JP2021037064A - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】デザイン的に優れると共に座の昇降操作部材等の組み付けが容易な椅子を提供する。【解決手段】椅子は、ガスシリンダよりなる脚柱で支持された座2と、その側方に配置されたサイド支持体9を備えている。サイド支持体9は、板状の支柱部9aとその上端に設けた上水平状部9bとを有しており、上水平状部9bに、上部支持フレーム8を介して背もたれ3が取り付けられている。左右上水平状部のうち一方の上水平状部9bの前端に、座2の昇降操作を行うための摘み12が回転自在に装着されている。支柱部9aの前面に、溝キャップ38で塞がれる長溝39が形成されており、長溝39に操作ケーブル40が内蔵されている。支柱部9aは、中実に形成できるため、必要な強度を確保しつつ薄形化できる。長溝39は前向きに開口しているため、操作ケーブル40の装着は容易である。【選択図】図7

Description

本願発明は、ガスシリンダのような可動部材を制御する操作部材を備えている椅子に関するものである。
椅子において、脚柱をガスシリンダで構成して座を高さ調節できるタイプは広く普及している。そして、ガスシリンダは、プッシュバルブを操作することにより、伸縮自在なフリー状態と伸縮不能なロック状態とに切り替えられるようになっており、このタイプの椅子では、椅子のどこかに、ガスシリンダのロックを解除するための操作部材を設けている。
操作部材は、座の側部に配置されることが多いが、特許文献1には、肘当ての下面に、上に押し上げるボタン状の操作部材を設けることが開示されている。特許文献1において、操作部材は回動式レバーの前端に設けており、操作部材(ボタン)を上に押すとレバーが回動し、レバーの動きは、チューブに挿通されたワイヤーを介してプッシュバルブ押動部材に伝えられる。
上記のとおり、ガスシリンダのロックを解除する操作部材は座の側部に配置することが多いが、特許文献1のように操作部材を肘当てに設けると、手先を座の側部に下ろす動きが不要になるため、操作性がよい利点がある。
また、座の高さ調節を行うに際しては、使用者は、中腰状態で座の高さを保持しつつ、片方の手で操作部材を操作する必要があるが、座の側部に操作部材があると、身体を支えにくい場合があるのに対して、肘当てに操作部材を設けると、肘当てを掴んだ自然な状態で操作部材を操作できるため、座の高さ調節を安定した状態で行える利点もある。
特開2007−105293号公報
さて、特許文献1では、操作部材の動きをガスシリンダには伝えるために操作ケーブルを肘支柱の内部に配置している。従って、肘支柱は中空構造に構成する必要がある。この場合、特許文献1では、肘支柱は背もたれと一体化した構造になっていて大きな前後幅があるため、中空構造に形成しても強度や美観の問題はさほど生じないと云える。
他方、操作部材を設けたサイド支持体を背もたれの手前に配置した場合、サイド支持体を中空構造に構成してその内部に操作ケーブルを配置すると、強度確保の必要性からサイド支持体が大型化してデザインが制約を受けやすくなる問題や、操作ケーブルの取り付け作業に手間が掛かるおそれがあるといった問題が懸念される。
本願発明はこのような現状を契機にして成されたものであり、座の側方に背もたれとは独立してサイド支持体を配置して、このサイド支持体に高さ調節用等の操作部材を設けた椅子において、改良された構成を提供しようとするものである。
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は上位概念を成すもので、
「座とその左右側方に配置された左右のサイド支持体とを備え、前記サイド支持体の上端部に、椅子の可動部材を操作(制御)するための操作部材が配置されている構成において
前記サイド支持体の外面に、前記操作部材の動きを伝える操作ケーブルが配置される長溝が形成されており、前記長溝は溝キャップによって塞がれている」
という構成になっている。
請求項1の展開例として、請求項2では、
「前記サイド支持体は、平断面形状が前後方向に長い板状の支柱部と、前記支柱部の上端に設けた前後長手の上水平状部とを有し、
前記左右サイド支持体の上水平状部に、背もたれが取り付く上部支持フレームが後ろ向きに延びるように取り付けられていると共に、前記操作部材が前記上水平状部の前方に露出するように配置されている一方、
前記支柱部の前面に前記長溝が形成されている」
という構成になっている。
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記操作部材は前記上水平状部の軸心回りに回転する摘みであり、
前記左右サイド支持体のうち一方のサイド支持体に前記摘みと長溝とを設けており、前記左右上水平状部の後端は同じ位置に揃えられている一方、前記摘みの前端と他方の上水平状部の前端との前後位置が揃えられている」
という構成になっている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、
「前記長溝の内部に、前記溝キャップが抜け不能に係合するホルダーを配置している」
という構成になっている。
請求項5の発明は、請求項2〜4のうちのいずれかにおいて、
「前記脚柱の上端に、前記座を直接に又は座受け部材を介して支持するベースが嵌着している一方、
前記サイド支持体の支柱部は、前記ベースに向けて回り込む基部を有していて、前記基部に、前記ベースに形成された係合穴に嵌入する先端部が形成されており、前記長溝は前記先端部まで及んでいて、前記溝キャップの基端部は前記ベースの係合穴に入り込んでおり、
