、前記第1流入ガスの平衡反応に寄与する第1流入ガス反応分を求める第1流入ガス反応量計算部を備える請求項1に記載の炉内反応の計算装置。
  3. 前記第1ベッド層反応量計算部で生じる前記第1ベッド層反応分以外の未反応分を第1ベッド層未反応分とし、
    前記第1流入ガス反応量計算部で生じる前記第1流入ガス反応分以外の未反応分を第1流入ガス未反応分とし、
    前記第1ベッド層未反応分と、前記第1ベッド層平衡反応計算部で前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガス反応分が反応することで生じる第1流入ガス生成分とを混合した第1混合流入ガスの流量を少なくとも計算する第1混合流入ガス算出部と、
    前記第1ベッド層未反応分と、前記第1ベッド層平衡反応計算部で前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガス反応分とが反応することで生じる第1ベッド層生成分とを混合した第1混合ベッド層の流量を少なくとも計算する第1混合ベッド層計算部と、
    を備える請求項2に記載の炉内反応の計算装置。
  4. 前記第2流入ガスの前記第2ベッド層との平衡状態に寄与するガス反応量を計算して、前記第2流入ガスの平衡反応に寄与する第2流入ガス反応分を求める第2流入ガス反応量計算部を備える請求項1~3の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  5. 前記第2ベッド層反応量計算部で生じる前記第2ベッド層反応分以外の未反応分を第2ベッド層未反応分とし、
    前記第2流入ガス反応量計算部で生じる前記第2流入ガス反応分以外の未反応分を第2流入ガス未反応分とし、
    前記第2ベッド層未反応分と、前記第2ベッド層平衡反応計算部で前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガス反応分が反応することで生じる第2流入ガス生成分とを混合した第2混合流入ガスの流量を少なくとも計算する第2混合流入ガス算出部と、
    前記第2ベッド層未反応分と、前記第2ベッド層平衡反応計算部で前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガス反応分とが反応することで生じる第2ベッド層生成分とを混合した第2混合ベッド層の流量を少なくとも計算する第2混合ベッド層計算部と、
    を備える請求項4に記載の炉内反応の計算装置。
  6. 前記第1ベッド層に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第2物質の前記第2ベッド層への移動量を除して前記第1ベッド層の物量を修正し、修正第1ベッド層を算出する第1ベッド層物量修正部を備え、
    前記第1ベッド層反応量計算部は、前記第1ベッド層として前記修正第1ベッド層を用いる請求項1~5の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  7. 前記第2ベッド層に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第3物質の前記第1ベッド層への移動量を除して前記第2ベッド層の物量を修正し、修正第2ベッド層を算出する第2ベッド層物量修正部を備え、
    前記第2ベッド層反応量計算部は、前記第2ベッド層として前記修正第2ベッド層を用いる請求項1~6の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  8. 前記第1気相の前記第1物質との平衡状態に寄与するガス反応量を計算して、前記第1気相の平衡反応に寄与するガス反応分を求めるガス反応量計算部と、
    前記第1物質の、前記第1気相との平衡状態に寄与する第1物質反応量を計算して、前記第1物質の平衡反応に寄与する第1物質反応分を求める第1物質反応量計算部と、
    を備える請求項1~7の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  9. 前記ガス反応量計算部で生じる前記ガス反応分以外の未反応分をガス未反応分とし、
    前記第1物質反応量計算部で生じる前記第1物質反応分以外の未反応分を第1物質未反応分とし、
    前記ガス未反応分と、前記ガス領域平衡反応計算部で前記ガス反応分と前記第1物質反応分とが反応することで生じるガス生成分とを混合した混合気相の流量を少なくとも計算する混合気相計算部と、
    前記第1物質未反応分と、前記ガス領域平衡反応計算部で前記ガス反応分と前記第1物質反応分が反応することで生じる第1物質生成分とを混合した第1混合物質の流量を少なくとも計算する第1混合物質計算部と、
    を備える請求項8に記載の炉内反応の計算装置。
