JP2021035894A - 無鉛低融点ガラス組成物並びにこれを含む無鉛ガラス複合材料、無鉛ガラスペースト及び封止構造体 - Google Patents

無鉛低融点ガラス組成物並びにこれを含む無鉛ガラス複合材料、無鉛ガラスペースト及び封止構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】V2O5−TeO2−Fe2O3−P2O5系無鉛低融点ガラス組成物において、接着性や密着性を改善する。【解決手段】酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄、酸化リン及び酸化リチウムを含む無鉛低融点ガラス組成物であって、酸化物換算で、次の2つの関係式(1)及び(2)を満たす。[V2O5]+[TeO2]+[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧90 …(1)[V2O5]≧[TeO2]>[Fe2O3]≧[P2O5]≧[Li2O] …(2)(式中、[X]は成分Xの含有量を表し、その単位は「モル%」である。以下同じ。)【選択図】図1

Description

本発明は、無鉛低融点ガラス組成物並びにこれを含む無鉛ガラス複合材料、無鉛ガラスペースト及び封止構造体に関する。
窓ガラス等に適用されている真空断熱複層ガラスパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、蛍光表示管等のディスプレイパネル、及び水晶振動子、ICセラミックパッケージ、半導体センサー等の電気電子部品等では、低融点ガラス組成物と、低熱膨張セラミックスの粒子やガラスビーズを含むガラス複合材料によって封止や接着等が行われている。このガラス複合材料は、ガラスペーストの形態で用いられることが多い。ガラスペーストをスクリーン印刷法やディスペンサー法等によって基材に塗布し、乾燥後に焼成して、封止や接着を行っている。封止や接着等の際には、低融点ガラス組成物が軟化流動することによって被封止部材や被接着部材等への接着、密着等をさせる。
低融点ガラス組成物としては、酸化鉛を非常に多く含むPbO‐B系低融点ガラス組成物が幅広く適用されていた。このPbO‐B系低融点ガラス組成物は、軟化点が350〜400℃と低く、400〜450℃で良好な軟化流動性を示し、しかも比較的に高い化学的安定性を有している。
しかし、近年、世界的にグリーン調達・グリーン設計の流れが強まり、より安全な材料が要求されるようになった。例えば、欧州においては、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令(RoHS指令)が2006年7月1日に施行された。RoHS指令では、鉛、水銀、カドミウム及び六価クロムが禁止物質として指定された。このため、上記のPbO‐B系低融点ガラス組成物は、事実上使用が難しい。
そこで、鉛を含まない新規な低融点ガラス組成物の開発が進められている。
特許文献1には、酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄及び酸化リンを含み、酸化物換算で、V+TeO+Fe+P≧90であり、V>TeO>Fe>P(2つの式において、単位は「質量%」である。)の関係を有する低融点ガラスが開示されている。この低融点ガラスは、軟化点が410℃以下であり、かつ、熱膨張係数が100×10−7/℃以下であり、優れた耐湿性を有している。
特許第5733279号公報
窓ガラス等に適用されている真空断熱複層ガラスパネル等には、非常に高い信頼性を有する気密な封止部や接着部が要求されている。例えば、温度120℃−湿度85%−圧力2気圧の不飽和型高速加速寿命試験(HAST:Highly Accelerated Stress Test)において、封止部や接着部の浸食、その浸食によるリークや剥離の発生等がないようにする必要がある。
特許文献1に開示されている無鉛低融点ガラス組成物及びそれを含む無鉛ガラス複合材料は、上記HASTにおいて優れた耐久性を有する魅力的な材料である。しかし、一方で、ソーダライム(SiO−NaO−CaO系)ガラス基材、ホウケイ酸塩(SiO−B−NaO系)ガラス基材、石英(SiO)ガラス基材、シリコン(Si)基材、アルミナ(Al)基材、窒化ケイ素(Si)基材等の被封止部材や被接着部材に対して接着力や密着力が不十分であり、これらの部材の界面から剥離しやすいという問題があった。
本発明の目的は、V−TeO−Fe−P系無鉛低融点ガラス組成物において、接着性や密着性を改善することにある。
本発明の無鉛低融点ガラス組成物は、酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄、酸化リン及び酸化リチウムを含み、酸化物換算で、次の2つの関係式(1)及び(2)を満たす。
[V2O5]+[TeO2]+[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧90 …(1)
[V2O5]≧[TeO2]>[Fe2O3]≧[P2O5]≧[Li2O] …(2)
(式中、[X]は成分Xの含有量を表し、その単位は「モル%」である。以下同じ。)
本発明によれば、V−TeO−Fe−P系無鉛低融点ガラス組成物において、接着性や密着性を改善することができる。
ガラス特有の代表的な示差熱分析(DTA)の結果を示すグラフである。 無鉛ガラス組成物の代表的な熱膨張曲線を示すグラフである。 実施例1の封止構造体を示す概略平面図である。 図3AのA−A断面図である。 実施例1の封止構造体の作製工程の一部を示す図である。 実施例1の封止構造体の作製工程の一部を示す図である。 実施例3の真空断熱複層ガラスパネルを示す概略平面図である。 図6AのA−A断面図である。 実施例3の真空断熱複層ガラスパネルの作製方法の一部を示す概略平面図である。 図7AのA−A断面図である。 実施例3の真空断熱複層ガラスパネルの作製方法の一部を示す概略平面図である。 図8AのA−A断面図である。 実施例3の真空断熱複層ガラスパネルの作製工程の一部を示す概略断面図である。 実施例3の真空断熱複層ガラスパネルの作製工程における封止温度プロファイルである。 実施例4のOLEDディスプレイを示す概略平面図である。 図11AのA−A断面図である。 実施例4のOLEDディスプレイの作製工程の一部を示す概略平面図である。 図12AのA−A断面図である。 実施例4のOLEDディスプレイ作製工程の一部を示す概略平面図である。 図13AのA−A断面図である。 実施例4のOLEDディスプレイの作製方法の一部を示す概略断面図である。 実施例5の水晶振動子パッケージの作製方法を示す概略断面図である。 実施例5の水晶振動子パッケージを示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
(ガラス組成物)
ガラス組成物において、一般には、転移点、屈伏点、軟化点等の特性温度が低いガラスほど、低温度での軟化流動性が良好である。一方で、その特性温度を下げすぎると、結晶化傾向が大きくなり、加熱焼成の際に結晶化しやすくなる。この結晶化は、低温度での軟化流動性を低下させる要因となる。また、特性温度が低いガラスほど、耐湿性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩水性等の化学的安定性が劣る。さらに、環境負荷への影響が大きくなる傾向がある。例えば、従来のPbO‐B系低融点ガラス組成物では、有害なPbO含有量が多いほど、特性温度を低くできるが、結晶化傾向が大きく、しかも化学的安定性が低下し、さらに環境負荷への影響も大きくなる。
本発明者は、実質的に鉛を含まない無鉛低融点ガラス組成物でありながら、従来のPbO‐B系低融点ガラス組成物と同等以上の良好な軟化流動性を有し(同等以下の軟化点を有し)、しかも接着性や密着性が良好で、さらに耐湿性等の化学的安定性が良好な無鉛低融点ガラス組成について鋭意検討した。その結果、本発明者は、V−TeO−Fe−P系無鉛低融点ガラス組成物において、リチウムを添加することにより、上記の要求が同時に満たされることを見出し、本発明を完成した。
具体的には、本発明に係る無鉛低融点ガラス組成物は、主成分として酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄、酸化リン及び酸化リチウムを含み、これらの主成分の含有量は、酸化物換算で、次の2つの関係式(1)及び(2)を満たす。
