JP2021039458A - 防災支援システム及び火災感知器 - Google Patents

防災支援システム及び火災感知器 Download PDF

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Abstract

【課題】火災感知器で火災の前兆現象を捉え、火災感知器と携帯端末の連携により迅速、且つ、適切な対処を可能とする防災支援システム及び火災感知器を提供する。【解決手段】防災支援システムは、防火対象物に設置された火災報知設備10−1の受信機12に信号線14を介して接続された火災感知器16と、防火対象物の関係者が携帯する携帯電話端末20−1,20−2とが、火災報知設備10−1及びその周辺を通信エリアとするWiFiネットワーク等の近距離ネットワークを介して接続される。火災感知器16は、火災予兆と判定したときに、近距離ネットワークを介して火災報知設備10−1及びその周辺に位置する携帯電話端末20−1、20−2に支援起動信号を送信し、所定の防災支援情報を読み出して表示させる。携帯電話端末20−1、20−2は、火点位置情報と防火対象物の地図情報に基づき、火点と自機との位置関係を表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末と連携して火災報知設備を支援する防災支援システム及び火災感知器に関する。
従来、火災報知設備、支援サーバ、及び携帯電話等のモバイル端末を、インターネットを介して連携させることで、監視員の機動性に影響を与えず、またモバイル端末のカメラ装置を用い、現場の状況を画像で示し、緊急連絡先に通報することができるようにしたシステムが提案されている。
特開2013−089076公報 特開2017−117472公報
ところで、火災報知設備にあっては、火災感知器で例えば煙濃度が所定の火災判定濃度に達したときに火災信号を受信機に送信して蓄積動作を開始し、所定の蓄積条件を充足したときに火災と判定しているが、火災と判定する前には、例えば燻焼火災のように煙濃度が徐々に増加するといった火災の前兆現象が見られ、この火災の前兆現象が火災と判定する前に分かれば、火災であった場合と非火災であった場合の対処を迅速且つ適切に行うことが可能となる。
本発明は、火災感知器で火災の前兆現象を捉え、火災感知器と防火対象物の関係者が携帯する携帯端末との連携により迅速且つ適切な対処を可能とする防災支援システム及び火災感知器を提供することを目的とする。
(第1発明:(防災支援システム)
本発明は、防災支援システムであって、
防火対象物に設置された火災報知設備の受信機に信号線を介して接続された火災感知器と、防火対象物の関係者が携帯する携帯端末とが、少なくとも火災報知設備及びその周辺を通信エリアとする近距離ネットワークを介して接続され、
火災感知器は、火災予兆と判定したときに、近距離ネットワークを介して火災報知設備及びその周辺に位置する携帯端末に支援起動信号を送信し、
携帯端末は、支援起動信号を受信したときに、所定の防災支援情報を読み出して表示することを特徴とする。
ここで、火災予兆とは、火災に至る可能性の高い前兆現象であり、火災に至る可能性のない調理による煙や水蒸気、喫煙による煙等の非火災要因による前兆現象も含まれる。
(火災予兆感知器と携帯端末の位置関係表示)
支援起動信号は火災予兆と判定した火災感知器のアドレス情報を含み、防災支援情報は防火対象物の地図情報を含み、
携帯端末は、アドレス情報と防火対象物の地図情報に基づき、火災予兆と判定した火災感知器と自機との位置関係を画面表示する。
(火災予兆の地区名と対処情報の表示)
防災支援情報は、火災報知設備に設けた火災感知器の設置場所を示す地区名、火災予兆と判定した場合の対処行動を示す火災予兆対処情報を少なくとも含み、
携帯端末は、防災支援情報に基づき、火災予兆と判定した火災感知器の地区名及び火災予兆対処情報を画面表示する。
(現場確認と応答送信)
携帯端末が表示する火災予兆対処情報は、少なくとも現場を確認して確認結果を応答送信する操作指示を含み、現場確認の応答操作により火災確認信号又は非火災確認信号を、予兆と判定した火災感知器に送信し、
予兆と判定した火災感知器は、火災確認信号を受信したときに受信機に火災確定信号を送信し、非火災確認信号を受信したときに受信機に非火災確定信号を送信する。
