JP2021034083A - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスク装置内の酸素濃度と相対湿度の両方を低減する。【解決手段】実施形態にかかる磁気ディスク装置は、封止可能な筐体、筐体内に収容された、磁気記録媒体、磁気記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド、及び低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を含む。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置に関する。
一般的に、磁気ディスク装置の寿命を縮めるものとして、磁気ヘッドと磁気ヘッドが接触時に生じる際の熱による酸化摩耗反応などの酸化劣化反応がある。このような酸化反応を抑えるために酸素濃度を減らす試みとして、ヘリウムガスを封入した磁気ディスク装置が知られている。しかしながら、ヘリウムガスを封入しても、磁気ディスク装置内に1容量%程度の酸素は残るので、酸素濃度をさらに低減することは難しい。
また、磁気ディスク装置内の酸素を低減する方法として、脱酸素剤を使用することが考えられる。一般的な脱酸素剤は、水分と反応して酸素を吸収する鉄系材料を用いたものが多く、酸素濃度を低くするためには、ある程度の湿度が必要となる。しかしながら、酸素濃度を低減するだけでなく、湿度の低減を行わないと、磁気ヘッドにおける酸化反応が生じることがわかっている。このため、磁気ディスク装置内では、酸素だけでなく、湿度も低くすることが望ましい。
本願発明の実施形態は、磁気ディスク装置内の湿度と酸素濃度を低減することを目的とする。
実施形態によれば、封止可能な筐体、
前記筐体内に収容された、磁気記録媒体、前記磁気記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド、及び低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を含む磁気ディスク装置が提供される。
前記筐体内に収容された、磁気記録媒体、前記磁気記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド、及び低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を含む磁気ディスク装置が提供される。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
磁気ディスク装置として、実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)について詳細に説明する。
図1は、カバーを外して示す実施形態に係るHDDの分解斜視図である。図2は、カバーを取外した状態のHDDの平面図である。
図1に示すように、HDDは、矩形状の筐体10と、筐体内に収容された、例えば磁気記録媒体18、磁気記録媒体18に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド17、及び図示しない低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤などの部品とを備えている。
図1は、カバーを外して示す実施形態に係るHDDの分解斜視図である。図2は、カバーを取外した状態のHDDの平面図である。
図1に示すように、HDDは、矩形状の筐体10と、筐体内に収容された、例えば磁気記録媒体18、磁気記録媒体18に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド17、及び図示しない低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤などの部品とを備えている。
筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース12と、カバー(トップカバー)13と、を有している。ベース12は、矩形状の底壁12aと、底壁の周縁に沿って立設された側壁12bとを有し、例えば、アルミニウムにより一体に成形されている。カバー13は、例えば、ステンレスにより矩形板状に形成され、ねじ13によりベース12の側壁12b上にねじ止めし、ベース12の上部開口を封止することができる。
図1に示すように、筐体10内には、ディスク状の磁気記録媒体として複数枚、例えば、9枚の磁気ディスク18、および磁気ディスク18を支持および回転させるスピンドルモータ19が設けられている。スピンドルモータ19は、底壁12a上に配設されている。各磁気ディスク18は、例えば、直径95mm(3.5インチ)の円板状に形成され非磁性体、例えば、ガラスからなる基板と、基板の上面(第1面)および下面(第2面)に形成された磁気記録層とを有している。各磁気ディスク18は、スピンドルモータ19のハブに嵌合され、更に、クランプばね20によりクランプされている。これにより、磁気ディスク18は、ベース12の底壁12aと平行に位置した状態に支持されている。磁気ディスク18は、スピンドルモータ19により所定の回転数で矢印B方向に回転される。