更に、前記上水平状部には保護カバーが装着されており、前記溝キャップの上端は、前記保護カバーによって前向き離反不能に保持されている」
という構成になっている。
◎請求項1の効果
本願発明では、サイド支持体の外面に形成された長溝に操作ケーブルを配置しているため、サイド支持体は、例えはダイキャスト品などで中実構造に形成することが可能である。これにより、できるだけスリム化しつつ必要な強度を確保することができる。従って、デザインの自由性を向上できる。
さて、サイド支持体が複数の部材で中空構造になっていて,その内部に操作ケーブルが配置されていると、複数の部材を分離した状態で操作ケーブルを配置してから、複数の部材をビス等で固定するといった作業が必要であり、このため、操作ケーブルの取り付け作業に手間がかかる。また、サイド支持体が単一構造で中空になっている場合は、その一端から他端に向けて操作ケーブルを挿通するという作業が必要であり、この場合も、操作ケーブルの取り付けに手間がかかる。これに対して本願発明では、操作ケーブルは長溝に外側から嵌め込むことができるため、操作ケーブルの取り付けを迅速に行える。
また、サイド支持体が単一構造で中空になっている場合は、中空部の大きさによっては、操作ケーブルを操作部材に連結した状態でサイド支持体に挿通できない場合があり、この場合は、操作ケーブルをサイド支持体に挿通してからその一端に操作部材を連結するという作業を行わねばならず、この面でも作業に手間が掛かるおそれがあるが、本願発明では、長溝は外向きに開口しているため、操作ケーブルが操作部材に連結された状態でも、操作ケーブルを長溝に嵌め込みできる。この面でも作業性に優れている。
◎請求項2の効果
サイド支持体は座の左右側方に配置されるため、椅子が左右方向に膨れることをできるだけ抑制したいという美観面での要請から、左右厚さ(或いは左右幅)はできるだけ小さいのが好ましい。この点、請求項2の構造は、美観面での要請に応えることができる。
また、サイド支持体の上水平状部に上部支持フレームを介して背もたれが取り付けられているため、着座者が背もたれにもたれ掛かると、サイド支持体の支柱部には後ろ向きの曲げ力が作用するが、支柱部は前後長手の断面形状であるため、ロッキングによって作用する曲げ力に対して高い抵抗を発揮する。従って、スッキリとしたデザインでありながら、高い強度を確保できる。
また、操作部材は上水平状部の前方に露出していてすぐに目につくため、初めて使用する人であっても、操作部材がどこにあるのか探すのに手間取る不具合はなくて、操作部材を速やかに操作できる。この面でも、ユーザーフレンドリーである。
更に、人が上水平状部をしっかりと握っても操作部材が動くことはないため、人が上水平状部を掴んだ状態で着座・離席するに際して可動部材を誤操作するような不測の事態は発生しない。従って、安全性にも優れている。
そして、長溝は支柱部の前面に形成されているため、ロッキングに際しての曲げ力によって長溝に応力が集中するようなことはなくて、支柱部を高い強度に維持できる。更に、操作部材は上水平状部の前端から露出しているため、予め操作ケーブルを操作部材に取り付けた状態で、操作部材を上水平状部に取り付ることも容易に実現できる。従って、操作部材及び操作ケーブルの取り付けの手間を大幅に抑制できる。
◎請求項3の効果
請求項3のように操作部材を回転式の摘みに構成すると、人の指先が強く触れても回転することはなく、摘みはねじりの操作を行うことによって初めて回転する。すなわち、摘みは、単に大きな外力が掛かっても回転することはない。従って、人が摘みを誤操作してしまうことを防止できる。また、回転式であると、ワイヤーの一端に設けたボールをボール保持溝に嵌め込んで巻き上げ式とすることにより、操作ケーブルの連結を行うことができるため、レバーのような他の部材は不要である。従って、構造も簡単化できる。
そして、摘みとこれが取り付けられた一方の上水平状部とからなるユニットの前後位置と、摘みを設けていない上水平状部の前後位置とが揃っているため、一方の上水平状部のみに摘みを設けてもデザイン的な調和がとれていて、美観の点での問題はない。摘みを設けていない上水平状部に、摘みと同じ形状のダミー部材を設けることも可能であり、この場合も、左右上水平状部の箇所でデザインを統一させて美観の悪化を防止できる。
◎請求項4の効果
溝キャップは、例えばビス止めによって固定したり、自身の弾性変形を利用して長溝に嵌着したりすることができるが、ビス止めの場合は、ビスの頭が露出して美観を損なうおそれがあり、自身の弾性変形のみを利用した取り付けでは、取り付け強度に不安定になる可能性がある。
この点、請求項4のようにホルダーを使用すると、弾性変形を利用して溝キャップをホルダーに強制的に係合させることにより、ビスを使用しなくても、溝キャップを抜け出ないようにしっかりと固定できる。従って、美観を損なうことなく強固に固定できる。
◎請求項5の効果
溝キャップは細長いためその端部から捲れて外れやすいが、請求項5の構成を採用すると、溝キャップの両端部が支柱部から離反不能に保持されるため、外れのきっかけがなくて、固定状態をしっかりと維持できる。そして、溝キャップは、椅子の要素であるベースと保護カバーとを利用して抜けないように保持するものであるため、部材点数の増加によるコストアップの問題はない。従って、コストを抑制しつつ、溝キャップの外れを防止できる。
