添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の行動変容促進装置100の機能構成を示すブロック図である。図1に示されるとおり、行動変容促進装置100は、リスク推定部101、リスク理解度算出部102、行動変容促進部(ユーザ抽出部、提示部)103、リスク推定モデル構築部104、行動変容評価部105(評価部)、インセンティブ付与部(ユーザ抽出部、付与部)107、及び記憶部106を含んでいる。この記憶部106は、リスク情報DB106a、ユーザ情報DB106b、リスク推定モデル106c、推定リスクDB106d、リスク理解度DB106e、行動情報DB106f、行動変容履歴DB106gを記憶している。
リスク推定部101は、記憶部106に記憶されている特定のユーザ(第1のユーザ)に関するユーザ情報DB106bおよびリスク推定モデル106cに基づいて第1のユーザのリスクを推定する部分である。なお、リスク推定部101は、リスク推定モデル106cを参照することなく、所定のルールに基づいてユーザ情報のみからリスク情報を推定してもよい。例えば、ユーザ情報に含まれる情報(例えば、国内旅行回数、海外旅行回数等)のみから所定のルール(例えば、計算式「リスク量=国内旅行回数+2×海外旅行回数」)を用いて、所定種別のリスク(例えば旅行に関するリスク)を推定することができる。リスク推定部101は、第1のユーザのリスクの推定とともに、そのリスクの要因に関するリスク要因を特定し、そのリスクの種別、リスクの程度を示すリスク量、及びリスク要因を含む推定リスク情報を、第1のユーザを識別する人物識別子と、そのリスクが算出された時刻を示す日時情報とともに推定リスクDB106dに蓄積して記憶する。
図2には、推定リスクDB106dに記憶された推定リスク情報の一例を示している。推定リスク情報は、第1のユーザを識別する人物識別子、リスクが算出された日時情報に関連付けて記憶される。推定リスク情報は、例えば旅行中の事故の危険性の程度などを想定しており、旅行に関係するリスクを算出する場合には、過去に旅行中に事故に巻き込まれた回数を基にリスクの大小を推定することなどが考えられる。例えば、推定リスク情報は、リスク種別「レジャー」、リスク量「5」、及びリスク要因「頻度増」などを含む。日時は、その推定リスクが算出された時刻を示す日時情報である。
また、図3には、ユーザ情報DB106bに記憶されたユーザ情報の一例を示している。ユーザ情報DB106bは、ユーザ情報を記述するデータベース(DB)である。図3に示される通り、ユーザ情報は、ユーザを識別するための人物識別子と、ユーザ情報が記憶された時刻を示す日時とに関連付けて記憶され、性別、年代等などの属性情報と、ユーザの行動に関する行動情報、ユーザの位置情報などのすべてまたは一部とを含む。
リスク推定モデル構築部104は、各ユーザの過去のリスクを示すリスク情報DB106aおよびユーザ情報DB106bに基づいて、リスク推定モデル106cを構築する部分である。リスク推定モデル構築部104は、ユーザ情報を説明変数とし、リスク情報を目的変数とした学習処理を行うことで、リスク推定モデル106cを構築することができる。リスク推定モデル106cは、ユーザ情報を入力して、それに対応するユーザのリスクを推定するための推定モデルである。リスク推定モデル構築部104は、構築したリスク推定モデル106cを記憶部106に記憶する。
図4には、リスク情報DB106aに記憶されたリスク情報のデータ構成の一例を示す。リスク情報DB106aは、各ユーザの過去のリスクに関するリスク情報を記述するデータベースである。リスク情報は、ユーザを識別する人物識別子、そのユーザにおいてリスクが発生した時刻を示す日時、およびそのリスクを特定するリスク情報を含む。リスク情報は、例えば事故の有無などを想定しており、旅行に関係するリスクを算出する場合には、旅行中に事故に巻き込まれた回数などが考えられる。日時は、そのリスク情報が登録または観測された日時情報である。図4に示す例においては、レジャー、スポーツなどの各種別のリスクの程度を示す数値が、人物識別子、日時に関連付けて記憶されている。
上記のようなデータ構成のリスク情報DB106a及びユーザ情報DB106bに基づいて、リスク推定モデル構築部104は、リスク推定モデル106cを構築する。リスク推定部101は、このリスク推定モデル106bを用いることによって、特定の第1のユーザのリスクを推定することができると同時にその推定するリスクを高めている要因を特定することによりリスク要因も特定することができる。なお、リスク推定モデル構築部104は、リスク推定モデル106cの構築の際に、複数種別のリスク情報を用いているが、これに限定されるものではない。リスク推定モデル構築部104は、複数種別のリスクごとに複数のリスク推定モデルを構築してもよい。