(防災支援情報の取得)
携帯端末は、予め、広域ネットワークを介して接続される支援装置から防災支援情報を取得して記憶するとともに、火災感知器から支援起動信号を受信したときに、記憶した防災支援情報を読み出して表示する。
(火災予兆の判定)
火災感知器は、煙濃度又は温度の検出値が所定の火災判定値より低い状態で所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したときに、火災予兆と判定する。
(第2発明:火災感知器)
本発明の別の形態にあっては、防火対象物に設置されて火災を監視する火災報知設備の火災感知器に於いて、
防災対象物に設置された受信機との間で信号線を介して所定の信号を送受信する有線通信部と、
防火対象物の関係者に携帯される携帯端末との間で、少なくとも火災報知設備及びその周辺を通信エリアとする近距離ネットワークを介して所定の信号を送受信する無線通信部と、
を備えたことを特徴とする。
(火災予兆の判定と防災支援情報の表示)
火災感知器は、火災予兆と判定したときに、無線通信部により火災報知設備及びその周辺に位置する防火対象物の関係者が携帯する携帯端末に支援起動信号を送信して所定の防災支援情報を表示させる手段を備える。
(現場確認と応答送信)
火災感知器は、携帯端末から現場確認の応答操作により、火災確認信号を受信したときに受信機に火災確定信号を送信し、非火災確認信号を受信したときに受信機に非火災確定信号を送信する。
(火災予兆の判定)
火災感知器は、煙濃度又は温度の検出値が所定の火災判定値より低い状態で所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したときに、火災予兆と判定する。
(第1発明:防災支援システムの効果)
本発明の防災支援システムによれば、火災感知器で火災予兆と判定されると、近距離ネットワークを介して火災報知設備およびその周辺に位置する防火対象物の関係者が携帯する携帯端末に支援起動信号を送信して防災支援情報を表示させることができ、火災報知設備又はその周辺にいる関係者は火災検知器で判定された火災予兆を知って現場確認を含む対処を火災の前兆現象の段階で適切に行うことができる。
また、火災感知器からの支援起動信号は、火災予兆と判定した火災感知器が設置された火災報知設備又はその周辺にいる関係者の携帯端末で受信されて支援情報が表示され、現場確認を含む対処を迅速に行うことを可能とする。
(火点と携帯端末の位置関係表示による効果)
また、火災報知設備又はその周辺にいる関係者の携帯端末には、火災予兆と判定した火点と自機(関係者自身の携帯端末)との位置関係が地図情報として画面表示されることで、火点の位置を正確に把握して現場確認等の対処行動をとることができる。
(火災予兆の地区名と対処情報の表示による効果)
また、火災報知設備又はその周辺にいる関係者の携帯端末には、火災予兆と判定した火災感知器の地区名及び火災予兆対処情報が画面表示されることで、火災予兆と判定した場所がどこかを把握し、火災予兆対処情報に従った対処行動を適切にとることができる。
(現場確認と応答送信の効果)
また、火災報知設備及びその周辺にいる関係者は、火災予兆対処情報の指示に従って現場を確認して火災であれば火災確認信号を、非火災であれば非火災確認信号を火災感知器に応答送信し、これに基づき火災感知器は受信機へ火災確定信号又は非火災確定信号を送信し、火災確定による火災警報の報知又は非火災確定による非火災の報知を、火災感知器で火災予兆と判定した段階で行うことができる。
(防災支援情報の取得の効果)
また、携帯端末と広域ネットワークを介して接続される支援装置から火災報知設備に固有な防災支援情報を取得して予め記憶しており、火災感知器で火災予兆と判定したときに防災支援情報を適切に表示させることができる。
(火災予兆判定の効果)
また、火災感知器による煙濃度又は温度の検出値が所定の火災判定値より低い状態で所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したときに、火災予兆と判定することで、火災に至る可能性の高い前兆現象を確実に捉えて火災予兆と判定することができる。
(第2発明:火災感知器の効果)
