JP2021034762A - 画像読取装置、画像形成装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ADFによって自動送りされる原稿Sに、電子スキュー検出に適さない原稿Sが紛れていても、適さない原稿Sを特定し、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行え、機械的な補正機構は不要な画像読取装置等を提供する。【解決手段】原稿Sと背景との境界の信頼性があると判断された場合、原稿Sの第1スキュー角度を検出し、第1スキュー角度に応じて画像データの傾きが補正される。原稿Sと背景との境界の信頼性がないと判断された場合、蓄積手段に蓄積された第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度が判断される。収束度が低いと判断された場合、画像データは退避手段に退避され、収束度が高いと判断された場合、読み出された第1スキュー角度から原稿Sの第2スキュー角度が決定され、この決定された第2スキュー角度に応じて、画像データの傾きが補正される。【選択図】図5

Description

この発明は、自動原稿送り装置(ADF)を備えた画像読取装置、この画像読取装置を備えた画像形成装置、及びプログラムに関する。
なお、以下の説明では、自動原稿送り装置をADFと記すこともある。
複写機あるいはMFP(Multi Function Peripheral)と称される多機能デジタル複合機等の画像形成装置には、ADFを備えた画像読取装置が装着されているのが一般的である。
ADFを備えた昨今の画像読取装置では、読み取り時の原稿の傾き(スキュー)を検出して補正する電子スキュー検出補正機能が搭載されている場合が多い。その長所としては、原稿を傾いたまま読み取り、電子的に角度の検出/補正をする為、従来の機械的なメカデスキューに比べて高精度に補正することができることがある。
電子スキューの検出方式は、背景板にミラー部材を使用し、原稿とミラー部材の反射率の差を基に原稿の背景板との境界部(端部)を検知するものや、通常の白い背景板を用いて背景板と原稿の間に発生する影を基に境界部を検知するものがあり、各々検知した境界部を用いて、原稿のスキュー角度(傾き角度)を算出している。
具体的には、原稿Sと背景板700の境界を検出する為に、普通紙については、図16(A)の左図に示したように、光源701からの照射光を普通紙により乱反射させて乱反射光703を受光センサー702に入光させ、背景板700については、図16(B)の左図に示したように、例えば鏡面を用いて光源701からの光を全反射させて受光センサー702への入光量を極端に少なくすることで、背景板(黒)と普通紙(白)の間に、図16(C)の左図のように、はっきりとした境界を生み出すことが可能となる。
また、薄紙については図16(A)の右図に示したように、光源701からの照射光は乱反射するものの、薄紙は光源701からの照射光の一部を透過し、背景板700の特性に従って光を全反射させる。また、背景板700については、図16(B)の右図に示したように、光源701からの光を全反射させて受光センサー702への入光量を極端に少なくしている。その為、薄紙を読み取った結果、受光センサー702への入光量が減少し、背景板700と原稿Sとの間の階調差が減少し、図16(C)の右図のように、境界部の検出が困難になる。
通常、薄紙等からなる原稿SをADFで読み込むことは推奨されていないが、一般的にADFに載置する原稿Sは複数枚の束であることが多く、原稿Sのサイズが同じか同程度であれば、ユーザーは紙の特性など気にすることなく薄紙が紛れた状態で束にして載置することは十分に考えられる。
また、原稿Sと背景板700の間に発生する影を検出することで背景板700と原稿との境界部を検出する場合、図16(D)の左図のように、普通紙については光源701からの光を紙がしっかりと遮断することで背景板700と普通紙原稿Sとの間に影710が明確に現れていたが、薄紙の場合には光を透過させてしまうため、図16(D)の右図のように、影が目立たなくなり、検知し辛くなる。
上記の例は、スキュー検出をする際の境界部の検出要素数が減少することで、境界部の検出ができなくなる例であったが、図16(E)の左図のように、ルーズリーフから引き裂かれた先端を有する原稿Sや、図16(E)の右図のように、先端に折れ、破れなどが生じている原稿Sが入力されてきた場合には、原稿Sの先端に直線性がない為、スキュー角度を誤検出してしまう例もある。
一般的に、薄紙などの電子スキュー検出に適さない原稿が入力された場合には、サービスマンが設定したデフォルトのスキュー量に従って補正することが考えられるが、原稿の置き方の癖はユーザーごとに違っており、例えば原稿の両端を規制する規制板の締め方がいい加減であったり、きっちり締めるタイプであったりと様々である為、デフォルトの設定で補正することは入力された原稿に対して誤った補正をしてしまう可能性が高い。
なお、特許文献1には、薄紙等のように電子スキュー検出に適さない原稿が入力されてきたときには、電子スキュー補正から機械的な補正に切り替える技術が開示されている。
特開2012−244383号公報
しかし、電子スキュー補正は機械的な補正に対して安価に構成が可能な効果を有しているが、特許文献1では、電子スキュー補正に加えて機械的な補正機能も備える必要があり、安価に構成が可能であるという電子スキュー補正の有効性が失われてしまうという課題がある。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ADFによって自動送りされる原稿の中に、電子スキュー検出に適さない原稿が紛れていたとしても、電子スキュー検出に適さない原稿を特定し、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行うことができ、しかも機械的な補正機構は不要な画像読取装置、画像形成装置及びプログラムの提供を目的とする。
