JP2021042327A - フラックス残渣除去用洗浄剤組成物 - Google Patents

フラックス残渣除去用洗浄剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】一態様において、フラックス除去性に優れるフラックス残渣除去用洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含有する、フラックス残渣除去用洗浄剤組成物に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、フラックス残渣除去用洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び電子部品の製造方法に関する。
プリント配線基板等の電子基板に電子部品を実装する際、一般的にはんだ接合が行われる。近年、電子機器の処理速度向上、省エネルギー化、環境汚染物質排出抑制といった観点から、1)半田金属の鉛フリー化、2)配線や半田バンプの微細化、3)機器の軽量化や省資源化のため配線基板等の薄化の方向へ技術革新が進んでいる。とりわけ、1)半田金属の鉛フリー化においては、その結果として、半田金属の融点の上昇に伴い、リフロー温度の高温化する。これにより、フラックスが劣化や重合しやすくなり、除去しにくくなった。このような背景により、高温リフロー後の有機物残渣に対しても良好な洗浄性を示す洗浄剤が求められる。
例えば、特許文献1には、ベンジルアルコール又は2−フェニルエチルアルコールを70重量%以上含有する洗浄剤組成物が提案されている。そして、実施例ではベンジルアルコール及びポリオキシアルキレンを有する界面活性剤からなる洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、特定のアミン(成分A)、特定のグリコールエーテル(成分B)、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル(成分C)、特定のグリセリルエーテル(成分D)、芳香族アルコール(成分E)及び水(成分F)を含有し、各成分が特定範囲であるフラックス用洗浄剤組成物が提案されている。そして、実施例では、N−メチルエタノールアミン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、ベンジルアルコール及び水からなる洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、特定の第4級アンモニウム塩と、ヒドラジンとを含有する水溶液であるフラックス洗浄剤が提案されている。そして、実施例としてテトラメチルアンモニウムとヒドラジンとを含有するフラックス洗浄剤及び水酸化トリメチル−2ヒロロキシエチルアンモニウムとヒドラジンとを含有するフラックス洗浄剤が開示されている。
特許文献4には、水酸化第4級アンモニウム塩と、水とを含む水性フラックス洗浄剤が提案されている。そして、実施例ではテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液及びコリン水溶液でロジン系フラックス残渣を洗浄したことが開示されている。
特開平3−140486号公報 特開2017−115033号公報 特開平7−166196号公報 特開平2−292399号公報
近年、配線や半田バンプの微細化によって、半導体パッケージ等の部品が高密度に搭載される。そして、部品の高密度搭載により、基板を搭載した機器の使用時には基板温度が高温になるため、部品を接続する半田には高温に耐え得る溶融温度が高い半田が用いられる。そして、半田バンプの微小化や半田溶融時の従来より高い温度によるフラックスの変性により、上記特許文献に開示されている洗浄剤組成物では、フラックス残渣の除去性(フラックス除去性)が不足し、洗浄性が十分であるとは言えなくなっている。
そこで、本開示は、フラックス除去性に優れるフラックス残渣除去用洗浄剤組成物、それを用いた洗浄方法及び電子部品の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含有する、フラックス残渣除去用洗浄剤組成物に関する。
本開示は、一態様において、フラックス残渣を有する被洗浄物を本開示の洗浄剤組成物で洗浄する工程を含む、洗浄方法に関する。
本開示は、一態様において、半導体チップ、チップ型コンデンサ、及び回路基板から選ばれる少なくとも1つの部品を、フラックスを使用した半田付けにより回路基板上に搭載する工程、並びに前記部品等を接続するための半田バンプを回路基板上に形成する工程から選ばれる少なくとも1つの工程と、前記部品が搭載された回路基板及び前記半田バンプが形成された回路基板から選ばれる少なくとも1つを本開示の洗浄方法により洗浄する工程とを含む、電子部品の製造方法に関する。
本開示によれば、フラックス除去性に優れるフラックス残渣除去用洗浄剤組成物を提供できる。
