JP2021036114A - 外構柱支持装置と外構柱支持方法 - Google Patents
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根巻モルタルは、外構柱の下端部の周りに矩形の型枠を設置し、その内側にモルタルを打設して硬化させたものである。しかし、外構柱の配管工事や結線工事が完了している場合、根巻モルタルを工事中の屋外で取り付ける必要がある。
この場合、工事中の平坦でない屋外で、モルタルを練り、運搬し、打設する必要が生じる。また、モルタルが硬化するまでは、外構柱と型枠を定位置に仮止めする必要があり、外構柱の設置に長時間を要していた。
(1)安置用部材が載る基礎に安置用部材をアンカー等で固定する必要がある。そのため、屋外の庭(土の地面)など基礎が脆弱な場合、竪筒体を強固に固定できない。その結果、水栓柱に作用する外力で水栓柱がぐらつくおそれがある。
(2)竪筒体の孔部に上端から外構柱(この例で水栓柱)の下部を嵌込む必要がある。そのため、外構柱の配管工事や結線工事が完了している場合、工事のやり直しが必要となる。
前記下端部の外面から半径方向外方に間隔を隔てた内寸法を有する中空管と、
前記下端部と前記中空管の内面との間に位置し、内端面が前記下端部の前記外面に密着し外端が前記中空管の前記内面に密着した複数の接続部材と、を備え、
前記中空管は、前記外構柱の前記下端部に作用する転倒モーメントを圧密された土砂の地耐力で支持可能な外寸法を有する、外構柱支持装置が提供される。
前記下端部の外面から半径方向外方に間隔を隔てた内寸法を有し、かつ前記外構柱の前記下端部に作用する転倒モーメントを圧密された土砂の地耐力で支持可能な外寸法を有する中空管を、前記下端部を内側に通して位置決めする中空管位置決め工程(A)と、
前記下端部と前記中空管の内面との間に、内端面が前記下端部の前記外面に密着し外端が前記中空管の前記内面に密着する複数の接続部材を挿入する接続部材挿入工程(B)と、
前記外構柱の前記下端部を地中に鉛直に位置決めし、前記下端部の前記外面と前記中空管との間と、前記中空管とこれを囲む地面との間とに、土砂を充填し、これを圧密する土砂圧密工程(C)と、を有する外構柱支持方法が提供される。
この構成により、外構柱に作用する外力を複数の接続部材を介して中空管に伝達することができる。
この構成により、中空管に伝達された外力(例えば、外構柱の下端部に作用する転倒モーメント)を、複数の接続部材と中空管を介して圧密された土砂の地耐力で支持することができる。
この例で、水栓柱1は、断面が正方形の外筒2と、その内側に設置された給水管3とを有する。外筒2は、例えばアルミニウム製であり、その上端はトップキャップ4で閉じられ、下端はエンドキャップ5で閉じられている。また、外筒2と給水管3の間には保温材6が充填されている。
給水管3の下端はエンドキャップ5を貫通して下方に延び、上端は給水口7に接続されている。給水口7は管用ねじが設けられており、ここに例えば蛇口(水栓)が取り付けられ、庭等の散水などに用いられる。
水栓柱1の寸法は、例えば断面が70mm×70mm、高さが900mm又は1200mmのものが一般的である。
この例で、庭園灯8は、断面が正方形の外筒と、その内側に設置された配線(図示せず)とを有する。庭園灯8の上部には、周囲を照らす発光部が設置されている。
庭園灯8の寸法は、この例では断面が71mm×71mm、高さが752mmである。
以下、外構柱10が水栓柱1である場合を説明する。
根巻モルタル9は、モルタル製であり、その中心に水栓柱1の下端部が埋設されている。
根巻モルタル9の寸法は、この例で、平面寸法が200mm×200mmの正方形であり、高さは280mmである。水栓柱1の上端は、地表面GLから600mmに位置し、根巻モルタル9の全体が地中に埋設されている。
後述する実施例で、赤黒土を用い足で踏み固めた場合の推定地耐力(横方向地耐力)は、平均35kN/m2程度であった。
また、この場合、水栓柱1の頂部に310Nの水平荷重Pを作用させたときの頂部の変位は約18〜23mmであった。
この図において、外構柱10は水栓柱1であり、水栓柱1の下端から下方に延びる給水管3に管継手を介して別の給水管3が接続されている。
外構柱支持装置100は、屋外に鉛直に設置される柱状の外構柱10(この例で水栓柱1)の下端部11を支持する。
この図において、外構柱支持装置100は、中空管12と複数の接続部材14とを備える。
また、中空管12は、外構柱10の下端部11に作用する転倒モーメントMを圧密された土砂18の地耐力fe’で支持可能な外寸法(この例で外径D2と長さL)を有する。外寸法の設定方法については後述する。
