《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図9(b)を用いて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
液晶露光装置10は、照明系12、回路パターン等のパターンが形成されたマスクMを保持するマスクステージ14、投影光学系16、装置本体18、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ステージ装置20、及びこれらの制御系等を有している。以下、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向として説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系12は、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。
マスクステージ14は、光透過型のマスクMを保持している。主制御装置50(図6参照)は、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系52(図6参照)を介してマスクステージ14(すなわちマスクM)を、照明系12(照明光IL)に対してX軸方向(スキャン方向)に所定の長ストロークで駆動するとともに、Y軸方向、及びθz方向に微少駆動する。マスクステージ14の水平面内の位置情報は、例えばレーザ干渉計を含むマスクステージ位置計測系54(図6参照)により求められる。
投影光学系16は、マスクステージ14の下方に配置されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ型の投影光学系であり、例えば正立正像を形成する両側テレセントリックな複数の光学系を備えている。投影光学系16から基板Pに投射される照明光ILの光軸AXは、Z軸にほぼ平行である。
液晶露光装置10では、照明系12からの照明光ILによって所定の照明領域内に位置するマスクMが照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMのパターンの投影像(部分的なパターンの像)が、基板P上の露光領域に形成される。そして、照明領域(照明光IL)に対してマスクMが走査方向に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pが走査方向に相対移動することで、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMに形成されたパターン(マスクMの走査範囲に対応するパターン全体)が転写される。ここで、マスクM上の照明領域と基板P上の露光領域(照明光の照射領域)とは、投影光学系16によって互いに光学的に共役な関係になっている。
装置本体18は、上記マスクステージ14、及び投影光学系16を支持する部分であり、複数の防振装置18dを介してクリーンルームの床F上に設置されている。装置本体18は、例えば米国特許出願公開第2008/0030702号明細書に開示される装置本体と同様に構成されており、上記投影光学系16を支持する上架台部18a(光学定盤などとも称される)、一対の下架台部18b(図1では、紙面奥行き方向に重なっているため一方は不図示。図2参照)、及び一対の中架台部18cを有している。
基板ステージ装置20は、基板Pを投影光学系16(照明光IL)に対して高精度位置決めする部分であり、基板Pを水平面(X軸方向、及びY軸方向)に沿って所定の長ストロークで駆動するとともに、6自由度方向に微少駆動する。基板ステージ装置20は、ベースフレーム22、粗動ステージ24、重量キャンセル装置26、Xガイドバー28、基板テーブル30、非接触ホルダ32、一対の補助テーブル34、基板キャリア40などを備えている。
ベースフレーム22は、一対のXビーム22aを備えている。Xビーム22aは、X軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成る。一対のXビーム22aは、Y軸方向に所定間隔で配置されており、それぞれ脚部22bを介して装置本体18とは物理的に分離(振動的に絶縁)された状態で床F上に設置されている。一対のXビーム22a、及び脚部22bは、それぞれ接続部材22cにより一体的に接続されている。
粗動ステージ24は、基板PをX軸方向に長ストロークで駆動するための部分であり、上記一対のXビーム22aに対応して、一対のXキャリッジ24aを備えている。Xキャリッジ24aは、YZ断面逆L字状に形成され、対応するXビーム22a上に複数の機械的なリニアガイド装置24cを介して載置されている。
一対のXキャリッジ24aそれぞれは、基板テーブル30を駆動するための基板テーブル駆動系56(図6参照)の一部であるXリニアアクチュエータを介して主制御装置50(図6参照)により、対応するXビーム22aに沿ってX軸方向に所定の長ストローク(基板PのX軸方向の長さの1〜1.5倍程度)で同期駆動される。Xキャリッジ24aを駆動するためのXリニアアクチュエータの種類は、適宜変更可能であり、図2では、例えばXキャリッジ24aが有する可動子と、対応するXビーム22aが有する固定子とを含むリニアモータ24dが用いられているが、これに限られず、例えば送りネジ(ボールネジ)装置などを使用することも可能である。
また、図2に示されるように、粗動ステージ24は、一対のY固定子62aを有している。Y固定子62aは、Y軸方向に延びる部材から成る(図1参照)。一方のY固定子62aは、粗動ステージ24の+X側の端部近傍において、他方のY固定子62aは、粗動ステージ24の−X側の端部近傍において、それぞれ一対のXキャリッジ24a上に架設されている(図1参照)。Y固定子62aの機能については後述する。
重量キャンセル装置26は、粗動ステージ24が有する一対のXキャリッジ24a間に挿入されており、基板テーブル30、及び非接触ホルダ32を含む系の自重を下方から支持している。重量キャンセル装置26の詳細に関しては、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されているので、説明を省略する。重量キャンセル装置26は、該重量キャンセル装置26から放射状に延びる複数の接続装置26a(フレクシャ装置とも称される)を介して、粗動ステージ24に対して機械的に接続されており、粗動ステージ24に牽引されることにより、粗動ステージ24と一体的にX軸方向に移動する。なお、重量キャンセル装置26は、該重量キャンセル装置26から放射状に延びる接続装置26aを介して、粗動ステージ24に接続されるとしたが、X軸方向にのみ移動するためX方向に延びる接続装置26aにより、粗動ステージ24に接続される構成としても良い。
Xガイドバー28は、重量キャンセル装置26が移動する際の定盤として機能する部分である。Xガイドバー28は、X軸方向に延びる部材から成り、図1に示されるように、ベースフレーム22が有する一対のXビーム22a間に挿入され、装置本体18が有する一対の下架台部18b上に固定されている。Y軸方向に関して、Xガイドバー28の中心は、照明光ILにより基板P上に生成される露光領域の中心とほぼ一致している。Xガイドバー28の上面は、XY平面(水平面)と平行に設定されている。上記重量キャンセル装置26は、Xガイドバー28上に、例えばエアベアリング26bを介して非接触状態で載置されている。粗動ステージ24がベースフレーム22上でX軸方向に移動する際、重量キャンセル装置26は、Xガイドバー28上をX軸方向に移動する。
基板テーブル30は、平面視でX軸方向を長手方向とする矩形の板状(あるいは箱形)の部材から成り、図2に示されるように、中央部が球面軸受け装置26cを介してXY平面に対して揺動自在な状態で重量キャンセル装置26に下方から非接触支持されている。また、基板テーブル30には、図1に示されるように、一対の補助テーブル34(図2では不図示)が接続されている。一対の補助テーブル34の機能については、後述する。
図2に戻り、基板テーブル30は、基板テーブル駆動系56(図6参照)の一部であって、粗動ステージ24が有する固定子と基板テーブル30自体が有する可動子とを含む複数のリニアモータ30a(例えばボイスコイルモータ)により、粗動ステージ24に対して、水平面(XY平面)に対して交差する方向、すなわちZ軸方向、θx方向、及びθy方向(以下、Zチルト方向と称する)に適宜微小駆動される。
基板テーブル30は、基板テーブル30から放射状に延びる複数の接続装置30b(フレクシャ装置)を介して、粗動ステージ24に対して機械的に接続されている。接続装置30bは、例えばボールジョイントを含み、基板テーブル30の粗動ステージ24に対するZチルト方向への微小ストロークでの相対移動を阻害しないようになっている。また、粗動ステージ24がX軸方向に長ストロークで移動する場合には、上記複数の接続装置30bを介して粗動ステージ24に牽引されることにより、粗動ステージ24と基板テーブル30とが、一体的にX軸方向に移動する。なお、基板テーブル30は、Y軸方向へ移動しないため、粗動ステージ24に対して放射状に延びる接続装置30bではなく、X軸方向に平行な複数の接続装置30bを介して、粗動ステージ24に接続されるようにしても良い。
非接触ホルダ32は、平面視でX軸方向を長手方向とする矩形の板状(あるいは箱形)の部材から成り、その上面で基板Pを下方から支持する。非接触ホルダ32は、基板Pにたるみ、皺などが生じないようにする(平面矯正する)機能を有する。非接触ホルダ32は、基板テーブル30の上面に固定されており、上記基板テーブル30と一体的にX軸方向に長ストロークで移動するとともに、Zチルト方向に微小移動する。
非接触ホルダ32の上面(基板支持面)における四辺それぞれの長さは、基板Pの四辺それぞれの長さとほぼ同じに(実際には幾分短く)設定されている。従って、非接触ホルダ32は、基板Pのほぼ全体を下方から支持すること、具体的には、基板P上における露光対象領域(基板Pの端部近傍に形成される余白領域を除く領域)を下方から支持可能となっている。
非接触ホルダ32には、基板ステージ装置20の外部に設置された不図示の加圧気体供給装置と真空吸引装置とが、例えばチューブなどの配管部材を介して接続されている。また、非接触ホルダ32の上面(基板載置面)には、上記配管部材と連通する微小な孔部が複数形成されている。非接触ホルダ32は、上記加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば圧縮空気)を上記孔部(の一部)を介して基板Pの下面に噴出することにより基板Pを浮上させる。また、非接触ホルダ32は、上記加圧気体の噴出と併用して、上記真空吸引装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面と基板支持面との間の空気を吸引する。これにより、基板Pに荷重(プリロード)が作用し、非接触ホルダ32の上面に沿って平面矯正される。ただし、基板Pと非接触ホルダ32との間に隙間が形成されることから、基板Pと非接触ホルダ32との水平面に平行な方向の相対移動は阻害されない。
基板キャリア40は、基板Pを保持する部分であり、該基板Pを照明光IL(図1参照)に対して水平面内の3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)に移動させる。基板キャリア40は、平面視で矩形の枠状(額縁状)に形成されており、基板Pの端部(外周縁部)近傍の領域(余白領域)を保持した状態で、非接触ホルダ32に対してXY平面に沿って移動する。以下、基板キャリア40の詳細を図3を用いて説明する。
基板キャリア40は、図3に示されるように、一対のXフレーム42xと、一対のYフレーム42yとを備えている。一対のXフレーム42xは、それぞれX軸方向に延びる平板状の部材から成り、Y軸方向に所定の(基板P及び非接触ホルダ32のY軸方向の寸法よりも広い)間隔で配置されている。また、一対のYフレーム42yは、それぞれY軸方向に延びる平板状の部材から成り、X軸方向に所定の(基板P及び非接触ホルダ32のX軸方向の寸法よりも広い)間隔で配置されている。
+X側のYフレーム42yは、一対のXフレーム42xそれぞれ+X側の端部近傍における下面にスペーサ42aを介して接続されている。同様に、−X側のYフレーム42yは、一対のXフレーム42xそれぞれの−X側の端部近傍における下面にスペーサ42aを介して接続されている。これにより、一対のYフレーム42yの上面の高さ位置(Z軸方向の位置)は、一対のXフレーム42xの下面の高さ位置よりも低く(−Z側)に設定されている。
また、一対のXフレーム42xそれぞれの下面には、一対の吸着パッド44がX軸方向に離間して取り付けられている。従って、基板キャリア40は、合計で、例えば4つの吸着パッド44を有している。吸着パッド44は、一対のXフレーム42xが互いに向かい合う面から、互いに対向する方向(基板キャリア40の内側)に突き出して配置されている。例えば4つの吸着パッド44は、一対のXフレーム42x間に基板Pが挿入された状態で、該基板Pの四隅部近傍(余白領域)を下方から支持できるように、水平面内の位置(Xフレーム42xに対する取り付け位置)が設定されている。例えば4つの吸着パッド44それぞれには、不図示の真空吸引装置が接続されている。吸着パッド44は、上記真空吸引装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持する。なお、吸着パッド44の数は、これに限定されず、適宜変更が可能である。
ここで、図2に示されるように、非接触ホルダ32と基板キャリア40とが組み合わされた状態で、基板Pは、基板キャリア40の有する吸着パッド44によって四隅部近傍が下方から支持(吸着保持)されるとともに、中央部を含むほぼ全面が非接触ホルダ32により下方から非接触支持される。この状態で、基板Pの+X側及び−X側の端部は、非接触ホルダ32の+X側及び−X側の端部からそれぞれ突き出しており、例えば4つの吸着パッド44(図2では一部不図示)は、該基板Pの非接触ホルダ32から突き出した部分を吸着保持する。すなわち、吸着パッド44は、X軸方向に関して非接触ホルダ32の外側に位置するように、Xフレーム42xに対する取り付け位置が設定されている。
次に基板キャリア40を駆動するための基板キャリア駆動系60(図6参照)について説明する。本実施形態において、主制御装置50(図6参照)は、該基板キャリア駆動系60を介して、基板キャリア40を非接触ホルダ32に対してY軸方向に長ストロークで駆動するとともに、水平面内3自由度方向に微小駆動する。また、主制御装置50は、上述した基板テーブル駆動系56(図6参照)と、基板キャリア駆動系60とを介して、非接触ホルダ32と基板キャリア40とをX軸方向に一体的に(同期して)駆動する。
基板キャリア駆動系60は、図2に示されるように、上述した粗動ステージ24が有するY固定子62aと、該Y固定子62aと協働してY軸方向の推力を発生するY可動子62bとを含む、一対のYリニアアクチュエータ62を備えている。一対のYリニアアクチュエータ62それぞれのY可動子62bには、図4に示されるように、Y固定子64aとX固定子66aとが取り付けられている。
Y固定子64aは、基板キャリア40(Yフレーム42yの下面)に取り付けられたY可動子64bと協働して基板キャリア40にY軸方向の推力を付与するYボイスコイルモータ64を構成している。また、X固定子66aは、基板キャリア40(Yフレーム42yの下面)に取り付けられたX可動子66bと協働して基板キャリア40にX軸方向の推力を付与するXボイスコイルモータ66を構成している。このように、基板ステージ装置20は、基板キャリア40の+X側、及び−X側のそれぞれにYボイスコイルモータ64とXボイスコイルモータ66とをそれぞれ1つ有している。
ここで、基板キャリア40の+X側と−X側とで、Yボイスコイルモータ64、及びXボイスコイルモータ66は、それぞれ基板Pの重心位置を中心に点対称に配置されている。従って、基板キャリア40の+X側のXボイスコイルモータ66と、基板キャリア40の−X側のXボイスコイルモータ66とを用いて基板キャリア40にX軸方向に推力を作用させる際、基板Pの重心位置にX軸方向に平行に推力を作用させたのと同様の効果を得ること、すなわち基板キャリア40(基板P)にθz方向のモーメントが作用することを抑制することができる。なお、一対のYボイスコイルモータ64に関しては、X軸方向に関する基板Pの重心(線)を挟んで配置されているので、基板キャリア40にθz方向のモーメントが作用しない。
基板キャリア40は、上記一対のYボイスコイルモータ64、及び一対のXボイスコイルモータ66を介して、主制御装置50(図6参照)により、粗動ステージ24(すなわち非接触ホルダ32)に対して水平面内の3自由度方向に微少駆動される。また、主制御装置50は、粗動ステージ24(すなわち非接触ホルダ32)がX軸方向に長ストロークで移動する際に、非接触ホルダ32と基板キャリア40とが一体的にX軸方向に長ストロークで移動するように、上記一対のXボイスコイルモータ66を用いて、基板キャリア40にX軸方向の推力を付与する。
また、主制御装置50(図6参照)は、上記一対のYリニアアクチュエータ62、及び一対のYボイスコイルモータ64を用いて、基板キャリア40を非接触ホルダ32に対してY軸方向に長ストロークで相対移動させる。具体的に説明すると、主制御装置50は、一対のYリニアアクチュエータ62のY可動子62bをY軸方向に移動させつつ、該Y可動子62bに取り付けられたY固定子64aを含むYボイスコイルモータ64を用いて基板キャリア40にY軸方向の推力を作用させる。これにより、基板キャリア40は、非接触ホルダ32と独立(分離)してY軸方向に長ストロークで移動する。
このように、本実施形態の基板ステージ装置20において、基板Pを保持する基板キャリア40は、X軸(走査)方向に関しては、非接触ホルダ32と一体的に長ストロークで移動し、Y軸方向に関しては、非接触ホルダ32とは独立に長ストロークで移動する。なお、図2から分かるように、吸着パッド44のZ位置と、非接触ホルダ32のZ位置とが一部重複しているが、基板キャリア40が非接触ホルダ32に対して長ストロークで相対移動するのは、Y軸方向のみであるので、吸着パッド44と非接触ホルダ32とが接触するおそれはない。
また、基板テーブル30(すなわち非接触ホルダ32)がZチルト方向に駆動された場合、非接触ホルダ32に平面矯正された基板Pが、非接触ホルダ32とともにZチルト方向に姿勢変化するので、基板Pを吸着保持する基板キャリア40は、該基板PとともにZチルト方向に姿勢変化する。なお、吸着パッド44の弾性変形により基板キャリア40の姿勢が変化しないようにしても良い。
図1に戻り、一対の補助テーブル34は、基板キャリア40が非接触ホルダ32と分離してY軸方向に相対移動する際に非接触ホルダ32と協働して、該基板キャリア40が保持する基板Pの下面を支持する装置である。上述したように基板キャリア40は、基板Pを保持した状態で、非接触ホルダ32に対して相対移動することから、例えば図1に示される状態から基板キャリア40が+Y方向に移動すると、基板Pの+Y側の端部近傍が非接触ホルダ32に支持されなくなる。このため、基板ステージ装置20では、上記基板Pのうち、非接触ホルダ32により支持されない部分の自重による撓みを抑制するため、該基板Pを一対の補助テーブル34の一方を用いて下方から支持する。一対の補助テーブル34は、紙面左右対称に配置されている点を除き、実質的に同じ構造である。
補助テーブル34は、図3に示されるように、複数のエア浮上ユニット36を有している。なお、本実施形態において、エア浮上ユニット36は、Y軸方向に延びる棒状に形成され、複数のエア浮上ユニット36がX軸方向に所定間隔で配置される構成であるが、基板Pの自重に起因する撓みを抑制することができれば、その形状、数、配置などは、特に限定されない。複数のエア浮上ユニット36は、図4に示されるように、基板テーブル30の側面から突き出したアーム状の支持部材36aに下方から支持されている。複数のエア浮上ユニット36と非接触ホルダ32との間には、微小な隙間が形成されている。
エア浮上ユニット36の上面の高さ位置は、非接触ホルダ32の上面の高さ位置とほぼ同じに(あるいは幾分低く)設定されている。エア浮上ユニット36は、その上面から基板Pの下面に対して気体(例えば空気)を噴出することにより、該基板Pを非接触支持する。なお、上述した非接触ホルダ32は、基板Pにプリロードを作用させて基板Pの平面矯正を行ったが、エア浮上ユニット36は、基板Pの撓みを抑制することができれば良いので、単に基板Pの下面に気体を供給するだけでもよく、エア浮上ユニット36上における基板Pの高さ位置を特に管理しなくてもよい。
次に、基板Pの6自由度方向の位置情報を計測するための基板位置計測系について説明する。基板位置計測系は、基板テーブル30の水平面に交差する方向の位置情報(Z軸方向の位置情報、θx及びθy方向の回転量情報。以下「Zチルト位置情報」と称する)を求めるためのZチルト位置計測系58(図6参照)と、基板キャリア40のXY平面内の位置情報(X軸方向、及びY軸方向の位置情報、並びにθz方向の回転量情報)を求めるための水平面内位置計測系70(図6参照)とを含む。
Zチルト位置計測系58(図6参照)は、図2に示されるように、基板テーブル30の下面であって、球面軸受け装置26cの周囲に固定された複数(少なくとも3つ)のレーザ変位計58aを含む。レーザ変位計58aは、重量キャンセル装置26の筐体に固定されたターゲット58bに対して計測光を照射し、その反射光を受光することにより、該計測光の照射点における基板テーブル30のZ軸方向の変位量情報を主制御装置50(図6参照)に供給する。例えば、少なくとも3つのレーザ変位計58aは、同一直線上にない3箇所(例えば正三角形の頂点に対応する位置)に配置されており、主制御装置50は、該少なくとも3つのレーザ変位計58aの出力に基づいて、基板テーブル30(すなわち基板P)のZチルト位置情報を求める。重量キャンセル装置26は、Xガイドバー28の上面(水平面)に沿って移動するので、主制御装置50は、基板テーブル30のX位置に関わらず、基板テーブル30の水平面に対する姿勢変化を計測することができる。
水平面内位置計測系70(図6参照)は、図1に示されるように、一対のヘッドユニット72を有している。一方のヘッドユニット72は、投影光学系16の−Y側に配置され、他方のヘッドユニット72は、投影光学系16の+Y側に配置されている。
