JP2021038710A - 渦巻きポンプ組立用冶具および渦巻きポンプの組立方法 - Google Patents
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Abstract
Description
より具体的には、この種の渦巻きポンプは、表側主板と裏側主板との間に複数の羽根を有するクローズ型のインペラと、フロントケーシングおよびバックケーシングを有するケーシングと、を備える。インペラは、フロントケーシングとバックケーシングとによって画成された空間に収容される。ケーシング内面には、耐摩耗に優れたライナが設けられる。
しかし、この接液部の組立方法は、予め、フロントケーシングの内側にフロントライナを取り付けた際に、その取り付け精度が低いと、渦巻きポンプの本体側に組付けられた状態で、所望の組み付け精度を得られない場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、複数に分割形成されたライナを接液部に備える渦巻きポンプにおいて、その接液部の分解・組立作業を、より安全に且つスムーズに行い得る渦巻きポンプ組立用冶具および渦巻きポンプの組立方法を提供することを課題とする。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、本発明に係る渦巻きポンプの組立方法が適用される渦巻きポンプについて図1を適宜参照しつつ説明する。
同図に示すように、この渦巻きポンプ1は、分割型のライナ30が接液部として内面に設けられたケーシング2を備える。ケーシング2は、軸方向の前面側(同図の左側)のフロントケーシング8と、軸方向の背面側(同図の右側)のバックケーシング9と、を有する。
フロントケーシング8の中央には、フロントケーシング8の前面側に張り出すように円筒状の吸込みカバー部6が突設されている。フロントケーシング8とバックケーシング9とは、周囲の複数個所(この例では8か所)がケーシングボルト41並びにワッシャおよびナット42を用いて固定されている。
回転軸3の先端3sは、バックケーシング9の中央からケーシング2の内部に張り出している。この回転軸3の先端3sにインペラ10が片持ち支持されている。インペラ10の軸方向の背面側には、バックケーシング9とハウジング20との間に、軸封装置21が回転軸3を囲繞するように配されている。
複数の主羽根11は、中央から径方向に向けて放射状に広がるようにそれぞれ形成される。裏側主板13の背面13rには、その中心のボス部10bに、回転軸3の先端3sを装着するための装着部13sが回転軸3と同軸に形成されている。
これにより、モータ(不図示)の駆動により回転軸3が駆動されてインペラ10が所期の方向に回転することにより、吸込口4からスラリ等の流体を吸い込んでその流体を吐出口5から吐出可能になっている。
次に、本発明の渦巻きポンプ組立方法に用いられる、第一実施形態の渦巻きポンプ組立用冶具について、図2および図3を適宜参照しつつ説明する。
図2は、第一実施形態の渦巻きポンプ組立用冶具によってフロントライナ31がインペラ10に仮留めされている仮留め状態を示しており、同図(a)は、軸方向から見た仮留め状態での治具装着姿勢のイメージを示し、同図(b)は仮留め状態におけるフロントライナ31およびインペラ10部分の軸線に沿った断面を示している。
二つの掛止腕53,53は、図2(b)に示すように、インペラ10の表側主板12の入口から、同図(a)に示すように複数の主羽根11同士の間に挿入される。そして、二つの掛止腕53,53は、図2に示す渦巻きポンプ1の吸込口4内の挿入位置にて、表側主板12の内面に、後述する掛止腕係脱機構によって、掛け止め可能に形成されている。
つまり、本実施形態では、仮留め板58は、冶具50のうち、図3に示す治具掛止部50s2を構成しており、図2(b)に示すように、主軸51の基端部に設けられて、複数の掛止腕53,53、54が挿入位置にて表側主板12の内面に掛け止められた状態のときに、ナット59を締め付けることによって、フロントライナ31の吸込口4の前端周縁部4sに当接するとともに、前面側からナット59に押圧される。これにより、フロントライナ31を前面側から押圧して、インペラ10にフロントライナ31を仮留め可能に構成されている。
次に、上記渦巻きポンプ1の接液部の組立・分解方法について、渦巻きポンプ1のフロントケーシング8を取外す際の分解手順について説明する。
フロントケーシング8を取外す際は、図3に示す治具50のうち、治具掛止部50S1を、図4に示すように、フロントケーシング8(接液部はフロントライナ31)の正面中央の吸込口4から軸方向に沿って挿入する。次いで、図5に示すように、ポンプの吸込口4内の挿入位置にてナット57を締め込むことにより、治具掛止部50S1の3つの掛止腕53,53、54を径方向に拡幅し、インペラ10の表側主板12の内側面に掛止腕53,53、54を係合させて治具掛止部50S1を取りつける。
これにより、各掛止腕53,54先端の鉤爪部53c,53c、54cが、インペラ正面側の表側主板12の内壁面に係止される。主軸51を軸方向の前後に引っ張っても治具掛止部50S1がインペラ10から抜けないことを確認する。
これにより、フロントライナ31を挟持状態として仮固定できる。仮固定後に、フロントケーシング8を、クレーン(またはチェーンブロック)を使用して仮吊りする(この例のフロントケーシング8の質量は約260kgある。)。
次いで、フロントライナ31を、クレーン(またはチェーンブロック)を使用して仮吊りし、その後、図8に示すように、治具50の治具挟持部50S2、治具掛止部50S1、を順に取外す(この例のフロントライナ31の質量は約130kgある。)。これにより、フロントケーシング8並びにフロントライナ31および調整プレート34の部分を分解できる。
