JP2021038932A - 潤滑油の判別方法及び潤滑油組成物 - Google Patents

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常年 菅原
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    • G01N21/78Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator producing a change of colour

Abstract

【課題】潤滑油の新たな判別方法を提供すること。【解決手段】色素を含有している可能性がある潤滑油組成物と、極性溶媒とを接触させ、油層と極性溶媒層とに層分離させる工程と、油層及び極性溶媒層の少なくとも一方の発色状態を観察する工程と、を備え、PM3パラメーターを用いる、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される前記色素の双極子モーメントの値が1.7D以上である、潤滑油の判別方法。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油の判別方法及び潤滑油組成物に関する。
各種の機械装置には、接触部の摩擦を低減するために潤滑油が用いられる。そのような潤滑油としては、機械装置のメーカーが推奨する純正油や、潤滑油メーカーが当該機械装置に合わせて製造した代替油(以下、これら純正油及び代替油を総称して「純正油等」という。)が挙げられる。
ところが、市場で入手できる商品の中には、そのような純正油等が封入されていることを想起する表示が容器に付されていても、実際に封入されている潤滑油が当該純正油等ではない偽造品や模倣品が存在する。このような偽造品や模倣品を用いた場合、それらに封入されている潤滑油が粗悪油(純正油等に比べて性能が劣り、所定の性能を満たさない油)であることから、機械装置のパフォーマンス低下、あるいは機械装置の不慮の故障を引き起こす虞がある。
そこで、入手した商品に封入された潤滑油が純正油等であるかどうか判別するための判別手法が従来より提案されている。例えば、気化性アミンをマーカーとして含ませた潤滑油組成物の判別方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2013−82797号公報
しかしながら、特許文献1に記載の判別方法で使用されるマーカーは気化性の化合物であるが故に、適切に保管がなされない場合は潤滑油組成物からマーカーが揮発してしまう。これにより判別の精度が低下したり、あるいは判別できなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、潤滑油の新たな判別方法を提供することを目的とする。本発明はまた、そのような判別方法に用いられる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る潤滑油の判別方法は、色素を含有している可能性がある潤滑油組成物と、極性溶媒とを接触させ、油層と極性溶媒層とに層分離させる工程と、油層及び極性溶媒層の少なくとも一方の発色状態を観察する工程と、を備える。該色素の双極子モーメントの値は1.7D以上である。双極子モーメントは、PM3パラメーターを用いる、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される。
一態様において、極性溶媒が、水、極性有機溶媒又はこれらの混合液であってよい。
一態様において、極性溶媒が、水及びエタノール混合液であってよい。
本発明の一側面に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油及び色素を含有する。PM3パラメーターを用いる、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される色素の双極子モーメントの値は1.7D以上である。
本発明によれば、新たな潤滑油の判別方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのような判別方法に用いられる潤滑油組成物を提供することができる。
図1は、観察工程における油層及び極性溶媒層の外観写真である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
<潤滑油の判別方法>
本実施形態に係る潤滑油の判別方法は、色素を含有している可能性がある潤滑油組成物と、極性溶媒とを接触させ、油層と極性溶媒層とに層分離させる工程(層分離工程)と、油層及び極性溶媒層の少なくとも一方の発色状態を観察する工程(観察工程)と、を備える。
(層分離工程)
本工程では、例えば潤滑油組成物に極性溶媒を添加して撹拌し、層分離が生じるまで静置する。潤滑油組成物1に対する極性溶媒の量は、例えば重量比で10〜0.1とすることができ、1であってもよく1未満であってもよい。
潤滑油組成物は、潤滑油基油及び色素を含む。
潤滑油基油としては、例えば、炭化水素油、含酸素油等が挙げられる。炭化水素油としては、例えば、鉱油系炭化水素油、合成系炭化水素油等が挙げられる。含酸素油としては、例えば、エステル、エーテル、カーボネート、ケトン、シリコーン、ポリシロキサン等が挙げられる。