[V2O5]+[TeO2]+[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧90 …(1)
[V2O5]≧[TeO2]>[Fe2O3]≧[P2O5]≧[Li2O] …(2)
ここで、上記の不等式においては、酸化物Xの含有量を[X]と表している(以下同じ。)。また、その単位は「モル%」である(以下同じ。)。「モル%」は、ガラス組成物に含まれるそれぞれの成分の含有量を、ガラス組成物全体に占める割合として、酸化物換算で算出したものである。
ここで、本発明における「無鉛」とは、鉛(Pb)含有量がRoHS指令における許容範囲である1000ppm以下であることをいう。
本発明の無鉛低融点ガラス組成物において、主成分であるV、TeO、Fe、P及びLiOの働きについて、次に説明する。
、TeO、Fe、P及びLiOを主成分とする無鉛低融点ガラス組成物のガラス構造は、VとTeOとからなる層状構造を有し、その層間にFe、P及びLiOが存在していると考えられる。層内のTeO並びに層間のFe、P及びLiOは、層状構造を形成するVに結合していると考えられる。
TeOは、ガラス化させるためのガラス化成分であり、TeOを含有しないと、ガラスを形成することができない。また、TeOは、低温度での軟化流動性を向上する成分、すなわち軟化点等の特性温度を低温化させる成分でもある。TeOの含有量が小さいと、結晶化傾向を低減することが難しく、低温度での良好な軟化流動性が得られない。
一方、TeOの含有量がVの含有量より大きいと、熱膨張係数が大きくなりすぎる場合や、耐湿性等の化学的安定性が低下する場合が生じる。このため、TeOの含有量は、Vの含有量以下とする必要がある。
Feは、耐湿性等の化学的安定性の向上、熱膨張係数の低減等に寄与する。しかし、Feの含有量がTeOの含有量以上であると、結晶化傾向の著しい増大、軟化点等の特性温度の著しい上昇等の問題が生じる。このため、Feの含有量は、TeOの含有量未満にする必要がある。
は、Vのガラス化成分でもあり、結晶化傾向の低減に大きく寄与する。また、低膨張係数を小さくする効果もある。しかし、Pの含有量がFeの含有量より大きいと、耐湿性等の化学的安定性が大きく低下する問題が発生する。このため、Pの含有量は、Feの含有量を超えない範囲とする必要がある。
LiOは、被封止部材や被接着部材に対して強固な接着性や密着性を得るのに非常に大きく寄与する。ガラス構造中では、Liの状態で存在し、封止や接着の際にそのLiが被封止部材や被接着部材に拡散することによって、優れた接着性や密着性が得られるものと考えられる。また、被封止部材や被接着部材にもよるが、LiOは、極少量の含有であっても効果が得られる。しかし、その含有量がPの含有量より大きいと、耐湿性等の化学的安定性が低下してしまう問題がある。このため、LiOの含有量は、Pの含有量以下にする必要がある。
さらに、層状構造の層内に存在する成分(V、TeO)と層間に存在する成分(Fe、P、LiO)の関連性について、更に研究を進めたところ、次の関係式(3)を満たすことが好ましいことがわかった。
[TeO2]≧[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧1/2[V2O5] …(3)
なお、1/2[V2O5]は、1/2×[V2O5]すなわち[V2O5]の半分の値を意味する。
また、上記V−TeO−Fe−P−LiO系無鉛低融点ガラス組成物において、TeO及びLiOの好ましい組成範囲は、TeOの含有量が30モル%以上40モル%以下、LiOの含有量が0.1モル%以上10モル%以下である。
さらに、V、Fe及びPの好ましい組成範囲は、Vの含有量が33モル%以上42モル%以下、Feの含有量が7モル%以上16モル%以下、Pが6モル%以上15モル%以下である。
さらに、上記V−TeO−Fe−P−LiO系無鉛低融点ガラス組成物は、追加成分として、酸化リチウム以外のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化モリブデン及び酸化タングステンのいずれかのうちいずれか一種以上を含むことが望ましい。これらの追加成分の含有量(モル%)は、LnO+RnO+ZnO+MoO+WO≦10である。
以上をまとめると、次のようになる。
無鉛低融点ガラス組成物は、次の2つの関係式(4)及び(5)を満たすことが望ましい。
30≦[TeO2]≦40 …(4)
0.1≦[Li2O]≦10 …(5)
無鉛低融点ガラス組成物は、次の3つの関係式(6)〜(8)を満たすことが望ましい。
33≦[V2O5]≦42 …(6)
7≦[Fe2O3]≦16 …(7)
6≦[P2O5]≦15 …(8)
無鉛低融点ガラス組成物は、酸化リチウム以外のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化モリブデン及び酸化タングステンのうちいずれか一種以上を更に含み、次の関係式(9)を満たすことが望ましい。
[Ln2O]+[RnO]+[ZnO]+[MoO3]+[WO3]≦10 …(9)
ここで、上記の不等式において、Lnは、Li以外のアルカリ金属元素を、Rnは、アルカリ土類金属元素を表す。
無鉛低融点ガラス組成物は、密度が3.6g/cm以上4.0g/cm以下であり、示差熱分析による第二吸熱ピーク温度が400℃以下であることが望ましい。
なお、後段の図1の説明において詳述するが、本発明者は、ガラスの転移点、屈伏点及び軟化点について、示差熱分析(DTA)の結果と粘度による定義に基づく温度とを対比して、DTAによる第二吸熱ピーク温度が、粘度に対応する温度として測定される軟化点とほぼ等しいことを確認した。そこで、本明細書においては、DTAによる第二吸熱ピーク温度を「軟化点T」と定義した。
ここで、本発明におけるガラスの特性温度について説明する。本発明では、DTAにより特性温度を測定した。
一般に、ガラスのDTAは、粒径が数十μm程度のガラス粒子を用い、さらに標準試料として高純度のアルミナ(α‐Al)粒子を用いて、大気中5℃/分の昇温速度で測定する。
図1は、ガラス特有の代表的なDTAカーブの一例である。横軸に標準試料の温度、縦軸に測定対象のガラス試料と標準試料との温度差(電位差)をとっている。
本図において、上記の昇温速度でガラスを加熱すると、転移点Tから吸熱を開始し、第一吸熱ピーク温度に対応する屈伏点Mに達する。そして、一旦、温度差が小さくなり、その後、再び温度差が大きくなり、第二吸熱ピーク温度に対応する軟化点Tに至る。
更に加熱すると、結晶化温度Tcryから発熱を開始し、発熱ピークに達する。この発熱ピークは、結晶化によるものであり、発熱を開始する温度を結晶化温度Tcryと呼ぶ。図示していないが、発熱ピークに対応する温度は、結晶化ピーク温度Tcry−pと呼ぶ。転移点Tは、第一吸熱ピークの開始温度であり、屈伏点Mは、第一吸熱ピーク温度である。なお、それぞれの特性温度は、通常、接線法によって求められる。
厳密には、転移点T、屈伏点M及び軟化点Tは、ガラスの粘度によって定義される。Tは1013.3poise、Mは1011.0poise、Tは107.65poiseに相当する温度である。
結晶化傾向は、軟化点Tと結晶化温度Tcryとの差(絶対値)と、結晶化による発熱ピークの高さすなわちその発熱量とから判定される。
まず、軟化点Tと結晶化温度Tcryとの差(絶対値)が大きければ、ガラスが軟化点Tを超える温度に達しても、Tcryに達しない温度範囲でガラスを軟化流動させることが容易となる。また、結晶化の際の発熱量が小さければ、一定の昇温速度で加熱してTcryに達した場合に、発熱による制御不能な温度上昇が生じてしまうことが少ないため、結晶化の進行を抑制することができる。
よって、Tcryの高温化すなわちTcry−Tの増加と、結晶化発熱量の減少とが結晶化しにくいガラスを示すものと言える。すなわち、結晶化傾向が小さいと判定されるガラスを用いれば、所望の封止部等を形成することが容易となる。
従来の有鉛低融点ガラス組成物を用いて、各種部品の封止や接着を行うときの焼成温度は、含有するセラミックスの粒子やガラスビーズの種類、含有量及び粒径、並びに昇温速度、雰囲気、圧力等の焼成条件等にも影響されるが、通常では軟化点Tより40℃程度高く設定されることが多い。この焼成温度で、有鉛低融点ガラス組成物は、結晶化することなく、良好な軟化流動性を有する。