筐体10内には、磁気ディスク18に対して情報の記録、再生を行なう複数の磁気ヘッド17、および、これらの磁気ヘッド17を磁気ディスク18に対して移動自在に支持したアクチュエータアッセンブリ22が設けられている。アクチュエータアッセンブリ22は、複数のアーム32、各アーム32に取付けられたサスペンションアッセンブリ(ヘッドジンバルアッセンブリ:HGAと称する場合もある)30と、サスペンションアッセンブリ30に支持された磁気ヘッド17とを備えている。
また、筐体10内には、アクチュエータアッセンブリ22を回動および位置決めするボイスコイルモータ(VCM)24、磁気ヘッド17が磁気ディスク18の最外周に移動した際、磁気ヘッド17を磁気ディスク18から離間したアンロード位置に保持するランプロード機構25、変換コネクタ等の電子部品が実装された基板ユニット(FPCユニット)21、およびスポイラ70が設けられている。
ベース12の底壁12aの外面には、プリント回路基板27がねじ止めされている。プリント回路基板は、スピンドルモータ19の動作を制御するとともに、基板ユニット21を介してVCM24および磁気ヘッド17の動作を制御する制御部を構成している。
ベース12の底壁12aの外面には、プリント回路基板27がねじ止めされている。プリント回路基板は、スピンドルモータ19の動作を制御するとともに、基板ユニット21を介してVCM24および磁気ヘッド17の動作を制御する制御部を構成している。
筐体10内には、低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤が設置されている。設置場所は特に限定されないが、例えば、図2に示す領域90のように、VCM24、アクチュエータアッセンブリ22、及び基板ユニット21等に囲まれた領域内の空き領域に脱酸素剤が設置される。
低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤として、例えば非鉄系の脱酸素剤があげられる。鉄系の脱酸素剤は、水分と反応して酸素を吸収することから、高湿度環境では酸素を吸収することが可能であるが、低湿度環境下では酸素を吸収することが困難である。これに対し、非鉄系の脱酸素剤は、酸素濃度と湿度の両方を低減することできるため、磁気ヘッドの酸化反応による劣化を抑制することが可能となる。
低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤として、例えば非鉄系の脱酸素剤があげられる。鉄系の脱酸素剤は、水分と反応して酸素を吸収することから、高湿度環境では酸素を吸収することが可能であるが、低湿度環境下では酸素を吸収することが困難である。これに対し、非鉄系の脱酸素剤は、酸素濃度と湿度の両方を低減することできるため、磁気ヘッドの酸化反応による劣化を抑制することが可能となる。
市販の非鉄系の脱酸素剤としては、RP剤(三菱ガス化学社製)、及びファーマキープ(登録商標)(三菱ガス化学社製)等があげられる。脱酸素剤には、乾燥機能を付与させることができる。低湿度環境でも酸素を吸収するものを、脱酸素剤と混合させて使用することができる。RP剤には種類によって、脱酸素剤と脱酸素乾燥剤とがある。ファーマキープは乾燥機能付き脱酸素剤である。
実施形態にかかる磁気ディスク装置には、さらに乾燥剤を使用することができる。乾燥剤としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、酸化カルシウム、及び塩化カルシウムなどがあげられる。例えば、ゼオライトは、高温化で水蒸気を放出しにくく、高温での湿度増加を防ぐことができる。上記RP剤の脱酸素乾燥剤、及び乾燥機能付き脱酸素剤のファーマキープ等を使用するときは乾燥剤の使用を省くことが可能である。乾燥剤の設置場所は特に限定されないが、例えば脱酸素剤と同様に領域90内に設置することができる。
実施形態にかかる磁気ディスク装置には、さらに乾燥剤を使用することができる。乾燥剤としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、酸化カルシウム、及び塩化カルシウムなどがあげられる。例えば、ゼオライトは、高温化で水蒸気を放出しにくく、高温での湿度増加を防ぐことができる。上記RP剤の脱酸素乾燥剤、及び乾燥機能付き脱酸素剤のファーマキープ等を使用するときは乾燥剤の使用を省くことが可能である。乾燥剤の設置場所は特に限定されないが、例えば脱酸素剤と同様に領域90内に設置することができる。
実施形態にかかる磁気ディスク装置には、さらに、ヘリウムや窒素を封入することができる。例えば、磁気ディスク装置を封止する際に、装置内の空気をヘリウムや窒素などの置換ガスで置換しておくと、装置内の雰囲気の酸素濃度を、予め、空気の酸素濃度よりも低減することが可能である。また、置換ガスを用いることにより酸化摩耗を抑制できるという利点がある。
実施形態にかかる磁気ディスク装置には、脱酸素剤と同様にして、袋に封入した活性炭を配置することができる。活性炭により、有機ガス等を吸収することができる。
実施形態に使用可能な脱酸素剤の量は、単位内容積当たり0.0173〜7.874g/cm3にすることができる。0.0173g/cm3未満であると、酸素吸収速度が1%/h以下となり、実用上問題となる傾向があり、7.874g/cm3を超えると、磁気ディスク装置内に設置するのが難しくなる傾向がある。