リスク理解度算出部102は、ユーザ情報DB106b、推定リスクDB106d、および行動変容履歴DB106gに基づいて、ユーザのリスクの理解度を算出する。また、リスク理解度算出部102は、算出したユーザのリスク理解度をリスク理解度DB106eに記憶する。図5には、リスク理解度DB106eに記憶されたリスク理解度情報のデータ構成の一例を示す。図5に示すように、リスク理解度DB106eは、リスク理解度算出部102により算出されたリスク理解度情報を記述するデータベースであり、ユーザを識別する人物識別子、及び日時情報に関連付けて、リスク種別およびリスク理解度を示す数値を含むリスク理解度情報を記述する。
また、リスク理解度算出部102は、推定リスクDB106dに記述されている推定リスク情報に基づいて、ユーザのリスク理解度を算出してもよい。例えば、リスク理解度算出部102は、ユーザの推定リスクのリスク量の所定の時間における変化を求め、リスク量が減少した場合には、当該ユーザは当該時間においてリスク理解度が高くなったとみなしてリスク理解度を算出する。また、リスク理解度算出部102は、任意のタイミングで、ユーザ情報DB106bに記憶された行動情報を含むユーザ情報を基に、過去にリスクに起因する事故等の事象の経験の度合い、リスクに対応するための過去の対策(保険加入)の有無、リスクに対応した行動変容の有無、リスクに対する専門的な知識あるいは知見の有無等を判定し、その判定結果に応じてリスク理解度を算出してもよい。また、リスク理解度算出部102は、行動変容履歴DB106gに記憶された行動変容履歴情報を基にユーザのリスク理解度を算出してもよい(詳細は後述する。)。
行動変容促進部103は、ユーザ情報DB106b、リスク情報DB106a、推定リスクDB106d、及びリスク理解度DB106eを基に、第1のユーザに対して所定のリスク種別のリスクの低減のための行動変容(行動変化)を促進しうる1人以上の第2のユーザを抽出する。例えば、行動変容促進部103は、リスク情報DB106aまたは推定リスクDB106dを参照することにより、所定のリスク種別について第1のユーザが高いリスク量を保有していると判断される時に、当該所定のリスク種別に関するリスク理解度が閾値以上のユーザを、リスク理解度DB106eを参照することにより抽出する。さらに、行動変容促進部103は、抽出したユーザの中から、ユーザ情報DB106bを参照することにより、第1のユーザと関係性の深い(友達関係にある、家族である等)第2のユーザを抽出する。このとき、行動変容促進部103は、リスク理解度のみに基づいて(第1のユーザとの関係性に関わらず)第2のユーザを抽出してもよいし、リスク情報DB106aあるいは推定リスクDB106dを基に、第1のユーザと同一種別のリスクあるいは同一のリスク要因を抱えるユーザを第2のユーザとして抽出してもよい。
また、行動変容促進部103は、リスク情報DB106aまたは推定リスクDB106dを基に、抽出した第2のユーザに対して第1のユーザのリスクに関する情報を提示する。この提示によって、第2のユーザに対して、第1のユーザにおけるリスク低減のための行動変容を促進させることができる。リスクに関する情報には、第1のユーザのリスク種別およびリスク要因のほか、第2のユーザ自身の過去のリスク種別およびリスク要因が含まれてもよい。この提示タイミングは、任意のタイミング(たとえば、1日に1回、1週間に1回)でよく、提示内容は、具体的なリスクあるいはリスク要因の提示などでよく、第2のユーザへの提示形式は、会話形式でのリスクの説明、あるいは客観的なデータに基づくリスクの説明であってよく、提示時に用いる通信方式(プロトコル)は、メール、web、プッシュ通知などであってよい。なお、第1のユーザの情報を第2のユーザに提示する際には、第1のユーザの同意に関する情報を予め取得する。あるいは、第1のユーザの情報を匿名性を持たせるように加工して提示してもよい。そして、行動変容促進部103は、評価値を除く提示した情報に対応する行動変容履歴情報(詳細は後述する。)を、行動変容履歴DB106gに格納する。