つまり、図8に示すように、まず、上述した治具50の装着手順によって、治具50の治具掛止部50S1をインペラ10に取り付ける。調整プレート34をケーシングライナ32(この例のケーシングライナ32の質量は約180kgある。)の前側端面に取付ける。
次いで、図7に示すように、8本のケーシングボルト41に対してフロントケーシング8のボルトの装着穴を通し、その状態のケーシングボルト41に、ケーシングボルト41の前面側から計8個のワッシャおよびナット42を装着して締込み、フロントケーシング8を本固定する。
このように、本実施形態の渦巻きポンプの分解・組立方法によれば、治具50は、渦巻きポンプ1の接液部の分解および組立を行う際、フロントケーシング8の脱着を行うときに、複数に分割されたライナ30を本固定するまでの間、フロントライナ31が脱落しないように、フロントライナ31をインペラ10に仮固定(仮留め)できる。
そのため、フロントケーシング8の分解・組立作業を、より安全に且つスムーズに行うことができる。よって、本実施形態の冶具50を用いたポンプの分解・組立方法によれば、フロントライナ31やフロントケーシング8を予め一体化することなく別々に分解および組み付けができる。
なお、本発明に係るポンプ組立用冶具およびポンプの組立方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
この第二実施形態の冶具50Bの構成によれば、冶具50Bを挿入位置に位置させた状態で、外筒52aを手で支持しつつ主軸51Bを自身軸回りに回転させると、主軸51Bを軸方向に進退させることにより、四節リンクによって複数の掛止腕53,54を開閉できる。
よって、上述した第一実施形態の冶具50同様にして、分割された複数のライナ30を接液部に備える渦巻きポンプにおいて、その接液部の組立てを容易とすることができる。
つまり、各掛止腕53Cの、二本の固定ボルト44を緩めた状態で冶具50Cを挿入位置に位置させた状態で、各掛止腕53Cの二本の固定ボルト44を順に締め込むことにより、円環状の支持リング49と5つの掛止腕53Cとでインペラ10の表側主板12を挟持するようにして自立させることができる。
その後、上述した第一実施形態の冶具50同様にして、主軸51の先端側からワッシャを通してナット59を締込んで仮留め板58により挟持することにより、フロントライナ31を仮固定(仮留め)し、挟持状態として保持できる。
2 ケーシング
3 回転軸
4 吸込口
5 吐出口
6 吸込みカバー部
7 フレーム
8 フロントケーシング
9 バックケーシング
10 インペラ(羽根車)
11 主羽根(羽根)
12 表側主板
13 裏側主板
20 ハウジング
21 軸封装置
30 ライナ
31 フロントライナ
32 ケーシングライナ
33 バックライナ
34 調整プレート
41 ケーシングボルト
42 ワッシャおよびナット
43 ケーシングライナ固定ナット
44 固定ボルト
50、50B、50C ポンプ組立用冶具
50S1 治具掛止部
50S2 治具挟持部
51、51B、51C 主軸
52 基部
52a 外筒
53、54 掛止腕
53C 掛止腕
54s スリット
54t テーパ溝
55 拡幅用フック
55t テーパ爪
56 ワッシャ
57 ナット
58 仮留め板
59 ナット
CL 軸線
Claims (3)
- 軸方向での前面側の表側主板と背面側の裏側主板との間に複数の羽根を有するクローズ型のインペラと、自身を構成する前面側のフロントケーシングと背面側のバックケーシングとによって画成された空間に前記インペラを収容するケーシングと、該ケーシング内に接液部として設けられて前記フロントケーシングの吸込口となる前面側のフロントライナを含んで複数に分割形成されたライナと、を備える渦巻きポンプを分解または組み立てる際に用いられる治具であって、
前記吸込口の軸線に沿って前面側から挿抜される主軸と、
該主軸の先端部に設けられて前記インペラの前記表側主板の入口から前記複数の羽根同士の間に挿入され前記吸込口内の挿入位置にて前記表側主板の内面に掛け止め可能に形成された複数の掛止腕と、
前記複数の掛止腕を前記挿入位置に位置させた状態で前記表側主板の入口の前面側から前記複数の掛止腕を掛け止める係止位置とそれを解除した解除位置とに移動可能な掛止腕係脱機構と、
前記主軸の基端部に設けられて前記複数の掛止腕が前記挿入位置にて前記表側主板の内面に掛け止められた状態のときに前記フロントライナの吸込口の前端周縁部に当接するとともに前面側から押圧されることで前記フロントライナを前記インペラに仮留めする仮留め板と、を有することを特徴とする渦巻きポンプ組立用冶具。 - 軸方向での前面側の表側主板と背面側の裏側主板との間に複数の羽根を有するクローズ型のインペラと、自身を構成する前面側のフロントケーシングと背面側のバックケーシングとによって画成された空間に前記インペラを収容するケーシングと、該ケーシング内に接液部として設けられて前記フロントケーシングの吸込口となる前面側のフロントライナを含んで複数に分割形成されたライナと、を備える渦巻きポンプを組み立てる方法であって、
前記バックケーシングの前面側から前記フロントケーシングを装着することによって前記複数に分割されたライナを本固定するまでの間、前記フロントライナを前記インペラに仮留めすることを特徴とする渦巻きポンプの組立方法。 - 請求項1に記載の渦巻きポンプ組立用冶具を用いて前記仮留めをする請求項2に記載の渦巻きポンプの組立方法。
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