JP7358864B2 - シミュレーション方法、及びシミュレーション装置 - Google Patents
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Description
反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中で揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーション方法であって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに分配する分配工程と、
前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分を含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む第2固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算工程と、
前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相が、同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相を複数含むと仮定して、予め作成された、所定温度における第2固相の粒子径とその存在比率との関係を示す関数に基づいて、前記同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相ごとに、予め作成しておいた異なるギブズエネルギー温度依存性を有する物質の存在割合をそれぞれ求め、第2修正固相を計算する第2固相の修正工程と、
反応速度が異なる第2修正固相ごとに、前記平衡反応に寄与する第2反応量をそれぞれ計算して、前記第2修正固相の前記平衡反応に寄与する第2反応分をそれぞれ求める第2反応量の計算工程と、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算工程と、
を含む。
図1は、一実施形態に係るシミュレーション方法が適用されるロータリーキルンの概略構成を示す。図1に示すように、ロータリーキルン1は、回転自在で略円筒形状のキルン本体11と、キルン本体11の途中に設けられる燃焼用材料供給管12とを有する。
次に、一実施形態に係るシミュレーション方法が適用される、一実施形態に係るシミュレーション装置について説明する。図2は、一実施形態に係るシミュレーション装置の機能を示すブロック図である。なお、図2では、シミュレーション装置が、ロータリーキルン1内を複数の領域に分割した時の、燃焼用材料供給管12から燃焼用材料が供給される領域Aにおける単位操作モデルとして説明する。また、図2では、領域Aのうち、燃焼ガスが吹き込まれる領域を領域A+1とし、原料鉱石が装入される領域を領域A-1とする。
以下の説明において、
「第1ガス相」とは、一方の隣接する領域(領域A+1)から領域Aに流入する燃焼ガスである。燃焼ガスは、揮発分の他に、酸素や二酸化炭素、一酸化炭素、水素など平衡反応に寄与するガス、さらに反応に寄与しない不活性な物質(例えば、窒素等)等を含んでもよい。
「第2ガス相」とは、燃焼用材料から分配された揮発分と第1ガス相とが合算されたガス相である。
「第3ガス相」とは、後述する、第1の混合計算モデルM5-1で生じるガス相である。
「第1固相」とは、一方の隣接する領域(領域A-1)から領域Aに流入する原料鉱石である。原料鉱石は、酸化ニッケルや酸化鉄等の鉱石中化合物や、固定炭素の他に、後述する平衡反応計算モデルM4において反応に寄与しない不活性な物質等を含んでもよい。
「第2固相」とは、燃焼用材料から分配された固定炭素と第1固相とが合算された固相である。
「第3固相」とは、後述する、第2の混合計算モデルM5-2で生じる固相である。
次に、一実施形態に係るシミュレーション装置を用いて、一実施形態に係るシミュレーション方法について説明する。一実施形態に係るシミュレーション方法は、図1に示すような構成を有するロータリーキルン1において、ロータリーキルン1の装入端14A側から供給した原料鉱石を排出端14B側に向かって移動させながら、移動の途中から燃焼用材料を投入し、原料鉱石を排出端14B側に設けられるバーナー16から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行う場合のシミュレーション方法である。
次に、シミュレーション装置のハードウェア構成の一例について説明する。図4は、シミュレーション装置のハードウェア構成図である。図4に示すように、シミュレーション装置20は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)22及びROM(Read Only Memory)23と、補助記憶装置24と、入出力インタフェース25と、出力装置である表示装置26等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス27で相互に接続されている。なお、補助記憶装置24及び表示装置26は、外部に設けられていてもよい。
すなわち、シミュレーションプログラムは、
反応炉の一端側から供給した原料鉱石を他端側に向かって移動させながら、移動の途中で揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を投入し、前記原料鉱石を前記他端側から供給された燃焼ガスと接触させて、乾燥させると共に還元を行うシミュレーションをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに分配する分配モデルと、
前記燃焼ガスを含む第1ガス相と分配された前記揮発分を含む第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む第2固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算モデルと、
前記原料鉱石を含む第1固相と前記固定炭素を含む第2固相が、同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相を複数含むと仮定して、予め作成された、所定温度における第2固相の粒子径とその存在比率との関係を示す関数に基づいて、前記同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相ごとに、予め作成しておいた異なるギブズエネルギー温度依存性を有する物質の存在割合をそれぞれ求め、第2修正固相を計算する第2固相の修正モデルと、