第1実施形態に係る椅子の外観を示す図で、(A)は前上方から見た斜視図、(B)は部分正面図、(C)は後ろ上方から見た斜視図、(D)は後ろ下方から見た斜視図である。 (A)は平面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。 (A)はロッキング前の状態での部分側面図、(B)はロッキング状態での側面図である。 上部支持フレームの連結構造を示す図で、(A)は保護カバーを分離した斜視図、(B)は上部支持フレームを分離した斜視図である。 上部支持フレームの連結構造を示す図で、(A)は前上方から見た分離斜視図、(B)は後ろ上方から見た分離斜視図である。 図2(A)のVI-VI 視断面図である。 背もたれの支持構造の変形例を示す図で、(A)は後ろから見た分離斜視図、(B)は分離斜視図、(C)は一部部材を手前から見た分離斜視図、(D)は上水平状部の斜視図、(E)は図6(A)と同じ部位の断面図である。 (A)(B)は脚柱のロック解除操作部を前上方から見た分離斜視図、(C)は右側のサイド支持体を下方から見た部分斜視図である。 (A)はロック解除操作部を前下方から見た分離斜視図、(B)は溝キャップを後ろから見た斜視図、(C)は溝キャップホルダーの斜視図、(D)は溝キャップを装着した状態での(A)のD−D視断面図である。 ロック解除操作部を示す図で、(A)は前上方から見た斜視図、(B)は後ろ下方から見た斜視図、(C)は一部部材を分離して後ろ上方から見た斜視図、(D)は摘み用キャップを後ろから見た斜視図、(E)はワイヤーの装着手順を示す斜視図である。 図10(A)のXI-XI視断面図であり、(A)はロック状態の図、(B)はロック解除状態の図である。 ガスシリンダのロック解除機構部を示す図で、(A)はレバーを分離した斜視図、(B)はベースを省略した斜視図、(C)はケーブルの端部の斜視図、(D)はレバーとケーブルとの分離斜視図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の問題を使用するが、この方向は椅子に普通に着座した人から見た状態を基準にしている。正面視方向は、着座者と相対向した方向である。
(1).椅子の概要
まず、図1〜3を参照して椅子の概要を説明する。図1に示すように、椅子は、基本的な要素として、脚装置1と座2と背もたれ3とを備えている。脚装置1は、複数本(5本)の枝アームを有する接地体4の中央部にガスシリンダより成る脚柱5を立設した構造であり、各アームの先端にはキャスタを設けている。従って、本実施形態は回転椅子に適用している。
図1(D)に示すように、脚柱5の上端に、底面視(及び平面視)で略四角形のベース6が固定されている。ベース6には座受け部材7が前後スライド自在に装着されており、座受け部材7の上面に座2が取り付けられている。ベース6は例えばアルミダイキャスト品であり、座受け部材7は例えば合成樹脂の成型品である。
座受け部材7は、弾性体の一例としてのばねによって後退位置に付勢されており、ロッキングに際して着座者の身体が伸び勝手になると、座2及び座受け部材7は臀部で押されて前進し得る。図3(B)において、座2が前進した状態を表示している。図3の(A)と(B)との比較から理解できるように、本実施形態では、座受け部材7及び座2は、僅かながら上昇しつつ前進する。
椅子は、座2よりも高い位置において着座者を後ろから囲うように配置された上部支持フレーム8を備えている。従って、上部支持フレーム8は、正面視で着座者及び背もたれ3の左右側方に位置する左右のサイド部(前向きアーム部)8aと、正面視で着座者及び背もたれ3の後ろに位置するリア部8bとを有しており、リア部8bに背もたれ3が後傾動自在に連結されている。
当然のことであるが、背もたれ3はリア部8cの手前に配置されている。上部支持フレーム8は、スチール管のような金属パイプで製造されているが、角形鋼管や金属製の丸棒又は角棒で製造することも可能である。
実施形態の背もたれ3は、着座者の身体を後ろから抱持するように平面視で後ろ向きに膨れた(前向きに凹んだ)状態に湾曲しており、上部支持フレーム8のリア部8bは、背もたれ3の湾曲に倣うように湾曲している。
すなわち、平面視において、上部支持フレーム8のリア部8bと背もたれ3の後面とは相似形になっている。更に、サイド部8aも、平面視で背もたれ3に向けて凹むように湾曲している。このため、上部支持フレーム8は全体として円弧に近い形態に湾曲しており、図2に明示するように、上部支持フレーム8と背もたれ3との間には、ある程度の間隔の隙間が空いている。また、上部支持フレーム8は、全体として水平姿勢になっている。
上部支持フレーム8の左右前向きアーム部8aは、座2の左右側方に配置されたサイド支持体9に後傾動可能に連結されている。サイド支持体9は、例えばアルミダイキャスト品であり、上下長手で板状の支柱部9aと、その上端に一体に形成された前後長手で略円形の上水平状部9bとを有している。そして、上水平状部9bの後部に、上部支持フレーム8の前向きアーム部8aが弾性に抗して後傾動するように連結されている。上水平状部9bは、エラストマ系の保護カバー10で覆われている。
サイド支持体9における支柱部9aの下端には、座2の下方に回り込んだ基部9cが一体に形成されており、基部9cの先端部が、ベース6に形成された係合穴11(図1(D)や図2(B)参照)に嵌め込まれており、先端部がボルトでベース6に固定されている。
既述のとおり、脚柱5はガスシリンダより成っており、ガスシリンダのロックを解除すると、座2及び背もたれ3の高さを自在に調節できる。そして、例えば図1(A)(C)に明示するように、右側のサイド支持体9の上水平状部9bに、操作部材の一例として、ガスシリンダのロックを解除するための摘み(ノブ)12が、上水平状部9bの軸心回りに回転させ得るように装着されている。摘み12は左右いずれの方向にも回転可能であり、いずれの方向に回転させてもガスシリンダのロックが解除される。