この構成により、外構柱10に作用する外力を複数の接続部材14を介して中空管12に伝達することができる。
この例で、中空管12は、内径D1、外径D2、長さLの中空円管である。中空管12の内寸法(すなわち内径D1)は、好ましくは、外構柱10を内側に通してその上端10aから下端部11まで移動可能な大きさを有する。
この例で、4つの接続部材14は、同一であり、図5に示すように、それぞれ使用時に鉛直方向に延びる平板(この例で金属板15)からなる。
接続部材14(金属板15)の内端面14aが、外構柱10の下端部11の外面11aを把持するように平面視(図7B参照)で2方向に折り曲げられている。
この構成により、外構柱10に作用する外力を内端面14aと外端14bを介して中空管12に伝達することができる。
またこの図において、中空管12の全体が地表面GLより下に埋設され、中空管12の上端高さは、地表面GLと実質的に同一である。しかし、中空管12の上端高さは、地表面GLと相違してもよい。
この例において、中空管12の上端高さは、地表面GLよりも下方に設定されている。また、外構柱10の下端10bは、中空管12の中間に位置している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図9(A)は、第3実施形態図であり、中空管12が中空矩形管である例を示している。また、図9(B)は、第4実施形態図であり、外構柱10の断面が円形である例を示している。
また、外構柱10の下端部11の断面形状は、上述の例では矩形又は円形であるが、本発明はこれらに限定されず、その他の形状であってもよい。
また、接続部材14は、上述の例では、折り曲げた平板(金属板15)であるが、外構柱10と中空管12の間(隙間)に内端面と外端を密着して挿入できる限りで、その他の形状(例えば、複数に分割されたドーナツ形状)であってもよい。
本発明の外構柱支持方法は、中空管位置決め工程(A)、接続部材挿入工程(B)、及び土砂圧密工程(C)を有する。
中空管12は、下端部11の外面11aから半径方向外方に間隔を隔てた内寸法を有し、かつ外構柱10の下端部11に作用する転倒モーメントMを圧密された土砂18の地耐力fe’で支持可能な外寸法を有する。
なお地耐力fe’とは、地盤の(短期)横方向地耐力を意味する。鉛直方向地耐力をfeとすると、以下の関係がある。
fe’≒fe×2/3
接続部材14は、内端面14aが下端部11の外面11aに密着し、外端14bが中空管12の内面12aに密着する。
外面11aと中空管12との間と、中空管12とこれを囲む地面との間の圧密による土砂18の地耐力fe’は、実質的に同等であるのがよい。この構成により、地耐力fe’の差に起因する中空管12の変形を防止することができる。
なお、中空管12の内側の土砂18は、接続部材14の面外変形を防止する機能と、外構柱10から中空管12に作用する力の一部を伝達して、接続部材14の面内応力を低減する機能とを有する。
この構成により、外構柱10に作用する外力を複数の接続部材14を介して中空管12に伝達することができる。
この方法により、配管工事や結線工事が完了している場合でも工事のやり直しなしに本発明の外構柱支持装置100を設置することができる。
この図において、中空管12の外寸法は外径D2、長さLであり、外構柱10の全長はHである。また、外構柱10の下端10bと中空管12の下端との高さが一致しているものとする。
M=P×H・・・(1)
一方、地盤内には転倒モーメントMに対向して、自重による抵抗モーメントM1と、側圧抵抗モーメントM2が発生する。
従って、転倒モーメントMで外構柱10がぐらつかないためには、式(2)が満たされる必要がある。
M<M1+M2・・・(2)
M<M2・・・(3)
M2≧(側面積)×(横方向地耐力)×(下端からの作用距離)
=(D2×L)×(fe’)×(L×1/3)
=(1/3)×D2×L2×fe’・・・(4)
P×H<(1/3)×D2×L2×fe’・・・(5)
すなわち、この例で、17.4kN/m2の推定地耐力(横方向地耐力)まで圧密することで、外構柱10のぐらつきを防止できることがわかる。
この図において、(B)は、本発明の第1実施形態であり、(C)は、本発明の第2実施形態である。すなわち、(B)では、中空管12の全体が地表面GLより下に埋設され、中空管12の上端高さは、地表面GLと実質的に同一である。また、(C)では、中空管12の上端高さは、地表面GLよりも下方に設定されている。また、外構柱10の下端10bは、中空管12の中間に位置している。
