JP2021035891A - 光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法 Download PDF

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瑞紀 伴野
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Abstract

【課題】光ファイバ母材の歩留まりを向上させることができる光ファイバ母材の製造方法等を提供すること。
【解決手段】石英管内に、ガラス粒子の原料及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズルを通して供給しながら石英管の一部を加熱してガラス粒子を含むスートを形成するスート形成工程と、石英管内に、酸素を含む酸素含有ガスを供給しながら石英管のうちスートよりもガス供給ノズル側に生成される堆積物を加熱する堆積物加熱工程と、スートを焼結してコア層を形成し、中空母材を得る焼結工程とを含む、光ファイバ母材の製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法に関する。
光ファイバを形成するための光ファイバ母材の製造方法の一つとして、気相内付け法(MCVD法)が知られている。
例えば下記特許文献1には、石英管を加熱しながら、ガス供給ノズルを通してSiCl及び酸素を含む原料ガスを供給しがら石英管の内面上に、SiOを含むスートを堆積させた後、スートを焼結させて中空母材を得た後、この中空母材をコラップスして円柱状の光ファイバ母材を製造する方法が開示されている。
特開2014−143287号公報
しかし、上記特許文献1に記載の光ファイバ母材の製造方法では、得られる光ファイバ母材において、中空母材中に混入した異物が母材と一体化せずに残り、コアを通る光を散乱させる輝点や泡が存在する場合があった。このため、上記特許文献1に記載の光ファイバ母材の製造方法は、光ファイバ母材の歩留まりの向上の点で未だ改善の余地を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバ母材の歩留まりを向上させることができる光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題が生じる原因を突き止めるべく研究を重ねた。その結果、本発明者らは石英管内にスートを形成する過程で、スートよりもガス供給ノズル側に堆積物が生成されることに気付いた。この堆積物について調べたところ、この堆積物は粉末状となっていることが分かった。一方、石英管内では、ガスの流れの急激な変動などが起こる場合もある。このため、本発明者らは、石英管内に生じるガスの流れの急激な変動などにより堆積物が飛散してスートに付着し、これが焼結工程で焼結されることで、得られる光ファイバ母材において、輝点や気泡の原因となっているのではないかと考えた。そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、石英管内に、ガラス粒子の原料及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズルを通して供給しながら前記石英管の一部を加熱して前記ガラス粒子を含むスートを形成するスート形成工程と、前記石英管内に、酸素を含む酸素含有ガスを供給しながら前記石英管のうち前記スートよりも前記ガス供給ノズル側に生成される堆積物を加熱する堆積物加熱工程と、前記スートを焼結してコア層を形成し、中空母材を得る焼結工程とを含む、光ファイバ母材の製造方法である。
上記製造方法によれば、スート形成工程で、ガラス粒子の原料及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズルを通して供給しながら石英管の一部を加熱してガラス粒子を含むスートを形成すると、スートよりもガス供給ノズル側に堆積物が生成される。この堆積物は、石英管から剥離しやすくなっている。これに対し、本発明の製造方法のように、スート形成工程と焼結工程との間で堆積物加熱工程を行うと、堆積物の一部が酸素含有ガス中に含有される酸素によって酸化されて石英管の内壁面から剥離しにくくなる。また堆積物中に炭化水素が含まれる場合には炭化水素が酸化されて二酸化炭素と水蒸気になり、石英管内に放出される。このため、焼結工程が開始されても、堆積物の一部がそのまま飛散してスート上に付着されることが抑制される。このため、本発明の製造方法によれば、堆積物に起因して生じる輝点や気泡の少ない中空母材を製造でき、光ファイバ母材の歩留まりを向上させることができる。