図2(A)(B)に一点鎖線で示すように、サイド支持体9の上水平状部9bに肘当て13を取り付けることも可能である。図1(B)におおまかに示すように、背もたれ3は、合成樹脂製の背インナーシェル(背板)14aとその前面に張られた背クッション14bとを備えており、かつ、全体がクロス等の表皮材14cで覆われている。従って、表皮材14cは袋状になっている。なお、背クッション14bは、背インナーシェル14aの後面まで回り込ませてもよい。
例えば図1(C)(D)に示すように、背インナーシェル14aのうち下寄り部位でかつ左右箇所の部位に後ろ向きに開口した角形凹所15が形成されており、角形凹所15に配置した連結ユニット16により、背もたれ3が上部支持フレーム8のリア部8bに後傾動自在に連結されている。従って、連結ユニット16は、支軸やばね受けブラケットを備えており、背もたれ3は、樹脂系ゴムのような弾性体の弾性に抗して後傾動する。
図3に示すように、本実施形態では、着座者が背もたれ3にもたれ掛かると、まず、上部支持フレーム8がサイド支持体9に対して後傾することによって第1段階のロッキングが行われ、次いで、着座した人が上半身を後ろに退け反らせると、背もたれ3は上部支持フレーム8に対して後傾動し、第2段階のロッキングが行われる。
従って、上部支持フレーム8の回動角度及び背もたれ3の回動角度がさほど大きくなくても、全体としての後傾角度を大きくできる。従って、簡易な構造でありながら、着座者に高い安楽性を付与できる。図3エイ及び図2(A)に示すように、背もたれ3の回動軸心O1は、背もたれ3の後面よりも手前でかつ背もたれ3の下端寄り部位に位置している。
(2).上部支持フレームの取り付け構造
本実施形態では、摘み12は、上部支持フレーム8が連結されるサイド支持体9に設けている。そこで、摘み12に関連した構造の説明に先立って、サイド支持体9に対する上部支持フレーム8の連結構造を説明する。図面は、主として図4〜6を参照する。ここでは、摘み12を備えていない左側の部位を取り上げて説明する。
図5に明示するように、上部支持フレーム8のサイド部8aに、左右の上向き側板18aを有する押動ブラケット18が固定されている。押動ブラケット18は、上向き側板18aを有するチャンネル状の部分と、その後ろに位置したボス部19とを備えており、ボス部19が、上部支持フレーム8のサイド部8aに溶接されている。ボス部19の付け根部には、上部支持フレーム8の前端面に当たるフランジ20が一体に形成されている。押動ブラケット18は、スチールの鋳造品が採用されている。
図5に示すように、サイド支持体9における上水平状部9bの略後半部に平坦部21が形成されており、平坦部21に、角形のブロック部22とその後ろに位置したタップ穴23とが形成されている。そして、平坦部21には、上向きの側板24aを有するチャンネル状の下部受けブラケット24が重ね配置されており、下部受けブラケット24は、タップ穴23にねじ込まれた下ビス25によって平坦部21に固定されている。下部受けブラケット24の前部には、ブロック部22との干渉を回避するための切り欠きが形成されており、下部受けブラケット24の側板24aはブロック部22の左右側方に位置している。
下部受けブラケット24の内部には、下向き側板27aを有する上部受けブラケット27が嵌まり込んでいる。上部受けブラケット27はブロック部22を上から抱持しており、上下受けブラケット27,24における側板27a,24aの前部とブロック部22とが、左右長手のフロント軸28によって連結されている。上部受けブラケット27の前端には、下向き鉤部29が折り曲げ形成されている。
更に、押動ブラケット18は上部受けブラケット27の内部に入り込んでおり、上下受けブラケット27,24における側板27a,24aの後部と押動ブラケット18における側板18aの後部とが、左右長手の支軸30によって連結されている。そして、押動ブラケット18と上部受けブラケット27との間に、発泡ウレタン系エラストマのような樹脂系ゴムからなる弾性体31を介在させている。
上下の受けブラケット27,24は回動不能に固定されている一方、押動ブラケット18は1本の支軸30で連結されており、かつ、押動ブラケット18の左右側板18aに、手前に向けて低くなる傾斜部32を形成している。従って、上部支持フレーム8は、弾性体31を変形させて、支軸30の軸心回りに、傾斜部32と上固定ばね受27との広がり角度θだけ後傾動し得る。弾性体31はプレ圧縮されている。
図6に示すように、上部受けブラケット27とブロック部22とフロント軸28は、上方からフロント軸28にねじ込まれたフロントビス33によって固定されており、押動ブラケット18と支軸30とは、下方から支軸30にねじ込まれたリアビス34によって固定されている。
図6に明示するように、下部受けブラケット24には、下ビス25の頭が入り込む下向き突部24bを下向きに膨出形成しており、これに対応して、上水平状部9bの平坦部21には、下向き突部24bが入り込む凹部21aを形成している。
サイド支持体9の上水平状部9bは、既述の保護カバー10で覆われている。図5(B)に明示するように、保護カバー10の後部は完全な筒部10aになっていて、その後ろには下向きの開口35が形成されている。また、保護カバー10の内部には、前後長手の多数のリブ36(図5(B)参照)が形成されている。
