JP2021033679A - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象の点群を撮影する撮像角度がばらついた場合であっても、検査対象の点群が検査基準と適合するか否かの判定の精度を向上させる技術を提供する【解決手段】検査装置は、検査対象の点群の位置情報が入力される入力手段と、入力手段により入力される検査対象の点群が検査基準に適合するか判定を行う第一判定部(検査部205)と、第一判定部により検査対象の点群が所定の確率の範囲で検査基準に適合しないと判定された場合、所定の領域に存在する検査対象の点群を形成する点を、該点に対応する検査基準の点群を形成する点に重なるように検査対象の点群全体を射影変換する射影変換部207と、射影変換後の検査対象の点群が検査基準に適合するか判定を行う第二判定部(検査部205)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、検査装置に関する。
弾球遊技機において、遊技釘の位置及び打ち込み角度の点検が行われている(例えば特許文献1)。特許文献1では、弾球遊技機の盤面に打ち込まれた釘が検査器具に設けられた孔に当てはまるか否かによって点検がなされている。
特開2018−149215号公報
遊技釘の位置や角度などについての不正が微細である場合、点検シートを使用した目視による検査では不正を検出することは困難と考えられる。そこで、盤面に打ち込まれた遊技釘を撮像し、撮像画像に映る釘を検査対象の点群とみなし、当該検査対象の点群が検査の基準となる点群に適合するかコンピュータを利用して自動的に判定する方法が考えられる。
しかしながら、上記のような方法の場合、遊技釘を撮像する撮像角度にばらつきが生じる可能性が考えられる。よって、本来正常と判定されるはずの撮像画像に映る検査対象の点群が、検査の基準となる基準点群と適合せず、不正な点群であると判定される可能性がある。つまり、検査対象の点群が基準点群と適合するか判定する場合に、撮像角度のばらつきにより誤判定が生じることが考えられる。
そこで、本願は、検査対象の点群を撮影する撮像角度がばらついた場合であっても、検査対象の点群が検査基準と適合するか否かの判定の精度を向上させる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、検査対象の点群と検査基準との適合判定を二段階で行うこととした。
詳細には、本発明は、検査対象の点群の位置情報が入力される入力手段と、入力手段により入力される検査対象の点群の位置情報が検査基準に適合するか判定を行う第一判定部と、第一判定部により検査対象の点群が所定の確率の範囲で検査基準に適合しないと判定された場合、所定の領域に存在する検査対象の点群を形成する点を、該点に対応する検査基準の点群を形成する点に重なるように射影するための射影変換係数を計算する射影変換係数計算部と、射影変換係数計算部により計算される射影変換係数に基づき検査対象の点群全体を射影変換する射影変換部と、射影変換後の検査対象の点群が検査基準に適合するか判定を行う第二判定部と、を備える、検査装置である。
ここで、所定の領域は、該領域に含まれる検査対象の点群の特徴量が、第二の所定の確率以上で該領域に含まれる検査対象の点群に対応する検査基準の点群の特徴量と合致する領域を含む。
検査対象の物体が撮像機器によって撮像され、入力手段により入力される検査対象の点群の位置情報が当該撮像画像に映る検査対象の物体から識別される場合、撮像角度がばらつくことにより第一判定部において本来検査基準と適合すると判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと判定される可能性が考えられる。しかしながら、このような検査装置によれば、射影変換部による射影変換により、撮像角度のばらつきによる影響を低減するように検査対象の点群全体の位置情報が補正され得る。そして、第二判定部において、射影変換後の検査対象の点群が検査基準と適合するか再度判定される。従って、撮像角度のばらつきにより本来検査基準に適合すると判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと誤判定されることは抑制される。
また、検査装置は、入力手段により入力される検査対象の点群の位置情報は、検査対象の物体が映る画像から識別された情報を含み、射影変換部による射影変換は、検査対象の点群の位置を、画像が形成される面内において面に対して直角方向の軸を中心として回転させる変換を含んでもよい。