本発明の無鉛低融点ガラス組成物は、従来の有鉛低融点ガラス組成物に比べ、転移点T、屈伏点M及び軟化点Tの特性温度が同等以下であり、しかも粘度勾配が大きい。このため、軟化点Tより30℃程度高い温度で良好な軟化流動性が得られる。すなわち、本発明の無鉛低融点ガラス組成物は、軟化点Tが400℃以下であり、430℃以下での焼成が可能となる。これによって、環境負荷への影響を低減し、かつ、封止構造体の熱的ダメージ低減(高機能化)や生産性向上(タクト低減)、さらに封止部や接着部の信頼性の向上及び改善をすることができる。
(無鉛ガラス複合材料及び無鉛ガラスペースト)
無鉛ガラス複合材料は、本発明の無鉛低融点ガラス組成物と、セラミックスの粒子やガラスビーズと、を含む。
以下、セラミックスの粒子やガラスビーズを含む無鉛ガラス複合材料について説明する。なお、ガラスビーズとは、平均粒径が50μm以上のガラス粒子をいう。
セラミックスの粒子やガラスビーズを含む無鉛ガラス複合材料は、無鉛低融点ガラス組成物を40体積%以上100体積%未満、セラミックスを0体積%超60体積%以下であることが好ましい。無鉛低融点ガラス組成物を40体積%以上、或いはセラミックスを60体積%以下とすることにより、無鉛低融点ガラス組成物は、良好な軟化流動性を保持でき、信頼性の高い封止や接着が可能となる。
結晶化抑制の観点からは、セラミックスは、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)、石英ガラス(SiO)、ホウケイ酸塩ガラス(SiO−B系)、ソーダライムガラス(SiO−NaO−CaO系)、β−ユークリプタイト(LiO・Al・2SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)、アルミナ(Al)、ムライト(3Al・2SiO)、及び酸化ニオブ(Nb)のうちのいずれかを含むことが好ましい。特に、無鉛ガラス複合材料を低熱膨張化するのに有効なセラミックスは、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)及び石英ガラス(SiO)のうちのいずれかであり、その好ましい含有量は30体積%以上60体積%以下である。
ガラスビーズとしては、例えば、ソーダライムガラス(SiO−NaO−CaO系ガラス)、ホウケイ酸塩ガラス(SiO−B−NaO系ガラス)、石英ガラス(SiO)等を用いることができる。
無鉛ガラスペーストは、無鉛低融点ガラス組成物を含む無鉛ガラス複合材料と、バインダーと、溶剤と、を含むものである。バインダーとしてはポリプロピレンカーボネート、溶剤としてはジヒドロターピネート又はカルビトールアセテートを用いることが好ましい。バインダー及び溶剤を上記の組み合わせとすることにより、無鉛低融点ガラス組成物の結晶化を抑制し、かつ、加熱焼成後に残留する気泡を低減することができる。また、必要に応じて粘度調整剤や湿潤剤等を添加し、無鉛ガラスペーストの安定性や塗布性を調整することができる。
(封止構造体)
無鉛ガラス複合材料や無鉛ガラスペーストは、窓ガラス等に適用されている真空断熱複層ガラスパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、蛍光表示管等のディスプレイパネル、及び水晶振動子、ICパッケージ、MEMS等のパッケージデバイス等の封止や接着に好適に用いられる。
本発明の封止構造体は、無鉛ガラス複合材料を用いて形成され、外部と隔てられた内部空間と外部との境界の少なくとも一部を構成する封止部を含む。ここで、無鉛ガラス複合材料に含まれる無鉛低融点ガラス組成物の含有量は、40体積%以上であることが好ましい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施例に限定されることはなく、そのバリエーションを含むものである。
実施例1では、V−TeO−Fe−P系無鉛ガラス組成物を作製し、ガラス組成がガラス特性に与える影響について検討した。
(無鉛ガラス組成物の作製)
表1は、実施例の無鉛ガラス組成物A−01〜A−69の組成を示したものである。A−01〜A−69は、V、TeO、Fe、P及びLiOを主成分かつ必須成分とする無鉛ガラス組成物である。
表2は、比較例のB−01〜B−07の組成を示したものである。
これらの組成は、ガラスを作製する際に配合した割合である。
Figure 2021035894
Figure 2021035894
主成分の出発原料としては、純度が99%以上の新興化学工業(株)製のV及びTeO、並びに(株)高純度化学研究所製のFe、P、LiCO、NaCO、KCO、MgO、CaCO、SrCO、BaCO、ZnO、MoO及びWOの粉末を用いた。
各出発原料粉末を合計で200g程度になるように、秤量し、配合し、混合し、白金るつぼに投入した。原料混合粉末を投入した白金るつぼをガラス溶融炉内に設置し、約10℃/分の昇温速度で900〜950℃まで加熱した。白金るつぼ内の融液の組成均一化を図るため、アルミナ棒で撹拌しながら1時間保持した。その後、白金るつぼをガラス溶融炉から取り出し、予め150℃前後に加熱しておいたステンレス鋳型へ融液を流し込み、実施例のA−01〜A−69及び比較例のB−01〜B−07をそれぞれ作製した。
(密度の測定)
作製した無鉛ガラス組成物A−01〜A−69及びB−01〜B−07をそれぞれ、スタンプミルで粗く粉砕した後に、ジェットミルにて45μmアンダーにまで粉砕した。そのガラス粉末を用い、ヘリウムガス中でのピクノメーター法によって各ガラスの密度を測定した。
(特性温度の測定)
密度測定に用いたと同じガラス粉末を用いて、大気中5℃/分の昇温速度でDTAを行った。これにより、図1と同様のDTAカーブを得た。なお、DTAには、マクロセルタイプを使用した。得られたDTAカーブより各無鉛ガラス組成物の転移点T、屈伏点M及び軟化点Tを測定した。
(熱膨張係数の測定)
作製した無鉛ガラス組成物A−01〜A−69とB−01〜B−07をDTAによる転移点T〜屈伏点Mの温度範囲で加熱し、徐冷することによって残留熱歪を除去し、4×4×20mmの角柱に加工した。これを用い、大気中5℃/分の昇温速度で熱膨張計にて各無鉛ガラス組成物の熱膨張曲線を測定した。なお、標準試料にはφ5×20mmの円柱状石英ガラスを用いた。
図2は、代表的な無鉛ガラス組成物の熱膨張曲線を示すグラフである。なお、図中の縦軸の伸び量は、標準試料である石英ガラスの伸び量を差し引いた値である。
本図に示すように、加熱とともに無鉛ガラス組成物は伸び、転移温度Tで顕著な伸びが始まる。この転移温度Tは、DTAから求められる転移点Tとほぼ一致する。
更に加熱すると、変形温度Aに達する。Aを超えると、無鉛ガラス組成物の熱的変形により、見かけ上収縮する。
ガラスの熱膨張係数は、室温からT未満の温度範囲の勾配から測定されることが一般的である。このため、実施例A−01〜A−69及び比較例B−01〜B−07の無鉛ガラス組成物は、ともに30〜250℃の温度範囲の勾配から熱膨張係数を算出した。
(化学的安定性(耐湿性)の評価)
作製した無鉛ガラス組成物A−01〜A−69及びB−01〜B−07の化学的安定性は、温度120℃−湿度85%−圧力2気圧の不飽和型高速加速寿命試験(HAST:Highly Accelerated Stress Test)よる耐湿性で評価した。
評価サンプルは、熱膨張測定に用いたと同じ角柱ガラスを用いて、HASTにて48時間実施し、各無鉛ガラス組成物の腐食具合を観察した。ほとんど腐食が認められない場合には合格「○」、明らかに腐食が認められた場合には不合格「×」と判定した。
なお、転移点Tが313℃、屈伏点Mが332℃及び軟化点Tが386℃である従来の有鉛ガラス組成物である84PbO−13B−2SiO−1Al(質量%)のHASTを同様に実施したところ、腐食が認められ、耐湿性は不合格「×」であった。
(軟化流動性及び接着性の評価)
作製した無鉛ガラス組成物A−01〜A−69及びB−01〜B−07の軟化流動性及び接着性は、密度測定に用いたと同じガラス粉末を用いて作製した圧粉成形体のボタンフロー試験にて評価した。
圧粉成形体は、金型とハンドプレスを用い、500kg/cmの条件で直径12mm、高さ3mm程度の円柱形状となるように成形した。ソーダライム(SiO−NaO−CaO系)ガラス基板上に設置した圧粉成形体を電気炉内へ導入し、大気中10℃/分の昇温速度で室温から軟化点Tより30℃程度高い温度まで加熱し、30分間保持した後に炉冷し、軟化流動性及び接着性並びに結晶化状態を評価した。