上記光ファイバ母材の製造方法は、前記中空母材をコラップスするコラップス工程をさらに含んでもよい。
上記光ファイバ母材の製造方法においては、前記堆積物加熱工程において、前記スート形成工程における原料ガスの流量よりも、前記原料ガスの流量を減少させることが好ましい。
この場合、堆積物加熱工程において、スートよりもガス供給ノズル側に生成される堆積物をより減少させることができる。このため、本発明の製造方法によれば、堆積物に起因して生じる輝点や気泡のより少ない中空母材を製造でき、光ファイバ母材の歩留まりをより向上させることができる。
上記光ファイバ母材の製造方法においては、前記堆積物加熱工程において、前記原料ガスを供給しないことが好ましい。
この場合、堆積物加熱工程において、スートよりもガス供給ノズル側に生成される堆積物をより一層減少させることができる。このため、本発明の製造方法によれば、堆積物に起因して生じる輝点や気泡のより一層少ない中空母材を製造でき、光ファイバ母材の歩留まりをより一層向上させることができる。
上記光ファイバ母材の製造方法においては、前記堆積物加熱工程において、前記石英管の表面温度を前記スート形成工程において加熱される前記石英管の表面温度よりも高くすることが好ましい。
この場合、堆積物加熱工程において、堆積物が容易に酸化されるため、石英管に対する堆積物の密着性をより向上させることができる。このため、本発明の製造方法によれば、堆積物に起因して生じる輝点や気泡のより少ない中空母材を製造でき、光ファイバ母材の歩留まりをより向上させることができる。
上記光ファイバ母材の製造方法においては、前記堆積物加熱工程において、前記ガス供給ノズルが加熱されないように予め前記ガス供給ノズルを前記堆積物から退避させることが好ましい。
この場合、堆積物加熱工程において、ガス供給ノズルが加熱されないように堆積物から退避されるため、ガス供給ノズルが高温で加熱されることが抑制され、ガス供給ノズルの焼損を抑制することができる。
上記光ファイバ母材の製造方法は、前記原料ガスが希土類元素のキレート化合物をさらに含む場合に有効である。
原料ガスが、希土類元素のキレート化合物をさらに含むと、堆積物中に希土類元素のキレート化合物が含まれることとなり、石英管内のガス流の急激な変動によって堆積物がより飛散しやすくなるためである。
また、本発明は、上述した光ファイバ母材の製造方法により製造される光ファイバ母材を準備する母材準備工程と、前記母材準備工程で準備された前記光ファイバ母材を線引して光ファイバを得る線引工程とを含む、光ファイバの製造方法である。
この光ファイバの製造方法によれば、上述した光ファイバ母材の製造方法により、光ファイバ母材の歩留まりを向上させることができる。このため、光ファイバ母材を線引して得られる光ファイバを低コストで且つ効率よく製造できる。
本発明によれば、光ファイバ母材の歩留まりを向上させることができる光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法が提供される。
本発明の光ファイバ母材の製造方法により製造される光ファイバ母材の一例を示す端面図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法により製造される中空母材の一例を示す端面図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法を実施する製造装置の一例を示す図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法のスート形成工程を示す図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法の堆積物加熱工程を示す図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法の焼結工程を示す図である。
<光ファイバ母材の製造方法>
以下、本発明の光ファイバ母材の製造方法の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の光ファイバ母材の一実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の光ファイバ母材の製造方法により製造される光ファイバ母材の一例を示す端面図である。
図1に示すように、光ファイバ母材10は、中実状の母材であり、希土類元素を含むコア部1と、コア部1を包囲するクラッド部2を備えている。