このような検査装置によれば、検査対象の物体が撮像機器によって撮像される場合に、撮像方向の軸を中心とする回転方向に撮像角度がばらついた場合であっても、本来正常と判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと誤判定されることは抑制される。
また、検査装置の第二判定部は、射影変換後の検査対象の点群を、該点群を仕切る図形へと該点群を変換する図形変換手段と、図形変換手段により変換される図形が、検査基準に適合するか検査を行う図形適合検査手段と、を含んでもよい。
図形同士の適合判定は、図形の構造的な特徴量を比較することにより可能である。構造的な特徴量は、図形の頂点の数、図形の隣角間の角度差を含む。よって、図形同士の適合判定は、撮像画像の傾きや撮像画像のスケールのばらつきを含む外部的原因による影響が低減された判定となる。また、図形同士の適合判定は、これらの構造的な特徴量を複数組み合わせて適合判定することができる。つまり、図形同士の適合判定では、多くの情報量を使用して検査対象を検査することができる。よって、上記のような検査装置は、適合判定の精度をさらに向上させることができる。
上記の検査装置によれば、検査対象の点群を撮影する撮像角度がばらついた場合であっても、検査対象の点群が検査基準と適合するか否かの判定の精度を向上させる技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係る点群検査システムの構成の概要を模式的に例示する。 図2は、実施形態に係る点群検査システムの機能構成の概要の一例を示している。 図3は、スマートフォンが、弾球遊技機の盤面を撮像する処理を実行するフローチャートの一例を示している。 図4は、スマートフォンが、撮像した釘の検査情報の表示処理を実行するフローチャートの一例を示している。 図5は、サーバが、撮像された弾球遊技機の盤面に打ち込まれた釘の適合検査を行う処理を実行するフローチャートの一例を示している。 図6は、検査対象の点群から図形を生成する概要の一例を模式的に例示する。 図7は、検査対象の特徴点と、検査基準の特徴点とが、部分的に高い確率で適合する場合を説明した図である。 図8は、射影変換部が検査対象の特徴点全体を射影変換する概要を示した図である。 図9は、点群検査システムが実行する処理のフローチャートの一例を示している。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
(システムの概要)
図1は、本実施形態に係る点群検査システム1の構成の概要を模式的に例示する。点群検査システム1は、例えばスマートフォン10と、サーバ20と、から形成される。スマートフォン10は、背面側にカメラ11と、正面側にタッチパネルディスプレイ12を備える。ここで、サーバ20は、本発明の「検査装置」の一例である。
カメラ11は、図示しないが光を集光するレンズを備える。レンズは、スマートフォン10の背面側に配置される。また、カメラ11は、レンズを透過した光に反応し、電気信号を生成する撮像素子を備える。
本実施形態に係る点群検査システム1では、スマートフォン10と、サーバ20とが、ネットワーク(N)によって相互に接続される。ネットワークには、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークは、携帯電話等の電話通信網、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
(機能構成)
図2は、実施形態に係る点群検査システム1の機能構成の概要の一例を示している。スマートフォン10は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置、入力機能及び表示機能を有するタッチパネルディスプレイ12を備える携帯型の端末である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。
スマートフォン10は、通信部101を備える。通信部101は、通信モジュールを含んで形成され、ネットワーク(N)を介して外部の装置と情報の通信を行う。また、スマートフォン10は、撮像部102を備える。撮像部102は、カメラ11を含んで形成される。撮像部102は、撮像を実行し、撮像された画像を生成する。また、スマートフォン10は、表示部103を備える。表示部103は、情報をタッチパネルディスプレイ12に表示する。また、スマートフォン10がスピーカーや筐体を振動させる振動素子を有する場合、これらスピーカーや振動素子を制御してユーザに情報を通知してもよい。
サーバ20は、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータである。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プ
ログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。
サーバ20は、通信部201を備える。通信部201は、ネットワーク(N)を介して外部の装置と情報の通信を行う。また、サーバ20は、識別部202を備える。識別部202は、画像に映る物体の識別を行う。識別には、既知の機械学習手法が用いられる。また、識別する場合に、CPUとは別にGPU等の演算ユニットを用いて識別の工程を並列演算処理することにより、識別の工程の高速化を行ってもよい。
また、サーバ20は、図形変換部203を備える。図形変換部203は、点群を図形に変換する。つまり、図形変換部203は、例えば、点群から点群を母点とするボロノイ図及びドロネー図を生成する。ここで、図形変換部203は、本発明の「図形変換手段」の一例である。また、サーバ20は、特徴点抽出部204を備える。特徴点抽出部204は、物体から特徴点を抽出する。抽出には、既知の特徴量抽出手法が用いられてもよい。
また、サーバ20は、検査部205を備える。検査部205は、検査対象の点群が、検査の基準となる基準点群に適合するか検査を行う。点群の適合検査には、既知の点群適合手法が使用される。また、検査部205は、検査対象の図形が、検査の基準となる基準図形に適合するか検査を行う。図形の適合検査には、既知の適合手法が使用される。ここで、検査部205は、本発明の「図形適合検査手段」、「第一判定部」及び「第二判定部」の一例である。
また、サーバ20は、点群を射影変換する時に使用する射影変換係数計算部206と、当該射影変換係数を使用して点群を射影変換する射影変換部207を備える。また、サーバ20は、除外部208を備える。除外部208は、所定の点以外の点を、検査基準の点群から除外する。所定の点は、予め選択される。また、所定の点は、所定の基準から所定距離以内の領域に存在する点といったように決められてもよい。また、サーバ20は、情報作成部209を備える。情報作成部209は、検査結果に関する情報を作成して出力する。
(スマートフォン10の処理フロー)
次にスマートフォン10が実行する処理の概要を説明する。図3は、スマートフォン10が、弾球遊技機の盤面2を撮像する処理を実行するフローチャートの一例を示している。
ステップS101では、スマートフォン10の撮像部102が、弾球遊技機の盤面2を撮像する(S101)。次に、ステップS102では、通信部101が、撮像部102により撮像された撮像画像をサーバ20へ送信する(S102)。
また、図4は、スマートフォン10が、撮像した釘の検査情報の表示処理を実行するフローチャートの一例を示している。
ステップS111では、通信部101が、撮像画像に映る弾球遊技機の盤面2に打ち込まれた釘の検査情報を受信する(S111)。次に、ステップS112では、表示部103が、当該検査情報をタッチパネルディスプレイ12に表示する(S112)。
(サーバ20の処理フロー)
次にサーバ20が実行する処理の概要を説明する。図5は、サーバ20が、撮像された弾球遊技機の盤面2に打ち込まれた釘が基準と適合するか検査を行う処理を実行するフロ
ーチャートの一例を示している。
ステップS201では、通信部201が、弾球遊技機の盤面2に打ち込まれた釘が映る画像をスマートフォン10から受信する(S201)。ステップS202では、識別部202が、撮像画像に映る盤面2に打ち込まれている遊技釘3の釘頭を識別する。釘頭の識別は、まず画像に映る物体のエッジが既知のエッジ検出方法によって検出される。そして、検出されたエッジによって形成される形状が所定の大きさ未満の円形であると所定の基準において判定された場合、検出されたエッジによって形成される形状を釘頭と識別する(S202)。次に、ステップS203では、識別部202が、識別した釘頭を部分的に抽出する。そして、部分的に抽出された釘頭の夫々の中心点を検査対象の点群とする。次に、検査部205へ検査対象の点群の位置情報は入力される。ここで、ステップS201からステップS203の処理の実行は、本発明の「入力手段」の一例である(S203)。
ステップS204では、図形変換部203が、検査対象の点群から、検査対象の点群を母点とするボロノイ図への変換を行う。図6は、検査対象の点群から図形を生成する概要の一例を模式的に例示する。図6に示されるように、図形変換部203が、検査対象の点群から、検査対象の点群を母点とし、各母点の二等分線であるボロノイ境界によって領域分けされたボロノイ図への変換を行う。また、図形変換部203は、変換されたボロノイ図の各領域に含まれる元々の検査対象の点群を、当該検査対象の点群を母点とするドロネー図へと変換する。ドロネー図への変換方法は、隣接するボロノイ領域の場合には当該ボロノイ領域内の母点同士を結び、隣接しないボロノイ領域の場合には二つの母点を結ばないという操作である(S204)。