鉱油系炭化水素油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる灯油留分;灯油留分からの抽出操作等により得られるノルマルパラフィン;及びパラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる潤滑油留分、あるいは潤滑油脱ろう工程により得られる、スラックワックス等のワックス及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる、フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等の合成ワックスを原料とし、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は2つ以上適宜組み合わせて精製することによって得られるパラフィン系鉱油・溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィン等)、ナフテン系鉱油・溶剤、芳香族系鉱油・溶剤等が挙げられる。これらの鉱油系基油・溶剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
合成系炭化水素油としては、例えば、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリα−オレフィン(PAO)、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
潤滑油基油には、酸化防止剤(アミン系、フェノール系)、防錆剤、極圧剤、油性剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、消泡剤、ミスト防止剤等が添加されていてもよい。
色素としては、双極子モーメントの値が1.7D(デバイ)以上であるものを用いることができる。双極子モーメントの算出には、PM3パラメーターを用いる。具体的には、富士通株式会社製の「SCIGRESS V2 (バージョンはV2.9)」に内包している関数PM3(PM3 geometry)を用いる。化学物質データベースであるPubChem Compoundより3次元構造をSDFファイルとして入手し、それに基づく半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される双極子モーメントの値が1.7D以上であるものを、上記色素として用いることができる。なお、同計算により算出される水の双極子モーメントの値は1.7Dであり、色素として、双極子モーメントが水の双極子モーメント以上であるものを用いることができると言うこともできる。そのような色素として、例えば以下の化合物が挙げられる。括弧内の数値は双極子モーメントの値である。
C.I.ソルベントレッド49(5.0D、水溶性色素)、C.I.ソルベントイエロー43(5.6D、非水溶性色素)、C.I.アシッドブルー9(16.4D、水溶性色素)、C.I.ソルベントグリーン7(4.2D、水溶性色素)、クリスタルバイオレットラクトン(5.1D、水溶性色素)、C.I.ソルベントイエロー94(4.6D、水溶性色素)、C.I.アシッドイエロー36(3.0D、水溶性色素)、C.I.ベーシックイエロー2(2.7D、水溶性色素)、C.I.アシッドレッド92(2.3D、水溶性色素)、RED500(4.0D、水溶性色素)、C.I.ソルベントイエロー116(5.6D、水溶性色素)、RED520(4.3D、水溶性色素)。
色素として、紫外光下で蛍光をするもの、または酸性下で呈色するものを用いることができる。紫外光下で蛍光をするものとしては、例えば以下の化合物が挙げられる。
C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントイエロー43、C.I.ソルベントイエロー116、C.I.ソルベントグリーン7、C.I.ソルベントイエロー94、C.I.ベーシックイエロー2、C.I.アシッドレッド92。
酸性下で呈色するものとしては、例えば以下の化合物が挙げられる。
クリスタルバイオレットラクトン、RED500、RED520。
色素の双極子モーメントは、極性溶媒にて簡易的に抽出可能な観点から、2.5D以上であってもよく、4.0D以上であってもよい。色素の双極子モーメントの上限は20D以下であってよく、油中により安定して含有させるという観点から7.5D以下とすることができる。
色素としては、潤滑油組成物そのものを着色するべく、上記双極子モーメントが1.7D未満である他の色素を更に含んでいてもよい。そのような他の色素として、例えば以下の化合物が挙げられる。
C.I.ソルベントブルー35(0.35D、非水溶性色素)、C.I.ソルベントレッド23(0.7D、非水溶性色素)、C.I.ソルベントレッド27(1.1D、非水溶性色素)、C.I.ソルベントイエロー5(1.4D、非水溶性色素)、C.I.ソルベントイエロー33(0.5D、非水溶性色素)。