次に、光ファイバ母材10の製造方法について図2〜図6を参照しながら説明する。図2は、本発明の光ファイバ母材の製造方法により製造される中空母材の一例を示す端面図である。図3は、本発明の光ファイバ母材の製造方法を実施する製造装置の一例を示す図、図4は、本発明の光ファイバ母材の製造方法のスート形成工程を示す図、図5は、本発明の光ファイバ母材の製造方法の堆積物加熱工程を示す図、図6は、本発明の光ファイバ母材の製造方法の焼結工程を示す図である。
まず、光ファイバ母材10を製造するためには、図2に示すように、クラッド部2を形成する石英管22の内面上に、希土類元素を含むコア層21を形成して中空母材20を形成する。このとき、中空母材20は、コア層21の内側に中空部23が形成されるように形成する。
このとき、中空母材20は、具体的には以下のようにして形成される。
はじめに、図3に示すように、石英管22を用意する。そして、この石英管22を製造装置100に設置する。具体的には、石英管22は、旋盤35を貫通させる。そして、石英管22の一端を旋盤30で保持させ、石英管22の他端をロータリジョイント33に接続する。このとき、石英管22の一端には、旋盤30を貫通させガス排出管32が挿入固定されたシールボックス31を気密に接続する。
また、ロータリジョイント33には、ガス供給ノズル26を貫通させて保持するノズル保持部34を接続する。ロータリジョイント33は、ノズル保持部34に対して回転可能となっている。また、ガス供給ノズル26は、ノズル保持部34に対して石英管22の長手方向に沿って移動可能となっている。こうして、石英管22を、その長手方向に沿った中心軸線の周りに回転可能に設置する。
なお、ガス供給ノズル26は、配管51、52を介してガラス粒子の原料供給源41及び希土類元素のキレート化合物源42に接続され、配管51には配管54を介して酸素源44Bが接続され、配管52には配管53を介して不活性ガス源45Bが接続される。ガス供給ノズル26は、例えば石英、ステンレス又はハステロイ(登録商標)などで構成される。ガス供給ノズル26内には原料の固化を抑制するためにヒータを設けることが好ましい。また、ガラス粒子の原料供給源41には酸素源44Aが接続され、希土類元素のキレート化合物源42には不活性ガス源45Aが接続される。また、石英管22には、加熱源36を、石英管22の長手方向に沿って往復移動可能に対向配置させる。加熱源36としては、バーナー及び電気炉が挙げられる。バーナーとしては、例えば酸水素バーナが用いられる。
次に、図4に示すように、石英管22内に、ガラス粒子の原料、希土類元素のキレート化合物及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズル26を通して供給しながら石英管22の一部22Aを加熱源36によって加熱し、ガラス粒子を含む多孔質のスート21Aを形成する(スート形成工程)。具体的には、酸素源44Aからガラス粒子の原料供給源41に酸素を導入し、ガラス粒子の原料及び酸素を含む原料ガスを、配管51を通してガス供給ノズル26に導入する。また、不活性ガス源45Aから不活性ガスを希土類元素のキレート化合物源42に導入し、希土類元素のキレート化合物及び不活性ガスを、配管52を通してガス供給ノズル26に導入する。こうして、ガス供給ノズル26からは、ガラス粒子の原料、希土類元素のキレート化合物、酸素及び不活性ガスを含む原料ガスが供給される。
またこのとき、石英管22の一部22A、具体的には、石英管22のうちガス供給ノズル26よりも下流側の部分を加熱源36によって加熱する。このとき、加熱源36は、石英管22の長手方向に沿って往復移動させる。こうして、石英管22内にスート21Aが形成される。このとき、スート21Aよりもガス供給ノズル26側に堆積物24が生成される。
次に、図5に示すように、石英管22内に、ガス供給ノズル26から、酸素を含む酸素含有ガスを供給しながら石英管22のうちスート21Aよりもガス供給ノズル26側に生成される堆積物24を加熱源36によって加熱する(堆積物加熱工程)。
このとき、酸素含有ガスの供給は、具体的には、酸素源44Bから配管54及び配管51を通してガス供給ノズル26に酸素を導入し、必要に応じて、不活性ガス源45Bから配管53及び配管52を通してガス供給ノズル26に不活性ガスを導入することにより行う。堆積物24の加熱は石英管22のうちスート形成工程で加熱した石英管22の一部22Aよりもガス供給ノズル26側の部分22Bを加熱することにより行う。