また、行動変容促進部103は、不特定多数のユーザに対して所定のリスク種別のリスクの低減のための行動変容を促進しうる第2のユーザを抽出する機能も有する。例えば、行動変容促進部103は、リスク情報DB106aまたは推定リスクDB106dを参照することにより、所定のリスク種別について比較的多数のユーザが高いリスク量を保有していると判断される時に、当該所定のリスク種別に関するリスク理解度が閾値以上のユーザを、リスク理解度DB106eを参照することにより抽出する。さらに、行動変容促進部103は、抽出したユーザの中から、ユーザ情報DB106bを参照することにより、所定のリスク種別のリスクが一般的に高いと予測される属性を有する(20代男性である等)第2のユーザを抽出する。このとき、行動変容促進部103は、リスク理解度のみに基づいて(属性等に関わらず)第2のユーザを抽出してもよいし、リスク情報DB106aあるいは推定リスクDB106dを基に、所定のリスク種別のリスクを抱えるユーザを第2のユーザとして抽出してもよい。
上記のように、不特定多数のユーザに行動変容を促進しうる第2のユーザを抽出した場合には、行動変容促進部103は、リスク情報DB106aまたは推定リスクDB106dを基に、抽出した第2のユーザに対して所定のリスク種別のリスクに関する情報を提示する。この提示によって、第2のユーザに対して、不特定多数のユーザにおけるリスク低減のための行動変容を促進させることができる。リスクに関する情報には、不特定多数のユーザ全体のリスクの推移、当該リスクの要因とされたリスク要因の全体傾向等が含まれてもよい。この提示タイミングおよび提示形式は、上述したものと同様である。その後、行動変容促進部103は、各ユーザの行動変容の促進に関する過去の行動情報が記憶された行動情報DB106fを基に、第2のユーザの行動変容の促進に関する行動情報を抽出し、その行動情報とユーザ情報DB106bに記憶されたユーザ情報とを基に、第2のユーザによって行動変容の促進を受けた第1のユーザを抽出する。
図6には、行動情報DB106fに記憶された行動情報のデータ構成の一例を示している。この行動情報は、ユーザによる登録によって行動情報DB106fに記憶されてもよいし、何らかのセンシングによって行動が検出されることにより記憶されてもよい。行動情報DB106fには、一例として、ユーザを識別する人物識別子及び行動の時刻を示す日時に対して、行動種別と行動の場所を示す位置情報とが関連付けて記憶されている。行動変容促進部103は、行動情報DB106fに記憶された行動情報とユーザ情報DB106bに記憶されたユーザ情報との関連性を判断することにより、第1のユーザを抽出する。具体的には、第2のユーザの行動情報に含まれる位置情報の示す位置と近い位置を示す位置情報を含むユーザ情報を、ユーザ情報DB106bから抽出することにより、第1のユーザを抽出する。そして、行動変容促進部103は、評価値を除く提示した情報に対応する行動変容履歴情報(詳細は後述する。)を、行動変容履歴DB106gに格納する。
行動変容評価部105は、第1のユーザのリスクの時間的変化を基に、第1のユーザの行動変容の促進度合いを評価する。具体的には、行動変容評価部105は、行動変容履歴DB106g及び推定リスクDB106dを参照し、行動変容促進部103によって第2のユーザに情報が提示された後に、第1のユーザのリスク量の時間的変化、具体的にはリスク量の減少量を基に、第1のユーザの行動変容の促進度合いを示す評価値を算出する。このとき、行動変容評価部105は、第2のユーザが提示された情報を確認した日時(基準時間)を基に、基準時間の前後におけるリスク量の変化を求め、その変化に基づいて評価値を算出する。また、行動変容評価部105は、第2のユーザに情報を提示した日時を基準時間とし、基準時間の前後におけるリスク量の変化を求め、その変化に基づいて評価値を算出してもよい。
インセンティブ付与部107は、行動変容評価部105によって算出された評価値を、第2のユーザにインセンティブ値(割当値)として付与する。そして、インセンティブ付与部107は、第2のユーザに付与したインセンティブ値を後続の所定の処理に引き渡す。この所定の処理は、行動変容促進装置100の内部で実行される処理であってもよいし、行動変容促進装置100の外部の装置で実行される処理であってもよい。所定の処理の例としては、複数の第2のユーザ毎にインセンティブ値が加算されたポイントのランキングを可視化して表示する処理であってもよいし、各ユーザの保険料を計算する処理であってもよいし、各ユーザ毎にポイントを付与して管理する処理であってもよい。この所定の処理は、第2のユーザのインセンティブ値に応じて第2のユーザの保険料を下げる、インセンティブ値に応じてポイントを加算する等の第2のユーザに対して第1のユーザの行動変容の促進に対するモチベーションを与える処理である。