一対のヘッドユニット72それぞれは、基板キャリア40が有する反射型の回折格子を用いて基板Pの水平面内の位置情報を求める。一対のヘッドユニット72に対応して、基板キャリア40の一対のXフレーム42xそれぞれの上面には、図3に示されるように、複数(図3では、例えば6枚)のスケール板46が貼り付けられている。スケール板46は、X軸方向に延びる平面視帯状の部材から成る。スケール板46のX軸方向の長さは、Xフレーム42xのX軸方向の長さに比べて短く、複数のスケール板46が、X軸方向に所定の間隔で(互いに離間して)配列されている。
図5には、+Y側のXフレーム42xと、これに対応するヘッドユニット72が示されている。Xフレーム42x上に固定された複数のスケール板46それぞれには、Xスケール48xとYスケール48yとが形成されている。Xスケール48xは、スケール板46の−Y側の半分の領域に形成され、Yスケール48yは、スケール板46の+Y側の半分の領域に形成されている。Xスケール48xは、反射型のX回折格子を有し、Yスケール48yは、反射型のY回折格子を有している。なお、図5では、理解を容易にするために、Xスケール48x、Yスケール48yを形成する複数の格子線間の間隔(ピッチ)は、実際よりも広く図示されている。
ヘッドユニット72は、図4に示されるように、Yリニアアクチュエータ74、該Yリニアアクチュエータ74により投影光学系16(図1参照)に対してY軸方向に所定のストロークで駆動されるYスライダ76、及びYスライダ76に固定された複数の計測ヘッド(Xエンコーダヘッド78x、80x、Yエンコーダヘッド78y、80y)を備えている。図1及び図4で紙面左右対称に構成されている点を除き、一対のヘッドユニット72は、同様に構成されている。また、一対のXフレーム42x上それぞれに固定された複数のスケール板46も、図1及び図4において、左右対称に構成されている。
Yリニアアクチュエータ74は、装置本体18が有する上架台部18aの下面に固定されている。Yリニアアクチュエータ74は、Yスライダ76をY軸方向に直進案内するリニアガイドと、Yスライダ76に推力を付与する駆動系とを備えている。リニアガイドの種類は、特に限定されないが、繰り返し再現性の高いエアベアリングが好適である。また、駆動系の種類も、特に限定されず、例えばリニアモータ、ベルト(あるいはワイヤ)駆動装置などを用いることができる。
Yリニアアクチュエータ74は、主制御装置50(図6参照)により制御される。Yリニアアクチュエータ74によるYスライダ76のY軸方向へのストローク量は、基板P(基板キャリア40)のY軸方向へのストローク量と同等に設定されている。
ヘッドユニット72は、図5に示されるように、一対のXエンコーダヘッド78x(以下「Xヘッド78x」と称する)、及び一対のYエンコーダヘッド78y(以下「Yヘッド78y」と称する)を備えている。一対のXヘッド78x、一対のYヘッド78yは、それぞれX軸方向に所定距離で離間して配置されている。
Xヘッド78x、及びYヘッド78yは、例えば米国特許出願公開第2008/0094592号明細書に開示されるような、いわゆる回折干渉方式のエンコーダヘッドであり、対応するスケール(Xスケール48x、Yスケール48y)に対して下向き(−Z方向)に計測ビームを照射し、そのスケールからのビーム(戻り光)を受光することにより、基板キャリア40の変位量情報を主制御装置50(図6参照)に供給する。
すなわち、水平面内位置計測系70(図6参照)では、一対のヘッドユニット72が有する合計で、例えば4つのXヘッド78xと、該Xヘッド78xに対向するXスケール48xとによって、基板キャリア40のX軸方向の位置情報を求めるための、例えば4つのXリニアエンコーダシステムが構成されている。同様に、一対のヘッドユニット72が有する合計で、例えば4つのYヘッド78yと、該Yヘッド78yに対向するYスケール48yとによって、基板キャリア40のY軸方向の位置情報を求めるための、例えば4つのYリニアエンコーダシステムが構成されている。
ここで、ヘッドユニット72が有する一対のXヘッド78x、及び一対のYヘッド78yそれぞれのX軸方向に関する間隔は、隣接するスケール板46間の間隔よりも広く設定されている。これにより、Xエンコーダシステム、及びYエンコーダシステムでは、基板キャリア40のX軸方向の位置に関わらず、一対のXヘッド78xのうち常に少なくとも一方がXスケール48xに対向するとともに、一対のYヘッド78yのうちの少なくとも一方が常にYスケール48yに対向する。
具体的には、主制御装置50(図6参照)は、一対のXヘッド78xがともにXスケール48xに対向した状態では、該一対のXヘッド78xの出力の平均値に基づいて基板キャリア40のX位置情報を求める。また、主制御装置50は、一対のXヘッド78xの一方のみがXスケール48xに対向した状態では、該一方のXヘッド78xの出力のみに基づいて基板キャリア40のX位置情報を求める。従って、Xエンコーダシステムは、基板キャリア40の位置情報を途切れさせることなく主制御装置50に供給することができる。Yエンコーダシステムについても同様である。
ここで、上述したように、本実施形態の基板キャリア40は、Y軸方向にも所定の長ストロークで移動可能であることから、主制御装置50(図6参照)は、Xヘッド78x、Yヘッド78yそれぞれと、対応するスケール48x、48yとの対向状態が維持されるように、基板キャリア40のY軸方向の位置に応じて一対のヘッドユニット72それぞれのYスライダ76(図4参照)を、基板キャリア40に追従するように、Yリニアアクチュエータ74(図4参照)を介してY軸方向に駆動する。主制御装置50は、Yスライダ76(すなわち各ヘッド78x、78y)のY軸方向の変位量(位置情報)と、各ヘッド78x、78yからの出力とを併せて、総合的に基板キャリア40の水平面内の位置情報を求める。
Yスライダ76(図4参照)の水平面内の位置(変位量)情報は、上記Xヘッド78x、Yヘッド78yを用いたエンコーダシステムと同等の計測精度のエンコーダシステムにより求められる。Yスライダ76は、図4及び図5から分かるように、一対のXエンコーダヘッド80x(以下「Xヘッド80x」と称する)、及び一対のYエンコーダヘッド80y(以下「Yヘッド80y」と称する)を有している。一対のXヘッド80x、及び一対のYヘッド80yは、それぞれY軸方向に所定距離で離間して配置されている。
主制御装置50(図6参照)は、装置本体18の上架台部18a(それぞれ図1参照)の下面に固定された複数のスケール板82を用いて、Yスライダ76の水平面内の位置情報を求める。スケール板82は、Y軸方向に延びる平面視帯状の部材から成る。本実施形態では、一対のヘッドユニット72それぞれの上方に、例えば2枚のスケール板82が、Y軸方向に所定間隔で(互いに離間して)配置されている。
図5に示されるように、スケール板82の下面における+X側の領域には、上記一対のXヘッド80xに対向してXスケール84xが形成され、スケール板82の下面における−X側の領域には、上記一対のYヘッド80yに対向してYスケール84yが形成されている。Xスケール84x、Yスケール84yは、上述したスケール板46に形成されたXスケール48x、Yスケール48yと実質的に同様な構成の光反射型回折格子である。また、Xヘッド80x、Yヘッド80yも上述したXヘッド78x、Yヘッド78y(下向きヘッド)と同様の構成の回折干渉方式のエンコーダヘッドである。
一対のXヘッド80x、及び一対のYヘッド80yは、対応するスケール(Xスケール84x、Yスケール84y)に対して上向き(+Z方向)に計測ビームを照射し、そのスケールからのビームを受光することにより、Yスライダ76(図4参照)の水平面内の変位量情報を主制御装置50(図6参照)に供給する。一対のXヘッド80x、及び一対のYヘッド80yそれぞれのY軸方向に関する間隔は、隣接するスケール板82間の間隔よりも広く設定されている。これにより、Yスライダ76のY軸方向の位置に関わらず、一対のXヘッド80xのうち常に少なくとも一方がXスケール84xに対向するとともに、一対のYヘッド80yのうちの少なくとも一方が常にYスケール84yに対向する。従って、Yスライダ76の位置情報を途切れさせることなく主制御装置50(図6参照)に供給することができる。
図6には、液晶露光装置10(図1参照)の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置50の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置50は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、液晶露光装置10の構成各部を統括制御する。
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、主制御装置50(図6参照)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14上へのマスクMのロードが行われるとともに、不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置20(基板キャリア40、及び非接触ホルダ32)上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置50により、不図示のアライメント検出系を用いたアライメント計測、及び不図示のオートフォーカスセンサ(基板Pの面位置計測系)を用いたフォーカスマッピングが実行され、そのアライメント計測、及びフォーカスマッピングの終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
次に、露光動作時における基板ステージ装置20の動作の一例を、図7(a)〜図9(b)を用いて説明する。なお、以下の説明では、1枚の基板P上に4つのショット領域が設定された場合(いわゆる4面取りの場合)を説明するが、1枚の基板P上に設定されるショット領域の数、及び配置は、適宜変更可能である。また、本実施形態において、露光処理は、一例として基板Pの−Y側且つ+X側に設定された第1ショット領域S1から行われるものとして説明する。また、図面の錯綜を避けるため、図7(a)〜図9(b)では、基板ステージ装置20が有する要素の一部が省略されている。
図7(a)及び図7(b)には、アライメント動作等が完了し、第1ショット領域S1に対する露光動作の準備が終了した状態の基板ステージ装置20の平面図、及び正面図がそれぞれ示されれている。基板ステージ装置20では、図7(a)に示されるように、投影光学系16からの照明光IL(それぞれ図7(b)参照)が照射されることにより基板P上に形成される露光領域IA(ただし、図7(a)に示される状態では、まだ基板Pに対し照明光ILは照射されていない)よりも、第1ショット領域S1の+X側の端部が幾分−X側に位置するように、水平面内位置計測系70(図6参照)の出力に基づいて基板Pの位置決めがされる。
また、Y軸方向に関して、露光領域IAの中心と、Xガイドバー28(すなわち非接触ホルダ32)の中心とがほぼ一致していることから、基板キャリア40に保持された基板Pの+Y側の端部近傍は、非接触ホルダ32から突き出している。基板Pは、該突き出した部分が非接触ホルダ32の+Y側に配置された補助テーブル34に下方から支持される。この際、基板Pの+Y側の端部近傍は、非接触ホルダ32による平面矯正が行われないが、露光対象の第1ショット領域S1を含む領域は、平面矯正が行われた状態が維持されるので、露光精度に影響はない。
次いで、図7(a)及び図7(b)に示される状態から、マスクM(図1参照)と同期して、図8(a)及び図8(b)に示されるように、基板キャリア40と非接触ホルダ32とが、水平面内位置計測系70(図6参照)の出力に基づいて、Xガイドバー28上で+X方向へ一体的に(同期して)駆動(加速、等速駆動、及び減速)される(図8(a)の黒矢印参照)。基板キャリア40と非接触ホルダ32とがX軸方向に等速駆動される間、基板Pには、マスクM(図1参照)及び投影光学系16を通過した照明光IL(それぞれ図8(b)参照)が照射され、これによりマスクMが有するマスクパターンがショット領域S1に転写される。この際、基板キャリア40は、アライメント計測の結果に応じて、非接触ホルダ32に対して水平面内3自由度方向に適宜微小駆動され、非接触ホルダ32は、上記フォーカスマッピングの結果に応じてZチルト方向に適宜微小駆動される。
ここで、水平面内位置計測系70(図6参照)において、基板キャリア40と非接触ホルダ32とがX軸方向(図8(a)では+X方向)に駆動される際、一対のヘッドユニット72それぞれが有するYスライダ76(それぞれ図4参照)は、静止状態(ただし、厳密にヘッドユニット72が静止している必要はなく、ヘッドユニット72が有するヘッドの少なくとも一部がY軸方向においてスケール板46に対向されていればよ良い)とされる。
基板P上の第1ショット領域S1に対するマスクパターンの転写が完了すると、基板ステージ装置20では、図9(a)及び図9(b)に示されるように、第1ショット領域S1の+Y側に設定された第2ショット領域S2への露光動作のために、基板キャリア40が非接触ホルダ32に対して−Y方向に所定距離(基板Pの幅方向寸法のほぼ半分の距離)、水平面内位置計測系70(図6参照)の出力に基づいて駆動(Yステップ駆動)される(図9(a)の黒矢印参照)。上記基板キャリア40のYステップ動作により、基板キャリア40に保持された基板Pの−Y側の端部近傍が非接触ホルダ32の−Y側に配置された補助テーブル34に下方から支持される。
また、水平面内位置計測系70(図6参照)において、上記基板キャリア40がY軸方向に駆動される際、一対のヘッドユニット72それぞれが有するYスライダ76(それぞれ図4参照)は、基板キャリア40に同期(ただし、厳密に速度が一致している必要はない)して、Y軸方向に駆動される。
以下、不図示であるが、マスクM(図1参照)と同期して、基板キャリア40と非接触ホルダ32とが−X方向に駆動されることにより、第2ショット領域S2に対する走査露光が行われる。また、基板キャリア40のYステップ動作、及びマスクMと同期した基板キャリア40と非接触ホルダ32とのX軸方向への等速移動が適宜繰り返されることにより、基板P上に設定された全ショット領域に対する走査露光動作が順次行われる。
以上説明した本第1の実施形態に係る液晶露光装置10が有する基板ステージ装置20によれば、基板PのXY平面内の高精度位置決めを行う際、該基板Pの外周縁部のみを保持する枠状の基板キャリア40を水平面内3自由度方向に駆動するので、例えば基板Pの下面の全体を吸着保持する基板ホルダを水平面内3自由度方向に駆動して基板Pの高精度位置決めを行う場合に比べて、駆動対象物(本実施形態では、基板キャリア40)が軽量であるので、位置制御性が向上する。また、駆動用のアクチュエータ(本実施形態では、Yボイスコイルモータ64、Xボイスコイルモータ66)を小型化できる。
また、基板PのXY平面内の位置情報を求めるための水平面内位置計測系70は、エンコーダシステムを含むので、例えば従来の干渉計システムに比べて空気揺らぎの影響を低減できる。従って、基板Pの位置決め精度が向上する。また、空気揺らぎの影響が小さいので、従来の干渉計システムを用いる場合に必須となる部分空調設備を省略でき、コストダウンが可能となる。
なお、本第1の実施形態で説明した構成は、一例であり、適宜変形が可能である。例えば、図10(a)及び図10(b)に示される第1の変形例に係る基板キャリア40Aにおいて、一対のXフレーム42xそれぞれの外側面には、補助的な板部材42bが接続されている。板部材42bは、図10(b)に示されるように、XY平面にほぼ平行に配置され、その下面がエア浮上ユニット36の上面に所定の隙間を介して対向している。複数のエア浮上ユニット36は、板部材42bの下面に対して気体を噴出することにより、基板キャリア40Aに、+Z方向(重力方向上向き)の力(揚力)を作用させる。本第1の変形例に係る基板キャリア40Aは、板部材42bが常に複数のエア浮上ユニット36に下方から支持されるので、仮に非接触ホルダ32と複数のエア浮上ユニット36との間に段差(Z軸方向の高さ位置の差)が形成されていたとしても、基板キャリア40Aが非接触ホルダ32に対してY軸方向に相対移動する際に、Xフレーム42xと非接触ホルダ32(又はエア浮上ユニット36)とが接触することを防止できる。
また、例えば図11に示される第2の変形例に係る基板ステージ装置120のように、基板キャリア140に基準指標板144が取り付けられるともに、基板テーブル30にマーク計測センサ132が取り付けられても良い。基準指標板144には、図12(a)に示されるように、複数の基準マーク146が、Y軸方向に互いに離間して形成されている。基準指標板144は、上記複数の基準マーク146のZ位置が、基板Pの表面のZ位置とほぼ同じとなるように(図11参照)、基板キャリア140の−X側のYフレーム142yの上面に嵩上げ部材148を介して固定されている。図11に戻り、複数のマーク計測センサ132は、基板テーブル30の−X側の側面から突き出して形成された平面視T字状(図12(b)参照)の平板状の部材134に取り付けられている。複数のマーク計測センサ132は、図12(b)に示されるように、上記複数の基準マーク146に対応して(すなわち複数の基準マーク146と上下方向に重なるように)、Y軸方向に互いに離間して配置されている。
本第2の変形例では、複数の基準マーク146と、対応する複数のマーク計測センサ132とを用いて、例えば投影光学系16(図1参照)の光学特性(例えばスケーリング、シフト、ローテーション等)に関するキャリブレーションが行われる。キャリブレーション方法に関しては、例えば特開2006−330534号公報に開示されるキャリブレーション方法と実質的に同じであるので、説明を省略する。本第2の変形例では、基準マーク146を有する基板キャリア140に対して機械的に分離された基板テーブル30がマーク計測センサ132を有しているので、基板キャリア140自体に配線等が不要であり、基板キャリア140を軽量化することができる。
また、本第2の変形例に係る基板キャリア140のYフレーム142yは、上記第1の実施形態に比べて広幅に形成されている。そして、図12(b)に示されるように、上記平板状の部材134の上面、及び基板テーブル30の+X側の側面から突き出して形成された平板状の部材136の上面それぞれには、Y軸方向に離間した、例えば2つのエアベアリング138が取り付けられている。図11に示されるように、+X側の、例えば2つのエアベアリング138は、基板キャリア140の+X側のYフレーム142yの下面に対向し、−X側の、例えば2つのエアベアリング138は、基板キャリア140の−X側のYフレーム142yの下面に対向している。エアベアリング138は、対向するYフレーム142yの下面に加圧気体を噴出することにより、所定の隙間を介して基板キャリア140を非接触支持する。これにより、基板キャリア140の撓みが抑制される。なお、エアベアリング138は、上記平板状の部材134、136の上面に対向するように、基板キャリア140側に取り付けられていても良い。また、エアベアリング138に換えて、例えば磁石を用いて基板キャリア140を磁気浮上させても良いし、あるいは、ボイスコイルモータなどのアクチュエータを用いて浮力を作用させても良い。
また、図13(a)及び図13(b)に示される第3の変形例に係る基板ステージ装置220のように、Yリニアアクチュエータ62、Yボイスコイルモータ64、及びXボイスコイルモータ66のZ位置が、基板キャリア40Aと同じに設定されても良い。すなわち、基板ステージ装置220では、基板キャリア40AのYフレーム42yの側面にYボイスコイルモータ64のY可動子64b、及びXボイスコイルモータ66のX可動子66bが固定されている。また、Yボイスコイルモータ64のY固定子64a、及びXボイスコイルモータ66のX固定子66aが取り付けられたY可動子62bをY軸方向に駆動するためのYリニアアクチュエータ62のY固定子62aは、基板キャリア40のZ位置と同じとなるように、粗動ステージ224上において、支柱62cを介して取り付けられている。
また、本第3の変形例の基板キャリア40Aは、上記第1の変形例(図10(a)及び図10(b)参照)と同様に、複数のエア浮上ユニット36により下方から支持される一対の補助的な板部材42bを有している。また、図13(b)に示されるように、上記第2の変形例(図11〜図12(b)参照)と同様に、基板テーブル30の−X側、及び+X側の側面それぞれから平板状の部材234、236が突き出しており、該部材234、236上には、それぞれY軸方向に延びるエア浮上ユニット238が固定されている。エア浮上ユニット238の上面の高さ位置は、エア浮上ユニット36の上面の高さ位置に比べて低い位置に設定されている。基板キャリア240は、Yフレーム242yが常に(Y軸方向の位置に関わらず)エア浮上ユニット238によって下方から非接触支持される。換言すれば、基板キャリア40Aは、一対のエア浮上ユニット238上に載置されている。これにより、基板キャリア40Aの撓みが抑制される。
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態に係る液晶露光装置について、図14〜図20(b)を用いて説明する。第2の実施形態に係る液晶露光装置の構成は、基板ステージ装置420の構成が異なる点を除き、上記第1の実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
上記第1の実施形態の基板ステージ装置20(図1など参照)において、基板Pを保持する基板キャリア40は、スキャン方向に関して非接触ホルダ32と一体的に長ストロークで移動するとともに、非スキャン方向に関して非接触ホルダ32と分離して長ストロークで移動する構成であったのに対し、本第2の実施形態の基板ステージ装置420では、上記第1の実施形態とは逆に、基板Pを保持する基板キャリア440は、非スキャン方向に関して非接触ホルダ32と一体的に長ストロークで移動するとともに、スキャン方向に関して非接触ホルダ32と分離して長ストロークで移動する点が異なる。すなわち、本第2の実施形態に係る基板ステージ装置420は、全体的には、上記第1の実施形態に係る基板ステージ装置20をZ軸周りに、例えば90°回転させたように構成されている。なお、基板Pの長手方向は、上記第1の実施形態と同様にX軸にほぼ平行とされる。