本実施形態において、サイド支持体9の上水平状部9bは、基本的な機能として上部支持フレーム8の連結機能を有しており、上部支持フレーム8を後傾可能に連結するための上水平状部9bを利用して、肘当てとして機能させたり、使用者の着座・立ち上がりに際しての掴み部材として機能させたりすることができるため、構造が複雑化することはない。従って、コストを抑制できると共に、シンプルさを維持して美観においても優れている。
また、サイド支持体9の上水平状部9bは前後方向に長いため、上部支持フレーム8を後傾動可能に連結するに当たって、部材の配置スペースを確保することができる。従って、上部支持フレーム8を必要な強度で上水平状部9bに連結できる。
(3).上部支持フレームの取り付け構造の変形例
図7では、上水平状部9bの形態や上部支持フレーム8の連結構造等の変形例を示している。この変形例では、まず、上水平状部9bは角形になっており、ブロック部22は平面視でU形になっている。また、この実施形態でも上下の受けブラケット27,24を有しているが、図5のフロント軸28は備えていない。上部受けブラケット27には、弾性体31をずれ不能に保持する上向き膨出部27bを形成している。
また、この変形例では、保護カバー10は前向きに開口しており、開口35の手前の部位は下向きに開口したフロントスリット10cによって分断されている。そして、保護カバー10の前面は樹脂製のフロントキャップ37で塞がれている。フロントキャップ37には、後ろ向きに突出した下部リブ37aと、それよりも左右幅が大きい上部リブ37bとが一体に形成されている。
他方、保護カバー10の前部には、上水平状部9bの前面に重なる壁10dを形成して、保護カバー10の壁10dとサイド支持体9の上水平状部9bとに、フロントキャップ37の上部リブ37bが嵌入するフロントスリット10c,9fを形成している。フロントキャップ37における上部リブ37bの後端には、係合爪37cを形成しており、係合爪37cは、上水平状部9bの内部に形成した係合部9gに係合する。これにより、フロントキャップ37は抜け不能に保持される。
フロントキャップ37の下リブ37aは、その上半部は保護カバー10のフロントスリット10cに嵌入する。そして、フロントキャップ37の下リブ37aの下半部は左右に広がった傘部になっており、保護カバー10のうちフロントスリット10cの両側の部位は、下部リブ37aの傘部が下方から覆われている。従って、保護カバー10の前部に下方から人の指先が当たっても、保護カバー10が捲れることはない。
保護カバー10は射出成型法によって製造されるが、前向き開口の形態でかつフロントスリット10cを有することにより、容易に型抜きできる状態で製造できる一方、フロントスリット10cを挟んだ両側がフロントキャップ37の下リブ37aで覆われているため、人の指先が当たることによる捲れを防止できる。なお、保護カバー10は、金型を使用して成型してから、弾性変形させて型抜きするが、フロントスリット10cの存在により、容易に型抜きできる状態に変形させることができる。
(4).脚柱ロック解除用ケーブルの配置構造
次に、脚柱5のロック解除操作手段とこれに関連した構成を説明する。図面は、主として図8〜11を参照する。
図8(A)や図9(A)に示すように、サイド支持体9の前面には、溝キャップ38で塞がれた長溝39が全長に亙って形成されており、長溝39に、図8に部分的に示す操作ケーブル40が配置されている。サイド支持体9はアルミダイキャスト品である一方、溝キャップ39は合成樹脂の成型品である。そこで、溝キャップ39は、アルミと同じ外観の金属色を有する樹脂で製造するか、又は、金属色の塗装を施している。溝キャップ39は、複数の部材に分断されていてもよい。
操作ケーブル40はよく知られたものであり、チューブ41とその内部に摺動自在に挿通されたワイヤー42とを備えており、ワイヤー42の両端部をチューブ41の外側に露出させて、露出部の先端にボール43を固定している。また、チューブ41の両端部には、環状溝を有する係止体44が固定されている。既述のとおり、摘み12を回転させるとワイヤー42の一端部が引っ張られて、脚柱5のロックが解除される。
例えば図8(D)に明示するように、溝キャップ38は、長溝39に嵌入した内向き突条38aを備えており、突条38aが、長溝39に適宜間隔で配置された複数のホルダー45によって左右から挟み保持されている。図8(C)に明示するように、ホルダー45は長溝39の広幅部39aに配置されており、溝キャップ38の突条38aは長溝39に対してもきっちり嵌合している。溝キャップ38は突条35aを有するため、突条35aの外側にはフランジが形成されている。他方、長溝39には、フランジが嵌まる段部が形成されている。
図9(C)に明示するように、ホルダー45は、突条38aを挟む一対の挟持部45aを有しており、図9(D)に示すように、基部はビス46によって長溝39の底面に固定されている。挟持部45aは左右に開口した枠状に形成されており、長溝39に対してきっちりと嵌入している。ホルダー45の基板と溝キャップ38の突条38aとの間には、操作ケーブル40を配置できる隙間が空いている。
ホルダー45の挟持部45aは枠状になっており、内部は係合穴45bになっている。他方、溝キャップ38には、ホルダー45の係合穴45bに強制的に嵌まり込む係合爪45cが形成されている。従って、溝キャップ38は離脱不能に保持される。長溝39のうちホルダー45が嵌まり込む部分は、段部が存在しない広幅に形成されている。