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)自動原稿送り装置と、前記自動原稿送り装置により読取位置へと搬送された1枚または複数枚の原稿の画像を、前記読み取り位置で読み取って画像データを取得する読取手段と、前記原稿と背景との境界の信頼性の有無を原稿毎に判断する境界信頼性判断手段と、前記境界信頼性判断手段により、原稿と背景との境界の信頼性があると判断された場合には、原稿の第1スキュー角度を検出する第1スキュー角度検出手段と、前記第1スキュー角度を蓄積する蓄積手段と、前記境界信頼性判断手段により、原稿と背景との境界の信頼性がないと判断された場合には、前記蓄積手段から同一ジョブの原稿について蓄積された第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度を判断する収束度判断手段と、前記収束度判断手段により収束度が閾値未満で低いと判断された場合に、前記画像データを退避する退避手段と、前記収束度判断手段により収束度が閾値以上で高いと判断された場合に、読み出された第1スキュー角度から原稿の第2スキュー角度を決定する第2スキュー角度決定手段と、前記第1スキュー角度検出手段により検出された第1スキュー角度、または前記第2スキュー角度決定手段により決定された第2スキュー角度に応じて、前記各原稿の画像データの傾きを補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする画像読取装置。
(2)前記境界信頼性判断手段は、原稿の透過率を検出するセンサーを備え、前記センサーにより検出された透過率が所定値以上の場合に、境界の信頼性がないと判断する前項1に記載の画像読取装置。
(3)前記境界信頼性判断手段は、原稿の通過開始又は終了を検知する複数のセンサーを主走査方向に備え、前記複数のセンサーの出力値のタイミングが所定値以上ずれている場合に、境界の信頼性がないと判断する前項1または2に記載の画像読取装置。
(4)前記境界信頼性判断手段は、電子的に原稿と背景の境界を検出する境界検出手段と、検出した原稿と背景の境界の検出数をカウントするカウント手段を備え、前記カウント手段によりカウントされた原稿と背景の境界の検出数が所定値以下の場合には境界の信頼性がないと判断する前項1または3に記載の画像読取装置。
(5)前記境界信頼性判断手段は、電子的に原稿と背景の境界座標を検出する境界検出手段と、検出した境界座標を基に電子的に第3スキュー角度を検出する第3スキュー角度検出手段を備え、前記第3スキュー角度と前記境界座標の任意の点を基に一次式を算出するとともに、境界座標における主走査座標位置又は副走査座標位置と、境界座標に対応する前記一次式上の主走査座標位置又は副走査座標位置との間の誤差を調べ、所定値以上の誤差が発生していた場合には、境界の信頼性がないと判断する前項1、2、4のいずれかに記載の画像読取装置。
(6)前記収束度判断手段は、第1スキュー角度についてヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、作成されたヒストグラムからピーク値を算出する算出手段と、を備え、前記ピーク値から所定の範囲内の度数の全度数に対する比率が所定値以上であれば収束度が高いと判断する前項1ないし5のいずれかに記載の画像読取装置。
(7)前記第2スキュー角度決定手段は、前記ヒストグラムのピーク値を第2スキュー角度として決定する前項6に記載の画像読取装置。
(8)前記収束度判断手段は、前記読取手段により読み取られ境界信頼性が有ると判断された原稿の枚数が所定数以上である場合に、収束度が高いと判断する前項1ないし7のいずれかに記載の画像読取装置。
(9)前記第2スキュー角度決定手段は、前記読取手段による原稿の読取順とその時のスキュー検出角度とを1つの要素とし、前記要素を少なくとも2つ以上用いて得られる一次式を算出し、境界の信頼性がなかった原稿の読取順に対応するスキュー検出角度を前記一次式から求めるとともに、求めたスキュー検出角度を前記第2スキュー角度として決定する前項8に記載の画像読取装置。
(10)前記蓄積手段は、第1スキュー角度のほか、使用するユーザー、原稿の用紙種類、枚数のいずれか一つ以上のジョブデータと収束度を蓄積し、第2のジョブが実行される前に実行された複数のジョブにおいて蓄積された蓄積データの中から、第2のジョブのジョブデータと近い条件であり、収束度が閾値以上であるデータを持つジョブを第1のジョブとしたときに、前記収束度判断手段による判断の結果、第2のジョブについて収束度が低いと判断された場合には、前記第2スキュー角度決定手段は、前記第1のジョブの第1スキュー角度に基づいて、第2のジョブにおける第2スキュー角度を決定する前項1ないし9のいずれかに記載の画像読取装置。
(11)前記退避手段は、退避された画像データの退避先の占有量を調べ、所定値以上の画像データが存在する場合、前記収束度判断手段は、前記蓄積手段から読み出された第1スキュー角度の収束度の判断閾値を下げる前項1ないし10のいずれかに記載の画像読取装置。
(12)前項1ないし11のいずれかに記載の画像読取装置を備えた画像形成装置。
(13)自動原稿送り装置を備えた画像読取装置のコンピュータに、前記自動原稿送り装置により読取位置へと搬送された1枚または複数枚の原稿の画像を、前記読み取り位置で読み取って画像データを取得する読取ステップと、前記原稿と背景との境界の信頼性の有無を原稿毎に判断する境界信頼性判断ステップと、前記境界信頼性判断ステップにより、原稿と背景との境界の信頼性があると判断された場合には、原稿の第1スキュー角度を検出する第1スキュー角度検出ステップと、前記第1スキュー角度を蓄積手段に蓄積するステップと、前記境界信頼性判断ステップにより、原稿と背景との境界の信頼性がないと判断された場合には、前記蓄積手段から同一ジョブの原稿について蓄積された第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度を判断する収束度判断ステップと、前記収束度判断ステップにより収束度が閾値未満で低いと判断された場合に、前記画像データを退避する退避ステップと、前記収束度判断ステップにより収束度が閾値以上で高いと判断された場合に、読み出された第1スキュー角度から原稿の第2スキュー角度を決定する第2スキュー角度決定ステップと、前記第1スキュー角度検出ステップにより検出された第1スキュー角度、または前記第2スキュー角度決定ステップにより決定された第2スキュー角度に応じて、前記各原稿の画像データの傾きを補正する補正ステップと、を実行させるためのプログラム。
前項(1)に記載の発明によれば、原稿と背景との境界の信頼性があると判断された場合、原稿の第1スキュー角度を検出し、第1スキュー角度に応じて画像データの傾きが補正される。原稿と背景との境界の信頼性がないと判断された場合、蓄積手段に蓄積された同一ジョブにおける第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度が判断される。収束度が低いと判断された場合、画像データは退避手段に退避され、収束度が高いと判断された場合、読み出された第1スキュー角度から原稿の第2スキュー角度が決定され、この決定された第2スキュー角度に応じて、画像データの傾きが補正される。