以下、基板ステージ装置420の詳細について説明する。図14に示されるように、基板ステージ装置420は、ベースフレーム422、粗動ステージ424、重量キャンセル装置26(図14では不図示。図15(a)など参照)、Yガイドバー428(図14では不図示。図15(a)など参照)、基板テーブル30(図14では不図示。図17(a)など参照)、非接触ホルダ32、一対の補助テーブル434、基板キャリア440などを備えている。上記ベースフレーム422、粗動ステージ424、Yガイドバー428、一対の補助テーブル434、基板キャリア440は、それぞれ上記第1の実施形態におけるベースフレーム22、粗動ステージ24、Xガイドバー28、基板テーブル30、非接触ホルダ32、一対の補助テーブル34、基板キャリア40(図1及び図2参照)と同様に機能する部材であるので、以下簡単に説明する。なお、重量キャンセル装置26、基板テーブル30、及び非接触ホルダ32は、それぞれ上記第1の実施形態と実質的に同じものである。
図15(a)及び図15(b)に示されるように、本第2の実施形態において、防振装置18dを介して床F上に設置された装置本体418の一部である下架台部418bは、1枚の板状の部材から成り、該下架台部418bの上面にYガイドバー428が固定されている。Yガイドバー428上には、重量キャンセル装置26が載置されている。また、図16(a)及び図16(b)に示されるように、ベースフレーム422は、脚部422bを介して床F上に設置された一対のYビーム422aを有しており、該ベースフレーム422上に粗動ステージ424が、Y軸方向に所定の長ストロークで移動可能に載置されている。本第2の実施形態において、粗動ステージ424は、一対のYキャリッジ424aの+Y側及び−Y側それぞれの端部近傍を接続する一対のYテーブル424bを有している。Yテーブル424bには、重量キャンセル装置26(図15(a)など参照)を牽引するための接続装置26aの一端、及び基板テーブル30(図17(b)など参照)を牽引するための接続装置30bの一端が接続されている。また、一対のYテーブル424bには、X固定子462aが支柱462cを介して固定されている。X固定子462aは、X可動子462bとともにXリニアアクチュエータ462を構成する。また、X可動子462bには、Y固定子464a、及びX固定子466aが取り付けられている。
図17(a)及び図17(b)に示されるように、基板テーブル30、及び非接触ホルダ32は、上記第1の実施形態と同様に、平面視でX軸方向を長手方向とする矩形の板状(あるいは箱形)の部材から成る。一対の補助テーブル434それぞれは、基板テーブル30の側面から突き出したアーム状の支持部材436aに下方から支持された複数のエア浮上ユニット436を有している。エア浮上ユニット436は、上記第1の実施形態(図3など参照)と異なり、X軸方向に延びる部材から成る。また、基板テーブル30には、支持部材438aを介して一対のエア浮上ユニット438が接続されている。エア浮上ユニット438は、X軸方向に延びる点を除き、上記第3の変形例(図13(a)及び図13(b)参照)のエア浮上ユニット238と同様に機能する。すなわち、一対のエア浮上ユニット438は、図14に示されるように、基板キャリア440が有する一対のXフレーム442xを下方から非接触支持している。
図18(a)及び図18(b)に示されるように、基板キャリア440は、上記第1の実施形態(図3など参照)と同様の矩形枠状(額縁状)の部材から成り、一対のXフレーム442x、及び一対のYフレーム442yを有している。上記第1の実施形態の基板キャリア40は、Xフレーム42xの下面側にYフレーム42yが取り付けられている(図3参照)のに対し、本第2の実施形態の基板キャリア440において、Yフレーム442yは、Xフレーム442xの上面側に取り付けられている。これにより、Yフレーム442yと補助テーブル434が有するエア浮上ユニット438(それぞれ図14参照)との接触が回避されている。また、複数の吸着パッド44は、Yフレーム442yの下面に取り付けられている。一対のXフレーム442xそれぞれに、複数のスケール板46が取り付けられている点は、上記第1の実施形態と同じである。また、一対のXフレーム442xそれぞれの側面には、上記Y固定子464a、及びX固定子466a(それぞれ図16(a)参照)とともにYボイスコイルモータ464、Xボイスコイルモータ466(それぞれ図20(a)参照)を構成するY可動子464b、X可動子466bが取り付けられている。基板キャリア440の位置計測系に関しては、上記第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
主制御装置50は、図19(a)及び図19(b)に示されるように、露光領域IAに対する基板PのX軸方向に関する位置決めを、基板キャリア440のみをX軸方向に駆動することにより行う。基板Pのうち、非接触ホルダ32に支持されない領域は、一対の補助テーブル434のいずれかに支持される。本第2の実施形態における露光動作では、基板キャリア440のみが露光領域IAに対してX軸方向に長ストロークで駆動されることから、基板Pは、非接触ホルダ32の上空を(所定の隙間が形成された状態で)通過する。非接触ホルダ32は、上空を通過する基板Pを非接触で平面矯正する。
また、主制御装置50は、図20(a)及び図20(b)に示されるように、投影光学系16(すなわち露光領域IA(図19(a)参照))に対する基板PのY軸方向に関する位置決めを、粗動ステージ424及び非接触ホルダ32をY軸方向に所定の長ストロークで駆動するとともに、基板キャリア440を粗動ステージ424と一体的にY軸方向に移動させることにより行う。
以上説明した第2の実施形態によれば、走査露光時に基板キャリア440のみが走査方向に駆動されるので、非接触ホルダ32、及び一対の補助テーブル34も併せてスキャン方向に駆動する必要のある上記第1の実施形態(図8(a)など参照)に比べ、振動の発生を抑制することができ、高精度の露光動作が可能となる。また、重量キャンセル装置26は、Yステップ動作時にのみ移動するので、Yガイドバー428の長手方向の寸法が、上記第1の実施形態のXガイドバー28に比べて短い。また、重量キャンセル装置26は、露光動作時に静止状態とされるので、該重量キャンセル装置26用の定盤であるYガイドバー428のガイド面の平坦度は、上記第1の実施形態に比べてラフで良い。
なお、本第2の実施形態で説明した構成は、一例であり、適宜変形が可能である。例えば、図21〜図26(b)に示される第2の実施形態の変形例(第4の変形例)に係る基板ステージ装置520のように、一対の補助テーブル534が、基板テーブル30(図24(a)参照)と物理的に分離していても良い。以下、第4の変形例について、上記第2の実施形態との相違点についてのみ説明し、共通の要素に関しては、上記第2の実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図22(a)及び図22(b)に示されるように、下架台部418b上には、X軸方向に所定間隔で、例えば3本のYガイドバー528が固定されている。Yガイドバー528は、上記第2の実施形態のYガイドバー428(図15(a)など参照)と同様の寸法、形状で形成されているが、本第4の変形例では、重量キャンセル装置26が機械的なリニアガイド装置26dを介してYガイドバー528上に載置されていることから、Yガイドバー528の上面の平面度は、上記第2の実施形態に係るYガイドバー428に比べてラフである。また、+X側、及び−X側のYガイドバー528上には、Zアクチュエータ526がYリニアガイド装置26dを介して載置されている。
また、図23(a)及び図23(b)に示されるように、粗動ステージ524が有する一対のYテーブル424bそれぞれには、一対の板状部材524aが+Y及び−Y方向に突き出して接続されている。板状部材524aには、上記Zアクチュエータ526(図22(b)など参照)を牽引するための接続装置26aの一端が接続されている。すなわち、本第4の変形例において、例えば2つのZアクチュエータ526(それぞれ図22(b)など参照)は、重量キャンセル装置26と同様に(重量キャンセル装置26と一体的に)粗動ステージ524により牽引される。
図24(a)及び図24(b)に示されるように、一対の補助テーブル534それぞれは、複数(図24(a)では、例えば4つ)のエア浮上ユニット436を有している。複数のエア浮上ユニット436は、上記第2の実施形態と同様に、基板Pのうち、非接触ホルダ32に支持されない部分を下方から支持する。また、補助テーブル534は、一対のエア浮上ユニット538を有している。補助テーブル534において、複数のエア浮上ユニット436と、一対のエア浮上ユニット538とは、ベース部材536a上に一体的に載置されている。+X側の補助テーブル534は、上述した+X側のZアクチュエータ526(図22(b)など参照)に下方から支持され、−X側の補助テーブル534は、上述した−X側のZアクチュエータ526(図22(b)など参照)に下方から支持される(図26(b)参照)。また、基板テーブル30にも、支持部材538aを介して一対のエア浮上ユニット538が固定されている。なお、上記第2の実施形態のエア浮上ユニット438が、基板キャリア440(それぞれ図14参照)のX軸方向の全移動範囲をカバーできる程度(基板Pの3倍程度)の長さで形成されていたのに対し、本変形例のエア浮上ユニット538は、他のエア浮上ユニット436と同程度(基板Pと同程度)の長さで形成されている。
本第4の変形例でも上記第2の実施形態と同様に、基板キャリア540のXフレーム442x(それぞれ図21参照)が、複数のエア浮上ユニット538(補助テーブル534が有するエア浮上ユニット538、及び基板テーブル30が有するエア浮上ユニット538)によって、適宜下方から支持される。
図25(a)及び図25(b)に示されるように、基板キャリア540において、Yフレーム442yは、スペーサ442a(図25(a)ではYフレーム442yに隠れており不図示)を介してXフレーム442x上に固定されている。また、−X側の一対の吸着パッド44は、−X側のYフレーム442yの下面に取り付けられているのに対し、+X側の一対の吸着パッド44は、Xフレーム442xの内側面から突き出して形成されている。これにより、本変形例の基板キャリア540では、図25(a)に示される状態から、図25(b)に示されるように、基板Pを+X方向に移動させて、+X側のYフレーム442yの下方を通過させることにより、基板Pの基板キャリア40に対する搬出を行うことができる。また、基板Pを−X方向に移動させることにより基板キャリア40に基板Pの搬入を行うこともできる。
また、−X側のYフレーム442y上には、上述した第1の実施形態の第2の変形例(図12(a)参照)と同様に、複数の基準マーク146が形成された基準指標板144が、嵩上げ部材148を介して固定されている。また、−X側のYフレーム442yの下面には、上記複数の基準マーク146に対応して複数のマーク計測センサ532が取り付けられている。すなわち、上記第2の変形例では、基準指標板144とマーク計測センサ132とが分離して設けられていたのに対し(図11参照)、本変形例では、基準指標板144とマーク計測センサ532とが一体的に基板キャリア540に設けられている。基準指標板144を用いたキャリブレーションに関しては、上記第2の変形例と同じであるので説明を省略する。
図26(a)及び図26(b)は、基板Pの搬出動作時の基板ステージ装置520が示されている。基板Pの搬出は、基板キャリア540をX軸方向に関する移動範囲の中央、すなわち基板Pのほぼ全体が非接触ホルダ32に支持された状態で行われる。基板Pは、基板キャリア540による吸着保持が解除された後、不図示の搬出装置により基板キャリア540に対して+X方向にスライド移動する。これにより、基板Pは、非接触ホルダ32上から+X側の補助テーブル534が有する複数のエア浮上ユニット438上へと受け渡される(載り移る)。なお、基板PをX軸方向にスライドさせるための搬出装置は、基板ステージ装置520の外部(液晶露光装置の外部装置も含む)に設けられていても良いし、基板ステージ装置520自体が有していても良い。
以上説明した第2の変形例に係る基板ステージ装置520(図21参照)では、一対の補助テーブル534と、基板テーブル30(及び非接触ホルダ32)とが物理的に分離しているので、駆動対象物の軽量化により基板PのZチルト位置制御性が向上する。また、一対の補助テーブル534それぞれのZ位置を独立に制御することができるので、例えば基板Pが非接触ホルダ32上から補助テーブル534のエア浮上ユニット436上に移動する(載り移る)際に、該補助テーブル534のZ位置を幾分下げることにより、基板Pの端部とエア浮上ユニット436との接触を回避することができる。また、基板Pをスライド移動させることにより基板キャリア540から搬出(及び搬入)できるので、基板ステージ装置520の上方のスペースが狭い場合であっても、容易に基板キャリア540上の基板交換を行うことができる。
なお、以上説明した第1及び第2の各実施形態(その変形例を含む)の構成は、一例であり、適宜変更が可能である。例えば上記各実施形態において、基板キャリア40等は、基板Pの外周縁部(4辺)に沿った、例えば4本のフレーム部材(第1の実施形態では、一対のXフレーム42x、及び一対のYフレーム42y)により矩形の枠状に形成されたが、基板Pの吸着保持を確実に行うことができれば、これに限られず、基板キャリア40等は、例えば基板Pの外周縁部のうち、一部に沿ったフレーム部材により構成されても良い。具体的には、基板キャリアは、基板Pの3辺に沿った、例えば3本のフレーム部材により、平面視でU字状に形成されても良いし、あるいは、基板Pの隣接する2辺に沿った、例えば2本のフレーム部材により、平面視でL字上に形成されても良い。また、基板キャリアは、基板Pの1辺に沿った、例えば1本のフレーム部材のみにより形成されていても良い。また、基板キャリアは、基板Pの互いに異なる部分を保持し、互いに独立に位置制御がされる複数の部材により構成されても良い。
なお、Zチルト位置計測系58は、図2や図13に示されるように、基板テーブル30の下面に設けられたレーザ変位計58aにより、重量キャンセル装置26の筐体に固定されたターゲット58bに対して計測光を照射し、その反射光を受光して基板テーブル30のZ軸方向の変位量情報を得ていたが、これに限定されない。Zチルト位置計測系58の代わりにZセンサヘッド78zを、ヘッドユニット72に、Xヘッド78xと、Yヘッド78yと共に配置する。Zセンサヘッド78zとしては、例えばレーザ変位計が用いられている。Xフレーム42xにおいて、Xヘッド78xおよびYヘッド78yに対向するスケールが配置されていない領域に、鏡面加工により反射面が形成する。Zセンサヘッド78zは、反射面に対して計測ビームを照射し、その反射面からの反射ビームを受光することにより、該計測ビームの照射点における基板キャリア40、440のZ軸方向の変位量情報を求める。なお、Zヘッド78zの種類は、装置本体18(図1参照)を基準とした基板キャリア40、440(より詳細には、Xフレーム42x)のZ軸方向の変位を所望の精度(分解能)で、且つ非接触で計測できれば、特に限定されない。
また、Xエンコーダヘッド78x、及びYエンコーダヘッド78yによって、基板P、及びYスライダ76それぞれのXY平面内の位置情報を求めたが、例えばZ軸方向の変位量情報を計測可能な2次元エンコーダヘッド(XZエンコーダヘッド、あるいはYZエンコーダヘッド)を用いて、基板P及びYスライダ76それぞれのXY平面内の位置情報と併せて、基板P及びYスライダ76それぞれのZチルト変位量情報を求めても良い。この場合、基板PのZチルト位置情報を求めるためのZチルト位置計測系58やZセンサヘッド78zを省略することが可能である。なお、この場合、基板PのZチルト位置情報を求めるためには、常に2つの下向きZヘッドがスケール板46に対向している必要があるので、スケール板46をXフレーム42xと同程度の長さの1枚の長尺のスケール板により構成すること、あるいは上記2次元エンコーダヘッドをX軸方向に所定間隔で、例えば3つ以上配置することが好ましい。
また、上記各実施形態において、複数のスケール板46がX軸方向に所定間隔で配置されたが、これに限られず、例えば基板キャリア40等のX軸方向の長さと同程度の長さで形成された長尺の1枚のスケール板を用いても良い。この場合、スケール板とヘッドとの対向状態が常に維持されるので、各ヘッドユニット72が有するXヘッド78x、Yヘッド78yは、それぞれ1つで良い。スケール板82についても同様である。スケール板46を複数設ける場合、各スケール板46の長さが互いに異なっていても良い。例えば、X軸方向に延びるスケール板の長さを、ショット領域のX軸方向の長さより長く設定することにより、走査露光動作時においてヘッドユニット72が異なるスケール板46を跨いだ基板Pの位置制御を回避することができる。また、(例えば4面取りの場合と6面取りの場合)、投影光学系16の一側に配置されるスケールと、他側に配置されるスケールとで、互いに長さを異ならせても良い。
また、上記各実施形態において、基板キャリア40等の水平面内の位置計測は、エンコーダシステムを用いて行われたが、これに限られず、例えば基板キャリア40にX軸方向及びY軸方向それぞれに延びるバーミラーを取り付け、該バーミラーを用いた干渉計システムによって、基板キャリア40等の位置計測を行っても良い。また、上記各実施形態のエンコーダシステムでは、基板キャリア40等がスケール板46(回折格子)を有し、ヘッドユニット72が計測ヘッドを有する構成であったが、これに限られず、基板キャリア40等が計測ヘッドを有し、該計測ヘッドと同期して移動するスケール板が装置本体18に取り付けられても(上記各実施形態とは逆の配置でも)良い。
また、上記各実施形態において、非接触ホルダ32は、基板Pを非接触支持したが、基板Pと非接触ホルダ32との水平面に平行な方向の相対移動を阻害しなければ、これに限られず、例えばボールなどの転動体を介して接触状態で支持しても良い。
《第3実施形態》
次に、第3の実施形態に係る液晶露光装置ついて、図27〜図48を用いて説明する。以下、上記第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、上記第1の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図27に示されるように、液晶露光装置1010は、照明系12、マスクステージ14、投影光学系16、基板ステージ装置1020、基板交換装置1040、及びこれらの制御系等を有している。照明系12、マスクステージ14、及び投影光学系16に関しては、上記第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
図29(b)に示されるように、基板ステージ装置1020は、定盤1022、基板テーブル1024、自重支持装置1026、及び基板ホルダ1028を備えている。
定盤1022は、例えば上面(+Z面)がXY平面に平行となるように配置された平面視(+Z側から見て)矩形の板状の部材から成り、不図示の防振装置を介して床F上に設置されている。基板テーブル1024は、平面視矩形の厚みの薄い箱形の部材から成る。自重支持装置1026は、定盤1022上に非接触状態で載置され、基板テーブル1024の自重を下方から支持している。また、不図示であるが、基板ステージ装置1020は、例えばリニアモータなどを含み、基板テーブル1024をX軸、及びY軸方向に(XY平面に沿って)所定の長ストロークで駆動するとともに、基板テーブル1024を6自由度(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθz)方向に微小駆動する基板ステージ駆動系、及び、例えば光干渉計システムなどを含み、基板テーブル1024の上記6自由度方向の位置情報を求めるための基板ステージ計測系などを備えている。
基板ホルダ1028は、平面視矩形の板状の部材から成り、上面(+Z側の面)に基板Pが載置される。図29(a)に示されるように、基板ホルダ1028の上面は、X軸方向を長手方向とする長方形に形成されており、その縦横比は、基板Pとほぼ同じである。ただし、基板ホルダ1028の上面の長辺及び短辺の長さは、基板Pの長辺及び短辺の長さに対して、それぞれ幾分短く設定されており、基板Pが基板ホルダ1028の上面に載置された状態で、基板Pの4辺の端部近傍が、基板ホルダ1028から外側にはみ出すようになっている。これは、基板Pの表面に塗布されたレジストが、該基板Pの端部近傍において裏面側にも付着している可能性があり、そのレジストが基板ホルダ1028に付着しないようにするためである。
基板ホルダ1028の上面は、全面に渡って極めて平坦に仕上げられている。また、基板ホルダ1028の上面には、空気吹き出し用、及び/又は真空吸引用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。基板ホルダ1028は、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力を用いて、上記複数の孔部を介して、その上面と基板Pとの間の空気を吸引することによって、基板Pのほぼ全面を、基板ホルダ1028の上面に倣って(従って)平面矯正することが可能である。また、基板ホルダ1028は、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気を)上記孔部を介して基板Pの裏面に排気(噴出)することによって、基板Pの裏面を基板ホルダ1028の上面に対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。また、基板ホルダ1028に形成された複数の孔部のそれぞれで、加圧気体を排気するタイミングに時間差を生じさせたり、真空吸引を行う孔部と加圧気体を排気する孔部の場所を適宜交換したり、吸引と排気とで空気圧力を適宜変化させたりすることによって、基板Pの接地状態を最適化(例えば、基板Pの裏面と基板ホルダ1028の上面との間に空気溜まりが発生しないように)できる。