本発明の火災感知器は、従来の信号線を介した受信機との接続に加え、防火対象物の関係者に携帯される携帯端末に近距離ネットワークを介して接続することができ、火災感知器から火災報知設備又はその周辺にいる関係者の携帯端末に必要とする所定の信号を直接送信して動作させることができる。それ以外の火災感知器の特徴については、前述した防災支援システムと同様の効果が得られる。
本発明による防災支援システムの第1実施形態を示した説明図 図1に示した受信機と火災感知器の機能構成を示した説明図 携帯電話端末の機能構成を示したブロック図 携帯電話端末による防災支援情報の表示画面を示した説明図 防災支援システムの動作を示したタイムチャート 本発明による防災支援システムの第2実施形態を示した説明図
[防災支援システムの第1実施形態]
(火災報知設備)
図1に示すように、ビル等の防火対象物には火災報知設備10(10−1,10−2,10−3・・・)が設置されおり、火災報知設備10−1に代表して示すように、受信機12から例えばビルのフロア単位に引き出された信号線14に火災感知器16を接続している。
火災感知器16は受信機12に信号線14を介して接続するとともに、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線LAN通信部を備え、アンテナ18を介して防火対象物の関係者が保有するスマートフォン等の携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)に近距離ネットワークとして機能する無線LANネットワークを介して接続する。
ここで、WiFi(登録商標)ネットワークは通信可能距離が100メートル程度であり、Bluetooth(登録商標)ネットワークは10〜20メートル程度であり、火災報知設備10(10−1,10−2,10−3・・・)の全域を通信エリアとしてカバーするためには、必要に応じて中継器を設置する。
また、携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)を携帯する防火対象物の関係者には、防災センターや管理人室に勤務する防災管理者や防災担当者、防火対象物を巡回する警備会社係員、ビルに入居した企業等がフロアごとに定めた防災担当社員などを含む。
(予備的火災判定と火災判定)
本実施形態の火災報知設備10はR型(Record−type)の火災報知設備を例にとっている。火災感知器16には固有のアドレスが設定され、受信機12は所定周期、例えば1秒周期で一括A/D変換コマンド信号を送信して全ての火災感知器16で例えばセンサ部により検出している煙濃度又は温度の検出信号をA/D変換して煙濃度検出値又は温度検出値を保持し、続いて感知器アドレスを順次指定した呼出信号を送信して各火災感知器16から煙濃度検出値又は温度検出値を含む応答信号を返送させるポーリングを行う。
火災感知器16は例えば煙濃度検出値が、受信機12で火災と判定するための所定の火災判定値例えば10%/mより低い所定の予備的火災判定値例えば3%/mに達したときに予備的火災と判定し、火災割込み信号を受信機12に送信する。なお、火災割込み信号は、信号線14により送受信している全ての信号を無効化する例えばオール1ビットの信号である。
火災感知器16から火災割込み信号を受信した受信機12は、グループアドレスを指定したグループ検索コマンド信号を送信し、これに対し火災割込み信号を応答したグループアドレスを特定するグループ検索を行い、続いて、検索したグループアドレス内の感知器アドレスを順次指定したグループ内検索コマンド信号を送信し、これに対し火災割込み信号を応答した火災感知器16即ち予備的火災と判定した火災感知器16のアドレスを特定し、予備的火災を示す注意警報(プリアラーム)を出力する。
続いて、受信機12は、予備的火災と判定した火災感知器16からの煙濃度検出値が所定の火災判定値に達し且つ所定の火災判定蓄積条件を充足したとき、例えば所定回数連続して煙濃度検出値が火災判定値を超えたときに火災と判定し、主音響鳴動や地区音響鳴動により火災警報を出力すると共に予め定めた防排煙機器等の連動制御や外部装置への移報出力を含む火災警報動作を行う。
(火災予兆の判定と防災支援)