このように、例えば薄紙原稿のように、原稿と背景との境界の信頼性がない原稿、換言すれば電子スキュー検出に適さない原稿が特定され、この原稿については、蓄積された第1スキュー角度の収束度が高ければ、第1スキュー角度に基づいて決定された第2スキュー角度に応じて、画像データの傾きが補正される。従って、電子スキュー検出に適さない原稿であっても、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行うことができる。しかも、機械的な補正機構を必要としないから、安価に構成が可能であるという電子スキュー補正の有効性が失われることはない。
前項(2)に記載の発明によれば、原稿の透過率を検出するセンサーを備え、センサーにより検出された透過率が所定値以上の場合に、境界の信頼性がないと判断されるから、例えば薄紙のような電子スキュー検出に適さない原稿かどうかを的確に判断することができる。
前項(3)に記載の発明によれば、原稿の通過開始又は終了を検知する主走査方向の複数のセンサーの出力値のタイミングが所定値以上ずれている場合に、境界の信頼性がないと判断されるから、例えば、原稿先端の折れ、原稿先端の破れ、ルーズリーフから引き裂いた原稿などのような電子スキュー検出に適さない原稿かどうかを的確に判断することができる。
前項(4)に記載の発明によれば、電子的に検出された原稿と背景の境界の検出数が所定値以下の場合には境界の信頼性がないと判断されるから、例えば薄紙のような電子スキュー検出に適さない原稿かどうかを的確に判断することができる。
前項(5)に記載の発明によれば、電子的に検出された原稿と背景の境界座標を基に電子的に第3のスキュー角度を検出し、この第3のスキュー角度と境界座標の任意の点を基に一次式が算出される。そして、境界座標における主走査座標位置又は副走査座標位置と、境界座標に対応する一次式上の主走査座標位置又は副走査座標位置との間の誤差を調べ、所定値以上の誤差が発生していた場合には、境界の信頼性がないと判断される。従って、例えば、原稿先端の折れ、原稿先端の破れ、ルーズリーフから引き裂いた原稿などのような電子スキュー検出に適さない原稿かどうかを的確に判断することができる。
前項(6)に記載の発明によれば、第1スキュー角度についてのヒストグラムのピーク値から所定の範囲内の度数と総度数を取得し、その比率が所定値以上であれば収束度が高いと判断され、第2スキュー角度に応じて画像データの傾きが補正される。
前項(7)に記載の発明によれば、第1スキュー角度についてのヒストグラムのピーク値が第2スキュー角度として決定される。
前項(8)に記載の発明によれば、読取手段により読み取られ境界信頼性が有ると判断された原稿の枚数が所定数以上である場合に、収束度が高いと判断され、第2スキュー角度に応じて画像データの傾きが補正される。
前項(9)に記載の発明によれば、読取手段による原稿の読取順とその時のスキュー検出角度とを1つの要素とし、要素を少なくとも2つ以上用いて得られる一次式を算出し、境界の信頼性がなかった原稿の読取順に対応するスキュー検出角度を一次式から求めるとともに、求めたスキュー検出角度が第2スキュー角度として決定される。
前項(10)に記載の発明によれば、蓄積手段には、第1スキュー角度のほか、使用するユーザー、原稿の用紙種類、枚数のいずれか一つ以上のジョブデータと収束度が蓄積され、例えば1枚の原稿のみからなる第2のジョブについて、収束度が低いと判断された場合、第2のジョブが実行される前に実行された複数のジョブにおいて蓄積された蓄積データの中から、第2のジョブのジョブデータと近い条件のジョブにおける第1スキュー角度に基づいて第2スキュー角度が決定されるから、例えば信頼性の無い1枚の原稿のみからなるジョブであっても、第2スキュー角度を決定することができる。
前項(11)に記載の発明によれば、画像データの退避先における画像データの占有量を調べ、所定値以上の画像データが存在する場合、蓄積手段から読み出された第1スキュー角度の収束度の判断閾値を下げるから、収束度が低いと判断される可能性を減らして、画像データが退避されるのを抑制し、退避された画像データによって記憶装置の容量が逼迫されるのを防止できる。
前項(12)に記載の発明によれば、電子スキュー検出に適さない原稿であっても、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行うことができる画像読取装置を備えた画像形成装置となる。
前項(13)に記載の発明によれば、電子スキュー検出に適さない原稿であっても、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行う処理を、画像読取装置のコンピュータに実行させることができる。
この発明の実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置100の全体構成を示す斜視図である。 画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。 撮像部の構成を示したブロック図である。 撮像部と自動原稿送り装置の断面図である。 画像形成装置で実施される電子スキュー補正処理を示すフローチャートである。 入力画像処理部の機能構成例を示すブロック図である。 第1スキュー角度の検出処理例の説明図である。 境界信頼性判断部の構成例を示すブロック図である。 境界信頼性判断部の他の構成例を示すブロック図である。 (A)(B)は境界信頼性判断処理の一例を説明するための図である。 第1スキュー角度の収束度判断と第2スキュー角度の決定処理の一例を説明するための図である。 (A)(B)は第1スキュー角度の収束度判断と第2スキュー角度の決定処理の他の例を説明するための図である。 過去のジョブの第1スキュー角度から、現在のジョブの第2スキュー角度を決定する処理例を説明するための図である。 原稿の境界信頼性が無く、第1スキュー角度の収束度も低い場合に、画像データを退避させる退避部の構成例を示すブロック図である。 第1スキュー角度の収束度の判断閾値を低下させる場合を説明するための表である。 (A)〜(E)は、従来技術の課題を説明するための図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、この発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置100の全体構成を示す斜視図である。この実施形態では、画像形成装置100の典型例として、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi Function Peripheral)について例示する。以下の説明では、画像形成装置をMFPとも記す。