ステップS205では、特徴点抽出部204が、変換されたボロノイ図及びドロネー図から特徴点を抽出する。特徴点は、図6に示されるように、例えばボロノイ辺とドロネー辺とが交差する交差点を特徴点とする。また、特徴点の抽出は、既知の特徴量検出アルゴリズムによって自動的に実行されてもよい(S205)。
ステップS206では、検査部205が、特徴点抽出部204によって抽出された特徴点が、検査基準の特徴点と所定の適合確率以上で適合可能性があるか否かを検査する。ここで、所定の適合確率は、予め任意の値に設定しておかれる。そして、適合可能性が低いと判定された場合はステップS207へ進む。一方、適合可能性が高いと判定された場合、ステップS206−1へ進む(S206)。
ステップS206−1では、検査部205が識別部202によって識別された釘頭が全て抽出され、検査されたか否かの判定を行う。そして、釘頭が全て検査されたと判定された場合、ステップS211へ進む。一方、釘頭が全て検査されていないと判定された場合、ステップS203に戻り、釘頭の集合の一部分であって、検査を行っていない部分を抽出する処理を行う(S206−1)。
ステップS207では、射影変換係数計算部206が、ステップS206の適合検査における検査対象の特徴点のうち、検査基準の特徴点と部分的に所定の適合確率よりも高い確率で適合する特徴点を特定する。図7は、検査対象の特徴点と、検査基準の特徴点とが、部分的にステップS206における適合判定で使用される所定の適合確率よりも高い確率で適合する場合を説明した図である。図7に示されるように、部分的に高い適合確率を示す特徴点が特定される場合、射影変換係数計算部206は、特定された検査対象の特徴点の位置と、対応する検査基準の特徴点の位置との誤差が少なくなるように検査対象の特徴点全体を射影する射影変換係数を計算する。そして、射影変換部207が、射影変換係数計算部206が計算した変換係数を使用して検査対象の特徴点を射影する。図8は、射
影変換部207が検査対象の特徴点全体を射影変換する概要を示した図である。このように射影変換することにより、検査対象の特徴点の位置と、検査基準の特徴点の位置との誤差が少なくなる。ここで、射影変換は、図8に示されるように、特徴点が映る仮想平面に対して直交する軸の周りに特徴点を回転させる変換を含む。また、射影変換は、特徴点を所定の平面へ射影する変換を含んでもよい(S207)。
ステップS208では、除外部208が、図8に示されるように、検査基準の特徴点から、射影変換係数計算部206が特定した部分的に高い適合確率を示す特徴点に対応する点以外の特徴点を除外する(S208)。
ステップS209では、図形変換部203が、ステップS207において生成された検査対象の特徴点から、検査対象の特徴点を母点とするボロノイ図への変換を行う。そして、図形変換部203は、変換されたボロノイ図の各領域に含まれる検査対象の特徴点を、当該検査対象の特徴点を母点とするドロネー図へと変換する。ここで、ボロノイ図及びドロネー図への変換処理は、ステップS204における図形変換処理と同様であってもよい(S209)。
ステップS210では、検査部205が、ステップS209において変換されたボロノイ図又はドロネー図が、検査の基準となるボロノイ図又はドロネー図と所定の確率以上で適合する可能性があるか検査を行う(S210)。
ステップS210−1では、検査部205が識別部202によって識別された釘頭が全て抽出され、検査されたか判定を行う。そして、釘頭が全て検査されたと判定された場合、ステップS211へ進む。一方、釘頭が全て検査されていないと判定された場合、ステップS203に戻り、釘頭の集合の一部分であって、検査を行っていない部分を抽出する処理を行う。
ステップS211では、情報作成部209が、検査対象の遊技釘3が検査基準を満たしていたか否かに関する検査情報を作成する(S211)。次に、ステップS212では、通信部201が、情報作成部209によって作成された検査情報をスマートフォン10へ送信する(S212)。
(点群検査システム1の処理フロー)
次に、スマートフォン10が上記のステップS101−S102及びステップS111−S112の処理を実行し、サーバ20がステップS201−S212の処理を実行することにより、点群検査システム1の全体が実行する処理フローを説明する。図9は、点群検査システム1が実行する処理のフローチャートの一例を示している。図9に示されるフローチャートでは、ユーザが、カメラ11によって遊技釘3が打ち込まれている弾球遊技機の盤面2を撮像して検査する例を示す。ここで、盤面2に打ち込まれた遊技釘3の一部は検査基準を満たしていないものとする。また、当該検査は、製品の出荷後の弾球遊技機に対して行われるものとする。
