JP2021034692A - 電極及び蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電が可能である新規な金属有機構造体を提供する。
【解決手段】電極は、非水系蓄電デバイスに用いられる電極であって、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)が配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含むものである。
【選択図】図2
【解決手段】電極は、非水系蓄電デバイスに用いられる電極であって、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)が配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含むものである。
【選択図】図2
Description
本明細書は、電極及び蓄電デバイスを開示する。
従来、蓄電デバイス用の電極としては、空間群がR-3(Hexagona laxes)である2,5−ジオキシドベンゼン−1,4−ジカルボン酸鉄(Fe2(dobdc))や、空間群がP322である4,4’−ジオキシドビフェニル−3,3’−ジカルボン酸鉄(Fe2(dobpdc))など、有機骨格の構造とFeイオンとを組み合わせた金属有機構造体が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この金属有機構造体のうち、Fe2(dobpdc)では、アニオンを挿入、脱挿入することができるとしている。
J.Am.Chem.Soc.2015,137,13594-13602
しかしながら、上述の非特許文献1の2,5−ジオキシドベンゼン−1,4−ジカルボン酸鉄(Fe2(dobdc))では、アニオンの挿入ができず、充放電することができなかった。有機骨格と金属イオンとの組み合わせによる構造体で、充放電を安定的に行うことができるものは限られており、どのような構造で充放電可能であるかについては、まだ十分検討されていなかった。このように、充放電することができる新規な金属有機構造体が望まれていた。
本開示はこのような課題に鑑みなされたものであり、充放電が可能である新規な活物質としての金属有機構造体を有する電極及び蓄電デバイスを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、ヒドロキシ基とカルボキシ基とを2つずつ有し、例えば、ナフタレンなど2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有する有機骨格を二価の遷移金属元素で構造体を構成するものとすると、アニオンの挿入、脱挿入により充放電することができることを見いだし、本開示の発明を完成するに至った。
即ち、本開示の電極は、
非水系蓄電デバイスに用いられる電極であって、
2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)とを有し、前記有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に前記二価の遷移金属元素Mが配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含むものである。
非水系蓄電デバイスに用いられる電極であって、
2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)とを有し、前記有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に前記二価の遷移金属元素Mが配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含むものである。
本開示の蓄電デバイスは、
上述した電極と、
前記電極と接触しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
上述した電極と、
前記電極と接触しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
本明細書で開示する電極及び蓄電デバイスでは、充放電が可能である新規な活物質としての金属有機構造体を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有すると、構造体が形成する六方格子の細孔径がより好適な範囲となり、アニオンの挿入、脱挿入がより円滑になるためであると推察される。また、芳香族環構造に、水酸基から水素が引き抜かれた態様のアルコキシ基を2つ備え、カルボキシ基から水素が引き抜かれた態様のカルボン酸アニオン基を2つ備えており、二価の遷移金属との結合が容易であり、より強固な骨格となるためであると推察される。
(蓄電デバイス)
本開示の蓄電デバイスは、正極と、負極と、正極と負極との間に介在しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備える。この蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタなどとしてもよい。負極は、アニオンを挿入、脱挿入する金属有機構造体を電極活物質として含むものとしてもよい。
本開示の蓄電デバイスは、正極と、負極と、正極と負極との間に介在しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備える。この蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタなどとしてもよい。負極は、アニオンを挿入、脱挿入する金属有機構造体を電極活物質として含むものとしてもよい。