図1に示すように、MFP100は、本体上面の前面側(ユーザーが対向する側)に配置された操作パネル1と、原稿を光学的に読取って画像データを取得する撮像部部(スキャナー部)3と、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷するプリンタエンジン6と、プリンタエンジン6によって画像を形成された用紙が排紙されるトレー8を有する。また、MFP100の本体上面には、撮像部3に原稿を送る自動原稿送り装置(ADF)4が配置され、下部には、プリンタエンジン6に用紙を供給する複数の給紙部9が配置される。撮像部3とADF4を含んで、画像読取装置が構成される。
操作パネル1は、MFP100を操作するための装置であり、ユーザーからの各種の指示、数字・文字・記号といった入力などの操作を受付けるための複数のキーと、表示装置とを含む。この表示装置としては、入力機能にはタッチパネルを使用し、ユーザー操作に応答した各種情報および/または各種操作を受付けるためのメニュー画面などをユーザーに対して表示するとともに、ユーザーによりタッチ操作された位置を取得し、当該取得した位置に応じた入力情報を取得する。
[画像形成装置の電気的構成]
図2は、MFP100の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は、システムコントローラ101と、メモリ102と、ネットワークインターフェース(ネットワークI/F)103と、出力画像処理部105と、記憶装置106と、入力画像処理部500のほか、上述の操作パネル1と、撮像部3と、ADF4と、プリンタエンジン6等を含んでいる。
システムコントローラー101には、メモリ102、ネットワークI/F103、プリンタエンジン6、出力画像処理部105、記憶装置106、撮像部3、ADF4および入力画像処理部500、操作パネル1の各々が接続されている。
システムコントローラー101は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、及びプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP100全体の制御を行う。システムコントローラ101は、CPU(Central Processing Unit)121と、ROM122(Read Only Memory)などから構成されている。CPU121は、ROM122に格納された制御プログラムを実行する。
ROM122は、MFP100の動作を行うための各種プログラムと、各種固定データとを格納している。システムコントローラ101は所定の処理を行うことによりメモリ102からのデータの読み込みやメモリ102へのデータの書き込みを行う。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU121が制御プログラムを実行するときに必要なデータや画像データを一時的に記憶する為などに用いられる。
ネットワークI/F103は、システムコントローラ101からの指示に従って、ネットワークを介して外部機器との通信を行う。
プリンタエンジン6は、出力画像処理部105にて処理された印刷データに基づいて用紙などへのプリント処理を行う。特にMFP100がプリンタとして動作する場合、プリンタエンジン6は画像を印刷し、MFP100が複写機として動作する場合、プリンタエンジン6は、撮像部3で読み取った画像を印刷する。
出力画像処理部105は、画像の印刷を行う場合などに、その画像データの形式を印刷データに変換する変換処理を行う。
記憶装置106は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)であり、MFP100の動作に関わる各種データなどを記憶する。さらに記憶装置106は、MFP100の操作パネル1に表示する画面の画像データを記憶している。
撮像部3は、原稿の画像を読み取る。入力画像処理部500は、撮像部3で画像を読み取った場合などに、その画像データの形式を変換する変換処理を行ったり、電子スキュー角度の検出、薄紙原稿等に対するスキュー角度の決定、画像データの電子スキュー補正等を行う。
[撮像部3の構成]
図3は、撮像部3の構成を示したブロック図である。撮像部3は発光部310、原稿読取センサー320、A/D変換部330、駆動部340等から成っており、CPU121から発光部310に対して発光命令が出力された後、発光部310は発光し原稿に光が入射される。
その原稿からの反射光を原稿読取センサー320で読み取りを行い、出力されるアナログデータをA/D変換部330でデジタルデータに変換した後、入力画像処理部108等で処理をする構成となっている。
図4は撮像部3の断面図であり、ADF4の下方に配置される。実際には、撮像部3とADF4は近接しているが、図4の例では離間した状態で描かれている。
撮像部3の上面に開けられたスリットを塞ぐコンタクトガラス301が、ADF4の底面に露出した原稿の搬送経路の一部に面している。撮像部3はこのコンタクトガラス301を通して、搬送経路の一部を通過する原稿の表面に光を照射し、その反射光を検出する。撮像部3の上面ではまたプラテンガラス302が、コンタクトガラス301が塞ぐスリットとは別の開口部を塞いでいる。撮像部3はこのプラテンガラス302を通して、その上に載せられた原稿の表面に光を照射し、その反射光を検出する。
撮像部3の内部には駆動部340を構成するモーター341がa方向又はb方向に回転をすることで、ワイヤー346に接続されたスライダー343がコンタクトガラス301の直下からプラテンガラス302の端までの間を往復運動可能に設置されている。スライダー343はその上面からコンタクトガラス301またはプラテンガラス302を通して、線光源310の光を原稿の表面へ照射する。スライダー343は更に、その原稿の表面で反射されて上面から入射した光をミラー344で1対のミラー345とレンズ321へ向けて反射する。この反射光をこれらの光学素子345、321は集束させて、その光量をラインセンサー(読取手段に相当)323に検出させる。この光量は原稿の表面の色(正確には光反射率)に応じて変化するので、この光量の検出に応じてラインセンサー323から出力される電気信号は、原稿の表面に表示された画像を表す。この電気信号はA/D変換部330によって画像データに変換され、プリンターまたは外部の電子機器へ出力される。