火災感知器16は、煙濃度検出値が火災判定値10%/mより低い予備的火災判定値3%/mを超えた状態で、所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したとき、例えば煙濃度検出値が所定回数連続して予備的火災判定値を超えたときに火災予兆と判定し、支援起動信号をアンテナ18から無線LANネットワークを介して携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)に送信する。この支援起動信号は、火災予兆と判定した火災感知器16のアドレスを含む。
携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)は、携帯電話基地局24、携帯電話網22及びインターネット26を経由して支援装置として機能する支援サーバ30に接続する。
支援サーバ30は、携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)から火災報知設備10(10−1,10−2,10−3・・・)の設備識別子を含む防災支援情報の送信要求信号を受信すると、設備識別子に対応した火災報知設備10(10−1,10−2,10−3・・・)に対応した防災支援情報を送信し、携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)に予め記憶する。
携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)に予め記憶する防災支援情報は、防火対象物となるビル等の地図情報(フロア地図等)、火災感知器16のアドレスと設置場所を示す地区名、火災予兆と判定した場合の対処行動を示す火災予兆対処情報を少なくとも含む。
また、火災予兆対処情報は、関係者が火災予兆と判定した火災感知器16の設置現場を確認し、確認結果として火災か又は非火災かを応答送信するための操作指示を含む。
火災感知器16から支援起動信号を受信した携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)は、支援起動信号に含まれた火点の位置情報と、予め記憶された防災支援情報に含まれるビル等の地図情報(フロア地図など)に基づき、火点と自機(携帯電話端末20−1,20−2の位置)を示した地図情報を画面表示する。これにより関係者は、携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)の現在位置に対する火点位置を地図情報の画面表示から把握し、同時に画面表示された現場確認の対処指示に基づき、火点位置に出向いて現場確認できる。
火災予兆の判定に基づく火点位置の現場確認は、人による確認であることから火災であれば間違いなく火災と確認でき、また、火災は初期段階にあることから、消火器等により初期消火が可能であり、一方、タバコや調理に伴う煙や湯気の非火災要因であれば、火災でないと確認できる。
現場確認を行った関係者は携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)の画面タッチ操作等により火災確認信号又は非火災確認信号を火災予兆と判定した火災感知器16に送信する。
火災感知器16が火災確認信号を受信した場合、信号線14を介して火災確定信号を受信機12に送信し、火災確定に基づく所定の火災警報動作、連動制御及び移報制御等を行わせる。
一方、火災感知器16が非火災確認信号を受信した場合、信号線14を介して受信機12が非火災確定信号を送信し、予備的火災判定に伴う注意警報を停止して非火災確定を報知し、担当者の復旧操作に基づき受信機12を復旧する。
[受信機と火災感知器の構成と機能]
図2に示すように、受信機12にはCPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路等を用いた受信機制御部32を設け、受信機制御部32には伝送部34、ディスプレイ36、表示部38、操作部40、音響警報部42及び移報部44を接続している。
火災感知器16にはCPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路等を用いた感知器制御部45を設け、煙濃度又は温度を検出するセンサ部46、有線通信部として機能する伝送部48、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線LAN通信を行う無線通信部50を接続している。