正極は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられている公知の正極を用いてもよい。正極は、例えば、正極活物質として炭素材料を含むものとしてもよい。炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。なお、正極では、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着・脱離して蓄電するものと考えられるが、さらに、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入・脱離して蓄電するものとしてもよい。
あるいは、正極は、一般的なリチウムイオン電池に用いられる正極としてもよい。この場合、正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn2O4などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMncO2(a+b+c=1)やLi(1-x)NiaCobMncO4(a+b+c=2)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV2O3などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV2O5などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。また、正極活物質は、リン酸鉄リチウムなどとしてもよい。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。
正極は、例えば上述した正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。導電材は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維などの炭素材料、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。正極は、正極合材全体のうち導電材を5質量%以上25質量%以下の範囲で含むことが好ましく、10質量%以上としてもよいし、15質量%以上としてもよい。5質量%以上であれば、電極に十分な導電性を持たせることができ、充放電特性の劣化を抑制できる。また、25質量%以下であれば、活物質や結着材が少なくなり過ぎないため、活物質や結着材の機能を十分に発揮できる。
結着材は、水溶性ポリマーを含むものとしてもよい。水溶性ポリマーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)を少なくとも含み、ポリビニルアルコール(PVA)やスチレンブタジエン共重合体(SBR)、ポリエチレンオキシド(PEO)のうちいずれか1以上を含むものとしてもよい。また、結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン−モノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等としてもよい。正極は、正極合材全体のうち結着材を5質量%以上25質量%以下の範囲で含むことが好ましく、20質量%以下としてもよいし、15質量%以下としてもよい。5質量%以上であれば、電極に十分な結着性を持たせることができ、充放電特性の劣化を抑制できる。また、25質量%以下であれば、活物質や導電材が少なくなり過ぎないため、活物質や導電材の機能を十分に発揮できる。
溶剤としては、水を用いてもよいし、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いてもよい。水溶性ポリマーを用いる場合は、溶剤として水を用いることが好適である。集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。このうち、集電体は、アルミニウム金属とすることがより好ましい。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
負極は、金属有機構造体を負極活物質として含んでいる。この負極活物質は、キャリアであるアニオンを挿入、脱挿入するものである。キャリアのアニオンは、例えば、PF6 -やBF4 -、ClO4 -,AsF6 -,(CF3SO2)2N-,(C2F5SO2)2N-などが挙げられる。この金属有機構造体は、有機骨格層と、有機骨格層に配位する二価の遷移金属元素Mとを有する。図1は、金属有機構造体の一例を示す説明図である。図1は、一例として、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト(Co2(dondc):化合物1)の金属有機構造体を示した。金属有機構造体は、芳香族環構造が六方格子の1辺を形成し、1辺同士の接続部に遷移金属元素Mが位置する。金属有機構造体は、この六方格子を形成した構造が連続して形成され、六方格子が連通して細孔が形成された構造を有する。この金属有機構造体は、六方格子の中に形成された細孔を通って電荷補償のアニオンが出入りし、遷移金属元素Mがレドックスの電荷補償サイトになると共に、電子伝導パスを形成する。この金属有機構造体は、例えば、次式(1)及び(2)のいずれかの構造を有するものとしてもよい。但し、式中のnは0以上3以下の整数であり、Mは、二価の遷移金属であり、Co、Ni、Mn及びFeのうち1以上である。
有機骨格層は、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基(2つのアルコキシ基)とジカルボン酸アニオン基(2つのカルボン酸アニオン基)とを含む。芳香族環構造は、例えば、ナフタレンやアントラセン、ピレンなど2以上の芳香環が縮合した縮合多環化合物により構成されるものとしてもよい。この芳香環は、五員環や六員環、八員環としてもよいが、六員環が好ましい。また、芳香環は、2以上5以下とするのが好ましい。芳香環が2以上では層状構造を形成しやすく、芳香環が5以下ではエネルギー密度をより高めることができる。このうち、芳香族環構造は、六方格子の細孔径を考慮すると、ナフタレンであることがより好ましい。アルコキシ基は、ヒドロキシ基の水素が引き抜かれた基であり、芳香族環構造の対角位置にそれぞれ接続されている。対角位置とは、対角位置とは、一方のアルコキシ基の結合位置から他方のアルコキシ基の結合位置までがより遠い位置としてもよく、例えば、ナフタレンであれば1,5位や3,7位などが挙げられる。カルボン酸アニオン基は、カルボキシ基のヒドロキシ基から水素が引き抜かれた基であり、芳香族環構造の対角位置にそれぞれ接続されている。対角位置とは、一方のカルボン酸の結合位置から他方のカルボン酸の結合位置までが最も遠い位置としてもよく、例えば、ナフタレンであれば2,6位などが挙げられる。アルコキシ基は、カルボン酸アニオン基が結合した炭素の隣の炭素に結合している。