反応速度が異なる第2修正固相ごとに、前記平衡反応に寄与する第2反応量をそれぞれ計算して、前記第2修正固相の前記平衡反応に寄与する第2反応分をそれぞれ求める第2反応量の計算モデルと、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算モデルと、
を少なくともコンピュータに実行させるプログラムを用いることができる。
11 キルン本体
14 バーナー
20 シミュレーション装置
M1 分配モデル
M2 第2固相の修正モデル
M3-1 第1反応量の計算モデル
M3-2 第2反応量の計算モデル
M4 平衡反応計算モデル
M5-1 第1の混合計算モデル
M5-2 第2の混合計算モデル
G1 第1ガス相
G2 第2ガス相
G3 第3ガス相
S1 第1固相
S2 第2固相
S2' 第2修正固相
S3 第3固相
Claims (4)
- ロータリーキルンのキルン本体の一端側である開口端部側から供給した原料鉱石を他端側である排出端部側に向かって、前記キルン本体の回転に連れて、前記キルン本体内を移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を前記キルン本体内に投入し、前記原料鉱石を、前記他端側である前記排出端部に設置したバーナで発生させた燃焼ガスと向流接触させる際の、物質の挙動を解析するシミュレーション方法であって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに分配する分配工程と、
前記燃焼ガスである第1ガス相と分配された前記揮発分とからなる第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む第2固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算工程と、
前記原料鉱石である第1固相と前記固定炭素とからなる第2固相が、同一物質グループであるが前記第1反応分との反応速度が異なる第2固相を複数含むと仮定して、予め作成された、所定温度における、固相の粒子径と、前記粒子径を有する第2固相の存在確率の比率である存在比率との関係を示す関数に基づいて、前記同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相ごとに、予め作成しておいた異なるギブズエネルギー温度依存性を有する物質の存在割合をそれぞれ求め、第2修正固相を計算する第2固相の修正工程と、
反応速度が異なる第2修正固相ごとに、前記平衡反応に寄与する第2反応量をそれぞれ計算して、前記第2修正固相の前記平衡反応に寄与する第2反応分をそれぞれ求める第2反応量の計算工程と、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算工程と、
を含み、
前記同一物質グループが、粒子径、形状又は固定炭素を構成する物質の種類であるシミュレーション方法。 - 前記第1反応量の計算工程で、前記第2ガス相の前記平衡反応に寄与する反応分以外の未反応分を第1未反応分とし、
前記第2反応量の計算工程で、前記第2固相の前記平衡反応に寄与する前記第2反応分の和以外の未反応分を、第2未反応分とし、
前記第1未反応分と、前記平衡反応計算工程で前記第1反応分と前記第2反応分とが反応することで生じる第1生成分とを混合した第3ガス相の流量を少なくとも計算する第1の混合計算工程と、
前記第2未反応分と、前記平衡反応計算工程で前記第1反応分と前記第2反応分とが反応することで生じる固相を含む第2生成分とを混合した第3固相の流量を少なくとも計算する第2の混合計算工程と、
を含む請求項1に記載のシミュレーション方法。 - 前記キルン本体内をその長軸方向に沿って複数の領域に分割すると仮定した時、
シミュレーション方法は、前記複数の領域に、前記原料鉱石の流れ又は前記燃焼ガスの流れに沿って繰り返し行い、所定の領域における計算値とその領域における前回の計算値との差が所定の範囲内に収まるまで繰り返し行う請求項1又は2に記載のシミュレーション方法。 - ロータリーキルンのキルン本体の一端側である開口端部側から供給した原料鉱石を他端側である排出端部側に向かって、前記キルン本体の回転に連れて、前記キルン本体内を移動させながら、移動の途中に揮発分及び固定炭素の少なくとも一方を含む燃焼用材料を前記キルン本体内に投入し、前記原料鉱石を前記他端側である前記排出端部に設置したバーナで発生させた燃焼ガスと向流接触させる際の、物質の挙動を解析するシミュレーション装置であって、
前記燃焼用材料を前記揮発分と前記固定炭素とに分配する分配モデルと、
前記燃焼ガスである第1ガス相と分配された前記揮発分とからなる第2ガス相の、前記原料鉱石と分配された前記固定炭素とを含む第2固相との平衡状態に寄与する第1反応量を計算して、前記第2ガス相の平衡反応に寄与する反応分を第1反応分として求める第1反応量の計算モデルと、
前記原料鉱石である第1固相と前記固定炭素とからなる第2固相が、同一物質グループであるが前記第1反応分との反応速度が異なる第2固相を複数含むと仮定して、予め作成された、所定温度における、固相の粒子径と、前記粒子径を有する第2固相の存在確率の比率である存在比率との関係を示す関数に基づいて、前記同一物質グループであるが反応速度が異なる第2固相ごとに、予め作成しておいた異なるギブズエネルギー温度依存性を有する物質の存在割合をそれぞれ求め、第2修正固相を計算する第2固相の修正モデルと、
反応速度が異なる第2修正固相ごとに、前記平衡反応に寄与する第2反応量をそれぞれ計算して、前記第2修正固相の前記平衡反応に寄与する第2反応分をそれぞれ求める第2反応量の計算モデルと、
前記第1反応分と前記第2反応分とが平衡状態に達した時のそれぞれの熱量の変化及び流量を少なくとも計算する平衡反応計算モデルと、
を備え、
前記同一物質グループが、粒子径、形状又は固定炭素を構成する物質の種類であるシミュレーション装置。
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JP2009103357A (ja) | 2007-10-23 | 2009-05-14 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | ロータリーキルンの操業方法。 |
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KR101930680B1 (ko) | 2018-11-26 | 2018-12-18 | 주식회사 에스엔엔씨 | 타이어 분말 칩을 이용한 니켈 제련장치 및 제련방법 |
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