[スキュー補正処理]
図5は、MFP100で実行される、ADF4による原稿読取時の原稿の傾きであるスキュー角度に応じて、読み取られた画像データの傾きを電気的に補正する電子スキュー補正の処理を示すフローチャートである。この処理は、MFP100のCPU121が、ROM122等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
ステップS01で、原稿をADF4から撮像部3へと入力し、ラインセンサー323で原稿の画像を読み取って画像データを得る。
ステップS02では、原稿と背景の境界の信頼度を算出し、ステップS03で境界の信頼性の有無を判断する。境界の信頼性の有無については後述する。信頼性が有る場合(ステップS03でYES)、ステップS09に進み、スキュー角度(第1スキュー角度)を検出する。次いでステップS10で、検出された第1スキュー角度に応じて画像データの傾きを補正した後、ステップS11で、検出された第1スキュー角度をメモリ102に保存して処理を終了する。1つのジョブにおいて複数枚の原稿が読み取られた場合、各原稿についてステップS01からの処理が行われ、各原稿について原稿と背景の境界の信頼性が有れば、各原稿について第1スキュー角度が検出される。そして、検出された第1スキュー角度に応じて各原稿の画像データの傾きが補正されるとともに、第1スキュー角度が記憶装置106等に保存される。
ステップS03で、原稿と背景の境界の信頼性が無い場合(ステップS03でNO)、ステップS04で、メモリ102から、同一のジョブについて現在までにステップS11で蓄積されている第1スキュー角度を読み出したのち、ステップS05で、読み出された第1スキュー角度の収束度が高いかどうかを判断する。第1スキュー角度の収束度については後述する。
第1スキュー角度の収束度が高い場合(ステップS05でYES)、ステップS06で、第1スキュー角度に基づいて、境界信頼性の無い原稿についてのスキュー角度(第2スキュー角度)を推定して決定したのち、ステップS08で、決定した第2スキュー角度に応じて画像データの傾きを補正する。これにより、薄紙や原稿先端の直線性がなく信頼性の無い原稿においても、電子スキュー補正を行うことができる。
ステップS05で、第1スキュー角度の収束度が低い場合(ステップS05でNO)、ステップS07で画像データを退避した後、処理を終了する。画像データの退避については後述する。
図5で説明した処理は、図2における入力画像処理部500において、CPU121の制御の下で実行される。入力画像処理部500の機能構成を図6のブロック図に示す。
入力画像処理部500は、原稿の画像データを撮像部(スキャナー)3から入力する原稿入力部510、原稿と背景との境界の信頼性の有無を判断する境界信頼性判断部520、第1スキュー角度を検出する第1スキュー角度検出部530、検出した第1スキュー角度を蓄積する角度蓄積部550、角度蓄積部550に蓄積されている第1スキュー角度を読み出す蓄積角度読み出し部560、読み出した結果から第1スキュー角度の収束度を判断する収束度判断部570、収束度判断部570での判断結果において収束度が高い場合、蓄積角度読み出し部560で読み出した結果を用いて、第2スキュー角度を決定する第2スキュー角度決定部580、第1スキュー角度検出部530で検出した第1スキュー角度、及び第2スキュー角度決定部580で決定された第2スキュー角度に応じて、各原稿における画像データの傾きを補正するスキュー補正部540、スキュー補正後の画像データを出力する画像出力部511、及び画像データを退避する画像データ退避部590により構成されている。
[第1スキュー角度の検出]
次に、図6の第1スキュー角度検出部530によって実行される第1スキュー角度の検出について説明する。
第1スキュー角度検出部530は、図7に示すように、原稿Sと背景との境界の検出時に、各検出点11のn点目までのX座標(X1・・・Xn)とY座標(Y1・・・Yn)を得る。そして、得られたn点の各座標を基に、最小二乗法により、直線Y=aX+bを算出する。求められた近似式の傾きaが、検出される第1スキュー角度となる。各検出点11のn点目までのX,Y座標は、後述するように、ラインセンサー323で得られる画像データから読み取ることにより取得しても良いし、主走査方向に複数の原稿検知センサを配置し、原稿検知センサの出力に基づいて取得しても良い。
[境界の信頼性判断]
図6の境界信頼性判断部520による原稿と背景との境界の信頼性の有無の判断方法について説明する。
境界信頼性判断部520は、図8に示すように、原稿Sの透過率を検出する1個または複数個の透過率センサー521と、透過率センサー521の出力に基づいて原稿Sの透過率を判断する透過率判断部522を備えている。透過率センサー521は原稿Sを透過する光の量を測定することにより透過率を検出する。そして、透過率センサー521により検出された透過率が予め設定された所定値以上の場合は、原稿Sは薄紙であるから、境界の信頼性は無いと判断するようになっている。また、透過率センサー521により検出された透過率が所定値未満の場合は、原稿Sは薄紙ではなく普通紙等であるとして、境界の信頼性が有ると判断する。
また、図9に示すように、境界信頼性判断部520は、透過率センサー521ではなく、原稿Sの先端または後端を検知することにより原稿Sの通過開始又は終了を検知する複数の通紙センサー523を主走査方向に備えるとともに、タイミングずれ判断部524を備えていても良い。タイミングずれ判断部524は、複数の通紙センサー523の出力値のタイミングを比較し、出力値のタイミングが所定値以上ずれている場合、つまりずれ量が閾値よりも大きい場合に、原稿端に折れや破れがあると判断し、境界の信頼性がないと判断しても良い。