基板ホルダ1028の上面における+X側の端部近傍には、例えば2つの切り欠き1028aがY軸方向に離間して形成されている。また、基板ホルダ1028の上面における−X側の端部近傍には、例えば2つの切り欠き1028bがY軸方向に離間して形成されている。
より詳細に説明すると、切り欠き1028aは、基板ホルダ1028の+X側且つ+Y側の角部、及び基板ホルダ1028の+X側且つ−Y側の角部に形成されており、基板ホルダ1028の上面(+Z側の面)、+X側の側面、及び+Y側(又は−Y側)の側面にそれぞれ開口している。これに対し、切り欠き1028bは、基板ホルダ1028の上面、及び−X側の側面にのみ開口している。
図28に示されるように、基板交換装置1040は、ビームユニット1050、基板搬入装置1060、基板搬出装置1070、及び基板アシスト装置1080を有している。ビームユニット1050、基板搬入装置1060、及び基板搬出装置1070は、基板ステージ装置1020の+X側の所定位置に設置されている。以下、基板交換装置1040のうち、ビームユニット1050、基板搬入装置1060、及び基板搬出装置1070が設置された場所を、ポート部と称して説明する。例えば、コータ/デベロッパなどの外部装置(不図示)と液晶露光装置1010との間における基板Pの受け渡しは、ポート部において行われる。基板搬入装置1060は、ポート部から基板ホルダ1028へ露光前の新しい基板Pを搬送するためのものである。これに対し、基板搬出装置1070は、基板ホルダ1028からポート部へ露光済みの基板Pを搬送するためのものである。
また、外部装置(不図示)と液晶露光装置1010との間における基板Pの受け渡しは、上述した照明系12、マスクステージ14、投影光学系16、基板ステージ装置1020、基板交換装置1040などを収容する不図示のチャンバの外側に配置された、外部搬送装置1100により行われる。外部搬送装置1100は、フォーク状のロボットハンドを有しており、該ロボットハンド上に基板Pを載せて、該基板Pを外部装置から液晶露光装置1010内のポート部へ運ぶこと、及び基板Pをポート部から外部装置へ運ぶことが可能となっている。
図30(a)に示されるように、ビームユニット1050は、Y軸方向に所定間隔で配置された複数(本実施形態では、例えば6本)のバランスビーム1052を有している。バランスビーム1052は、基板交換時における基板Pの搬送方向であるX軸方向に平行に延びる細長いエアベアリングを含む。複数のバランスビーム1052のY軸方向の間隔は、複数のバランスビーム1052を用いて、基板Pを下方からバランス良く支持でき、且つ、例えば図32(a)及び図32(b)に示されるように、外部搬送装置1100のフォークハンドをビームユニット1050の上方に配置したときに、該フォークハンドが有する複数の指部と上下方向に重ならないように設定されている。
図30(a)に戻り、1本のバランスビーム1052の長手方向(X軸方向)の長さは、基板Pの長手方向の長さよりも若干長く、幅方向の長さは、基板Pの幅方向の長さの、例えば1/50程度、あるいは基板Pの厚さの、例えば10〜50倍程度に設定されている。
図30(b)に示されるように、複数のバランスビーム1052(図30(b)では紙面奥行き方向に重なっている)それぞれは、Z軸方向に延びる複数(例えば2本)の棒状の脚1054によって、X軸方向の両端部よりも内側の位置で下方から支持されている。各バランスビーム1052を支持する複数の脚1054は、それぞれ下端部近傍がベース板1056により連結されている(ベース板1056は、図30(a)では不図示)。基板交換装置1040では、ベース板1056が不図示のXアクチュエータによりX軸方向へ所定のストロークで駆動されることにより、複数のバランスビーム1052が一体的にX軸方向に所定のストロークで移動するようになっている。また、図1に示されるように、複数のバランスビーム1052の上面(エアベアリング面)のZ位置は、基板ホルダ1028の上面のZ位置とほぼ同じ位置(高さ)に設定されている。
図30(a)に戻り、基板搬入装置1060は、上述した外部搬送装置1100(図27及び図28参照)と同様の、フォーク状のハンド1062(以下、基板搬入ハンド1062と称する)を有している。基板搬入ハンド1062は、ポート部から基板ホルダ1028へ基板Pを搬入する際の基板Pの搬送方向であるX軸方向に平行に延びる複数(本実施形態では、例えば4本)の指部1062aを有している。複数の指部1062aは、+X側の端部近傍が連結部材1062bにより互いに連結されている。これに対し、複数の指部1062aの−X側(基板ホルダ1028(図2など参照)側)の端部は、自由端となっており、隣接する指部1062a間は、基板ホルダ1028側に開口している。なお、基板搬入ハンド1062は、隣接する指部1062a間にエアを噴出するなどして、隣接する指部1062a間における基板Pの垂れ下がりを抑制しても良い。外部搬送装置1100のロボットハンドも同様である。
基板搬入ハンド1062が有する各指部1062aは、上述した外部搬送装置1100のロボットハンド(図2参照)と同様に、平面視でY軸方向において、複数のバランスビーム1052と位置が重ならないような配置になっている。また、各指部1062aの上面には、基板Pの裏面を支持するための支持パッド1062cが複数取り付けられている。連結部材1062bは、平面視矩形で厚さの薄い中空部材でできており、各指部1062a(及び上述したバランスビーム1052)に垂直な方向であるY軸方向に延びている。
連結部材1062bのY軸方向の両端部近傍それぞれは、基板搬入ハンド1062をX軸方向に駆動するためのX軸駆動装置1064に連結されている。なお、一対のX軸駆動装置1064は、それぞれ独立に駆動されても良いし、歯車、あるいはベルトで機械的に連結し、1つの駆動モータによって同時駆動されても良い。また、不図示であるが、一対のX軸駆動装置1064は、Z軸駆動装置によって上下動が可能になっている。そのため、基板搬入ハンド1062は、バランスビーム1052の上面よりも高い位置(+Z側)と、バランスビーム1052より低い位置(−Z側)との間で移動することが可能となっている。なお、基板搬入ハンド1062が上下動(±Z軸方向)、及び基板搬入方向への水平動作(±X軸方向への移動)が可能な構造となっていれば、例えばX軸駆動装置1064とZ軸駆動装置の配置は、上述とは逆(X軸駆動装置1064の上にZ軸駆動装置)の配置でも良い。
基板搬出装置1070は、Y軸方向に関してポート部における中央部に配置される。上述した、例えば6本のバランスビーム1052のうち、3本は基板搬出装置1070の+Y側に配置され、他の3本は、基板搬出装置1070の−Y側に配置されている。また、基板搬入装置1060が備える基板搬入ハンド1062の、例えば4本の指部1062aのうち、2本は基板搬出装置1070の+Y側に配置され、他の2本は、基板搬出装置1070の−Y側に配置されている。すなわち、基板搬出装置1070、基板搬入ハンド1062が備える複数の指部1062a、及び複数のバランスビーム1052は、Y軸方向に関して相互に位置が重ならないように配置されている。
基板搬出装置1070は、例えば1つの基板搬出ハンド1072を有している。基板搬出ハンド1072は、図30(b)に示されるように、Z軸駆動ユニット1074に取り付けられており、Z軸駆動ユニット1074は、X軸駆動ユニット1076に搭載されている。基板搬出ハンド1072は、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力を用いて基板Pを吸着把持(保持)することが可能となっている。これにより、基板搬出装置1070は、基板搬出ハンド1072に基板Pの+X側の端部近傍の下面を下方から吸着把持させ、X軸方向へ移動させることが可能になっている。図30(a)に戻り、基板搬出ハンド1072の幅(Y軸方向寸法)は、基板搬入ハンド1062の1本の指部1062aの幅(Y軸方向寸法)よりもやや広く設定され、且つ、例えば6本のバランスビーム1052のうち、中央の2本間の間隔よりも小さく設定されている。
X軸駆動ユニット1076による基板搬出ハンド1072の駆動ストロークは、基板PのX軸方向の長さよりも長く、且つバランスビーム1052のX軸方向の長さと同等あるいは若干短く設定されている。X軸駆動ユニット1076は、図30(b)に示されるように、複数のバランスビーム1052の下方であって、ビームユニット1050(ベース板1056)のX軸方向への移動を阻害しない位置に設置されている。
また、基板搬出装置1070は、アライメント装置であるアライメントパッド1078を有している。アライメントパッド1078は、Z軸駆動ユニット1074に微小駆動ユニット1079(図30(b)では不図示)を介して取り付けられている。基板搬出ハンド1072と、アライメントパッド1078とは、X軸方向に関しては一体に移動するが、Z軸方向への駆動制御は、独立して行うことが可能になっている。微小駆動ユニット1079は、アライメントパッド1078を、Y軸方向、及びθz方向に微小駆動する。上述した基板搬出ハンド1072と同様に、アライメントパッド1078も、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力を用いて、基板Pの下面を吸着把持(保持)することが可能となっている。これにより、基板搬出装置1070は、アライメントパッド1078に基板Pの中央部下面を下方から吸着把持させ、X軸方向へ長ストローク(あるいは微小ストローク)で移動させること、及びY軸方向、及びθz方向に微小移動させることが可能になっている。
なお、基板搬出装置1070の構成は、適宜変更が可能である。例えば、基板搬出ハンド1072は、Y軸方向に所定間隔で複数設けられていても良い。また、基板搬出ハンド1072とアライメントパッド1078とは、独立したX軸駆動ユニット1076に取り付けられていても良い。すなわち、例えばポート部のY軸方向に関する中央部にアライメントパッド1078用のX駆動ユニットを、そのY軸方向に関する両側(+Y側、及び−Y側)に、基板搬出ハンド1072用のX駆動ユニットを、それぞれ複数のバランスビーム1052とY位置が重ならないように配置しても良い。また、ビームユニット1050が有する複数のバランスビーム1052は、X軸方向への移動だけでなく、Z軸方向への移動が可能な構成でも良い。これにより、外部搬送装置1100との間における基板Pの受け渡し時の動作、あるいは基板ホルダ1028(図27参照)との間における基板Pの受け渡し時の動作に合わせて、高さを変えることができる。
図27に戻り、基板アシスト装置1080は、基板交換時において、基板搬入装置1060、及び基板搬出装置1070の動作をアシストする装置である。また、基板アシスト装置1080は、基板Pを基板ホルダ1028上に載置する際に、該基板Pの位置決めにも用いられる。
基板アシスト装置1080は、図29(a)及び図29(b)に示されるように、基板ステージ装置1020が有している。基板アシスト装置1080は、一対の基板搬出ベアラ装置1082a、及び一対の基板搬入ベアラ装置1082bを備えている。一対の基板搬出ベアラ装置1082aは、基板搬出装置1070(図27など参照)による基板Pの搬出動作をアシスト(または補助)し、一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、基板搬入装置1060(図27など参照)による基板Pの搬入動作をアシスト(または補助)する。
基板搬入ベアラ装置1082bは、図29(b)に示されるように、保持パッド1084b、Zアクチュエータ1086z、及びXアクチュエータ1086xを備えている。図29(a)に示されるように、一方(+Y側)の基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bは、基板ホルダ1028に形成された、例えば2つの切り欠き1028bのうち、一方(+Y側)の切り欠き1028b内に一部が挿入されている。また、他方(−Y側)の基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bは、他方(−Y側)の切り欠き1028b内に一部が挿入されている。
保持パッド1084bは、平面視矩形の板状の部材から成り、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。
図29(b)に示されるように、保持パッド1084bは、Zアクチュエータ1086zによりZ軸方向に駆動可能となっている。また、保持パッド1084b、及びZアクチュエータ1086zは、基板テーブル1024に取り付けられたXアクチュエータ1086xにより、一体的にX軸方向に駆動可能となっている。Zアクチュエータ1086zは、保持パッド1084bを支持する支柱を含み、該支柱は、基板ホルダ1028の外側に配置されている。保持パッド1084bは、Zアクチュエータ1086zにより切り欠き1028b内で駆動されることにより、基板Pの下面に接触する位置と、基板Pの下面から離間する位置との間で移動可能となっている。また、保持パッド1084bは、Zアクチュエータ1086zによって、切り欠き1028b内に一部が収容された位置と、基板ホルダ1028の上面よりも高い位置との間で長ストロークでの駆動が可能になっている。また、保持パッド1084bは、Xアクチュエータ1086xによりZアクチュエータ1086zと一体的に駆動されることにより、X軸方向に移動可能となっている。
基板搬出ベアラ装置1082aの機械的な構造は、上述した基板搬入ベアラ装置1082bと概ね同じである。すなわち、基板搬出ベアラ装置1082aは、図29(b)に示されるように、一部が切り欠き1028a内に挿入された保持パッド1084a、保持パッド1084aをZ軸方向に駆動するためのZアクチュエータ1086z、及び保持パッド1084aをX軸方向に駆動するためのXアクチュエータ1086xを備えている。なお、基板搬出ベアラ装置1082aの保持パッド1084aのX軸方向の移動可能量は、基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bのX軸方向の移動可能量よりも長く設定されている。これに対し、基板搬出ベアラ装置1082aの保持パッド1084aのZ軸方向の移動可能量は、基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bのZ軸方向の移動可能量よりも短くても良い。
基板アシスト装置1080は、基板P(露光済み基板)の、基板ホルダ1028からの搬出時において、次のようにアシストする。まず一対の基板搬出ベアラ装置1082aそれぞれの保持パッド1084aが、基板ホルダ1028上の基板Pの+X側の端部近傍における例えば2箇所を吸着保持する。次に、基板ホルダ1028上で浮上支持された基板Pに対する吸着保持を維持した状態で、該一対の保持パッド1084aを、X軸方向(+X方向)に所定ストローク(例えば50mm〜100mm程度)だけ駆動する。この保持パッド1084aの駆動により、基板Pを基板ホルダ1028に対してX軸方向に所定ストローク移動させる。これにより、一対の基板搬出ベアラ装置1082aは、上述した基板搬出装置1070(図27など参照)による基板Pの搬出動作をアシストする。
なお詳細は後述するが、基板アシスト装置1080は、これから基板ホルダ1028へ載置される基板Pの搬入時においてもアシストする。これについて後述する図41〜図44を参照して概略を述べる。まず一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bが、基板搬入装置1060の基板搬入ハンド1062(指部1062a)上に支持されている基板P2の、−X側の端部近傍における例えば2箇所を吸着保持する(図41参照)。次に、基板搬入ハンド1062(指部1062a)が+X方向に移動して基板P2の下方から居なくなると、該一対の保持パッド1084bは、基板P2に対する吸着保持を維持した状態で、Z軸方向(−Z方向)に所定ストロークだけ移動する(図42〜18)。この保持パッド1084bの移動に伴って、基板P2が基板ホルダ1028に載置される(図42〜18)。これにより、一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、上述した基板搬入装置1060(図27など参照)による基板Pの搬入動作をアシストする。
なお、基板搬出ベアラ装置1082a、及び基板搬入ベアラ装置1082bの構成は、適宜変更が可能である。例えば各ベアラ装置1082a、1082bは、本実施形態では、基板テーブル1024に取り付けられたが、これに限定されず、例えば基板ホルダ1028、あるいは基板テーブル1024をXY平面内で駆動するためのXYステージ装置(不図示)に取り付けられていても良い。また、各ベアラ装置1082a、1082bの位置、及び数も、これに限定されず、例えば基板テーブル1024の+Y側、及び−Y側の側面に取り付けられても良い。
上述のようにして構成された液晶露光装置1010(図27参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14上へのマスクMのロードが行われるとともに、基板交換装置1040によって、基板ホルダ1028上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、その詳細な説明は省略するものとする。そして、露光処理が終了した基板Pが基板交換装置1040により基板ホルダ1028上から搬出されるとともに、次に露光される別の基板Pが基板ホルダ1028に搬送されることにより、基板ホルダ1028上の基板Pの交換が行われ、複数の基板Pに対し、露光動作などが連続して行われる。
以下、液晶露光装置1010における基板ホルダ1028上の基板P(便宜上、複数の基板Pを基板P1、基板P2、基板P3とする)の交換動作について、図31(a)〜図47(b)を用いて説明する。以下の基板交換動作は、不図示の主制御装置の管理の下に行われる。なお、基板交換動作を説明するための各側面図(図31(b)、図32(b)など)では、基板搬出装置1070の動作の理解を容易にするため、基板搬出装置1070よりも−Y側(手前側)のバランスビーム1052、基板搬入ハンド1062の指部1062a、及びX軸駆動装置1064(それぞれ図30(a)参照)の図示が省略されている。
また、以下の説明では、基板ステージ装置1020の基板ホルダ1028には、あらかじめ露光済みの基板P1が載置されており、該露光済みの基板P1を搬出してから、新しい(基板P1とは別の)基板P2を基板ホルダ1028に載置する動作について説明する。また、基板交換動作前において、基板交換装置1040が有する基板搬入ハンド1062、及びビームユニット1050は、図30(a)及び図30(b)に示されるように、連結部材1062bのX位置と複数のバランスビーム1052のX位置とが互いに重複しないように位置決めされているものとする。
図31(a)及び図31(b)に示されるように、外部搬送装置1100によって新しい基板P2がポート部へ運ばれてくると(各要素の動作については、各図面の矢印参照。以下同じ)、基板交換装置1040は、基板搬入ハンドを降下(−Z駆動)させ、基板搬入ハンド1062の上面を、複数のバランスビーム1052の下面よりも下方に位置させる。このとき、連結部材1062bを含み、基板搬入ハンド1062の最高部(最も+Z位置の高い部位。例えば、連結部材1062bの上面)のZ位置は、複数のバランスビーム1052の上面と、基板搬入ハンド1062の最高部との間に、Z軸方向に関して、外部搬送装置1100のロボットハンドの挿入を許容する間隔が形成されるように設定される。
また、ビームユニット1050が+X方向に駆動される。このとき、ビームユニット1050は、+X側の脚1054が基板搬入ハンド1062の連結部材1062bに接触しない位置で停止される。これにより、基板搬入ハンド1062の連結部材1062bの上方(+Z側)に複数のバランスビーム1052の一部(+X側の端部近傍)が位置する。ビームユニット1050は、この位置が外部搬送装置1100との基板受け渡し位置となる。
次に、図32(a)及び図32(b)に示されるように、基板P2を載置した外部搬送装置1100のロボットハンドが−X方向に移動し、基板P2を複数のバランスビーム1052の上空(+Z側)に位置させる。このとき、外部搬送装置1100が有するフォーク状のロボットハンドの各指部が、隣接する一対のバランスビーム1052間を通過する(接触しない)ように、外部搬送装置1100のロボットハンドのY位置が位置決めされている。
また、図33(a)及び図33(b)に示されるように、外部搬送装置1100のロボットハンドは、降下することにより、基板P2を複数のバランスビーム1052上に受け渡す。バランスビーム1052の下方で待機している基板搬入ハンド1062と接触しないように、外部搬送装置1100のロボットハンドのZ位置が制御される。このとき、基板P2の+X側の端部近傍が、複数のバランスビーム1052の+X側の端部よりも+X側に突き出している。この後、外部搬送装置1100のロボットハンドが+X方向に駆動されることにより、ポート部(液晶露光装置内から)から退出する。
また、基板交換装置1040では、基板搬出装置1070のアライメントパッド1078が、基板P2の下方で−X方向に駆動され、該基板P2の中央部に対向する位置に位置決めされる。この状態で、アライメントパッド1078は、上昇(+Z方向に)駆動され、中央の一対のバランスビーム1052の間で、基板P2の下面を吸着把持する。
この後、図34(a)及び図34(b)に示されるように、ビームユニット1050の複数のバランスビーム1052それぞれに対して加圧気体が供給され、該加圧気体が複数のバランスビーム1052それぞれの上面から基板P2の下面に向けて噴出される。これにより、基板P2が、複数のバランスビーム1052に対して、微小な(例えば、数十マイクロメートルから数百マイクロメートルの)隙間を介して浮上する。