従来例(A)では、根巻モルタル9の寸法は200mm×200mm×280mmの立方体である。本発明では、従来例(A)に近い寸法の直径216mm×283mmの円筒形である。
なお、従来例の根巻モルタル9の周囲の土は、従来と同様に足で踏み固めて使用した。この結果、赤黒土を用い足で踏み固めた場合の推定地耐力(横方向地耐力)は、平均35kN/m2程度であった。
一方、本発明の中空管12の周囲の土は、足で踏み固めた後、桟木等を用いて圧密した。この結果、圧密後の推定地耐力(横方向地耐力)は、45〜59kN/m2程度であった。
言い換えれば、この結果から、本発明の外構柱支持装置100は、実質的な外寸法が従来例(A)と同じであるにも関わらず、従来よりも水平荷重Pに対する変位が小さく、外構柱10のぐらつきを防止することができることがわかる。
従って、予め推定地耐力を求め、これに応じて、中空管12の外寸法を設定することで、屋外の庭(土の地面)など基礎が脆弱な場所でも、外構柱10のぐらつきを防止することができるといえる。
しかし、上述したように、変位を元に戻し、桟木等を用いて圧密することで、推定地耐力を高めて、元の状態に容易に復帰させることができる。
fe’ 地耐力(横方向地耐力)、GL 地表面、H 全長、L 長さ、
M 転倒モーメント、M1 抵抗モーメント、M2 側圧抵抗モーメント、
P 水平荷重、1 水栓柱、2 外筒、3 給水管、4 トップキャップ、
5 エンドキャップ、6 保温材、7 給水口、8 庭園灯(ポールライト)、
9 根巻モルタル、10 外構柱、10a 上端、10b 下端、
11 下端部、11a 外面、12 中空管、12a 内面、12b 外面、
14 接続部材、14a 内端面、14b 外端、15 金属板、
15b 下方部分、15c スリット、18 土砂、
100 外構柱支持装置
Claims (8)
- 屋外に鉛直に設置される柱状の外構柱の下端部を支持する外構柱支持装置であって、
前記下端部の外面から半径方向外方に間隔を隔てた内寸法を有する中空管と、
前記下端部と前記中空管の内面との間に位置し、内端面が前記下端部の前記外面に密着し外端が前記中空管の前記内面に密着した複数の接続部材と、を備え、
前記中空管は、前記外構柱の前記下端部に作用する転倒モーメントを圧密された土砂の地耐力で支持可能な外寸法を有する、外構柱支持装置。 - 前記中空管の前記内寸法は、前記外構柱を内側に通してその上端から前記下端部まで移動可能な大きさを有する、請求項1に記載の外構柱支持装置。
- 前記接続部材は、使用時に鉛直方向に延びる平板であり、前記内端面が、前記下端部の前記外面を把持するように平面視で2方向に折り曲げられている、請求項1に記載の外構柱支持装置。
- 前記下端部の前記外面と前記中空管との間と、前記中空管とこれを囲む地面との間とに、圧密された土砂を有する、請求項1に記載の外構柱支持装置。
- 前記中空管は、中空矩形管又は中空円管である、請求項1に記載の外構柱支持装置。
- 前記外構柱は、水栓柱又は庭園灯であり、
前記下端部の断面形状は、矩形又は円形である、請求項1に記載の外構柱支持装置。 - 屋外に鉛直に設置される柱状の外構柱の下端部を支持する外構柱支持方法であって、
前記下端部の外面から半径方向外方に間隔を隔てた内寸法を有し、かつ前記外構柱の前記下端部に作用する転倒モーメントを圧密された土砂の地耐力で支持可能な外寸法を有する中空管を、前記下端部を内側に通して位置決めする中空管位置決め工程(A)と、
前記下端部と前記中空管の内面との間に、内端面が前記下端部の前記外面に密着し外端が前記中空管の前記内面に密着する複数の接続部材を挿入する接続部材挿入工程(B)と、
前記外構柱の前記下端部を地中に鉛直に位置決めし、前記下端部の前記外面と前記中空管との間と、前記中空管とこれを囲む地面との間とに、土砂を充填し、これを圧密する土砂圧密工程(C)と、を有する外構柱支持方法。 - 前記外構柱が、配管工事又は配線工事が完了し前記下端部が地面より掘下げられた空洞内に位置している場合、前記中空管位置決め工程(A)において、前記中空管を、前記外構柱の上端から前記下端部まで移動させる、請求項7に記載の外構柱支持方法。
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JP2017206900A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | 孝 加納 | 柱状体固定具、及び柱状体の固定構造 |
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