本発明者らは、芳香族アルコールを含有する洗浄剤組成物において、特定のアルカリ化合物を含有させると、半田金属の腐食を抑制しつつ良好なフラックス残渣の洗浄性が得られることを見出した。本開示は、芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含有する洗浄剤組成物をフラックス残渣除去に用いることにより、従来よりもフラックス残渣の除去性が向上するという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含有する、フラックス残渣除去用洗浄剤組成物(以下、「本開示の洗浄剤組成物」ともいう)に関する。本開示によれば、一態様において、フラックス除去性に優れるフラックス残渣除去用洗浄剤組成物が得られうる。さらに、本開示によれば、半田金属への腐食等の影響を抑制できる(防食性を有する)フラックス残渣除去用洗浄剤組成物が得られうる。
本開示において「フラックス」とは、電極や配線等の金属と半田金属との接続を妨げる酸化物を取り除き、前記接続を促進するために用いられる、半田付けに使用されるロジン又はロジン誘導体を含有するロジン系フラックスやロジンを含まない水溶性フラックス等をいい、本開示において「半田付け」はリフロー方式及びフロー方式の半田付けを含む。本開示において「半田フラックス」とは、半田とフラックスとの混合物をいう。本開示において「フラックス残渣」とは、フラックスを用いて半田バンプを形成した後の基板、及び/又はフラックスを用いて半田付けをした後の基板等に残存するフラックス由来の残渣をいう。例えば、回路基板上に他の部品(例えば、半導体チップ、チップ型コンデンサ、他の回路基板等)が積層して搭載されると前記回路基板と前記他の部品との間に空間(隙間)が形成される。前記搭載のために使用されるフラックスは、リフロー等により半田付けされた後に、フラックス残渣としてこの隙間にも残存しうる。本開示において「フラックス残渣除去用洗浄剤組成物」とは、フラックス又は半田フラックスを用いて半田バンプを形成及び/又は半田付けした後のフラックス残渣を除去するための洗浄剤組成物をいう。本開示に係る洗浄剤組成物による洗浄性の顕著な効果発現の点から、半田は錫を含有する鉛(Pb)フリー半田であることが好ましい。
[芳香族アルコール(成分A)]
本開示の洗浄剤組成物における芳香族アルコール(以下、「成分A」ともいう)としては、芳香環及び水酸基を有する化合物であればよい。フラックス除去性向上の観点から、芳香族アルコールの炭素数は、7以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、9以下がより好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Aの具体例としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコール、2−フェニル−1−プロパノール、及び2−フェニル−2−プロパノールから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、フラックス除去性向上の観点から、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール及び4−エチルベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。
本開示の洗浄剤組成物における成分Aの含有量は、フラックス除去性向上の観点から、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、そして、85質量%以下が好ましく、82質量%以下がより好ましく、より具体的には、本開示の洗浄剤組成物における成分Aの含有量は、30質量%以上85質量%以下が好ましく、50質量%以上85質量%以下がより好ましく、70質量%以上82質量%以下がさらに好ましい。成分Aが2種以上の組合せである場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物は、成分A以外の有機溶剤を含有することができるが、フラックス除去性向上の観点から、成分Aは、全有機溶剤中、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
[アルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)]
本開示の洗浄剤組成物におけるアルカノール第4級アンモニウム塩(以下、「成分B」ともいう)としては、一又は複数の実施形態において、下記式(I)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
Figure 2021042327
式(I)中、R1は、炭素数が1以上2以下のアルキル基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数が1以上2以下のアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種であり、R4は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。フラックス除去性向上の観点から、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数が1以上2以下のアルキル基であり、R3及びR4はそれぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。前記アルキル基の炭素数としては、フラックス除去性向上の観点から、1以上2以下が好ましい。X-は、陰イオンである。陰イオンとしては、例えば、ヒドロキシドイオンが挙げられる。