潤滑油組成物中の色素の含有量は、色素が水溶性であるか非水溶性であるかに応じて適宜調整すればよい。例えば、非水溶性(油溶性)の色素を用いる場合、その含有量は、潤滑油組成物の全量を基準として10〜300ppmとすることができる。一方で、水溶性の色素を用いる場合、潤滑油基油に充分に溶解する量であることが好ましく、その含有量は1ppm〜100ppm程度とすることができる。
なお、潤滑油基油に、UV吸収域がおよそ340〜380nmの添加剤(例えば、ベンゼン環・ナフテン環を有するアミン系酸化防止剤)が添加されている場合において、水溶性色素を用いるとき、それら添加剤と水溶性色素の質量比(水溶性色素/それら添加剤)が0.1%以上が好ましく、0.2%以上がさらに好ましい。またこの場合、潤滑油組成物中の水溶性色素の含有量は10ppm以上であることが好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。これにより、340〜380nm付近にピークがある紫外光下において極性溶媒層の蛍光が観察され易くなり、判別がより正確かつ容易となる。なお、水溶性色素の潤滑油基油に対する溶解性に鑑み、上記質量比の上限は好ましくは2.0%、より好ましくは1.0%とすることができ、また潤滑油組成物中の水溶性色素の含有量の上限は100ppmとすることができる。
およそ380〜420nm付近にピークがある長波長の紫外光を用いることで、添加剤の質量に対する水溶性色素の質量比の制約を小さくすることができる。
極性溶媒としては、水、極性有機溶媒、及びこれらの混合液が挙げられる。極性溶媒の溶解度パラメーター(ヒルデブラントパラメーター)は、油層との分離性と言う観点から、19.5MPa1/2超であることが好ましい。当該溶解度パラメーターの上限は50MPa1/2とすることができる。具体的には、極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル等が挙げられ、これら極性有機溶媒は単独でも、2種以上を混合して用いることができる。混合液を用いる場合、水と極性有機溶媒との混合割合は、例えば99:1〜1:99とすることができ、等量であってもよい。極性溶媒により、潤滑油組成物に含まれる色素が極性溶媒側に抽出されるため、極性溶媒を抽出液と言うことができる。
色素が水溶性であるか非水溶性であるか、それらの色素が併用されているか、潤滑油基油に何らか添加剤が含まれているか等に応じて、適切な極性溶媒を選択すればよい。例えば、極性有機溶媒単独では抽出能力が高過ぎる傾向がある。そのため、水溶性色素と非水溶性色素との併用時に両色素が共に抽出され、油層と極性溶媒層との色の区別が困難になる場合がある。あるいは、水単独の場合、色素により抽出性の良し悪しがある。ただし、水による潤滑油基油に含まれる添加剤の抽出能は極性有機溶媒と比較して弱い傾向があるため、極性溶媒が水単独であることで紫外光下での観察時、添加剤による色素の蛍光阻害を和らげることができる。一方、水及び極性有機溶媒の混合液、特に水・エタノール混合液、水・メタノール混合液、水・アセトン混合液、水・アセニトニトリル混合液は、水溶性色素の抽出性が良く、また油との分離性も良く、色素の物性に対する依存性も低いために、より汎用的に用いることができ、極性溶媒として特に好適に用いることができる。これらのうち、取り扱い性の観点からは水・エタノール混合液が好ましい。
上記双極子モーメントの値が1.7D以上かつ水溶性の色素を用いる場合、水単独、水及び極性有機溶媒の混合液、又は極性有機溶媒単独である極性溶媒を用いることが好ましい。
上記双極子モーメントの値が1.7D以上かつ水溶性の色素と、上記双極子モーメントの値が1.7D未満の色素とを併用する場合、水単独、又は水及び極性有機溶媒の混合液である極性溶媒を用いることが好ましい。
上記双極子モーメントの値が1.7D以上かつ非水溶性の色素を用いる場合、水及び極性有機溶媒の混合液、又は極性有機溶媒単独である極性溶媒を用いることが好ましい。
(観察工程)
本工程では、油層及び極性溶媒層の少なくとも一方の発色状態を種々の手段により観察する。具体的には、各層を可視光下で目視で観察する方法、各層を紫外光下で目視で観察する方法等が挙げられる。観察に先立ち、各層の液性を、酢酸、ギ酸、塩酸、硫酸、硝酸、アスコルビン酸、クエン酸等の酸性の液体を用いて酸性に傾けてもよい。なお、一般に油層は非水溶性色素の色を呈し、極性溶媒層は水溶性色素の色を呈することになる。
潤滑油の判別を、判別キットを用いて実施してもよい。判別キットは、純正の潤滑油組成物に含まれるはずである色素に適した構成を備えることができる。判別キットは、例えば、極性溶媒が封入された容器、必要に応じ酸性の液体が封入された容器、必要に応じ紫外光発生機器等を構成要素として備える。判別キットを用いることで、粗悪油が使用されている虞のある現場にて、簡易かつ即座に潤滑油が純正油等であるかを判別することができる。
以下では実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実験A)
潤滑油基油としてYUBASE 6(SKルブリカンツ社製)を準備した。これに、各種色素を表1〜3に示す量となるよう添加し、潤滑油組成物を調製した。調製した潤滑油組成物に対して、表1〜3に示す抽出液(極性溶媒)を、重量比で2:1となるように加え、充分に撹拌した後に油層と極性溶媒層とが分離するまで静置した。静置後の抽出液(極性溶媒層)の色を可視光下又は紫外光下で目視にて観察した。紫外光下での観察には、アズワン株式会社製ハンディUVランプ(型式:SLUV−6、波長365nm使用))を用いた。なお、以下の表中「ppm」とは、潤滑油組成物の全量を基準とした質量ppmを示す。