ここで、基板交換装置1040では、複数のバランスビーム1052上でプリアライメント動作が行われる。該プリアライメント動作は、例えば基板P2の上空、及び基板P2の下方それぞれに配置された、不図示の基板位置計測装置によって、非接触で基板P2の位置を計測しつつ行われる。プリアライメント動作時には、基板P2の下面中央部を吸着把持したアライメントパッド1078が、適宜X軸、Y軸、及びθz方向(水平面内3自由度方向)に微小駆動される。基板P2は、複数のバランスビーム1052により非接触支持されているので、基板P2の水平面内3自由度方向の位置修正(微小位置決め)を、低摩擦で行うことができる。また、このプリアライメント動作と並行して、アライメントパッド1078を−X方向に駆動し、基板P2を複数のバランスビーム1052により形成される基板載置面の中央部へ移動させる。
この後、図35(a)及び図35(b)に示されるように、複数のバランスビーム1052に対する加圧気体の供給が停止されるとともに、アライメントパッド1078に対する真空吸引力の供給が停止される。また、アライメントパッド1078は、基板P2の下面から離間するように、下降駆動される。これにより、基板P2が複数のバランスビーム1052上に載置される。この状態で、ビームユニット1050が−X方向(基板ステージ装置1020側)に駆動される。このとき、基板P2及び複数のバランスビームは、+X側の端部が基板搬入ハンド1062の連結部材1062bに対してX軸方向に関して重複しない(上下方向に重ならない)ように位置決めがされる。
この状態で、図36(a)及び図36(b)に示されるように、基板搬入ハンド1062が上昇駆動される。これにより、複数のバランスビーム1052上の基板P2が、基板搬入ハンド1062により下方から上方に掬い取られる(基板搬入ハンド1062に受け渡される)。
また、上述した基板P2の外部搬送装置1100から基板搬入ハンド1062へのビームユニット1050を介した受け渡し動作(プリアライメント動作を含む)と並行して、基板ステージ装置1020では、露光済みの基板P1を載置した基板ホルダ1028が所定の基板交換位置(基板受渡位置)に位置するように、基板テーブル1024が+X方向に駆動される。本実施形態において、基板交換位置は、ポート部の−X側の位置である。なお、理解を容易にするために、図31(a)〜図35(b)では基板ホルダ1028が同一位置に図示されているが、実際には、上記基板P2の外部搬送装置1100から基板搬入ハンド1062への受け渡し動作と並行して基板P1に対する露光動作が行われており、基板ホルダ1028は、XY平面内を移動している。
また、基板ホルダ1028の基板交換位置への移動動作と並行して、基板ホルダ1028の+X側に配置された一対の基板搬出ベアラ装置1082aそれぞれの保持パッド1084aが上昇駆動される。保持パッド1084aは、基板ホルダ1028の上面に真空吸着保持されている基板P1の一部(切り欠き1028a(図29(a)及び図29(b)参照)上に配置された部分)を、裏面から吸着把持する。
この後、図37(a)及び図37(b)に示されるように、基板P2を下方から支持した基板搬入ハンド1062が、−X方向に駆動される。これにより、基板P2が基板交換位置に位置決めされた基板ホルダ1028の上空へ向けて搬送される。また、基板交換装置1040では、ビームユニット1050が−X方向(基板ホルダ1028に接近する方向)に駆動される。ビームユニット1050は、複数のバランスビーム1052それぞれの−X側の端部と基板ホルダ1028とが接触しないように所定位置で停止される。上述したように、複数のバランスビーム1052それぞれの上面のZ位置と、基板ホルダ1028の上面のZ位置とは、ほぼ同じ高さに設定されている。なお、基板ホルダ1028をZ軸方向に駆動して、これらがほぼ同じ高さとなるように調整しても良い。
また、基板ステージ装置1020では、基板ホルダ1028の上面から基板P1の下面に対して加圧気体が噴出される。これにより、基板P1が基板ホルダ1028の上面から浮上し、基板P1の下面と基板ホルダ1028の上面との間の摩擦が無視できる程度(低摩擦状態)となる。
さらに、基板ステージ装置1020では、基板搬出ベアラ装置1082aの保持パッド1084aが、上記基板P1の浮上動作に追従するように+Z方向にわずかに上昇駆動されるとともに、基板P1の一部を吸着把持した状態で、+X方向(ポート部側)に、所定のストロークで駆動される。保持パッド1084a(すなわち基板P1)の移動量は、基板P1の大きさによっても異なるが、例えば50mm〜100mm程度に設定されている。これにより、基板P1の+X側の端部近傍が、基板ホルダ1028の+X側の端部から+X方向(ポート部側)に突き出す(オーバーハングする)。ここで、上記基板P1の基板ホルダ1028から突き出した部分は、複数のバランスビーム1052の−X側の端部近傍に下方から支持されることから、基板P1をオーバーハングさせる際に、予めバランスビーム1052からも加圧気体を噴出させておくと良い。
図38(a)及び図38(b)に示されるように、基板P2を下方から支持した基板搬入ハンド1062は、基板ホルダ1028の上空における所定位置で停止される。この停止位置で、基板P2は、基板交換位置に位置決めされた基板ホルダ1028のほぼ真上に位置する。また、基板P1のY位置と基板P2のY位置とが、ほぼ一致するように、基板ステージ装置1020は、基板ホルダ1028の位置決めを行う。これに対し、基板P1の+X側の端部近傍が基板ホルダ1028からオーバーハングしている分だけ、上記停止位置において、基板P1及びP2は、X位置が異なっており、基板P2の−X側の端部は、基板P1の−X側の端部よりも−X側に突き出している。
基板搬入ハンド1062の位置決めと並行して、基板搬出装置1070では、基板搬出ハンド1072が−X方向に駆動され、基板P1のうち、基板ホルダ1028から+X側にオーバーハングした部分の下方に位置決めされる。さらに、基板ステージ装置1020では、一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bが、所定のストローク(例えば、50mm〜100mm程度)で上昇駆動される。
基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bは、図39(a)及び図39(b)に示されるように、基板ホルダ1028の上方で待機している基板搬入ハンド1062上の基板P2に下方から接触し、該基板P2の−X側の端部近傍を吸着保持する。
また、保持パッド1084bによる基板P2の吸着保持動作と並行して、基板搬出装置1070では、基板搬出ハンド1072が上昇駆動され、露光済みの基板P1のうち、基板ホルダ1028から+X側にオーバーハングした部分を裏面から真空吸着把持する。また、基板搬出ハンド1072が基板P1を吸着把持すると、一対の基板搬出ベアラ装置1082aそれぞれの保持パッド1084aに対する真空吸引力の供給が停止される。これにより、保持パッド1084aによる基板P1の吸着把持が解除される。保持パッド1084aは、基板P1の裏面から離間するように、降下駆動される。
なお、本実施形態では、基板搬出ハンド1072が、露光済み基板P2の+X側の端部近傍における中央部を裏面から吸着把持するために、基板P2を基板搬出ベアラ装置1082aを用いて基板ホルダ1028からオーバーハング(オフセット)させたが、これに限らず、基板ホルダ1028の上面における+X側の端部近傍に+Z側及び+X側に開口した切欠きを形成し、該切り欠き内に基板搬出ハンド1072を挿入することにより、基板P2をオフセットさせることなく、基板搬出ハンド1072が基板P2を吸着把持できるようにしても良い。
この後、図40(a)、及び図40(b)に示されるように、基板搬出ハンド1072は、基板P1を保持した状態で+X方向へ駆動される。これにより、基板P1が基板ホルダ1028上から、ビームユニット1050(複数のバランスビーム1052)上へ移動する。このとき、複数のバランスビーム1052それぞれの上面からは、加圧気体が噴出される。これにより、基板P1が基板ホルダ1028、及びビームユニット1050上を、非接触状態(基板搬出ハンド1072により保持されている部分を除く)で浮上搬送される。また、一対の基板搬出ベアラ装置1082aそれぞれの保持パッド1084aは、基板ホルダ1028の切り欠き1028a(図29(a)及び図29(b)参照)内に一部が収容されるように、−X方向に駆動される。
また、上記基板搬出ハンド1072による基板P1の基板ホルダ1028からの搬出動作と並行して、基板搬入装置1060では、基板搬入ハンド1062の支持パッド1062cが、基板P2の下面に対して加圧気体を噴出する。これにより、基板搬入ハンド1062上で、基板P2が浮上(あるいは半浮上)状態となる。
図41(a)及び図41(b)には、基板搬出ハンド1072によって、基板P1が基板ホルダ1028からビームユニット1050上に完全に搬出された(受け渡された)状態が示されている。ここで、基板P1が基板ホルダ1028から搬出された後であっても、基板ホルダ1028は、加圧気体を引き続き噴出している。
この基板P1の搬出動作と並行して、基板搬入装置1060では、基板搬入ハンド1062が、高速、且つ高加速度(例えば、1G以上)で+X方向に駆動され、基板P2の下方から退避する。基板搬入ハンド1062が、基板P2の下方から退避すると、基板P2は、−X側の端部近傍が一対の保持パッド1084bにより吸着把持されていることから、基板ホルダ1028の上方に取り残される。
ここで、基板搬入ベアラ装置1082bは、Y軸方向に離間して配置され、基板Pの−X側の端部のうち、Y軸方向に離間した2箇所を吸着保持することから、基板搬入ハンド1062の退避時の移動方向は、基板搬入ベアラ装置1082bと対向する方向であると言うことができる。「基板搬入ベアラ装置1082bと対向する方向」とは、基板搬入ベアラ装置1082bが吸着保持する基板Pの端部(ここでは−X側)とは反対側(ここでは+X側)の方向という程度の意味である。
そして、図42(a)及び図42(b)に示されるように、基板搬入ハンド1062が基板P2の下方から完全に退避すると、基板P2は、保持パッド1084bにより吸着把持されている部分を除き、重力(自重)により自由落下を開始する。このとき、基板P2は、該基板P2の裏面と基板ホルダ1028の上面との間の空気抵抗により、急激な落下が阻まれ、緩やか(重力加速度よりも小さな加速度で)基板ホルダ1028上に落下する。また、基板P2の落下動作と並行して、一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bも同時に降下(−Z方向へ移動)する。
保持パッド1084bを降下させる手段は、特に限定されず、例えばモータなどの駆動装置を用いてZ軸方向の位置制御を行っても良いし、あるいは、エアシリンダなどを用いてZ軸方向の負荷制御(例えば、重力に抗して保持パッド1084bを上昇させる力(+Z方向の力)を、基板Pの自重による下向き力(−Z方向の力)より小さくする制御)を行っても良い。また、基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bに作用させる+Z方向の力を、基板P2の裏面を吸着把持した後で解除(ゼロに)することにより、保持パッド1084bを基板P2と共に自由落下させても良い。
上記基板搬入ベアラ装置1082bを用いた基板P2の搬入動作と並行して、複数のバランスビーム1052それぞれは、加圧気体の噴出を停止する。また、基板搬出装置1070は、基板搬出ハンド1072(図42(a)では不図示)による基板P1の吸着保持を解除するとともに、基板P1の裏面から離間するように、基板搬出ハンド1072を降下駆動する。これにより、基板P1が複数のバランスビーム1052上に載置される。また、基板P2を基板ホルダ1028に受け渡した後も、基板搬入ハンド1062は、+X方向に駆動される(基板P1の下方から退避した後は減速しても良い)。
なお、上述した基板P2の基板ホルダ1028への搬入動作(自由落下)時に、図48に示されるように、基板ホルダ1028の外周を囲み、且つ高さ位置(Z軸方向の位置)が基板ホルダ1028の上面よりも高く設定された、枠状部材1029(あるいは、制御壁)を配置し、基板P2と基板ホルダ1028との間の空気を逃げ難くし(エア溜まりを形成し)、基板P2の落下速度を調整しても良い。なお、基板ホルダ1028の上面からのエアの噴出、及びエアの吸引を制御することによって、上記エア溜まりの生成を積極的にコントロールしても良い。
図43(a)及び図43(b)には、一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bが降下して、基板ホルダ1028の切り欠き1028b(図29(a)参照)内に一部が挿入された状態が示されている。ここで、基板P2(保持パッド1084bにより把持されている部分を除く)は、その自重により、基板ホルダ1028上に自然落下するが、基板ホルダ1028の上面からは、加圧気体が噴出されており、該加圧気体の静圧により、降下した基板P2の裏面が基板ホルダ1028の上面に接触しない。これにより、基板P2が微小な隙間を介して基板ホルダ1028に浮上した状態が保たれる。
この状態で、基板ステージ装置1020(基板ホルダ1028、又は基板テーブル1024)、あるいは基板ステージ装置1020の外部に設けられた、不図示の基板位置計測装置によって、基板ステージ装置1020(あるいは基板ホルダ1028)に対する基板P2の位置が計測される。その計測結果に基づいて、一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bが、独立にX軸方向に駆動される。これにより、基板ステージ装置1020(あるいは基板ホルダ1028)に対する基板P2のX軸方向、及びθz方向の位置が修正される。
上記基板P2の位置修正動作(ファインアライメント動作)と並行して、ポート部では、基板P1が載置されたビームユニット1050が、+X方向に駆動されるとともに、基板搬出装置1070のアライメントパッド1078が、−X方向に駆動され、基板P1の中央に対向する位置に位置決めされる。
この後、図44(a)及び図44(b)に示されるように、基板ホルダ1028からの加圧気体の噴出が停止され、基板P2が基板ホルダ1028の上面に着地(接触)する。このように、本実施形態では、基板ホルダ1028に着地させる直前に低摩擦(浮上)状態で基板P2の正確な位置決め(ファインアライメント)を行うので、基板P2の落下時には、落下(着地)位置や姿勢を考慮する必要がなく、且つ、基板P2の着地後に基板P2を再配置(リロード)する必要が生ずるおそれがない。
また、基板P2は、基板ホルダ1028の上空であって、基板ホルダ1028との間に微小な(例えば数十マイクロメートル〜数百マイクロメートルの)隙間が形成された位置で、一時的に落下動作を停止するので、基板P2と基板ホルダ1028との間に局所的な空気溜りが発生することを抑制することができる。従って、基板P2を基板ホルダ1028に保持させる際に、該基板P2の変形を抑制することができる。なお、基板P2を基板ホルダ1028上に載置する際、基板ホルダ1028からの加圧気体の噴出停止の場所、あるいは時間を制御することによって、さらには基板ホルダ1028からの基板P2の真空吸引を併用することによって、基板P2の変形を抑制しても良い。
なお、基板搬入ベアラ装置1082bにおいて、保持パッド1084bは、搬入対象の基板P2の基板ホルダ1028に対するY軸方向の位置決め(ファインアライメント)を行うことが可能なように、Y軸方向へ微小駆動可能に構成されていても良い。また、本実施形態において、保持パッド1084bは、水平面内に関してX軸方向のみへ駆動する構成であったが、実際には、基板P2がθz方向に微少回転可能なように、不図示であるが、弾性変形などによってZアクチュエータ1086z(図29(b)参照)の支柱に対して、微少にθz方向、及びY軸方向に変位が可能なようになっている。
基板ステージ装置1020では、基板ホルダ1028上に基板P2が載置されると、基板ホルダ1028が基板P2を吸着保持し、所定の露光開始位置へと移動する。基板P2に対する露光動作時の基板ステージ装置1020の動作については、説明を省略する。
また、上記基板ホルダ1028による基板P2の吸着保持動作と並行して、基板搬出装置1070では、アライメントパッド1078が上昇駆動され、基板P1の裏面における中央部を下方から吸着把持する。また、アライメントパッド1078が基板P1を吸着把持すると、複数のバランスビーム1052それぞれから加圧気体が噴出され、これにより、基板P1が複数のバランスビーム1052に浮上する。この後、アライメントパッド1078を+X方向へ駆動することにより、基板P1を外部搬送装置1100との基板交換位置へ移動させる。この際、所定の場所において、アライメントパッド1078により、基板P1の水平面内の位置(X軸及びY軸方向の位置、並びにθz方向の姿勢)を修正しても良い。
図45(a)及び図45(b)には、基板P1が外部搬送装置1100との基板交換位置へ位置決めされた状態が示されている。基板交換位置において、基板搬出装置1070のアライメントパッド1078は、基板P1の吸着保持を解除するとともに、基板P1から離間するように降下駆動される。
この後、外部搬送装置1100のロボットハンドが複数のバランスビーム1052の上面よりも低い高さ位置で−X方向に移動するとともに、上昇して複数のバランスビーム1052上の基板P1を下から掬い取る。複数のバランスビーム1052は、加圧気体の噴出を停止する。
露光済みの基板P1を保持した外部搬送装置1100のロボットハンドは、図46(a)及び図46(b)に示されるように、+X方向へ移動してポート部から退出する。ポート部では、基板搬入ハンド1062との接触を避けるためにビームユニット1050(複数のバランスビーム1052)が−X方向へ移動した後、基板搬入ハンド1062が降下駆動される。
露光済みの基板P1が、例えばコータ/デベロッパなどの外部装置(不図示)に受け渡された後、外部搬送装置1100のロボットハンドは、図47(a)及び図47(b)に示されるように、基板P2の次に露光が行われる予定の基板P3を保持してポート部に向けて移動する。また、ポート部では、基板搬入ハンド1062が複数のバランスビーム1052よりも下方へ移動するとともに、複数のバランスビーム1052が、+X方向へ移動し、外部搬送装置1100のロボットハンドから基板P3を受け取るための基板受け取り位置に位置決めされる。これにより、最初の図31(a)及び図31(b)に示される状態に戻る。
以上説明した本実施形態によれば、搬入対象の基板Pを自由落下させることにより、基板ステージ装置1020上に搬入するので、例えば基板搬入装置1060から基板Pを受け取るための装置(例えば、リフトピン装置など)を用いる場合に比べ、装置構成が簡単である。また、基板搬入装置1060から基板ホルダ1028への基板受け渡し動作時における可動部材の動作が少ないので、迅速に基板Pの搬入を行うことが可能となる。また、例えばリフトピン装置などを用いる場合に比べ、発塵を抑制できるので、基板Pに対するゴミの付着を抑制できる。
また、基板ステージ装置1020に、例えばリフトピン装置などの基板Pを基板搬入装置1060から受け取るための装置、あるいは基板Pを搬送時に該基板Pを載置する部材(いわゆる基板トレイなど)を収容するための孔部(あるいは凹部)を基板ホルダ1028に形成しなくても良い。従って、気体噴出用、及び気体吸引用の微小な孔部を除き、基板ホルダ1028の上面のほぼ全面を平坦化することができる。これにより、基板ホルダ1028に載置された基板Pの平面矯正を確実に行うことができ、露光精度が向上する。また、基板ホルダ1028上に孔部、凹部などを形成しなくても良いので、該孔部、凹部に起因する露光光の反射率、反射量の変化を抑制できる。従って、基板Pに対するマスクパターンの転写ムラを抑制できる。
また、搬入対象の基板Pを自由落下させる際に、基板搬入時に基板Pを支持していた基板搬入装置1060とは分離して設けられた一対の基板搬入ベアラ装置1082bにより基板Pの水平面内の位置を拘束するので、自由落下時の空気抵抗の影響による基板Pの水平面内の位置ずれを抑制できる。したがって、基板Pを確実に基板ホルダ1028上に落下させることができる。
また、基板Pを基板ホルダ1028上に載置する前に、該基板Pの自由落下を一旦停止させるので、基板ホルダ1028に基板Pを吸着保持させる際に該基板Pと基板ホルダ1028との間における、いわゆる空気溜まりの発生、及び空気溜まりに起因する基板Pの変形を抑制できる。また、基板Pを基板ホルダ1028上に落下させる際に、基板ホルダ1028がエアベアリングのように機能するので、落下時の衝撃を抑制することができる。
また、基板Pを基板ホルダ1028上に載置する前に、一対の基板搬入ベアラ装置1082bによって、該基板の基板ホルダ1028に対する位置決めを行うので、一旦基板ホルダ1028上に載置した基板Pの再配置(リロード)を行う必要(例えば、載置位置のずれ)が生ずる可能性を低減できる。従って、基板Pの搬入動作速度が向上し、全体的なスループットが向上する。
また、近年、基板Pは、より薄型化、軽量化される傾向にある。基板Pが薄型化、軽量化されると、基板Pに作用する重力方向下向きの力が低下するので、基板Pを自重により自由落下させて基板ホルダ1028に受け渡す際の衝撃を低減できる。このように、本実施形態に係る基板交換装置1040は、薄型化、軽量化された大型の基板Pの交換に特に好適である。なお、本実施形態では、落下時の基板Pに作用する空気抵抗によって該基板Pの急激な落下を抑制し、これにより基板Pが基板ホルダ1028上に載置される際の衝撃を抑制することから、基板ホルダ1028の上面は、凹部、あるいは孔部などが形成されていないフラットな領域が多いことが好ましい。
なお、上記第3の実施形態の構成は、適宜変更が可能である。例えば、上記第3の実施形態では、図29(a)に示されるように、基板ホルダ1028の+X側に切欠き28aが形成され、該切り欠き1028a内に基板搬出ベアラ装置1082aの保持パッド1084aの一部が収容されたが、これに限られず、例えば基板搬出ベアラ装置1082aを省略し、基板ホルダ1028の−X側に配置された一対の基板搬入ベアラ装置1082bが、基板搬出動作をアシストするようにしても良い。