成分Bの具体例としては、例えば、ジメチルジエタノールアンモニウム塩(ビス(2‐ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム塩)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩(コリン)、メチルトリエタノールアンモニウム塩等が挙げられ、フラックス除去性向上の観点から、ジメチルジエタノールアンモニウム塩が好ましい。塩の対イオンとしては、水酸化物イオンが挙げられる。成分Bとしては、例えば、ジメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物における成分Bの含有量は、フラックス除去性向上の観点から、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、そして、半田金属の腐食抑制の観点から、15質量%以下が好ましく、13質量%以下がより好ましく、11質量%以下がさらに好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物における成分Bの含有量は、3質量%以上15質量%以下が好ましく、4質量%以上13質量%以下がより好ましく、7質量%以上11質量%以下がさらに好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物は、成分B以外の塩基性物質を含有することができるが、フラックス除去性向上の観点から、成分Bは、全塩基性物質中、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物において、成分Aと成分Bとの質量比(A/B)は、フラックス除去性向上の観点から、2以上が好ましく、4以上がより好ましく、6以上がさらに好ましく、そして、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましい。より具体的には、質量比(A/B)は、2以上20以下が好ましく、2以上18以下がより好ましく、4以上16以下がさらに好ましく、6以上16以下がさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物において、成分Aと成分Bの合計の含有量は、フラックス除去性向上の観点から、50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、そして、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
[成分C:水]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、水(以下、「成分C」ともいう)をさらに含むことができる。成分Cとしては、イオン交換水、RO水(逆浸透膜処理水)、蒸留水、純水、超純水等が挙げられる。本開示の洗浄剤組成物における成分Cの含有量は、引火点を下げ取り扱い性を向上する観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、そして、フラックス除去性向上の観点から、25質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がよりさらに好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物における成分Cの含有量は、1質量%以上25質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、5質量%以上12質量%以下がさらに好ましく、8質量%以上10質量%以下がよりさらに好ましい。
[その他の成分]
さらに、その他の成分として、本開示の洗浄剤組成物は、本開示の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常洗浄剤に用いられる、キレート力を持つ化合物、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の成分A以外の水溶性有機溶媒、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、増粘剤、分散剤、成分B以外の塩基性物質、高分子化合物、カプリル酸等の可溶化剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、消泡剤、酸化防止剤を適宜含有することができる。本開示の洗浄剤組成物におけるその他の成分の含有量は、0質量%以上42質量%以下が好ましく、0質量%以上30質量%以下がより好ましく、0質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上7質量%以下がさらに好ましい。本開示の洗浄剤組成物における成分A以外の水溶性有機溶媒の含有量は、0質量%以上40質量%以下が好ましく、0質量%以上25質量%以下がより好ましく、0質量%以上15質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示の洗浄剤組成物は、例えば、成分A及び成分B、並びに、必要に応じて上述した成分C及びその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物は、少なくとも成分Aと成分Bとを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも成分A及び成分Bを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、及び必要に応じて成分C及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示の洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示の洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。本開示において「洗浄剤組成物中の各成分の含有量」とは、洗浄時、すなわち、洗浄剤組成物を洗浄に使用する時点での前記各成分の含有量をいう。