感知器制御部45は、予備的火災を判定すると、伝送部48に指示し信号線14を介して受信機12に火災割込み信号を送信する。また、感知器制御部45は予備的火災を判定した状態で火災予兆と判定すると、無線通信部50を介してアンテナ18から支援起動信号を図1に示した携帯電話端末20(20−1,20−2,・・・・)に送信する。
また、感知器制御部45は図1の携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)から火災確認信号を受信した場合、伝送部48に指示し、信号線14を介して受信機12に火災確定信号を送信する。
また、感知器制御部45は図1の携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)から非火災確認信号を受信した場合、伝送部48に指示し、信号線14を介して受信機12に非火災確定信号を送信する。
[携帯電話端末]
(携帯電話端末の構成)
図3に示すように、携帯電話端末20は、個人用の携帯コンピュータの機能を併せもつ携帯電話端末として知られたスマートフォンを例にとっている。携帯電話端末20の携帯電話制御部52は、CPU、メモリ、各種入出力インタフェースを備えたLSIで実現し、インストールしたプログラムを実行し、通話接続、メール接続、インターネット接続などの通信接続及び関連する各種の制御に加え、支援サーバ30への支援情報要求信号の送信、支援サーバ30からの防災支援情報の受信記憶、火災感知器16からの支援起動信号に基づく防災支援情報の読出し表示等の防災支援制御を行う。
携帯電話通信部54は、第3世代移動通信システム(3G)として知られたW−CDMAまたは第4世代移動通信システム(4G)として知られたIMT−Advanced規格により携帯電話通信を行う。
無線LAN通信部56は、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などによる無線LANネットワークをベースにしたIEEE802.11に準拠した無線通信を行う。また無線LAN通信部56は、無線LANのアクセスポイントとしての機能を備える。
GPS通信部58は、周回衛星を使用した全地球測位システム(Global Positioning System)を利用して、現在位置の経度と緯度を取得する。カメラ部60は、CMOS撮像素子を使用して画像の撮像を行い、静止画及び動画を取得する。
SIMカード62は、携帯電話番号を識別するための番号であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)番号を格納したカードであり、SIMカード62の差し替えにより、複数の携帯電話端末で同じ携帯電話番号を利用可能とする。
ディスプレイ64は、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示デバイスを使用し、パネル表面にはタッチパネル66を配置している。音声入出力部68は、マイク、スピーカ、及びオーディオコーデック(Audio CODEC)を備えて音声入出力を行う。
操作部70は、キーパッドや操作釦による利用者の操作を受け付けて電話制御等を行う。メモリカード72は、着脱自在な外部メモリであり、カメラ部60で撮像した画像等の各種データの外部記憶に使用する。
(防災支援画面)
図4に示すように、携帯電話端末20は火災感知器16から支援起動信号を受信したときに防災支援画面74を表示する。防災支援画面74は、「火災予兆です」の火災予兆警報メッセージ76に続いて火災予兆発生情報78として、発生時刻及び発生場所(火点位置)の地区名を表示する。
続いて、火災予兆の対処指示80として現場確認を指示し、続いて、地図情報82を表示する。地図情報82には火点84と自機86を表示し、両者の位置関係がわかることで関係者は自機86の現在位置から火点84に出向いて火災か非火災かの現場確認を行う。