溝キャップ38は、突条38aを長溝39に嵌合させることのみによって支柱部9aに取り付けることも可能であるが、この場合は、溝キャップ38の成型収縮の違い等による寸法のバラツキによって、長溝39への嵌め込み強度にバラツキが発生するおそれがある。これに対して実施形態のように合成樹脂製のホルダー45を併用すると、溝キャップ38に寸法のバラツキがあっても、ホルダー45への係合を利用してしっかりと固定できる。
既述のとおり、サイド支持体9は座2の下方に回り込んだ基部9cを有している。他方、図9(A)(D)に示すように、溝キャップ38は、サイド支持体9の全長に亙って形成されているが、サイド支持体9における基部9cのうち、ベース6の係合穴11に嵌まり込む先端部(嵌合部)9eに対応した部位は突条38aのみで構成されて、フランジ部は備えていない。
これは、サイド支持体9における基部9cの先端部9eがベース6に形成された係合穴11(図1(D)参照)にきっちり嵌入していることから、溝キャップ38についても、係合穴11に嵌入している部分ではフランジ部を切除しているものである。そして、突条38aがベース6の係合穴11に嵌入しているため、溝キャップ38はその下部において前向き抜け不能に保持されている。
(5).摘みの基本構造
ロック解除操作部は主要部材として既述の摘み12を備えており、摘み12の回転によってワイヤー42が引き操作される。摘み12は合成樹脂製であり、図8に示すように、サイド支持体9における上水平状部9b(及び保護カバー10)の手前に露出した操作部48と、サイド支持体9における上水平状部9bの内部に入り込んだボス部49とを有しており、操作部48にはゴム質等の軟質材から成るキャップ50で覆われている。
例えば図10(A)に明示するように、摘み12の操作部48の外周面には、周方向に等間隔で配置された複数本の縦リブ51で区切られた複数の凹所52が形成されており、凹所52は周方向に長い横リブ53で前後に仕切られている。他方、図10(D)に明示するように、キャップ50の内面には、操作部48の凹所52に嵌まる突起54が形成されている。
キャップ50はその弾性に抗して操作部48に強制的に装着されており、突起54の群が凹所52の群に嵌まっていることにより、操作部48に対して相対回転不能でかつ前抜き抜け不能に保持されている。また、キャップ50はゴム質であるため、使用者が指先で摘んで回転操作するに際して、指先の滑りが発生することはない。なお、キャップ50の外周面にローレット状の凹凸を形成すると、滑り防止効果を更に向上できる。
また、キャップ50の外径と保護カバー10の外径とは略同じであり、従って、キャップ50の外径と保護カバー10とが一連に繋がっているかのような外観を呈している。このため、美観に優れている。
ボス部49は操作部48よりも小径になっており、ボス部49のうち摘み12に近い部位には、摩擦が小さくて耐磨耗性に優れた樹脂より成る軸受ブッシュ56が嵌まっている。従って、ボス部49は、軸受ブッシュ56を介してサイド支持体9の上水平状部9bに回転自在に保持されている。すなわち、軸受ブッシュ56の存在により、摘み12を軽快に回転操作できる(ボス部49はアルミ製の上水平状部9bに接触しないため、耐磨耗性に優れている。)。軸受ブッシュ56は上部が切れてC形になっているが、環状(筒状)に形成してもよい。
例えば図10(A)に示すように、ボス部49のうち軸受ブッシュ56の後ろの部位に環状溝57が形成されており、この環状溝57に、上部受けブラケット27の前端に形成した下向き鉤部29が上から嵌入している。従って、摘み12は、上部受けブラケット27の下向き鉤部29によって前後移動不能に保持されている。下向き鉤部29と環状溝57との間には若干の隙間があるため、摘み12の回転が阻害されることはない。
摘み12を抜け不能で回転自在に保持する手段としては、例えば、上部支持フレーム8にねじ込まれる専用のビスを採用して、ビスの先端を環状溝57に挿入するといったことも可能であるが、実施形態のように、上部受けブラケット27の下向き鉤部29を利用すると、部材手数を抑制できる。
摘み12の操作部48はボス部49よりも大径になっており、図10(A)(B)(E)に示すように、溝キャップ38の上端に、軸受ブッシュ56の下面に当接するヘッド部38bを形成している。ヘッド部38bは手前に突出しており、その前端面に幅狭の係合突起38cを形成して、係合突起38cに、保護カバー10の前端部に形成した割溝58が嵌合している。従って、溝キャップ38のヘッド部38bは、保護カバー10によって前向き抜け不能に保持されている。
溝キャップ38は、その上部と下部とが長溝39から前向き抜け不能に保持されつつ、複数箇所がホルダー45によって挟持されている。従って、長溝39に手前から嵌着した簡易な構造でありながら、手前に抜けないようにしっかりと保持できる。
左右の上水平状部9bの後端は前後位置が揃っており、また、左の上水平状部9bの前端と右に配置された摘み12の前端とは位置が揃っている。従って、美観に優れている。実施形態のように一方の上水平状部9bだけに摘み12を設ける場合、他方の上水平状部9bに、回転せずに摘み12と同じ外観を有するダミーの摘みを設けることも可能である。
(6).摘みによるボールの引き構造
例えば図10(E)(C)に示すように、ボス部49のうち環状溝57よりも後ろの後端部に、操作ケーブル40のボール43が後ろから嵌まり込むボール保持溝59と、ボール保持溝59に連通したワイヤー挿通溝60とが後ろ抜きに開口しており、更に、ボス部49のうちボール保持溝59の手前側には、ワイヤー挿通溝60に連通した左右一対のワイヤー保持溝61が形成されている。