すなわち、本変形例に係る基板ホルダ1028上の基板Pの交換動作では、まず基板搬入ベアラ装置1082bが基板Pを把持して基板ホルダ1028上を非接触で+X方向へ移動させ、基板Pを基板ホルダ1028からオフセット(オーバーハング)させると(図37(a)及び図37(b)参照)、基板ホルダ1028からの加圧気体の噴出が停止され、基板Pは、再び基板ホルダ1028に載置される。基板搬入ベアラ装置1082bは、基板Pの吸着を解除して少し降下し、再び−X方向に移動した後、高く上昇して基板ホルダ1028の上空で待機する新しい基板Pを下から吸着把持する。基板搬出装置1070では、基板搬出ハンド1072が基板ホルダ1028上にオフセットして載置された基板Pの端部近傍を下方から吸着把持する(図38(a)及び図38(b)参照)。その後、基板ホルダ1028、及びバランスビーム1052から加圧気体が噴出され、基板Pは基板搬出ハンド1072に把持された部分以外が、非接触な状態でポート部まで搬出される。このように、本変形例によると、基板搬出ベアラ装置1082aを省略した(基板搬入用のアシスト装置と基板搬出用のアシスト装置とを共通にした)ので、構造がシンプルになり、コストを低減することができる。
また、アライメントパッド1078は、基板Pをθz方向に、例えば90°回転できるようになっていても良い。この場合、ポート部において、アライメントパッド1078を用いて基板Pの向きを変える(長手方向をX軸又はY軸に平行にする)ことが可能であるので、例えば外部搬送装置1100から長手方向がX軸に平行な状態(横長の状態)で搬送された基板Pを、ポート部において、例えば90°回転させて、長手方向がY軸に平行な状態(縦長の状態)とすることができる。したがって、基板Pを基板ステージ装置1020に搬入する際に、基板Pを横長の状態で搬入すること、及び縦長の状態で搬入すること、を任意に選択することができる。また、外部搬送装置1100によって縦長の状態でポート部に搬送された基板Pを、ポート部で、例えば90°回転させて横長の状態することも可能である。この場合、外部搬送装置1100のロボットハンドの指部を短くすることができる。
また、上記第3の実施形態では、Y軸方向に離間して配置された一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bを用いて、基板PのY軸方向に離間する2箇所を保持したが、基板Pの保持箇所は、これに限らず、例えばひとつの保持パッド1084bにより、基板Pを1箇所で保持しても良い。この場合、保持パッド1084bと基板Pとの接触面積を確保するため、保持パッド1084bの保持面をY軸方向に延びる形状にすると良い。
また上記第3の実施形態では、基板搬入ベアラ装置1082bが、基板Pの−X方向側端部を拘束(保持)するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、基板Pの+Y方向側端部や−Y方向側端部、あるいは−X方向側端部と+Y方向側端部との角部や、−X方向側端部と−Y方向側端部との角部を拘束(保持)するように構成しても良い。基板搬入ベアラ装置1082bが基板Pを拘束する箇所(場所)は、基板搬出ベアラ装置1082a、基板搬出装置1070、および基板搬入装置1060の動作の邪魔にならないように設置できるのであれば、上記各端部または各角部の何れでも、或いは何れの組み合わせであっても良い。
また、上記第3の実施形態において、一対の基板搬入ベアラ装置1082bそれぞれの保持パッド1084bは、対応する切り欠き1028b内に収容されたが、これに限られず、例えば基板Pのうち、予め基板ホルダ1028の端部近傍からはみ出した部分を吸着保持しても良い。この場合、基板ホルダ1028に切り欠き1028bを形成する必要がない。なお、上記はみ出した部分は、面積が小さいので、保持パッド1084bと基板Pとの接触面積を確保するため、保持パッド1084bの保持面をY軸方向に延びる形状にすると良い。また、基板Pを基板ホルダ1028の上面に載置する際に、該基板Pの裏面と基板ホルダ1028の上面との間に保持パッド1084bを挟み込んだ後に、保持パッド1084bを引き抜いても良い。この場合も基板ホルダ1028に切り欠き1028bを形成する必要がない。このとき、保持パッド1084bを引き抜く際に基板Pが移動しないように、基板Pの一部を吸着保持しておくと良い。
また、上記第3の実施形態において、搬出対象の基板Pは、基板搬出ベアラ装置1082aによりオフセット状態(基板ホルダ1028から一部が突き出した状態)とされたが、これに限られず、基板ホルダ1028をY軸周りに傾けて基板ホルダ1028の上面を傾斜させ、自重により基板Pをオフセット状態としても良い。また、基板搬出装置1070は、基板Pのオフセットされた端部近傍を保持して基板Pを搬出したが、基板Pのうち、予め基板ホルダ1028の端部近傍からはみ出した部分を吸着保持しても良い。また、基板搬出ベアラ装置1082aにより基板Pをオフセット状態とする動作は、基板ホルダ1028が基板交換位置に移動する最中に(基板ホルダ1028の移動と並行して)行っても良い。
また、上記第3の実施形態において、基板搬入装置1060は、基板Pを重力方向下方から支持する基板搬入ハンド1062を用いて基板Pを搬送したが、基板Pの搬送時における自由落下を防止できれば、搬入用の搬送装置の構成は、これに限られず、例えば公知のベルヌーイチャックなどを用いて基板Pを重力方向上方から吊り下げ支持して搬送しても良い。この場合、ベルヌーイチャックによる基板Pの吊り下げ支持を解除することにより、基板Pを自重により落下させることができる。
なお、このベルヌーイチャック方式を用いる場合にも、基板ホルダ1028の上空で基板PのXY平面内の位置を拘束するために、上記実施形態における基板搬入ベアラ装置1082bの代わりになる何らかの搬送アシスト機構が必要になる。この搬送アシスト機構として例えば、基板Pの側面を物理的に制限するための壁部材をベルヌーイチャックの周辺部に構成するようにしても良い。あるいは、基板Pの側面に対して、XY平面内の位置拘束のためのエアを吹き付ける機構を、ベルヌーイチャックに設けるようにしても良い。
また、上記第3の実施形態における基板交換時の動作シーケンスでは、図40〜図42に示されるように、基板搬出ハンド1072の+X方向への駆動(基板搬出ハンド1072による、基板P1の基板ホルダ1028からの搬出動作/基板搬出ハンド1072の「引き抜き動作」と称す)の開始後に、基板搬入ハンド1062の+X方向への駆動(基板搬入ハンド1062の基板P2の下方からの退避動作/換言すれば基板搬入ハンド1062による基板P2の基板ホルダ28への搬入動作/基板搬入ハンド1062の「引き抜き動作」と称す)を開始するものとして説明したが、この引き抜き動作のタイミングはこれに限られない。基板搬入ハンド1062の上記引き抜き動作に伴って自重で落下する基板P2が、両ハンド1062,72および基板P1に接触しないように動作タイミングを制御していれば、両ハンド1062,72の上記引き抜き動作の開始順序はどちらが先でも、或いは同時でも良い。
また、上記第3の実施形態において、基板ホルダ1028は、基板Pを吸着保持する構成であったが、これに限られず、例えば基板Pを非接触状態で保持しても良い。
また、上記第3の実施形態において、基板ホルダ1028の上空で基板PのXY平面内の位置を拘束するための基板搬入ベアラ装置1082bは、基板ホルダ1028(基板ステージ装置1020)が備えていたが、これに限られず、例えば基板搬入装置1060が有していても良いし、あるいは、基板交換位置の上方において、例えば基板ステージ装置1020などを収容するチャンバを構成するフレーム部材に吊り下げ支持されても良い。
また、上記第3の実施形態では、外部搬送装置1100のロボットハンドが搬入対象の基板Pをポート部に受け渡した後、該基板Pを基板搬入装置1060が基板ホルダ1028の上空に搬送したが、これに限られず、外部搬送装置1100のロボットハンドが、搬入対象の基板Pを基板ホルダ1028の上空に搬送し、該基板Pを基板搬入ベアラ装置1082bに直接受け渡しても良い。
《第4の実施形態》
次に第4の実施形態について図49〜図56を用いて説明する。本第4の実施形態は、上記第1の実施形態に係る基板ステージ装置20(図2など参照)と同様の構成の基板ステージ装置を有する液晶露光装置における基板の交換動作において、上記第3の実施形態における基板交換装置1040(図27など参照)と同様の構成の基板交換装置を用いるものである。以下、本第4の実施形態の説明では、上記第1、又は第3の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第1、又は第3の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
図49(a)及び図49(b)に示されるように、基板ステージ装置20は、粗動ステージ24、重量キャンセル装置26、Xガイドバー28、基板テーブル30、非接触ホルダ32、一対の補助テーブル34、基板キャリア40などを備えている(各要素の詳細は上記第1の実施形態参照)。基板キャリア40は、非接触ホルダ32に非接触支持された基板P1の四隅部近傍を吸着保持している。
また、基板交換装置1040は、ビームユニット1050、基板搬入装置1060、基板搬出装置1070(アライメントパッド1078は省略)、及び基板アシスト装置1080を有している(各要素の詳細は上記第3の実施形態参照)。外部搬送装置1100のロボットハンド上には、基板P1の次に露光が行われる基板P2が載置されている。基板キャリア40を構成する一対のYフレーム42yのうち、+X側のYフレーム42yのZ位置は、基板P1の下面のZ位置よりも低い位置に配置されている(図3など参照)。
本第4の実施形態の基板ステージ装置20において、基板アシスト装置1080を構成する一対の基板搬出ベアラ装置1082a、及び一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、粗動ステージ24に取り付けられている(便宜上同一の符号を用いる)が、上記第3の実施形態と同様に、基板テーブル30(あるいは非接触ホルダ32)に取り付けられていても良い。
本第4の実施形態における基板Pの交換動作は、上記第3の実施形態と概ね同じである。以下、簡単に説明する。図50(a)及び図50(b)では、外部搬送装置1100のロボットハンドが基板P2をポート部のビームユニット1050の上方へ搬送する。次いで、図51(a)及び図51(b)に示されるように、外部搬送装置1100のロボットハンドが基板P2をビームユニット1050に載置する(受け渡す)。次いで、図52(a)及び図52(b)に示されるように、基板P2を支持したビームユニット1050が−X方向に移動した後、基板搬入装置1060の基板搬入ハンド1062が上昇して、ビームユニット1050上の基板P2を掬い取る。また、この動作と並行して、基板ステージ装置20では、基板搬出ベアラ装置1082aが露光済みの基板P1を非接触ホルダ32に対して+X方向に所定量移動させる(オフセットさせる)。
次いで、図53(a)及び図53(b)に示されるように、基板搬入ハンド1062が基板P2を保持して基板交換位置の上空へ(−X方向へ)移動を開始する。この動作と並行して、基板搬出装置1070では、基板搬出ハンド1072が−X方向へ移動するとともに、基板ステージ装置20は、非接触ホルダ32、基板キャリア40などが基板交換位置へ(+X方向へ)移動する。次いで、図54(a)及び図54(b)に示されるように、基板搬入ハンド1062が基板交換位置の上空で停止する。そして、基板ステージ装置20は、基板搬入ベアラ装置1082bが上昇動作を行う。また、上記各動作と並行して、基板搬出装置1070では、基板搬出ハンド1072が、非接触ホルダ32に対してオフセットされた基板P1の+X側の端部近傍を下方から把持(吸着保持)する。
次いで、図55(a)及び図55(b)に示されるように、基板搬出ハンド1072が+X方向に移動し、露光済み基板P1をポート部へ引き出す。また、基板搬入ベアラ装置1082bは、基板搬入ハンド1062上の基板P2の−X側の端部近傍を下方から把持(吸着保持)する。基板P2が基板搬入ベアラ装置1082bに保持されると、基板搬入ハンド1062は、基板P2を非接触ホルダ32の上空に残して+X方向に退避する。換言すると、基板P2が基板搬入ベアラ装置1082bに保持されると、基板搬入ハンド1062は、基板P2の保持を解除する。
次いで、図56(a)及び図56(b)に示されるように、基板搬出ハンド1072が露光済み基板P1を解放して降下する。また、基板搬入ハンド1062は、基板ステージ装置20の上空から完全に退避する。上記各動作と並行して、基板搬入ベアラ装置1082bは、新しい基板P2を保持した状態で下降し、その後に基板P2の位置を補正(プリアライメント)して該基板P2を基板キャリア40の吸着パッド44(図3参照)に引き渡す。基板搬入ベアラ装置1082bは、基板P2を保持して降下することで、基板P2を非接触ホルダ32により支持させ、この状態で新しい基板P2の位置を補正(プリアライメント)した後、基板キャリア40の吸着パッド44(図3参照)に引き渡すようにしても良い。
ここで、図87(a)及び図87(b)に示されるように、Z軸方向に関して基板Pが非接触ホルダ32から浮上(非接触ホルダ32の上面に対して離間)していることが可能な範囲内で、基板Pが保持パッド1084bから吸着パッド44へ受け渡されるように、保持パッド1084bのZ位置が予め設定されている。Z軸方向に関して基板Pが非接触ホルダ32から供給される空気によって浮上している状態で、基板Pを保持パッド1084bから吸着パッド44へ受け渡すようにしても良いし、非接触ホルダ32から供給される空気ではなく基板P下面と非接触ホルダ32上面との間に介在している空気、いわゆる空気溜まりによって、基板Pが非接触ホルダ32の上方に浮上している状態で、基板Pの受け渡しを行っても良い。なお、基板Pが浮いていれば良いため、空気溜まりにより基板Pを浮かす場合、非接触ホルダ32ではなく吸着式ホルダであっても良い。なお、基板P下面と非接触ホルダ32上面との間に介在している空気、いわゆる空気溜まりによって、基板Pが非接触ホルダ32の上方に浮上させることは、本実施形態に限られず先述した実施形態および後述する実施形態のすべての実施形態でも適用可能である。本実施形態では、保持パッド1084bが下降することによって基板Pが保持パッド1084bから吸着パッド44に受け渡される構成であるため、非接触ホルダ32の上面よりも保持パッド1084bの上面が+Z側に配置されている。これにより、基板Pを保持した保持パッド1084bを−Z方向へ移動させると、基板Pの下面が吸着パッド44に接触し、基板Pが非接触ホルダ32から浮上した状態が維持されたまま、基板Pを下方から支持する部材が自動的に保持パッド1084bから吸着パッド44に切り替わる。基板Pを保持パッド1084bから吸着パッド44へ受け渡すため、基板P内の吸着パッド44と保持パッド1084bとが保持する箇所は、互いに異なる箇所を保持している。なお、基板Pを保持した保持パッド1084bは、基板Pを吸着パッド44に受け渡す際に、吸着パッド44による基板Pの吸着を解除するために、基板Pの下面の空気を吸引することを止めても良い。さらに、保持パッド1084bから基板Pの下面へ空気を供給し、保持パッド1084bへの基板Pの吸着を積極的に解除するようにしても良い。また、基板Pの下面が吸着パッド44に接触する少し前から、つまり基板Pが保持パッド1084bから吸着パッド44に受け渡される前に、吸着パッド44から基板Pの下面に対して空気を供給し、吸着パッド44と基板Pとが接触する際の衝撃を緩和して、基板Pの破損を抑制するようにしても良い。
なお、基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bが基板Pを基板キャリア40の吸着パッド44に受け渡す際の動作は、これに限られない。すなわち、保持パッド1084bと吸着パッド44とがZ軸方向に相対移動することによって、上記基板Pの受け渡しが可能になることから、基板キャリア40の吸着パッド44(基板Pを受け取る側)がZ軸方向に移動して基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084b(基板Pを受け渡す側)から基板Pを受け取っても良い。この場合、保持パッド1084bは、静止していても良いし、吸着パッド44と保持パッド1084bとが共にZ軸方向へ移動(保持パッド1084bが降下し、吸着パッド44が上昇)しても良い。換言すると、Z軸方向に関する保持パッド1084bの移動可能範囲と吸着パッド44の移動可能範囲とが少なくとも一部重なるようになっていると、保持パッド1084bと吸着パッド44との間で基板Pの受け渡しが可能である。また、保持パッド1084bと吸着パッド44との一方が基板Pを保持した状態から、両方が基板Pを保持する状態を経て、他方が基板Pを保持する状態となったが、これに限られない。保持パッド1084bと吸着パッド44と一方が基板Pを保持した状態から、どちらにも保持されない状態を経て、他方が基板を保持する状態としても良い。これは、非接触ホルダ32から供給された空気または基板P下面の空気溜まりにより、保持パッド1084bと吸着パッド44との両方に基板Pが支持されていなくとも、基板Pが非接触ホルダ32に衝突して破損することはない。ただし、保持パッド1084bと吸着パッド44との両方に基板Pが支持されていない場合、浮いている基板Pの位置を規定するものがないため、より念入りに基板Pの位置を補正(プリアライメント)したほうが良い。
以上説明した第4の実施形態でも、上記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図57(a)及び図57(b)に示されるように、基板ステージ装置20において、基板搬入ベアラ装置1082bを基板キャリア40に取り付け、該基板搬入ベアラ装置1082bによって、基板キャリア40が基板Pを保持するようにしても(吸着パッドを共通化させても)良い。この場合、基板キャリア40に取り付けられた−X側の2つの吸着パッド44(図3参照)を省略することができる。また、不図示であるが、基板搬出ベアラ装置1082aも同様に基板キャリア40に取り付けても良い。この場合、基板キャリア40に取り付けられた+X側の2つの吸着パッド44も省略することができる。この場合、基板搬入ベアラ装置1082bが、基板キャリア40に対して、上方へ相対駆動し、基板搬入ハンド1062上の基板P2の−X側の端部近傍を下方から把持(吸着保持)し、基板搬入ハンド1062が基板P2の下方から退避すると、基板搬入ベアラ装置1082bにより基板P2を非接触ホルダへ載置するように下方へ駆動する。
《第5の実施形態》
次に第5の実施形態について図58〜図64を用いて説明する。本第5の実施形態は、上記第4の実施形態と比べて、基板ステージ装置の構成の一部、及び基板交換装置の構成の一部が異なっている。以下、本第5の実施形態の説明では、上記第4の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第4の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
本第5の実施形態に係る基板ステージ装置2020が有する基板キャリア2040は、+Y側に開口したU字状に形成されている点、及び基板Pを吸着保持する吸着パッド2044が一対のYフレーム42yに取り付けられている点が上記第4の実施形態と異なる。また、図13(a)、図13(b)に示される基板ステージ装置220と同様にエア浮上ユニット238によって、基板キャリア2040が下方から支持されている。基板Pの−Y側のXフレーム42xは、基板Pより高い位置に取り付けられている。また、一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、基板Pの+X側の端部近傍、及び−X側の端部近傍をそれぞれ保持可能なように、X軸方向に所定間隔で配置されている。一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、不図示の粗動ステージに取り付けられている。基板搬入ベアラ装置1082bの動作自体は、上記第4の実施形態と同様である。
ここで、基板キャリア40は、水平面内で非接触ホルダ32、エア浮上ユニット36、及びエア浮上ユニット238に対して相対移動するが、基板搬入ベアラ装置1082bは、基板Pを保持した基板キャリア40(及び基板P)の移動軌跡外に配置されている。具体的には、一対の基板搬入ベアラ装置1082bは、X軸方向に離間して配置され、それぞれエア浮上ユニット36とエア浮上ユニット238との間に配置されている。基板搬入ベアラ装置1082bが有する保持パッド1084b(図29(b)参照)は、Z軸方向へ移動可能であるので、基板キャリア40が水平面内で非接触ホルダ32などに対して相対移動する際には、保持パッド1084bが−Z方向に移動して基板キャリア40(及び基板P)の移動軌跡外に退避するように制御される。
基板交換装置1040において、ポート部(基板交換位置の+X側)に配置されたビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとは、駆動装置2098(図59〜図64では図示省略)によってX軸、及びY軸方向に移動が可能となっている。また、基板交換装置1040は、基板交換位置の−Y側にもビームユニット2050Bと基板搬出装置2070Bとを有している。ビームユニット2050A、2050B、及び基板搬出装置2070A、2070Bの構成は、それぞれ上記第4の実施形態のビームユニット2050、基板搬出装置2070(それぞれ図30(a)、図30(b)など参照)と概ね同じである。
次に本第5の実施形態に係る基板交換動作について説明する。図59では、非接触ホルダ32が基板交換位置に位置している。この状態で、基板キャリア2040が−Y側に駆動されることによって、露光済みの基板P1は、その−Y側の半分の領域が−Y側の補助テーブル34に下方から支持される。この動作と並行して、基板搬入ハンド2062が基板P2をポート部に搬送する。外部搬送装置のロボットハンド(不図示)によってポート部に搬送された基板P2を基板搬入ハンド2062が下から掬い取る。
次いで、図60に示されるように、基板搬入ハンド2062が基板P2を非接触ホルダ32の上空へ向けて搬送する。これと並行して、基板搬出装置2070Bの基板搬出ハンド2072Bが基板P1の−Y側の端部近傍を把持し、その状態で−Y方向へ移動する。また、基板搬出ハンド2072B(基板P1)の移動と並行して、基板キャリア2040が、+Y方向(基板P1とは反対の方向)へ移動する。更に上記各動作と並行して、ビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとが一体的に−Y方向へ移動する。