続いて、対処応答指示88、火災確認釦90、非火災確認釦92を設け、火災を確認したときは火災確認釦90をタッチ操作すると火災確認信号を火災予兆と判定した火災感知器16に送信し、非火災を確認したときは非火災確認釦92をタッチ操作すると火災予兆と判定した火災感知器16に非火災確認信号を送信する。なお、火災確認釦90をタッチ操作して火災確認信号を送信したときに、地図情報82に消火器や消火栓等の消火機材の設置場所を表示し、初期消火を支援しても良い。
[防災支援システムの動作]
図5に示すように、携帯電話端末20はステップS1で自機の位置する火災報知設備10の設備識別子を指定した防災支援情報の送信要求を行うと、ステップS2で支援サーバ30は設備識別子で指定された火災報知設備10の防災支援情報を携帯電話端末20に送信し、ステップS3で記憶する。
受信機12はステップS4で1分周期の一括AD変換コマンドと感知器アドレスを順次指定したポーリンク(呼出し)を行い、これに対応して火災感知器15はステップS5で煙濃度又は温度の検出信号をAD変換して検出値として保持し、ポーリングに対し検出値を応答する。
火災感知器16がステップS6で予備的火災を判定するとステップS7で火災割込み信号を受信機12に送信する。受信機12はステップS8で火災割込みを行った火災感知器15のアドレスを検索し、注意警報を出力する。
火災感知器16はステップS10で所定の火災予兆蓄積条件が充足することで火災予兆と判定すると、ステップS11で支援起動信号を携帯電話端末20に送信する。
支援起動信号を受信した携帯電話端末20は、ステップS12で図4に示した防災支援画面74により防災支援情報を表示して現場確認を指示し、ステップS13で火災又は非火災の確認応答操作に基づき火災確認信号又は非火災確認信号を火災予兆と判定した火災感知器16に送信する。
火災感知器16はステップS14で火災確認信号を受信すると火災確定信号を受信機12へ送信し、また、非火災確認信号を受信すると非火災確定信号を受信機12へ送信する。
受信機12は、ステップS15で火災確認信号に応じた受信動作として火災を確定して火災警報動作を行い、また非火災確認信号に応じた受信動作として予備的火災判定に伴う注意警報を停止して非火災を報知し、復旧操作に基づき復旧する。
[防災支援システムの第2実施形態]
図6に示すように、防災支援システムの第2実施形態は、携帯端末としてタブレット端末100(100−1,100−2・・・・)を設けたことを特徴とする。
防火対象物の関係者が携帯するタブレット端末100(100−1,100−2・・・・)は、例えばWiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線LAN通信機能を備え、火災感知器16に近距離ネットワークとして機能する無線LANネットワークを介して接続し、火災感知器16で火災予兆と判定したときの支援起動信号のタブレット端末100(100−1,100−2・・・・)への送信、タブレット端末100(100−1,100−2・・・・)からの現場確認に基づく火災確認信号又は非火災確認信号の火災感知器16への送信を可能とする。
また、タブレット端末100(100−1,100−2・・・・)は、無線LANアダプタ102、無線LAN基地局(アクセスポイント)28及びインターネット26を介して支援サーバ30に接続し、支援サーバ30から防災支援情報を取得して予め記憶する。
これによりタブレット端末100(100−1,100−2・・・・)は第1実施形態に示した携帯電話端末20(20−1,20−2・・・)と同じ制御動作を行うことができる。
[本発明の変形例]
(火災予兆の判定)
火災感知器16で火災予兆と判定する他の形態として、煙濃度検出値又は温度検出値の増加する変化率を求め、この変化率が火災判定変化率より低い所定の予備的火災変化率に達して所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したとき、例えば所定回数連続して予備的火災変化率を超えたときに火災予兆と判定し、支援起動信号を携帯電話端末20又はタブレット端末100に送信しても良い。
(防災支援情報の取得)
携帯電話端末20での防災支援情報の記憶は、支援サーバ30が、予め、携帯電話端末20のGPS機能を利用して経度緯度の位置情報を取得し、火災報知設備10及びその周辺に位置する携帯電話端末20を特定し、特定した携帯電話端末20に防災支援情報を送信して記憶しても良い。
(火災報知設備の二重化)