軟化流動性に関しては、圧粉成形体が良好に軟化流動している場合には合格「○」、軟化流動しても失透(表面結晶化)している場合や結晶化により軟化流動が不十分な場合には不合格「×」と判定した。
また、接着性に関しては、圧粉成形体が軟化流動し、ソーダライムガラス基板に接着、密着している場合には合格「○」、軟化流動してもソーダライムガラス基板から容易に界面剥離する場合や結晶化により軟化流動が不十分でソーダライムガラス基板から容易に剥離する場合には不合格「×」と判定した。
なお、転移点Tが313℃、屈伏点Mが332℃、軟化点Tが386℃である従来の有鉛ガラス組成物である84PbO−13B−2SiO−1Al(質量%)を430℃において同様のボタンフロー試験を実施したところ、軟化流動性及び接着性ともに合格「○」であった。ただし、ソーダライムガラス基板との大きな熱膨張差によって、クラックの発生が認められた。このクラックの発生は、チタン酸鉛等の低熱膨張セラミックス粒子を有鉛ガラス組成物の粉末に混入させることによって対策できるものである。
(封止構造体の作製及び評価)
表1及び2の無鉛ガラス組成物と、低熱膨張セラミックス粒子とを含む無鉛ガラス複合材料を用いて、封止構造体を作製した。そして、この封止構造体を用いてHASTを48時間実施した。なお、HASTの条件は、上記同様に温度120℃−湿度85%−圧力2気圧とした。また、HAST後に異常が認められなかった封止構造体に関しては、強力な超音波洗浄機にて30分間の浸漬試験を実施した。
図3Aは、封止構造体の平面図である。
図3Aに示すように、封止構造体は、厚さが3mmの50mm×50mmのガラス基板1の周縁部にガラス複合材料5を設置している。ガラス複合材料5の内側には、スペーサ6を配置している。
図3Bは、図3AのA−A断面図である。
図3Bに示すように、封止構造体は、ガラス基板1と同じ寸法のガラス基板2を用いている。2枚のガラス基板1、2の間には、ガラス複合材料5及びスペーサ6を挟み込んでいる。これにより、内部空間7が形成されている。ガラス複合材料5は、無鉛ガラス組成物3と低熱膨張セラミックス粒子4とを含む。ガラス基板1、2には、熱膨張係数が88×10−7/℃のソーダライムガラス(SiO−NaO−CaO系ガラス)を用いた。
封止する際の加熱温度は、無鉛ガラス組成物3のTより30℃程度高い温度とした。
図4は、封止構造体の作製工程の一部を示す図である。
図4においては、塗布・焼成工程を示している。
無鉛ガラス組成物3の粒子と、低熱膨張セラミックス粒子4と、バインダーと、溶剤とを混合して作製したガラス複合材料ペースト8を、ディスペンサー法によりガラス基板1の外周部に塗布した。そして、150℃で乾燥し、その後、大気中約5℃/分の昇温速度で無鉛ガラス組成物3の転移点T〜屈伏点Mの温度範囲まで加熱し、30分間保持した。その後、同様の昇温速度で軟化点Tより30℃程度高い温度まで更に加熱し、30分間保持することにより焼成し、ガラス基板1の外周部にガラス複合材料5を形成した。
無鉛ガラス組成物3の粒子には、密度や特性温度の測定にも用いた45μmアンダーのガラス粉末を用いた。低熱膨張セラミックス粒子4には、平均粒径が約15μmのリン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)を用いた。このセラミックスの密度は3.8g/cm、熱膨張係数は−38×10−7/℃である。無鉛ガラス組成物3と低熱膨張セラミックス粒子4の配合率は、熱膨張係数が約70×10−7/℃となるように調整した。これは、使用するガラス基板1、2、すなわちソーダライムガラスの熱膨張係数に考慮し、封止部のガラス複合材料5になるべく引張応力がかからないようにするためである。
封止部のガラス複合材料5に残留する気泡を極力少なくするため、バインダーにポリプロピレンカーボネート、溶剤にジヒドロターピネート又はカルビトールアセテートを用いた。様々なバインダーや溶剤についても検討したが、本発明の無鉛ガラス組成物やそれを含む無鉛ガラス複合材料にとって残留気泡が少ない最良の組み合わせであった。
無鉛ガラス組成物3の粒子と低熱膨張セラミックス粒子4とからなる固形分の量が80〜85質量%になるように、ガラス複合材料ペースト8を作製した。
図5は、封止構造体の作製工程の一部を示す図である。
図5においては、図4の塗布・焼成工程の後に行う封止工程を示している。
図5に示すように、もう一方のガラス基板2にφ500μm×200μmの円柱状スペーサ6を4つ設置し、ガラス複合材料5を形成したガラス基板1を対向するように合わせ、4つの耐熱クリップ9をガラス基板1、2の四辺に取り付けた。そして、大気中約5℃/分の昇温速度で無鉛ガラス組成物3の軟化点Tより20℃程度高い温度まで加熱し、30分間保持することによって封止し、封止構造体を作製した。作製した封止構造体の内部空間7は、空気が収縮することによって若干の減圧状態となっている。
作製した封止構造体のHAST(温度120℃−湿度85%−圧力2気圧)を48時間実施し、封止部の信頼性の1つである耐湿性を評価した。
封止部において一部でも剥離し、リークした場合には不合格「×」、剥離が発生せずにリークしない場合には合格「○」と判定した。
リークした場合には、封止構造体の内部に水分が入り込むため、容易に判定することが可能である。HASTに合格した封止構造体を強力な超音波洗浄試験により30分間の浸漬試験を実施し、上記同様に封止部の信頼性の1つである接着性を評価した。
上記の耐湿性と同様に、封止部の一部でも剥離又はクラック等が発生してリークした場合には不合格「×」、剥離やクラックが発生せずにリークしない場合には合格「○」と判定した。この接着性の評価方法に関しても、リークした場合には、封止構造体内部に水分が入り込むために、容易に判定することが可能である。
表3は、実施例A−01〜A−69の密度、特性温度、熱膨張係数、耐湿性、軟化流動性及び接着性を示したものである。
表4は、比較例B−01〜B−07の密度、特性温度、熱膨張係数、耐湿性、軟化流動性及び接着性を示したものである。
Figure 2021035894
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また、表5〜7は、表1及び2の無鉛ガラス組成物と、低熱膨張セラミックス粒子とを含む無鉛ガラス複合材料を用いて作製した封止構造体の評価結果(耐湿性、接着性)を示したものである。
表5には、実施例A−01〜A−40を示している。
表6には、実施例A−41〜A−69を示している。
表7には、比較例B−01〜B−07を示している。
Figure 2021035894
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表2に示すとおり、比較例B−01〜B−06は、LiOを含有しないV−TeO−Fe−P系無鉛ガラス組成物であり、比較例B−07は、Fe及びLiOを含有しないV−TeO−BaO−WO−P系無鉛ガラス組成物である。
表4に示すとおり、比較例のガラス組成物はいずれも、良好な軟化流動性を示し、すべて合格「○」と判定した。
HASTによる耐湿性に関しては、比較例B−01〜B−04が良好で合格「○」と評価したが、比較例B−05〜B−07には腐食が認められたため、不合格「×」と判定した。このことから、耐湿性等の化学的安定性を向上するのに有効なFeを含み、しかもその含有量がPの含有量より大きいV−TeO−Fe−P系無鉛ガラス組成物(B−01〜B−04)の耐湿性が優れていることがわかる。Feの含有量とPの含有量が逆転すると、V−TeO−Fe−P系無鉛ガラス組成物(B−05及びB−06)であっても、HASTによる耐湿性が乏しいことがわかる。
また、Feを含有しないV−TeO−BaO−WO−P系無鉛ガラス組成物(B−07)では、B−05やB−06よりも腐食されており、耐湿性は更に低かった。
ソーダライムガラス基板への接着性に関しては、比較例のいずれもがソーダライムガラス基板から容易に剥離したため、すべて不合格「×」と判定した。
また、表7に示すとおり、比較例B−01〜B−04の無鉛ガラス組成物とリン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)とを含む無鉛ガラス複合材料を用いた封止構造体では、気密に封止できており、HASTによる耐湿性でもリークの発生は認められず、合格「○」と判定した。しかし、超音波洗浄試験による接着性に関しては、リークが認められ、不合格「×」と判定した。