ワイヤー保持溝61はボス部49の外周に向けて開口しているが、図11に示すように、ワイヤー保持溝61の内周面61aは、ボス部49の軸心を通る縦長中心線O2に寄せられている。
図11に示すように(図8(C)も参照)、長溝39の上部は広幅部39aになっており、広幅部39aに形成したくびれリブ62に、チューブ41の上端に設けた係止体44を嵌め込み装着している。
摘み12を左右いずれかに回転させると、ボール43が上方に引っ張られてワイヤー42が引かれる。この場合、ワイヤー保持溝61の内周面61aが円弧状になっていると、図11(B)に一点鎖線で示すように、ワイヤー42は、ボール43の近傍部と係止体44の近傍部とにおいて急激に曲がってしまい、このため、ワイヤー42の耐久性が低下するのみならず、チューブ41に対するワイヤー42の摺動性が低下して摘み12の回転操作を軽快に行い難いおそれがある。
これに対して、本実施形態のようにワイヤー保持溝61の内周面61aを縦長中心線O2に寄せると、ワイヤー42の曲がりが著しく抑制されるため、ワイヤー42の耐久性を向上できると共に、チューブ41に対するワイヤー42の摺動性低下を防止して摘み12の回転操作を軽快に行える。実施形態では、ワイヤー保持溝61の内周面61aの下端部に丸みを持たせているため、左右の内周面61aによってU形の形態(片方だけを見るとJ形の形態)を成しているが、図11(A)に一点鎖線で示すように、内周面61aを直線状に形成して、左右の内周面61aでV形の形態を成すように形成することも可能である。
本実施形態は、前後長手の上水平状部9bの前端に摘み12を設けているため、椅子の使用者は、前腕をあまり起こすことなく自然な状態で摘み12を回転操作できる。従って、座の高さ調節を行うに際して人の負担を軽減できる。
また、摘み12はすぐに着座者の目に付くため、使用者はその機能をすぐに理解して、摘み12を操作して座2の高さ調節を行うことができる。また、人が上水平状部9bをしっかりと握っても摘み12が回転することはないため、人が上水平状部9bを掴んだ状態で着座・離席するに際して脚柱5のロックが誤って解除されるような不測の事態は発生しない。従って、安全性にも優れている。
実施形態では摘み12は回転式になっているが、上下方向又は左右方向に押し動かす回動式や、後ろに押すボタン式も採用できる。また、摘み12を左右サイド支持体9の上水平状部9bに設けて、いずれの摘み12を操作してもロックが解除される態様も採用できる。操作部材としては、上下方向のように一定の方向のみに回動するレバーや、任意の方向に回動させ得るレバーを採用することも可能である。
摘み12の取付けは、次の手順で行われる。まず、操作ケーブル40はベース6の係合穴11から外側に引き出されており、その状態でベース6へのサイド支持体9の取り付けが行われる。そして、ワイヤー42の上端に摘み12を係止してから、サイド支持体9の長溝39に操作ケーブル40を嵌め込むと共に、摘み12を上水平状部9bに嵌め込み、次いで、溝キャップ38を長溝39及び摘み12に装着し、それから保護カバー12を装着してリング63を嵌め込み、最後に、摘み12にキャップ50を装着する。
摘み12を設けている箇所では、摘み12を上水平状部9bに挿入してから、上下受けブラケット27,24を固定して、上部受けブラケット27に設けた下向き鉤部29を摘み12の環状溝57に嵌め入れることになる。
図8(A)(C)に示すように、右の上水平上部9bの前端には小径部9dが形成されており、これに伴って、保護カバー10の前端部にも小径部10bが形成されている。そして、保護カバー10の小径部10bに、図8(A)に示すリング63を嵌着している。従って、保護カバー10の前端部は、リング63によって開き不能に保持されている。
(7).座部のうち脚柱のロック解除機構部
念のため、ワイヤー42の引っ張りによって脚柱5のロックが解除される構造も説明しておく。図面は図12を参照する。
ベース6は、平面視略四角形で上向きに開口した浅いトレー状の形態を成している。ベース6の略中央部に、脚柱5(正確には,脚柱5を構成するガスシリンダの内筒)の上端部が下方から嵌着している。脚柱5の上端にはロック解除用のプッシュバルブ66が突設されており、ベース6には、プッシュバルブ66を押動するプッシュバルブ押動部材67が配置されている。
プッシュバルブ押動部材67は、ベース6に固定された第1ブラケット68によって回転可能に保持された左右長手の支軸部69と、支軸部69の右端からプッシュバルブ66の上に向けて前向きに延びる前後長手の先端アーム部70と、支軸部69の左端から前向きに延びる中間部71と、中間部71の後端に曲げ形成されて支軸部69と平行に延びる基端アーム部72とを備えている。先端アーム部70の先端部は平坦状に潰されていて、プッシュバルブ66に上から当接している。
他方、ベース6の上面のうち脚柱5を挟んで第1ブラケット68と反対側に位置した部位に、正面視逆L形のクランクレバー73を回転自在に保持する第2ブラケット74がビスで固定されている。第2ブラケット74は前後の側板74aを有しており、前後の側板74aに、プッシュバルブ押動部材67の基端アーム部72に向けて開口した軸受穴75が切り開き形成されており、クランクレバー73に設けた支軸76が軸受穴75に嵌め込まれている。
クランクレバー73は、横向き部73aを有する逆L形であり、横向き部73aがプッシュバルブ押動部材67の基端アーム部72に上から当接している。プッシュバルブ押動部材67の基端アーム部72も偏平状に潰されている。