また、火災感知器は、従来の受信機との信号線接続に加え、携帯電話端末やタブレット端末等の携帯端末を経由して又は直接にインターネット上の支援サーバに接続できるため、例えば、支援サーバに火災受信機の機能を設けることで火災報知設備を二重化することができる。
火災報知設備を二重化した場合、例えば受信機の点検時には、支援サーバと火災感知器の設備系統での火災監視ができる。これ以外にも、火災報知設備の二重化により新たな機能及び利用形態を構築することができる。
(携帯端末の発信機機能)
また、本発明の防災支援システムにあっては、受信機12で受信した火災感知器16からの例えば煙濃度の検出値を支援サーバ30に送信し、支援サーバ30で火災予兆(例えば煙濃度3%/m)と判断したとき或いは火災予兆の前兆となる予備的火災予兆(例えば煙濃度1.5%/m)と判定したとき、火災報知設備10−1又はその近傍に位置する携帯電話端末20(20−1,20−2)に発信機支援信号を送信し、携帯電話端末20(20−1,20−2)は発信機画像を画面表示し、必要に応じて所定の注意音を出力する。
携帯電話端末20(20−1,20−2)を携帯している関係者は、発信機画面が表示されたことで火災の前兆現象が起きていることを知って現場確認するか、あるいは既に火災予兆又は予備的火災予兆の原因となる火災の前兆現象に気付いた場合には、携帯電話端末20−1,20−2に画面表示した発信機画像の押し釦をタッチ操作すること、支援サーバ30を経由して受信機12に火災通報信号が送信され、受信機12は火災確定と判断して火災警報を行う。
このため火災予兆或いは予備的火災予兆と判定した火災の前兆現象の段階で携帯電話端末20(20−1,20−2)に仮想的に発信機が存在することになり、実際に火災発信機を設置した場所を捜して出向くことなく、携帯電話端末20(20−1,20−2)上の仮想発信機による火災通報が可能となる。
(携帯端末の発信機機能)
また、本発明の防災支援システムにあっては、火災感知器16で検出した例えば煙濃度の検出値を携帯電話端末20(20−1,20−2)を経由して支援サーバ30に送信し、支援サーバ30で火災予兆(例えば煙濃度3%/m)と判断したとき或いは火災予兆の前兆となる予備的火災予兆(例えば煙濃度1.5%/m)と判定したとき、火災報知設備10−1又はその近傍に位置する携帯電話端末20(20−1,20−2)に発信機支援信号を送信し、携帯電話端末20(20−1,20−2)は発信機画像を画面表示し、必要に応じて所定の注意音を出力する。
携帯電話端末20(20−1,20−2)を携帯している関係者は、発信機画面が表示されたことで火災の前兆現象が起きていることを知って現場確認するか、あるいは既に火災予兆又は予備的火災予兆の原因となる火災の前兆現象に気付いた場合には、携帯電話端末20−1,20−2に画面表示した発信機画像の押し釦をタッチ操作すること、支援サーバ30を経由して受信機12に火災通報信号を送信し、受信機12は火災確定と判断して火災警報を行う。
また、火災通報信号を受信した受信機12は火災通報応答信号を支援サーバ30を経由して携帯電話端末20(20−1,20−2)に送信し、画面表示している発信機画像の応答ランプが点灯して受信機12で受信したことを知らせる。
このため火災予兆或いは予備的火災予兆と判定した火災の前兆現象の段階で携帯電話端末20(20−1,20−2)に仮想的に発信機が存在することになり、実際に火災発信機を設置した場所を捜して出向くことなく、携帯電話端末20(20−1,20−2)上の仮想発信機による火災通報が可能となる。
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10,10−1〜10−3:火災報知設備
12:受信機
14:信号線
16:火災感知器
18:アンテナ
20,20−1,20−2:携帯電話端末
22:携帯電話網
24:携帯電話基地局
26:インターネット
28:無線LAN基地局
30:支援サーバ
32:受信機制御部
34,48:伝送部
45:感知器制御部
46:センサ部
50:無線通信部
52:携帯電話制御部
54:携帯電話通信部
56:無線LAN通信部
58:GPS通信部
64:ディスプレイ
66:タッチパネル
74:防災支援画面
100,100−1,100−2:タブレット端末