比較例B−05〜B−07の無鉛ガラス組成物とリン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)とを含む無鉛ガラス複合材料を用いた封止構造体では、気密に封止できていたが、HASTによる耐湿性においてはリークが認められ、不合格「×」と判定した。耐湿性の評価でリークの発生が認められたため、接着性の評価は実施しなかった。
これに対して、表5及び6に示す実施例A−01〜A−69は、LiOを含み、かつ、Feの含有量がPの含有量以上のV−TeO−Fe−P系無鉛ガラス組成物であり、いずれのガラス組成物においても耐湿性、軟化流動性及び接着性に優れていた。
また、これらの無鉛ガラス組成物(A−01〜A−69)とリン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)とを含む無鉛ガラス複合材料を用いた封止構造体では、実施例のすべての封止構造体において気密に封止できており、しかもその後のHASTによる耐湿性及び超音波洗浄による接着性の評価では、リークすることがなく、耐湿性、接着性ともに合格「○」と判定した。
以上より、実施例A−01〜A−69は、主成分として酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄、酸化リン及び酸化リチウムを含み、その主成分の望ましい含有量は、上記の関係式(1)〜(9)を満たすことがわかる。
また、実施例A−01〜A−69は、密度が3.6g/cm以上4.0g/cm以下であり、示差熱分析による軟化点が400℃以下であることがわかる。
さらに、実施例A−01〜A−69の無鉛ガラス組成物は、低熱膨張セラミックス粒子との複合化による無鉛ガラス複合材料や無鉛ガラスペーストの作製に好適であり、これらを用いて作製した封止構造体に好適であることがわかる。
以下の実施例では、本発明の無鉛ガラス組成物を含有する無鉛ガラス複合材料及び無鉛ガラスペースト、並びにこれらを適用した封止構造体及び電気電子部品について、更に詳細に説明する。
実施例2では、無鉛ガラス組成物とセラミックスの粒子又はガラスビーズとを含む無鉛ガラス複合材料を用いて、実施例1と同様にして、同種の金属基板同士、セラミックス基板同士、ガラス基板同士及び半導体基板同士の外周部を封止することによって、封止構造体を作製した。作製した封止構造体のHASTを48時間実施し、続いて超音波洗浄試験を30分間実施し、その封止部の信頼性を評価した。
無鉛ガラス組成物としては、表1に示す実施例A−06、A−12、A−14、A−25、A−33、A−41〜A−43、A−53、A−62及びA−65〜A−69並びに表2に示す比較例B−01の16種類を用いた。
表8は、セラミックスの粒子又はガラスビーズとして用いた10種類の材料(C−01〜C−10)を示したものである。なお、本表には、これらの材料の密度、熱膨張係数及び平均粒径も示している。
Figure 2021035894
金属基板には厚さが3mmの50mm×50mmのステンレス鋼(SUS304)基板、セラミックス基板には厚さが1.5mmの50mm×50mmのアルミナ(Al)基板、ガラス基材には厚さが2mmの50mm×50mmのホウケイ酸塩ガラス(SiO−B−NaO系ガラス)基板、半導体基板には厚さが1mmのシリコン基板を用いた。それぞれの基板の熱膨張径数は、SUS304基板が178×10−7/℃、アルミナ基板が81×10−7/℃、ホウケイ酸塩ガラス基板が58×10−7/℃、シリコン基板が28×10−7/℃であった。
評価用の封止構造体を作製するに当たっては、先ずは、無鉛ガラス組成物の粒子と、セラミックスの粒子又はガラスビーズと、バインダーと、溶剤とを含むガラスペーストを作製し、実施例1と同様にして、それぞれの基板の外周部へ塗布し、乾燥し、焼成した。その後、スペーサを設置し、同基材を合わせて加熱することによって封止した。
(無鉛ガラスペーストの作製)
無鉛ガラス組成物の粒子とセラミックスの粒子又はガラスビーズとの配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様にして無鉛ガラスペーストを作製した。無鉛ガラス組成物の粒子とセラミックスの粒子又はガラスビーズの配合割合は、体積%で100:0、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60および30:70の8種類とした。また、無鉛ガラスペースト中の固形分(無鉛ガラス組成物とセラミックスの合計)の含有量は約80質量%とした。
(封止構造体の作製と評価)
実施例1と同様にして、封止構造体を作製し、HASTを48時間実施し、続いて超音波洗浄試験を30分実施することによって、封止部の信頼性を評価した。
試験後に80℃で乾燥し、封止構造体を破壊し、内部に水分が残っていない場合には合格「○」、水分が残っている場合には不合格「×」と判定した。
無鉛ガラス複合材料に含まれる無鉛ガラス組成物によって、封止構造体の封止温度を決定した。実施例1と同様に、事前焼成は軟化点Tより約30℃程度高い温度、封止は軟化点Tより20℃程度高い温度で行った。その封止構造体を作製するに当たっては、各基板の熱膨張係数に配慮し、無鉛ガラスペースト中の無鉛ガラス組成物とセラミックスの種類やその含有量を選定した。
表9〜12は、各基板における封止構造体のHAST評価結果を示したものである。
表9はステンレス鋼(SUS304)基板同士の封止構造体、表10はアルミナ(Al)基板同士の封止構造体、表11はホウケイ酸塩ガラス(SiO−B−NaO系ガラス)基板同士の封止構造体、表12はシリコン(Si)基板同士の封止構造体の評価結果である。
Figure 2021035894
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ステンレス鋼(SUS304)基板同士の封止構造体では、表9に示すとおり、セラミックスとしてC−03、C−04及びC−07〜C−10(表8)を用い、その配合率を0〜20体積%、無鉛ガラス組成物として実施例A−14、A−53、A−65及びA−69並びに比較例B−01を用い、その配合率を100〜80体積%の範囲で検討した。
実施例の封止構造体では、すべての条件において、剥離することなく、また内部に水分が侵入することなく、信頼性が高い封止部が得られ、いずれの実施例においてもステンレス鋼(SUS304)基板への接着力や密着力が高いことが分かった。しかし、比較例の封止構造体では、いずれの配合条件においても封止界面からの剥離が発生し、信頼性の高い封止部が得られなかった。
アルミナ(Al)基板同士の封止構造体では、表10に示すとおり、セラミックスとしてC−01、C−02及びC−06(表8)を用い、その配合率を20〜40体積%、無鉛ガラス組成物として実施例A−06、A−12、A−25、A−33、A−41、A−43、A−66及びA−67並びに比較例B−01を用い、その配合率を80〜60体積%の範囲で検討した。
実施例の封止構造体では、すべての条件において、剥離することなく、また内部に水分が侵入することなく、信頼性が高い封止部が得られ、いずれの実施例においてもアルミナ(Al)基板への接着力や密着力が高いことが分かった。しかし、比較例の封止構造体では、いずれの配合条件においても封止界面から剥離することはなかったが、内部には水の侵入が認められ、信頼性の高い封止部は得られなかった。
ホウケイ酸塩ガラス(SiO−B−NaO系ガラス)基板同士の封止構造体では、表11に示すとおり、セラミックスとしてC−01、C−02及びC−05(表8)を用い、その配合率を30〜50体積%、無鉛ガラス組成物として実施例A−06、A−12、A−33、A−42、A−62、A−68及びA−69並びに比較例B−01を用い、その配合率を70〜50体積%の範囲で検討した。
実施例の封止構造体では、すべての条件において、剥離することなく、また内部に水分が侵入することなく、信頼性が高い封止部が得られ、いずれの実施例においてもホウケイ酸塩ガラス(SiO−B−NaO系ガラス)基板への接着力や密着力が高いことが分かった。しかし、比較例の封止構造体では、いずれの配合条件においても封止界面から剥離することはなかったが、内部には水の侵入が認められ、信頼性の高い封止部は得られなかった。