クランクレバー73の下向き部に、後ろ向きに開口したボール保持穴77及びワイヤー挿通溝78と、これらに連通して下向きに開口したワイヤー保持溝79とが形成されており、ワイヤー42の他端部に設けたボール80がボール保持穴77に嵌め込まれて、ワイヤー42は横向きに引き出されている。
操作ケーブル40の他端部には、環状溝81aを有する係止金具81が装着されており、係止金具81は、第2ブラケット74のうち軸受穴75と反対側に設けたくびれリブ82(図12(A)参照)に装着されている。
操作ケーブル40の他端部は、サイド支持体9の長溝39から引き出されている。そして、摘み12の回転操作によってワイヤー42が引かれると、クランクレバー73が回動してその横向き部73aでプッシュバルブ押動部材67の基端アーム部72が下向きに押される。すると、プッシュバルブ押動部材67が回動して、先端アーム部70によって脚柱5のプッシュバルブ66が押し下げられる。これにより、脚柱5はロックが解除されて座2の高さ調節できる。
操作ケーブル40におけるワイヤー42の他端部(下端部)は、サイド支持体9に形成された長溝39からほぼ直線状の姿勢で引き出されて第2ブラケット74に向かっている。従って、操作ケーブル40は、平面視では直線状の姿勢になっている。また、サイド支持体9は正面視で緩く湾曲しているため、操作ケーブル40も緩く湾曲している。これら操作ケーブル40が平面視で直線状の姿勢であることと、正面視で緩く湾曲していることとの相乗作用により、操作ケーブル40に急激な曲がり部は存在しておらず、従って、ワイヤー42とチューブ41との間に摺動抵抗を殆ど発生しない。その結果、摘み12の回転によってクランクレバー73を軽快に押動操作できる。
なお、図12(B)に示すように、サイド支持体9の基部9cのうちベース6の係合穴11に入り込む先端部9eには、固定用ビスが貫通する複数の取り付け穴83が空いている。また、先端部9eの外側には、位置決めのための段差部84が形成されている。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、長溝は支柱部の後面又は内側面若しくは外側面に形成することも可能である。また、例えば、上部支持フレームは、サイド支持体に固定されていてもよい。この場合、背もたれは上部支持フレームに対して固定してもよいし、後傾動自在に連結してもよい。また、本願発明は、固定式で座の高さを調節できる椅子にも適用できる。
また、本願発明は、背もたれのロッキングを制御する操作部材や、ヘッドレストの動きを制御する操作部材などにも適用できる。
本願発明は、椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
2 座
3 背もたれ
5 可動部材の一例としての脚柱(ガスシリンダ)
6 ベース
8 上部支持フレーム
9 サイド支持体
9a 支柱部
9b 上水平状部
9c 基端部
10 保護カバー
12 操作部材の一例としての摘み
38 溝キャップ(蓋)
38a 突条
38b ヘッド部
38c 係合突起
39 長溝
39a 広幅部
40 操作ケーブル
41 チューブ
42 ワイヤー
43,80 ボール
45 ホルダー
48 操作部
49 ボス部
50 キャップ
58 割溝
59 ボール保持溝
61 ワイヤー保持溝
66 脚柱(ガスシリンダ)のプッシュバルブ
67 プッシュバルブ押動部材
73 クランクレバー

Claims (5)

  1. 座とその左右側方に配置された左右のサイド支持体とを備え、前記サイド支持体の上端部に、椅子の可動部材を操作するための操作部材が配置されている構成であって、
    前記サイド支持体の外面に、前記操作部材の動きを伝える操作ケーブルが配置される長溝が形成されており、前記長溝は溝キャップによって塞がれている、
    椅子。
  2. 前記サイド支持体は、平断面形状が前後方向に長い板状の支柱部と、前記支柱部の上端に設けた前後長手の上水平状部とを有し、
    前記左右サイド支持体の上水平状部に、背もたれが取り付く上部支持フレームが後ろ向きに延びるように取り付けられていると共に、前記操作部材が前記上水平状部の前方に露出するように配置されている一方、
    前記支柱部の前面に前記長溝が形成されている、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記操作部材は前記上水平状部の軸心回りに回転する摘みであり、
    前記左右サイド支持体のうち一方のサイド支持体に前記摘みと長溝とを設けており、前記左右上水平状部の後端は同じ位置に揃えられている一方、前記摘みの前端と他方の上水平状部の前端との前後位置が揃えられている、
    請求項2に記載した椅子。
  4. 前記長溝の内部に、前記溝キャップが抜け不能に係合するホルダーを配置している、
    請求項1〜3のうちのいずれかに記載した椅子。
  5. 脚柱の上端に、前記座を直接に又は座受け部材を介して支持するベースが嵌着している一方、
    前記サイド支持体の支柱部は、前記ベースに向けて回り込む基部を有していて、前記基部に、前記ベースに形成された係合穴に嵌入する先端部が形成されており、前記長溝は前記先端部まで及んでいて、前記溝キャップの基端部は前記ベースの係合穴に入り込んでおり、
    更に、前記上水平状部には保護カバーが装着されており、前記溝キャップの上端は、前記保護カバーによって前向き離反不能に保持されている、
    請求項2〜4のうちのいずれかに記載した椅子。
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