次に、図6に示すように、スート21Aのガラス粒子を焼結してスート21Aを透明ガラス化する(焼結工程)。このとき、焼結工程は、スート形成工程で加熱した石英管22の一部22Aを加熱源36によって加熱することによって行う。また、このとき、ガス供給ノズル26から不活性ガスを含むガスを導入する。このガスは酸素を含んでも良い。不活性ガスの供給は、不活性ガス源45Bから配管53及び配管52を通してガス供給ノズル26に不活性ガスを導入することにより行う。このとき、不活性ガスとしては、例えばヘリウム(He)を用いる。また、酸素の供給は、具体的には、酸素源44Bから配管54及び配管51を通してガス供給ノズル26に酸素を導入することにより行う。
こうして、石英管22の内面上にコア層21を形成して中空母材20が得られる。
最後に、中空母材20をコラップスし、コア層21を残すように溶断することによって光ファイバ母材10を得る(コラップス工程)。
上記製造方法によれば、スート形成工程で、ガラス粒子の原料、希土類元素のキレート化合物及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズル26を通して供給しながら石英管22の一部22Aを加熱してガラス粒子を含むスート21Aを形成すると、スート21Aよりもガス供給ノズル26側に堆積物24が生成される。この堆積物24は、石英管22から剥離しやすくなっている。特に、原料ガスが希土類元素のキレート化合物をさらに含むと、堆積物24中に希土類元素のキレート化合物が含まれることとなり、石英管22内のガス流の急激な変動によって堆積物24がより飛散しやすくなる。このため、スート形成工程の後、すぐに焼結工程を行うと、石英管22内のガス流の変化などに起因して堆積物24の一部がそのまま飛散しスート21Aの上に付着することがある。このため、そのまま焼結工程が開始されると、堆積物24が、得られる光ファイバ母材10において中空母材20中に混入した異物が母材と一体化せずに残り、コアを通る光を散乱させる輝点となったり気泡を生成したりする要因にもなり得る。これに対し、本実施形態の製造方法のように、スート形成工程と焼結工程との間で堆積物加熱工程を行うと、堆積物24が酸素含有ガス中に含有される酸素によって酸化されて石英管22の内壁面から剥離しにくくなる。また堆積物中に炭化水素が含まれる場合には炭化水素が酸化されて二酸化炭素と水蒸気になり、石英管22内に放出される。このため、焼結工程が開始されても、堆積物24の一部が飛散してスート21A上に付着されることが抑制される。このため、本実施形態の製造方法によれば、堆積物24に起因して生じる輝点や気泡の少ない中空母材20を製造でき、光ファイバ母材10の歩留まりを向上させることができる。
次に、上記スート形成工程、堆積物加熱工程、焼結工程及びコラップス工程について詳細に説明する。
(スート形成工程)
スート形成工程は、石英管22内に、ガラス粒子の原料、希土類元素のキレート化合物及び酸素を含む原料ガスを供給し、ガラス粒子を含む多孔質のスート21Aを形成する工程である。このとき、ガラス粒子の原料及び希土類元素のキレート化合物はそれぞれ、キャリアガスによって供給する。また、石英管22を通過したガスは、シールボックス31及びガス排出管32を通して排気される。さらに、このとき、スート21Aを形成するために、石英管22をその長手方向に沿った中心軸線の周りに回転させながら、加熱源36を石英管22の長手方向に往復移動させることによって石英管22を加熱する。このとき、加熱源36の往復移動回数は1回でも複数回でもよい。また、石英管22は、旋盤35で回転駆動させることによって回転させることができる。
ガラス粒子の原料としては、例えばSiCl又はGeClなどが用いられる。
希土類元素のキレート化合物としては、例えばRe(DPM)などのβ−ジケトン金属錯体が挙げられる。ここで、Reとしては、Yb、Nd及びErなどが挙げられる。DPMはC11192である。
原料ガスは、Al及びPの少なくとも一方とのハロゲン化物をさらに含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法は、このように原料ガスがAl及びPの少なくとも一方とのハロゲン化物を含んでいる場合に特に有効である。Al及びPの少なくとも一方とのハロゲン化物と希土類元素のキレート化合物は互いに反応して堆積物24を生成しやすいからである。Alのハロゲン化物としては、例えばAlClが用いられ、Pのハロゲン化物としては、例えばPOClが用いられる。