シリコン(Si)基板同士の封止構造体では、表12に示すとおり、セラミックスとしてC−01及びC−05(表8)を用い、その配合率を50〜70体積%、無鉛ガラス組成物として実施例A−12、A−14、A−25、A−42、A−53、A−62及びA−66〜A−69並びに比較例B−01を用い、その配合率を50〜30体積%の範囲で検討した。
実施例の封止構造体では、無鉛ガラス組成物とセラミックスの配合率が50:50及び40:60の場合では、剥離することなく、また内部に水分が侵入することなく、信頼性が高い封止部が得られ、シリコン(Si)基板への接着力や密着力が高かった。しかし、配合率が30:70の場合では、封止界面の剥離はなかったものの、内部には水の侵入が認められた。これは、セラミックスの配合率に対して無鉛ガラス組成物の配合率が少なすぎるために、良好な接着性や密着性が得られなかったものと考えられる。比較例の封止構造体では、いずれの配合条件においても封止界面からの剥離が発生し、信頼性の高い封止部は得られなかった。
以上より、実施例の無鉛ガラス組成物を40〜100体積%未満、セラミックスの粒子やガラスビーズを0〜60体積%含む無鉛ガラス複合材料を用いることにより、各種基板を気密に低温封止や低温接着できることが分かった。
本実施例では、無鉛ガラス組成物として、表1に示す実施例A−06、A−12、A−14、A−25、A−33、A−41〜A−43、A−53、A−62及びA−65〜A−69並びに表2に示す比較例B−01の16種類について代表して説明したが、他の実施例の無鉛ガラス組成物に関しても同等の性能を発現できることは言うまでもない。また、無鉛ガラス複合材料やその無鉛ガラスペーストにセラミックスの粒子やガラスビーズを含有する場合には、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)、石英ガラス(SiO)、ホウケイ酸塩ガラス(SiO−B系)、ソーダライムガラス(Si−NaO−CaO系)、β−ユークリプタイト(Li O・Al・2SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)、アルミナ(Al)、ムライト(3Al・2SiO)および酸化ニオブ(Nb)について説明したが、これらに限定されるものではない。
実施例3では、2枚のソーダライムガラス基板と、ガラス複合材料とを用いて、封止構造体の代表例の一つとして作製した真空断熱複層ガラスパネルについて説明する。
図6Aは、作製した真空断熱複層ガラスパネルを示す概略平面図である。
本図に示すように、真空断熱複層ガラスパネルは、ソーダライムガラス基板10の周縁部に封止部12を有する。複数のスペーサ13が等間隔に二次元的に配置されている。封止部12の内側には、排気穴14が形成されている。排気穴14には、キャップ15が取り付けてある。
図6Bは、その封止部近傍のA−A断面を拡大して示したものである。
本図に示すように、真空断熱複層ガラスパネルは、2枚のソーダライムガラス基板10、11の間に封止部12及びスペーサ13を挟み込んだ構造を有している。これにより、空間部16が形成されている。空間部16は、排気穴14から真空ポンプ(図示していない。)を用いて排気を行うことにより、真空状態としている。
スペーサ13は、ソーダライムガラス基板10、11の間には、真空状態にある空間部16を確保するために設置されている。真空状態を有する空間部16を得るためには、事前にソーダライムガラス基板11に形成しておいた排気穴14より真空ポンプを用いて空間部16の排気を行う。排気後にキャップ15を取り付け、空間部16の真空度を維持する。
真空断熱複層ガラスパネルは、建材用窓ガラスや車両用窓ガラスとして適用する場合には、ソーダライムガラス基板10の内面に熱線反射膜17を蒸着法等により形成したものを用いることが望ましい。
封止部12は、実施例の無鉛ガラス複合材料で形成されている。
この真空断熱複層ガラスパネルは、建材用窓ガラス、車両用窓ガラス、業務用冷蔵庫や冷凍庫の扉等に展開できるものである。封止部12に使用した実施例の無鉛ガラス複合材料は、実施例の無鉛ガラス組成物を含む他に、ソーダライムガラス基板10、11との熱膨張係数の整合をとるため、熱膨張係数が小さいセラミックスの粒子やガラスビーズが混合されている。
また、ソーダライムガラス基板10、11は、熱伝導率が低く、更に大型化すると、均一に加熱や冷却しにくいこと、また急熱や急冷により破損するおそれがあることから、封止における加熱や冷却は徐々に行う必要がある。真空断熱複層ガラスパネルを歩留まりよく、効率的に生産するためには、低温度での封止が有効となる。
(無鉛ガラスペーストの作製)
無鉛ガラス組成物の粒子と、セラミックスの粒子及びガラスビーズと、バインダーと、溶剤とを所定量配合し、混合して無鉛ガラスペーストを作製した。
無鉛ガラス組成物の粒子には、粒径が45μmアンダーのA−24、セラミックスの粒子およびガラスビーズには、平均粒径が約15μmのC−01(リン酸タングステン酸ジルコニウム粒子)および平均粒径が約75μmのC−02(石英ガラスビーズ)を用いた。また、バインダーにはポリプロピレンカーボネート、溶剤にはカルビトールアセテートを用いた。
無鉛ガラス組成物A−59の粒子、セラミックスの粒子C−01及びガラスビーズC−02の配合割合は、体積%で70:25:5として、その固形分(A−59、C−01及びC−02の合計)の含有量を約80質量%となるように封止用のガラスペーストを作製した。また、スペーサ13の固定用に固形分がA−59の粒子のみのガラスペーストも作製した。
(真空断熱複層ガラスパネルの作製)
本実施例の真空断熱複層ガラスパネルの作製方法について説明する。
図7Aは、図6A及び6Bに示す真空断熱複層ガラスパネルの作製方法の一部を示す概略平面図である。
図7Aにおいては、ソーダライムガラス基板11に封止用ガラスペースト112及び複数のスペーサ13を形成した状態を示している。ソーダライムガラス基板11のサイズは、900×600×3mmである。ソーダライムガラス基板11には、排気穴14が形成されている。
封止用ガラスペースト112は、ソーダライムガラス基板11の外周部にディスペンサー法によって塗布した。スペーサ13は、封止用ガラスペースト112の内側にスペーサ固定用ガラスペーストによって付設した。そして、大気中150℃で乾燥した後に、大気中2〜3℃/分の昇温速度で400℃まで加熱し30分間保持し、仮固定した。
図7Bは、図7Aに示すA−A断面を示したものである。
図7Bに示すように、仮固定した封止用ガラスペースト112の高さは、仮固定したスペーサ13よりも高くしている。このことが気密に封止する上で重要である。
なお、スペーサ13は、直径500μm、高さ190μmの円柱状ステンレス鋼である。スペーサ13は、ソーダライムガラス基板11の表面に無鉛ガラス組成物A−59で固定した。ソーダライムガラス基板10と、もう1枚のソーダライムガラス基板との間隔、すなわち空間部の厚さを約200μmとするためである。
図8Aは、図6A及び6Bに示す真空断熱複層ガラスパネルの作製方法の一部を示す概略平面図である。
図8Aにおいては、図6Bの真空断熱複層ガラスパネルを構成するソーダライムガラス基板10を示している。ソーダライムガラス基板10には、熱線反射膜17を形成した。
図8Bは、図8AのA−A断面図である。
図8Bに示すとおり、熱線反射膜17は、ソーダライムガラス基板10の片面に形成した。
図9は、図6A及び6Bに示す真空断熱複層ガラスパネルの作製方法の一部である真空排気封止工程を示したものである。
図9においては、ソーダライムガラス基板10、11を対向させ、位置合わせをし、複数の耐熱クリップ(図示していない。)で固定した。そして、排気穴14から真空排気しながら加熱し、封止した。これにより、ソーダライムガラス基板10が封止用ガラスペースト112に密着し、封止部及び空間部16が形成された。排気穴14には、排気後にキャップ15を取り付け、空間部16の真空度を維持した。
図10は、図9の真空排気封止工程における温度プロファイルを示したものである。
図10に示すように、大気中2〜3℃/分の昇温速度で無鉛ガラス組成物の軟化点T付近の温度、ここではA−59のT付近の370℃まで加熱し30分間保持した。この段階で、図9の封止用ガラスペースト112やスペーサ13が押しつぶされ、2枚の風冷強化ソーダライムガラス基板10、11が密着した。その後、パネル内部を真空ポンプで排気しながら2〜3℃/分の昇温速度で無鉛ガラス組成物の軟化点Tより約20℃高い温度、ここではA−59のTより20℃高い395℃まで加熱し30分間保持し、封止を行った。