[洗浄剤組成物のpH]
本開示の洗浄剤組成物は、フラックス除去性を向上させる点から、アルカリ性であることが好ましく、例えば、pHが8以上14以下であることが好ましい。pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の成分B以外の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。本開示において洗浄剤組成物のpHは、25℃における洗浄剤組成物の使用時のpHである。
[被洗浄物]
本開示の洗浄剤組成物は、フラックス残渣を有する被洗浄物の洗浄に使用される。フラックス残渣を有する被洗浄物としては、例えば、リフローされた半田を有する被洗浄物が挙げられる。被洗浄物の具体例としては、例えば、電子部品及びその製造中間物が挙げられ、具体的には、半田付け電子部品及びその製造中間物が挙げられ、より具体的には、部品が半田で半田付けされた電子部品及びその製造中間物、部品が半田を介して接続されている電子部品及びその製造中間物、半田付けされた部品の隙間にフラックス残渣を含む電子部品及びその製造中間物、半田を介して接続されている部品の隙間にフラックス残渣を含む電子部品及びその製造中間物等が挙げられる。前記製造中間物は、半導体パッケージや半導体装置を含む電子部品の製造工程における中間製造物であって、例えば、フラックスを使用した半田付けにより、半導体チップ、チップ型コンデンサ、及び回路基板から選ばれる少なくとも1つの部品が搭載された回路基板、及び/又は、前記部品を半田接続するための半田バンプが形成された回路基板を含む。被洗浄物における隙間とは、例えば、回路基板とその回路基板に半田付けされて搭載された部品(半導体チップ、チップ型コンデンサ、回路基板等)との間に形成される空間であって、その高さ(部品間の距離)が、例えば、5〜500μm、10〜250μm、或いは20〜100μmの空間をいう。隙間の幅及び奥行きは、搭載される部品や回路基板上の電極(ランド)の大きさや間隔に依存する。
[洗浄方法]
本開示は、一態様において、フラックス残渣を有する被洗浄物を本開示の洗浄剤組成物に接触させることを含む、フラックス残渣を除去するための洗浄方法(以下、「本開示の洗浄方法」ともいう)に関する。本開示の洗浄方法は、一又は複数の実施形態において、フラックス残渣を有する被洗浄物を本開示の洗浄剤組成物で洗浄する工程を有する。被洗浄物に本開示の洗浄剤組成物を接触させる方法、又は、被洗浄物を本開示の洗浄剤組成物で洗浄する方法としては、例えば、超音波洗浄装置の浴槽内で接触させる方法、洗浄剤組成物をスプレー状に射出して接触させる方法(シャワー方式)等が挙げられる。本開示の洗浄剤組成物は、希釈することなくそのまま洗浄に使用できる。本開示の洗浄方法は、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、水でリンスし、乾燥する工程を含むことが好ましい。本開示の洗浄方法であれば、半田付けした部品の隙間に残存するフラックス残渣を効率よく洗浄できる。本開示の洗浄方法による洗浄性及び狭い隙間への浸透性の顕著な効果発現の点から、半田は鉛(Pb)フリー半田であることが好ましい。さらに、同様の観点から、本開示の洗浄方法は、国際公開第2006/025224号、特公平6−75796号公報、特開2014−144473号公報、特開2004−230426号公報、特開2013−188761号公報、特開2013−173184号公報等に記載されているフラックスを用いて半田接続した電子部品に対して使用することが好ましい。本開示の洗浄方法は、本開示の洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、本開示の洗浄剤組成物と被洗浄物との接触時に超音波を照射することが好ましく、その超音波は比較的強いものであることがより好ましい。前記超音波の周波数としては、同様の観点から、26〜72Hz、80〜1500Wが好ましく、36〜72Hz、80〜1500Wがより好ましい。
[電子部品の製造方法]