石英管22の温度は、ガラス粒子の焼結温度より低い温度であればよく、例えば1450〜1650℃とすればよい。この場合、石英管22の温度が1650℃を超える場合に比べて、スート21Aが焼結されにくくなり、石英管22の温度が1450℃未満となる場合に比べて、スート21Aと石英管22との密着性がより向上し、スート21Aと石英管22との間で剥離が生じにくくなり、焼結工程で空隙が形成されにくくなり、得られる光ファイバ母材10において空隙が泡として残りにくくなる。
キャリアガスとしては、例えばHe及びアルゴン(Ar)などの不活性ガスなどが挙げられる。
(堆積物加熱工程)
堆積物加熱工程は、石英管22内に、酸素を含む酸素含有ガスを供給しながら石英管22のうちスート21Aよりもガス供給ノズル26側に生成される堆積物24を加熱する工程であり、スート形成工程の後に行う。このとき、石英管22を通過したガスは、シールボックス31及びガス排出管32を通して排気される。
酸素含有ガスは、酸素を含んでいればよく、酸素と不活性ガスとの混合ガスでもよい。不活性ガスとしては、例えばHe、Ar及び窒素(N)などが挙げられる。
堆積物加熱工程においては、スート形成工程における原料ガスの流量よりも原料ガスの流量を減少させることが好ましい。この場合、堆積物加熱工程において、スート21Aよりもガス供給ノズル26側に生成される堆積物24をより減少させることができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、堆積物24に起因して生じる輝点や気泡のより少ない中空母材20を製造でき、光ファイバ母材10の歩留まりをより向上させることができる。
特に、堆積物加熱工程においては、原料ガスを供給しないことが好ましい。この場合、堆積物加熱工程において、スート21Aよりもガス供給ノズル26側に生成される堆積物24をより一層減少させることができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、堆積物24に起因して生じる輝点や気泡のより一層少ない中空母材20を製造でき、光ファイバ母材10の歩留まりをより一層向上させることができる。
堆積物加熱工程において、石英管22の表面温度をスート形成工程において加熱する石英管22の表面温度より高くしてもスート形成工程において加熱する石英管22の表面温度以下の温度であってもよいが、スート形成工程において加熱する石英管22の表面温度よりも高くすることが好ましい。この場合、堆積物加熱工程において、堆積物24が容易に酸化されるため、石英管22に対する堆積物24の密着性をより向上させることができる。このため、本実施形態の製造方法によれば、堆積物24に起因して生じる輝点や気泡のより少ない中空母材20を製造でき、光ファイバ母材10の歩留まりをより向上させることができる。
石英管22の表面温度は、例えば1500〜2000℃とすればよい。
堆積物加熱工程において、ガス供給ノズル26は、加熱されないように予め堆積物24から退避させても退避させなくてもよいが、退避させることが好ましい。この場合、堆積物加熱工程において、ガス供給ノズル26が加熱されないように堆積物24から退避されるため、ガス供給ノズル26が高温で加熱されることが抑制され、ガス供給ノズル26の焼損を抑制することができる。
堆積物加熱工程においては、石英管22の加熱は、石英管22をその長手方向に沿った中心軸線の周りに回転させながら、加熱源36を石英管22の長手方向に往復移動させることによって行うことができる。このとき、加熱源36の往復移動回数は、1回でも複数回でもよい。
(焼結工程)
焼結工程は、スート21Aのガラス粒子を焼結してスート21Aを透明ガラス化する工程である。焼結工程は、石英管22を加熱しながら行う。このとき、石英管22内の温度は、スート21Aが透明ガラス化する温度(例えば2000℃)であればよい。また、焼結工程は、石英管22内には酸素及びHeを流しながら行うことが好ましい。このとき、石英管22を通過したガスは、シールボックス31及びガス排出管32を通して排気される。
(コラップス工程)
コラップス工程は、中空母材20をコラップスして中実母材を得る工程である。コラップス工程では、加熱源36によって石英管22を加熱し縮径させて中空母材20の中空部23を潰す。
このとき、石英管22の加熱は、石英管22をその長手方向に沿った中心軸線の周りに回転させながら、加熱源36を石英管22の長手方向に往復移動させることによって行うことができる。このとき、加熱源36の往復移動回数は1回でも複数回でもよい。