次いで、図61に示されるように、基板搬入ベアラ装置1082bが上昇駆動され、基板搬入ハンド2062上の基板P2の+Y側の端部近傍における2箇所を下方から吸着保持する。基板キャリア2040は、通常位置(非接触ホルダ32上の基板Pを保持可能な位置)に復帰しており、この状態で、基板キャリア2040と基板P1とは、XY平面内の位置が重複していない。
次いで、図62に示されるように、基板搬入ハンド2062が高速且つ高加速度で非接触ホルダ32の上空から+X方向に退避する。基板P2は、基板搬入ベアラ装置1082bに吸着保持されているので、非接触ホルダ32上空に取り残される。上記動作と並行して、ビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとが−X方向へ移動する。ビームユニット2050A、及び基板搬出装置2070Aは、図65に示されるように、+X側のエア浮上ユニット238の上空を通過するように(接触しないように)、高さ位置が設定されている。図62に戻り、基板搬出装置2070Aでは、基板搬出ハンド2072Aが−X方向へ移動する。
ここで、基板搬入ハンド2062の退避時の加速度は、基板Pの降下加速度(1G以下)よりも速い加速度、例えば3G程度の加速度に設定されている。
次いで、図63に示されるように、基板搬出ハンド2072Aが露光済み基板P1を把持して+X方向に移動する。ビームユニット2050A、2050Bは、上面の高さ位置が概ね同じとなるように高さ位置が設定されており(図65参照)、基板P1は、ビームユニット2050A、2050Bによって形成される平面(ガイド面)に沿って移動する。基板P1がビームユニット2050Aに支持されると、ビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとが+X方向へ移動する。上記各動作と並行して、基板ステージ装置2020では、基板搬入ベアラ装置1082bが基板P2を把持(保持)した状態で降下する。
次いで、図64に示されるように、基板P1を保持したビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとが+Y方向へ移動する。なお、ビームユニット2050Aと基板搬出装置2070Aとは、そのまま+X方向へ移動して基板P1を外部装置へ向けて搬出しても良い。上記動作と並行して、基板ステージ装置2020では、基板搬入ベアラ装置1082bが基板P2を基板キャリア2040の吸着パッド2044に受け渡し、非接触ホルダ32は、基板P2を下方から非接触支持する。この状態で、基板キャリア2040、及び非接触ホルダ32が、所定の露光開始位置へ移動する。
以上説明した第5の実施形態でも上記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、基板P1の搬出動作時に、基板P1と基板キャリア2040とを互いに反対方向へ移動させるので、基板P1の搬出動作を迅速に行うことができる。
なお、上記第5の実施形態では搬入対象の基板P(基板P1)は、+X側から−X側へ(−X方向へ)移動することによって搬入され、搬出対象の基板P(基板P2)は、−Y方向へシフト移動した後、+X方向、及び+Y方向へ移動することによって、搬入と同じ場所から搬出するようになっていたが、この限りではなく、例えば、基板Pを+X側から−X側へ(−X方向へ)搬入するとともに−Y方向へ搬出しても良いし、あるいは、基板Pを−Y側から+Y側へ(+Y方向へ)搬入するとともに−Y方向へ搬出しても良い。また、新しい基板P(基板P2)を把持して基板搬入ベアラ装置1082bが降下するのと基板キャリア2040が+Y方向へ戻るタイミングをほぼ同時としたが、どちらかが先でも構わない。ただし、基板Pの降下が先の場合には、基板キャリア2040が通常位置に戻る際に、吸着パッド2044と基板Pとが接触しないようになっている必要がある。
《第6の実施形態》
次に第6の実施形態について図66(a)〜図70(b)を用いて説明する。本第6の実施形態は、上記第2の実施形態の変形例に係る基板ステージ装置520(図21など参照)と同様の構成の基板ステージ装置を有する液晶露光装置における基板Pの交換動作において、上記第3の実施形態における基板搬入ベアラ装置1082b(図29(a)、図29(b)など参照)と同様の構成の基板搬入ベアラ装置を用いるものである。以下、本第6の実施形態の説明では、上記第2、又は第3の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第2、又は第3の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
図66(a)及び図66(b)に示されるように、基板ステージ装置3520は、平面視で−X側に開口するU字状に形成された基板キャリア3540を有している。基板キャリア3540は、非接触ホルダ32に支持された基板Pの端部近傍を保持する。スキャン露光動作時において、基板キャリア3540がX軸方向に移動する際、基板Pが非接触ホルダ32、及び複数のエア浮上ユニット436によって形成されるガイド面上を非接触で移動する点は上記第2の実施形態の変形例と同じである。非接触ホルダ32、複数のエア浮上ユニット436、基板キャリア3540などの駆動系に関しては、上記第2の実施形態の変形例と同じ(図21〜図25(b)など参照)であるので、説明を省略する。
基板ステージ装置3520は、基板搬入ベアラ装置3082bと基板搬出ベアラ装置3082aを有している。各ベアラ装置3082a、3082bは、非接触ホルダ32に対するXY平面内の位置が固定(非接触ホルダ32に対してZ軸方向にのみ保持パッドが移動可能)である。基板搬入ベアラ装置3082bは、基板Pの−X側の端部近傍を保持可能な位置に配置され、基板搬出ベアラ装置3082aは、+X側の補助テーブル534内に配置されている。
以下、基板ステージ装置3520における基板交換動作を説明する。露光動作が終了すると、図67(a)及び図67(b)に示されるように、基板キャリア3540は、露光済みの基板P1が+X側の複数のエア浮上ユニット436に支持されるように、基板P1を保持した状態で+X方向へ移動する。
次いで、図68(a)及び図68(b)に示されるように、基板搬入ハンド3062(図68(a)では不図示)が新しい基板P2を保持して非接触ホルダ32の上空に進入してくる。また、基板搬出ベアラ装置3082aが上昇し、基板キャリア3540が保持している露光済み基板P1を下方から吸着把持する。また、上記各動作と並行して、基板搬入ベアラ装置3082bが上昇を開始する。
次いで、図69(a)及び図69(b)に示されるように、基板搬入ベアラ装置3082bが上昇して基板P2の−X側の端部近傍を吸着保持する。また、この状態で、基板搬入ハンド3062が+X方向へ高速で移動し、基板P2の下方から退避する。上記各動作と並行して、基板キャリア3540が基板P1の吸着保持を解除した後、−X方向へ移動する。
次いで、図70(a)及び図70(b)に示されるように、基板搬入ベアラ装置3082bが基板P2を把持した状態で降下する。また、基板キャリア3540が−X方向へ移動して通常位置へ復帰する。基板搬入ベアラ装置3082bは、基板P2を非接触ホルダ32に対して水平面内3自由度方向に微少駆動してラフアライメントをした後、基板キャリア3540の吸着パッド44に基板P2を受け渡す。
以上説明した第6の実施形態でも上記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、露光済み基板P1を非接触ホルダ32上空から完全に待避した位置(+X側の補助テーブル534上)に移動させ、露光済み基板P1をその場に残して基板キャリア3540だけが通常位置(非接触ホルダ32上)に戻るように構成したので、基板搬出ベアラ装置3082aは上下動だけ行うようになっており、構成が簡単である。なお、これに限られず、上記第5の実施形態と同様に、露光済み基板P1が非接触ホルダ32に約半分支持される(オーバラップする)位置で基板搬出ハンド2072B(図61参照)と同様の構成の搬出装置(基板搬出ベアラ装置3082aをX方向に駆動可能な構成とし、基板搬出ベアラ装置3082aを用いても良い)に把持させ、基板キャリア3540が戻る(−X方向へ移動する)のと同時に、露光済み基板P1を基板キャリア3540と反対方向(+X方向)に移動させても良い。この場合、+X側の補助テーブル534の長さを短くすることができると共に、基板キャリア3540から基板P1を待避させる時間が半減されるので、基板交換時間が短縮される。
また、基板P2の搬入タイミングは、非接触ホルダ32上に露光済み基板P1がなくなれば、いつでも構わないが、基板キャリア3540より先に基板P2を非接触ホルダ32上に載置する場合には、基板キャリア3540が戻る途中で基板キャリア3540の吸着パッド44と新しい基板P2が接触しないようにする必要がある。また、基板P2の搬入方向、基板P1の搬出方向はどちらからでも構わない。
《第7の実施形態》
次に第7の実施形態について、図71〜図75(c)を用いて説明する。本第7の実施形態は、上記第3の実施形態に係る基板ステージ装置1020(図27など参照)と同様の構成の基板ステージ装置を有する液晶露光装置において、基板搬入ベアラ装置の構成、及び動作が上記第3の実施形態とは異なる。以下、本第7の実施形態の説明では、上記第3の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第3の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
図71には、第7の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置4082の一部が省略されて図示されている。本第7の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置4082は、上記第3の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置1082b(図29(b)参照)と同様の動作を行うものであるが、基板Pの吸着力の向上、及び基板Pのプリアライメント(X軸方向、及びθz方向)動作時における剛性の向上が図られている。
上記第3の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置1082b(図29(b)参照)は、基板ホルダ1028に形成された切り欠き1028b内に保持パッド1084bが挿入される構成であったが、基板ホルダ1028による基板Pの保持力(平面矯正力)の観点からは、ホルダ上面には、切り欠きなどの凹部が小さい(あるいは無い)ことが好ましい。これに対し、切り欠きを小さくすると、保持パッドも併せて小型化する必要があり、基板Pの吸着力が低下するおそれがある。本実施形態では、図71に示されるように、基板搬入ベアラ装置4082の保持パッド4084が薄型化されるとともに、基板ホルダ(不図示)に切り欠き(凹部)が形成されていない。保持パッド4084は、上記第3の実施形態よりも大型化され、基板Pの吸着力が向上されている。
また、基板搬入ベアラ装置4082は、保持パッド4084をY軸方向、及びθz方向にのみに微少移動可能とするガイド機構4098を有している。図72には、基板搬入ベアラ装置4082の分解図、図73には、ガイド機構4098の概念図が示されている。保持パッド4084には、継ぎ手4082fが接続されている。保持パッド4084は、平面視(Z軸方向から見て)台形状の揺動ブロック4082eにボルトなどを介して固定されている。揺動ブロック4082eの上面、及び下面からは回転軸4082gが突き出している。保持パッド4084は、回転軸4082g、第1微動ガイド4082b、及び第2微動ガイド4082dを介して、本体部4086に対して取り付けられている。微動ガイド4082b、4082dは、本体部4086と軸受けブロック4082hとの間に架設される平行板ばね装置を含む。本体部4086には、θz位置制御ガイド4082cが取り付けられている。θz位置制御ガイド4082cは、一対の板ばねを有し、揺動ブロック4082eは、一対の板ばね間に挿入されている。θz位置制御ガイド4082cは、揺動ブロック4082eをニュートラル位置に復帰させる。保持パッド4084、及び本体部4086などは、Xリニアアクチュエータ4082aにより、X軸方向に一体的に駆動される。
図73に示されるように、ガイド機構4098では、微動ガイド4082b、4082dによって回転軸4082gを支持する軸受けブロック4082hが本体部4086に対してY軸方向に微少移動可能となっており、且つ保持パッド4084は、軸受けブロック4082hに対してθz方向に微少角度で揺動自在となっている。保持パッド4084の揺動可能範囲は、θz位置制御ガイド4082cが有する一対の板ばねによって規定される。
図74に示されるように、基板Pのプリアライメント動作時において、一対の基板搬入ベアラ装置4082は、基板Pをθz方向に回転させるために、本体部4086が互いに反対方向に駆動される。このとき、本実施形態のガイド機構4098(図73参照)によれば、構造が簡単で、且つ剛性が高く、高精度で基板Pの位置決め動作を行うことができる。
図75(a)〜図75(c)には、第7の実施形態に係る基板Pの搬入動作が示されている。基板Pの搬入動作は、上記第2の実施形態と概ね同じである。基板Pが基板ホルダ1028の上空で不図示の基板搬入ハンドから基板搬入ベアラ装置4082の保持パッド4084に受け渡された後、基板Pと保持パッド4084とが降下し、基板Pが微少な隙間を介して基板ホルダ1028に非接触支持される。本第7の実施形態において、基板ホルダ1028の上面には、保持パッド4084を収納するための凹部が形成されておらず、保持パッド4084の厚みは、基板Pの下面と基板ホルダ1028の上面との間の間隔よりも薄く設定されている。
この状態で、図75(a)に示されるように、一対の保持パッド4084がX軸方向に独立に駆動されることによって、基板Pのプリアライメント動作が行われる。次いで、基板ホルダ1028は、図75(b)に示されるように、基板Pに対して+X側から−X側に向けて(−X方向に)順に真空吸引力を作用させる。基板Pの大部分の吸着保持が完了すると、図75(c)に示されるように、基板Pの吸着保持を解除した一対の保持パッド4084が−X方向に駆動され、基板Pの下方から退避する(引き抜かれる)。なお、吸着パッド4084から高圧気圧を噴出し、基板Pとの接触を少なくしても良い、つまり摩擦力を小さくしても良い。以下、不図示であるが、基板ホルダ1028が基板Pの全体を吸着保持する。
本第7の実施形態の基板搬入ベアラ装置4082によれば、基板Pの保持力を維持しつつ、且つ基板ホルダ1028の平面度を損なわない。また、プリアライメント動作時の動作方向の剛性が向上しており、プリアライメント精度を向上することができる。以上説明した第7の実施形態の基板搬入ベアラ装置4082は、上述した第4の実施形態に適用しても良い。
《第8の実施形態》
次に第8の実施形態について、図76〜図77(c)を用いて説明する。本第8の実施形態は、上記第3の実施形態に係る基板ステージ装置1020(図27など参照)と同様の構成の基板ステージ装置を有する液晶露光装置において、基板交換装置の構成、及び動作が上記第3の実施形態とは異なる。以下、本第8の実施形態の説明では、上記第3の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第3の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
基板ステージ装置5020は、基板ホルダ1028の+X側の両角部の近傍に基板搬出ベアラ装置5082aを有するとともに、基板ホルダ1028の−X側の両角部の近傍に基板搬入ベアラ装置5082bを有している。ベアラ装置5082a、5082bの構成は、上記第7の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置4082(図71など参照)と概ね同じである。すなわち、ベアラ装置5082a、5082bは、それぞれX軸方向に所定のストロークで移動可能な薄型の保持パッド4084(図71など参照)を有している。したがって、基板ホルダ1028の上面には、パッド収納用の凹部が形成されていない。基板搬出ベアラ装置5082aのX軸方向のストロークは、上記第3の実施形態よりも長く設定されている。ベアラ装置5082a、5082bは、基板テーブル1024に取り付けられていても良いし、不図示の粗動ステージに取り付けられていても良い。
基板ステージ装置5020は、搬出用プラットフォーム5030を有している。搬出用プラットフォーム5030は、複数の(本実施形態では、例えば10本)のバランスビーム5032を有している。複数のバランスビーム5032は、基板テーブル1024の+X側の側面に対してプラットフォームベース5038を介して接続されている。バランスビーム5032は、上述した第3の実施形態のバランスビーム1052(図28参照)と長さが異なる点を除き、同じ機能の部材である。バランスビーム5032の上面のZ位置は、基板ホルダ1028の上面のZ位置とほぼ同じに(あるいは幾分低く)設定されている。また、バランスビーム5032の上面のZ位置は、ビームユニット1050(図77(a)参照)が有するバランスビーム1052の上面のZ位置をほぼ同じに設定されている。搬出用プラットフォーム5030は、基板ホルダ1028の側面や下面に取り付けられていても良い。
プラットフォームベース5038上には、複数の照度センサ5034、基準指標5036、及び基準照度計(不図示)など(以下、「センサ類」と称する)が取り付けられている。センサ類の上面のZ位置は、バランスビーム5032の上面のZ位置よりも低く設定されている。複数のバランスビーム5032、センサ類を含み、搬出用プラットフォーム5030は、走査露光動作などにおいて、基板ホルダ1028と一体的にXY平面内で長ストロークで移動する。図77(a)に示されるように、基板テーブル1024の−X側の側面には、ミラーベース5024を介してバーミラー5022が取り付けられている。
次に基板ステージ装置5020における基板Pの搬出動作を説明する。図77(a)に示されるように、露光済みの基板Pは、+X側の両角部の近傍が基板搬出ベアラ装置5082aに把持(保持)される。基板搬出ベアラ装置5082aは、基板Pを基板ホルダ1028に対して+X側に移動(オフセット)させる。オフセット状態において、基板Pの+X側の端部近傍は、基板ホルダ1028の端部から突き出すが、この突き出した部分が複数のバランスビーム5032に下方から支持される。上述したように、バランスビーム5032は、基板ホルダ1028と一体の系を成していることから、基板搬出ベアラ装置5082aによる基板Pのオフセット動作は、露光動作終了後に基板ホルダ1028が所定の基板交換位置に向かう動作と並行して行うことができる。このとき、仮に基板ステージ装置5020が制御不能となっても、基板搬出装置1070の基板搬出ハンド1072とバランスビーム5032とが接触しないように、基板搬出ハンド1072は、バランスビーム5032よりも下方で待機している。
基板ホルダ1028が基板交換位置に配置された後、基板Pの+X側の端部近傍が基板搬出ハンド1072に把持(保持)される点(図77(b)参照)、及び基板Pを把持した基板搬出ハンド1072が+X方向に駆動されることによって、基板Pがビームユニット1050上に搬出される点(図77(c)参照)は、上記第3の実施形態と同じであるので、説明を省略する。また、基板搬入ベアラ装置5082bを用いた基板の搬入動作は、上記第7の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
以上説明した第8の実施形態によれば、基板Pの搬出動作を、基板ホルダ1028の基板交換位置への到達に先立って開始することができるので、基板交換動作を迅速に行うことができる。また、ビームユニット1050が有するバランスビーム1052の長さ、基板搬出装置1070の基板搬出ハンド1072のX軸方向のストロークも、それぞれ短くすることができる。
《第9の実施形態》
次に第9の実施形態について、図78〜図83を用いて説明する。本第9の実施形態は、上記第8の実施形態に係る基板ステージ装置5020(図76など参照)と同様の構成の基板ステージ装置を有する液晶露光装置において、基板交換装置の構成、及び動作が上記第8の実施形態とは異なる。以下、本第8の実施形態の説明では、上記第7の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、上記第7の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略するものとする。
図78に示されるように、第9の実施形態に係る基板ステージ装置6020は、基板搬入ベアラ装置6082bの配置、及び動作が異なる点を除き、上記第8の実施形態の基板ステージ装置5020(図76など参照)と同様に構成されている。一対の基板搬入ベアラ装置6082bは、一方が基板ホルダ1028の+Y側に配置され、他方が基板ホルダ1028の−Y側に配置されている。基板搬入ベアラ装置6082bは、上記第7の実施形態に係る基板搬入ベアラ装置4082(図71など参照)と同様であるが、薄型の保持パッド4084のX軸方向に関するストロークが上記第7の実施形態よりも長く設定されている点が異なる。本実施形態において、基板搬入ベアラ装置6082bの保持パッド4084は、基板ホルダ1028の+Y側(又は−Y側)の端部に沿って、長ストロークで移動可能となっている。また、保持パッド4084は、Y軸方向にも所定のストロークで移動可能となっている。
以下、第9の実施形態に係る基板Pの搬入動作を説明する。図80に示されるように、基板Pは、上記第3の実施形態と同様の基板搬入装置1060によって搬入される。図79(a)及び図81に示されるように、基板搬入装置1060の基板搬入ハンド1062上に載置された基板Pは、基板ホルダ1028の上空に搬送される。このとき、基板Pが基板ホルダ1028に対して+X側にオフセットされる点が、上記第3の実施形態と異なる。