102:無線LANアダプタ

Claims (10)

  1. 防火対象物に設置された火災報知設備の受信機に信号線を介して接続された火災感知器と、前記防火対象物の関係者が携帯する携帯端末とが、少なくとも前記火災報知設備及びその周辺を通信エリアとする近距離ネットワークを介して接続され、
    前記火災感知器は、火災予兆と判定したときに、前記近距離ネットワークを介して前記火災報知設備及びその周辺に位置する前記携帯端末に支援起動信号を送信し、
    前記携帯端末は、前記支援起動信号を受信したときに、所定の防災支援情報を読み出して表示することを特徴とする火災報知設備の防災支援システム。
  2. 請求項1記載の火災報知設備の支援システムに於いて、
    前記支援起動信号は前記火災予兆と判定した前記火災感知器のアドレス情報を含み、前記防災支援情報は前記防火対象物の地図情報を含み、
    前記携帯端末は、前記アドレス情報と前記防火対象物の地図情報に基づき、火災予兆と判定した前記火災感知器と自機との位置関係を画面表示することを特徴とする防災支援システム。
  3. 請求項1記載の火災報知設備の支援システムに於いて、
    前記防災支援情報は、前記火災報知設備に設けた火災感知器の設置場所を示す地区名、火災予兆と判定した場合の対処行動を示す火災予兆対処情報を少なくとも含み、
    前記携帯端末は、前記防災支援情報に基づき、前記火災予兆と判定した前記火災感知器の地区名及び前記火災予兆対処情報を画面表示することを特徴とする防災支援システム。
  4. 請求項1記載の火災報知設備の支援システムに於いて、
    前記携帯端末が表示する前記火災予兆対処情報は、少なくとも現場を確認して確認結果を応答送信する操作指示を含み、前記現場確認の応答操作により火災確認信号又は非火災確認信号を、前記予兆と判定した前記火災感知器に送信し、
    前記予兆と判定した前記火災感知器は、前記火災確認信号を受信したときに前記受信機に火災確定信号を送信し、前記非火災確認信号を受信したときに前記受信機に非火災確定信号を送信することを特徴とする防災支援システム。
  5. 請求項1記載の火災報知設備の支援システムに於いて、
    前記携帯端末は、予め、広域ネットワークを介して接続される支援装置から前記防災支援情報を取得して記憶するとともに、前記火災感知器から前記支援起動信号を受信したときに、記憶した前記防災支援情報を読み出して表示することを特徴とする火災報知設備の支援システム。
  6. 請求項1記載の火災報知設備の支援システムに於いて、
    前記火災感知器は、煙濃度又は温度の検出値が所定の火災判定値より低い状態で所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したときに、前記火災予兆と判定することを特徴とする防災支援システム。
  7. 防火対象物に設置されて火災を監視する火災報知設備の火災感知器に於いて、
    前記防災対象物に設置された受信機との間で信号線を介して所定の信号を送受信する有線通信部と、
    前記防火対象物の関係者に携帯される携帯端末との間で、少なくとも前記火災報知設備及びその周辺を通信エリアとする近距離ネットワークを介して所定の信号を送受信する無線通信部と、
    を備えたことを特徴とする火災感知器。
  8. 請求項7記載の火災感知器に於いて、
    火災予兆と判定したときに、前記近距離無線通信部により前記火災報知設備及びその周辺に位置する前記防火対象物の関係者が携帯する携帯端末に支援起動信号を送信して所定の防災支援情報を表示させる手段を備えたことを特徴とする火災感知器。
  9. 請求項8記載の火災感知器に於いて、
    前記携帯端末から現場確認の応答操作により、火災確認信号を受信したときに前記受信機に火災確定信号を送信し、前記非火災確認信号を受信したときに前記受信機に非火災確定信号を送信することを特徴とする火災感知器。
  10. 請求項8記載の火災感知器に於いて、煙濃度又は温度の検出値が所定の火災判定値より低い状態で所定の火災予兆判定蓄積条件を充足したときに、前記火災予兆と判定することを特徴とする防災支援システム。
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