また、透過率センサー521を用いることなく、画像データから電子的に原稿Sと背景の境界を検出することによって薄紙かどうかを判断し、境界の信頼性の有無を判断しても良い。即ち、通常の普通紙原稿Sの場合は背景板と原稿Sの間に影などの明確な境界が存在し、図10(A)の左図に○印で示すように、境界検出点11の数は多くなる。ところが、図10(A)の右図のように、薄紙原稿Sの場合は背景板と原稿Sの間の階調差が減るなどして、境界の検出が困難になる為、○で示す境界検出点11の数は減る。よって、境界検出点11の数をカウントし、境界検出点11の数が閾値以下かどうかを調べ、閾値以下であれば原稿Sは薄紙であるから、境界の信頼性は無いと判断する。逆に、境界検出点11の数が閾値以下でなければ、薄紙ではなく普通紙等であるとして、境界の信頼性が有ると判断する。このときの閾値の決定の方法は、この後の電子スキュー検出の方法にも依存するが、境界点の検出ばらつき(副走査方向のズレなど)を加味し、この検出ばらつきが吸収できる検出点11の数を確保出来た場合には普通紙等として判断しても良い。
また、原稿端の折れや破れが生じていることを、原稿Sの通過開始又は終了を検知する通紙センサー523によることなく、画像データから電子的に判断し、境界の信頼性の有無を判断しても良い。
即ち、背景板と原稿Sの間に影などの明確な境界が存在し、これを図10(B)の左図に○印で示すように、境界検出点11とし、境界検出点11の座標(境界座標)を検出する。また、検出した境界座標を基に電子的にスキュー角度(第3スキュー角度に相当)を検出する。そして、検出したスキュー角度と境界座標の任意の点を基に、一次式を算出する。図10(B)左図の直線L1は算出した一次式を示す。
原稿端に折れや破れ等の破損のない通常の普通紙の場合は、図10(B)左図のように、境界検出点11と直線L1とは重なっており、その間に発生する誤差はほぼない。
一方で、折れや破れのある原稿Sの場合はその折れや破れが成す角度に引っ張られ、スキュー角度が本来の傾きとは異なる角度を示す。このため、図10(B)右図に示すように、スキュー角度と境界座標の任意の点を基に算出された一次式の直線L2と、境界検出点11との重なりが悪く、その間に誤差が発生する。つまり、各境界検出点11の境界座標における主走査座標位置又は副走査座標位置と、各境界座標に対応する一次式上の主走査座標位置又は副走査座標位置との間の誤差を調べ、所定閾値以上の誤差が発生していた場合には、境界の信頼性がないと判断する。誤差は、各境界座標について得られた誤差の絶対値の積算量であっても良いし、各境界座標について得られた誤差の最大値であっても良い。このときの閾値は、検出した境界検出点の検出ばらつき(副走査方向のズレなど)を加味し、「検出点の数×ばらつきの絶対値=閾値」などとすれば良い。
[第1スキュー角度の収束度判断と第2スキュー角度の決定]
次に、第1スキュー角度の収束度判断処理(図5のフローチャートのステップS05)、及び収束度が閾値以上で高いと判断された場合に、メモリ102から読み出された複数の第1スキュー角度から原稿Sの第2スキュー角度を決定する処理(図5のフローチャートのステップS06)の一例について説明する。
第1の例として、図11に示すように、複数の第1スキュー角度についてヒストグラムを作成し、ヒストグラムのピーク値を検出する。そして、ピーク値を起点としてその両側の所定の検出角度w内に存在する度数と全度数を取得し、ピーク値を起点としてその両側の検出角度w内に存在する度数の全度数に対する比率が所定値以上であった場合に、第1スキュー角度の収束度は高いと判断する。そして、検出されたピーク値を第2スキュー角度として決定する。
しかし、図12(A)に示すように、ADF4における給紙ローラー41に若干のスキューがあると、給紙の度に、ADF4に載置された紙の束をスキューさせながら読み込むことになるが、毎回異なるスキュー角度で読み込まれる為、ヒストグラムが収束しない。
そこで、収束判断の第2の例として、ADF4から撮像部3へと入力され、ラインセンサー323で読み取られ、境界信頼性が有ると判断された原稿Sの枚数が所定数以上である場合に、収束度が高いと判断するようにしても良い。例えばこのような原稿Sが2枚以上である場合に、収束度が高いと判断しても良い。
こうして収束度が高いと判断された場合、メモリ102から読み出された複数の第1スキュー角度から、次のようにして、信頼性の無い原稿Sについての第2スキュー角度を決定する。
即ち、図12(B)のグラフに示すように、X:原稿Sの読み取り順(枚目)、Y:読み取られた原稿Sについての検出角度(第1スキュー角度)、とする(X,Y)を1つの要素とし、この要素を2つ以上用いて、一次近似式を作成する。一次式を仮にY(°)=αX(枚目)+βとし、例えば5枚目の原稿Sが薄紙で信頼性が無いと判断されたとすると、5枚目の近似角度Y5は、Y5=α×5+βにより算出できる。そして、算出されたY5を第2スキュー角度として決定する。
このようにして第1スキュー角度の収束度が判断され、収束度が高いと判断された場合に、境界信頼性の無い原稿Sについて第2スキュー角度が推定され決定される。そして、決定された第2スキュー角度に応じて、画像データの傾きが補正される。従って、電子スキュー検出に適さない例えば薄紙や、端部に破れや折れが生じている原稿であっても、ユーザーが違和感を感じることのないレベルで電子スキュー補正を行うことができる。しかも、機械的な補正機構を必要としないから、安価に構成が可能であるという電子スキュー補正の有効性が失われることはない。
ところで、原稿Sの信頼性が無く、しかもメモリ102から読み出された第1スキュー角度の収束度も低いと、第2スキュー角度を決定できない場合がある。例えば、信頼性の無い薄紙原稿Sのみからなるジョブの場合である。このような場合であっても、以下のようにして、第2スキュー角度を決定できるようになっている。
即ち、MFP100は、図13の上側の表に示すように、過去に実行したジョブ(第1のジョブに相当)毎に、第1スキュー角度とその収束度が蓄積されているとともに、ジョブのユーザー名が保存されている。図13の上側の表では、ジョブ1〜ジョブ3の3個のジョブが蓄積されている。なお、表中の「スキュー角度」の項目は、例えば複数枚の原稿Sについての各第1スキュー角度の平均値であっても良い。また、「収束度」の項目は、例えば図16のヒストグラムのグラフにおける、ピーク値を起点とした所定範囲内の度数の全体度数に対する割合であっても良い。
また図13の下側の表に示すように、現在のジョブ(第2のジョブに相当)のユーザーが山田さんであり、しかも現在のジョブにおける原稿Sの信頼性がなく、かつ現在のジョブについて第1スキュー角度も蓄積されていなければ、過去に蓄積した複数のジョブ(ジョブ1〜ジョブ3)の中から、現在のジョブを使用しているユーザーを検索ワードとして検索し、その検索結果によりスキュー角度と収束度を読み出す。図13の例では、ジョブ1が検索される。