次いで、図81に示されるように、一対の基板搬入ベアラ装置6082bが、基板Pの−X側の端部近傍を把持(保持)する。保持パッド4084は、露光動作時などには、XY平面内で基板Pと重複しない位置(基板ホルダ1028の外側)に配置されており、基板Pを把持する際には、一方(+Y側)の保持パッド4084が−Y方向へ、他方(−Y側)の保持パッド4084が+Y方向へ、それぞれ駆動されることによって、保持パッド4084が基板Pと基板ホルダ1028との間に挿入される。この後、図79(b)及び図82に示されるように、基板搬入ハンド1062が+X方向に移動して基板ホルダ1028の上空から退避する。この基板搬入ハンド1062の退避動作と並行して、保持パッド4084が基板Pの自重による降下に併せて降下駆動される。また、保持パッド4084は、降下動作と併せて、−X方向(退避動作時の基板搬入ハンド1062の移動方向とは逆方向)に駆動される。
図83に示されるように、基板ホルダ1028の−X側には、一対のエッジセンサ6098がY軸方向に離間して配置されている(図78、図80〜図82では不図示)。エッジセンサ6098は、図79(a)に示されるように、側面視L字状のブラケット6096を介してミラーベース5024に取り付けられている。エッジセンサ6098の下方には、ターゲット6094が配置されている。エッジセンサ6098は、該エッジセンサ6098とターゲット6094との間に挿入された基板Pの−X側の端部における、基板ホルダ1028に対するX軸方向の位置を検出する。
保持パッド4084は、降下動作と−X方向への移動動作を並行して行うことによって、図79(c)に示されるように、基板Pの−X側の端部近傍をエッジセンサ6098とターゲット6094との間に挿入する。この際、基板ホルダ1028からは、基板Pの下面に加圧気体が噴出され、基板Pが基板ホルダ1028上に浮上している点は、上記第3の実施形態と同じである。
図83に示されるように、保持パッド4084は、一対のエッジセンサ6098の出力に基づいて、X軸方向、及びY軸方向に適宜微少駆動される。これにより、基板Pのプリアライメント動作が行われる。プリアライメント動作の終了の後、図79(d)に示されるように、基板ホルダ1028による基板Pの吸着保持、及び保持パッド4084の基板Pの下方からの退避動作が行われる点は、上記第7の実施形態と同様である。
以上説明した第9の実施形態によれば、基板搬入装置1060の基板搬入ハンド1062のX方向のストロークを短くすることができる。また、保持パッド4084と基板搬入ハンド1062とを互いに反対方向に移動させることによって、基板Pと基板搬入ハンド1062との分離を迅速に行うことができ、トータルでの基板交換時間を短縮することができる。また、エッジセンサ6098とターゲット6094とを併せて基板ステージ装置6020に設置することが可能となり、例えばエッジセンサのみを装置本体18(図1参照)に設置する場合に比べ、エッジの検出が簡単である。また保持パッド4084の−X方向への移動動作により、基板PのX側端部をエッジセンサ6098により検出でき、基板ホルダ1028に対する基板Pの位置調整を行うプリアライメント動作にかかる時間が短くなる。
なお、本実施形態では、基板Pの1方向(本実施形態では−X側)の端部の2箇所をエッジセンサ6098によって検出したが、これに限られず、図84に示されるように、基板ホルダ1028の3方向(+Y方向、−Y方向、及び−X方向)側の端部の検出を、それぞれ一対のエッジセンサ6098を用いて行っても良い。なお、基準辺が+X側になる場合には、ポート部で基板PをZ軸回りに180°回転させて基板ホルダ1028に搬入すると良い。
なお、以上説明した第1〜第9の各実施形態に係る液晶露光装置、基板ステージ装置、基板交換装置などの構成は、一例であって、適宜変更が可能である。以下、変形例について説明する。
図85(a)、及び図85(b)に示される第1の変形例は、上記第4の実施形態において、一対の基板搬入ベアラ装置1082bが装置本体18の上架台部18aに吊り下げ状態で固定された形態である。基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084bは、Z軸及びX軸方向(あるいはZ軸、X軸、及びY軸方向)に移動可能となっている。基板搬入ベアラ装置1082bの構造は、上記第4の実施形態と同様の直動のアクチュエータを用いても良いし、例えば米国特許第6,516,681号明細書に開示されるような公知のパラレルリンク機構を用いても良い。この場合、非接触ホルダ32に保持パッド1084bを収納するための凹部(切り欠き)を形成する必要がない。
図86(a)及び図86(b)に示される第2の変形例は、上記第4の実施形態における基板搬入ベアラ装置1082bの保持パッド1084b(図29(b)参照)と基板キャリア40の吸着パッド44(図3参照)が兼用されたような保持パッド10044が基板キャリア40に取り付けられた形態である。保持パッド10044は、基板キャリア40の本体部分(枠状部材)に対してZ軸及びX軸方向(あるいはZ軸、X軸、及びY軸方向)に移動可能となっている。この場合、上記第4の実施形態のような保持パッド間での基板Pの受け渡し動作が必要ない。基板キャリア40には、基板Pの位置を計測するセンサ(干渉計、あるいはエンコーダ)が取り付いているので、本変形例のように基板搬入用のパッド部材と基板保持用のパッド部材とを兼用する場合には、基板Pの姿勢調整後に、保持パッド10044が基板キャリア40の本体部分に対してずれないようにする必要がある。一例として、図87(c)、図87(d)に示されるように、基板キャリア40に吸着パッド1046を取り付け、基板Pを非接触ホルダ32に受け渡した後に、該吸着パッド1046によって保持パッド10044の裏面を吸着保持することによって、該保持パッド10044の基板キャリア40に対する相対移動を制限すると良い。吸着パッド10046と基板キャリア40の本体部との相対移動を制限する方法として、吸着パッド10046と基板キャリア40の本体部とをメカ的にロックする(たとえば、吸着パッドと基板キャリア40とを連結)ようにしても良い。基板Pを非接触ホルダ32により非接触支持されたあと、基板Pを駆動する吸着パッド10046と基板キャリア40とを電気的にロックするようにしても良い。電気的にロックする方法として、吸着パッド10046を上下方向に駆動するために駆動力(電力)をオフとし、吸着パッド10046が基板キャリア40に対して相対駆動できないようにしても良い。電気的にロックする別の方法として、吸着パッド10046が基板キャリア40に対してずれないように位置制御をして、両者の相対位置関係が変わらないように制御するようにしても良い。また、基板キャリア40と保持パッドの相対位置関係を計測する計測系をさらに有しても良い。これは、該計測系により、保持パッド10044と基板キャリア40との相対移動を制限するとしたが、両者の相対位置関係が所定範囲内で維持されているかをモニタリングするためのものである。計測系による計測は、断続的に行っても良いし、所定時間ごとに行うようにしても良い。
図88(a)及び図88(b)に示される第3の変形例は、上記第4の実施形態において、基板搬入ベアラ装置1082b(図49参照)に相当する要素を基板ステージ装置が有していない形態である。本変形例では、粗動ステージ24に取り付けられた複数のリフタ10048によって、基板キャリア40ごと上下動させて、非接触ホルダ32の上空で待機中の基板Pを基板搬入ハンド1062から受け取り、降下する。そのために、基板キャリア40は、搬入される基板Pと干渉しないように、例えば+X側のフレーム部材がない形状(平面視U字状)になっている。なお、リフタ10048は、XY方向に微少移動が可能になっていても良いし、1つのリフタ10048が基板キャリア40の裏面を吸着固定して、Z軸回りに基板キャリア40を回転できるようになっていても良い。この場合、基板キャリア40に対する基板Pのラフアライメントが可能となる。本変形例において、基板キャリア40を微少駆動するためのリニアモータ(ボイスコイルモータ)は、図1及び図2に示されるように、固定子と可動子とがZ方向に分離可能に配置されているので、基板キャリア40を粗動ステージ24などから容易に分離、結合することができる。なお、本変形例では、+X側のフレーム部材がないため、基板キャリア40を微少駆動するためのリニアモータのうち、Xリニアモータは、Y軸方向に離間して一対、Yリニアモータは、Y軸方向に関する中央部に1つ、それぞれ基板キャリア40の−Y側に配置されており、基板キャリア40のZ軸回りの微少回転制御も可能になっている。また、図13(a)に示される変形例と同様に、基板キャリア40は、粗動ステージ24とは振動的(物理的)に分離された基板テーブル30に取り付けられたエア浮上ユニット238上に載置されている。
図89(a)〜図89(c)に示される第4の変形例は、基板ステージ装置10050の構成が上記第4の実施形態とは異なる形態である。基板ステージ装置10050は、基板Pを保持する部材(基板キャリア10052)と非接触ホルダ32とが分離されている点は、上記第4の実施形態と同様であるが、基板キャリア10052と非接触ホルダ32とがXY平面内で共に長ストロークで移動可能、且つ基板キャリア10052が非接触ホルダ32に対して微少移動可能である点が異なる。基板キャリア10052は、Y軸方向に延びる棒状に形成され、基板Pの−X側の端部近傍を下方から吸着保持する保持パッド10054を有している。基板キャリア10052は、基板テーブル30に取り付けられたエア浮上ユニット238上に非接触載置されており、非接触ホルダ32に対して水平面内3自由度方向へ微少移動可能である。保持パッド10054の保持面には、Y軸方向に離間した一対の開口が形成され、該開口内には、保持パッド10056が収納されている。保持パッド10056は、基板搬入用のベアラ装置10058の一部であって、基板キャリア10052の本体部(棒状部材)に対して少なくともZ軸方向へ駆動される。本変形例では、図89(b)に示されるように、基板搬入ハンド1062が基板Pを非接触ホルダ32の上空に搬送すると、保持パッド10056が上昇駆動され、基板Pの−X側の端部近傍を吸着保持する。その後、基板搬入ハンド1062が+X方向に退避する点、及び図89(c)に示されるように、吸着パッド10056が基板Pの自重による落下動作と併せて降下駆動される点は、上記第4の実施形態と同じである。この際、搬入用保持パッド10056の上面は、吸着保持用の保持パッド10054の上面よりも低い位置となるように(保持パッド10056が基板Pから分離されるように)位置決めされる。
図90(a)及び図90(b)に示される第5の変形例は、基板ステージ装置10060の構成が上記第4の実施形態とは異なる形態である。上記第4の実施形態の基板キャリア40(図49参照)が平面視矩形の枠状部材であったのに対し、本変形例の基板キャリア10062は、Y軸方向に延びる棒状部材であって、基板Pの−X側の中央部(1箇所)を下方から吸着保持する。基板キャリア10060は、基板テーブル30に取り付けられたエア浮上ユニット238上に非接触載置されており、非接触ホルダ32に対して水平面内3自由度方向へ微少移動可能である。基板キャリア10060は、複数のエンコーダヘッド10068を有しており、粗動ステージ24に取り付けられたスケール10070を用いたエンコーダシステムによって、粗動ステージ24に対する移動量情報が求められる。また、粗動ステージ24も複数のエンコーダヘッド10072を有しており、装置本体18に取り付けられたスケール10074を用いたエンコーダシステムによって、装置本体18に対する移動量情報が求められる。このように、本変形例の基板ステージ装置10060では、基板キャリア10060(基板P)の位置情報が、粗動ステージ24を介して2段階のエンコーダシステムによって、装置本体18基準で求められる。基板テーブル30には、Y軸方向に離間した一対の基板搬入ベアラ装置10064が取り付けられている。基板搬入ベアラ装置10064は、非接触ホルダ32に対して少なくともZ軸方向に移動可能な保持パッド10066を有している。保持パッド10066を用いた基板Pの搬入動作は、上記第4の実施形態と同じである。
図91、図102(a)及び図102(b)に示される第6の変形例は、米国特許出願公開第2011/0053092号明細書に開示されるタイプの基板ステージ装置10070に基板搬入用のベアラ装置10072を配置した形態である。基板ステージ装置10070は、枠状の部材である基板保持枠10076によって基板Pを保持する点は、上記第4の実施形態と同じであるが、基板Pを下方から支持する部材(エア浮上ユニット10078a、及び定点ステージ10078b)の水平面内の位置が固定である点が異なる。図91では、基板搬入用のベアラ装置10072は、合計で6つ配置されているが、基板ステージ装置10070では、基板交換時において、基板Pは、定点ステージ10078b上に配置されないので基板Pの下方の任意の位置に複数個の基板搬入用のベアラ装置10072を配置することが可能である。基板搬入用のベアラ装置10072が少なくともZ軸方向に移動可能な保持パッド10074を有している点は、上記各実施形態及び変形例と同じである。また、基板Pの中央部に対向可能な保持パッド10074は、Z軸回り方向にも移動可能となっている。これにより、該保持パッド10074を用いて基板Pのθz回転補正(ラフアライメント)を行うことができる。保持パッド10074が降下して基板保持枠10076の保持パッド10079に基板Pを受け渡す点、及びこの受け渡し動作後に保持パッド10074が保持パッド10079よりも低い位置まで降下駆動される点は、上記第4の変形例と同じである。基板保持枠10076は、米国特許出願公開第2011/0053092号明細書に開示されているように、基板Pを保持する保持パッド10079を備えていなくても良い。基板保持枠10076は、圧縮コイルバネを介して取り付けられた押圧部材により、基板Pを保持するようにしても良い。
図92(a)及び図92(b)に示される第7の変形例は、上記第5の実施形態において、基板Pを基板搬入用のベアラ装置1082bへ受け渡した後における、基板搬入ハンド1062の退避方向が異なる形態である。上述したように、第3及び第4の実施形態において、基板搬入ハンド1062は、基板搬入ベアラ装置1082bと対向する方向へ退避する。本第7の変形例では、一対の基板搬入ベアラ装置1082bがX軸方向に離間して配置され、基板Pの+Y側の端部のうち、X軸方向に離間した2箇所を吸着保持することから、基板搬入ハンド1062も、上記第3及び第4の実施形態と同様に、基板搬入ベアラ装置1082bと対向する方向、すなわち−Y側へ移動することによって、基板Pの下方から退避する。この場合、基板搬入ハンド1062の最も+Y側の指部1062a(図30(a)参照)が退避動作の終了まで基板Pを下方から支持するので、基板Pの垂れ下がり(特に基板Pの−Y側且つ−X側の角部の垂れ下がり)を抑制できる。また、指部1062aは、基板Pを非接触支持するためにエアを基板Pに対して噴出するが、噴出方向は基板Pに対して法線方向に噴出させても良いし、基板Pにエアが噴出される面積を増やすために基板Pに対して斜め方向からエアを噴出するようにしても良い。
図93(a)及び図93(b)に示される第8の変形例は、上記第4の実施形態において、基板ステージ装置10080が上記第8の実施形態と同様の搬出用プラットフォーム10082を有し、さらに搬出用プラットフォーム10082が基板搬出ハンド10084も有する形態である。搬出用プラットフォーム10082は、非接触ホルダ32に接続されており、非接触ホルダ32と一体的にX軸方向に長ストロークで移動する。搬出用プラットフォーム10082が有するバランスビーム10086は、上記第8の実施形態のバランスビーム5032(図76参照)よりも長く、基板Pの全体を下方から支持できる程度の長さに設定されている。搬出用プラットフォーム10082は、基板搬出ハンド10084を駆動するための駆動装置10088も有している。このため、基板ステージ装置10080は、搬出用プラットフォーム10082のみで、基板Pを基板キャリア40(非接触ホルダ32上)から搬出することができる。したがって、基板Pの搬出動作は、基板ステージ装置10080が基板交換位置に到達する前(移動中)に開始することができる。また、基板ステージ装置10080の基板交換位置への移動速度よりも速い速度で基板Pを基板キャリア40から搬出することができる。
図94(a)〜図94(c)に示される第9の変形例は、上記第3の実施形態において、基板搬入ベアラ装置1082bが有する保持パッド1084bを、基板Pの降下速度(あるいは加速度)とは無関係に制御する形態である。上述したように、基板Pは、基板搬入ベアラ装置1082bに把持されている部分(基板ホルダ1028への衝突力が緩衝される側)を除き、基板ホルダ1028上に自由落下(実際には、重力加速度よりも小さな加速度で落下)する。図94(b)に示される例では、基板Pの自由端側の降下動作の開始よりも後に保持パッド1084bが降下され、図94(c)に示される例では、基板Pの自由端側の降下動作の開始よりも先に保持パッド1084bが降下される。
図95〜図100には、図89(a)〜図89(c)に示される第4の実施形態の変形例(第10〜第15の変形例)が示されている(図95〜図100では、非接触ホルダ32は不図示)。図95に示される基板ステージ装置10050Aが有する基板キャリア10052Aは、上記第4の変形例と同様にY軸方向に延びる棒状に形成されているが、基板キャリア10052A自体が直接的に基板Pを吸着保持する機能を有している。そして、基板キャリア10052A内に基板搬入用の保持パッド10056が内蔵されている点は、上記第4の変形例と同様である。図96に示される基板ステージ装置10050Bでは、基板キャリア10052BがX軸方向に延びる棒状に形成され、基板Pの−Y側の端部近傍を直接的に下方から吸着保持する。基板キャリア10052B内に基板搬入用の一対の保持パッド10056が内蔵されている点は、図95に示される変形例と同じである。
図97に示される基板ステージ装置10050Cでは、基板Pの−X側の端部近傍を保持する基板キャリア10052Caと、基板Pの+X側の端部近傍を保持する基板キャリア10052Cbとによって、基板Pが直接的に保持される。基板キャリア10052Ca、10052Cbは、それぞれY軸方向に延びる棒状に形成されている。−X側に配置された基板キャリア10052Ca内に基板搬入用の一対の保持パッド10056が内蔵されている点は、図95に示される変形例と同じである。図98に示される基板ステージ装置10050Dでは、平面視U字状に形成された基板キャリア10052Dによって基板Pが直接的に保持される。基板キャリア10052Dのうち、基板Pの−X側の端部に沿ってY軸方向に延びる部分に基板搬入用の一対の保持パッド10056が内蔵されている点は、図95に示される変形例と同じである。
図99に示される基板ステージ装置10050Eでは、平面視L字状に形成された基板キャリア10052Eによって基板Pが直接的に保持される。基板キャリア10052Eには、補剛用のブレース10054が接続されており、このブレース10054は、基板キャリア10052Eと基板テーブル30との相対移動を阻害しないように、基板テーブル30に形成された溝内に収納されている。基板キャリア10052Eのうち、基板Pの−X側の端部に沿ってY軸方向に延びる部分に基板搬入用の一対の保持パッド10056が内蔵されている点は、図95に示される変形例と同じである。図100に示される基板ステージ装置10050Fは、上記第4の実施形態と同様に、基板キャリア10052Fが基板Pの外周を囲む矩形の枠状に形成されている。ただし、上記第4の実施形態と異なり、基板キャリア10052Fは、基板テーブル30(不図示の基板ホルダ)と共に、水平面内で所定の長ストロークで移動可能、且つ基板テーブル30に対する微少駆動が可能となっている。基板キャリア10052Fのうち、基板Pの−X側の端部に沿ってY軸方向に延びる部分に基板搬入用の一対の保持パッド10056が内蔵されている点は、図95に示される変形例と同じである。
図101には、図90(a)及び図90(b)に示される第5の変形例の変形例(第16の変形例)の基板ステージ装置10060Aが示されている。上記第5の変形例では、基板キャリア10062(図90(a)参照)が基板Pの−X側の端部近傍を保持したのに対し、本変形例の基板ステージ装置10060Aは、基板キャリア10062と併せて、基板Pの+X側の端部近傍を保持する基板キャリア10164を有している。+X側の基板キャリア10164が位置計測用のエンコーダヘッド10068を有している点は、−X側の基板キャリア10062と同じである。基板ステージ装置10060Aが基板Pの−X側の端部近傍を保持する基板搬入用の保持パッド10066を有している点は、上記第5の変形例と同様である。
また、照明系12で用いられる光源、及び該光源から照射される照明光ILの波長は、特に限定されず、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。
また、上記各実施形態では、投影光学系16として、等倍系が用いられたが、これに限られず、縮小系、あるいは拡大系を用いても良い。
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル製造用の露光装置、半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
また、露光対象となる物体はガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本実施形態の露光装置は、一辺の長さ、又は対角長が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
なお、上記各実施形態の複数の構成要件は適宜組み合わせることができる。したがって、上述の複数の構成要件のうちの一部が用いられなくても良い。
なお、上記実施形態で引用した露光装置などに関する全ての公報、国際公開、米国特許出願公開明細書及び米国特許明細書などの開示を援用して本明細書の記載の一部とする。