また、インセンティブ付与部107は、第2のユーザに付与された評価値を、行動変容履歴DB106gに格納されている該当する行動変容履歴情報に追加して記憶する。図7には、行動変容履歴DB106gに記憶される行動変容履歴情報のデータ構成の一例を示す。この行動変容履歴DB106gには、行動変容の被促進側のユーザである第1のユーザを識別する人物識別子、行動変容の促進側のユーザである第2のユーザを識別する人物識別子、及び、評価値が算出された時間を示す日時情報に、リスク種別とインセンティブ値である評価値とが関連付けて記憶される。この日時は、具体的には、評価値の算出に用いられる基準時間を示す。なお、行動変容履歴DB106gには、インセンティブ付与部107によって付与された評価値のみでなく、他のDBの内容が反映されていてもよい。
ここで、インセンティブ付与部107は、行動変容促進部103によって複数の第2のユーザが抽出された場合には、評価値を複数の第2のユーザに対して複数の第2のユーザのリスク理解度及び第2のユーザの第1のユーザとの関係性に応じて重み付けすることにより、インセンティブ値として付与する。すなわち、インセンティブ付与部107は、リスク理解度DB106e又はユーザ情報DB106bを参照し、行動変容評価部105によって算出された評価値を、複数の第2のユーザに対して、それぞれのユーザのリスク理解度及び関係性に応じて配分する。例えば、所定の第2のユーザのリスク理解度が高い、もしくは所定の第1のユーザと所定の第2のユーザが親しい関係にある等の場合には、当該所定の第1のユーザに対する当該第2のユーザの行動変容の促進は効果があるとみなし、評価値を配分してもよい。より具体的には、行動変容評価部105によって算出された評価値をXとし、n人(nは2以上の自然数)の第2のユーザの重み係数がwk(kは1以上n以下の自然数、Σwk=1)と計算された場合は、その第2のユーザのインセンティブ値は、wk×Xと計算される。なお、この重み係数wkは、そのユーザの理解度及び関係性に応じて決定されるが、理解度のみもしくは関係性のみから決定されてもよい。
上記のようにして記憶された行動変容履歴DB106gは、上述したリスク理解度算出部102におけるリスク理解度の算出時に利用される。詳細には、リスク理解度算出部102により、ユーザ情報DB106b及び推定リスクDB106dに加えて、行動変容履歴DB106gの内容も考慮されてリスク理解度が算出される。例えば、行動変容の被促進側のユーザ(第1のユーザ)に関するリスク理解度の算出時に、行動変容履歴情報に含まれる評価値も考慮されてよく、評価値が閾値より高い場合にリスク理解度が増加されるなどの処理を行ってもよい。また、行動変容の促進側のユーザ(第2のユーザ)に関するリスク理解度の算出時にも、行動変容履歴情報に含まれる評価値が考慮されてもよい。
このように構成された行動変容促進装置100の処理について説明する。図8は、行動変容促進装置100のリスク推定処理を示すフローチャートである。図8に示されるとおり、リスク推定部101は、ユーザ情報DB106bから、所定タイミング、または行動変容促進装置100のオペレータ若しくはユーザの指示に従って、指定された一のユーザ(第1のユーザ)のユーザ情報を取得する(S101)。そして、リスク推定部101は、取得したユーザ情報をリスク推定モデル106cに適用して、推定リスクを取得する(S102)。リスク推定部101は、取得した推定リスクに関する推定リスク情報を推定リスクDB106dに記憶する(S103)。この推定処理は、時間経過とともに繰り返して行われ、推定リスクDB106dには、時系列でユーザごとのリスクが記述される。
つぎに、リスク推定モデル106cの構築および学習処理について説明する。図9は、行動変容促進装置100におけるリスク推定モデル106cの構築処理を示すフローチャートである。リスク推定モデル構築部104は、ユーザ情報およびリスク情報を、それぞれユーザ情報DB106bおよびリスク情報DB106aから取得する(S201)。そして、リスク推定モデル構築部104は、教師あり学習による学習処理を行う(S202)。ここでは、ユーザ情報を説明変数とし、リスク情報を目的変数とする学習処理を行う。そして、リスク推定モデル構築部104は、学習処理により構築したリスク推定モデル106cを、記憶部106に記憶する(S203)。すでに記憶部106がリスク推定モデル106cを記憶している場合には、更新処理を行ってもよい。このリスク推定モデル106cの更新処理は、定期的に行われ、常に最新の推定モデルが構築されていてもよい。