そして、検索されたジョブ1における収束度を判断するが、収束度は90%であるから収束度は高いと判断し、ジョブ1の第1スキュー角度を現在のジョブのスキュー角度(第2のスキュー角度)として決定する。
なお、上記の例では、第1のジョブの第1スキュー角度及び収束度とともにユーザー名を蓄積したが、原稿Sの用紙種類か枚数の少なくともいずれかを蓄積しておき、原稿Sの用紙種類か枚数の少なくともいずれかにおいて、現在のジョブと一致するジョブを第1のジョブとして検索し、そのスキュー角度を現在のジョブのスキュー角度(第2スキュー角度)として決定しても良い。
[原稿Sを退避した場合の処理]
原稿Sの境界信頼性が無く、第1スキュー角度の収束度も低い場合、画像データを退避部590に退避させるが(図6のフローチャートのステップS07)、この退避処理について説明する。
退避部590は、図14に示すように、画像データを記憶する退避先としての記憶部591と、記憶部591の容量を監視判断する容量判断部592と、画像データ読み出し部593を有している。
容量判断部592の監視の結果、記憶部591に所定の値以上の画像データが退避されている場合には、角度蓄積部550から蓄積角度読み出し部560を介して、蓄積された第1スキュー角度を読み出し、収束度判断部570で第1スキュー角度の収束度を判断する。このとき、収束度の判断閾値を低下させて収束度を判断する。
例えば、図15の表に示すように、ジョブ4では、10枚の原稿Sを読み取ったものとし、5枚目のみが境界信頼性の無い薄紙であり、他の9枚の原稿Sは境界信頼性の有る普通紙であったとする。1〜4枚目の原稿Sを読み取った段階では、4個の第1スキュー角度が検出され、1〜4枚目の各原稿Sはそれぞれ検出された第1スキュー角度で画像データの傾きが補正されるとともに、検出された第1スキュー角度はメモリ102に蓄積されている。
ここで、蓄積された第1スキュー角度が4個以上存在する場合、換言すれば境界信頼性が有ると判断された原稿Sの枚数が4数以上である場合に、収束度判断部570が収束度が高いと判断するものとする。5枚目の薄紙については境界信頼性が無いと判断され、第1スキュー角度の収束度が判断されるが、第1スキュー角度が4個以上であるため、収束度判断部570は収束度が高いと判断し、その判断結果を画像データ読み出し部593に通知する。画像データ読み出し部593は記憶部591から画像データを読み出し、図10の第2スキュー角度決定部580は、前述の通り、蓄積された4個の第1スキュー角度に基づいて、5枚目の薄紙についての第2スキュー角度を決定し、スキュー補正部540は、決定された第2スキュー角度に応じて画像データの傾き補正を行う。
図15のジョブ5では、原稿Sは1枚の薄紙のみであるから、前述したように、第2スキュー角度決定部580は、過去のジョブの中からユーザー等が同じジョブを検索し、検索されたジョブにおける第1スキュー角度に基づいて、1枚の薄紙についての第2スキュー角度を決定し、スキュー補正部540は、決定された第2スキュー角度に応じて画像データの傾き補正を行う。
図15のジョブ6では、1枚目、2枚目の原稿Sが普通紙、3〜8枚目の原稿Sが薄紙、9枚目及び10枚目が普通紙であったとする。ここで、3枚目の薄紙の読み取り時に境界信頼性が無いと判断され、第1スキュー角度の収束度を判断した結果、蓄積された第1スキュー角度は2個のみであり、4個を収束度が高いと判断するための閾値とすると、収束度は閾値未満であるため低いと判断される。このため、薄紙についての画像データは記憶部591に退避される。従って、ジョブ6では、3〜8枚目の薄紙原稿Sについて読み取られた合計6個の画像データが記憶部591に退避されることになる。
ここで、記憶部591の容量が画像データ5個分しか存在しないと仮定すると、8枚目の薄紙原稿Sの読み取り時点で、記憶部591の容量には空きがないことになる。容量判断部592は容量が既に占有されるていると判断すると、収束度判断部570は、収束度有りと判断する第1スキュー角度の基準閾値を、例えば4個から2個へ下げる。このため、3〜8枚目の薄紙原稿Sについては、既に1枚目及び2枚目の原稿Sについての2個の第1スキュー角度が蓄積されているから、収束度判断部570は収束度が高いと判断する。第2スキュー角度決定部580は、2個の第1スキュー角度に基づいて、3〜8枚目の薄紙原稿Sについての第2スキュー角度を決定し、スキュー補正部540は、決定された第2スキュー角度に応じて画像データの傾き補正を行う。
このように、画像データが退避された記憶装置591内の画像データの占有量を調べ、所定値以上の画像データが存在する場合、角度蓄積部550から読み出される第1スキュー角度の収束度の判断閾値を下げるから、収束度が低いと判断される可能性を減らして、画像データが退避されるのを抑制し、画像データの退避によって記憶装置591の容量が逼迫されるのを防止できる。
なお、第1スキュー角度の収束度の判断閾値を下げても、収束度が高いと判断されない場合には、CPU121を介して操作パネル200に傾きを補正できないことを表示する。
1 操作パネル
3 撮像部
4 自動原稿送り装置(ADF)
6 プリンタエンジン
11 境界検出点
100 画像形成装置
101 システムコントローラ
102 メモリ
106 記憶装置
121 CPU
122 ROM
500 入力画像処理部
510 原稿入力部
520 境界信頼性判断部
530 第1スキュー角度検出部
540 スキュー補正部
550 角度蓄積部
560 蓄積角度読み出し部
570 収束度判断部
580 第2スキュー角度決定部
590 画像データ退避部
S 原稿

Claims (13)

  1. 自動原稿送り装置と、
    前記自動原稿送り装置により読取位置へと搬送された1枚または複数枚の原稿の画像を、前記読み取り位置で読み取って画像データを取得する読取手段と、
    前記原稿と背景との境界の信頼性の有無を原稿毎に判断する境界信頼性判断手段と、
    前記境界信頼性判断手段により、原稿と背景との境界の信頼性があると判断された場合には、原稿の第1スキュー角度を検出する第1スキュー角度検出手段と、
    前記第1スキュー角度を蓄積する蓄積手段と、
    前記境界信頼性判断手段により、原稿と背景との境界の信頼性がないと判断された場合には、前記蓄積手段から同一ジョブの原稿について蓄積された第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度を判断する収束度判断手段と、