一般に、油層は非水溶性色素の色を呈し、極性溶媒層は水溶性色素の色を呈した。ただし、実験例4に示されるように、C.I.ソルベントブルー35(非水溶性色素)及びC.I.ソルベントイエロー116(非水溶性色素)を組み合わせて用いた場合において、抽出液が水・エタノール混合液(重量比1:1)であると、油層は青色となり、極性溶媒層は黄色となった。
また、実験例6に示されるように、C.I.ソルベントグリーン7を用いた場合において、抽出液がエタノールであると、可視光下での極性溶媒層は無色透明となるが、紫外光下では青色となった。実験例7及び8においては、可視光下での極性溶媒層は緑色となり、紫外光下で蛍光も観察された。
また、実験例9に示されるように、クリスタルバイオレットラクトンを用いた場合において、抽出液が水・エタノール混合液(重量比1:1)であると、油層及び極性溶媒層は共に無色となるが、液性を酸性に傾けることで極性溶媒層が青色となった。
なお、実験例2及び3においては、極性溶媒層が水色となり、判別が可能であった。ただし、いずれも紫外光下での蛍光は観察されなかった。
C.I.ソルベントブルー35(非水溶性色素)とC.I.ソルベントレッド49(水溶性色素)との組み合わせにおいては、抽出液に水が含まれる場合は油層は青色となり、極性溶媒層は赤色となった。紫外光下にて蛍光も観察された。この色素の組合せにおいて、様々な抽出液により判別が可能であった。
C.I.ソルベントイエロー116(非水溶性色素)を用いると、油層及び極性溶媒層共に可視光下では黄色となるが、紫外光下で両層共に蛍光を示した。油層及び極性溶媒層共に紫外光下で蛍光を示すという事実を、判別に用いることができる。
(実験B)
YUBASE 6に代えて、フェアコールNS32(JXTGエネルギー株式会社製)を用いたこと以外は、実験Aと同様にして、表4に従い潤滑油組成物を調製した。
実験例21及び22に示されるように、C.I.ソルベントブルー35(非水溶性色素)及びC.I.ソルベントレッド49(水溶性色素)を組み合わせて用いた場合において、抽出液が水又は水・エタノール混合液(重量比1:1)であると、極性溶媒層が赤色となり、判別が可能であった。ただし、いずれも紫外光下での蛍光は観察されなかった。これは、添加剤であるアミン系酸化防止剤のUV吸収域と使用したハンディUVランプの波長域が重なるためであると考えられる。
これに対し、実験例23及び24においては、紫外光下での蛍光が観察された。これは、C.I.ソルベントレッド49が充分量添加されていたためであると考える。
なお、実験例21及び22における紫外光下での観察を、上記のハンディUVランプに代えてLEDブラックライト(波長約390〜395nm)を用いて行ったところ、蛍光が観察された。
実験例26においては、可視光下での極性溶媒層は無色透明であったものの、紫外光下で緑色の蛍光を示した。
実験例27においては、液性を酸性に傾けることで極性溶媒層のみが青色となった。
(実験C)
YUBASE 6に代えて、スーパーワイドSH46(JXTGエネルギー株式会社製)を用いたこと以外は、実験Aと同様にして、表5に従い潤滑油組成物を調製した。
実験例30及び31においては、実験例21及び22と同様に、判別が可能であった。ただし、いずれも紫外光下での蛍光は観察されなかった。
図1は、観察工程における油層及び極性溶媒層の外観写真である。各写真の左側が層分離工程前、右側が層分離工程後の外観を示す。また、上段が可視光下、下段が紫外光下での外観を示す。同図に示されるように、潤滑油組成物から抽出された色素により極性溶媒層が所定の色を呈していることが分かる。各層の発色を観察することで、判別対象である潤滑油が純正油等であるか否かを判別することができる。

Claims (4)

  1. 色素を含有している可能性がある潤滑油組成物と、極性溶媒とを接触させ、油層と極性溶媒層とに層分離させる工程と、
    前記油層及び前記極性溶媒層の少なくとも一方の発色状態を観察する工程と、
    を備え、
    PM3パラメーターを用いる、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される前記色素の双極子モーメントの値が1.7D以上である、潤滑油の判別方法。
  2. 前記極性溶媒が、水、極性有機溶媒又はこれらの混合液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記極性溶媒が、水及びエタノール混合液である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 潤滑油基油及び色素を含有し、
    PM3パラメーターを用いる、半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算により算出される前記色素の双極子モーメントの値が1.7D以上である、潤滑油組成物。
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