遷移金属元素Mは、有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に配位するものであり、Co,Ni,Mn及びFeのうち1以上である。この金属有機構造体は、有機骨格層に遷移金属元素Mが配位して六方格子を形成する。この遷移金属元素Mは、例えば、CoやNi、Mnが好ましく、Coがより好ましい。
この金属有機構造体は、X線回折の回折ピークより求められる六方格子の細孔のa−b長さ(後述図6参照)は、19Å以上22Å以下の範囲が好ましく、21Å以下がより好ましい。また、六方格子の細孔のa−c長さは、16Å以上20Å以下の範囲が好ましく、18Å以下がより好ましい。このような細孔径の範囲では、アニオンの挿入、脱挿入をより円滑に行うことができ、好ましい。この金属有機構造体は、例えば、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(Co2(1,5−dondc))、3,7−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(Co2(3,7−dondc))のうち1以上が好ましく、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩がより好ましい。
この金属有機構造体は、例えば、原料混合工程を含むの製造方法により作製されたものとしてもよい。原料混合工程では、ジヒドロキシ縮合芳香族多環ジカルボン酸化合物と、遷移金属Mの化合物とを溶媒に混合し、加熱混合するものとしてもよい。原料は、例えば、1,5−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸や3,7−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸などが挙げられる。また、遷移金属Mの化合物としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などが挙げられる。溶媒は、例えば、有機溶媒や、アルコール、水の混合物としてもよい。有機溶媒は、極性非プロトン性であることが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド(DMA)などが挙げられる。加熱温度は、溶媒に依存するが、例えば、100℃以上150℃以下の範囲とすることができる。加熱時間は、生成物を十分得られる時間とすればよく、例えば、加熱環流下で、12時間以上48時間以下の範囲とすることができる。生成物である金属有機構造体は、減圧濃縮、洗浄、濾過及び乾燥して得るものとしてもよい。
負極は、電極活物質としての上述した金属有機構造体と、結着材と、導電材とを含む負極合材が集電体に形成されているものとしてもよい。負極に用いる導電材、結着材、溶剤、集電体は、例えば、正極で例示したものなどを適宜用いることができる。この負極は、負極活物質をより多く含むことが好ましく、負極合材全体のうち負極活物質が65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上としてもよい。また、負極活物質は、85質量%以下や75質量%以下の範囲としてもよい。負極活物質を85質量%以下の範囲で含むものでは、導電材や結着材の量が少なくなり過ぎないため、導電材や結着材の機能を十分に発揮できる。
イオン伝導媒体は、例えば、支持塩(支持電解質)と有機溶媒とを含む非水系電解液としてもよい。支持塩としては、例えば、正極のキャリアをリチウムイオンとした場合、公知のリチウム塩を含むものとしてもよい。このリチウム塩としては、例えば、LiPF6や、LiBF4、LiClO4,LiAsF6,Li(CF3SO2)2N,LiN(C2F5SO2)2などが挙げられ、このうちLiPF6や、LiBF4が好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。有機溶媒としては、例えば、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、非水系電解液としては、そのほかにアセトニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル系溶媒やイオン液体、ゲル電解質などを用いてもよい。
この蓄電デバイスは、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図2は、蓄電デバイス20の一例を示す模式図である。この蓄電デバイス20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この蓄電デバイス20は、正極22と負極23との間の空間にイオン伝導媒体27が満たされている。また、この負極23は、上述した金属有機構造体を負極活物質として有する。