ステップS1001では、スマートフォン10の撮像部102により、弾球遊技機の盤面2が撮像される。撮像された撮像画像には、弾球遊技機の盤面2に打ち込まれている遊技釘3が映っている。また、撮像画素数は、例えば2000万ピクセル程度であってもよい(S1001)。次に、ステップS1002では、通信部101が、撮像画像をサーバ20へ送信する(S1002)。
ステップS1003では、サーバ20の通信部201が、撮像画像をスマートフォン10から受信する(S1003)。次に、ステップS1004では、識別部202が、撮像
画像に映る盤面2に打ち込まれている遊技釘3の釘頭を識別する。識別には、既知の機械学習手法として、例えばGoogle社が提供するオープンソースの機械学習ライブラリであるTENSORFLOW(登録商標、以下同様)が使用される。また、TENSORFLOWの実行は、GPUを利用することにより並列演算処理されてもよい。GPUを利用した場合、識別に要する時間は、盤面2あたり20秒程度である(S1004)。
ステップS1005では、識別部202が、識別した釘頭の集合を部分的に抽出する。ここで、当該抽出は、盤面2における任意の場所において半径8cm程度の円に収まる釘頭であって、12個以上の釘頭を部分的に抽出してもよい。そして、部分的に抽出された釘頭を検査対象の点群とする(S1005)。
ステップS1006では、図6に示されるように、図形変換部203が、検査対象の点群から、検査対象の点群を母点とするボロノイ図への変換を行う。また、図形変換部203は、変換されたボロノイ図の各領域に含まれる元々の検査対象の点群を、当該検査対象の各点を母点とするドロネー図へと変換する(S1006)。
ステップS1007では、特徴点抽出部204が、検査対象のボロノイ図及びドロネー図から特徴点を抽出する。特徴点は、図6に示されるように、例えばボロノイ辺とドロネー辺とが交差する交差点を特徴点とする。また、特徴点の抽出は、例えばA−KAZEのような既知の特徴量検出アルゴリズムによって自動的に実行されてもよい(S1007)。そして、ステップS1008では、検査部205が、抽出された特徴点が、検査基準の特徴点と所定の適合確率以上で適合可能性がある検査を行う。ここでは、検査対象の特徴点が、検査基準の特徴点と適合しないと判定される。ここで、特徴点の適合判定が行われる場合に、検査対象の特徴点の位置関係のスケールと、検査基準の特徴点の位置関係のスケールとが同様となるように調節されてもよい。そして、検査対象の特徴点の位置関係と、検査基準の特徴点の位置関係とが同じとなる条件が適合判定に課されてもよい。このような条件が課されることにより、誤判定が抑制される(S1008)。
ステップS1009では、射影変換係数計算部206が、ステップS1008の適合検査における検査対象の特徴点のうち、ステップS1008の判定において使用された所定の適合確率よりも高い確率で、検査基準の特徴点と部分的に適合する特徴点を特定する。そして、部分的に高い適合確率を示す特徴点が特定される場合、射影変換係数計算部206は、特定された検査対象の特徴点の位置と、対応する検査基準の特徴点の位置との誤差が少なくなるような射影変換係数を計算する。ここで、射影変換係数は、図8に示されるように、特徴点が映る仮想平面に対して直交する軸の周りに特徴点を回転させる変換を実現する係数である。そして、射影変換部207は、図8に示されるように射影変換係数計算部206が計算した変換係数を使用して検査対象の特徴点を射影する(ステップS1009)。
ステップS1010では、除外部208が、図8に示されるように、検査基準の特徴点から、射影変換係数計算部206が特定した部分的に高い適合確率を示す特徴点に対応する点以外の特徴点を除外する。ここで、特徴点が除外されるサイズは、例えば部分的に高い適合確率を示す特徴点のうちの1つを中心とした半径25mmの円よりも外側の領域である(S1010)。
ステップS1011では、図形変換部203が、ステップS1009において射影された検査対象の特徴点群から、検査対象の特徴点を母点とするボロノイ図への変換を行う。また、図形変換部203は、変換されたボロノイ図の各領域に含まれる検査対象の特徴点を、当該検査対象の特徴点を母点とするドロネー図へと変換する(S1011)。
ステップS1012では、検査部205が、ステップS1011において変換されたボロノイ図又はドロネー図が、検査の基準となるボロノイ図又はドロネー図と所定の確率以上で適合する可能性があるか検査を行う。ここでは、検査対象のボロノイ図又はドロネー図が、検査基準のボロノイ図又はドロネー図と適合すると判定される(S1012)。