中空母材20の中空部23の圧力は、中空母材20の外側の気圧より高くても低くてもよいが、中空部23の圧力を大気圧よりも高い圧力(例えば40Pa程度)に加圧した状態から、中空部23の潰れ具合に応じて中空部23の圧力を下げるように調整してもよい。また、中空部23の圧力は大気圧以上であってもよく、大気圧よりも低くなってもよい。
<光ファイバの製造方法>
次に、本発明の光ファイバの製造方法について説明する。本発明の光ファイバの製造方法は、上述した光ファイバ母材の製造方法により製造される光ファイバ母材10を準備する母材準備工程と、母材準備工程で準備された光ファイバ母材10を線引して光ファイバを得る線引工程とを含む。
この光ファイバの製造方法によれば、上述した光ファイバ母材の製造方法により、光ファイバ母材10の歩留まりを向上させることができる。このため、光ファイバ母材10を線引して得られる光ファイバを低コストで且つ効率よく製造できる。
<線引工程>
線引工程では、光ファイバ母材10を線引装置にセットし、加熱炉で加熱して線引きする。これにより、希土類元素がドープされたコアと、ドーパントがドープされていないクラッドとを有する光ファイバが製造される。
ここで、線引温度(炉温度)は例えば2000〜2200℃である。
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば上述した光ファイバ母材の製造方法の実施形態では、中空母材形成工程の後にコラップス工程が行われているが、コラップス工程は必ずしも行われていなくてもよい。この場合、中空母材20が光ファイバ母材10となる。
また、上記実施形態では、原料ガスが希土類元素のキレート化合物を含んでいるが、原料ガスは、希土類元素のキレート化合物を必ずしも含んでいなくてもよい。
1…コア部
2…クラッド部
10…光ファイバ母材
20…中空母材
21…コア層
21A…スート
22…石英管
24…堆積物
26…ガス供給ノズル

Claims (8)

  1. 石英管内に、ガラス粒子の原料及び酸素を含む原料ガスを、ガス供給ノズルを通して供給しながら前記石英管の一部を加熱して前記ガラス粒子を含むスートを形成するスート形成工程と、
    前記石英管内に、酸素を含む酸素含有ガスを供給しながら前記石英管のうち前記スートよりも前記ガス供給ノズル側に生成される堆積物を加熱する堆積物加熱工程と、
    前記スートを焼結してコア層を形成し、中空母材を得る焼結工程とを含む、光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記中空母材をコラップスして前記光ファイバ母材を得るコラップス工程をさらに含む、請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記堆積物加熱工程において、前記スート形成工程における原料ガスの流量よりも、前記原料ガスの流量を減少させる、請求項1又は2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記堆積物加熱工程において、前記原料ガスを供給しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記堆積物加熱工程において、前記石英管の表面温度を前記スート形成工程において加熱される前記石英管の表面温度よりも高くする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記堆積物加熱工程において、前記ガス供給ノズルが加熱されないように予め前記ガス供給ノズルを前記堆積物から退避させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記原料ガスが希土類元素のキレート化合物をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ファイバ母材の製造方法により製造される光ファイバ母材を準備する母材準備工程と、
    前記母材準備工程で準備された前記光ファイバ母材を線引して光ファイバを得る線引工程とを含む、光ファイバの製造方法。
JP2019157700A 2019-08-30 2019-08-30 光ファイバ母材の製造方法及びこれを用いた光ファイバの製造方法 Pending JP2021035891A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117602816A (zh) * 2024-01-23 2024-02-27 创昇光电科技(苏州)有限公司 一种mcvd在线掺杂预制棒及其制备方法

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