実施形態に使用可能な脱酸素剤の量は、単位内容積当たり0.0173〜7.874g/cm3にすることができる。0.0173g/cm3未満であると、酸素吸収速度が1%/h以下となり、実用上問題となる傾向があり、7.874g/cm3を超えると、磁気ディスク装置内に設置するのが難しくなる傾向がある。
脱酸素剤は、磁気ディスク装置内の0.1〜21.0容量%の初期酸素濃度が、封止されてから1時間以内に、0〜0.1容量%の酸素濃度になるまで酸素を吸収することが可能である。また、磁気ディスク装置内の酸素濃度が、磁気ディスク装置が封止されてから1時間以内に0.1容量%以上であると、磁気ヘッドの酸化摩擦反応等による劣化が生じやすくなる傾向がある。酸素濃度は、装置内の空気をヘリウムや窒素などの置換ガスで置換した場合に約0.1容量%となる傾向があり、また、空気中の酸素濃度は、21.0容量%である。このため、ここでは初期酸素濃度を0.1〜21.0容量%としている。
乾燥剤、及び乾燥機能を有する脱酸素剤は、単独でまたは併用して、前記磁気ディスク装置内の0.1〜60.0%RHの初期相対湿度が0〜0.1%RHの相対湿度になるまで湿気を吸収することが可能である。相対湿度が0.1%RHを超えると、磁気ヘッドの酸化摩擦反応等による劣化が生じやすくなる傾向がある。なお、初期相対湿度は、ヘリウムガスや窒素などの置換ガスを用いた場合は0.1%RHとなる傾向があり、空気を使用した場合は約25℃で60.0%RHとなる傾向がある。このようなことから、ここでは初期相対湿度を0.1〜60.0%RHとしている。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例
実施例では、領域90に設置する脱酸素剤を種々変更して、図1及び図2に示す磁気ディスク装置を組み立てた。
実施例
実施例では、領域90に設置する脱酸素剤を種々変更して、図1及び図2に示す磁気ディスク装置を組み立てた。
実施例1
図2に示すようにベース12内に、3.5インチの磁気ディスク18、磁気ヘッド17、磁気ヘッド17を支持するアクチュエータアッセンブリ22、VCM24、及び基板ユニット21などの各部品を取り付けた後、一点鎖線で表される領域90内に、脱酸素剤(1)として、低湿度環境でも酸素を吸収し、袋状の非鉄系の脱酸素剤RP剤(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置した。また、乾燥剤(1)として、袋内に封入されたゼオライト(図示せず)を配置した。さらに、袋内に封入された活性炭を配置した。続いて、ベース12の開口を、カバー14を取り付けることにより封止して、HDDを組み立てた。
図2に示すようにベース12内に、3.5インチの磁気ディスク18、磁気ヘッド17、磁気ヘッド17を支持するアクチュエータアッセンブリ22、VCM24、及び基板ユニット21などの各部品を取り付けた後、一点鎖線で表される領域90内に、脱酸素剤(1)として、低湿度環境でも酸素を吸収し、袋状の非鉄系の脱酸素剤RP剤(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置した。また、乾燥剤(1)として、袋内に封入されたゼオライト(図示せず)を配置した。さらに、袋内に封入された活性炭を配置した。続いて、ベース12の開口を、カバー14を取り付けることにより封止して、HDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、19.7容量%であった。40時間後の酸素濃度は、0.0容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期湿度は、15%RHであり、1時間後の相対湿度は10%RH以下であった。また、20時間後の相対湿度は0.1%RH以下であった。
実施例2
図1及び図2に示すように、ベース12内に、実施例1と同様に各部品を取り付けた後、領域90内に、脱酸素剤(2)として、低湿度環境でも酸素を吸収し、乾燥機能を有する、袋状の非鉄系脱酸素乾燥剤 RP剤(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置した。また、袋内に封入された活性炭を配置した。続いて、ベース12の開口を、カバー14を取り付けることにより封止して、HDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、19.5容量%であった。40時間後の酸素濃度は、0.0容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、17%RHであり、1時間後の相対湿度は10%RH以下であった。また、20時間後の相対湿度は0.1%RH以下であった。
図1及び図2に示すように、ベース12内に、実施例1と同様に各部品を取り付けた後、領域90内に、脱酸素剤(2)として、低湿度環境でも酸素を吸収し、乾燥機能を有する、袋状の非鉄系脱酸素乾燥剤 RP剤(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置した。また、袋内に封入された活性炭を配置した。続いて、ベース12の開口を、カバー14を取り付けることにより封止して、HDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、19.5容量%であった。40時間後の酸素濃度は、0.0容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、17%RHであり、1時間後の相対湿度は10%RH以下であった。また、20時間後の相対湿度は0.1%RH以下であった。