以上詳述した蓄電デバイスでは、充放電が可能である新規な活物質としての金属有機構造体を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有すると、構造体が形成する六方格子の細孔径がより好適な範囲となり、アニオンの挿入、脱挿入がより円滑になるためであると推察される。また、芳香族環構造に、水酸基から水素が引き抜かれた態様のアルコキシ基を2つ備え、カルボキシ基から水素が引き抜かれた態様のカルボン酸アニオン基を2つ備えており、二価の遷移金属との結合が容易であり、より強固な骨格となるためであると推察される。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、蓄電デバイスとして説明したが、特にこれに限定されず、蓄電デバイス用の電極としてもよい。この電極は、2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)とを有し、有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に二価の遷移金属元素Mが配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含むものとしてもよい。この電極を蓄電デバイスに用いれば、上述した蓄電デバイスと同様の効果を奏することができる。
以下には、本開示の蓄電デバイスを具体的に作製した例について説明する。金属有機構造体を合成し、電極及びイオン伝導媒体を作製し、蓄電デバイスを評価した例を実施例として説明する。
(実施例1、2)
[化合物1の合成]
表1に示す試薬、仕込み量で、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(化合物1)を合成した。200mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、1,5−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸を、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.454gの赤紫色の化合物1を得た。
[化合物1の合成]
表1に示す試薬、仕込み量で、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(化合物1)を合成した。200mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、1,5−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸を、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.454gの赤紫色の化合物1を得た。
(実施例3)
[化合物2の合成]
表2に示す試薬、仕込み量で、3,7−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(化合物2)を合成した。200mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、3,7−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸とを、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.5183gの黄土色の化合物2を得た。
[化合物2の合成]
表2に示す試薬、仕込み量で、3,7−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト塩(化合物2)を合成した。200mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、3,7−ジヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸とを、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.5183gの黄土色の化合物2を得た。
(比較例1)
[化合物3の合成]
表3に示す試薬、仕込み量で、2,5−ジオキシドテレフタル酸コバルト塩(化合物3)を合成した。500mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジカルボン酸(2,5−ジヒドロキシテレフタル酸)とを、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.7583gの赤者色の化合物3を得た。
[化合物3の合成]
表3に示す試薬、仕込み量で、2,5−ジオキシドテレフタル酸コバルト塩(化合物3)を合成した。500mLの反応器に硝酸コバルト(II)6水和物と、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジカルボン酸(2,5−ジヒドロキシテレフタル酸)とを、ジメチルホルムアミドとメタノールと水との混合溶媒に溶解し、120℃加熱還流下で、20時間撹拌し、そのまま自然昇温した。その後、減圧化濃縮をした。濃縮残渣にメタノールを加え、懸濁洗浄し、ろ過した。ろ取した固体を120℃で1日間終夜乾燥し、0.7583gの赤者色の化合物3を得た。
(化合物1〜3のX線回折測定)
X線回折測定は、放射線としてCuKα線(波長1.54051Å)を使用したX線回折装置(リガク製、Ultima IV)を用いて行った。X線の単色化にはグラファイトの単結晶モノクロメーターを用い、印加電圧を40kV、電流30mAに設定して測定を行った。測定は、5°/分の走査速度で、2θ=3.5°〜60°の角度範囲で記録した。図3は、3,7−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト(化合物1)のXRDパターンである。図4は、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト(化合物2)のXRDパターンである。図5は、2,5−ジオキシドキシテレフタル酸コバルト(化合物3)のXRDパターンである。図6は、化合物1〜3のXRDパターン及びXRDパターンから算出される細孔径(Å)である。図7は、化合物1〜3の有機配位子の構造長さの説明図である。