つぎに、行動変容促進処理について説明する。図10は、行動変容促進装置100の行動変容促進処理のフローチャートである。行動変容促進部103は、所定タイミング、または行動変容促進装置100のオペレータ若しくはユーザの指示に従って、ユーザ情報DB106b、推定リスクDB106d、リスク理解度DB106eから、各ユーザのユーザ情報、推定リスク情報、及びリスク理解度情報を取得する(S301)。そして、行動変容促進部103は、指定された一のユーザであるユーザAを、行動変容を促進する対象のユーザ(第1のユーザ)として特定する(S302)。次に、行動変容促進部103は、ユーザAのユーザ情報及び推定リスク情報と、他のユーザのユーザ情報及びリスク理解度情報を参照して、行動変容の促進対象のユーザAのリスクの種別に関するリスク理解度が高く、ユーザAと関係性の深いユーザBを、行動変容を促進するユーザ(第2のユーザ)として特定する(S303)。その後、行動変容促進部103は、ユーザBに対してユーザAの行動変容を促進するための情報を提示する(S304)。さらに、行動変容促進部103は、評価値を除く提示した情報に対応する行動変容履歴情報を行動変容履歴DB106gに格納する(S305)。
図11には、行動変容促進処理のステップS304によって提示される画面のイメージの一例を示している。このように、ユーザBに対して、ユーザAのリスクの推移、そのリスクの要因と推定されたリスク要因、及びリスク低減の促進を促すメッセージが画面上に提示される。
つぎに、ユーザのリスクに対する理解度を算出する処理について説明する。図12は、その処理を示すフローチャートである。この処理は図10に示した行動変容促進処理が実行される前に実行される。ただし、この処理は行動変容促進処理が実行された後に実行され、前回算出されたリスク理解度が更新されてもよい。
リスク理解度算出部102は、まず、リスク理解度の計算対象の一のユーザを特定する(ステップS401)。次に、リスク理解度算出部102は、ユーザ情報DB106bに記憶された該当ユーザに関するユーザ情報、推定リスクDB106dに記憶された該当ユーザに関する推定リスク情報、あるいは、行動変容履歴DB106gに記憶された該当ユーザに関する行動変容履歴情報を取得する(S402)。ここで、該当ユーザに関する行動変容履歴情報とは、該当ユーザの識別子を促進側の人物識別子あるいは被促進側の人物識別子として含む行動変容履歴情報である。
その後、リスク理解度算出部102は、リスク種別ごとのリスク理解度を算出する(ステップS403)。ここでは、リスク理解度算出部102は、推定リスク情報に基づいてリスク種別ごとのリスク理解度を計算してもよいし、ユーザ情報に含まれる行動情報等を基にリスク種別ごとのリスク理解度を計算してもよいし、行動変容履歴情報に含まれるリスク種別ごとの評価値を基にリスク種別ごとのリスク理解度を計算してもよい。
最後に、リスク理解度算出部102は、算出した該当ユーザのリスク理解度に関する情報を、人物識別子、日時、及びリスク種別とともにリスク理解度DB106eに記憶する(ステップS404)。以上のステップS401〜S404の処理は、全てのユーザの全てのリスク種別に関して繰り返し実行される。
図13は、行動変容促進装置100の行動変容評価処理を示すフローチャートである。この行動変容評価処理は、一定期間間隔等の所定のタイミングで実行される。行動変容評価部105は、行動変容履歴DB106gに格納された評価値が未算出の行動変容履歴情報を参照する(ステップS501)。そして、行動変容評価部105は、参照したそれぞれの行動変容履歴情報を基に、行動変容を促進する対象のユーザA(第1のユーザ)、行動変容の促進の基準時間を示す日時、及び行動変容の対象のリスクのリスク種別を特定する(ステップS502)。次に、行動変容評価部105は、ユーザAに関する推定リスク情報を推定リスクDB106dから読み出し、基準時間の前後の当該リスク種別のリスク量の差を、行動変容の促進を評価する評価値として算出する(ステップS503)。