図3に、ベース12の開口を封止させた状態でベース内に乾燥機能を有する非鉄系脱酸素剤RP剤を設置してからの経過時間と、酸素濃度及び相対湿度との関係を表すグラフ図を示す。図中、101は酸素濃度、102は相対湿度を示す。
酸素濃度が0.1%以下まで減少し、相対湿度も5%RH以下に減少するまでの時間は実施例1に対して同等であった。
酸素濃度が0.1%以下まで減少し、相対湿度も5%RH以下に減少するまでの時間は実施例1に対して同等であった。
比較例1
脱酸素剤(3)として、袋状の鉄系の脱酸素剤 エージレス(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置し、乾燥剤(1)として、袋内に封入されたシリカゲル(図示せず)を配置すること以外は、実施例1と同様にしてHDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、21容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、5%RHであり、20時間後の相対湿度は1%RH以下であった。
脱酸素剤(3)として、袋状の鉄系の脱酸素剤 エージレス(三菱ガス化学株式会社製)(図示せず)を配置し、乾燥剤(1)として、袋内に封入されたシリカゲル(図示せず)を配置すること以外は、実施例1と同様にしてHDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、21容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、5%RHであり、20時間後の相対湿度は1%RH以下であった。
図4に、ベース12の開口を封止させた状態でベース内に鉄系の脱酸素剤エージレス及びゼオライトを設置してからの経過時間と、酸素濃度及び相対湿度との関係を表すグラフ図を示す。図中、201は酸素濃度、202は相対湿度を表す。
0.5時間後、酸素濃度が約18%まで減少したが、相対湿度が2%RH以下に減少したところで、酸素濃度が21%に戻った。この鉄系の脱酸素剤を用いると、低相対湿度では脱酸素効果が得られなかった。このように、低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を使用しないと、酸素濃度と相対湿度の両方を低減することは困難であることがわかった。
0.5時間後、酸素濃度が約18%まで減少したが、相対湿度が2%RH以下に減少したところで、酸素濃度が21%に戻った。この鉄系の脱酸素剤を用いると、低相対湿度では脱酸素効果が得られなかった。このように、低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を使用しないと、酸素濃度と相対湿度の両方を低減することは困難であることがわかった。
実施例3
実施例1及び実施例2のHDDは、ベース12の開口を封止させた状態であるが、例えば、ベース12に実施例1と同様に各部品を取り付けて開口を封止するまでの間の製造工程などのように、開口が封止されていない状態でも脱酸素剤や乾燥剤を適用することが可能である。例えば、通常の空気の場合、酸素約20%が含まれているため、脱酸素剤により酸素が吸収されることでドライブ内が約0.8atmに減圧されることになり、その減圧状態での設計が必要である。更に外部から酸素が供給され続けるため、相応量の脱酸素剤が必要になる。
実施例1及び実施例2のHDDは、ベース12の開口を封止させた状態であるが、例えば、ベース12に実施例1と同様に各部品を取り付けて開口を封止するまでの間の製造工程などのように、開口が封止されていない状態でも脱酸素剤や乾燥剤を適用することが可能である。例えば、通常の空気の場合、酸素約20%が含まれているため、脱酸素剤により酸素が吸収されることでドライブ内が約0.8atmに減圧されることになり、その減圧状態での設計が必要である。更に外部から酸素が供給され続けるため、相応量の脱酸素剤が必要になる。
例えば実施例1のHDDにおいて、我々の調査により、HDD内の内容量は約100cm3であるので、単位内容積(1cm3)当たり1容量%/時間の速度で酸素を吸収するのに必要な脱酸素剤は0.0173gであることがわかっている。0.5容量%/時間の速度での吸収なら半分の0.0086gである。もし、通常の空気(酸素20容量%)から酸素を0容量%近くにするには1容量%/時間だと20時間を要することになるため、これを20倍の速度にしたい場合、20倍の量の0.35gが必要となる。HDDの内容量が約100cm3であるので、35gが必要となる。実施例1と同様にケース内に、各部品及び脱酸素剤を設置し、べースの開口にカバーを適用し、固定しない状態にした。
ここでは、例えば、ケース内に各部品を取り付けてから開口を封止するまでの間の時間が1時間であると想定して、RP剤35gを使用した。
カバーを適用して固定しない状態でHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、0.0容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、30%RHであり、1時間後の相対湿度は10%RH以下であった。