    前記収束度判断手段により収束度が閾値未満で低いと判断された場合に、前記画像データを退避する退避手段と、
    前記収束度判断手段により収束度が閾値以上で高いと判断された場合に、読み出された第1スキュー角度から原稿の第2スキュー角度を決定する第2スキュー角度決定手段と、
    前記第1スキュー角度検出手段により検出された第1スキュー角度、または前記第2スキュー角度決定手段により決定された第2スキュー角度に応じて、前記各原稿の画像データの傾きを補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記境界信頼性判断手段は、原稿の透過率を検出するセンサーを備え、前記センサーにより検出された透過率が所定値以上の場合に、境界の信頼性がないと判断する請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記境界信頼性判断手段は、原稿の通過開始又は終了を検知する複数のセンサーを主走査方向に備え、前記複数のセンサーの出力値のタイミングが所定値以上ずれている場合に、境界の信頼性がないと判断する請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記境界信頼性判断手段は、
    電子的に原稿と背景の境界を検出する境界検出手段と、検出した原稿と背景の境界の検出数をカウントするカウント手段を備え、
    前記カウント手段によりカウントされた原稿と背景の境界の検出数が所定値以下の場合には境界の信頼性がないと判断する請求項1または3に記載の画像読取装置。
  5. 前記境界信頼性判断手段は、
    電子的に原稿と背景の境界座標を検出する境界検出手段と、検出した境界座標を基に電子的に第3スキュー角度を検出する第3スキュー角度検出手段を備え、
    前記第3スキュー角度と前記境界座標の任意の点を基に一次式を算出するとともに、境界座標における主走査座標位置又は副走査座標位置と、境界座標に対応する前記一次式上の主走査座標位置又は副走査座標位置との間の誤差を調べ、所定値以上の誤差が発生していた場合には、境界の信頼性がないと判断する請求項1、2、4のいずれかに記載の画像読取装置。
  6. 前記収束度判断手段は、
    第1スキュー角度についてヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
    作成されたヒストグラムからピーク値を算出する算出手段と、
    を備え、
    前記ピーク値から所定の範囲内の度数の全度数に対する比率が所定値以上であれば収束度が高いと判断する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取装置。
  7. 前記第2スキュー角度決定手段は、前記ヒストグラムのピーク値を第2スキュー角度として決定する請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記収束度判断手段は、前記読取手段により読み取られ境界信頼性が有ると判断された原稿の枚数が所定数以上である場合に、収束度が高いと判断する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像読取装置。
  9. 前記第2スキュー角度決定手段は、前記読取手段による原稿の読取順とその時のスキュー検出角度とを1つの要素とし、前記要素を少なくとも2つ以上用いて得られる一次式を算出し、境界の信頼性がなかった原稿の読取順に対応するスキュー検出角度を前記一次式から求めるとともに、求めたスキュー検出角度を前記第2スキュー角度として決定する請求項8に記載の画像読取装置。
  10. 前記蓄積手段は、第1スキュー角度のほか、使用するユーザー、原稿の用紙種類、枚数のいずれか一つ以上のジョブデータと収束度を蓄積し、
    第2のジョブが実行される前に実行された複数のジョブにおいて蓄積された蓄積データの中から、第2のジョブのジョブデータと近い条件であり、収束度が閾値以上であるデータを持つジョブを第1のジョブとしたときに、前記収束度判断手段による判断の結果、第2のジョブについて収束度が低いと判断された場合には、前記第2スキュー角度決定手段は、前記第1のジョブの第1スキュー角度に基づいて、第2のジョブにおける第2スキュー角度を決定する請求項1ないし9のいずれかに記載の画像読取装置。
  11. 前記退避手段は、退避された画像データの退避先の占有量を調べ、所定値以上の画像データが存在する場合、前記収束度判断手段は、前記蓄積手段から読み出された第1スキュー角度の収束度の判断閾値を下げる請求項1ないし10のいずれかに記載の画像読取装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像読取装置を備えた画像形成装置。
  13. 自動原稿送り装置を備えた画像読取装置のコンピュータに、
    前記自動原稿送り装置により読取位置へと搬送された1枚または複数枚の原稿の画像を、前記読み取り位置で読み取って画像データを取得する読取ステップと、
    前記原稿と背景との境界の信頼性の有無を原稿毎に判断する境界信頼性判断ステップと、
    前記境界信頼性判断ステップにより、原稿と背景との境界の信頼性があると判断された場合には、原稿の第1スキュー角度を検出する第1スキュー角度検出ステップと、
    前記第1スキュー角度を蓄積手段に蓄積するステップと、
    前記境界信頼性判断ステップにより、原稿と背景との境界の信頼性がないと判断された場合には、前記蓄積手段から同一ジョブの原稿について蓄積された第1スキュー角度を読み出し、第1スキュー角度の収束度を判断する収束度判断ステップと、
    前記収束度判断ステップにより収束度が閾値未満で低いと判断された場合に、前記画像データを退避する退避ステップと、
    前記収束度判断ステップにより収束度が閾値以上で高いと判断された場合に、読み出された第1スキュー角度から原稿の第2スキュー角度を決定する第2スキュー角度決定ステップと、
    前記第1スキュー角度検出ステップにより検出された第1スキュー角度、または前記第2スキュー角度決定ステップにより決定された第2スキュー角度に応じて、前記各原稿の画像データの傾きを補正する補正ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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