ステップS1013では、検査部205が全ての遊技釘3が検査されたか否かを判定する。そして、検査されていない遊技釘3がある場合、同様にステップS203からステップS210に示される処理が実行されることにより未検査の遊技釘3の検査が実行される(ステップS1013)。そして、検査部205が全ての遊技釘3が検査されたと判定した場合、ステップS1014へ進む。
ステップS1014では、情報作成部209が、遊技釘3に関する検査情報を作成する(S1014)。次に、ステップS1015では、通信部201が、情報作成部209によって作成された検査情報をスマートフォン10へ送信する(S1015)。ステップS1016では、スマートフォン10の通信部101が、作成された検査情報を受信する(S1016)。次に、ステップS1017では、表示部103が、受信した検査情報をタッチパネルディスプレイ12に表示する(S1017)。
<効果>
上記のような点群検査システムによれば、ユーザがスマートフォン10に搭載されるカメラ11によって盤面2を撮影する場合、撮像角度がばらつく可能性が考えられる。よって、ステップS1008における一度の適合検査だけでは、本来検査基準と適合すると判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと判定される可能性が考えられる。しかしながら、上記のような点群検査システムによれば、ステップS1008において検査基準と適合しないと判定された検査対象の特徴点を、射影変換部207により、射影変換している。よって、撮像角度のばらつきによる影響を低減するように検査対象の点群全体の位置情報が補正され得る。そして、射影変換後の特徴点から生成される図形がステップS1012において適合検査され、検査基準に適合すると判定されている。つまり、上記のような点群検査システムによれば、撮像角度のばらつきにより本来検査基準に適合すると判定されるはずの検査対象の特徴点が検査基準に適合しないとステップS1008で一度判定されている。しかしながら、検査対象の特徴点が、対応する検査基準の特徴点の位置との誤差が少なくなるように射影変換され、再度適合検査が行われて検査基準に適合すると判定されている(S1012)。すなわち、上記のような点群検査システムによれば誤判定は抑制される。
また、上記のような点群検査システム1によれば、射影変換は、図8に示されるように、特徴点が映る仮想平面に対して直交する軸の周りに特徴点を回転させている。よって、カメラ11の撮像方向の軸を中心とする回転方向に撮像角度がばらついた場合であっても、本来正常と判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと誤判定されることは抑制される。
また、上記のような点群検査システム1によれば、ステップS1012に示されるような再度の適合判定の場合に、図形同士の適合判定が行われている。ここで、図形同士の適合判定は、図形の構造的な特徴量を比較することにより可能である。構造的な特徴量は、図形の頂点の数、図形の隣角間の角度差を含む。よって、図形同士の適合判定は、撮像画像の傾きや撮像画像のスケールのばらつきを含む外部的原因による影響が低減された判定となる。また、図形同士の適合判定は、これらの構造的な特徴量を複数組み合わせて適合判定することができる。つまり、図形同士の適合判定では、多くの情報量を使用して検査対象を検査することができる。よって、上記のような点群検査システム1によれば、適合判定の精度をさらに向上させることができる。
<その他変形例>
上記の点群検査システム1では、ステップS206における一度目の適合検査では特徴点同士の適合が判定され、ステップS210における二度目の適合検査では図形同士の適合が判定されていた。しかし、二度の適合検査における検査態様は上記の実施形態に限定されず、二度とも同じであっても異なっていてもよい。つまり、例えば二度の適合検査とも検査対象の点群が検査基準の点群と適合判定されてもよい。又は、例えば、一度目の適合検査では図形同士の適合判定が行われ、射影変換後の二度目の適合検査では、点群同士の適合判定が行われてもよい。また、検査対象の点群は、特徴点又は図形に変換されずに検査基準と適合するか判定されてもよい。また、適合検査の回数は、二度に限定されず、三度以上行われてもよい。