X線回折測定は、放射線としてCuKα線(波長1.54051Å)を使用したX線回折装置(リガク製、Ultima IV)を用いて行った。X線の単色化にはグラファイトの単結晶モノクロメーターを用い、印加電圧を40kV、電流30mAに設定して測定を行った。測定は、5°/分の走査速度で、2θ=3.5°〜60°の角度範囲で記録した。図3は、3,7−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト(化合物1)のXRDパターンである。図4は、1,5−ジオキシドナフタレン−2,6−ジカルボン酸コバルト(化合物2)のXRDパターンである。図5は、2,5−ジオキシドキシテレフタル酸コバルト(化合物3)のXRDパターンである。図6は、化合物1〜3のXRDパターン及びXRDパターンから算出される細孔径(Å)である。図7は、化合物1〜3の有機配位子の構造長さの説明図である。
図3〜6に示すように、化合物1〜3は、(2−10)面及び(300)面のシャープな回折ピークが得られており、図1などに示すような金属有機構造体が形成されていることが示唆された。また、回折ピークから、結晶構造の長さa−b,a−cを求めた。図6に示すように、化合物2の有機配位子の長さが最も長く、その有機配位子で形成された化合物2は、アニオンが入り込む細孔径が最も長いことが示唆された。また、化合物1の有機配位子の長さは、化合物2よりも短く、化合物3よりも長いことが示唆された。アニオンが出入りする細孔径の大きさは、化合物2>化合物1>化合物3であり、図7に示す有機配位子の長さに対応するものであった。
(化合物1〜3の走査型電子顕微鏡(SEM)観察)
化合物1〜3を走査型電子顕微鏡(キーエンス製VHX−1000)を用いて形態観察した。図8は、化合物1〜3のSEM写真であり、図8Aが化合物1、図8Bが化合物2、図8Cが化合物3である。図8に示すように、化合物1,2では、粒状粒子であるが、化合物3では、針状結晶を示した。
化合物1〜3を走査型電子顕微鏡(キーエンス製VHX−1000)を用いて形態観察した。図8は、化合物1〜3のSEM写真であり、図8Aが化合物1、図8Bが化合物2、図8Cが化合物3である。図8に示すように、化合物1,2では、粒状粒子であるが、化合物3では、針状結晶を示した。
(実施例1、2及び比較例1の蓄電デバイス)
化合物1〜3を電極活物質とした電極を作製し、作製した電極を用いて蓄電デバイスを作製した。上述した化合物1を60質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を30質量%、ポリフッ化ビニリデン(クレハ製、KFポリマ)を10質量%秤量して混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)で分散させた。このスラリー状合材を20μm厚のアルミ箔集電体に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートとした。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、2.05cm2の面積に打ち抜いて円盤状の電極を準備した。その後、真空下120℃で12時間、乾燥を行った。
化合物1〜3を電極活物質とした電極を作製し、作製した電極を用いて蓄電デバイスを作製した。上述した化合物1を60質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン、TB5500)を30質量%、ポリフッ化ビニリデン(クレハ製、KFポリマ)を10質量%秤量して混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)で分散させた。このスラリー状合材を20μm厚のアルミ箔集電体に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートとした。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、2.05cm2の面積に打ち抜いて円盤状の電極を準備した。その後、真空下120℃で12時間、乾燥を行った。
(二極式セルの作製)
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネートを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持電解質のLiPF6またはLiBF4を1.0mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した。上記の手法にて作製した電極を作用極とし、リチウム金属箔(厚さ300μm)を対極として、両電極の間に上記非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで二極式評価セルを作製した。化合物1の電極と支持塩をLiPF6としたものを実施例1のセルとした。また、化合物1の電極と支持塩をLiBF4としたものを実施例2のセルとした。また、化合物2の電極と支持塩をLiPF6としたものを実施例3のセルとした。また、化合物3の電極と支持塩をLiPF6としたものを比較例1のセルとした。
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネートを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒に、支持電解質のLiPF6またはLiBF4を1.0mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した。上記の手法にて作製した電極を作用極とし、リチウム金属箔(厚さ300μm)を対極として、両電極の間に上記非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで二極式評価セルを作製した。化合物1の電極と支持塩をLiPF6としたものを実施例1のセルとした。また、化合物1の電極と支持塩をLiBF4としたものを実施例2のセルとした。また、化合物2の電極と支持塩をLiPF6としたものを実施例3のセルとした。また、化合物3の電極と支持塩をLiPF6としたものを比較例1のセルとした。
(二極式セルの評価)