その後、インセンティブ付与部107は、同一のユーザA、同一のリスク種別、及び同一の基準時間に関する行動変容履歴情報が複数記憶されている場合には、それらの情報に含まれる促進側人物識別子によって特定される複数のユーザB(第2のユーザ)に、行動変容評価部105によって算出された評価値を配分する(S504)。ここでいう「同一の基準時間」とは、基準時間が所定の誤差期間(例えば、1時間)範囲内にある状態を含む。すなわち、インセンティブ付与部107は、複数のユーザBを対象にリスク理解度及びユーザ情報に基づいて重み係数を設定し、それぞれの複数のユーザBに対して評価値を重み係数に応じて配分するように、インセンティブ値を計算する。次に、インセンティブ付与部107は、計算したインセンティブ値をユーザA及びユーザBの双方に付与し、付与したインセンティブ値を所定の処理に引き渡す(S505)。最後に、ユーザA及びユーザBに付与したインセンティブ値を評価値とし、その評価値を該当する行動変容履歴情報に記録する(ステップS506)。上記のステップS501〜S506の処理は、行動変容履歴DB106gに格納された評価値が未計算の行動変容履歴を対象に、繰り返し実行される。
つぎに、本実施形態の行動変容促進装置100の作用効果について説明する。この行動変容促進装置100によれば、特定の第1のユーザのリスクが推定され、その第1のユーザの行動変容の促進に関する評価値が算出され、第1のユーザに対して行動変容を促進する第2のユーザに対して、その評価値がインセンティブ値として付与され、そのインセンティブ値が所定の処理に引き渡される。これにより、ユーザのリスク低減に対する他人の貢献度を算出することができ、その貢献度に応じて所定の処理を実行させることができる。その結果、他人に対してユーザのリスク低減の促進に関するインセンティブを与えることができる。
また、行動変容評価部105は、リスクの時間的変化の度合いに応じて上記評価値を算出している。このようにすれば、リスク低減のための行動変容を簡易かつ適切に評価することができ、その評価結果を用いることでユーザのリスク低減に対する他人の貢献度を適切に算出できる。
また、本実施形態では、リスク理解度算出部102により、ユーザに付与されたインセンティブ値を基に、ユーザのリスクに関するリスク理解度が算出され、行動変容促進部103により、リスク理解度を用いて行動変容を促進するユーザが抽出されている。かかる構成により、より多くの人のリスクの低減に貢献したユーザのリスク理解度が高くすることができるので、ユーザのリスク低減に寄与しうる第2のユーザを効率的に抽出して、第1のユーザのリスク低減を促進することができる。
また、行動変容促進部103は、第2のユーザの行動情報とユーザ情報の関連性を判断することにより、第1のユーザを抽出することも行っている。こうすれば、不特定多数のユーザを対象にした第2のユーザによるリスク低減に寄与する行動変容の促進を受けた第1のユーザを漏れなく効率的に抽出することができ、そのような第1のユーザに行動変容の促進に関するインセンティブを与えることができる。
また、インセンティブ付与部107は、行動変容促進部103によって複数の第2のユーザが抽出された場合には、複数の第2のユーザのそれぞれに対して、当該第2のユーザのリスク理解度あるいは第1のユーザとの関係性に応じて重み付けして割当値を付与している。このような機能により、不特定多数の第2のユーザに対して、第1のユーザのリスク低減に関する貢献度を適切に算出することができる。
また、本実施形態の行動変容促進装置100は、行動変容促進部103が、抽出された第2のユーザに対して第1のユーザのリスクに関連する情報を提示する機能を有している。かかる構成により、第2のユーザに対して、第1のユーザのリスク低減に寄与する行動を効率的に促進させることができる。
また、本実施形態におけるリスク理解度算出部102は、行動変容促進部103による提示に基づいた基準時間と、第1のユーザのリスク量の変化に基づいて、第1のユーザ及び第2のユーザのリスク理解度を算出している。このようにすれば、第2のユーザによるリスク低減に寄与する行動を起因とした第1のユーザのリスク量の変化を用いることで、第1のユーザ及び第2のユーザのリスクの理解度を適切に算出することができる。
上記実施形態においては、主に確認日時を基準時間として、そのリスク変化からユーザのリスクの理解度を求めた。しかしながら、確認日時に限らず、リスクの提示日時としてもよい。また、リスク変化の前後の基準となる基準時間としては、確認日時のほか、変化点の日時(変化時間)としてもよい。