また、上記の点群検査システム1では、サーバ20の処理として、ステップS206における適合検査で検査対象の特徴点の位置が検査基準と適合しないと判定された場合、ステップS207へ進んでいる。ここで、ステップS206からステップS207へ進むための詳細な条件がさらに設けられてもよい。つまり、例えば、ステップS206において、検査対象の特徴点の適合確率が70%以上100%未満の場合、ステップS207へ進むとしてもよい。また、ステップS206において、検査対象の特徴点の適合確率が70%未満の場合、ステップS207―ステップS210へは進まずにステップS210−1へ進み、遊技釘3が全て検査されたか否かが判定されてもよい。このような点群検査システム1によれば、ステップS206における適合検査において適合確率が70%未満であるような検査対象の遊技釘3は、再検査されない。よって、サーバ20の負荷は抑制される。
また、射影変換は、特徴点が映る仮想平面に対して平行な軸の周りに特徴点を回転させてもよく、任意の平面へ特徴点を射影してもよい。このような射影変換により、多様な方向の軸を中心とする回転方向に撮像角度がばらついた場合であっても、本来正常と判定されるはずの検査対象の点群が検査基準に適合しないと誤判定されることは抑制される。
また、上記のような点群検査システムでは、識別部202が、識別した釘頭の集合を部分的に抽出し、部分的に抽出された釘頭を検査対象の点群としていた。しかし、検査対象の点群は、識別した釘頭の集合の全部であってもよく、識別した釘頭の全てが、一度に基準と適合するか否か判定されてもよい。
また、上記のような点群検査システムでは、検査対象の点群を、当該点群を母点とするボロノイ図又はドロネー図へ変換しているが、変換される図形は、ボロノイ図及びドロネー図に限られない。また、図形同士の適合判定を行う場合に比較される図形の構造的な特徴量は、ボロノイ図又はドロネー図の各領域を形成する各図形の頂点の数、及び各図形の隣角間の角度差に限定されない。比較される図形の構造的な特徴量は、撮像画像の傾きや撮像画像のスケールのばらつきといった外部的原因の影響が低減される特徴量であってもよい。
また、上記のような点群検査システムでは、サーバ20において実行される処理が、スマートフォン10において実行されてもよい。また、弾球遊技機の盤面2を撮像する機器は、スマートフォン10に限らず、例えばタブレット端末などの携帯端末であって、弾球遊技機の盤面2を撮像可能なカメラを備える端末であればよい。
また、検査対象は、弾球遊技機の盤面2に打ち込まれている遊技釘3に限定されず、体型を計測する場合に着用する着物の所定の場所に点を配置し、ユーザが当該着物を着用した場合の点の歪みの判定に利用されてもよい。また、上記の点群検査システム1は、スポ
ーツ選手の動作解析や天体写真の解析に使用されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
1 :点群検査システム
2 :盤面
3 :遊技釘
10 :スマートフォン
11 :カメラ
12 :タッチパネルディスプレイ
20 :サーバ
101 :通信部
102 :撮像部
103 :表示部
201 :通信部
202 :識別部
203 :図形変換部
204 :特徴点抽出部
205 :検査部
206 :射影変換係数計算部
207 :射影変換部
208 :除外部
209 :情報作成部

Claims (3)

  1. 検査対象の点群の位置情報が入力される入力手段と、
    前記入力手段により入力される前記検査対象の点群の位置情報が検査基準に適合するか判定を行う第一判定部と、
    前記第一判定部により前記検査対象の点群が所定の確率の範囲で前記検査基準に適合しないと判定された場合、所定の領域に存在する前記検査対象の点群を形成する点を、該点に対応する前記検査基準の点群を形成する点に重なるように射影するための射影変換係数を計算する射影変換係数計算部と、
    前記射影変換係数計算部により計算される前記射影変換係数に基づき前記検査対象の点群全体を射影変換する射影変換部と、
    前記射影変換後の検査対象の点群が前記検査基準に適合するか判定を行う第二判定部と、を備える、
    検査装置。
  2. 前記入力手段により入力される前記検査対象の点群の位置情報は、検査対象の物体が映る画像から識別された情報を含み、
    前記射影変換部による射影変換は、前記検査対象の点群の位置を、前記画像が形成される面内において前記面に対して直角方向の軸を中心として回転させる変換を含む、
    請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第二判定部は、前記射影変換後の前記検査対象の点群を、該点群を仕切る図形へと該点群を変換する図形変換手段と、
    前記図形変換手段により変換される図形が、前記検査基準に適合するか検査を行う図形適合検査手段と、を含む、
    請求項1又は2に記載の検査装置。
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