  10. 前記第1ベッド層内に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第4物質の前記ガス領域への移動量と前記第1混合物質計算部で生じた前記第1混合物質に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第5物質の前記第1ベッド層への移動量を考慮して、前記第1混合物質の物量を修正し、第1修正混合物質を算出する第1混合物質物量修正部を備える請求項9に記載の炉内反応の計算装置。
  11. 前記第1ベッド層内に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第4物質の前記ガス領域への移動量と、前記第1混合物質計算部で生じた前記第1混合物質に含まれる、固体物質又は液体物質の少なくとも一方を含む第5物質の前記第1ベッド層への移動量を考慮して、前記第1ベッド層の物量を修正する第1ベッド層予備物量修正部を備える請求項9又は10に記載の炉内反応の計算装置。
  12. 前記第1ベッド層平衡反応計算部で前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとが反応することで生じる第1流入ガス生成分と、前記第2ベッド層平衡反応計算部で前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとが反応することで生じる第2流入ガス生成分とを混合する流入ガス合算部を備える請求項1~11の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  13. 前記流入ガス合算部で前記第1流入ガス生成分と前記第2流入ガス生成分が混合することで生じた混合流入ガスと、前記ガス領域平衡反応計算部で前記第1気相と前記第1物質とが反応することで生じるガス生成分とを混合するガス量合算部を備える請求項12に記載の炉内反応の計算装置。
  14. 前記第1ベッド層を、前記第1ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の前記反応速度起因条件に応じて予め2種類の前記分配ベッド層に分配するベッド層分配部を備える請求項1~13の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  15. 前記原料鉱石の移動の途中に投入された、添加気相及び添加ベッド層の少なくとも一方を含む燃焼用材料を前記添加気相と前記添加ベッド層とに質量流量で分配する分配部を備え、
    前記ガス領域平衡反応計算部は、前記第1気相と前記添加気相とを含む第2気相と前記第1物質との平衡反応を計算し、
    前記第1ベッド層平衡反応計算部は、前記第1ベッド層と前記添加ベッド層とを含む第1合算分配ベッド層と前記流入ガスとの平衡反応を計算する請求項1~14の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  16. 前記反応炉内をその長軸方向に沿って複数の領域に分割すると仮定した時、
    前記複数の領域に、前記原料鉱石の流れ又は前記燃焼ガスの流れに沿って繰り返し行い、所定の領域における計算値とその領域における前回の計算値との差が所定の範囲内に収まるまで繰り返し行う請求項1~15の何れか一項に記載の炉内反応の計算装置。
  17. 反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う炉内反応の計算方法であって、
    前記反応炉内のガス領域を流れる前記燃焼ガスを含む第1気相のうち、前記反応炉内の前記ガス領域から前記原料鉱石を含むベッド層へ移動する流入ガスの流量を計算するガス混合量計算工程と、
    前記流入ガスを第1流入ガスと第2流入ガスに分配する流入ガス分配工程と、
    前記ベッド層のうち、前記ベッド層内に含まれる固体物質及び液体物質の反応速度起因条件に応じて分配された2種類の分配ベッド層のうちの一方の第1ベッド層の前記第1流入ガスとの平衡状態に寄与する第1ベッド層反応量を第1反応速度式を用いて計算して、前記第1ベッド層の平衡反応に寄与する第1ベッド層反応分を求める第1ベッド層反応量計算工程と、
    2種類の前記分配ベッド層のうちの他方の第2ベッド層の前記第2流入ガスとの平衡状態に寄与する第2ベッド層反応量を前記第1反応速度式とは異なる第2反応速度式を用いて計算して、前記第2ベッド層の平衡反応に寄与する第2ベッド層反応分を求める第2ベッド層反応量計算工程と、
    前記第1ベッド層反応分と前記第1流入ガスとの平衡反応を計算する第1ベッド層平衡反応計算工程と、
    前記第2ベッド層反応分と前記第2流入ガスとの平衡反応を計算する第2ベッド層平衡反応計算工程と、
    前記第1気相と、前記ガス領域に存在する固体物質及び液体物質の少なくとも一方を含む第1物質との平衡反応を計算するガス領域平衡反応計算工程と、
    を含む炉内反応の計算方法。
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