カバーを適用して固定しない状態でHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、21容量%であり、1時間後の酸素濃度は、0.0容量%であった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、30%RHであり、1時間後の相対湿度は10%RH以下であった。
実施例4
HDDにおける脱酸素剤の設置場所は、特に限定されるものではなく、領域90内であっても、呼吸孔など外気と触れる機会の多い箇所を避けることが好ましい。
呼吸孔は、例えばベースに設けることができる。
図5に、図1及び図2に使用可能なベースの一例を底面から見た図を示す。
図6は、図2のX−X’断面図を示す。
HDDにおける脱酸素剤の設置場所は、特に限定されるものではなく、領域90内であっても、呼吸孔など外気と触れる機会の多い箇所を避けることが好ましい。
呼吸孔は、例えばベースに設けることができる。
図5に、図1及び図2に使用可能なベースの一例を底面から見た図を示す。
図6は、図2のX−X’断面図を示す。
図5及び図6示すように、本発明のディスク装置に用いられるベース12は、ベース底部12aの外表面135中央に設けられた直径約1mmの通気孔131と、これに連通し、ベース底部内に二手に分かれて設けられた通気路134と、通気路134の両端部がベース底部の内表面136に開口した2つの通気孔132,133とを有する。本発明に用いられるベース12は、底部の外表面135の微小な通気孔131と、ベース底部の内表面136の微小な通気孔132との距離を離し、間に通気路134を設ける構成を有することにより、塵埃等が入り込まないようになっている。また、この構成に、任意に防塵フィルター等の他の部材を組み合わせて使用することができる。この通気孔は、高速回転する磁気ディスク付近に、ヘッドを浮上させるために十分な外気を取り込むために設けられる。これにより、磁気ヘッドの浮上に不具合を生ずるような不所望な気圧の変動が発生しにくくなる。
脱酸素剤は、通気孔132,133の近傍以外の領域に設けることができる。乾燥剤も同様に、通気孔132,133の近傍以外の領域に設けることができる。これにより、磁気ディスク装置が密閉していない状態で、脱酸素剤の酸素、水蒸気吸収能力の消耗を避けることができる。
実施例5
カバー14を取り付ける際に空気をヘリウムガスで置換する以外は実施例2と同様にして、HDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、0.5容量%であり、1時間後に酸素濃度は、0.0容量%となった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、20%RHであり、1時間後の相対湿度は18%RHであり、20時間後の相対湿度は10%RH以下であった。
カバー14を取り付ける際に空気をヘリウムガスで置換する以外は実施例2と同様にして、HDDを組み立てた。
得られたHDD内の酸素濃度を計測したところ、組み立て直後の初期酸素濃度は、0.5容量%であり、1時間後に酸素濃度は、0.0容量%となった。また、HDD内の相対湿度を計測したところ、周囲雰囲気の温度25℃において、組み立て直後の初期相対湿度は、20%RHであり、1時間後の相対湿度は18%RHであり、20時間後の相対湿度は10%RH以下であった。
酸素濃度が1時間で0.1%以下まで減少し、良好な結果が得られたことがわかった。酸素濃度が0.1%以下まで減少し、相対湿度も10%RH以下に減少するまでの時間は実施例1に対して早くなることがわかった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…筺体、12…ベース、17…磁気ヘッド、18…磁気ディスク、19…スピンドルモータ、22…アクチュエータアッセンブリ、90…領域
Claims (5)
- 封止可能な筐体、
前記筐体内に収容された、磁気記録媒体、前記磁気記録媒体に対して情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド、及び低湿度環境でも酸素を吸収する脱酸素剤を含む磁気ディスク装置。 - 前記脱酸素剤は、乾燥機能をさらに有する請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記脱酸素剤の量は、単位内容積当たり0.0173〜7.874g/cm3である請求項1または2記載の磁気ディスク装置。
- 前記脱酸素剤は、封止されてから1時間以内に、前記磁気ディスク装置内の0.1〜21.0%の酸素濃度が0〜0.1%になるまで酸素を吸収することが可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
- 前記筐体は、呼吸孔をさらに含み、前記脱酸素剤は、前記筐体内の前記呼吸孔の近傍以外の領域に設けられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
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2019
- 2019-08-26 JP JP2019153795A patent/JP2021034083A/ja active Pending
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