なお、本実施例では、真空断熱複層ガラスパネルを10枚作製した。
(作製した真空断熱複層ガラスパネルの評価結果)
本実施例において作製した真空断熱複層ガラスパネル10枚の外観検査を行った。その結果、ワレやヒビ等は認められず、外観上の問題はなかった。また、パネル内部に設置した複数のスペーサ13によって、ソーダライムガラス基板10、11の間隔は、ほぼ均一の厚さ(約200μm)であった。すなわち、所定の空間部16を有する真空断熱複層ガラスパネルが得られた。
さらに、ヘリウムリーク試験より、パネル内部が真空状態となっており、パネル外周部が気密に封止されていることを確認した。また、断熱性も評価し、低い熱貫流率(0.7〜0.9W/m・K)を達成していることを確認した。
封止部12の信頼性を確認するため、製作した真空断熱複層ガラスパネル3枚のHASTを48時間実施した。3枚のパネルとも内部に水が浸入することなく、パネル内部が真空状態に維持されていることを確認した。また、別の真空断熱複層ガラスパネル3枚について、−50℃〜+100℃の温度サイクル試験を1500回実施した。この試験においても、3枚のパネルとも内部が真空状態に保たれていた。これらのことから、実施例のガラス複合材料やそのガラスペーストを適用した真空断熱複層ガラスパネルでは、断熱性と信頼性の高い封止部が得られることが分った。
以上より、実施例の無鉛ガラス組成物を含む無鉛ガラス複合材料やその無鉛ガラスペーストが真空断熱複層ガラスパネルの封止部に有効に適用でき、断熱性と信頼性がともに優れる封止構造体を提供できることが確認された。
本実施例では、封止構造体の代表例の一つとして2枚のホウケイ酸ガラス基板の間に有機発光ダイオード(OLED)が多数内蔵されたディスプレイを作製した。
図11Aは、OLEDディスプレイの例を示したものである。
本図に示すように、OLEDディスプレイを構成するホウケイ酸ガラス基板18の外周部には、実施例の無鉛ガラス複合材料を含む封止部12が形成されている。封止部12の内側には、有機発光ダイオード20が設けられている。
図11Bは、図11AのA−A断面を示したものである。
図11Bに示すように、2枚のホウケイ酸ガラス基板18、19の間には、封止部12及び有機発光ダイオード20が形成されている。
(無鉛ガラスペーストの作製)
実施例の無鉛ガラス組成物の粒子と、セラミックスの粒子と、バインダーと、溶剤とを所定量配合し、混合して、ガラスペーストを作製した。
無鉛ガラス組成物の粒子には、平均粒径が約2μm程度のA−31、セラミックスの粒子には、平均粒径が約3μm程度のC−01(リン酸タングステン酸ジルコニウム粒子)を用いた。また、バインダーにはポリプロピレンカーボネート、溶剤にはカルビトールアセテートを使用した。セラミックスの粒子C−01には、赤色半導体レーザを効率的に吸収して発熱しやすいように、その粒子中にタングステン酸鉄(FeWO)を混合した。A−31とC−01との配合割合は、体積%で50:50とし、その固形分(A−31及びC−01の合計)の含有量が約80質量%となるように低温封止用無鉛ガラスペーストを作製した。
(OLEDディスプレイの作製)
本実施例のOLEDディスプレイの作製方法を図12A〜14に示す。
図12Aは、OLEDディスプレイの一方の基板を示したものである。
本図に示すように、無鉛ガラスペーストをホウケイ酸ガラス基板18の外周部にスクリーン印刷法によって塗布した。そして、これを大気中150℃で乾燥し、大気中5℃/分の昇温速度で400℃まで加熱し30分間保持した。これにより、封止用ガラスペースト112をホウケイ酸ガラス基板18の外周部に形成した。
図12Bは、図12AのA−A断面図である。
封止用ガラスペースト112は、線幅を約2mm、焼成膜厚を約15μmとなるようにした。
図13Aは、OLEDディスプレイのもう一方の基板を示したものである。
図13Bは、図13AのA−A断面図である。
これらの図に示すように、ホウケイ酸ガラス基板19には、有機発光ダイオード20を形成した。有機発光ダイオード20は、図示していないが、画素数に対応する多数の素子の集合体である。
図14は、有機発光ダイオードの作製方法の一部である封止工程を示したものである。
本図に示すように、封止用ガラスペースト112を形成したホウケイ酸ガラス基板18と、有機発光ダイオード20を形成したホウケイ酸ガラス基板19とを対向させて配置し、真空中でホウケイ酸ガラス基板18の外側から封止用ガラスペースト112に向けてレーザ21を照射した。レーザ21には、レーザ波長が実施例の無鉛ガラス複合材料中の無鉛ガラス組成物と低熱膨張セラミックスの粒子に効率的に吸収されて発熱するように、805nmの波長の赤色半導体レーザを用いた。
レーザ21は、10mm/秒の速度で外周部を移動し、ホウケイ酸ガラス基板18、19の外周部を封止用ガラスペースト112によって接合し、OLEDディスプレイを作製した。
なお、本実施例では、OLEDディスプレイを5枚作製した。封止にレーザを使用した理由は、OLEDへの熱的ダメージを防止するためである。
(作製したOLEDディスプレイの評価結果)
先ずは、作製したOLEDディスプレイの点灯試験を行った。その結果、問題なく、点灯することを確認した。また、封止部の密着性や接着性も良好であった。
次に、このOLEDディスプレイのHASTを48時間実施し、同様に点灯試験を行った。比較として樹脂のみで封止したOLEDディスプレイも入れた。なお、この樹脂封止の線幅は約5mm、厚さは約15μmとした。
樹脂封止したOLEDディスプレイでは、大きな劣化が発生した。これは、樹脂封止部よりOLEDディスプレイ内部に水分や酸素が入り、OLEDが劣化したためである。
一方、実施例のOLEDディスプレイは、劣化が認められず、良好な試験結果となった。これは、良好な気密性が維持されていることが示唆された結果である。さらに、HAST後の封止部の密着性や接着性も評価した結果、樹脂で封止したような大きな低下は認められず、試験前とほぼ同等であった。
以上より、実施例の無鉛ガラス組成物を含む無鉛ガラス複合材料やその無鉛ガラスペーストがOLEDの封止部に有効に適用でき、信頼性を含む高機能化に優れる封止構造体を提供できることが確認された。
本実施例では、封止構造体の代表例の一つとして水晶振動子のパッケージを作製した。
(無鉛ガラスペーストの作製)
無鉛ガラス組成物の粒子と、セラミックスの粒子と、バインダーと、溶剤とを配合し、混合して、封止部を形成するための無鉛ガラスペーストを作製した。無鉛ガラス組成物の粒子には平均粒径が約3μm程度のA−36、セラミックスの粒子には表8に示す平均粒径が約15μm程度のC−01(リン酸タングステン酸ジルコニウム粒子)、バインダーにはポリプロピレンカーボネート、溶剤にはカルビトールアセテートを用いた。A−36とC−01との配合割合は、体積%で70:30とし、その固形分(A−36とC−01との合計)の含有量が約80質量%となるように、無鉛ガラスペーストを作製した。
(水晶振動子パッケージの作製)
図15は、作製した水晶振動子パッケージの断面を示したものである。
本図において、水晶振動子パッケージは、配線22を有するセラミックス基板23の表面に導電性接合部24を介して設置された水晶振動子25を有する。配線22と導電性接合部24とは、電気的に接続されている。これにより、水晶振動子25は、外部と電気的に接続されている。セラミックスキャップ26は、水晶振動子25を保護するためのものであり、封止部12によってセラミックス基板23の外周部に気密に接着されている。
本実施例では、封止部12には、実施例の無鉛ガラスペーストを用いた。セラミックス基板23及びセラミックスキャップ26には、アルミナ(α−Al)製のものを用いた。
水晶振動子パッケージの作製方法を説明する。
図16は、水晶振動子パッケージの作製方法を示したものである。
先ずは、配線22を形成したセラミックス基板23を作製する(A)。つぎに、配線22上に導電性接合部24を形成する(B)。その導電性接合部24に水晶振動子25を配置し、真空中で加熱することによって水晶振動子25と導電性接合部24とを電気的に接続する(C)。
一方で、セラミックスキャップ26を用意する(D)。そして、セラミックスキャップ26の外周部に無鉛ガラス組成物の粒子とセラミックスの粒子を含む無鉛ガラスペーストを塗布し、乾燥し、それを大気中で加熱し、その無鉛ガラス複合材料中の無鉛ガラス組成物を軟化流動させることによって封止用ガラスペースト112を形成する(E)。