本開示は、一態様において、半導体チップ、チップ型コンデンサ、及び回路基板から選ばれる少なくとも1つの部品を、フラックスを使用した半田付けにより回路基板上に搭載する工程、並びに前記部品等を接続するための半田バンプを回路基板上に形成する工程から選ばれる少なくとも1つの工程と、前記部品が搭載された回路基板及び前記半田バンプが形成された回路基板から選ばれる少なくとも1つを本開示の洗浄方法により洗浄する工程とを含む、電子部品の製造方法(以下、「本開示の電子部品の製造方法」ともいう)に関する。フラックスを使用した半田付けは、例えば、鉛フリー半田で行われるものであり、リフロー方式でもよく、フロー方式でもよい。電子部品は、半導体チップが未搭載の半導体パッケージ、半導体チップが搭載された半導体パッケージ、及び、半導体装置を含む。本開示の電子部品の製造方法は、本開示の洗浄方法を用いて洗浄を行うことにより、半田付けされた部品の隙間や半田バンプの周辺等に残存するフラックス残渣が低減され、フラックス残渣が残留することに起因する電極間でのショートや接着不良が抑制されるから、信頼性の高い電子部品の製造が可能になる。さらに、本開示の洗浄方法を用いて洗浄を行うことにより、半田付けされた部品の隙間等に残存するフラックス残渣の洗浄が容易になることから、洗浄時間が短縮化でき、電子部品の製造効率を向上できる。
[キット]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄方法及び/又は本開示の電子部品の製造方法に使用するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物を製造するためのキットである。
本開示のキットの一実施形態としては、前記成分Aを含有する溶液(第1液)と、成分Bを含有する溶液(第2液)とを、相互に混合されていない状態で含み、第1液と第2液とが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。前記第1液及び第2液には、各々必要に応じて上述した成分C及びその他の成分が含まれていても良い。前記第1液及び第2液の少なくとも一方は、一又は複数の実施形態において、成分Cの一部又は全部を含有することができる。一又は複数の実施形態において、前記第1液と第2液とが混合された後、必要に応じて成分C(水)で希釈されてもよい。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.洗浄剤組成物の調製(実施例1〜3、比較例1〜4)
100mLガラスビーカーに、下記表1に記載の組成となるように各成分を配合し、下記条件で混合することにより、実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄剤組成物を調製した。各洗浄剤組成物のpHは、実施例1〜3及び比較例2〜4がpH14、比較例1がpH7であった。表1中の各成分の数値は、断りのない限り、調製した洗浄剤組成物における含有量(質量%)を示す。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)の電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値を測定した。
<混合条件>
液温度:25℃
攪拌機:マグネチックスターラー(50mm回転子)
回転数:300rpm
攪拌時間:10分
洗浄剤組成物の成分として下記のものを使用する。
(成分A)
ベンジルアルコール[ランクセス株式会社製]
(成分B)
ジメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシド[東京化成工業株式会社製]
(非成分B)
水酸化カリウム(KOH)[富士フイルム和光純薬株式会社]
メチルジエタノールアミン[日本乳化剤株式会社製、アミノアルコールMDA]
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド[東京化成工業株式会社製]
モノエタノールアミン[東京化成工業株式会社製]
(成分C)
水[オルガノ株式会社製純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水]
(その他の成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル[日本乳化剤株式会社製、ブチルジグリコール(BDG)](水溶性有機溶媒)
カプリル酸[花王株式会社](可溶化剤)
ベンゾトリアゾール[東京化成工業株式会社製、1,2,3−ベンゾトリアゾール](防錆剤)
2.洗浄剤組成物の評価
調製した実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄剤組成物を用いて洗浄性、及び防食性について試験を行い、評価した。
<テスト基板>
半田バンプとなる部分を10個有する銅配線プリント基板(10mm×15mm)上に、スクリーン版を用いて下記ソルダーペースト1又は2を塗布する。窒素雰囲気下300℃でリフローすることでテスト基板を作製する。
<フラックスの組成>
完全水添ロジン(イーストマンケミカル社製、Foral AX−E)58.0質量%
N,N’−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(株式会社ワコーケミカル製)0.5質量%
アジピン酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)0.5質量%
硬化ヒマシ油(豊国製油株式会社製)6.0質量%
ヘキシルグリコール(日本乳化剤株式会社製)35.0質量%
<フラックスの製造方法>
溶剤のヘキシルグリコールに残りの他の成分を添加して溶解することにより、前記組成のフラックスを得た。
<ソルダーペーストの製造方法>
ソルダーペースト1には、上記のフラックス11.0gとはんだ粉末[千住金属工業株式会社製、Sn/Sb=95/5)]89.0gを1時間混練して調製したものを用いた。