20℃の温度環境下、LiPF6を含む電解液を有する上記実施例1の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.5Vまで還元した。この操作を5回行った。次に、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまで還元した。この操作を5回行った。引き続き0.2mAで酸化電位を4.6V、4.7V、4.8Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。また、20℃の温度環境下、LiBF4を含む電解液を有する実験例2の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまでとする操作を5回行い、引き続き、酸化電位を4.6V、4.7Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。実施例3の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまで還元した。この操作を5回行った。引き続き0.2mAで酸化電位を4.6V、4.7V、4.8V、4.9Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。
20℃の温度環境下、LiPF6を含む電解液を有する上記実施例1の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.5Vまで還元した。この操作を5回行った。次に、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまで還元した。この操作を5回行った。引き続き0.2mAで酸化電位を4.6V、4.7V、4.8Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。また、20℃の温度環境下、LiBF4を含む電解液を有する実験例2の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまでとする操作を5回行い、引き続き、酸化電位を4.6V、4.7Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。実施例3の二極式セルを用いて、0.2mAで4.5Vまで酸化し、その後、2.0Vまで還元した。この操作を5回行った。引き続き0.2mAで酸化電位を4.6V、4.7V、4.8V、4.9Vとし、還元電位を2.0Vのままとする操作をそれぞれ5回行った。
(結果と考察)
図9は、実施例1、2の二極式セルの放電曲線である。図10は、実施例3の二極式セルの放電曲線である。また、実施例1〜3、比較例1の充電電圧と放電容量の測定結果をまとめて表4に示した。なお、比較例1では充放電できないとの示唆が非特許文献1にあるため、比較例1は構造の比較のみに留めた。この比較例1が充放電できない理由は、ベンゼン環による有機骨格では、六方格子の細孔径が小さく、アニオンが十分に出入りすることができないためであると推察された。一方、表4、図9、10に示すように、実施例1〜3では、充放電を十分行うことができることがわかった。この理由は、ナフタレン環による有機骨格では、六方格子の細孔径が比較的大きくなり、アニオンが十分に出入りすることができるためであると推察された。特に、実施例1では、より大きな放電容量を得ることができることがわかった。
図9は、実施例1、2の二極式セルの放電曲線である。図10は、実施例3の二極式セルの放電曲線である。また、実施例1〜3、比較例1の充電電圧と放電容量の測定結果をまとめて表4に示した。なお、比較例1では充放電できないとの示唆が非特許文献1にあるため、比較例1は構造の比較のみに留めた。この比較例1が充放電できない理由は、ベンゼン環による有機骨格では、六方格子の細孔径が小さく、アニオンが十分に出入りすることができないためであると推察された。一方、表4、図9、10に示すように、実施例1〜3では、充放電を十分行うことができることがわかった。この理由は、ナフタレン環による有機骨格では、六方格子の細孔径が比較的大きくなり、アニオンが十分に出入りすることができるためであると推察された。特に、実施例1では、より大きな放電容量を得ることができることがわかった。
本開示は、上記の実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本開示は、電池産業の分野に利用可能である。
20 蓄電デバイス、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体。
Claims (5)
- 非水系蓄電デバイスに用いられる電極であって、
2以上の芳香環が縮合した芳香族環構造を有しジアルコキシ基とジカルボン酸アニオン基とを含む有機骨格層と、二価の遷移金属元素M(MはCo,Ni,Mn及びFeのうち1以上)とを有し、前記有機骨格層のアルコキシ基とカルボン酸アニオン基とに含まれる酸素に前記二価の遷移金属元素Mが配位して六方格子を形成する金属有機構造体を電極活物質として含む、電極。 - 前記金属有機構造体は、次式(1)及び(2)のいずれかの構造を有する、請求項1に記載の電極。
- 前記金属有機構造体は、前記遷移金属元素MがCoである、請求項1または2に記載の電極。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極と、
前記電極と接触しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた蓄電デバイス。 - 前記イオン伝導媒体は、PF6 -及びBF4 -のいずれかのアニオンを前記キャリアイオンとして伝導する、請求項4に記載の蓄電デバイス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019157030A JP2021034692A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | 電極及び蓄電デバイス |
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