また、上記実施形態においては、行動変容促進部103は、ユーザのサービス利用履歴に関する情報との関連性を判断することにより、第1のユーザを抽出してもよい。例えば、第2のユーザが投稿した内容等を所定のユーザが閲覧したことがサービス利用履歴情報から特定されれば、その結果に基づいて第1のユーザを抽出することができる。こうすれば、第2のユーザによるリスク低減に寄与する情報提供行動を受けた第1のユーザを抽出することができる。
また、上記実施形態においては、行動変容促進部103は、不特定多数の第1のユーザに行動変容を促進するための情報を第2のユーザに提示してもよい。図14には、このような場合に行動変容促進部103によって提示される画面のイメージの一例を示している。このように、ユーザBに対して、不特定多数のユーザ全体のリスクの推移、その不特定多数のユーザのリスクの要因と推定されたリスク要因の全体傾向、及び不特定多数のユーザに対してリスク低減の促進を促すメッセージが画面上に提示される。
また、上記実施形態においては、インセンティブ付与部107は、行動変容促進部103によって抽出されたユーザ以外に評価値を付与することもできる。すなわち、インセンティブ付与部107は、各ユーザの行動変容の促進に関する過去の行動情報が記憶された行動情報DB106fを基に、第1のユーザの行動変容を促進した第2のユーザを抽出し、当該第2のユーザに評価値を付与することができる。すなわち、インセンティブ付与部107は、行動変容評価部105によって評価された第1のユーザのリスクと、行動情報DB106fに記憶された行動情報との時間的及び場所的な関連性を判断することにより、第2のユーザを抽出する。具体的には、行動情報DB106fの中から、評価対象のリスクのリスク種別と関連する行動種別を含み、ユーザ情報DB106bを基に特定される第1のユーザの位置と近い位置情報を含み、かつ、リスクの評価対象の時間に近い日時を含む行動情報を抽出する。そして、インセンティブ付与部107は、抽出した行動情報に関連付けられた人物識別子の示すユーザを第2のユーザとして特定する。
このような機能により、例えば、あるユーザの交通事故のリスクが低減された場合に、そのユーザの近くでリスクが低減された時期に交通安全活動を行った他のユーザを、リスク低減に寄与したユーザとして特定することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における行動変容促進装置100は、本開示の行動変容評価方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図15は、本開示の一実施の形態に係る行動変容促進装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の行動変容促進装置100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。行動変容促進装置100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
行動変容促進装置100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のリスク推定部101、リスク推定モデル構築部104、リスク理解度算出部102、行動変容促進部103、行動変容評価部105、インセンティブ付与部107などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、リスク推定部101、リスク推定モデル構築部104、リスク理解度算出部102、行動変容促進部103、行動変容評価部105、インセンティブ付与部107は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る行動変容評価方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述のリスク情報、ユーザ情報を取得するための取得部(図示せず)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。この取得部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、行動変容促進装置100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE−Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。