ソルダーペースト2には、市販のソルダーペースト[千住金属工業株式会社製、OZ295-162F-50-8]を用いた。
<洗浄試験>
洗浄試験は、以下の手順にて行った。
まず、超音波洗浄槽、第1リンス槽、第2リンス槽を以下の条件で準備する。
超音波洗浄槽は、周波数40kHzに設定し出力を200wとする。50mLガラスビーカーに各洗浄剤組成物を50g添加し、超音波洗浄層に入れて、60℃に加温することにより得た。第1リンス槽及び第2リンス槽は、50mm回転子を一つ入れた100mLガラスビーカーを二つ用意し、それぞれに純水100gを添加し、温浴に入れて、回転数100rpmで攪拌しながら40℃に加温することにより得た。
次に、ソルダーペースト1又は2を用いたテスト基板をピンセットで保持して、前記超音波洗浄槽へ挿入し、5分間浸漬する。次に、テスト基板をピンセットで保持して第1リンス槽に挿入し、回転数100rpmで攪拌しながら3分間浸漬する。
さらに、テスト基板をピンセットで保持して第2リンス槽に挿入し、回転数100rpmで攪拌しながら3分間浸漬する。
最後に、テスト基板を窒素パージし乾燥する。
[洗浄性の評価(フラックス除去性)]
洗浄試験後のテスト基板を光学顕微鏡VHX−2000(株式会社キーエンス製)で観察し、半田バンプ近傍に残存するフラックス残渣の有無を目視確認し、半田バンプ近傍にフラックス残渣が残る半田バンプの個数を数えた。結果を表1に示す。
[防食性の評価]
洗浄性(フラックス除去性)の評価を行った後のテスト基板上の半田金属を光学顕微鏡VHX-2000(株式会社キーエンス製)及び卓上顕微鏡 Miniscope TM3030 (株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて腐食等の有無を目視観察し、下記の評価基準で半田金属への影響を評価する。その結果、実施例1〜3、比較例1〜4のいずれも、腐食等は観察されなかった。
Figure 2021042327
上記表1に示すとおり、芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含む実施例1〜3の洗浄剤組成物は、成分A及び/又は成分Bを含まない比較例1〜4に比べて、フラックス除去性に優れていた。
本開示を用いることにより、フラックス残渣の洗浄が良好に行えることから、例えば、電子部品の製造プロセスにおけるフラックス残渣の洗浄工程の短縮化及び製造される電子部品の性能・信頼性の向上が可能となり、電子部品の生産性を向上できる。

Claims (9)

  1. 芳香族アルコール(成分A)及びアルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)を含有する、フラックス残渣除去用洗浄剤組成物。
  2. アルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)は、下記式(I)で表される第4級アンモニウム塩である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
    Figure 2021042327
    式(I)中、R1は、炭素数が1以上2以下のアルキル基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数が1以上2以下のアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種であり、R4は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種であり、X-は、陰イオンである。
  3. 前記式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数が1以上2以下のアルキル基であり、R3及びR4はそれぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 芳香族アルコール(成分A)の含有量が、30質量%以上85質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. アルカノール第4級アンモニウム塩(成分B)の含有量が、3質量%以上15質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  6. 水(成分C)をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  7. フラックス残渣を有する被洗浄物を請求項1から6のいずれかに記載の洗浄剤組成物で洗浄する工程を含む、洗浄方法。
  8. 被洗浄物が、半田付け電子部品の製造中間物である、請求項7に記載の洗浄方法。
  9. 半導体チップ、チップ型コンデンサ、及び回路基板から選ばれる少なくとも1つの部品を、フラックスを使用した半田付けにより回路基板上に搭載する工程、並びに前記部品等を接続するための半田バンプを回路基板上に形成する工程から選ばれる少なくとも1つの工程と、前記部品が搭載された回路基板及び前記半田バンプが形成された回路基板から選ばれる少なくとも1つを請求項7又は8に記載の洗浄方法により洗浄する工程とを含む、電子部品の製造方法。
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