本実施例では、無鉛ガラスペーストをスクリーン印刷法によって塗布し、大気中において約150℃で乾燥した。これを大気中10℃/分の昇温速度で370℃まで加熱し30分間保持し、封止用ガラスペースト112をセラミックスキャップ26の外周部に形成した。
工程Cにおいて作製した水晶振動子25及び導電性接合部24を有するセラミックス基板23と、封止用ガラスペースト112を有するセラミックスキャップ26(E)と、を合わせ、不活性ガス雰囲気又は真空中にて加熱するとともに、若干の荷重27をかけることによって、封止用ガラスペースト112中の無鉛ガラス組成物を再度軟化流動させる(F)。
これにより、図16に示す水晶振動子パッケージが得られる。
なお、工程Fにおける加熱の際には、導電性接合部24が水晶振動子25や配線22から剥離しないように注意しなければならない。そのためには、封止用ガラスペースト112中の無鉛ガラス組成物の軟化点Tを極力低くすることが有効である。
本実施例では、封止用ガラスペースト112を形成したセラミックスキャップ26を工程Fに示すように水晶振動子25を接続したセラミックス基板23に合わせ、専用の固定ジグに設置し、荷重をかけた。これを真空中10℃/分の昇温速度で370℃まで加熱し15分間保持し、セラミックスキャップ26とセラミックス基板23との間に形成される空間を封止した。
なお、本実施例では、その水晶振動子パッケージを24個作製した。
(作製した水晶振動子パッケージの評価結果)
先ずは、本実施例において作製した水晶振動子パッケージ18個の外観検査を実体顕微鏡にて行った。その結果、封止時におけるセラミックスキャップ26のズレはほとんどなく、また封止部12には結晶化による失透、ワレやヒビ等も観察されず、外観上の問題は認められなかった。
次に、封止したセラミックスキャップ26の内部の導電性接合部24が水晶振動子25や配線22に電気的に接続されているかどうかについて、セラミックス基板23の外側の配線22からの導通試験によって、作製したすべての水晶振動子パッケージにおいて水晶振動子が作動することを確認した。また、作製した水晶振動子パッケージ5個において、ヘリウムリーク試験を実施し、パッケージ内部が真空状態となっており、封止部12によって外周部が気密に封止されていることを確認した。
封止部12の信頼性を確認するため、作製した水晶振動子パッケージ5個についてHASTを48時間実施した。その後、ヘリウムリーク試験を行い、HASTを実施した水晶振動子パッケージすべてにおいて、封止部12の気密性及び密着性が保たれていることを確認した。
以上より、実施例の無鉛ガラス組成物とセラミックスの粒子を含む無鉛ガラス複合材料やその無鉛ガラスペーストを封止部へ適用することによって、環境負荷が小さく、かつ、信頼性の高い水晶振動子パッケージが得られることがわかった。
上述のとおり、封止構造体の代表例として、真空断熱複層ガラスパネル、OLEDディスプレイ及び水晶振動子パッケージについて説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、様々な封止構造体に適用可能である。
1、2:ガラス基板、3:無鉛ガラス組成物、4:低熱膨張セラミックス粒子、5:ガラス複合材料、6:スペーサ、7:内部空間、8:ガラス複合材料ペースト、9:耐熱クリップ、10、11:ソーダライムガラス基板、12:封止部、13:スペーサ、14:排気穴、15:キャップ、16:空間部、17:熱線反射膜、18、19:ホウケイ酸ガラス基板、20:有機発光ダイオード、21:レーザ、22:配線、23:セラミックス基板、24:導電性接合部、25:水晶振動子、26:セラミックスキャップ、27:荷重。

Claims (14)

  1. 酸化バナジウム、酸化テルル、酸化鉄、酸化リン及び酸化リチウムを含み、
    酸化物換算で、次の2つの関係式(1)及び(2)を満たす、無鉛低融点ガラス組成物。
    [V2O5]+[TeO2]+[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧90 …(1)
    [V2O5]≧[TeO2]>[Fe2O3]≧[P2O5]≧[Li2O] …(2)
    (式中、[X]は成分Xの含有量を表し、その単位は「モル%」である。以下同じ。)
  2. 次の関係式(3)を満たす、請求項1記載の無鉛低融点ガラス組成物。
    [TeO2]≧[Fe2O3]+[P2O5]+[Li2O]≧1/2[V2O5] …(3)
  3. 次の2つの関係式(4)及び(5)を満たす、請求項1又は2に記載の無鉛低融点ガラス組成物。
    30≦[TeO2]≦40 …(4)
    0.1≦[Li2O]≦10 …(5)
  4. 次の3つの関係式(6)〜(8)を満たす、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無鉛低融点ガラス組成物。
    33≦[V2O5]≦42 …(6)
    7≦[Fe2O3]≦16 …(7)
    6≦[P2O5]≦15 …(8)
  5. 酸化リチウム以外のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化モリブデン及び酸化タングステンのうちいずれか一種以上を更に含み、
    次の関係式(9)を満たす、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無鉛低融点ガラス組成物。
    [Ln2O]+[RnO]+[ZnO]+[MoO3]+[WO3]≦10 …(9)
    (式中、Ln:Li以外のアルカリ金属元素、Rn:アルカリ土類金属元素)
  6. 密度は、3.6g/cm以上4.0g/cm以下であり、
    示差熱分析による第二吸熱ピーク温度は、400℃以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無鉛低融点ガラス組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無鉛低融点ガラス組成物と、
    セラミックスの粒子又はガラスビーズと、を含む、無鉛ガラス複合材料。
  8. 前記無鉛低融点ガラス組成物の含有量は、40体積%以上100体積%未満であり、
    前記セラミックスの含有量は、0体積%超60体積%以下である、請求項7記載の無鉛ガラス複合材料。
  9. 前記セラミックスは、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)、石英ガラス(SiO)、ホウケイ酸塩ガラス(SiO−B系)、ソーダライムガラス(Si−NaO−CaO系)、β−ユークリプタイト(LiO・Al・2SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)、アルミナ(Al)、ムライト(3Al・2SiO)及び酸化ニオブ(Nb)のうちのいずれか一種以上を含む、請求項7又は8に記載の無鉛ガラス複合材料。
  10. 前記セラミックスは、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO)及び石英ガラス(SiO)のうちのいずれか一種以上を含み、
    前記セラミックスの含有量は、30体積%以上60体積%以下である、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の無鉛ガラス複合材料。
  11. 請求項7乃至10のいずれか一項に記載の無鉛ガラス複合材料と、バインダーと、溶剤と、を含む、無鉛ガラスペースト。
  12. 前記バインダーは、ポリプロピレンカーボネートを含み、
    前記溶剤は、ジヒドロターピネート又はカルビトールアセテートを含む、請求項11記載の無鉛ガラスペースト。
  13. 請求項7乃至10のいずれか一項に記載の無鉛ガラス複合材料を含み、外部と隔てられた内部空間と前記外部との境界の少なくとも一部を構成する封止部を備えた、封止構造体。
  14. 真空断熱複層ガラスパネル、ディスプレイパネル又はパッケージデバイスである、請求項13記載の封止構造体。
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